JP2010527352A - 酸化オレフィンプラントにおける高選択性触媒の開始 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部熱源を用いた場合に対し、エポキシ化反応器の最大到達温度を超えた、エポキシ化プロセスの制御された開始温度を達成する方法。
【解決手段】
本発明の方法は、反応器の温度を高選択性触媒の調整に適した温度とする反応器内の酸化反応を使用する。本発明の方法は、反応器の設計制限内にとどまり設計割合の25から100%の間の反応器へのガス流量を維持している間、高選択性触媒を含む反応器を、反応器の外部熱源を用いた第1温度とする工程を含む。反応器が第1温度に到達すると、少なくともオレフィン、例えばエチレン、その上酸素が反応器の供給ガスへ導入される。オレフィン及び酸素の濃度は、反応器のガス流量が設計の100%へ上昇することを許容する反応器熱を有するように、その上、反応器温度を第1温度より高く且つ外部熱源により到達可能な反応器の温度より高い第2温度へ上昇させるのに十分な反応器熱を有するように調整される。

Description

本発明は、高選択性銀ベース触媒が使用される、オレフィン、特にエチレンから酸化オレフィン、特に酸化エチレンへのエポキシ化の開始プロセスに関する。本発明は、また、進歩的な開始手順を利用する、オレフィンから酸化オレフィンへのエポキシ化のプロセスに関する。
酸化オレフィンを生成する、銀ベース触媒の存在下でのオレフィンの触媒的エポキシ化は、この分野でよく知られている。従来の銀ベース触媒は、よく知られているように低選択性で酸化オレフィンを提供している。そのようなものとして、オレフィンのエポキシ化で従来の銀ベース触媒を用いるとき、オレフィンのフラクションが変化したものとして表される、酸化オレフィンに対する選択性は、反応の化学両論に基づいた理論的に最大の選択性に到達しない。
大体において、選択性はエポキシ化プロセスの経済的な魅力を決定する。例えば、エポキシ化プロセスの選択性での1パーセントの改善は、大幅に、大規模の酸化オレフィンプラントの年間運転コストを減らすことができる。
当業者に知られているように、銀ベース触媒を用いたエポキシ化により生成される酸化オレフィンは、水、アルコールまたはアミンと反応して1、2ジオール、1、2ジオールエーテルまたはアルカノールアミンを形成することができる。例えば、酸化エチレンは、水と反応して、生成物がテレフタル酸ポリエチレンの生産における不凍組成、溶媒又は母材の成分として用いることができるエチレングリコールを形成することができる。エポキシ化プロセスの選択性のいかなる改善もまた、これらの生成物の生産の全体プロセスにおける年間運転コストを減らすことができる。
高選択性銀ベースエポキシ化触媒は、発展されて、上述した化学量論の限界に近づく値へ選択性を拡大するよう発展してきている。そのような高選択性触媒は、その表面に銀の触媒量とエポキシ化プロセスでの触媒性能を改善する少なくとも1つの増進剤とを有する、アルファアルミナのような多孔質難溶性担体を含む。
銀触媒の増進剤としてアルカリ金属及び遷移金属を用いることが、気相でのエチレンの部分酸化による酸化エチレンの生産においてよく知られている(例えば、米国特許第4010155号、4012425号、4123385号、4066575号、4039561号及び4350616号参照)。高選択性触媒は、銀に加えて、レニウム、モリブデン、タングステン、または、硝酸または亜硝酸成分のような選択性増強の増進剤を含み、米国特許第4761394号及び4766105号で論じられている。触媒は、米国特許第3962136号及び4010115号に記載されているように、アルカリ金属のようなさらなる成分を含んでもよい。
過去20年以上、レニウムは、難溶性多孔質担体により担持された銀ベース触媒を増進させ、アルカリ金属の選択性の改善において効果的であるとして説明されていた(例えば、米国特許第4761394号及び4833261号参照)。アルカリ金属及びレニウムで増進された銀ベース触媒のさらなる改善は、米国特許第4766105号、4820675号及び4808738号に開示されてるように、硫黄、Mo、W、Crの使用により実現された。
説明されているように高選択性銀ベースエポキシ化触媒の使用において、反応調整剤、例えば有機ハロゲン化合物は、プロセスの選択性をさらに増大させるために供給に加えられることができる。例えば、欧州特許公開EP−A−352850号、米国特許第4761394号及び4766105号に、反応調整剤の使用が開示されている。
高選択性触媒 (HSCs)の発展による全ての進歩にかかわらず、それらの従来の触媒のように、これらの触媒は、未だに、エポキシ化プロセスの初期運転段階の間に調整される必要がある。HSCsの調整は、触媒の最適な反応性の他に高選択性も達成されることを確保するために必要である。調整プロセスは、典型的には、エポキシ化反応の開始の間、すなわち、酸化オレフィン生成物の十分な量を得る前に、行われる。
開始プロセス及びそれによるエポキシ化触媒の前調整もまた先行技術に記載されている。例えば、米国特許第5155242号はエポキシ化プロセスの開始に関連し、ここで、非HSC触媒が、反応器の運転温度よりも低い温度で、有機ハロゲン化合物の存在下でのプレソーク期間(pre-soak period )に従う。米国特許第4874879号は、エポキシ化プロセスの開始に関連し、ここで、HSCが、反応器の運転温度よりも低い温度で、有機ハロゲン化合物の存在下でのプレソーク期間に従う。
これらの開示に加えて、米国特許第7102022号は、HSCを用いた他の開始プロセスを開示する。この開示によれば、プロセスは、最大150時間の期間、260℃を超える触媒床の温度にて酸素を含む供給を伴った、銀ベース高選択性エポキシ化触媒又はまたは陽イオンの形態で銀を含む触媒の前駆体を備える触媒床に接触する工程と、その後に最大260℃の値へ触媒床の温度を低くする工程と、を含む。もう1つの開始プロセスのようなものが、米国特許出願公開第2004/0049061A1に開示され、最大0.17g/mの担体表面積の量の銀を含む担持された高選択性エポキシ化触媒が用いられる。この公報によれば、方法は、150時間までの間、250℃を超える触媒温度にて酸素を含む供給を伴った、触媒または陽イオンの形態で銀を含む触媒の前駆体に接触する工程と、その後に最大250℃の値へ触媒温度を低くする工程と、を含む。
上記開示は、いずれも、エポキシ化プロセスの開始温度を制御及び維持し、かつ、酸素の出口濃度を制御する効果的手段を提供しない。そのようなわけで、エポキシ化反応器へ利用可能な、スチームのような外部熱源を使用した到達可能な最大値を超える制御された開始温度にて、HSCを調整することのできる方法を提供する必要がある。
本発明は、外部熱源を用いることにより到達可能な反応器の最大温度を超える、エポキシ化プロセスの制御された開始温度を達成する方法を提供する。典型的には、本発明は、約240℃から約290℃の範囲内の開始温度へ到達する。本発明の方法は、反応器、すなわち触媒床の温度を、高選択性触媒の調整に適した温度とするために、反応器内の内部酸化反応を使用する。
本発明の方法は、反応器の設計の制限内にとどまり、反応器へのガス流量を25から100%の設計比に維持している間、高選択性触媒及び触媒を通過するガスを含む反応器を、外部熱源、例えばスチームを使って第1温度とする第1工程を含む。沸騰型反応器にあっては、100%の設計ガス比が、典型的に、本発明のいくつかの実施例に適用でき且つ好ましい。熱油型反応器にあっては、一般的に熱の伝熱領域が制限され、従ってより低いガス比が必要とされる。
本出願を通じて、「反応器の設計制限(reactor design limitations)」という用語は、EO反応器のシェル側が流れることのできる最大温度(又は圧力)を表すのに用いられる。これは、最大動作温度(又は圧力)とみなされる。温度及び圧力をスチーム表で調べることができ、その結果、一方が与えられると、他方も決定されることから、温度及び圧力は互いに交換可能である。反応器の最大動作温度は、変化させることができ、当業者の知識の範囲内である。典型的には、標準的なEO触媒の最大動作温度は、290℃までであり、好ましくは280℃までである。
本出願を通じて、「設計比」という用語は、反応器が設計された能力を表しており、収縮比(contractual rate)又は用いられる触媒の容積で設定される比(a rate the sets the volume of catalyst that is used)とすることができる。通常、反応器に関するならば、設計比は生産比(又は反応器が設計される酸化エチレンのMT/YR)である。反応器は設計の150%で動作する場合があり、設計比は反応器で制限されないことが観察される。さらに、設計比は、同様に、変化させることができ、当業者の知識の範囲内である。
反応器が第1温度(典型的には約220℃から約250℃)に到達すると、少なくともオレフィン、例えばエチレンその上酸素が反応器供給ガスに導入される。この導入プロセスの間、反応器内のオレフィン濃度は、典型的には、約5から約15%の範囲内の値へ増大する。酸素の導入に先立って、典型的には約1から約10ppmの値へ供給ガス内の減速物質レベルを増加させるために、減速材も導入することができる。そして、酸素は、供給ガスへ導入される。反応器内に初期に存在するHSC触媒が、供給ガス内の増速成分を吸収する場合があるので、減速成分レベルは長い時間をかけて増大させてもよいことに留意すべきである。酸素は、典型的には、反応器の入口で約0.5%からおおよそ引火性限界の範囲内の濃度とされ、続いて反応器の出口での酸素濃度が0.5%より大きく保つよう調整される。
当該導入工程の間、オレフィン及び酸素の濃度は、反応器ガス流量が設計の100%へ上昇し、そしてなお、第1温度より高く且つ外部熱源により到達可能な反応器の温度よりも高い第2温度へ反応器の温度を上昇させるのに十分な反応器の熱を有することが許容されるのに、十分な反応器の温度を作り出すよう調整される。典型的には、第2温度は、約240℃から約290℃の範囲内である。第2温度は、約0.15から約200時間の周期で反応器内で維持される。
反応器の熱により到達する反応器内のこの第2温度は、供給ガスの組成の調整により制御される。供給ガスの組成は、調整処理の間に起こる触媒活性のロスを妨ぐよう調整しなければならない。また、温度制御は、本発明においては、反応器の冷媒により維持される。
加えて、効果的な触媒の調整には、反応器出口での酸素の濃度レベルの正確な監視及び制御が必要である。反応器出口での酸素レベルが、典型的には0.5%を超えて、所望のレベルでないとき、反応器入口での供給ガス組成を、当該酸素出口濃度を達成するよう調整することができ、すなわち、オレフィン、酸素、二酸化炭素、及び/又は、減速材を調整することができる。
他の酸素出口濃度の制御方法は、次のリストから選択されることができる。
1.反応器温度を調整すること
2.反応器圧力を調整すること
3.ガス流量を調整すること
本発明の好ましい実施例は、エチレン、酸素、及び/又は、二酸化炭素の入口濃度を調整することにより、反応器出口での酸素濃度を0.5%より大きい値に制御することである。反応器出口で酸素濃度を制御する最も好ましい実施例は、反応器入口でのエチレン及び/又は酸素の濃度を調整することによる。
いくつかの実施例においては、供給ガス中の低酸素濃度は、酸素混合ステーションを用いることにより適用されることができる。酸素混合ステーションは、供給ガスへ導入される酸素量の制御を補助し、同様に、反応器出口からシステムに存在する酸素濃度を制御するのに役立つ。
進歩的な方法は、スチームにより到達可能なレベル、又は、反応器の設計圧力により制限されるレベルを超えて、反応器温度を増大させることを許容する。
反応を伴うと、反応器チューブ内のHSCの温度は、反応器の伝熱媒体の温度の10℃超と同じ高さである。上述した反応器の熱の存在は、仮に反応器が存在しない場合に要求される温度より低い反応器温度を許容する。これは、より低い反応器の冷媒温度で起こる触媒の熱処理ステージに拡張され、それにより、加熱装置と反応器ヒータの設計条件の両方の制限を超えたより高い触媒の温度が達成される。
上記のように、本発明は、外部熱源、例えばスチームで反応器を加熱することにより到達可能なエポキシ化反応器の最大温度を超えた、エポキシ化プロセスの制御された開始温度を達成する方法を提供する。本発明の方法は、、反応器の温度を、高選択性触媒の調整に適合する温度とするために、反応器内の酸化反応を使用する。
エポキシ化プロセスで用いられるオレフィンは、芳香族オレフィン、例えばスチレン又はジオレフィン、共役であってもなくとも、例えば1−9デカジエン又は1−3ブタジエンのような、いかなるオレフィンであってもよい。典型的には、オレフィンは、モノオレフィン、例えば2−ブテン又はイソブテンである。好ましくは、オレフィンは、1−ブテン又はプロピレンのようなモノアルファオレフィンである。最も好ましいオレフィンは、エチレンである。
本発明の方法は、反応器の設計の制限内にとどまり、反応器へのガス流量を25から100%の設計比に維持している間、高選択性触媒及び初期供給ガスを含む反応器を、外部熱源、例えばスチームを使って第1温度とする第1工程を含む。反応器が第1温度に到達すると、少なくともオレフィン、例えばエチレンその上酸素が反応器供給ガスへ導入される。この導入プロセスの間、反応器内のオレフィン濃度は、典型的には、約5から約15%の範囲内の値へ増大する。酸素の導入に先立って、典型的には約1から約10ppmの値へ供給ガス内の減速物質レベルを増加させるために、減速材も導入することができる。そして、酸素は、供給ガスへ導入される。初期に反応器内に存在するHSC触媒は、供給ガス中の減速物質を吸収することがあるので、減速物質レベルは長い時間がかかって増加する場合がある点に留意されたい。酸素は、典型的には、反応器の入口で約1から約10%の範囲内の濃度とされ、反応器の出口での酸素濃度を0.5%より大きく維持するために、少なくともオレフィン濃度とともに調整される。
当該導入工程の間、オレフィン及び酸素の濃度は、反応器ガス流量が設計の100%へ上昇し、そしてなお、第1温度より高く外部熱源により達成することのできる反応器温度よりも高い第2温度へ反応器温度を上昇させるのに十分な反応器の熱を持つことが許容されるのに、十分な反応器の熱を生成するよう調整される。典型的には、第2温度は、約240℃から約290℃の範囲内である。第2温度は、約0.15から約200時間の周期で反応器内で維持される。
本発明の各要素は、ここにより詳細に記述される。
本発明にて使用される高選択性触媒は、どれも85%より大きい選択性を達成する銀ベース担持触媒である。本発明にて使用される担体は、、多孔質であってもよい多数の固体難溶性担体から選択されることができる。担体は、アルファアルミナ、炭(charcoal)、軽石(pumice)、マグネシア、ジルコニア、チタニア、珪藻土(kieselguhr)、フラー土(fuller’s earth)、炭化ケイ素、シリカ、炭化ケイ素、粘土、人工ゼオライト、天然ゼオライト、二酸化ケイ素及び/又は二酸化チタン、セラミック、及び、そららの組み合わせのような材料を含むことができる。好ましい担体は、超高純度のアルファアルミナ、すなわち、少なくとも純度95重量%から構成され、または、より好ましくは少なくとも純度98重量%のアルファアルミナである。残留成分は、シリカ、アルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム)や、微量の他の金属含有又は非金属含有の添加物又は不純物のような無機酸化物を含んでもよい。
担体は、好ましくは多孔質であり、最大20m/gのBET表面領域を有し、好ましくは0.1から10m/gであり、さらに好ましくは1から5m/gである。本明細書において、BET表面領域は、Brunauer, Emmet and Teller in J. Am. Chem. Soc. 60 (1938) 309-316に記載されている方法により測定されたと見なされる。担体は、単一モード孔径分布又は多重モード孔径分布を有することができる。
用いられる担体の性質にかかわらず、固定床エポキシ化反応器での使用に適したサイズの粒子(particles)、塊(chunks)、片(pieces)、ペレット、リング、球、車輪(wagon wheels)、交差分割中空円筒(cross-partitioned hollow cylinders)などへ、通常、成形される。望ましくは、担体粒子は、約3mmから約12mmの範囲、好ましくは約5mmから約10の範囲の相当径を有することができ、通常は触媒が置かれるチューブ状の反応器の内径に適合する。相当径は、使用された担体粒子と体積に対する外表面(すなわち、粒子の気孔内の表面を無視して)の割合が同じである球の径である。
エチレンの酸化から酸化エチレンを得る触媒を生成するために、上記特性を有する担体は、そのようなわけで、その表面上に触媒的に効果的な量の銀が設けられる。触媒は、担体上に銀前駆体の化合物の沈着を行うのに十分な、適切な溶媒中に溶解された銀の化合物、錯体又は塩を担体に含浸させることにより準備される。好ましくは、含水銀液(aqueous silver solution)が用いられる。当該分野で周知のように、含浸の後、過剰な溶媒は含浸された担体から除去され、含浸された担体は溶媒を蒸発させ銀又は銀化合物を担体上に沈着させるために加熱される。
本発明により製造される好ましい触媒は、担体を含む触媒の全体重量を基準として、約45重量%までの、金属として表される銀を含む。銀は、多孔質難溶性担体の表面上と細孔の中に沈着される。金属として表される銀の含有量は、触媒の全体重量を基準として約1%から約40%が好ましく、さらに、銀の含有量は、約8%から約35%がより好ましい。表面に沈着された、又は、担体上に存在する銀の量は、触媒的に効果的な銀の量、すなわち、経済的に、エチレンと酸素の反応に触媒作用を及ぼし酸化エチレンを生成する量である。本明細書を通じて、「触媒的に効果的な銀の量」という用語は、酸化エチレンへのエチレン及び酸素の測定可能な変換を提供する銀の量をいう。有用な銀は、銀前駆体の化合物であり、シュウ酸銀、硝酸銀、酸化銀、炭酸銀、カルボン酸銀、クエン酸銀、フタル酸銀、乳酸銀、プロピオン酸銀、酪酸銀及び高級脂肪酸塩と、それらの組み合わせを非排他的に含む。
銀の沈着の前、同時、又は、後に、レニウム含有化合物又はレニウム含有錯体とすることのできるレニウム成分の増進量もまた、担体上に沈着される。レニウム増進剤は、レニウム金属として表される担体を含む触媒全体重量を基準として、約0.001重量%から約1重量%の量で存在することができ、好ましくは約0.005重量%から約0.5重量%であり、より好ましくは約0.01重量%から約0.1重量%である。
銀及びレニウムの沈着の前、同時、又は、後に、アルカリ金属又は2以上のアルカリ金属の混合物の増進量と同様に、IIA属アルカリ土類金属成分又は2以上のIIA属アルカリ土類金属成分の混合物、及び/又は遷移金属成分又は2以上の遷移金属成分の混合物、適切な溶媒に溶解された金属イオン、金属化合物、金属錯体及び/又は金属塩の形をとることができる全てのものの選択的な増進量もまた、担体上に沈着される。担体は、各種触媒増進剤と同時又は別のステップで含浸されてもよい。本発明の銀、担体、アルカリ金属増進剤、レニウム成分及び選択的に付加される増進剤の特定の組み合わせは、銀と、担体と、何もない又は増進剤のただ1つと、の同じ組み合わせをしのぐ、1つ以上の触媒の特性の改良を提供するだろう。
本明細書を通じて触媒の所定成分の「増進量」という用語は、その成分を含んでいない触媒と比較したとき、触媒の触媒性能が改善して効果的に動作する成分の量をいう。使用される正確な濃度は、もちろん、数ある要因の中でとりわけ、含浸液への増進剤の供給に使用される所望の銀含有量、担体の性質、液体の速度、及び特定の化合物の溶解度に依存する。触媒特性の例は、とりわけ、操作性(暴走に対する抵抗)、選択性、活量、転換、安定性及び収率を含む。他の触媒特性が強化され又はされない場合、若しくは消失すらする場合もあるが、1以上の個別の触媒特性を「増進量」により強化することができることは当業者により理解される、さらに、異なる動作条件で、異なる触媒特性を強化することができることも理解される。例えば、操作条件のうちの1つの設定で強化された選択性を有する触媒は、改善が選択性よりもむしろ活量に現れる条件の異なる設定で操作される場合がある。エポキシ化プロセスにおいて、他の触媒特性を犠牲にしてでも、所定の触媒特性の利点を利用するために、操作条件を意図的に変更することが望ましい場合がある。好ましい操作条件は、数ある要因の中でとりわけ、原料コスト、エネルギーコスト、副産物除去コスト等によるだろう。
適切なアルカリ金属増進剤は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム又はそれらの組み合わせから選択することができ、セシウムが好ましく、セシウムとリチウムのような他のアルカリ金属との組み合わせがとりわけ好ましい。担体上に沈着され又は存在するアルカリ金属の量は、増進量となる。好ましくは、量は、金属として測定されたとき全触媒重量に対して約10ppmから約3000ppmの範囲であり、より好ましくは約15ppmから約2000ppmであり、さらにより好ましくは約20ppmから約1500ppmであり、約50ppmから約1000ppmがさらにとりわけ好ましい。
適切なアルカリ土類金属増進剤は、元素周期表のIIA属の元素を含み、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム、又はそれらの組み合わせとすることができる。適切な遷移金属増進剤は、元素周期表のIVA、VA、VIA、VIIA及びVIIIA属の元素、及びそれらの組み合わせを含むことができる。最も好ましい遷移金属は、元素周期表のIVA、VA又はVIA属から選択された元素を含む。存在することができる好ましい遷移金属は、モリブデン、タングステン、クロム、チタニウム、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タンタル、ニオブ、またはそれの組み合わせを含む。
担体に沈着されたアルカリ土類金属増進剤及び/又は遷移金属増進剤の量は、増進量である。遷移金属増進剤は、金属として表された全触媒の、典型的には約0.1マイクロモルパーグラムから約10マイクロモルパーグラムの量にて存在することができ、好ましくは約0.2マイクロモルパーグラムから約5マイクロモルパーグラムであり、より好ましくは約0.5マイクロモルパーグラムから約4マイクロモルパーグラムである。触媒は、1以上の硫黄化合物、1以上のホウ素化合物、1以上のハロゲン含有化合物又はそれらの組み合わせの増進量をさらに含むことができる。一実施形態では、触媒は、約5から約200ppm、好ましくは約10から約100ppmの硫黄を含む。
担体の含浸に用いられる銀液は、この分野で知られているような選択的な溶媒又は錯化/可溶化剤も含むことができる。含浸溶剤中の所望の濃度へ銀を溶解させるために、幅広い各種の溶媒又は錯化/可溶化剤が使用されることができる。有用な錯化/可溶化剤は、アミン、アンモニア、蓚酸、乳酸及びそれらの組み合わせを含む。アミンは、1から5までの炭素原子を有するアルキレンジアミンを含む。1つの好ましい実施形態において、溶液は蓚酸銀とエチレンジアミンの水溶液を含む。錯化/可溶化剤は、銀の各モルについて、銀1モルあたり約0.1から約5.0モル、好ましくは約0.2から約4.0モル、より好ましくは約0.3モルから約3.0モルの量が含浸溶液に存在することができる。
溶媒が用いられるとき、有機溶液又は水とすることができ、極性、又は、実質的又は全体的に非極性とすることができる。一般に、溶媒は、溶液化合物を溶解させる十分な溶媒和力を有するべきである。同時に、溶媒は、溶媒和増進剤へ不適切な影響を及ぼす、又は、溶媒和増進剤との相互作用を避けるよう選択されることが好ましい。有機溶媒の例は、限定されるものでないが、アルコール類、特にアルカノール類;グリコール類、特にアルキルグリコール類;ケトン類;アルデヒド類;アミン類;テトラヒドロフラン;ニトロベンゼン;ニトロトルエン;グリム類、特にグリム、ジグリム及びテトラグリム;等を含む。1分子あたり1から約8の炭素原子を有する有機ベース溶媒が好ましい。いくつかの有機溶媒の混合物又は水と有機溶媒(複数でもよい)の混合物は、ここで所望されるような混合された溶媒機能を提供して、用いられることができる。
含浸溶液中の銀の濃度は、典型的には、重量で約0.1%から使用される特定の溶媒/溶解化剤の組み合わせにより与えられる最大溶解度までの範囲である。一般的に重量で0.5%から約45%の銀を含む溶液の使用がとても適しており、重量で5から35%の濃度の銀を有することが好ましい。
選択された担体の含浸は、例えば、過剰な溶液含浸、初期湿式含浸、スプレーコーティング等の全ての従来の方法を用いて達成される。典型的に、担体材料は、担体に十分な量の溶液が吸収されるまで、銀含有溶液と接触して置かれる。好ましくは、多孔質担体を含浸させるのに使用される銀含有溶液の量は、担体の細孔を満たす必要があるにすぎない。ある程度溶液中の銀成分の濃度にもよるが、中間体を伴う又は伴わない、単一含浸又は一連の含浸を用いることができる。含浸処理は、米国特許第4761394号、4766105号、4908343号、5057481号、5187140号、5102848号、5011807号、5099041号及び5407888号に記載されている。各種増進剤の公知の先行の前沈着、同時沈着及び後沈着処理を使用することができる。
銀含有化合物、すなわち、銀前駆体、レニウム成分、アルカリ金属成分、及び選択的な他の増進剤による担体の含浸の後、含浸された担体は、銀含有化合物を活性銀種へ変化させ、含浸された担体から揮発性成分を除去して触媒前駆体を得るのに十分な時間、焼成される。焼成は、含浸された担体を加熱することにより行うことができ、好適には漸進的な速度で、0.5から35バールの範囲内の圧力で、約200℃から約600℃の範囲内の温度として行われ、好ましくは約200℃から約500℃、より好ましくは約200℃から約450℃である。一般に、温度が高いほど、要求される加熱期間は短くなる。幅広い加熱期間が先行技術により提案されている。例えば、米国特許第3563914号は、300秒より短く加熱することを提案し、米国特許第3702259号は、100℃から375℃の温度で2から8時間、通常は約0.5から8時間の間、加熱することを開示する。しかしながら、加熱時間が含有された銀の全てが実質的に活性銀種へ変換するような時間と関連付けられることのみが重要なのである。
焼成の間、含浸された担体は、不活性ガス又は不活性ガスと約10ppmから21体積%までの酸素含有の酸化物との混合物を含むガス雰囲気に晒されることができる。本発明の目的から、不活性ガスは、焼成の選択条件下で、触媒又は触媒前駆体と実質的に反応しないガスとして定義される。限定されない例は、好ましくは不活性ガスの窒素とともに用いられ、窒素、アルゴン、クリプトン、ヘリウム、及びそれらの組み合わせを含む。酸素含有の酸化物の限定されない例は、酸素(O)、CO2, NO, NO2, N2O, N2O3, N2O4, 又は N2O5の分子 又は焼成条件下でNO, NO2, N2O, N2O3, N2O4, or N2O5を実質的に形成する物質、又はそれらの組み合わせを含み、選択的にSO3, SO2、亜リン酸トリメチル又はそれらの組み合わせを含む。そのうち、酸素分子が実用的な実施形態であり、NO又はNOとの組み合わせが他の実用的な実施形態である。実用的な実施形態において、雰囲気は、約10ppmから約1体積%の酸素含有の酸化物を含む。他の実用的な実施形態において、雰囲気は、約50ppmから約500ppmの酸素含有の酸化物を含む。
高選択性触媒の供給後、当業者によく知られた従来の充填方法を用いて、エポキシ化反応器の反応器チューブへ充填される。進歩的な開始プロセスが現在行われている。進歩的な開始手順が行われる以前、触媒は、触媒床を通じた窒素のような不活性ガスの排出により掃除されていた。進歩的な開始処理は、反応器の設計制限内にとどまり設計割合の25から100%の間の反応器へのガス流量を維持している間、ガス、例えば窒素が流通する高選択性触媒を含む反応器を、使用可能な外部熱源、例えばスチームを用いた第1温度とする第1工程により始まる。
外部熱源の補助と伴って、反応器の温度は、典型的に約180℃から約250℃の第1温度へ上昇する。通常、温度は、約0.15時間以上の間、保持される。一実施形態においては、保持は、約0.5時間から約48時間の間、実施される。
反応器が第1温度へ到達すると、少なくともオレフィン、例えばエチレンその上酸素が、反応器供給ガスへ導入される。導入プロセスの間、反応器内のオレフィン濃度は、典型的には約5から約15%の範囲内の値へ増大する。減速剤も、典型的には約1から約10ppmの値へ、供給ガス内の減速成分レベルを増大させるために、酸素の導入に先立って導入されることができる。そして、酸素が供給ガスへ導入される。反応器内に初期に存在するHSC触媒が、供給ガス内の減速成分を吸収する場合があるので、減速成分レベルは時間を長い時間をかけて増加させてもよいことに留意すべきである。酸素は、典型的には、反応器の入口で約1から約10%の範囲内の濃度とされ、反応器の出口での酸素濃度を0.5%より大きく維持するために、少なくともオレフィン濃度とともに調整される。
当該導入工程の間、オレフィン及び酸素の濃度は、反応器ガス流量が設計の100%へ上昇し、そしてなお、第1温度より高く且つ外部熱源により到達可能な反応器の温度よりも高い第2温度へ反応器の温度を上昇させるのに十分な反応器の熱を有することが許容されるのに、十分な反応器の温度を作り出すよう調整される。典型的には、第2温度は、約240℃から約290℃の範囲内である。この第2温度は、約0.15から約200時間の間、反応器内で維持される。
反応の熱により達成される反応器内の第2温度は、供給ガスへ導入される各種ガスの供給比の調整により制御される。また、温度制御は、本発明において、反応器を包囲する冷媒により維持される。
加えて、効果的な触媒の調整は、反応器出口での酸素の濃度レベルの正確な監視及び制御を要求する。反応器出口での酸素レベルが所望のレベル、典型的には0.5%より大きくないとき、反応器入口での供給ガス組成は、前述の酸素の出口濃度を達成するよう調整されることができる。すなわち、オレフィン、酸素、二酸化炭素及び/又は減速剤は調整されることができる。
他の酸素出口濃度の制御方法は、次のリストから選択されることができる。
4.反応器温度を調整すること
5.反応器圧力を調整すること
6.ガス流量を調整すること
本発明の好ましい実施形態は、エチレン、酸素及び/又は二酸化炭素の入口濃度の調整により、反応器出口での酸素濃度を。0.5%より大きい値へ制御することである。反応器出口での酸素濃度を制御する最も好ましい実施形態は、反応器入口でエチレン及び/又は酸素の濃度を調整することによる。
供給ガス中の低く正確な酸素濃度は、酸素混合ステーションを用いることにより、適用されることができる。酸素混合ステーションは、反応器出口からシステムに存在する酸素を制御するのに役立つ供給ガスへ導入される酸素の量を制御する。
進歩的な方法は、外部熱源により到達できる又は反応器の設計圧力により制限されるレベルを超えた反応器温度の増大を許容する。
反応を伴うと、反応器チューブ内の触媒床の温度は、反応器の伝熱冷媒の温度の10℃上と同じ高さである。上記の反応器の熱の存在は、仮に反応器が存在しない場合に要求されるより低い反応器温度を許容する。これは、より低い反応器の冷媒温度で起こる触媒の熱処理ステージに拡張され、それにより、加熱装置と反応器ヒータの設計条件の両方の制限を超えたより高い触媒の温度が達成される。
エポキシ化プロセスは、上述のようにHSC触媒の存在下で、オレフィン、好ましくはエチレンを伴う酸素含有ガスに連続的に接触することにより実現されることができる。酸素は、実質的に他の物質が混ざっていない分子状態又は空気のような混合物で反応器に供給されることができる。反応物質として使用される酸素分子は、従来のソースから得ることができる。反応物質供給混合物は、約0.5%から約45%のエチレン及び約3%から約15%の酸素を含むことができ、残りが二酸化炭素、水、不活性ガス、他の炭化水素、及び1以上の反応調整剤といった物質を含む比較的不活性の材料を含んでおり、反応調整剤は例えば有機ハロゲン化合物、無機ハロゲン化物、酸化窒素、リン化合物、硫黄化合物、およびそれの混合物である。限定されない不活性ガスの例は、窒素、アルゴン、ヘリウム及びそれらの混合物を含む。限定されない他の炭化水素の例は、メタン、エタン、プロパン及びそれらの混合物を含む。二酸化炭素及び水は、エポキシ化プロセスの副産物であり、供給ガス中によく見られる汚染物質でもある。両方とも触媒に悪影響を及ぼすので、通常、これらの化合物の濃度は最小値で保たれる。限定されない反応減速剤の例は、C1からC3の炭化水素のような有機ハロゲン化合物を含む。好ましくは、反応減速剤は、塩化メチル、塩化エチル、二塩化エチレン、エチレン二臭化物、塩化ビニール、またはそれらの混合物である。最も好ましい反応減速剤は、塩化エチルと二塩化エチレンである。通常、そのような反応減速剤は、供給ガスの全体積の約0.5から10ppmv量で使用され、好ましくは1から8ppmvである。
エチレンエポキシ化プロセスの一般的な方法は、固定床のチューブ状の反応器内で、HSCの存在下での、エチレンと酸素分子との気相酸化法を含む。実用的、商業的な酸化エチレンの固定床触媒は、典型的には、おおよそ0.7から2.7インチのOD及び0.5から2.5インチのID及び触媒により満たされた15−45フィート長の、複数の平行な細長いチューブ(適合するシェルの内部)状である。典型的なエチレンエポキシ化プロセスの操作条件は、約180℃から約330℃の範囲内の温度を包含し、好ましくは約200℃から約325℃、より好ましくは約225℃から約270℃である。操作圧力は、質量速度及び所望の生産性によって、おおよそ大気圧から約50気圧へ変化させることができる。より高い圧力は、本発明の範囲内で使用される場合がある。商業用反応器における滞留時間は、一般に、約0.1から5秒のオーダーである。
結果として生じた酸化エチレンは、従来の方法を用いて反応生成物から分離、回収される。本発明にとって、エチレンエポキシ化プロセスは、ガスリサイクルを含むことができ、ここで、酸化エチレン生成物及び副産物が除去された後、実質的に全ての反応器の流出物が反応器の入口に再び入れられる。リサイクルモードでは、反応器へのガス入口での二酸化炭素濃度は、例えば、約0.3から6体積パーセントとすることができる。
本発明の方法は、酸素分子でのエチレンの酸化によって酸化エチレンとするのに、特に適している。本発明の触媒の存在下でかかる酸化反応を実行する条件は、従来技術に記載されているものが広く含まれる。これは、適切な温度、圧力、滞留時間、稀釈剤、減速物質及びリサイクル操作、又は酸化エチレンの収率を増加させるように異なる反応器における連続的な変換を利用することに適用される。例示のみの目的のために、下記は現在の商業用酸化エチレン反応器ユニットにしばしば用いられる条件である:時間あたりのガスの空間速度が1500−10000h−1、反応器入口圧力が150−400psig、冷媒温度が180−315℃、酸素変換レベルが10−60%、そしてEO生産率(作業率)が2−16lbs. EO/cu.ft. catalyst/hr.である。反応器入口での供給組成は、典型的には、エチレンが1−40%、Oが3−12%、COが0.3−40%、エタンが0−3%、有機塩素化合物の減速材の全濃度が0.3−20ppmv、そしてその供給の残りがアルゴン、メタン、窒素又はそれらの混合物から構成される。
本発明はその好ましい実施形態に関して特に図示、記述されており、前記した例と、形態及び細部における他の変形例は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、当業者により理解される。従って、本発明が記述、図示された特定の形態及び細部に限定されず、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図している。

Claims (18)

  1. 反応器の設計制限内にとどまり、反応器へのガス流量を25から100%の設計割合に維持している間、高選択性触媒を含む反応器を、反応器の外部熱源による第1温度とする工程と、
    続いて、前記反応器内の反応器熱を第1温度から第1温度より大きい第2温度へ上昇させるために、少なくともオレフィン、その上、酸素を供給ガスへ導入する工程と、
    を含むエポキシ化プロセスの制御された開始温度を実現する方法。
  2. 反応器内の第2温度は、少なくともオレフィン、酸素、CO及び/又は減速剤のうちの1つの供給比を調整することにより制御される請求項1の方法。
  3. 反応器の出口にて酸素の濃度レベルを制御する工程をさらに含む請求項1の方法。
  4. 前記調整は、前記ガス供給中のオレフィン、酸素、二酸化炭素及び/又は増速剤の1つの流量を変化させることにより達成される請求項3の方法。
  5. 前記酸素の流量は、酸素混合ステーション(oxygen mixing station)を用いて調整される請求項4の方法。
  6. 第2温度は、最大の反応器の冷媒温度を超える請求項1の方法。
  7. 前記高選択性触媒は、45重量%までの量の銀を含む請求項1の方法。
  8. 前記銀は、最大20m/gmの表面積を有する固体の難溶性(refractory)担体に担持される請求項7の方法。
  9. 前記固体の難溶性担体は、アルファアルミナである請求項8の方法。
  10. レニウムの増進量をさらに含む請求項7の方法。
  11. 前記レニウムの増進量は、約0.01重量%から約1重量%である請求項10の方法。
  12. 少なくとも1つのアルカリ金属の増進量をさらに含む請求項10の方法。
  13. 前記少なくとも1つのアルカリ金属は、リチウムとセシウムの組み合わせである請求項12の方法。
  14. Mo、W、Cr、Ti、Hf、Zr、V、Ta及びNbから選択された少なくとも1つの遷移金属の増進量をさらに含む請求項7の方法。
  15. 前記高選択性触媒は、焼成触媒である請求項1の方法。
  16. 硫黄の増進量をさらに含む請求項7の方法。
  17. 前記第1温度は、約180℃から約250℃である請求項1の方法。
  18. 前記第2温度は、約240℃から約290℃である請求項1の方法。
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