JP2010530015A - アルキンのメタルフリー環状三量化による、アシルアリレンおよびハイパーブランチポリアシルアリレンの合成 - Google Patents

アルキンのメタルフリー環状三量化による、アシルアリレンおよびハイパーブランチポリアシルアリレンの合成 Download PDF

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Abstract

本発明は、1,3,5-トリアシルアリレンまたは1,3,5-トリアシルベンゼンを合成するための、アルキンのメタルフリー環状三量化反応を新たに提供する。本反応は、2級アミンを触媒として、高度に位置選択的であり、官能基に対して非常に寛容であり、高収率に生成物が得られる。さらに本反応は、構造ユニットとしてトリアシルアリレンを有する新規のブランチ(コ)ポリマーの合成に用いられうる。前記(コ)ポリマーの合成は、ワンポット一工程反応により行われ、最大90%の高収率でブランチオリゴマーまたはブランチポリマーを生成する。生成された(コ)ポリマーは、加工性がよく、容易にフィルム化でき、熱的に安定である。

Description

関連出願の相互参照
米国特許法35U.S.C.§119(e)にしたがって、本発明は、2007年6月11日に出願された米国特許仮出願No60/933,884(アルキンのメタルフリー環状三量化によるアシルアリレンおよびハイパーブランチポリアシルアリレンの合成、Benzhong Tang等)に基づく利益を主張する。その仮出願は本発明に援用される。
本発明は、ブランチポリマーまたはハイパーブランチポリマー、およびその製造方法に関する。具体的に本発明は、構造単位として1,3,5-トリアシルアリレンを有するブランチ(コ)ポリマーまたはハイパーブランチ(コ)ポリマー;アルキンの位置選択的なメタルフリー環状三量化による、その製造方法;前記ポリマーの用途に関する。
ハイパーブランチポリマーは、その低粘度と、実質的に球状の分子構造によるおよび高い熱安定性などの興味深い特性を有しており、機能性物質となると考えられている。ハイパーブランチポリマーの充分なポテンシャルの理解のために、新規の汎用的なその合成方法の開発が求められている。種々のハイパーブランチポリマーが、いわゆるAB-タイプ(n≧2)のモノマーの縮合重合により合成されている。ここでAおよびBは、ブランチポリマーを形成するために互いに縮合するように機能する。例えば、ハイパーブランチポリエステルおよびポリアミドが、Frechet. J. M. J.により合成されている(U.S.Pat. No. 5,514,764)。しかしながら、この合成において、競合反応により直鎖状のポリマーが頻繁に形成され、ブランチの程度が低く、分子量の小さい不完全なポリマーが製造される。
アルキンの環状三量化は、3つのアルキンが環化してベンゼン環となる反応である。この種類の[2+2+2]環化付加反応は、1866年にBerthelot, M. によって最初に報告され(Ann. Chim. Phys., 1866, 9, 446)、現在では開発されて有機合成手法に広範に用いられている。すなわち、三重結合の環状三量化反応は、遷移金属触媒の存在を必要とし(Chem. Comm., 1991, 19, 1392)、位置異性体である1,2,4-置換ベンゼンと1,3,5-置換ベンゼンとの混合物が得られる。さらに、多くの遷移金属触媒錯体は、官能基に対して寛容でない。1980年に、Balasubramanian, K.は、初めてベンゾイルアセチレンの環状三量化を報告した(Synthesis, 1980, 29)。本反応は、高度に位置選択的であり、1,3,5-トリアシルベンゼンだけを生成することが知られている(Org. Chem., 2002, 67, 4547)。本反応の他の利点は、遷移金属触媒の代わりに、ジメチルフォルムアミド(DMF)中のリフラックスで反応が進行したり、触媒として添加する2級アミンの存在により反応が進行することである(Tetra. Lett., 2000, 41, 6545 and J. Org. Chem. 2002, 67, 4547)。置換ベンズアルデヒドから、エチニルマグネシウムブロミドとの反応と、MnOまたはCrOによる酸化により、エチニルケトンが合成される。しかしながら、ベンゾイルアセチレンの合成は多段階合成であり、エチニルマグネシウムブロミドのような有機金属錯体を必要とし、MnOまたはCrOのような毒性の重金属酸化物を必要とする。さらに、空気や水分の排除などの厳密な反応条件が必要である。
ジアセチレン(またはジイン)の環化付加は、高分子量かつブランチの程度が高いハイパーブランチポリマーの合成の要素反応として用いられている。その環化付加メカニズムは、ハイパーブランチコアの内部での直鎖繰り返しユニットの形成に寛容でないからである。例えば、Olsen, R. E.は、ビニルエチニルベンゼン、ジエチニルベンゼンおよびフェニルアセチレンの、チーグラー触媒による共重合環状三量化により、新規ポリフェニレン樹脂を合成した(U.S. Pat. Nos. 5,686,027 and 5,594,058)。得られたポリマーは、高性能なカーボンーカーボンコンポジットの構築に用いられる。しかしながら、この反応のシステムは複雑である。Ben Zhong Tangのグループは、触媒としてタンタルとコバルトの錯体を用いるジインの重合環状三量化により、可溶性のハイパーブランチポリ(アルケンフェニレン)およびポリ(アリレン)の合成に成功した(Macromolecules, 2007, 40, 1914, Macromolecules, 2004, 37, 5196 and C. R. Chimie, 2003, 6, 833)。しかしながら、上述した重合方法は、遷移金属触媒を必要とし、非位置選択的なポリマーを生成する。そのため、何人かの化学者はハイパーブランチポリマーの立体選択的合成法を開発しようと試みている。Tiwari, R. K.は、トリアロイルベンゼン部位を有するブランチポリマーと、その製造プロセスを報告した(Indian Journal of Chemistry, 1996, 35B, 1263)。しかしながら、得られたポリマーは、ほとんどの有機溶媒に不溶であり、そのポリマーの特性付けや利用を困難にしている。
Tangは、可溶性のトリアロイルベンゼンベースのブランチ(コ)ポリマーの合成に成功した(US Patent Application No. 11/417,290)。得られたポリマーは通常の有機溶媒に可溶であり、高い熱安定性と、感光性と、フォトレジスト物質としての機能を有する。しかしながら、そのモノマー構成要素は、カルボニルアセチレン基(アロイルアセチレンまたはジアロイルアセチレン)に隣接する芳香族部位を必要とする。これは、水分に不安定な有機金属錯体と毒性の重金属化合物とを必要とする多段階合成法によってのみ得られる。
したがって、ハイパーブランチポリマーと、そのモノマー構成要素とを、温和な条件で簡便かつ迅速な一段階で合成する手法を開発する必要がある。
本発明において、金属の非存在下でのプロピオリック酸エステルの環状三量化を見出した。そして初めて、ビス(アシルアセチレン)の環状付加を、ハイパーブランチ(コ)ポリ(アシルアリレン)の合成プロセスに用いた。
本発明は、1,3,5-トリアシルアリレンまたは1,3,5-トリアシルベンゼンを製造する、アルキンの新規な環状三量化反応を提供する。前記反応は2級アミンによる触媒反応であり、高位置選択的であり、官能基に対して寛容であり、そして収率よく生成物が得られうる。さらにこの反応は、構造ユニットとしてトリアシルアリレンを有する、新規なブランチ(コ)ポリマーの合成に応用されうる。前記(コ)ポリマーの合成は、ワンポットかつ一段階反応で行われ、ブランチオリゴマーおよびブランチポリマーを、最大90%の収率で生成する。製造される(コ)ポリマーは、加工性がよく、フィルム化しやすく、かつ熱安定性も有する。
したがって本発明の目的は、複数の末端ユニットおよび複数の内部ユニットを有し、可溶性を有し、かつ加工性のよいブランチポリマーまたはハイパーブランチポリマーを提供することであり、前記内部ユニットは構造式(I)で示される。
Figure 2010530015
ここでX-R-Xは、ジアシルアセチレンの残基であり;Xは、O,NHまたはSであり;nは、1より大きく;前記内部構造は、同一または異なるRを有する。
本発明の他の目的は、式(II)を有するトリアシルアリレン(もしくはトリアシルベンゼン)またはその重合体の新規製造方法を提供することであり、以下に示されるアシルアセチレンの環状三量化反応を含む。
Figure 2010530015
ここでRは、有機基または有機金属基から選択され;式(II)におけるR-Xは、アシルアセチレンの残基であり;Xは、O,NHまたはSであり;式(II)のトリアシルアリレンは、同一または異なるRを有する。
前記環状三量化は、金属の非存在下で位置選択的に達成される。
本発明の他の目的は、内部ユニットとして式(I)を有するポリマーの製造方法を提供することであり、以下の重合ステップを含む。
Figure 2010530015
ここで前記前駆体は、1以上のジアシルアセチレンを含み;X-R-Xは、ジアシルアセチレンの残基であり;Xは、O,NHまたはSであり;nは1より大きく;前記内部ユニットは、同一または異なるRを有する。この重合は、好ましくは金属の非存在下で、前駆体の重合環状三量化により位置選択的に行われる。さらに前駆体は、ポリマーを末端封止するための1以上のモノインをも含みうる。前駆体として用いられるジアシルアセチレンは、好ましくは、有機または有機金属ジオール、ジアミンまたはジチオール官能基と、プロピオリック酸との簡便な縮合により合成される。
本発明の他の目的は、前記式(I)の(コ)ポリマーにエネルギー源を照射するステップを含むフォトパターニング法を提供すること;および前記(コ)ポリマーを含む熱硬化性樹脂を提供することである。前記エネルギー源は、UV照射、E-ビームまたはレーザでありうるが、本発明においてUV照射が好ましい。
本発明を特徴付ける、新しい種々の特徴が、本発明の開示の一部である、添付の特許請求の範囲に具体的に指摘される。本発明を、実用的な利点およびその利用により得られる具体的目的を、より理解するために、本発明の好ましい態様を説明および記述する図面および以下の明細書を参照する。
図1は、DMSO-d中のフェニルアセチレンカルボキシレート(化合物12)と、トリフェニルベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレート(化合物13)のH NMRスペクトルを示す。 図2は、DMSO-d中のトリフェニルベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレート(化合物13)の13C NMRスペクトルを示す。 図3は、ジクロロメタン-d中の(A)モノマー3、(B)モデル化合物13、および(C)hb-P3のH NMRスペクトルを示す。溶媒ピークは、アステリスク(*)でマークされる。 図4は、ジクロロメタン-d中の(A)モノマー3、(B)モデル化合物13、および(C)hb-P3の13 C NMRスペクトルを示す。溶媒ピークは、アステリスク(*)でマークされる。 図5は、ジクロロメタン-d中の(A)hb-P2、(B)hb-P5のH NMRスペクトルを示す。溶媒ピークは、アステリスク(*)でマークされる。 図6は、DMSO-d中のhb-P4のH NMRスペクトルを示す。溶媒ピークは、アステリスク(*)でマークされる。 図7は、(A)モノマー1、および(B)そのポリマーhb-P1のIRスペクトルを示す。 図8は、(A)モノマー2および(B)そのポリマーhb-P2のIRスペクトルを示す。 図9は、(A)モノマー3および(B)そのポリマーhb-P3のIRスペクトルを示す。 図10は、(A)モノマー4および(B)そのポリマーhb-P4のIRスペクトルを示す。 図11は、(A)モノマー5および(B)そのポリマーhb-P5のIRスペクトルを示す。 図12は、hb-P2、hb-P3、およびhb-P5のTHF溶液のUV吸収スペクトルを示す。 図13は、窒素雰囲気下で加熱速度20℃/分で測定したハイパーブランチ ポリ(アロキシカルボニルフェニレン)であるhb-P1〜P5のTGAサーモグラムを示す。 図14は、hb-P3のフォトリソグラフィーにより得られるネガティブパターンを示す。 図15は、UV照射前(破線)および30分間のUV照射後(実線)の、hb-P3薄膜の屈折率の波長依存性を示す。
定義:以下の定義は、本発明および添付された特許請求の範囲を理解するために提供される。
「ジアシルアセチレンの残基」とは、ジアシルアセチレンから2つのカルボニルアセチレン基を除いた有機基または有機金属基を意味する。
「モノアシルアセチレンの残基」とは、モノアシルアセチレンから1つのカルボニルアセチレン基を除いた有機基または有機金属基を意味する。
「ジアシルアセチレン」は、2つのカルボニルアセチレン基を有する化合物であり;本開示において用いられる特別な意味として、「ジアシルアセチレン」は、2よりも多いカルボニルアセチレン基を有する化合物をも意味する。さらに、本開示におけるジアシルアセチレンの構造に見られるように、「ジアシルアセチレン」は構造中にラジカルXを含み、ここでXはO,NHまたはSである。「ジアセチレン」は、本開示においてジインをも意味する。
「モノイン」とは、1つだけのカルボニルアセチレン基を有する化合物を意味する。用語「ジアシルアセチレン」と同様に、本開示における「モノイン」は構造中にラジカルXを含み;ここでXはO,NHまはたSである。
本発明のポリマーの「末端ユニット」とは、重合に関与する1つだけのカルボニルアセチレン基を有するモノアシルアセチレンまたはジアシルアセチレンを意味する。
環状三量化および重合
本発明のアルキンの環状三量化法は、以下に示されるスキーム1の一般構造式6を有するアルキンの反応を含む。ここで、Rは有機基または有機金属基から独立して選択され;XはO,NHまたはSである。
この環状三量化反応は、スキーム2に示されるトリアシルアリレン(またはトリアシルベンゼン)部位を有し、かつ可溶性および加工性のよい(ハイパー)ブランチオリゴマーおよび(コ)ポリマー(hb-P10)の合成に利用されうる。
Figure 2010530015
Figure 2010530015
本発明は、O,NHまたはSのような構造部位に結合しており、1または2以上の重合可能な有機または有機金属プロピオン系官能基を有している、考えられるすべての化合物に拡張されうる。これらの化合物は、本発明の重合の前駆体として用いられることができ、2級アミン中でリフラックスされることで環状三量化されうる。本発明の環状三量化は、以下のステップを含む。
Figure 2010530015
ここで前駆体は、1以上のジアシルアセチレンを有し;X-R-Xはジアシルアセチレンの残基であり;Xは、O,NHまたはSであり;nは1より大きい。前駆体は、当業者によって置換されて、上述の本発明の置換化合物を種々提供しうる。1つのカルボニルアセチレン基を有する化合物は、機能性を付与したり、ポリマーを封止するための共重合モノマーとして本発明で用いられうる。
したがって前駆体は、本発明のポリマーを末端封止するための1以上のモノインをさらに含みうる。加工性のよい物質が、ジインを、モノインおよび/または他のジインと種々の比率で、最適化された反応条件でホモ重合および共重合することにより得られうる。反応条件は、溶媒、重合時間、重合温度、モノマー濃度および触媒などである。ホモ重合において、Rは、ポリマーのすべての内部ユニットで同一であり;共重合において、Rは、内部ユニットごとに同一でも異なっていてもよい。異なるRを有するジアシルアセチレンの前駆体が用いられうるからである。反応条件は、過度の実験なしに当業者によって確認されうる。例えば、反応における多量のモノインは、ポリマーを末端封止して、ブランチの程度を低くする傾向がある。
環状三量化反応は、ジメチルフォルムアミド(DMF)中で、一般構造式6のアルキンを、少なくとも20時間最大60時間(好ましくは24時間)、窒素雰囲気下または空気雰囲気下にて、リフラックスすることで行われることが好ましい。他の2級アミンは、式RNHR'で示され;ここでRおよびR'は、脂肪族または芳香族基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。
本発明で用いられる2級アミンの例には、ピペリジン、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロウンデセン-7(DBU)などが含まれるが、特に制限されない。2級アミンとしてピペリジンが用いられる場合、ジオキサン中で用いられうる。
ベンゼン環の形成を開始するために、エステル(XがOH)、アミド(XがN)またはチオエステル(XがS)の機能性は、本発明の環状三量化反応に十分である。本発明における環状三量化反応において、単量体ジアセチレン構成要素が、任意の有機または有機金属ジオール(8a;X=O)、ジアミン(8b;X=NH)またはジチオール(8C;X=S)官能基と、プロピオリック酸9との簡便な縮合反応により得られる。
スキーム3は、フェニルアセチレンカルボキシレート12を得て、このフェニルアセチレンカルボキシレートを環状三量化させて環状三量化体であるトリフェニルベンゼン1,3,5-トリカルボキシレート13を得る、本発明の態様を説明する。
Figure 2010530015
本反応において、フェニルアセチレンカルボキシレート12は、フェノール11とプロピオリック酸9との簡単な簡便な縮合により容易に得られる。1,3-ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、4-トルエンスルホン酸(TsOH)およびジクロロメタン(DCM)を用いることができる。
得られたフェニルアセチレンカルボキシレート12を、DMF中で24時間窒素雰囲気下でリフラックスすることで、環状三量化体であるトリフェニルベンゼン1,3,5-トリカルボキシレート13を生成する。
環状三量化体13は、標準的なスペクトル分析によって解析され、充分なデータが得られた。図1は、DMSO-d中のフェニルアセチレンカルボキシレート12とトリフェニルベンゼン1,3,5-トリカルボキシレート13のH NMRスペクトルを示す。このスペクトルにおいて、フェニルアセチレンカルボキシレート12は、強いアセチレン共鳴吸収ピークを4.97ppmに示す。このピークは、環状三量化後の環状三量化体13のスペクトルには完全に見られない。同時に、新しいベンゼン環の形成に関連する新しいピークが、9.04ppmに表れる。フェニル部位から生じるピーク以外のすべてのピークは、確認されなかった。このことは、アセチレンカルボキシレート12の環状三量化体13への変換が成功したことを示唆する。同様の結果が、13C NMRスペクトルから得られた。すべてのピークは、環状三量化体13の予想される構造に、容易に帰属され得る。図2は、DMSO-d中の1,3,5-トリカルボキシレート13の13C NMRスペクトルを示す。
ハイパーブランチポリマー
本発明により重合されて得られたブランチポリマーまたはハイパーブランチポリマーは、複数の末端ユニットと複数の内部ユニットとを含む。内部ユニットは、式(I)で示される。
Figure 2010530015
ここでX-R-Xは、ジアシルアセチレンの残基であり;Xは、O,NHまたはSであり;nは1より大きく;前記内部ユニットは同一または異なるRを有する。当業者に理解されるように、ホモ重合においてRは、ポリマーのすべての内部ユニットで同一であり;一方、共重合においてRは、内部ユニット毎に異なっていてもよい。出発物質として用いるジアシルアセチレンが、異なるRを有する複数種であり得るからである。
は、少なくとも2つのカルボニルアセチレン基(ジアシルアセチレン)を有する化合物に存在するか、または1つのカルボニルアセチレン基(モノアシルアセチレン)を有する化合物(ポリマーの末端封止ユニットとなる)に存在する有機基または有基金属基でありうる。
好ましいRの例には、以下のチャート1におけるP1,P2,P3,P4およびP5にある基が含まれる。複数の末端ユニットは、未反応のアセチレン部位由来の三重結合であるか、または末端封止もしくは他の機能性付与剤由来の他の有機基である。nは、好ましくは約10〜約100の範囲である。本発明の簡便なワンポット反応である環状三量化により得られたポリマーは、高位置選択的であり、官能基に対して非常に寛容であり、ブランチの程度が高く(最大100%)、高収率である(最大99%)。本ポリマーは、加工性がよく、容易にフィルム化でき、加熱または照射により熱硬化樹脂に変換(硬化)することができる。
本発明のブランチポリマーまたはハイパーブランチポリマーの特定の態様が、以下のチャート1およびチャート2に示される。
Figure 2010530015
Figure 2010530015
ブランチポリマーまたはハイパーブランチポリマーを合成するために、まず、種々のジインモノマーが合成され;さらにそれらが、種々の条件下にてDMF中でリフラックスされる。
その後、少量の酸を含むジエチルエーテルまたはメタノール中にて、ポリマーを沈殿させて回収する。化合物2の環状三量化の反応条件が、以下の表1に説明される。
Figure 2010530015
高分子量のハイパーブランチポリマーを得るために、重合条件を最適化して、その結果を表2〜5に示した。
Figure 2010530015
Figure 2010530015
Figure 2010530015
Figure 2010530015
Figure 2010530015
反応条件の最適化後、化合物1〜5の重合を行い、その重合結果を表7に示した。
Figure 2010530015
ハイパーブランチポリマーP2の合成手順を変えても、同様のスペクトル結果が得られた。このことは、触媒の使用は、ハイパーブランチポリマーの構造にあまり影響がなく、その分子量にのみ影響を与えることを示唆する(表1参照)。図3は、ジクロロメタン-d中の、ハイパーブランチポリ(ジメチル)メチレンジ(1,4-フェニレン)ビプロピオレートP3、そのモノマー3、およびモデルとしての環状三量化体13のH NMRスペクトルを示す。環状三量化ベンゼンのプロトンに関連する新しいピークが、ポリマーのスペクトルの〜9.3ppmに表れる。このピーク位置は、環状三量化体13のピークと一致する。さらに、ポリ環状三量化後のポリマーのスペクトルにほとんど三重結合部位は検出されなかった。このことは、官能基の変換率が高く、重合度が高いことを示唆する。ジクロロメタン-d中の、ハイパーブランチポリマーhb-P3、対応するモノマー3と、モデルである環状三量化体13の13 C NMRスペクトルから、三重結合を表す〜75ppmのピークは、環状三量化後に消失している。これは、官能基の変換率が高く、得られたポリマーのブランチの程度が高いことを裏付ける。窒素雰囲気下から空気雰囲気下への反応条件の変化は、ハイパーブランチポリマーの構造および分子量にあまり影響がない。このことは、酸素の存在は、この重合プロセスを阻害しないことを意味する。
ハイパーブランチポリマーの構造は、さらにIRスペクトルによって解析される。図7〜11は、ハイパーブランチポリマー、およびそれに対応するモノマーのIRスペクトルを示す。〜3100cm-1 のピークおよび〜2000cm-1のピークは、それぞれ≡C−H伸縮およびC≡C伸縮に関連するが、重合後のポリマーには見られない。このスペクトルの結果は、予想されるブランチ構造と充分に一致している。
図12は、ハイパーブランチポリマーhb-P2、hb-P3およびhb-P5のTHF溶液(2×10−6M)のUVスペクトルを示す。すべてのポリマーは、導入された発色ユニットにより生じる強いUV吸収を示し、400nm未満の波長を遮断(cut-off)した。したがって、このポリマーは可視領域における高い透明性を有する。さらに、蛍光性が低いことも確認された。
ポリマーの安定性を、熱重量分析によって評価した。図13は、加熱速度20℃/分で窒素雰囲気下で記録されたハイパーブランチポリマーP1〜P5のTGAサーモグラムを示す。すべてのポリマーは熱的に非常に安定であり、300℃超の温度でのみ分解が開始する。したがって、ポリマーは、最大200℃に加熱することで、定量的に熱硬化性樹脂に変換される。
ポリマーは、多くのトリアシルアリレンユニットまたはトリアシルベンゼンユニットを有し、高い光架橋効率を示す。
図14は、hb-P3のフォトリソグラフィーにより得られたネガティブパターンを示す。このポリマーは、高いフィルム形成能を示す。ポリマーのファイン構造を有するフォトパターンの形成に成功した。
ハイパーブランチポリマーの屈折率を調べた。hb-P3の屈折率の波長依存性も調査した。その後、ポリマーフィルムをUVランプで30分間照射して、ポリマーフィルムの屈折率を再び確認した。その結果が図15に示される。UV照射後、低波長側でポリマーの屈折率が高まっている。
本発明は初めて、金属非存在下における、アシルアリレンの環状三量化を提供する。これは、ポリ環状三量化による、加工性のよいポリ(アシルアリレン)の合成に用いられる。この新規環状三量化は、簡便かつ低コストであり、合成系中に金属がないので生成物をより「グリーン」にし、オプティカルイノベーションに適する。さらに、モノマー合成およびポリマー合成ともシンプルであり、得られるポリマーは高度に位置選択的であり、そして官能基に対して非常に寛容である。このような高ブランチ(高度に分岐した、highly branched)物質は、種々の面で、通常の鎖状ポリマーを超える利点を有する。その利点とは、例えば、高い加工性、高機能性末端基の密度の高さ、低溶液(low solution)、低固有粘度、および熱安定性などである。
種々の官能基が、ハイパーブランチポリ(アシルアリレン)に導入されうる。それによりハイパーブランチポリマーは、光学用途(発光ポリマー、正孔または電子輸送物質、光リミッタ)、熱的用途(熱硬化フィルム、熱硬化樹脂、接着剤)、電子用途(ネガティブレジスト)、磁気デバイスなどの種々の用途を有しうる。したがって本発明のポリマーは、金属種を(コ)ポリマーに導入することにより、ハイブリッドポリマーとするために用いられうる。このようなハイブリッド構造を形成することで、多量の金属を担持した、興味深い触媒特性、電子特性および/または磁気特性を有する有機金属ポリマーが得られうる。高温での熱分解時に、パターン化されたハイブリッドポリマーが、高収率かつ高解像度で強磁性セラミックパターンに変換される。
以下に、本発明のいくつかの実施態様を、実施例を参照してより詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]ハイパーブランチポリ[1,4-フェニレンジプロピオレート]P1
Figure 2010530015
サイドアームに三方コックを取りつけた15mlのシュレンクチューブに、窒素雰囲気下のグローブボックスにて、57mgの1,4-フェニレンジプロピオレート(0.267mmol)を加えた。蒸留DMF(1.5ml)を、皮下注射器を用いて、前記チューブに注入した。混合物を、24時間リフラックスしながら攪拌した。その後、重合混合物を、少量の希塩酸を含むメタノール(〜300ml)に、コットンフィルターを通して滴下した。ポリマー沈殿物を一晩放置して、濾取により回収した。単離したポリマーをメタノールで洗浄し、一定重量になるまで室温にて減圧下で乾燥した。
特性データ:褐色パウダー、収率84.0%、IR(KBr), ν (cm−1): 3079, 2930, 1744, 1651, 1604, 1500, 1444.
[実施例2]ハイパーブランチポリ[4,4’-(9H-フルオレン-9,9-ジイル)ビス(4,1-フェニレン)-ジプロピオレート]P2pip
Figure 2010530015
サイドアームに三方コックを取りつけた15mlのシュレンクチューブに、窒素雰囲気下のグローブボックスにて、120mgの4,4'-(9H-フルオレン-9,9-ジイル)ビス(4,1-フェニレン)ジプロピオレート(0.267mmol)を加えた。ジオキサン(0.3M)中の蒸留ジオキサン(1.9ml)とピペリジン(0.3ml)を、皮下注射器を用いて前記チューブに注入した。混合物を、24時間リフラックスしながら攪拌した。その後、重合混合物を、ジエチルエーテル(〜300ml)にコットンフィルターを通して滴下した。ポリマー沈殿物を一晩放置し、濾取により回収した。単離したポリマーを、ジエチルエーテルで洗浄し、一定重量になるまで室温にて減圧下で乾燥した。
特性データ:褐色パウダー、収率50.1%、Mw: 3700、Mw/Mn:1.46(GPC, ポリスチレンキャリブレーション)、IR(薄膜), ν (cm-1): 3017, 2941, 2858, 2125, 1740, 1703.
[実施例3]ハイパーブランチポリ[4,4’-(9H-フルオレン-9,9-ジイル)ビス(4,1-フェニレン)ジプロピオレート]P2 DMF,NおよびP2 DMF,空気
Figure 2010530015
サイドアームに三方コックを取りつけた15mlのシュレンクチューブに、窒素雰囲気下のグローブボックスにて、120mgの4,4'-(9H-フルオレン-9,9-ジイル)ビス(4,1-フェニレン)ジプロピオレート(0.267mmol)を加えた。蒸留DMF(1.5ml)を、皮下注射器を用いて、前記チューブに注入した。混合物を24時間リフラックスさせながら混合した。その後、重合混合物を少量の希塩酸を含むメタノール(〜300ml)に、コットンフィルターを通して滴下した。ポリマー沈殿物を一晩放置し、濾取により回収した。単離したポリマーを、メタノールで洗浄し、重量が一定になるまで室温にて減圧下で乾燥した。
特性データ:褐色パウダー、収率65.9%、Mw:13300、Mw/Mn:2.49(GPC、ポリスチレンキャリブレーション)、IR(薄膜), ν (cm−1): 3017, 2941, 2858, 2125, 1740, 1703、H NMR (300 MHz in DCM-d2): 9.15, 7.78, 7.77, 7.37, 7.30, 7.26, 7.23, 7.07, 6.99, 6.94, 6.67、13C NMR (75 MHz in DCM-d2): 164.3,164.1, 155.6, 151.9, 151.4, 150.3, 140.8, 136.6, 131.9, 130.0, 128.6, 128.4, 126.8, 122.2, 122.0, 121.0, 115.8.
反応雰囲気を、窒素雰囲気から空気雰囲気に変更したこと以外は、同様の手順を繰り返してP2-DMFを合成した。
特性データ:褐色パウダー、収率82.0%、Mw: 14600、Mw/Mn:3.9(GPC,ポリスチレンキャリブレーション)、IR(薄膜) ν (cm-1): 3013, 2939, 2859, 2125, 1743, 1602、H NMR (300 MHz in DCM-d2): 9.10, 7.79, 7.76, 7.37, 7.34, 7.27, 7.23, 7.09, 7.07, 7.04, 6.95, 6.93, 6.66、13C NMR (75 MHz in DCM-d2): 164.7, 163.9, 155.9, 152.0, 151.9, 151.2, 150.1, 149.9, 144.4, 140.6, 140.5, 137.5, 136.4, 131.7, 130.8, 129.8, 129.5, 128.4, 126.6, 122.5, 121.8, 120.8, 115.7, 65.2, 64.9.
[実施例4]ハイパーブランチポリ[(ジメチル)メチレンジ(1,4-フェニレン)ビプロピオレート]P3
Figure 2010530015
サイドアームに三方コックを取りつけた15mlのシュレンクチューブに、窒素雰囲気下のグローブボックスにて、89mgの(ジメチル)メチレンジ(1,4-フェニレン)ビプロピオレート(0.267mmol)を加えた。蒸留DMF(1.5ml)を、皮下注射器を用いて前記チューブに注入した。混合物を24時間リフラックスしながら攪拌した。その後、ポリマー混合物を、少量の希塩酸を含むメタノール(〜300ml)に、コットンフィルターを通して滴下した。ポリマー沈殿物を一晩放置し、濾取により回収した。単離されたポリマーをメタノールで洗浄し、重量が一定になるまで室温にて減圧下で乾燥した。
特性データ:褐色パウダー、収率:68.4%、Mw:15600、Mw/Mn:2.4(GPC、ポリスチレンキャリブレーション)、IR(薄膜), ν (cm-1): 2966, 2933, 2872, 1742, 1603, 1504. H NMR (300 MHz in DCM-d2): 9.16, 7.96, 9.91, 7.27, 7.17, 7.101, 1.70, 1.65、13C NMR (75 MHz in DCM-d2): 164.3, 149.3, 136.5, 132.0, 128.7, 128.5, 121.8, 121.6, 115.5, 43.2, 31.4.
[実施例5]ハイパーブランチポリ[4,4'-カルボニルビス(4,1-フェニレン)ジプロピオレート]P4
Figure 2010530015
サイドアームに三方コックを取りつけた15mlのシュレンクチューブに、窒素雰囲気下のグローブボックスにて、85mgの4,4'-カルボニルビス(4,1-フェニレン)ジプロピオレート(0.267mmol)を加えた。蒸留DMF(1.5ml)を、皮下注射器を用いて前記チューブに注入した。混合物を24時間リフラックスしながら攪拌した。その後、重合混合物を、少量の希塩酸を含むメタノール(〜300ml)に、コットンフィルターを通して滴下した。ポリマー沈殿物を一晩放置し、濾取により回収した。単離されたポリマーは、メタノールで洗浄され、重量が一定になるまで室温にて減圧下で乾燥した。
特性データ:褐色パウダー、収率65.9%、IR(薄膜), ν (cm-1): 3019, 1922, 1737, 1595、H NMR (300 MHz in DMSO-d6):10.57, 9.19, 8.36, 7.90, 7.78, 7.57, 7.52, 7.00、13C NMR (75 MHz in DMSO-d6): 193.2, 171.0, 164.3, 162.6, 161.9, 158.6, 153.6, 136.1, 134.3, 132.5, 131.3, 130.8, 127.8, 121.2, 117.6, 115.2。得られたポリマーは、THFに溶解にしにくかったので、GPCデータは取得していない。
[実施例6]ハイパーブランチポリ[4,4'-チオビス(4,1-フェニレン)ジプロピオレート]P5
Figure 2010530015
サイドアームに三方コックを取りつけた15mlのシュレンクチューブに、窒素雰囲気下のグローブボックスにて、86mgの4,4'-チオビス(4,1-フェニレン)ジプロピオレート(0.267mmol)を加えた。蒸留DMF(1.5ml)を、皮下注射器を用いて前記チューブに注入した。混合物を24時間リフラックスさせながら攪拌した。その後、重合混合物を、少量の酢酸を含むジエチルエーテル(〜300ml)に、コットンフィルターを通して滴下した。ポリマー沈殿物を一晩放置して、濾取により回収した。単離されたポリマーは、ジエチルエーテルで洗浄し、重量が一定になるまで室温にて減圧下で乾燥した。
特性データ:褐色パウダー、収率81.7%、Mw:5600、Mw/Mn:1.6(GPC, ポリスチレンキャリブレーション)、IR(薄膜), ν (cm-1): 2932, 1741, 1655, 1582, 1486、1H NMR (300 MHz in DCM-d2): 9.15, 7.94, 7.37, 7.35, 7.30, 7.24, 7.22, 7.16, 7.14, 7.11, 7.08, 7.01, 6.80、13C NMR (75 MHz in DCM-d2): 163.9, 136.7, 133.0, 129.7, 123.3, 119.8, 119.2, 117.3.
[実施例7]hb-P3を用いたネガティブパターンの形成
シリコンウェハに塗布したhb-P3の薄膜に、銅製のネガティブフォトマスクを通してUV光(365nm)を20分間照射した。薄膜の照射領域は、架橋されて不溶化する。その後、フィルムを1,2-ジクロロエタンで現像し、ネガティブフォトレジストパターンを得た。得られたパターンは高品質である(稜線がシャープであり、フィルム厚さが一定であるなど)ことが、通常の実験室の照明で明確に確認された。このパターンを図14に示す。
以上の本発明の記述における本発明のポリマーの特性に関する説明において、明示的にまたは黙示的に示された理論に拘束されることを意図しない。
本発明の基本的な新しい特徴を、好ましい態様に適用しながら説明および指摘した。本発明の精神から逸脱しない範囲で、説明した実施態様の形態と詳細において、種々の省略と置換と変更がなされうることが当業者に理解される。本発明は、例としてのみ示された上述した態様に限定されず、添付の特許請求の範囲により規定された保護範囲内で、種々の方法で変更されうる。

Claims (32)

  1. 複数の末端ユニットと複数の内部ユニットとを含み、前記内部ユニットが式(I)であるポリマー。
    Figure 2010530015
    ここで、
    X-R-Xは、ジアシルアセチレンの残基であり、
    Xは、O,NHまたはSであり、
    nは1より大きく、
    前記内部ユニットは、同一または異なるRを有する。
  2. 前記XがOである、請求項1に記載のポリマー。
  3. 前記Rが、前記内部ユニットの全てで同一である、請求項1または2に記載のポリマー。
  4. 前記Rが、それぞれ独立に以下の基から選択される、請求項1または2に記載のポリマー。
    Figure 2010530015
  5. 式(II)を有するトリアシルベンゼン、またはそのポリマーを製造する方法であって、以下の環状三量化反応を含む製造方法。
    Figure 2010530015
    ここで、
    は、有機基または有機金属基から選択され、
    Xは、O,NHまたはSであり、
    式(II)におけるRは、同一または異なっている。
  6. 前記環状三量化は、金属非存在下にて行われる、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記XはOである、請求項5に記載の製造方法。
  8. 前記Rは、以下の基から選択される、請求項5に記載の製造方法。
    Figure 2010530015
  9. 前記ポリマーは、以下の式を有する、請求項5に記載の製造方法。
    Figure 2010530015
    ここで、
    破線のサークルは、ポリマーブランチを指し示し、
    Rは、Rと同様に定義される。
  10. 前記Rは、以下の基から選択される、請求項9に記載の製造方法。
    Figure 2010530015
  11. 前記重合は、少なくとも20時間最大60時間行われる、請求項5に記載の製造方法。
  12. 前記2級アミンは、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ピペリジン、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロウンデセン-7(DBU)からなる群から選択される、請求項5に記載の製造方法。
  13. 前記2級アミンがジメチルフォルムアミド(DMF)である、請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記重合は、窒素雰囲気下または空気雰囲気下にて行われる、請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記重合は、ジオキサン中で、ピペリジンとともにリフラックスすることにより行われる、請求項5に記載の製造方法。
  16. 請求項1に記載のポリマーの製造方法であって、以下の重合ステップを含む製造方法。
    Figure 2010530015
    ここで、
    前記前駆体は、1以上のジアシルアセチレンを含み、
    X-R-Xは、ジアシルアセチレンの残基であり;Xは、O,NHまたはSであり;nは、1より大きく、
    前記式(I)におけるRは、互いに同一または異なっている。
  17. 前記重合は金属非存在下で行われる、請求項16に記載の製造方法。
  18. 前記前駆体は、1以上の、以下の式(III)のジアシルアセチレンを含む、請求項16に記載の製造方法。
    Figure 2010530015
    ここでRは、以下の基から選択され、Xは、O,NHまたはSである。
    Figure 2010530015
  19. 前記XはOである、請求項16に記載の製造方法。
  20. 前記式(III)のジアシルアセチレンは、下記式(IV)の有機化合物または有機金属化合物と、式(V)のプロピオリック酸との縮合反応により合成される、請求項18に記載の製造方法。
    Figure 2010530015
    ここでRは、有機基または有基金属基から選択され、XはO,NHまたはSである。
  21. 前記Rは、式(I)のすべての内部ユニットで同一である、請求項16に記載の製造方法。
  22. 前記Rは、独立して以下の基から選択される、請求項16に記載の製造方法。
    Figure 2010530015
  23. 前記前駆体は、前記ポリマーを末端封止するための、1以上のモノインをさらに含む、請求項16に記載の製造方法。
  24. 前記重合は、少なくとも20時間最大60時間行われる、請求項16に記載の製造方法。
  25. 前記2級アミンは、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ピペリジン、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロウンデセン-7(DBU)からなる群から選択される、請求項16に記載の製造方法。
  26. 前記2級アミンは、ジメチルフォルムアミド(DMF)である、請求項25に記載の製造方法。
  27. 前記重合は、窒素雰囲気下または空気雰囲気下にて行われる、請求項26に記載の製造方法。
  28. 前記重合は、ジオキサン中でピペリジンとともにリフラックスすることにより行われる、請求項16に記載の製造方法。
  29. 請求項1に記載のポリマーに、エネルギー源を照射するステップを含む、フォトパターニングする方法。
  30. 前記エネルギー源はUV照射である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記ポリマーは、エネルギー照射後に、波長に応じて屈折率が増大する、請求項29に記載の方法。
  32. 請求項1に記載のポリマーを含有する、熱硬化性樹脂。
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