JP2010523234A - 心臓弁の機能不全または狭窄症を治療するための医療用デバイス - Google Patents

心臓弁の機能不全または狭窄症を治療するための医療用デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2010523234A
JP2010523234A JP2010502428A JP2010502428A JP2010523234A JP 2010523234 A JP2010523234 A JP 2010523234A JP 2010502428 A JP2010502428 A JP 2010502428A JP 2010502428 A JP2010502428 A JP 2010502428A JP 2010523234 A JP2010523234 A JP 2010523234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endoprosthesis
self
arch
holding
expanding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010502428A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5114548B2 (ja
Inventor
ユング、ヨハネス
ストラウビンガー、ヘルムート
フェラーリ、マルクス
フィグーラ、ハンス−ライネル
グイェノット、フォルケル
ペシェル、トーマス
ダンム、クリストフ
Original Assignee
イエナバルブ テクノロジー インク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE200720005491 external-priority patent/DE202007005491U1/de
Priority claimed from US11/785,072 external-priority patent/US7896915B2/en
Priority claimed from US11/812,095 external-priority patent/US9138315B2/en
Priority claimed from EP07110318A external-priority patent/EP1980220A1/en
Application filed by イエナバルブ テクノロジー インク filed Critical イエナバルブ テクノロジー インク
Publication of JP2010523234A publication Critical patent/JP2010523234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5114548B2 publication Critical patent/JP5114548B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/24Heart valves ; Vascular valves, e.g. venous valves; Heart implants, e.g. passive devices for improving the function of the native valve or the heart muscle; Transmyocardial revascularisation [TMR] devices; Valves implantable in the body
    • A61F2/2427Devices for manipulating or deploying heart valves during implantation
    • A61F2/2436Deployment by retracting a sheath
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/24Heart valves ; Vascular valves, e.g. venous valves; Heart implants, e.g. passive devices for improving the function of the native valve or the heart muscle; Transmyocardial revascularisation [TMR] devices; Valves implantable in the body
    • A61F2/2412Heart valves ; Vascular valves, e.g. venous valves; Heart implants, e.g. passive devices for improving the function of the native valve or the heart muscle; Transmyocardial revascularisation [TMR] devices; Valves implantable in the body with soft flexible valve members, e.g. tissue valves shaped like natural valves
    • A61F2/2418Scaffolds therefor, e.g. support stents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2220/00Fixations or connections for prostheses classified in groups A61F2/00 - A61F2/26 or A61F2/82 or A61F9/00 or A61F11/00 or subgroups thereof
    • A61F2220/0008Fixation appliances for connecting prostheses to the body
    • A61F2220/0016Fixation appliances for connecting prostheses to the body with sharp anchoring protrusions, e.g. barbs, pins, spikes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2230/00Geometry of prostheses classified in groups A61F2/00 - A61F2/26 or A61F2/82 or A61F9/00 or A61F11/00 or subgroups thereof
    • A61F2230/0002Two-dimensional shapes, e.g. cross-sections
    • A61F2230/0028Shapes in the form of latin or greek characters
    • A61F2230/0054V-shaped

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Abstract

本発明は、心臓弁の機能不全を治療するための自己拡張型の内部人工器官に関する。
患者の身体に最小限の侵襲しか伴わずに導入することができる、たとえば患者の大動脈中において心臓代用弁の位置決めおよび固定を行うための自己拡張型の心臓弁ステントを提供するために、本発明の内部人工器官は、患者の体内で内部人工器官の所定位置への着脱の操作を行うための、少なくとも1つの保持手段(55)を有する。
【選択図】図12(d)

Description

本発明は、心臓弁の機能不全または狭窄症を治療するための医療用デバイスに関する。本医療用デバイスに含まれる内部人工器官(endoprosthesis)は、最小限の侵襲しか伴わずに患者の体内に導入することができ、機械的に拡張可能であることにより、患者の大動脈中で心臓代用弁の位置調節および固定を行う。
「心臓弁の狭窄および/または心臓弁の機能不全」という表現は、1つ以上の心臓弁の機能的欠陥を含むよう意図されている。その機能的欠陥は、遺伝的なものであるか、または年齢もしくは病気が原因で、時間ともに発現したものである。この種の心臓弁の欠陥は、4つの冠状静脈弁のそれぞれに悪影響を及ぼすおそれがあるが、左心室の弁(大動脈弁および僧帽弁)は、心臓の右側の弁(肺動脈弁および三尖弁)よりもはるかに高い頻度で影響を受ける。機能的欠陥は、狭窄(狭窄症)、閉鎖不能(機能不全)またはこれら2つの併発(併発する欠陥)をもたらしうる。
心臓弁の機能不全または狭窄症を治療するための医療用デバイスの作動原理は、医療技術の分野において、既に広く知られている。生体弁または機械弁のモデルは、ヒトの心臓弁を置換する手段として、現在入手可能である。置換弁は、いったん疾患のある弁を除去してから、通常持って生まれた心臓弁の土台に縫い合わされる。その手術では、治療介入を始めるために胸部を開く必要があるが、患者の血液循環を人工心肺装置によって補助しなければならず、心臓代用弁が埋め込まれる間、心臓を停止させなければならない。これは危険な外科的介入であり、患者を相当危険な状態にし、手術後に長期間の治療を伴うものである。特に、複数の病気を持つ患者では、そのような治療介入を実施するリスクが正当化されることはほとんどない。
より最近では、侵襲の少ない治療方法が開発されているが、その方法は、局部麻酔薬を用いて治療介入が行えるという点で特徴的である。この選択肢を用いることができるのは、折りたたみ可能な心臓代用弁を有する自己拡張型ステントを用いることが前提となる。その自己拡張型ステントは、適切なカテーテル機構により、ヒトの体内に埋め込まれる。この種の自己拡張型の人工心臓弁は、大動脈または静脈を通って心臓の着床部位(implantation site)まで、カテーテル機構を用いて導入できる。着床部位に到着すると、ステントなどの内部人工器官は、引き続いて展開する。展開すると、人工心臓弁は、例えば固定フックの助けを借りて、血管中に固定できる。実際の心臓代用弁は、ステントまたは内部人工器官の近位領域に、直接配置される。
独国特許出願公開第10010074(A1)号明細書が開示するのは、人工心臓弁(heart valve prostheses)を固定しつなぎ止めておく装置である。人工心臓弁は、互いに接続された、成形されたワイヤエレメントを原則的に含む。心臓代用弁を確実に固定しつなぎ止めておくために、別のアーチが使われている。この目的を達成するために、その明細書に記載された装置は、それぞれ120°ずつ離れて配置された、1組の互いに同一なアーチを有する。それらのアーチは、ピボット軸受としての機能を担う固定された胴部管によって、互いに接続されている。反対方向に湾曲したアーチも備え付けられ、それらができる限り長さが同じレバーアームを形成することにより、心臓や血管がぜん動運動を行う場合でも、アーチを確実にその位置に留めることができ、また埋め込まれて固定された心臓代用弁を、確実に塞ぐことができる。
公知の解決策を用いてもなお、心臓弁が不正確に埋め込まれてしまうリスクがある。特に、心臓代用弁は、正確に設置され、長手方向に向けられなければならない。これには、心臓代用弁を近位端に有するステントを、患者の疾患のある心臓弁の近傍に十分正確に配置することにより、心臓代用弁の横方向および長手方向の位置決めを確実なものとする治療を行う外科医に対して、非常に高度な技能が要求される。
特に、心臓代用弁の埋め込みや位置決めが不正確または最適ではないことにより、心臓弁が十分に塞がれなかったり、心臓弁が機能不全となったりすることにつながり、心室に相当なストレスをかけることになる。たとえば、心臓代用弁が実際の心臓弁の面から上側に離れすぎて埋め込まれると、冠状血管からの血液の排出が減少するか、または遮られたり塞がれたりさえすることにより、心筋梗塞に起因する致死的な冠動脈虚血をもたらす。したがって、心臓代用弁の横方向と長手方向双方の位置決めの精度の条件を満たすことが絶対に必要である。
従来型で侵襲の少ない埋め込み技術の場合、自己拡張型の人工心臓弁が、患者の大動脈を通じて、心臓のまたは心臓中の着床部位に導入される。本人工心臓弁は、通常ガイドワイヤを用いて、カテーテルの助けを借りて導入される。この場合、バルーンカテーテルを用いて、持って生まれた心臓弁(native heart valves)を拡張させて開くことによって、カテーテルの挿入を可能にするのが通常のやり方である。たとえばX線システム(心臓カテーテル検査室:HCL)の助け、または超音波(経食道心エコー図:TEE)の助けを借りて、そのような治療介入中の導入プロセスをモニタし制御することは可能である。しかし、心臓代用弁は、導入される際に最小化されるにもかかわらず、依然として比較的かさが大きい。要求される位置決めの精度を得ることが不可能であることが多いが、それは心臓代用弁を操作し、そして特に長手方向の位置決めを正確に行い、心臓代用弁に取り付けられた固定エレメントを用いて埋めこむ能力に限界があるためである。冠状血管が閉じてしまうリスクがある場合には、最適な着床部位から角度がずれた状態で心臓代用弁を埋め込むと、患者にとって特別なリスクが生じる。
心臓代用弁を設計する場合には、心臓サイクルの充満期(心臓拡張期)の間を含めて、特に人工心臓弁に作用する考慮すべき力に対して、遊び(allowance)が作られなければならない。埋め込まれた心臓代用弁が外れたり、いずれかの方向に移動したりしないように、確実な固定が必要である。
したがって、一方では、埋め込み過程の間、心臓代用弁を当該血管中でできる限り効率的に操作することにより、最適な位置決め精度を確保できなければならない。また、他方では、埋め込まれた心臓代用弁が着床部位にしっかりと効果的に固定されることにより、本人工器官がその後移動したりしないようにしなければならない。
血管を通して人工心臓弁を埋め込む際に使用される公知の装置は、心臓代用弁を容易に埋め込むことに適してはいないことが多いが、それは要求される位置決めの精度が得られないことによる。さらに、現時点で可能になっているのは、仮に可能であるとしても、やっとの思いで既にある程度埋め込みが完了したが不正確に配置されてしまった心臓代用弁を、配置し直すことだけである。
それらの問題は、本発明の医療用デバイスを用いて乗り越えることができる。本発明の医療用デバイスは、金属チューブから切り取られることによって、正確な位置決めと確実な固定を行えるという特徴を備えた、一体構造を有する。
独国特許出願公開第10010074(A1)号明細書
本発明の第1の実施形態では、心臓弁の機能不全を治療するための自己拡張型の内部人工器官を提供する。本内部人工器官は、患者の体内で内部人工器官の所定位置への着脱の操作を行うための、少なくとも1つの保持手段を有する。
第1の実施形態のある特定の態様では、自己拡張型の内部人工器官は、本内部人工器官を患者の体内で正確な位置に配置するための複数の位置決めアーチ(positioning arches)と、人工心臓弁を取り付けるための保持アーチ(retaining arches)を備えた固定部(anchoring segment)とを有する。位置決めアーチと保持アーチは協調的な形状を有し、共同して作動することにより、本内部人工器官が患者の体内で所望の位置に配置された場合に、位置決めアーチと保持アーチの間で、まだ残っている(incumbent)心臓弁の組織片を挟む。
本発明は、自己拡張型の内部人工器官を有する医療用デバイス(以下単にステントという)に属する。ステントは、心臓代用弁を取り付けるために、弁を支持する固定部を含む。ステントが第1のプログラムモードにおいて最小化した立体配置をとることにより、カテーテルを用いてステントを心臓内部に導入することができる。ステントがある刺激に対して反応するように“プログラムされる”ことにより、開口または拡張した立体配置を有する第2のプログラムモードへと、ステントが拡張することができる。
本ステントの設計が独特であるのは、ステントの面から半径方向外向きに突き出す少なくとも3つの位置決めアーチを、ステントが備えているからである。本内部人工器官が第2のプログラムモード(pre−definable mode)をとると、位置決めアーチは開口位置をとり、体内で所定の位置にある場合に、位置決めアーチは持って生まれた心臓弁のポケットに位置する。したがって、ステントの正確な位置決めは、弁ポケット(valve pockets)における位置決めアーチの位置取りによって決まるため、外科医はその位置取りを知覚できるようにならなければならない。
好適な実施形態では、最初に位置決めアーチが開放されて拡張できるように、ステントは段階的な様式により開放される。位置決めアーチが次に探りとして使用されることにより、まだ残っている心臓弁のポケットを特定してもよい。いったん探りによってポケットを特定したら、その結果ポケットに位置する位置決めアーチがステントの正確な位置決めを確実に行えるよう、ステントが設計され、成形される。位置決めアーチが設置された後に、人工器官を載せた保持アーチを含む固定部が開放される。
固定部と連携して、位置決めアーチが、交換する必要がある元々持って生まれた(古い)心臓弁の組織片と係合することにより、一方では軸回転に関して、他方では水平位置に関して、医療用デバイスが機械的に固定され、位置決めされる。したがって、ステントの設計および機能特性によって与えられる半径方向力、ならびに一方の側からは位置決めアーチ、他方の側からは固定部によって心臓の組織片を挟むという、ペーパークリップと類似の方法によるクリッピング作用の両方によって、ステントが固定される。持って生まれた心臓弁の組織片がシールとして機能することにより、ステント周囲における望ましくない血液の漏出を実質的に最小限に抑える。本明細書ではその装置をステントと呼ぶが、置換弁を固定するという枠内で、弁クリップ(valve clip)であると考えても、またそう呼んでもよい。
クリッピング作用は、位置決めアーチと保持アーチという2つの面によってもたらされるが、それらのアーチは、内部人工器官の原材料である素材の弾性力により、互いの方向に効率的に押圧される。内部人工器官を最初に埋め込む際、固定部がカテーテル中に保持されている間に位置決めアーチが開放されるため、位置決めアーチと保持アーチは引き離されるが、反対(内側)方向に復元力が働くことにより、位置決めアーチをプログラムされた位置まで戻し、互いのアーチを押さえる。通常それらの復元力は、アーチ間の距離に比例する。ステントを完全に解放した場合、まだ残っている弁組織片が2セットのアーチ間に配置され、復元力によってアーチに対して内側向きの圧縮力が弁組織片に働くことにより、2つのアーチ間に配置された弁組織片が挟まれるか、または締め付けられる。本内部人工器官の形状をプログラミングする場合、位置決めアーチと保持アーチ間の放射角は、弁組織片に加えられる力、および弁組織片との間で発生する摩擦力が、完全に埋め込まれた場合に内部人工器官を所望の位置に固定するのに十分となるように設定可能である。
当然のことながら、本発明の装置は持って生まれた心臓弁を置き換えるのに使用されてもよいが、本装置は衰えた生物学的人工器官を置き換えるのに使用されてもよい。本発明の装置は既に所定の位置にある弁組織片を挟むため、本装置は、既存のステントを改良したり除去したりすることなく、既存のステントの内部に挿入できる。
本医療用デバイスの内部人工器官(ステント)は、一方の位置決めアーチと他方の保持アーチを備えた固定部とが一体になった、1本の金属チューブから切り取られた連続構造を有するので、本内部人工器官は、著しく安価でかつ多量に製造することが可能である。特に、レーザーを用いて一本の金属チューブからステント構造を切り取り、その後ステント構造を適切な成形および熱処理プロセスで処理することにより、本内部人工器官を埋め込み時の最小化状態から着床部位における拡張状態へと移行できるようにすることが考えられる。この成形および熱処理プロセスが一連のステップにおいて都合良く操作されることにより、ステント構造に対して損傷が生じないようにされる。
本医療用デバイスの内部人工器官は1本の金属チューブから切り取られた連続構造を有するため、各保持アーチは位置決めアーチと関連し、内部人工器官の遠位末端に設けられた位置決めアーチの端部はすべて、関連する保持アーチの末端部に接続されている。したがって、固定された胴部管または類似の接続装置を備える必要がないため、本内部人工器官は非常に単純な構造にできる。別の言い方をすれば、本発明が提示する医療用デバイスの内部人工器官は、一方では長手方向に最小限しか拡張しない位置決めアーチによって位置決め機能を提供し、他方では保持アーチによって心臓代用弁を保持する機能を提供するステントまたはクリップである。
後述するように、ステント全体の断面を広げることにより、本内部人工器官を第1のプログラムモードから第2のプログラムモードへと移行する場合、一方の保持アーチと他方の位置決めアーチは、半径方向に開く。本内部人工器官の第2のプログラムモードは、保持アーチと位置決めアーチが開くにつれて、それらが大動脈の内側の血管壁を押圧して血管壁と積極的に接続することにより、本医療用デバイスを着床部位にしっかりと固定するのに好都合となるように選択される。
本内部人工器官の構造が医療用デバイスに対して著しく短い形状であるため、本医療用デバイスは内部人工器官の最小化状態において操作が非常に容易である。これは心臓への埋め込み経路が大動脈弓を経由するものである場合に特に好適である。本医療用デバイスの長さの最小化が可能となるのは、遠位末端における位置決めアーチのすべての端部が関連する保持アーチの端部に接続されており、位置決めアーチと保持アーチのいずれもが医療用デバイスまたは内部人工器官の近位保持領域まで延びているからである。したがって、心臓代用弁を取り付ける固定部は、本内部人工器官の近位保持領域に位置する。
たとえばステンレス鋼316L、コバルトとクロムの合金、またはニチノールのような物質から作られた拡張可能な内部人工器官は、所定のレベルのX線不透過像を有さないことにより、ステントが蛍光透視法(fluoroscopy)またはX線によって十分可視化できない可能性がある。しかし、心臓専門医または医師にとって、X線透視装置または類似の放射線装置を用いることによって、埋め込み中に内部人工器官またはカテーテルの位置を可視化することは重要である。同様に、その後の検査において、埋め込まれた内部人工器官の位置をモニタすることも重要である。したがって、本発明の内部人工器官は容易かつ正確に配置可能であるが、別の実施形態では、内部人工器官または挿入システムに対してマーカーが付けられることによって、埋め込み中および埋め込み後における、挿入システムおよび/または内部人工器官のX線不透過像および可視化が改善されてもよい。
ある実施形態では、金属のスパッタリング、めっき、または共ドローイング(co−drawing)などの被覆プロセスが利用されることにより、X線不透過像のより高い物質の領域または層が、内部人工器官に加えられる。または、本内部人工器官の構造の一部に、X線不透過マーカーを取り付けることもできる。このようにして、ステント構造自体よりもX線不透過像のより高い物質がマーカーとして利用できる。例えば、本内部人工器官の本体に沿ってマーカーを戦略的に設置することにより、ステントの可視化特性を増大させてもよい。X線不透過マーカーは、金、タンタル、または白金を含むのが望ましい。別の実施形態では、第三元素を含むニッケルとチタンの合金が使用されてもよい。そのような第三元素は、X線不透過のレベルが高い金属である。たとえば、第三元素は、イリジウム、白金、金、レニウム、タングステン、ラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、およびハフニウムから構成される群から選択されてもよい。そのようなマーカーは、位置決めアーチに設置されるのが望ましい。
本医療用デバイスの有利かつ好適な実施形態は、従属項に規定されている。
ある特定の実施形態では、すべての位置決めアーチおよびそれに関連する保持アーチは、内部人工器官の近位端側が閉じた、実質的にU字形またはV字形の構造を有する。
固定領域つまり固定部の好適な実施形態では、固定部は、本内部人工器官の遠位末端において閉じた、実質的にU字形またはV字形の構造であることが考えられる。この場合、固定部の末端領域は固定部の先端を形成し、固定部の各アームは固定部の近位端において、2つの隣接する保持アーチの各アームに接続されている。
または、他の実施形態においては、保持アーチの各アームは、保持アーチの長手方向に向かって延びる、連続した溝(slots)または長穴を有する。そのような特徴を形成するのは、最小化状態から拡張状態へと内部人工器官の拡張を可能にし補助するためである。それは、それらの溝または長穴を好適に設計することにより、ステント(内部人工器官)の断面の拡張を著しく容易とすることができるからであるが、一方、それと同時にステントの長さは減少する。そのような溝または長穴には、原材料を節約できるというさらなる利点もある。
後者の実施形態の場合、各保持アーチがさらに補強部を備えることが考えられるが、それらの補強部は、保持アーチの長手方向に延びる溝を分断する。それらの補強部は、内部人工器官が拡張状態にある場合に、保持アーチの部品が内部人工器官の円周面(circumferential plane)から外側へ実質的に突出できないようにする。
各位置決めアーチは、金属チューブの原材料の素材片から切り取られるが、素材片は関連する保持アーチの実質的にU字形またはV字形の構造に応じて、形状が決められる。したがって、本ステント構造の好適な実施形態では、保持部の各保持アーチは、内部人工器官の近位固定領域を形成する。同様に、各位置決めアーチは、各保持アーチと対称な構造を有するが、本医療用デバイスの遠位(distal)保持領域の少しだけ前に位置する。位置決めアーチの各遠位末端は、内部人工器官の遠位保持領域において、連携する保持アーチの各遠位末端につながっている。内部人工器官が拡張状態にある場合、心臓代用弁が備え付けられた近位固定領域、ならびに医療用デバイスの近位固定領域および遠位保持領域の間に配置された位置決めアーチが開くだけでなく、各位置決めアーチと保持アーチ間の接合点も医療用デバイスの遠位末端において開く。これにより、半径方向に作用する力がもたらされ、その力が医療用デバイスの遠位保持領域を経由して血管壁に加えられることによって、着床部位において医療用デバイスの固定をさらに手助けする。
弁ポケットの基部に対する損傷を最小化するよう位置決めアーチの近位端を成形することによって、ポケットに穴を開けたり傷つけたりすることなく、各アーチが弁ポケットの基部に位置できるようにすることが望ましい。したがって、ある実施形態では、位置決めアーチの近位端は曲線形状である。別の実施形態では、位置決めアーチの近位端は平滑(blunt)であり、たとえば扁平形状または鋤(すき:spade)形状である。アーチが弁ポケットの基部を貫通できるような形状も位置決めアーチが有していてもよいことは、当業者にとって明らかである。埋め込まれた内部人工器官の回収や除去の妨げにはなるが、たとえば先が尖った形状、または返しのある形状により、弁ポケットの基部を貫通させることが可能となる。しかしながら、注目すべきは、そのような設計によりさらに固定がしやすくはなるが、いったん弁ポケットに穴が開けられた場合には、本内部人工器官を除去したり、再度位置決めを行ったりすることは通常できないということである。
さらに別の実施形態では、1つ(または複数の)位置決めアーチの長さを短くすることによって、持って生まれた弁が石灰化してしまうことに加えて、弁ポケットの深さが後に減少してしまうことを考慮してもよい。したがって、そのような特徴により、たとえば弁ポケットの1つ以上に石灰化した物質が詰まっているような場合であっても、内部人工器官を正確に配置し、埋め込むことが可能となる。この例では、位置決めアーチの1つを短くすることにより、石灰化によって位置決めアーチの端部が汚れるのを防ぐことができる。
本内部人工器官が第2のプログラムモードをとる場合に、位置決めアーチと同様に遠位保持領域および近位固定領域が半径方向に開いた(拡張)状態を、医療用デバイスがとっている。したがって、拡張した状態の医療用デバイスの長さは、最小化状態のときよりも短くなる。拡張状態における医療用デバイスの長さをあらかじめ設定できるようにするために、位置決めアーチの各遠位末端部分を関連する保持アーチの遠位末端部分に対して、両者を直接接続するのではなく基本的に内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板(connecting web)を用いて、接続することが考えられる。したがって、拡張状態における本医療用デバイスの長さは、この接続羽板の長さを適宜選択することによって調整できる。しかしながら、特に埋め込みプロセスにおける医療用デバイスの高い操縦性(manoeuvrability)を確保するという観点から考えると、本内部人工器官が第1の(最小化)状態にある場合に、位置決めアーチおよび保持アーチの各末端部の間にある接続羽板が可能な限り短くなるように選択されること望ましい。
本発明の第2の実施形態では、カテーテル先端を提供する。カテーテル先端は、カテーテル機構の近位端に配置され、本発明の内部人工器官を収容する。前記カテーテル先端は、内部人工器官の少なくとも遠位末端をカテーテル先端において、解放可能なように固定する保持機構を有する。
第2の実施形態の特定の態様では、カテーテル先端は、本内部人工器官上の保持手段と連携するように成形された保持機構を有する。第2の実施形態の他の特定の実施態様では、カテーテル先端は、少なくとも1つのポケットを備えた冠部(crown)を有する保持機構を含む。その少なくとも1つのポケットは、内部人工器官の保持手段の形状と補完的な形状を有する。
本医療用デバイスのある特に好適な実施形態では、内部人工器官は遠位末端において保持手段を有する。その保持手段は、導入カテーテル機構、特にカテーテル先端またはカートリッジ上にある、対応する保持手段と係合することができる。本保持手段のある実施形態では、保持手段は2つの隣接する位置決めアーチ間に配置された固定アイ(anchoring eye)の形であってもよい。その場合、一方では隣接する位置決めアーチのアームが固定アイに接続され、他方では隣接する位置決めアーチに関連する保持アーチのアームが固定アイに接続されている。同様に、隣接する位置決めアーチのアームが直接的に、隣接する位置決めアーチに関連する保持アーチの各アームが間接的に、実質的に内部人工器官の長手方向に延びている接続羽板を介して接続されていることが考えられる。一般に、本内部人工器官の遠位末端に備え付けられた保持手段の目的は、導入カテーテル機構に適切な機構を備えさせることであり、その機構によって内部人工器官の保持手段の機構が補完される。一方のカテーテル機構と、他方の内部人工器官の遠位末端上の保持手段との間の係合は、医療用デバイスを着床部位において放出するための外部操作によって解除できる。それによって、確実に医療用デバイスが拡張し、しっかりと固定できるようになる。当然のことながら、保持手段は、たとえば留め穴(アイ:eye)、ループ、指状構造、または穴の開いていない先端などの、どのような適切な形状または立体配置であってもよい。
そのような保持手段を用いることによって、ステントを完全に放出する前に、ステントをカテーテルと接触させたままにすることが可能となる。完全に放出する前にステントとの接触を維持することによって、ステントの配置や埋め込み位置が、医師によってさらに正確に制御できる。ステントと心臓代用弁が適切に機能しているかどうかもチェックされてもよく、一方またはいずれもが適切に機能していなければ、保持手段がカテーテルと接触したままであるため、医師はステントを引き抜いて除去することができる。
ステントに関する問題または合併症が埋め込み後に起こることがある。たとえば、ステントを適切に配置するのに失敗したり、ずれたり、外れたり、展開後にステントが損傷したりすると、弁の漏れや他の問題につながる可能性がある。それらの場合、ステントを除去するのが望ましい。ステントの除去は、埋め込み後4週間以内で、細胞がステントを覆ったり成長し過ぎたりすることによって、ステントが着床部位と一体化する前であれば、行うことができる。したがって、別の実施形態では、保持手段は、ステントの除去を可能にする手段の一翼を担うことのできる形状または立体配置を有するのが望ましい。保持手段はその手段の一部につかまれたり、係合したり、相互作用することによって、ステントが第1の圧縮状態をとっているときに、ステントがたとえばカテーテルに入ることができ、またステントは最小限の組織損傷しか伴わないか組織損傷を全く伴わずに、本体から引き抜くことができることが望ましい。
一方、概要を上述した医療用デバイスの実施形態の代わりとして、隣接する位置決めアーチの各アームが、実質的に内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板を経由して、間接的に保持手段に接続されることも考えられる。その場合、隣接する位置決めアーチに関連する保持アーチの各アームは、内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板を経由して、関節的に保持手段に接続される。保持アーチの接続羽板は、位置決めアーチの端部において、位置決めアーチの接続羽板と一体になる。位置決めアーチのアームを保持手段に接続するため、および保持アーチのアームを位置決めアーチの端部に接続するために各接続羽板を設けることは、患者のそれぞれの要求に応じて内部人工器官の長さを調整するための、非常に単純ではあるが非常に効果的な方法を提供する。また、各接続羽板の長さは適切に選択できるため、実際に効果的な方法である。
本発明が提示する解決法の他の実施形態では、保持手段は少なくとも1つの返し(barb)またはフックを含んでいてもよい。これらの先端は、内部人工器官の近位端方向を向いている。これにより、内部人工器官の遠位保持領域が、埋め込み位置で特に確実に拡張状態を保つことができるようになる。したがって、この好適な実施形態では、本内部人工器官、特に内部人工器官の遠位保持領域によって血管壁に働く半径方向力に加え、血管壁内部に引っかかる返しによって、内部人工器官が着床部位で固定される。当然ながら、返しまたはフックに対して、他の適切な設計方法を用いることも可能である。
返しもしくはフックのかわりに、またはそれらに加えて、内部人工器官を確実に着床部位で固定する方法として他に考えられるのは、内部人工器官の保持アーチの各アームに対し、弓(bow)形状の固定支持部を設けることである。その弓は、内部人工器官が拡張状態にある場合に、保持アーチの関連するアームから突き出す。弓の先端は、内部人工器官の遠位末端の方向を向いている。この実施形態により、内部人工器官に対してさらに固定手段を設けることができ、医療用デバイスをさらに固定することにより、埋め込み後に医療用デバイスの位置がずれるのを防止することができる。
上記のように、本発明のある主要な特徴は、内部人工器官が遠位末端において保持手段を備えていることである。その保持手段は、導入カテーテルまたは挿入システムの先端にある保持機構と係合状態に移行することができる。ある実施形態では、それらの保持手段は、固定アイ(fixing eyes)の形状である。
別の実施形態では、保持手段はステントの末端領域に配置された少なくとも1つの保持エレメントを含む。少なくとも1つの保持エレメントは、カテーテル先端のような挿入システムの保持機構との解除式係合(engagement)に移行可能なように設計されている。少なくとも1つの保持エレメントは、挿入システムの保持機構の冠部に形成された、ポケットまたは凹みと係合することが望ましい。ステントの少なくとも1つの保持エレメントが保持ヘッド(retaining head)を有することが最も望ましい。保持ヘッドは、挿入システムの冠部に形成された少なくとも1つのポケットまたは凹みを補完するように設計されている。その結果、保持ヘッドは、改良された解除式係合によって、挿入システムの保持機構と協調するよう構成されている。
この実施形態では、カテーテル先端の保持機構が詰め込まれた状態になったり、内部人工器官の末端領域で詰まったりする危険性が低くなる。これが可能となるのは、カテーテル先端の保持機構と内部人工器官の保持手段のいずれもが、内部人工器官がカテーテル先端に固定された場合に、保持機構の冠部から突き出す部位を有さないからである。その結果、カテーテル先端を必要最小限度振動させるか動かすかすることによって、カテーテル機構と内部人工器官の末端領域との係合を解除する必要がある。
一般に、内部人工器官またはステントの遠位末端に設けられた保持手段は、導入カテーテル機構において、適切な機構で収容する必要がある。それらの機構は、ステントの保持手段を補完する設計を有する必要がある。一方のカテーテル先端の保持機構と、他方のステントの遠位末端における保持手段との係合は、外部操作という方法によって解除することによって、着床部位においてステントを放出し、ステントを拡張できるようにする。それによって心臓代用弁を確実に固定できるようにすることができる。当然ながら、保持手段に対して他の解決法を考慮に入れることも可能である。例えば、保持手段は異なる形状および/または輪郭を有していてもよく、凸状または凹状であって、スプーンまたはカップ形状を形成していてもよい。保持手段をこのように形成すると、例えば最後の解放段階中にステントが半径方向に拡張する時に、外側方向の動きに影響を及ぼすことなく、保持手段を所定の位置に保つことが可能となる。または、保持手段は、カテーテル先端において保持機構と連携して、ボールソケット立体配置を有していてもよい。
保持手段の好適な実施形態では、保持手段が保持ヘッドの形で備え付けられることが考えられる。保持ヘッドは、2つの隣接する位置決めアーチ間に配置される。この実施形態では、一方の隣接する位置決めアーチの各アームと、隣接する位置決めアーチと関連した他方の保持アーチの各アームとが、保持ヘッドに繋がっている。そのような固定手段を使用するのは、開示されたステント設計の場合に限られないことは、当業者にとって明らかである。そのような保持手段は、他のステント設計とともに利用することも可能である。それらの設計では、カテーテルのような埋め込み手段からステントを確実に放出することが必要となる。
心臓代用弁が最適な位置に配置されるとすぐに、心臓代用弁を備えたステントがカテーテル機構のカテーテル先端から容易に放出できることが重要である。上述の機構は、この操作を大きく手助けできることが分かっている。
本発明の第3の実施形態では、患者の心臓弁の欠陥、特に心臓弁の機能不全または心臓弁の狭窄の治療に使用するカテーテル機構を提供する。第2の特徴によると、前記カテーテル機構はカテーテル先端を含み、第1の特徴によると、さらに自己拡張型の内部人工器官を含むが、自己拡張型の内部人工器官はカテーテル機構のカテーテル先端に収容されている。また、内部人工器官がカテーテル先端カテーテル機構のカテーテル先端に収容されている場合、内部人工器官は第1のプログラムモードをとっており、内部人工器官がカテーテル先端の外部にあって、埋め込まれた状態では、内部人工器官は第2のプログラムモードをとっている。第1のプログラムモードでは内部人工器官は折り畳まれた状態にあり、第2のプログラムモードでは拡張状態にある。
自己拡張型の心臓弁ステントを挿入するための従来型のカテーテル機構は、通常保持機構を備えたカテーテル先端を含む。保持機構は、カテーテル先端においてステントの末端領域を解除可能なように固定するのに適している。カテーテル先端は通常複数の突出エレメントを備えた冠部を有する。冠部の突出エレメントは、ステントの末端領域に備えられた保持アイ(retaining eyes)を補完するように設計されている。この点において、従来型カテーテル機構のカテーテル先端に配置された保持機構は、解除式係合によって、ステントの末端領域と連携する。カテーテル機構の保持機構とステントの末端領域における保持手段との係合は、外部操作によって通常解除可能である。したがって、ステントに取り付けられた心臓代用弁を備えたステントは、着床部位においてカテーテルから放出可能である。
しかしながら、保持アイを使用することには、カテーテル機構とステントの末端領域との係合はステントが動作することによってのみ解除可能であるという危険性が残る。特に、ステントの末端領域に備えられた保持アイには、カテーテル先端の保持機構の冠部から突き出した突出エレメントが押し込まれてしまう可能性がある。その結果、カテーテル先端を振動させ、および/または動かすことが、カテーテル機構とステントの末端領域との係合を解除するために必要となる可能性がある。そのような運動によって、ステントを所望の位置から移動させてしまう可能性があり、人工器官を傷つける可能性もある。
したがって、人工心臓弁を不正確に埋め込んでしまう危険性が依然として存在する。心臓代用弁は正確に配置し、長手方向に向きを合わせなければならないが、それには治療を行う外科医側に非常に高度な技能が必要となる。一方ではステントが正確に配置されなければならず、他方ではステントが患者の既存の心臓弁の近くで、カテーテル先端から十分正確に放出されることによって、心臓代用弁の横方向の位置決め精度の正確性と長手方向の位置決め精度の正確性の両方を確保しなければならない。特に、心臓代用弁の不正確な埋め込みおよび/または最適とは言えない位置決めは、心室に相当のストレスを与える、不十分な密閉または心臓弁の機能不全に繋がる可能性がある。たとえば、心臓代用弁が埋め込まれるのが実際の心臓弁の面よりも上側すぎると、冠状血管の出口が閉じてしまうため、心筋梗塞による致死的な冠動脈虚血につながる。このような状況であるため、心臓代用弁の横方向の位置決めの精度と長手方向の位置決めの精度の両方が、それらの厳密な条件を満たすことが必要不可欠である。
上述の保持ヘッドが使用される場合、挿入システムのカテーテル先端は、少なくともステントの末端領域をカテーテル先端において解除可能に固定するための保持機構を含むのが理想的である。保持機構は冠部に形成された少なくとも1つのポケットまたは凹みを備えた冠部を有する。少なくとも1つのポケットまたは凹みは、ステントの末端領域に備え付けられた保持手段の形状を補完する設計を有するのが望ましい。したがって、保持機構は、解除式係合によって、ステントの末端領域と連携するように構成されている。特に、この解決法によって、カテーテル先端の保持機構が押し込まれたり、ステントの末端領域によって塞がれたりするという危険性を低下させることができる。これが可能となるのは、カテーテル挿入システムの保持機構が、保持機構の冠部から飛び出したり突き出したりする部位を持たないからである。その結果、カテーテル先端を振ったり動かしたりすることによって、カテーテル機構とステントの末端領域との係合を解除する必要がないと考えられる。
ある特定の実施形態では、保持機構の冠部に形成された少なくとも1つのポケットまたは凹みは、正の係止部(positive locking)を有するステントの末端領域に設けられた保持手段を収容するのに適した形状を有する。それによって、ステントの末端領域とカテーテル先端との解除式係合がもたらされる。少なくとも1つのポケットまたは凹みは、カテーテル先端の保持機構の冠部において、一体的に形成されてもよい。少なくとも1つのポケットまたは凹みは、保持手段がたとえば保持ヘッドに形成された返しまたはフックを含む場合でも、ステントの保持手段の鋳物または逆像(inverse image)として形成されるのが望ましい。
保持機構の冠部は、通常円筒形状であって、冠部に形成された少なくとも1つのポケットまたは凹みは、ステントの末端領域には円筒形状をした冠部の表面から突き出た部分がないので、ステントの末端領域に設けられた保持手段を完全に収容するように構成された形状を有するのが望ましい。したがって、この好適な実施形態は、カテーテル先端の保持機構を非常に小型化することにつながる。その保持機構には、カテーテル先端の直径を小さくできるという驚くべき利点がある。
ある実施形態では、カテーテル先端は、冠部に形成された少なくとも1つのポケットまたは凹み上に配置された、スナップ式手段をさらに含む。スナップ式手段は、少なくとも1つのポケットまたは凹みにある保持手段を、解除可能に固定するためのものである。本スナップ式手段は、冠部に形成された少なくとも1つのポケットまたは凹みの外縁上または外縁近傍に配置された、突出リムまたはフランジを含むのが望ましい。突出リムまたはフランジは、少なくとも1つのポケットまたは凹み中で、ステント保持手段を保持するように調整されてもよい。そのようなスナップ式手段は、たとえばクリップ機構の形状であって、カテーテル先端を装着する際に、ステント保持手段を一時的に固定する機能を果たす。ステントが拡張中に、スナップ式手段によって生じステント保持手段に作用する抵抗力が、ステントの末端部に作用する半径方向力よりも小さくなるように、スナップ式手段が設計されるのが望ましい。これには、スナップ式手段が最終的な放出中にステントを妨害したり抑制したりしないため、確実に効率的なステントの放出を行うことができるという利点がある。
他の実施形態では、保持機構の冠部は、冠部に形成された少なくとも1つの溝をさらに含む。少なくとも1つの溝は、少なくとも1つのポケットまたは凹みに割り当てられ、前記ポケットまたは凹みから冠部の一端まで、実質的に冠部の長手方向に延びる。少なくとも1つの溝は、ステントの接続羽板を収容するように構成された形状を有する。ステントの接続羽板は、実質的にステントの方向に延び、ステント保持手段とステントの各アームとを接続する。冠部に形成されたポケットまたは凹みに関係した溝は、接続羽板またはステントの他の部分の鋳物または逆像として形成されるのが望ましい。溝は、実質的にステントの方向に延び、保持手段とステントの各アームとを接続する。
当然ながら、既に記述したような種類のカテーテル先端は、保持機構の冠部に形成された少なくとも1つの溝に配置された、スナップ式手段も含んでいてもよい。スナップ式手段は、ステント保持手段とステントの各アームとを接続するステント接続羽板を、解除可能に固定するためのものである。本スナップ式手段は、保持機構の冠部に形成された少なくとも1つの溝の外縁上または外縁近傍に配置された、突出リムまたはフランジを含むのが望ましい。それらの突出リムまたはフランジは、少なくとも1つの溝において、ステントの接続羽板を保持するように調整されている。
したがって、カテーテル先端は、少なくともステントの末端領域をカテーテル先端において解放可能なように固定するための、改良された保持機構を有する。カテーテル先端は、カテーテル先端の操作が可能となるような手段によって、カテーテル機構に接続することができる。そのようなカテーテル機構は周知であって、たとえば操作手段をさらに含む取っ手を含んでいてもよい。操作手段は、カテーテル先端と連携するため、操作手段が作動しているときに、ステントがカテーテル先端からプログラムされた順序で放出できる。さらに、カテーテル先端は少なくともステントの近位領域を収容するためのハウジングシステムをさらに含んでいてもよい。ハウジングシステムは、たとえばステントの保持アーチのような、ステントの第1の機能部品を収容するための第1の筐体部を含むのが望ましい。また、ハウジングシステムは、たとえば位置決めアーチのような、ステントの第2の機能部品を収容するための第2の筐体部を含むのが望ましい。
さらに別の実施形態では、第1のプログラムモードにおいて、内部人工器官の外径は約5.0mmであって、長さは33.0mm〜40.0mm、望ましくは34.0mm〜39.0mm、さらに望ましくは34.37mm〜38.37mmである。これは、医療用デバイスがたとえば21F導入システムを用いて導入でき、直径が21mm〜28mmの人工心臓弁が使用されてもよいということを意味する。上述した長さの仕様は、治療が必要な大部分の患者に適した医療用デバイスに基づいて、現在のところ望ましいと考えられる数値である。
拡張状態にある埋め込まれた医療用デバイスを特に確実に固定できるようにするために、製造過程で内部人工器官に成形および熱処理プロセスを施すことにより、内部人工器官が開ききった状態で、第2のプログラムモードにおいて、内部人工器官の近位固定領域の方向にわずかに凹形状のテーパー構造をしてもよい。言い換えれば、内部人工器官の近位固定領域、つまり心臓代用弁が取り付けられる領域の直径は、遠位固定領域に比べて若干小さい。内部人工器官の遠位固定領域は、第2のプログラムモードにおいて内部人工器官の近位固定領域よりも約10%〜25%直径が大きければ、特に内部人工器官の遠位固定領域において半径方向力が生じ、それによって血管壁に損傷を与えずに医療用デバイスを血管中で確実に固定することが可能となるということが分かっている。心臓および血管壁のぜん動運動も当然考慮に入っている。内部人工器官の近位固定領域に使われた若干小さな半径方向力は、医療用デバイスを大動脈中に固定する機能を果たすだけではなく、特に内部人工器官の近位固定領域に取り付けられた心臓代用弁を広げ、血管壁を確実に密閉する機能も果たす。しかし、当然ながら、内部人工器官が第2の拡張したプログラムモードをとる場合に、凹形状を多少さらに凹んだ構造とすることもできる。
第2のプログラムモードにおいて、内部人工器官の固定領域の直径が22mm〜33mm、望ましくは25mm〜31mmであることが好ましい。このような状況であるため、内部人工器官を2つ以上の異なる大きさで製造することが考えられる。その場合、内部人工器官の最適な大きさは、患者に応じて選択可能である。また、内部人工器官の正確な寸法は、治療される患者に応じて調整される。つまり、あらかじめ設定されたステントの大きさから始めて、内部人工器官(ステント)の適切な仕上げ処理、特に焼き戻しによって調整される。保持アーチが底部で湾曲するか外側、つまり半径方向に「広がる(flare)」ように内部人工器官が成形されることによって、付加的な固定力がもたらされることも望ましい。
先行技術のステントは、いったん埋め込まれた場所にステントを留めるのに、主に半径方向力のみに頼っている。そのようなステントは、メッシュから構成されるか、または円筒形状であることによって、できるだけ多くのステントの表面領域が血管と接触できるようになっている。目立たず、円筒形状ではなく、表面領域が十分ではないにもかかわらず、本発明の内部人工器官は驚いたことに、完全に埋め込まれた場合には、3〜4kgの力を余計に加えなければ取り外すことができないことが明らかとなった。
本医療用デバイスのある特に好適な実施形態では、デバイスには内部人工器官(ステント)および心臓代用弁が含まれるが、生体心臓代用弁であることが望ましく、大動脈の心臓代用弁であることがさらに望ましい。心臓弁は、糸、縫合糸、または類似の構造によって、内部人工器官の固定部に取り付けられる。内部人工器官の保持アーチ内に開口部が設けられ、開口部を通して糸や類似の構造が挿入される。医学的な治療介入を行う前に、心臓代用弁を内部人工器官の固定部に直接接続することが考えられる。その結果、医療用デバイスはモジュール設計で製造することができる。この点がデバイスの運搬および保存という観点からは際立った利点である。生体心臓代用弁は、出所の様々な材料を含んでいてもよい。それらの出所としては、たとえばヒト、ウシ、ウマ、またはブタの組織がある。生体心臓代用弁は、天然の心臓弁であってもよく、または適切な生物材料、細胞、もしくは組織から人工的に生成もしくは製造されたものであってもよい。または、心臓代用弁は、生物学的に適合した人工物、つまり非生物学的な資源から製造されてもよい。非生物学的な資源には、たとえば熱分解カーボン、チタン、テフロン(登録商標)、ポリエステル、ダクロン、およびこれらの類似物質などがある。
医療用デバイスの内部人工器官に使用される好ましい素材に関して、理想的には形状記憶材料が使用される。形状記憶材料は、内部人工器官が外部刺激によってある形状から別の形状へと変化できるように設計される。したがって、内部人工器官は第1のプログラムモード(医療用デバイスが最小化状態にあるとき)において、最小化した形状をとり、第2のプログラムモード(医療用デバイスが拡張状態にあるとき)において、開口形状をとる。特にニチノール(つまりニッケルとチタンの等原子合金)などの形状記憶材料が使用されると、医療用デバイスを埋め込む操作中、埋め込みプロセスは著しく穏やかになる。これによって、挿入や埋め込みを行う際に、組織を損傷してしまう危険性を最小限に抑えることが可能となる。形状記憶金属を用いることの他の利点は、外部刺激を逆転させることのみによって、開口形状を最小化形状へと変形して戻すことができる点である。
形状記憶材料から作られる内部人工器官の製造中、ステント構造が金属チューブから切り取られた後、ステント構造は「プログラミング」として知られる工程を経て、所望の開口形状に変形され固定される。この操作は、一方ではステント構造を加熱し、変形し、その後冷却することによって行ってもよい。または、冷延伸として知られる操作によって、ステント構造を低温で変形してもよい。その結果、最小化形状が現に優勢である間、開口形状が記憶される。次にステント構造に外部刺激を加えた場合、形状記憶効果が誘発され、記憶された開口形状が復元される。
特に好適な実施形態では、外部刺激は設定可能なスイッチング温度である。したがって、内部人工器官材料をスイッチング温度より高い温度まで加熱することによって、形状記憶効果を誘発し、それによって内部人工器官の記憶された開口形状を復元することが考えられる。形状記憶材料の適切な化学組成を選択することによって、内部人工器官をプログラムする前に、固有のスイッチング温度が固定できる。このような状況であるため、スイッチング温度は、室温と患者の体温の範囲に入るように設定される。これは医療用デバイスが患者の身体に埋め込まれる用途において、大きな利点となる。したがって、医療用デバイスを埋め込む場合に必要となるのは、患者の身体(36℃)で埋め込まるまで器具が加熱されないことを確保することだけである。その温度で、内部人工器官材料の形状記憶効果が誘発される。
本発明が提示する医療用デバイスの内部人工器官の好適な実施形態は、添付の図面を参照して以下においてより詳細に説明する。
第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第1の好適な実施形態を示す。 図1(a)に示した内部人工器官が、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 図1(a)に示した内部人工器官が第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 拡張状態にあり、図1(c)に示されたタイプの内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、本発明が提示する医療用デバイスの第1の好適な実施形態を示す。 第1の好ましい自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図1(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第2の好適な実施形態を示す。 図2(a)に示した内部人工器官が、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 図2(a)に示した内部人工器官が第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 拡張状態にあり、図2(c)に示されたタイプの内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、本発明が提示する医療用デバイスの第2の好適な実施形態を示す。 第2の好ましい自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図2(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第3の好適な実施形態を示す。 図3(a)に示した内部人工器官が、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す 図3(a)に示した内部人工器官が第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 拡張状態にあり、図3(c)に示されたタイプの内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、本発明が提示する医療用デバイスの第3の好適な実施形態を示す。 第3の好ましい自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図3(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第4の好適な実施形態を示す。 図4(a)に示した内部人工器官が、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 図4(a)に示した内部人工器官が第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 拡張状態にあり、図4(c)に示されたタイプの内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、本発明が提示する医療用デバイスの第4の好適な実施形態を示す。 第4の好ましい自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図4(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第5の好適な実施形態を示す。 図5(a)に示した内部人工器官が、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 図5(a)に示した内部人工器官が第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 拡張状態にあり、図5(c)に示されたタイプの内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、本発明が提示する医療用デバイスの第5の好適な実施形態を示す。 第5の好ましい自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図5(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第6の好適な実施形態を示す。 図6(a)に示した内部人工器官が、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 図6(a)に示した内部人工器官が第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 拡張状態にあり、図6(c)に示されたタイプの内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、本発明が提示する医療用デバイスの第6の好適な実施形態を示す。 第6の好ましい自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図6(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第7の好適な実施形態を示す。 図7(a)に示した内部人工器官が、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 図7(a)に示した内部人工器官が第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 拡張状態にあり、図7(c)に示されたタイプの内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、本発明が提示する医療用デバイスの第7の好適な実施形態を示す。 第7の好ましい自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図7(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第8の好適な実施形態を示す。 図8(a)に示した内部人工器官が、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 図8(a)に示した内部人工器官が第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある様子を示す。 拡張状態にあり、図8(c)に示されたタイプの内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、本発明が提示する医療用デバイスの第8の好適な実施形態を示す。 第8の好ましい自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図8(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第1のプログラムモードにあり、医療用デバイスが最小化状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の第9の好適な実施形態を示す。 第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある、位置決めアーチの端部と図9(a)に示す内部人工器官の関連する保持アーチの端部とを接続する接続羽板の側面斜視図を示す。 第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある、位置決めアーチと図9(a)に示す内部人工器官の関連する保持アーチの側面斜視図を示す。 第2のプログラムモードにあり、医療用デバイスが拡張状態にある、図9(a)に示す内部人工器官の末端領域の平面透視図である。 第9の好適な実施形態の自己拡張型の内部人工器官を製造するために、図9(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 他の好適な実施形態の自己拡張型の内部人工器官を製造するために、内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 第2のプログラムモードにあり、内部人工器官中の医療用デバイスが拡張状態にある、本発明が提示する医療用デバイスのための自己拡張型の内部人工器官の他の好適な実施形態を示す。 第1のプログラムモードにあり、ステントが最小化状態にある、自己拡張型ステントの第12の好適な実施形態を示す。 図12(a)に示したステントが、第1のプログラムモードと第2のプログラムモードとの間の状態にあり、ステントが拡張状態にある様子を示す。 図12(a)に示したステントが第2のプログラムモードにあり、ステントが拡張状態にある様子を示す。 ステントに取り付けられ広げられた心臓代用弁を備えた、図12(c)に示したステントを示す。 第12の好適な実施形態の自己拡張型ステントを製造するために、図12(a)に示すステントを金属チューブから一体的に切り取るのに使用可能な切削パターンの平面投影図を示す。 本発明が提示する、ある想定される医療用デバイスの埋め込み手術を示すことを目的とする概略図である。 本発明が提示する医療用デバイスの埋め込み状態における概略図である。 ステントを挿入システム中に搭載する手順を説明する目的で、4つのプログラム機能モードにある自己拡張型の心臓弁ステントを挿入する手段として、本発明が提示する頂点貫通型の設計による挿入システムの好適な実施形態を示す。 ステントを挿入システム中に搭載する手順を説明する目的で、4つのプログラム機能モードにある自己拡張型の心臓弁ステントを挿入する手段として、本発明が提示する頂点貫通型の設計による挿入システムの好適な実施形態を示す。 ステントを挿入システム中に搭載する手順を説明する目的で、4つのプログラム機能モードにある自己拡張型の心臓弁ステントを挿入する手段として、本発明が提示する頂点貫通型の設計による挿入システムの好適な実施形態を示す。 ステントを挿入システム中に搭載する手順を説明する目的で、4つのプログラム機能モードにある自己拡張型の心臓弁ステントを挿入する手段として、本発明が提示する頂点貫通型の設計による挿入システムの好適な実施形態を示す。 挿入システムに収容されたステントを放出する手順を説明する目的で、4つのプログラム機能モードにある図14に示した挿入システムの実施形態を示す。 挿入システムに収容されたステントを放出する手順を説明する目的で、4つのプログラム機能モードにある図14に示した挿入システムの実施形態を示す。 挿入システムに収容されたステントを放出する手順を説明する目的で、4つのプログラム機能モードにある図14に示した挿入システムの実施形態を示す。 挿入システムに収容されたステントを放出する手順を説明する目的で、4つのプログラム機能モードにある図14に示した挿入システムの実施形態を示す。 本発明が提示する挿入システムのカテーテル先端に配置された、保持機構の第1の好適な実施形態の側面図を示す。 図16(a)に示す保持機構の図16(a)に示す線A−Aに沿った断面図である。 図16(a)に示す保持機構によって保持可能な、ステントの遠位保持領域の平面図である。 たとえば図14または図15に示すような頂点貫通型の設計の挿入システム、および挿入システムの4つの異なる機能モードにある自己拡張型の心臓弁ステントを備えた、本発明が提示する医療用デバイスの好適な実施形態を示す。 たとえば図14または図15に示すような頂点貫通型の設計の挿入システム、および挿入システムの4つの異なる機能モードにある自己拡張型の心臓弁ステントを備えた、本発明が提示する医療用デバイスの好適な実施形態を示す。 たとえば図14または図15に示すような頂点貫通型の設計の挿入システム、および挿入システムの4つの異なる機能モードにある自己拡張型の心臓弁ステントを備えた、本発明が提示する医療用デバイスの好適な実施形態を示す。 たとえば図14または図15に示すような頂点貫通型の設計の挿入システム、および挿入システムの4つの異なる機能モードにある自己拡張型の心臓弁ステントを備えた、本発明が提示する医療用デバイスの好適な実施形態を示す。
(詳細な説明)
本発明が提示する医療用デバイスに用いる第1の好適な実施形態の自己拡張型の内部人工器官1を、図1(a)〜図1(e)を参照してまず初めに説明する。図1(a)は、第1のプログラムモードにある内部人工器官1を示す。そこでは内部人工器官は最小化状態にあるので、カテーテル機構を用いて、最小限の侵襲しか伴わずに患者の身体に導入できる。図1(c)は、第2のプログラムモードにある内部人工器官1を示す。そこでは、内部人工器官は拡張状態にある。図1(b)は、内部人工器官1を示す。第1のプログラムモード(図1(a)参照)と第2のプログラムモード(図1(c)参照)の間にある内部人工器官1を示す。図1(d)は、心臓代用弁が取り付けられた、図1(c)の拡張した内部人工器官を示す。本実施形態の内部人工器官1は、1本の金属チューブから一体的に切り取られた構造を有するという点に特徴を有する。ステントの設計を作り出すために使用される切削パターンを、図1(e)の平面投影図で示す。
具体的には、内部人工器官1は、合計3つの位置決めアーチ10を含み、これらの位置決めアーチ10は、患者の大動脈中で医療用デバイスの位置決めを機械的に行うための機能を担っている。位置決めアーチ10は、丸みを帯びた頭部12を有する。頭部12が機能の不十分な心臓弁のポケットに係合することにより、医療用デバイスが着床部位に配置された場合に、医療用デバイスが取って替わる。合計3つの位置決めアーチ10を設けることにより、回転方向において、必要となる位置決めの精度が確実に得られるようになる。
それぞれが内部人工器官1の近位端3の方向を向く位置決めアーチ10の頭部12が適切に丸みを帯びている。そのため、位置決めアーチ10が心臓弁のポケットに係合することによって交換された場合に、血管壁が傷つかない。位置決めアーチ10の頭部12から内部人工器官1の遠位末端2へと延びるのは、各位置決めアーチ10に対して全部で2つの位置決め羽板、つまりアーム11である。各位置決めアーチ10は、内部人工器官1の遠位末端2において、まとまって眼形状エレメント30を形成する。この眼形状エレメント30は、内部人工器官1、つまり医療用デバイスを導入カテーテル機構に取り付けるための保持手段として機能する。
具体的には、各保持アイ30は、2つの互いに隣接する位置決めアーチ10の、2つのアーム11の間に配置される。保持アイ30と一体となる2つの互いに隣接する位置決めアーチ10の、2つのアーム11の間にある移行部13側に通じているのは、接続羽板15である。接続羽板15は、実質的に内部人工器官1の長手方向に延びている。近位端において、接続羽板15は、2つの互いに隣接する保持アーチ20の各保持アーム21と1つになっている。
このようにステント設計を行うと、保持アーチ20を各位置決めアーチ10と関連させることによって、軸方向に対称な構造が得られる。したがって、図1(a)〜図1(c)に示す好適な実施形態の内部人工器官1は、全部で3つの保持アーム20を有する。これらの保持アーム20は、心臓代用弁40(例えば図1(d)に示す)を収容するための、内部人工器官1の固定部に対する土台となる。2つの互いに隣接する保持アーチ20の遠位側に位置する移行部23と、2つの互いに隣接する位置決めアーチ10の移行部13との間にある各接続羽板15とを設けることによって、位置決めアーチ10の各アーム11が、位置決めアーチ10と関連する保持アーチ20の各保持アーム21と実質的に平行に延びるステント構造が得られる。
内部人工器官1が図1(a)に示す状態にある場合、第1のプログラムモードをとっているが、位置決めアーチ10の各アーム11は、関連する保持アーチ20の各アーム21と直接隣り合う。
内部人工器官1が第2のプログラムモードをとっている状態を示す図1(c)に特に注意すべきである。この図に関して特に述べておく必要があるのは、各位置決めアーチ10およびそれらと関連する保持アーチ20は、実質的に内部人工器官1の近位端3方向に閉じたU字形またはV字形の構造を有するという事実である。具体的には、各位置決めアーチ10は、金属チューブの材料部分から切り取られるが、図1(e)に示す切削パターンから分かるように、金属チューブは関連する保持アーチ20の実質的にU字形またはV字形の構造に調整される。
図1(a)と図1(c)との比較から分かるように、第1のプログラムモードから第2のプログラムモードへと移行する間に、内部人工器官1は長手方向には短くなるが、それと同時に、特に遠位固定円周領域2および近位固定円周領域3において、断面は幅が広くなる。内部人工器官1が拡張状態にある場合、各位置決めアーチ10はステント1の遠位固定領域2の場合よりもより顕著な程度にまで、内部人工器官1の面から半径方向に特に開く。位置決めアーチ10は、交換される心臓弁のポケットと係合することにより、埋め込まれた状態で医療用デバイスの位置決めをする機能を担う。したがって、位置決めアーチ10は、半径方向にさらに突き出すことができ、心臓弁の心臓弁ポケットに挿入することによって、著しく容易な方法で交換することができる。
図1(d)は、図1(c)に示す型の内部人工器官1、および糸41を用いて取り付けられ、開いた状態の心臓代用弁40を備えた、拡張状態にある実施形態を示す。図に示されるように、心臓代用弁40が配置される内部人工器官1の近位固定領域3を開くと、心臓代用弁40が開く。保持アーチ21の近位端部22によって、半径方向力が血管壁(図示せず)に対して同時に加えられるので、それによって血管壁に対して心臓代用弁40を確実に塞ぐことができる。
保持アーチ21による血管壁に対する半径方向の力によって、医療用デバイスは着床部位においてある程度固定されるが、医療用デバイスが拡張状態にある場合には、遠位固定領域2は内部人工器官1の近位固定領域3に比べて、半径方向にさらに10〜25%拡張している。これによって、特に避けられない血管壁のぜん動運動および主流となる比較的高い流圧を考慮した場合に、医療用デバイスの安定した埋め込みが可能となる。その結果、内部人工器官1は、内部人工器官1の近位固定領域3に近づくにつれ徐々に細くなる、わずかに凹んだ形状となる。この形状によって、内部人工器官1の遠位固定領域2が血管壁を押し付けることによって、医療用デバイスが血管中に確実にしっかり固定できる。
図に示す実施形態では、保持アーチ20の各アーム21は、連続した溝、つまり長穴24を有する。長穴24を設ける目的は、内部人工器官1が最小化状態から拡張状態まで拡張するのを可能にしたり支援したりすることである。それらの溝つまり長穴24によって、ステント1の長さを減少させるのと同時に、断面を拡大しやすくなる。しかし、それらの溝つまり長穴24が、心臓代用弁40(図1(d)に示す)を内部人工器官1の近位領域3に取り付けるために使用される糸41などを収容することも当然考えられる。
本発明の医療用デバイスは、モジュール設計により作られるが、原則的に別々に製造された2つの部品である内部人工器官1と心臓代用弁40を含む。内部人工器官1は、心臓代用弁40を患者の大動脈中で位置決めをし、固定する機能を担う。外科的介入を行う直前まで、2つの部品(内部人工器官1と心臓代用弁40)が互いに接続されていないことが望ましい。機械的な観点からすると、内部人工器官1は比較的頑丈な部品であり、相当長期間保存可能であるので、これは内部人工器官1自体の運搬および保存の点で有利である。これは、内部人工器官1が第2のプログラムモード、つまり拡張状態において保存され、外科的介入を行う直前まで第1のプログラムモード(最小化状態)に切り換わらない場合に特に当てはまる。
図1(a)は、内部人工器官1が第1のプログラムモード、つまり最小化状態にある様子を示す。最小化状態は、形状記憶材料から作られた内部人工器官構造の、いわゆる「最小化した」状態である。外部刺激が図1(a)に示した内部人工器官本体に作用すると、形状記憶効果が誘発され、内部人工器官1の製造過程で記憶された、図1(c)に示すあらかじめ決められた開口形状が復元される。この外部刺激は望ましくは設定可能なスイッチング温度である。また、内部人工器官本体は、形状記憶効果を誘発し、それによって内部人工器官1の記憶された開口形状を復元するために、スイッチング温度よりも高い温度でなければならない。内部人工器官1に使用する材料の化学組成を選択することによって、内部人工器官1をプログラムする前に、固有のスイッチング温度を固定することができる。好適な実施形態では、スイッチング温度は20℃から患者の体温の間の範囲にある。
したがって、本医療用デバイスは、導入過程において、適宜冷却されることが考えられる。望ましくは適切な導入システムによって、本医療用デバイスを所望の着床部位、つまり持って生まれた心臓弁の前まで移動した場合、冷却を中断することによって、医療用デバイスの内部人工器官1を患者の体温(36℃)まで加熱し、それによって内部人工器官素材の形状記憶効果を誘発することができる。内部人工器官1の自己拡張特性が誘発されると、内部人工器官1の各部品、特に内部人工器官1の各位置決めアーチ10、11および保持アーチ20、21に作用する半径方向力が生じる。本医療用デバイスの内部人工器官1は依然として従来通り導入カテーテル機構中に配置されるので、いったん臨界スイッチング温度を超えると形成され内部人工器官1の各部品に作用する、半径方向力の補填を、導入カテーテル機構の導入ポートが行う。これによって、形状記憶効果が誘発されてはいるが、本医療用デバイスの内部人工器官1は、強制的に第1の(最小化した)プログラムモードの状態のまま保たれる。
内部人工器官1を導入カテーテル機構から適切なステップを経て放出することによって、内部人工器官1の位置決めアーチ10、11を、まず導入カテーテル機構の導入ポートを通して放出することが可能となる。その結果、内部人工器官1は、半径方向に作用する半径方向力によって開口する。そして、開いた位置決めアーチ10、11を、持って生まれた心臓弁のポケットに配置することが可能となる。
次に、内部人工器官1の残りの部品と医療用デバイスを、導入カテーテル機構の導入ポートを通して放出することができる。これと同時に、保持アーチ20、21が半径方向に開き、例えば糸41などによって保持アーチ20、21に固定された心臓代用弁40が、傘が開くようにして開く。保持アーチ20、21に作用し、内部人工器官1の遠位固定領域2にも作用する半径方向力により、内部人工器官1が血管壁に対して半径方向に押しつけられる。このようにして、一方では着床部位において医療用デバイスの確実な固定が保証され、他方では内部人工器官1の近位固定領域3において心臓代用弁440の確実な密閉が確保される。
図2(a)〜図2(c)は、本発明が提示する本医療用デバイスに用いる自己拡張型の内部人工器官1の第2の実施形態を示す。図2(a)は第1のプログラムモード、図2(c)は第2のプログラムモード、および図2(b)はこれらの間の状態を示す。
図2(d)は、本発明が提示する本医療用デバイスの第2の実施形態が拡張状態にあって、図2(c)に示す型の内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ開いた状態の心臓代用弁40を備えている状態を示す。図2(e)は、切削パターンの平面投影図を示す。この切削パターンは、自己拡張型の内部人工器官の第2の実施形態の製造に使用されてもよい。この切削パターンは、図2(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに適している。
第2の実施形態の内部人工器官1は、図1(a)〜(e)を参照して先に述べた第1の実施形態に原則的に対応している。種々の部品の説明は図1(a)〜(e)で述べた説明に対応するので、繰り返して記載はしない。第2の実施形態が本内部人工器官の第1の好適な実施形態と異なるのは、隣接する位置決めアーチ10の各アーム11が、実質的に内部人工器官1の長手方向に保持アイ30に向かって延びる接続羽板16を経由して、間接的に連結しているという点である。保持アーチ20の各アーム21は、隣接する位置決めアーチ10と関連している。位置決めアーチ10は、実質的に内部人工器官1の長手方向に保持アイ30に向かって延びる接続羽板15を経由して、間接的に接続されている。具体的には、保持アーチ20の接続羽板15は、位置決めアーチ10の端部13において、位置決めアーチ10の接続羽板16に融合している。したがって、2つの接続羽板15および16それぞれの長さを適宜選択することによって、ステント1全体の長さを簡単に調節することができる。
図3(a)〜図3(c)に示す、本発明が提示する医療用デバイスに用いる自己拡張型の内部人工器官の第3の実施形態は、図1(a)〜図1(c)に示す第1の好適な実施形態に原則的に対応する。しかし、両者の相違点は、第3の好適な実施形態では、2つの隣接する位置決めアーチ10の間に配置された保持アイ30に、返し17が備えられており、返し17の各先端が内部人工器官1の近位端3の方向を向いている点である。内部人工器官1の設計にこの改良を加えることによって、本システムがさらに固定できるようになる。それによってステント1の位置が左心室方向にずれることを防ぐことができる。
図3(d)は、本発明が提示する本医療用デバイスの第3の実施形態が拡張状態にあって、図3(c)に示す型の内部人工器官、および内部人工器官に取り付けられ開いた状態の心臓代用弁40を備えている状態を示す。本図は、原則的に図1(d)に対応する。しかし、図1(d)と異なる点は、上述の返しエレメント17が各保持アイ30上に設けられている点である。
図3(e)は、切削パターンの平面投影図を示すが、この切削パターンは、自己拡張型の内部人工器官1の第3の実施形態の製造に使用されてもよい。この切削パターンは、図3(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに適している。
図4(a)〜図4(c)は、本発明が提示する医療用デバイスに用いる自己拡張型の内部人工器官1の第4の実施形態を示す。本発明が提示する医療用デバイスの第4の実施形態は、図4(c)では内部人工器官を備えて拡張状態にあるものが示されている。また、図4(d)では、内部人工器官に取り付けられ開いた心臓代用弁40が示されている。図4(e)は、切削パターンの平面投影図を示す。この切削パターンは、自己拡張型の内部人工器官1の第4の実施形態の製造に使用されてもよい。図4(e)に示す切削パターンは、図4(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るのに特に適している。
自己拡張型の人工器官1の第4の実施形態は、上述の第2の実施形態および第3の実施形態を組み合わせたものに相当する。具体的には、隣接する位置決めアーチ10の各アーム11は、実質的に内部人工器官の長手方向に固定アイ30に向かって延びる接続羽板16を経由して、間接的に結合している。返し17が各固定アイ30に設けられ、返し17の各先端が内部人工器官1の近位端3の方向を向いている。第4の実施形態に設けられた特徴により実現できる利点は上述の通りであるため、ここでは繰り返して述べない。
図5(a)〜図5(e)に示す、本発明が提示する自己拡張型の内部人工器官1および医療用デバイスの第5の実施形態は、図1(a)〜図1(e)を用いて説明した第1の実施形態に、原則的に対応している。しかし、第5の実施形態では、内部人工器官1の各保持アーチ21が補強部26を備え、補強部26が保持アーチ21の長手方向に延びる溝24を分断しているという点が第1の実施形態とは異なる。それらの補強部26を備える目的は、保持アーチ21の各部品を開くことであり、特に固定支持部25を半径方向に、保持アーチ20から遠ざけることである。したがって、補強部とともに、ステント1に対する保持部を得ることができる。医療用デバイスが拡張状態にあるときに医療用デバイスを取り外すための部品を、補強部は有さない。
図5(e)は、切削パターンの平面投影図を示すが、この切削パターンを自己拡張型の内部人工器官1の第5の実施形態の製造に使用することによって、図5(a)に示す内部人工器官1を金属チューブから一体的に切り取ってもよい。
図6(a)〜図6(e)に示す、本発明が提示する自己拡張型の内部人工器官および医療用デバイスの第6の実施形態は、図2(a)〜図2(e)に示す第2の実施形態および図5(a)〜図5(e)を参照して上述した第5の実施形態を組み合わせたものに相当する。したがって、具体的には、第2の実施形態に基づく内部人工器官1が各保持アーチ21に付加的な補強部26を備えることによって、補強部26が保持アーチ21の長手方向に延びる溝24を分断する。
図7(a)〜図7(e)に示す、本発明が提示する内部人工器官1および医療用デバイスの第7の実施形態は、上述の第3の実施形態および第5の実施形態を組み合わせたものに相当する。特に、各保持アイ30には返し17が設けられ、各保持アーチ21には補強部26が設けられている。
図8(a)〜図8(e)に示す、本発明が提示する自己拡張型の内部人工器官および医療用デバイスの第8の実施形態は、第4の実施形態および第5の実施形態を組み合わせたものに相当する。第8の実施形態では、各保持アーチ21が補強部26を備える。返し17を備える保持アイ30は、実質的に内部人工器官1の長手方向に延びる接続羽板16によって、隣接する位置決めアーチ10の各アーム11に接続している。
図9(a)〜図9(d)に示す、本発明が提示する本医療用デバイスに用いる自己拡張型の内部人工器官の第9の実施形態は、第1の実施形態(図1(a)〜図1(c)を参照)と比較して、形状がわずかに改良されている。第9の実施形態に基づく内部人工器官1は、図(a)では第1のプログラムモードで示されている。図9(b)および図9(c)は、第9の実施形態に基づく内部人工器官1の、第2のプログラムモードにおける側面斜視図をそれぞれ示す。具体的には、位置決めアーチ10、11の端部13と、関連する保持アーチ20、21の端部23との間の接続羽板15が、図9(b)と図9(c)に示されている。一方、内部人工器官1の位置決めアーチ10、11および関連する保持アーチ20、21が、図9(a)に示されている。
図9(e)は、切削パターンの平面投影図を示す。この切削パターンを自己拡張型の内部人工器官1の第9の実施形態の製造に使用することによって、図9(a)に示す内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取ってもよい。
第1の実施形態とは異なり、内部人工器官の近位端3側を向いている位置決めアーチ10の各頭部12は、内部人工器官1の第9の実施形態では、近位端においてわずかに幅が広い設計である。位置決めアーチ10の頭部12は第1の実施形態に比べるとわずかに矩形であるが、頭部12の各角がすべて丸く形成されていることにより、位置決めアーチ10が心臓弁のポケットに係合することによって置換した場合でも、血管壁が損傷を受けない。位置決めアーチ10の頭部12をやや幅の広い設計にすることの利点は、埋め込み手術において除去を最小限に抑えつつ、位置決めアーチ10を持って生まれた心臓弁のポケット中に配置できることである。それによって、着床部位において医療用デバイスの一層正確な位置決めが可能になる。
上述の実施形態と同様に、内部人工器官1の第9の実施形態の各位置決めアーチ10に対して、全部で2つの位置決め羽板またはアーム11が、位置決めアーチ10の頭部12から内部人工器官1の遠位末端2へと延び、内部人工器官1の遠位末端2において眼形状エレメント30と融合する。この眼形状エレメント30は、内部人工器官1を導入カテーテル機構に、したがって医療用デバイスを導入カテーテル機構に取り付けるための保持手段として機能する。
具体的には、内部人工器官1の第9の実施形態の場合、保持アイ30は、2つの互いに隣接する位置決めアーチ10の、2つのアーム11の間に配置される。接続羽板15は実質的に内部人工器官1の長手方向に延び、2つの互いに隣接する位置決めアーチ10の2つのアーム11間の移行部13に通じている。そこに保持アイ30が形成されている。接続羽板15の近位端において、後者はまとまって2つの互いに隣接する保持アーチ20の各保持アーム21になる。この設計は、図9(d)に特に明瞭に示されている。図9(d)は、図9(a)に示す第2のプログラムモードにある内部人工器官の末端領域の平面透視図を示す。
上述の実施形態とは対照的に、内部人工器官1の第9の実施形態では、保持アーチ20の各保持アーム21には、2つの互いに隣接する保持アーチ20の2つのアーム21間の移行部23において、溝つまり長穴24が設けられていない。実際には、各保持アーチ20について、1つのアーム羽板21だけが、2つの互いに隣接する保持アーチ20の2つのアーム21間にある移行部23に通じている。したがって、内部人工器官1が拡張状態にある場合に(たとえば図9(b)参照)、保持アーチ20の部品で各保持アーチ20から半径方向に突き出ている部品がない点が好都合である。内部人工器官1が拡張状態にある場合、固定支持部25が、2つの互いに隣接する保持アーチ20の2つのアーム21の間にある移行部23において、半径方向に突出する溝24まで広がることは通常はない。本実施形態では、内部人工器官1は特別容易に取り外すことができ、患者の身体から除去することができるということが分かっている。
内部人工器官1の第9の実施形態は、溝つまり長穴24を、2つの互いに隣接する保持アーチ20の2つのアーム21間にある各移行部23に有さない。しかし、内部人工器官1の各保持アーム21は、補強部26を有し、それらはそれぞれ保持アーム21の一部に設けられる。保持アーム21は、2つの互いに隣接する保持アーチ20の2つのアーム21間にある移行部23と一致するわけではない。
図10は、内部人工器官を金属チューブから一体的に切り取るために、自己拡張型の内部人工器官1の他の実施形態の製造に使用できる切削パターンの平面投影図を示す。図10に示す切削パターンが図1(e)に示す切削パターンと異なるのは、一方では保持アーチ21の長手方向に延び遠位に配置された溝24が各保持アーチ21から省略されている事実、また他方では大間隙27が隣接する保持アーチ21の間から切り取られることによって、材料を節約するという事実においてである。
図11は、本発明が提示する医療用デバイスの別の設計に対する自己拡張型の内部人工器官1の他の実施形態を示す。具体的には、図11に示す本実施形態の内部人工器官1は、第2のプログラムモードをとっており、医療用デバイスは拡張状態にある。図11に示す内部人工器官1が図1(c)に示す内部人工器官1と異なるのは、図11に示すステント1は、保持アイ30と、2つの隣接する位置決めアーチ10の位置決めアーム11の間にある移行部13との間において、実質的に内部人工器官1の長手方向に延びる相互接続羽板16を有するという事実においてである。したがって、内部人工器官1、また医療用デバイスの全長は長くなる。しかし、医療用デバイスを最小化状態において操作するための最適な性能を確保するために、特に心臓弁への埋め込み経路が大動脈のアーチを通り抜けるものである場合に、内部人工器官1の長手方向の伸長性をできるだけ小さくすることが有利である。医療用デバイスができるだけ短いことによって(また内部人工器官1もできるだけ短いことによって)医療用デバイスがアーチ周辺において容易に操作できることが有益である。
図11に示す内部人工器官1は、内部人工器官1が拡張状態にある場合、2つの互いに隣接する保持アーチ20の2つのアーム21間にある各移行部23において、返し部25が溝24を通して半径方向に飛び出すという事実においても、上述の実施形態の内部人工器官と異なる。返し部25の先端は、内部人工器官1の遠位保持領域2の方向を向いている。
本発明が提示する医療用デバイスに用いる自己拡張型の内部人工器官1のさらに別の実施形態を、ここで図17(a)〜図17(d)を参照して説明する。
図17(a)は、内部人工器官1が第1のプログラムモードにある様子を示す。そこでは、医療用デバイス(明確には図示せず)が最小化状態にあるため、カテーテル機構を用いて最小限の侵襲しか伴わずに患者の身体に導入可能である。図17(c)は、内部人工器官1が第2のプログラムモードにある様子を示す。そこでは、医療用デバイスは拡張状態にある。図17(b)は、ステント50が第1のプログラムモード(図17(a)参照)と第2のプログラムモード(図17(c)参照)との間にある様子を示す。図17(d)は、縫合糸によって取り付けられた心臓代用弁60を備えた内部人工器官1が、拡張状態にある様子を示す。
自己拡張型の人工器官1の本実施形態は、原則的に図2(a)〜図2(e)に示す第2の実施形態に対応する。図12(a)〜図12(e)に示す実施形態との違いは、保持アイ30に穴が開いておらず、保持ヘッドの形状を有している点である。穴の開いていない保持アイによって、挿入カテーテル機構から医療用デバイスをより単純かつ容易に放出できることが明らかとなった。より明確には、注目すべきは、カテーテルから保持手段を容易に解放することに直接貢献する、保持手段中の穴の有無が重要なわけではないということである。むしろ、カテーテル上に保持手段が引っかかったり、保持手段を貫通したり通り抜けたりするような部分、たとえば杭や穴などがないことが重要である。
当然のことながら、内蔵型または伸長型の固定アイ30、返しエレメント17、補強部26、穴の開いたまたは穴の開いていない保持アイ30を含む様々な任意的な特徴が、内部人工器官構造とともにどのような組み合わせで使用されてもよい。
図12(a)と図12(b)を参照して、より詳細な説明を以下行う。図12(a)と図12(b)は、本発明の提示する医療用デバイスが心臓弁の機能不全状態を治療するためにどのようにして使用されるかを示す。
本発明が提示する医療用デバイス、および特に心臓代用弁40を内部に備えた内部人工器官1は、後ろ側から(逆行性)、または頂点を貫通して、つまり特殊なカテーテルを用いて心尖(heart apex)から接近して、患者の身体に導入できるように設計される。
本デバイスは、経皮的に体内で所望の位置に配置され、不十分な、または狭くなった(狭窄した)心臓弁の機能を担う。図13(a)は、本発明が提示する医療用デバイスに対する、ある考え得る埋め込み手術の略図を示す。本例の医療用デバイスは、逆行性アプローチによって、特殊なカテーテルを用いて大腿動脈から患者の身体に導入される。図13(b)は、本発明が提示する医療用デバイスが埋め込まれた状態にある概略図を示す。
図13(a)に示す埋め込み経路をとる場合、カテーテル機構は、明確には図示していないが、心臓代用弁40および固定ステントとして機能する内部人工器官1を備えた医療用デバイスを含み、A.femoris communis(鼠径動脈)に穴を開けることによって導入される。血管造影法(血管表示)および心エコー(超音波)制御の助けを借りて、本カテーテル機構を大動脈弁の位置方向へと動かすことによって、実際の心臓弁の埋め込みを起こすのが望ましい。
または、カテーテル機構は頂点を貫通するように心尖から左心室を通って大動脈弁まで押すことができる。その結果、大動脈弁において、心臓代用弁40を有する内部人工器官1を同様に埋め込むことが、適切に改良されたカテーテルを用いて可能となる。
本カテーテル機構が導入されるとき、たとえばカテーテル機構内部を冷却食塩水などの適切な冷却剤を用いてすすぐことによって、医療用デバイスを冷却するのが望ましい。医療用デバイスが所望の着床部位の方へと移された場合、冷却が中断される。その結果、医療用デバイスの内部人工器官1は患者の体温(36℃)まで温められる。それによって、内部人工器官材料の形状記憶効果が誘発される。
内部人工器官1の自己拡張をする特性が誘発されることによって、内部人工器官1の各部品に作用する半径方向力が発生する。半径方向力は、特に内部人工器官1の各位置決めアーチ10、11および保持アーチ20、21に作用する。医療用デバイスの内部人工器官1は、形状記憶効果が誘発される前と同様に、依然として導入カテーテル機構中に配置されている。したがって、いったんスイッチング温度が臨界を超えると半径方向力が発生し、内部人工器官1の各部品に作用する。その結果、形状記憶効果が誘発されているにもかかわらず、医療用デバイスの内部人工器官1は、導入カテーテル機構の閉じた導入ポート内で、強制的に第1の(最小化)形状に保持される。
内部人工器官1を導入カテーテル機構から適切な手順で解放することによって、内部人工器官1の位置決めアーチ10、11は、導入カテーテル機構がいったん開いたら、導入ポートを通して外に出る。位置決めアーチ10、11は、内部人工器官内の半径方向力によって開く。次に、位置決めアーチ10、11は持って生まれた心臓弁51のポケット50に配置される。
次に、内部人工器官1の他の部品と医療用デバイスが、導入カテーテル機構の導入ポートを通して放出される。図13(b)に示すように、保持アーチ20、21が半径方向に一緒に開くことにより、保持アーチ20、21に取り付けられた心臓代用弁40を傘のように開かせる。しかし、保持アーチ20、21に作用する半径方向力は、内部人工器官1の遠位固定領域2にも作用することによって、内部人工器官1を血管壁に対して半径方向に押し付ける。これは一方では医療用デバイスを着床部位において確実に固定できるようにし、他方では心臓代用弁40を内部人工器官1の近位固定領域3において確実に塞ぐことができるようにする。
図13(b)に示すように医療用デバイスが埋め込まれた状態にある場合、心臓代用弁40が内部人工器官1の近位固定領域3において開く。一方、古い(機能不全の)心臓弁51が、内部人工器官1の自己拡張をする特性によって血管壁に対して押し付けられる。内部人工器官1の遠位固定領域2によって、本システムをさらに機械的に支持し、かつ確実に固定することができる。
図13(b)から分かるように、内部人工器官1が拡張状態にある場合、位置決めアーチ20の各位置決めアーム21は、まだ残っている心臓弁のポケットに位置する。それによって、医療用デバイスの確実かつエラーのない位置決めが実質的に保証される。まだ残っている心臓弁のポケットの組織片は、内部人工器官1が拡張することによって、位置決めアーチ10と保持アーチ20との間に固定される。これは心臓代用弁40の位置決めを最適なものとし、心臓代用弁40をしっかり固定することを、さらに手助けする。埋め込まれた心臓代用弁40を横方向に最適に密閉することも、同時に保証される。
内部人工器官1の遠位固定領域2に配置された保持アイ30上に返し17を備えていること、および/または適切な固定支持部25を備えていることにより、本システムをさらに機械的に支持し、確実に固定することが可能となる。内部人工器官1が拡張状態にある場合、固定支持部25は、保持アーチ20の連携するアーム21から突き出て、固定支持部25の先端は、内部人工器官1の遠位末端2の方向を向く。
内部人工器官1の設計により、保持アイ30によって内部人工器官1を保持し、内部人工器官1の長手方向の伸長によって医療用デバイスを最小化することが可能となる。それによって医療用デバイスがカテーテル中に引き戻され、患者の身体から除去される。
自己拡張型の内部人工器官1上の保持エレメント(保持アイ)がモジュラー状に一体化していることによって、自己拡張型の内部人工器官1は、一度埋め込まれたと場合でも、カテーテルを用いて再び取り外すことができる。この目的を達成するために、内部人工器官1の遠位固定領域2は、カテーテル中のガイドワイヤを用いて、複数の保持アイによってカテーテル中に入れられる。つまり、埋め込み手術の逆の手順で、内部人工器官1は拡張状態から最小化状態へと戻され、まだ残っている心臓弁のポケット中において固定された状態から取り外される。以下に説明するように、内部人工器官1の設計によって、埋め込みプロセスのどの段階であっても、埋め込みを取りやめにすることができる。具体的には、取り外しは、心臓、血管系、および患者自身に最小限の損傷および/またはストレスしか与えずに実行されてもよい。
カテーテル挿入機構に関して本発明のさらに好ましい態様を次に述べる。
ここで具体的に示すカテーテル挿入機構の使用について述べるが、それは必ずしも本カテーテル挿入機構を備えたステントの使用のみに制限することを意図するものではない。本カテーテル挿入機構は、カテーテル先端の新しい特徴であり、たとえば保持手段と組み合わせてモジュールカートリッジの形で供給可能である。モジュールカートリッジは、ステントの放出や位置決めに関して信頼性を向上させることを可能にする。したがって、そのようなカテーテル先端、つまりカートリッジは、従来から既に知られているカテーテル機構に付加することが可能である。
図14および図15を参照して、頂点貫通型の(transapical)設計によるカテーテル挿入機構を備えたステントの使用方法を、自己拡張型の心臓弁ステントを患者の身体に頂点を貫通して挿入する場合について説明する。図14(a)〜(d)および図15(a)〜(d)は、挿入機構が4つの異なるプログラム機能モードにある状態をそれぞれ示す。
挿入機構1は、たとえば大動脈弁などの交換されるべき心臓弁に、頂点を貫通して接近するのに適している。挿入機構1を使用するので、自己拡張型の心臓弁ステントを患者の身体に、頂点を貫通して、つまり心尖から埋め込むことが可能である。この目的を達成するために、挿入機構1はカテーテル機構10を有する。図14および15には明確には示さないが、心臓弁ステントは、カテーテル機構10によって最小化状態のままで患者の身体に挿入することができる。図16は、本発明が提示するカテーテル先端の実施形態を示す。
図14および15に示す挿入機構1では、カテーテル先端20はカテーテル機構10の近位端11に設けられる。近位端11には、患者の身体に埋め込まれる心臓弁ステントが収容可能である。カテーテル機構10の遠位末端12にはハンドル30も備えられる。ハンドル30によってカテーテル先端20が操作可能である。
具体的には、図14および15に示す挿入機構1のカテーテル先端20が保持機構21を有すことによって、少なくとも患者の身体に埋め込まれるステントの末端領域を、カテーテル先端に解放可能な状態で取り付けることができる。特に図16を参照して保持機構をより詳細に説明する。
カテーテル先端20はまた、少なくともステントの近位領域を収容するためのハウジングシステムを有する。具体的には、ハウジングシステムは、ステントの第1の機能部品を収容するための第1の筐体部23を含み、たとえばステントの保持アーチを収容する。また、ハウジングシステムは、ステントの第2の機能部品を収容するための第2の筐体部24を含み、たとえばステントの位置決めアーチを収容する。
挿入機構1のハンドル30に関して、ハンドル30は、第1の筐体部23と連携する第1の操作手段33と、第2の筐体部と連携する第2の操作手段34とを有する。ハンドル30の第1の操作手段33は、カテーテル先端20の第1の筐体部23と連携することにより、第1の操作手段33が操作される場合に、固定機構21に対して、第1の筐体部23のプログラム可能な縦運動を生じさせる。第2に、ハンドル30の第2の操作手段34は、カテーテル先端20の第2の筐体部24と連携することにより、第2の操作手段34が操作される場合に、固定機構21に対して、カテーテル先端20にある第2の筐体部24のプログラム可能な縦運動を生じさせる。
たとえば図14〜16に示す挿入機構1を用いて、カテーテル先端20の第2の筐体部24は、カテーテル先端20の近位端部25に配置される。第1の筐体部23は、第2の筐体部24とハンドル30との間に配置される。この頂点貫通型の挿入機構1を用いて、ハンドルの関連する第2の操作手段34が操作される場合、カテーテル先端20の第2の筐体部24を、近位方向にある固定機構21に対して、カテーテル先端20の長手方向L、つまりハンドル30から離れる方向に動かすことができる。ハンドル30の関連する第1の操作手段33を操作する場合、第1の筐体部23を、遠位方向にある固定機構に対して、カテーテル先端20の長手方向L、つまりハンドル30の方向に動かすことができる。
図14および図15に示す挿入機構1はまた、カテーテル機構10と連携するゲート機構13を有する。ゲート機構13は、一方はハンドル30側のカテーテル先端20の一部と接続されており、他方はカテーテル先端側のハンドル30の一部と接続されている。ゲート機構13は、空洞の設計であることが望ましいが、内部にワイヤ機構などの第1の力伝達機構26を有する。第1の力伝達機構26によって、ハンドル30の第1の操作手段33からカテーテル先端20の第1の筐体部23へと、力を伝達することが可能となる。
また、ゲート機構13は、第2の力伝達機構27も備えることにより、ハンドル30の第2の操作手段34からカテーテル先端20の第2の筐体部24へと、力を伝達する。第1の力伝達機構26と同様に、第2の力伝達機構27はワイヤ機構の形状で提供されてもよい。
詳しくは、挿入機構1では、ハンドル30の第2の操作手段34とカテーテル先端20の第2の筐体部24とを能動的に接続する第2の力伝達機構27が、ゲート機構13の内部を通り抜けて延びるワイヤの形状で設けられる。ワイヤは、一方はハンドル30の第2の操作手段34に接続され、他方はカテーテル先端20の第2の筐体部24に接続されている。第1の力伝達機構26は、スリーブ形状で設けられており、ゲート機構13の内部を通り抜けて延び、第2の力伝達機構27を構成するワイヤを囲んでいる。第2の力伝達機構27は、カテーテル先端20の第1の筐体部23の延長部分となっており、一方はハンドルの第1の操作手段33に、他方はカテーテル先端20の第1の筐体部23に、能動的に接続されている。しかし当然ながら、第1の力伝達機構26が第2の力伝達機構27を構成するワイヤを囲むスリーブの形状で設けられることも考えられる。その場合、第1の力伝達機構26のスリーブは、同時にゲート機構13も構成し、第1の筐体部23の延長部分となっている。その延長部分は、一方はハンドルの第1の操作手段33と能動的に接続され、他方はカテーテル先端20の第1の筐体部23と能動的に接続されている。
ゲート機構13、つまり挿入機構1の頂点貫通型設計のカテーテル機構10とともに使用される第1の力伝達機構26のスリーブは、長いチューブおよび第2の力伝達機構27の形で設けられる。任意に、第1の力伝達機構26が本チューブの内部に配置されてもよい。ゲート機構13は、特に圧縮応力または引張応力を受けた場合にでも、チューブの長さが事実上変化しないように設計されるのが望ましい。それらの応力は、カテーテル機構10を挿入する過程で生じる。ゲート機構13の本機能は、長いチューブに適切な材料を使用すること、および壁厚を適宜選択することによってもたらされる。特に、ゲート機構13、つまり第1の力伝達機構26のスリーブが座屈に対して耐性があって、かつ曲げやすいのが好ましい。それによって、少なくとも4cm、望ましくは少なくとも3cmの曲げ半径が、ゲート機構13を用いて少なくともゲート機構13の近位領域14において実現可能である。
頂点貫通型に設計された挿入機構1の図示された実施形態における、カテーテル先端20にある固定機構21に関して、本固定機構21は、合計3つのポケット22が内部に形成された冠部21aの形状で設けられている。冠部21aのポケット22は、保持エレメント、たとえば保持ヘッドを補完する設計を有している。保持エレメントは、ステントの末端領域に配置され、挿入機構1のカテーテル先端20に収容されることになるか、または収容することができる。冠部21aに形成されたポケット22は、ステントの末端領域と解除式係合を形成することにより、ステントをカテーテル先端20の保持機構21に、解除可能に取り付けることができる。
特に図14および図15に見られるように、図示された頂点貫通型に設計された挿入機構1の実施形態では、カテーテル先端20の第1の筐体部21とカテーテル先端20の第2の筐体部24との両方が、それぞれスリーブ状またはスリーブ型部分として設けられ、またステントの機能部品を収容できるように特別に設計されている。具体的には、スリーブ状の第2の筐体部24の内径は、スリーブ状の第1の筐体部23の外径よりも大きい。したがって、図示された頂点貫通型に設計された挿入機構1の実施形態の場合、カテーテル先端20の第2の筐体部24は、ステントの第2の機能部品、つまりステントの位置決めアーチに加えて、ステントの第1の機能部品、つまりステントの保持アーチを収容した、カテーテル先端20の第1の筐体部23を収容するように設計されている。
図14および図15に示す挿入機構1の実施形態とともに使用されるハンドル30について見ると、図示された挿入機構1の実施形態は、第2の力伝達機構27を経由してカテーテル先端20の第2の筐体部24と連携する第2の操作手段34が、ガイド31’によって誘導され、滑動部31”に能動的に接続されている輸送部31(carriage 31)を有するものである。第2の操作手段34の輸送部31は、第2の力伝達機構27を経由して第2の操作手段34と連携する、カテーテル先端20の第2の筐体部24に能動的に接続されている。それによって、第2の操作手段34、特に第2の操作手段34の輸送部31を操作する場合、第2の操作手段34の輸送部31からカテーテル先端20の第2の筐体部24まで力が直接伝達する。同様に、第1の操作手段33も、第1の力伝達機構26を経由してカテーテル先端20の第1の筐体部23に能動的に接続されているが、ガイド32’によって誘導され、別の滑動部32”に能動的に接続されている輸送部32を有する。第1の操作手段33の輸送部32は、第1の力伝達機構26を経由して第1の操作手段33と連携する、カテーテル先端20の第1の筐体部23に能動的に接続されている。したがって、第1の操作手段33を操作する場合、特に第1の操作手段33にある輸送部32を操作する場合、第1の操作手段33の輸送部32からカテーテル先端20の第1の筐体部23まで、力が直接伝達する。
図14および図15に示す挿入機構1とともに使用されるハンドル30の第1の操作手段33に関して、ハンドル30は、第1の停止部35および第2の停止部36も有する。それらの停止部は、第1の操作手段33と連携し、また第1の操作手段33を操作するときに、カテーテル先端20の第1の筐体部23の縦運動の総ストローク長を固定するように設計されている。これは、ガイド32’上にある第1の操作手段33の滑動部32”によってまかなうことができる移動経路(displacement path)が固定されているという事実のおかげで実現できる。
ハンドル30は、第3の停止部37および第4の停止部38も有する。これらは第2の操作手段34と連携し、縦運動の総ストローク長を固定する。これは、第2の操作手段34を操作するときに、カテーテル先端20の第2の筐体部24によって達成することができる。
第3の停止部37および第4の停止部38に加えて、図14および図15に示す挿入機構1の本実施形態のハンドル30は、第2の操作手段34と連携する、別の第5の停止部39も有する。第5の停止部39は、一方では第3の停止部37と連携し、他方では第4の停止部38と連携する。第2の操作手段34を操作する場合、第2の操作手段34のガイド31’上にある輸送部31の2つの各ステップを含む段階的な縦運動がもたらされる。そのため、カテーテル先端20にある第2の筐体部24をカテーテル先端20の固定機構つまり冠部21に対して動かすという、2つの個々のステップを含む段階的な縦運動が起きる。
第2の操作手段34と連携する第5の停止部39は、第3の停止部37と第4の停止部38の間において、第2の操作手段34のガイド31’上に適切に配置されている。一方の第3の停止部37と第5の停止部39、およびもう一方の第4の停止部38と第5の停止部39は、第2の操作手段を操作するときに、各ステップに対して、カテーテル先端20の第2の筐体部24の縦運動のストローク長を定める。
図14および図15に示すように、挿入機構1の図示された実施形態では、ハンドル30の第2の操作手段34と連携する、上述したハンドル30の第5の停止部39は、第2の操作手段内の輸送部31のガイド31’に解除可能に取り付けられた、停止エレメント44の形で設けられている。
最後に、図14および図15に示す挿入機構1のハンドル30では、第1の操作手段33および第2の操作手段34には、それぞれ第1の固定エレメント41および第2の固定エレメント42が割り当てられている。具体的には、ハンドル30の第1の操作手段33と連携する第1の固定エレメント41は、固定エレメントの形で設けられている。第1の固定エレメント41は、第1の操作手段33の輸送部32または滑動部32”から除去することができる。第1の固定エレメント41は、第1の操作手段33および第1の操作手段33の輸送部32と連携する。それによって、第1の操作手段33によってもたらされうる、カテーテル先端20の第1の筐体部23の縦運動が起きないようにすることができる。一方、第2の操作手段34と連携する第2の固定エレメント42も、固定エレメントの形で設けられ、第2の操作手段34の輸送部31または滑動部31”から除去することができる。第2の固定エレメント42は、第2の操作手段34と連携する。それによって、第2の操作手段34によってもたらされうる、カテーテル先端20の第2の筐体部24の縦運動が起きないようにすることができる。
挿入機構1を用いて作り出すことができる4つの異なる機能モードについて、図15(a)〜図15(d)を参照して以下説明する。
図15(a)は、挿入機構1が第1の機能モードにある状態を示す。そこではカテーテル先端20は完全に閉じている。上述のように、自己拡張型の心臓弁ステントは、カテーテル先端20またはカテーテル先端20にある、対応する第1の筐体部23および第2の筐体部24に収容することができる。
図15(a)に示す第1の機能モードでは、第2の操作手段34および第1の操作手段33の滑動部31”および滑動部32”、したがって輸送部31および輸送部32は、それぞれ第1の位置(位置1)にある。具体的には、第1の操作手段33の滑動部32”は、ガイド32’のカテーテル先端側の端部に設けられた第1の先端部35に接して位置する。この第1の位置において、滑動部32”は第1の固定エレメント41によって固定される。それによって、ガイド32’上の第1の操作手段33の滑動部32”および輸送部32の縦運動が、第1の操作手段33と連携する第2の停止部36の方向に起きないようにされる。
第2の操作手段34の第3の停止部37上の第1の位置(位置1)と同様に、第2の操作手段34の滑動部31”および輸送部31も、図15(a)では第1の機能モードにある。第2の操作手段34の第3の停止部37は、第2の操作手段34にあるガイド31’の遠位末端に配置されている。この第1の位置では、第2の操作手段34の滑動部31”および輸送部31は、滑動部31”および輸送部31のガイド31’に沿ったカテーテル先端方向への縦運動を防止するために、第2の固定エレメント42によって固定されている。
上述のように、挿入機構1が図15(a)に示すように第1の機能モードにある場合、挿入機構1のカテーテル先端20は、完全に閉じた状態にある。この状態では、スリーブ状エレメントの形で設けられた、カテーテル先端20の第1の筐体部23および第2の筐体部24は、1つの内側にもう1つというように、入れ子状に伸縮自在に係合している。この特徴は、それらのスリーブ状エレメントの各内径および外径を互いに対して適宜調整することにより実現できる。具体的には、スリーブ形状をした第2の操作手段34の外径は、ゲート機構13の近位領域14の外径と同一であることが望ましい。以下においてより詳細に説明するが、カテーテル先端20のスリーブ形状をした第1の筐体部23および第2の筐体部24は、互いにそれぞれ内径および外径の点から調整されている。それによって、カテーテル先端20中に収容される、心臓代用弁が取り付けられたステントの折りたたまれた保持アーチを、スリーブ形状をした第1の筐体部23中に収容することができ、また折りたたまれた状態、つまり最小化状態を保つことができる。同時に、ステントの折りたたまれた位置決めアーチは、カテーテル先端20にあるスリーブ形状をした第1の筐体部23とスリーブ形状をした第2の筐体部24との間に収容され、折りたたまれた状態で保たれる。
挿入機構1の第1の機能モードでは、カテーテル先端20が患者の身体に挿入されて所望の着床部位まで誘導される。図15(a)に示した本発明が提示する解決法の第1の実施形態に基づく挿入機構1の場合、着床部位、つまりまだ残っている心臓弁には、頂点を貫通して、つまり心尖から接近することができる。それは、カテーテル先端20の第1の筐体部23は冠部21に比べて遠位側に配置されるが、カテーテル先端20の近位領域において保持機構が冠部21の形で設けられているからである。
図15(b)は、図15(a)に示した挿入機構1が第2の機能モードにある状態を示す。挿入機構1のカテーテル先端20が患者の身体中の着床部位に到達したら、即座にこの第2の機能モードをとる。図15(b)〜図15(d)を参照してより詳細に説明するように、カテーテル先端20がいったん着床部位に到達したら、あらかじめ決められた一連の事象によって段階的にカテーテル先端20中に収容されたステントを放出するのに必要となる、カテーテル先端20の第1の筐体部23および第2の筐体部24の必要不可欠な操作がもたらされる。それによって、ステントの異なる機能部品、特に位置決めアーチおよび保持アーチが順に解放される。カテーテル先端20にある第1の筐体部23および第2の筐体部24の特殊な動きによって挿入機構1のカテーテル先端20に収容された内部人工器官の段階的な解放を、以下詳細に説明する。
カテーテル先端20がいったん着床部位まで達したら、第2の操作手段34を操作することにより、挿入機構1は、図15(a)に示す第1の機能モードから図15(b)に示す第2の機能モードに切り替わる。具体的には、第2の固定エレメント42は第2の操作手段34から除去される。その結果、第2の操作手段34の滑動部31”および輸送部31の縦運動がもはや阻害されない。
第2の固定エレメント42を第2の操作手段34から除去し、第2の操作手段34の滑動部31”と輸送部31のロックを解除した後、第2の操作手段34の滑動部31”および輸送部31を、ガイド31’に沿ってカテーテル先端20の方向へ第1の位置(位置1)から第2の位置(位置2)まで動かす。第2の位置(位置2)は、第3の停止部37(位置1)と第4の停止部38との間に配置された第5の停止部30によって決められる。
このように第2の操作手段34を操作することによって、第2の操作手段34と連携するカテーテル先端20の第2の筐体部24は、カテーテル先端20の保持機構21に対して、近位方向に動かされる。運動量、つまりこの例では近位方向におけるカテーテル先端20の固定機構21に対する、カテーテル先端20の第2の筐体部24の縦運動の程度は、縦運動のストローク長によって決まる。縦運動のストローク長は、第2の操作手段34を用いて滑動部31”と輸送部31によって生じる第1の位置(位置1)と第2の位置(位置2)との間で、第2の操作手段34を用いて生じさせることできる。
固定機構21に対してその結果生じるカテーテル先端20の第2の筐体部24の運動によって、2つのスリーブ状の第1の筐体部23と第2の筐体部24との間の伸縮自在の係合が解除される。固定機構21または第1の筐体部23に対する第2の筐体部24の運動量の程度、したがって第2の操作手段34を用いて滑動部31”および輸送部31によってもたらされうる縦運動のストロークは、以下のように選択される。つまり、カテーテル先端20にあるスリーブ形状をした第2の筐体部24はもはやカテーテル先端20の第1の筐体部23を入れ子状に伸縮自在には覆わないが、依然として保持機構21または冠部21a、特に冠部21aに形成されたポケット22を覆うように選択される。その結果、図17(b)に示すように挿入機構1の第2の機能モードにおいて、カテーテル先端20に収容された心臓弁ステントの遠位保持領域は、カテーテル先端20、特に保持機構21によって固定状態が保たれる。これが実現できるのは、ステントの遠位末端に設けられた保持ヘッドなどが、保持機構21の冠部21aに形成されたポケット22と係合するからである。
図17を参照して以下においてより詳細に説明するが、挿入機構1が図15(b)に示すように第2の機能モードにある場合に、ステントの保持アーチは、カテーテル先端20の第1の筐体部23によって、依然として最小化状態で保持されている。これは、ステントのそれらの部品が、カテーテル先端20の第1の筐体部23の中に収容されているからである。ステントの遠位末端にある保持ヘッドと、保持機構21の冠部21aに形成されたポケット22との係合は、第2の筐体部24の遠位末端によって固定される。それによって、ステントの遠位保持領域もまた、第2の筐体部24によって、依然として最小化状態で保持される。既に説明したように、これが可能になるのは、第2の筐体部24の遠位末端が、形成されたポケット22を有する冠部21aおよび保持機構21、ならびにポケット22に収容されたステントの保持ヘッドを、依然として覆っているためである。
第2の操作手段34を操作することによって、カテーテル先端20の第2の筐体部24は、保持機構21およびカテーテル先端20の第1の筐体部23に対して、ハンドル30から近位方向へと遠ざけられる。それによって、ステントの位置決めアーチは、第2の筐体部24によってもはや覆われない状態になる。つまり、第2の筐体部24の縦運動によって、挿入機構1が第2の機能モードにあるときに、カテーテル先端20の第1の筐体部23および第2の筐体部24の間にあり、第1の機能モードを実現している(図15(a)参照)ステントの位置決めアーチの伸縮自在の保持部が解放される。挿入機構1が第2の機能モードにあるときには(図15(b)参照)、カテーテル先端20の第2の筐体部24は、もはやステントの位置決めアーチを最小化状態で保持するという機能を担わない。したがって、ステントの位置決めアーチを解放し、その結果開くことができる。図17で詳しく説明するように、いったん解放されたら、ステントの位置決めアーチは、ステント構造が有する固有の半径方向力によって外に広がる。次に開いた位置決めアーチは、まだ残っている心臓弁のポケットに位置することができる。
ステントの位置決めアーチが、まだ残っている心臓弁のポケットにいったん配置されたら、挿入機構1は図15(b)に示す第2の機能モードから図15(c)に示す第3の機能モードへと移行する。これが実現できるのは、ハンドル30の第1の操作手段33と連携する第1の固定エレメント41を除去すること、したがってロックを解除することによって、第1の操作手段33の滑動部32”および輸送部32が縦運動をすることができるようになるためである。
第1の固定エレメント41がいったん除去されたら、第1の操作手段33の滑動部32”および輸送部32が、ガイド32’に沿って第1の位置(位置1)から第2の位置(位置2)まで動く。縦運動のストロークは、第1の操作手段33のガイド32’の遠位末端に配置された、第1の操作手段33の第2の停止部36によって決められる。
第1の操作手段33を操作することによって、第1の操作手段33と連携するカテーテル先端20の第1の筐体部23は、縦運動のストロークによって動く。これは、第1の操作手段33の滑動部32”および輸送部32によって、カテーテル先端20の保持機構21および第2の筐体部24に対して、ハンドル30の遠位方向にもたらされる。保持機構21および冠部21aに対するカテーテル先端20にある第1の筐体部23のこの動きによって、第1の筐体部23は、もはやステントの近位固定領域を覆わなくなる。したがって、第1の筐体部23は、保持アーチに取り付けられた心臓代用弁とともに、ステントの保持アーチが解放される。これは、第1の操作手段33によって実現可能な、縦運動のストロークを適切に選択することによる。ステントの近位固定領域を解放すると、そこに作用する半径方向力によって、ステントの近位固定領域が完全に開く。
図15(c)に示すように挿入機構1が第3の機能モードにあるとき、カテーテル先端20の第2の筐体部24の遠位末端は、依然として保持機構21または冠部21aを覆っている。ポケット22に冠部21aに形成されたステントの保持ヘッドの係合は存在し続ける。それによって、ステントは、挿入機構1のカテーテル機構10に能動的に接続され続ける。近位固定領域が開いたままであるにもかかわらず、心臓代用弁が取り付けられたステントをまだカテーテル中に撤収したり、取り外したりする(ex−planted)ことができる。取り外し(explantation)は、対応する順序の逆で行われる。つまり、挿入機構1がまず第3の機能モードから第2の機能モードへと切り替わり、次に第1の機能モードへと切り替わる。
いったんステントの近位固定領域が十分に解放され、広がった心臓代用弁が正常に機能することが確認された後に、ステントをカテーテル先端から放出することができる。これが実現できるのは、挿入機構1を図15(c)に示した第3の機能モードから図15(d)に示した第4の機能モードに切り替えることによる。ステントを点検する中で何らかの異常が見つかった場合、ステントは上述のように取り外されてもよい。
第4の機能モードでは、第2の操作手段34のガイド31’上の第3の停止部37と第4の停止部38の間に設けられた捕獲エレメント、つまり固定エレメント44は、図14(b)に示した第2の機能モードにおいては第5の停止部39を規定するが、除去されている。その結果、第2の操作手段34の滑動部31”および輸送部31は、挿入機構1のカテーテル先端20の方向に、第2の位置(位置2)から第3の位置(位置3)まで、ガイド31’上をさらに遠くまで動かすことができる。この第3の位置(位置3)は、第2の操作手段34のガイド31’の近位端にある第4の停止部38によって規定される。したがって、第2の操作手段34の輸送部31のプログラムされた(追加の)動作がもたらされる。その結果、第2の操作手段34と連携するカテーテル先端20の第2の筐体部24が、保持機構21に対してさらに近位方向、つまりハンドル30から離れる方向へと動かされる。これは、第2の操作手段34をさらに操作したことによって引き起こされる縦運動のストロークによりもたらされる。
第2の操作手段34をさらに操作したことによって引き起こされる縦運動のストロークは、カテーテル先端20の第2の筐体部24が保持機構21に対して動かされたときに、少なくとも保持機構21の冠部21aに形成されたポケット22が、もはや第2の筐体部24の遠位末端によって覆われなくなるように決められる。こうして第2の筐体部24によって保持機構21のポケット22を取り除くことにより、ステントの遠位末端に設けられた保持ヘッドと保持機構21のポケット22との係合が解除される。今度はこの係合の解除によって、ステントの遠位保持領域が完全に解放され、それによってステントが完全に開いた状態となる。
図14(a)〜図14(d)は、挿入機構1が図15(a)〜図15(d)を参照して説明する、4つの異なる機能モードにある様子を示す。しかし、ここでは、これらの略図は第4の機能モード(図14(a))から始めて、次に第3の機能モード(図14(b))を示し、次に第2の機能モード(図14(c))を示し、第1の機能モード(図14(d))で終了する。図14に示す手順は、たとえば図17に示されるようなステントを、挿入機構1のカテーテル先端20に積み込むために使用される。図14(a)〜図14(d)に示すステップの積み込み手順は、図15(a)〜図15(d)に示す一連の手順に対応する。しかし、図15は図14とは順序が逆であり、挿入機構1のカテーテル先端20に収容されたステントを除去するために使用される手順である。繰り返しを避けるために、図15(a)〜図15(d)に関してされた説明を参照すればよい。
本発明が提示する挿入機構のカテーテル先端20に配置された保持機構21の好適な実施形態を、図16を参照して以下において詳細に説明する。
図16(a)は、保持機構21の好適な実施形態を示す側面図である。図16(b)は、図16(a)に示す線A−Aに沿った断面図であり、保持機構21の実施形態を示す。一方、図16(c)は、ステント50の遠位保持領域52の平面図を示す。遠位保持領域52は、図16(a)に示す実施形態に基づく保持機構21によって、本発明が提示する挿入機構のカテーテル先端20内に保持することができる。
図示されているように、保持機構21は、実質的に円筒形状の本体21aを有する。本体21aの対称軸は、カテーテル先端20の長手方向の軸L上にある。図16(b)では合計3個の複数の切り欠き、つまりポケット22は、保持機構の本体21aの材料中で、望ましくは円筒形状の本体21aの近位端部において、互いに均等に離れて配置されている。それらのポケット22は、溝21bによって、円筒形状の本体21aの近位末端表面に接続されている。
保持機構21の本体、つまり冠部21aの材料中におけるポケット22aの形状および大きさは、ポケット22aを補完するステント50の保持エレメント55が、望ましくは能動的に各ポケット22a内に収容できるように選択される。したがって、ステント50の各保持エレメント55は、保持機構21の冠部21aに形成されたポケット22aと、解除可能な係合を確立する。
図16(c)に示すように、この点において、ステント50の保持エレメント55が、ステント50の遠位末端52において、突出エレメントまたは突出ヘッド(保持ヘッド)の形で設けられることが望ましい。突出エレメントの形をしたこれらのステント50の保持エレメント55は、頸部つまり接続羽板56を経由して、ステント50の位置決めアーチ54(および保持アーチ53)にそれぞれ接続されている。ステント50の保持エレメント55が保持機構21のポケット22a内に能動的に保持されている場合、少なくとも頸部56の遠位末端が溝22bの中にある。
図15bを参照すると、保持機構21の冠部21aは円筒形状であり、保持機構21の冠部21aに形成された各ポケット22aは、ステント50の末端領域52に設けられた保持エレメント55を実質的に収容するのに適した形状を有する。そのため、ステント50の末端領域52には、円筒形状をした冠部21aの表面Sから突出する部分がない。
さらに、図示された保持機構21の冠部21aは、保持機構21の冠部21a内に形成された少なくとも1つのポケット22a上に配置されることによって、ステント50の末端領域52上に設けられた保持エレメント55を、少なくとも1つのポケット22aにおいて解除可能に固定するためのスナップ式手段21bを含む。
ここで図17(a)〜図17(d)に戻って、本発明が提示する医療用デバイス100の好適な実施形態を説明する。図示されているように、医療用デバイス100は、図14および図15を参照して既に詳述したように、頂点を貫通して接近するために設計された挿入機構1を有している。しかし当然ながら、本医療用デバイスが、動脈を貫通して接近するために設計された挿入機構とともに使用されることも考えられる。
挿入機構1に加えて、医療用デバイス100は、挿入機構1のカテーテル先端20に収容された自己拡張型の心臓弁ステント50を有する。自己拡張型の心臓弁ステント50に対し、埋め込まれる心臓代用弁が取り付けられるが、これは図17には明確には示されていない。図17(a)に示す挿入機構1の第1の機能モードでは、ステント50は第1のプログラムモードをとっているため、最小化状態にある。一方、埋め込まれた状態では、ステント50は第2のプログラムモードをとるように設計されている。第2のプログラムモードでは、ステント50は拡張した立体配置をとっている。
上述の挿入機構1を使用することによって、ステント50は第1の所定の状態から第2の所定の状態へと、プログラムされた一連の事象に基づいて連続的に、埋め込みプロセスの過程で次第に移行する。
具体的には、図16に示す医療用デバイス100とともに使用されるステント50は、心臓代用弁が取り付け可能な近位固定領域51を有する。ステント50は、保持ヘッドの形をした3つの保持エレメント55を備えた遠位保持領域52も有する。保持エレメント55は、挿入機構1の保持機構21との、特に挿入機構1の保持機構21の冠部21aに形成されたポケット22aとの、解除式係合に移行することができる。
近位固定領域51および遠位保持領域52に加えて、ステント50は、保持アーチの形をした3つの第1の機能部品53も有する。第1の機能部品53は、心臓代用弁と、位置決めアーチの形をすることで着床部位において機械的にステント50の位置決めをするための、3つの第2の機能部品54とを収容するためのものである。ステント50の各位置決めアーチ54は、機能設計および構造設計を有する。それによって、埋め込み操作中、およびステント50が埋め込まれた状態で、特に挿入機構1が第2の機能モードにある場合に、各位置決めアーチ54は、まだ残っている心臓弁のポケットに係合する。このような状況であるため、ステント50の各位置決めアーチ54は、保持アーチ53と連携する。また、ステント50の末端領域52において、各位置決めアーチ54の各端部57は、連携する保持アーチ53の端部58と連結する。
具体的には、ステント50の各位置決めアーチ54および連携する保持アーチ53は、それぞれ実質的にU字形またはV字形の構造をしており、ステント50の近位端51に向かって閉じた構造をしている。
ステント50を埋め込む際に関係する手順を、ここで図17(a)〜図17(d)を参照して詳細に説明する。具体的には、図17(a)は、カテーテル先端20を備えたカテーテル機構10の近位端と、第1の機能モードにある挿入機構1を備えたカテーテル先端20中に収容されたステント50を示す。図15(a)に関連して既に説明したように、図17(a)に示す挿入機構1が第1の機能モードにあるときには、ステント50の保持ヘッド55は、挿入機構1のカテーテル先端20の保持機構21の冠部21aに形成されたポケット22aと係合しているが、心臓代用弁が取り付けられたステントの保持アーチ53は、カテーテル先端20のスリーブ形状をした第1の筐体部23中に収容されている。挿入機構1が第1の機能モードにある場合、ステント50の位置決めアーチ54は、カテーテル先端20にあるスリーブ形状をした第1の筐体部23と、同様にスリーブ形状をした第2の筐体部24との間にある。カテーテル先端20の2つの第1の筐体部23および第2の筐体部24は、互いに伸縮自在の設計を有する。具体的には、カテーテル先端20にあるスリーブ形状をした第2の筐体部24は、ステント50の遠位保持領域52、ステント50の位置決めアーチ54、およびカテーテル先端20にあるスリーブ形状をした第1の筐体部23を覆う。第2の筐体部24中には、保持アーチ53および心臓代用弁60(図17では図示せず)を備えたステント50の近位固定領域51が収容されている。
上述のように、ステントに使用される材料は、形状記憶材料であって形状記憶効果を有する。したがって、ステント50の開口形状は、外部刺激の効果によって誘発される。特に好ましくは、この外部刺激は、あらかじめ設定可能なスイッチング温度である。これは、ステント材料をスイッチング温度よりも高い温度まで加熱することによって、形状記憶効果を引き起こし、それによってステント50の記憶された形状を回復させなければならないということを意味する。医療用デバイス100が使用される応用を考慮すると、スイッチング温度は、室温と患者の体温の間の温度であることが望ましい。したがって、ステント50を埋め込む際には、ステント50が、たとえばハンドル30に設けられたシリンジアダプタ43によって適切に冷却され、その結果、挿入機構1のカテーテル機構10およびカテーテル先端20を、食塩水などの適切な冷却剤を用いてすすぐことができるようになっている点に注意が払われなければならない。
図17(a)に示す状態では、カテーテル先端20は、頂点を貫通してつまり心尖から、疾患のあるまたは衰えた、持って生まれた心臓弁へと、前方へ供給される。
収容されステント50を備えたカテーテル先端20が前方へ、所望の着床部位に向かって動かされた場合、冷却が阻害される。その結果、ステント50は患者の体温(36℃)まで加熱され、それによってステント材料の形状記憶効果が誘発される。
その結果誘発されるステント50の自己拡張をする特性によって、ステント50の各部品、特にステントの各位置決めアーチ54および保持アーチ53に作用する、半径方向力が増大する。ステント50の保持アーチ53は依然として元どおりカテーテル先端20にあるスリーブ形状をした第1の筐体部23中に収容されている。したがって、ステント50の保持アーチ53およびステント50の近位固定領域51は、形状記憶効果が誘発されているにもかかわらず、最小化状態で保持されている。したがって、ステント50の位置決めアーチ54およびステント50の遠位保持領域52は、スリーブ形状をした第2の筐体部24によって、折りたたまれた状態で強制的に保持されている。
着床部位に到達したときに、ステント50の位置決めアーチ54は、ステント50が挿入機構1から適切に段階的に解放されることによって放出される。これは、図15(a)および図15(b)を参照して既に詳しく述べたように、挿入機構1が第1の機能モード(図15(a)参照)から第2の機能モード(図15(b)参照)へと移行することによって起きる。これはたとえば個々には図17(b)に示されている。挿入機構1とともに使用されるハンドル30の第2の操作手段34を操作することによって、カテーテル先端20の第2の筐体部24は、保持機構21およびステント50の遠位保持領域52に対して、近位方向、つまりハンドル30から遠ざかる方向へと動かされる。その結果もたらされる、カテーテル先端20の保持機構21に対する、スリーブ形状をした第2の筐体部24の縦運動のストロークにより、ステント50の位置決めアーチ54が、カテーテル先端20にあるスリーブ形状をした第2の筐体部24によってもはや覆われていないという状態が生じる。その結果、ステント50の位置決めアーチ54の自己拡張をする特性によって、半径方向に作用する半径方向力が働くため、位置決めアーチ54が開く。次に、ステント50の開いた位置決めアーチ54は、まだ残っている心臓弁のポケットに配置される。上述のように、挿入機構1のカテーテル先端20は、カテーテル先端20の長手方向の軸Lの周囲を回転することができる。それによって、持って生まれた心臓弁のポケット70の中で、ステント50の開いた位置決めアーチ54の位置決めが容易となる。
いったん部分的に拡張したステント50がまだ残っている心臓弁のポケット中に配置されたら、挿入機構1が図17(b)に示す第2の機能モードから図17(c)に示す第3の機能モードへと切り替わる。挿入機構1が第2の機能モードから第3の機能モードへと切り替わる方法は、図15(c)を参照して既に詳細に説明をした。図17(c)は、挿入機構1が第3の機能モードにある場合に、ステント50の近位固定領域51がカテーテル先端20の第1の筐体部23からどうやって放出されるのかを示す。挿入機構1が第3の機能モードにあるときに放出された、ステント50の解放された保持アーチ53と近位固定領域51は、半径方向に作用する半径方向力によって開き、保持アーチ53に取り付けられた心臓代用弁を、傘を開くようにして広げる。
図17(c)に示した状態では、既に広がった心臓代用弁が正常に機能するかを確認するためのチェックが行われてもよい。心臓代用弁60の機能がいったんチェックされたら、挿入機構1は、挿入機構1のハンドル30の第2の操作手段34の別の操作によって、第3の機能モード(図17(c)を参照)から第4の機能モード(図17(d)を参照)へと切り替わることができる。挿入機構1が第4の機能モードへと切り替わる方法は、図15(d)を参照して既に説明した。図17(d)は、挿入機構1が第4の機能モードへと切り替わったことによって、ステント50に及ぼされる効果を示す。
カテーテル先端20の第2の筐体部24が近位方向、つまりハンドル30から遠ざかる方向へとさらに動いたら、カテーテル先端20のスリーブ形状をした第2の筐体部24の遠位末端部分は、近位方向へさらに動く。それによって、この第2の筐体部24の遠位末端部分は、保持機構21の冠部21aに形成されたポケット22aをもはや覆わない状態となる。したがって、カテーテル先端20によってステント50の遠位保持領域52が保持されていたのが解除されることによって、ステント50の遠位保持領域52も半径方向に広がる。それによって、ステント50が完全に開くことになる。
挿入機構1の第3の機能モードにあるすでに広がった心臓代用弁の機能をチェックする上で、埋め込まれた心臓代用弁が機能を果たすことができない、もしくは十分に機能を果たすことができないということが確認されれば、またはステント50が着床部位において最適な位置に配置されていない、もしくは配置できないのであれば、カテーテル先端20の連携する筐体部23、24を逆方向へと動かすことによって、挿入機構1を再び第2の機能モードへ、次に第1の機能モードへと逆に切り換えることが可能である。その結果、既に解放され拡張したステント50の部品を、カテーテル先端20の各筐体部23、24へと戻すことができる。それによって、カテーテル先端20およびカテーテル先端20に再び収容されたステント50を、患者の身体から除去することができる。ステントをカテーテル中へと戻すことによって、ステントを体から除去する際の血管系への損傷が最小限に抑えられる。
図17(d)に示すように、ステント50が埋め込まれた場合、ステント50の保持アーチ53が半径方向へと開く。ステント50が埋め込まれている間、ステント50の保持アーチ53および遠位保持領域52に作用する半径方向力によって、ステント50が血管壁に対して半径方向に押し付けられる。この半径方向力によって、近位固定領域51に心臓代用弁が取り付けられたステント50が、着床部位において確実に固定される。また、この半径方向力によって、ステント50の近位固定領域51における心臓代用弁による確実な密閉が実質的に保証される。
心臓代用弁が埋め込まれた状態にある場合、まだ残っている心臓弁がステント50の自己拡張をする特性によって、血管壁に対して押さえつけられる。具体的には、不十分または狭窄した心臓弁のポケットの組織片は、ステント50の拡張によって、位置決めアーチ54と保持アーチ53の間に固定されている。これによって、ステント50の近位固定領域51に配置された心臓代用弁の、最適な位置決めおよび安定した固定が可能となる。
挿入機構1と連携して医療用デバイス100の基盤を構成する上述のステント設計は、挿入機構1を用いて最小限の侵襲しか伴わずに患者の体内へ挿入するのに特に適している。
本発明が提示する解決策は、挿入機構1のカテーテル先端中に収容することができるステントを備えた、改良された挿入機構である点で際立っている。本ステントは、特殊な挿入機構を用いて動脈を貫通してまたは頂点を貫通して接近することによって挿入され、最適に埋め込まれてもよい。それによって、ステントの近位固定領域に縫い合わされた心臓代用弁が、不十分で、狭窄または石灰化した、持って生まれた心臓弁の機能を担うことができる。ステントの自己拡張特性によって増大した半径方向力は、大動脈の所定の領域においてステントが確実に固定されることを実質的に保証する。挿入機構1のカテーテル機構は、18〜21F挿入ユニットであることが望ましい。本挿入ユニットは、21F挿入ゲートおよび0.035インチのガイドワイヤと互換性がある。カテーテル機構の長さは、動脈貫通型の接近用に設計された挿入機構1の場合、少なくとも100cm以上である必要がある。ゲート機構13の近位領域に任意に設けられてもよい屈折機構(deflecting mechanism)は、約30cmであることが望ましい。
本発明が提示する解決策は、心臓代用弁を有する金属製の内部人工器官1に基づいている。心臓代用弁は、内部人工器官1に縫い合わせることができるか、または内部人工器官1に縫い合わせられている。心臓代用弁は、まだ残っている心臓弁の置換が必要となるような、心臓弁の病気を治療するのに使用するために設計されている。心臓弁ステント1(内部人工器官)は、逆向きに導入され、したがって生体内で経皮的に所望の位置に配置され、不十分または疾患のある持って生まれた心臓弁の機能を担ってもよい。内部人工器官1の自己拡張特性によって生み出される半径方向力は、大動脈の所定の領域における確実な固定を実質的に保証する。
患者の大動脈中で心臓代用弁の位置決めおよび固定を行うための内部人工器官1を含む医療機器を、体内、特に置換が必要な大動脈の心臓弁の位置に埋め込むための心臓代用弁を収容する手段として、ニチノールの土台から作られた内部人工器官1とともに説明する。本発明が提示するすぐに使用できる医療用デバイスは、弁支持セグメント20(valve−supporting segment)、心臓弁、およびステント1を体内の所望の位置に導入するためのシステムを備えた、自己拡張型のニチノール製のステント1を含む部品で構成されている。
設計の観点から、内部人工器官1は、患者の血管中で医療用デバイスの位置決めおよび固定をするための3つの位置決めアーチ、およびたとえば糸によって心臓代用弁の収容/取付けを行うための保持羽板を有する。機能的な観点から、内部人工器官1は、第2の拡張した状態において強い半径方向力を及ぼすことにより、医療用デバイスが確実に大動脈中に固定されるようにする。アイ30は、内部人工器官1または医療用デバイスの遠位保持領域に設けられるのが望ましい。アイ30は、導入カテーテル機構の対応する部品と、解除可能なように係合することができる。
内部人工器官1の形状記憶効果を誘発するために使用される材料は、20℃〜36℃の間のスイッチング温度を有する。スイッチング温度は22℃であることが望ましい。したがって、冷却された状態では、医療用デバイスは、21F導入システムを用いて患者の体内に導入することができる。
内部人工器官1の正確な大きさに関して、内部人工器官1は、弁の直径が21mm〜25mmである人工心臓弁を取り付けることができるように設計されている。その場合、特に内部人工器官1の遠位保持領域2は、弁の直径よりも約10%〜約15%大きい直径を有している。それは、確実に医療用デバイスが固定できるようにするためである。
本発明が提示する医療用デバイスは、X線によって容易に可視化できる内部人工器官を有する。医療用デバイスの可視化は、必要であれば内部人工器官の近位領域および/または末端領域にマーカーを付けることによって実現可能である。
内部人工器官1に使用される材料は、今までにも埋め込み用に試されたりテストされたりしてきた材料であり、たとえばニチノールやタンタルである。内部人工器官の大きさに関して、2つの異なるステントのサイズが現在好ましい。それらのサイズは、近位固定領域および遠位保持領域の直径とともに、以下の表1で示されている。
Figure 2010523234
適切な仕上げ処理、特に焼き戻しを適用することによって、上述の2つの現在好ましいと考えられるステントのサイズから始めて、ステントの別の大きさを実現することができる。
本発明は、各図に示す好適な実施形態に関連して説明した特徴に限定されるものではない。本明細書中に記載した特徴のあらゆる組み合わせも考えられる。

Claims (65)

  1. 心臓弁の機能不全を治療するための自己拡張型の内部人工器官であって、患者の体内で内部人工器官の所定位置への着脱の操作を行うための少なくとも1つの保持手段を含むことを特徴とする内部人工器官。
  2. 導入カテーテル機構の固定機構と連携するように構成された保持手段を有することにより、
    患者の大動脈中で心臓代用弁の位置決めおよび固定をする場合に、最小限の侵襲しか伴わずに患者の身体に導入可能であることを特徴とする請求項1に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  3. 患者の身体に導入される際には第1のプログラムモードをとり、
    体内に埋め込まれた状態では第2のプログラムモードをとり、
    第1のプログラムモード時には折り畳まれた状態にあり、
    第2のプログラムモード時には拡張状態にあることを特徴とする請求項2に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  4. 心臓代用弁を取り付け可能な近位固定部と、
    保持手段を有する末端領域とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  5. 前記保持手段は、挿入機構の固定機構と一体となる、望ましくは王冠状に形成されたカテーテル先端の固定機構のポケットと一体となる、解除可能な係合へと移行可能であることを特徴とする請求項4に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  6. 前記保持手段は、固定機構の冠部に形成された少なくとも1つのポケットと補完的な形状を有することにより、解除可能な係合によってカテーテル先端の固定機構と連携するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  7. 心臓弁の機能不全を治療するための自己拡張型の内部人工器官であって、
    内部人工器官を患者の体内で所定の位置に配置するための複数の位置決めアーチと、
    人工心臓弁を収容するための保持アーチを備えた固定部とを有し、
    位置決めアーチと保持アーチは、互いに連携する形状を有することによって、内部人工器官が患者の体内で所定の位置にある場合に、まだ残っている心臓弁の組織片を、位置決めアーチと保持アーチとの間に保持することを特徴とする請求項1に記載の内部人工器官。
  8. 内部人工器官が所定の位置にある場合に、固定部が内部人工器官の近位端にあり、保持手段が内部人工器官の遠位末端にあることを特徴とする請求項7に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  9. 各保持アーチは位置決めアーチと関連しており、各位置決めアーチの遠位末端部分は関連する保持アーチの端部に接続されていることを特徴とする請求項7または8に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  10. 位置決めアーチと保持アーチは、内部人工器官の近位端側が閉じた実質的にU字形またはV字形の構造を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  11. 各位置決めアーチの遠位末端は、内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板によって、関連する保持アーチの遠位末端部分に接続されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  12. 保持手段は、内部人工器官の遠位末端において、隣接する位置決めアーチの間に配置されていることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  13. 保持手段は、内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板によって、位置決めアーチに接続されていることを特徴とする請求項12に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  14. 保持手段は、少なくとも1つの返しを含むことを特徴とする請求項4〜13のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  15. 返しは、内部人工器官の近位端側を向く先端を有することを特徴とする請求項14に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  16. 保持手段は、アイであることを特徴とする請求項7〜15のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  17. 保持手段は、穴の開いていない保持ヘッドであることを特徴とする請求項7〜16のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  18. 各保持アーチは、内部人工器官の遠位末端側に延びる、返し部を含むことを特徴とする請求項7〜17のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  19. 返し部は、アーチ形状であって、内部人工器官が所定の位置にある場合に、保持アーチから突き出ることを特徴とする請求項18に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  20. 返し部は、遠位末端において閉じた実質的にU字形またはV字形の構造を有し、
    返し部の末端領域は、固定支持部の先端を形成し、
    返し部は、近位端において、隣接する保持アーチに接続されていることを特徴とする請求項18または19に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  21. 保持アーチには、長手方向に延びる1つ以上の溝が設けられていることを特徴とする請求項7〜20のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  22. 各溝の長さは、補強部によって分断されていることを特徴とする請求項21に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  23. 着床部位まで供給できるようにするための最小化した立体配置と、
    拡張した立体配置とを有することを特徴とする請求項7〜22のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  24. 医療用デバイスを患者の大動脈中で機械的に配置するための少なくとも3つの位置決めアーチと、
    心臓代用弁を収容するための保持アーチを有する保持セグメントとをさらに含み、
    内部人工器官は、患者の身体に導入される間は第1のプログラムモードをとり、
    埋め込まれた状態では第2のプログラムモードをとり、
    第1のプログラムモードにあるときは折り畳まれた状態にあり、
    第2のプログラムモードにあるときは拡張状態にあり、
    金属チューブから一体的に切り取られた構造を有し、
    保持アーチは各位置決めアーチと関連し、
    内部人工器官の遠位末端にある各位置決めアーチの各端部は、関連する保持アーチの端部に接続されていることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  25. 各位置決めアーチは、金属チューブの材料部分から切り取られたものであり、関連する保持アーチの実質的にU字形またはV字形の構造に収容されていることを特徴とする請求項24に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  26. 各位置決めアーチの端部は、実質的に内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板によって、関連する保持アーチの端部にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項24または25に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  27. 一方では、保持手段は、2つの隣接する位置決めアーチと、隣接する位置決めアーチの各アームとの間にそれぞれ配置された固定アイを有し、
    他方では、隣接する位置決めアーチと関連する保持アーチの各アームは、固定アイに接続されていることを特徴とする請求項1〜26のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  28. 隣接する位置決めアーチの各アームは直接的に、
    隣接する位置決めアーチと関連する保持アーチの各アームは間接的に、
    実質的に内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板によって、固定アイに接続されていることを特徴とする請求項27に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  29. 隣接する位置決めアーチの各アームは、実質的に内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板によって、間接的に固定アイに接続されており、
    隣接する位置決めアーチと関連する保持アーチの各アームは、実質的に内部人工器官の長手方向に延びる接続羽板によって、間接的に固定アイに接続されており、
    保持アーチの接続羽板は、位置決めアーチの端部において、位置決めアーチの接続羽板と1つになっていることを特徴とする請求項27に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  30. 隣接する位置決めアーチの各アームは、実質的にステントの長手方向に延びる第1の接続羽板によって、間接的に保持ヘッドに接続されており、
    隣接する位置決めアーチと関連する保持アーチの各アームは、実質的にステントの長手方向に延びる第2の接続羽板によって、間接的に保持ヘッドに接続されており、
    第2の接続羽板は、位置決めアーチの端部において、第1の接続羽板と1つになっていることを特徴とする請求項27に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  31. 保持アーチの各アームは、それぞれアーチ形状の固定支持部を有し、
    固定支持部は、内部人工器官が拡張状態にあるときに、保持アーチの関連するアームから突き出て、
    固定支持部の先端は、内部人工器官の遠位末端側を向くことを特徴とする請求項7〜30のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  32. 固定支持部は、実質的にU字形またはV字形の構造を有し、
    その構造は、内部人工器官の遠位末端において閉じており、
    固定支持部の末端領域は、固定支持部の先端を形成し、
    固定支持部の近位端にある固定支持部の各アームは、2つの隣接する保持アーチの各アームに接続していることを特徴とする請求項31に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  33. 各保持アーチに、保持アーチの長手方向に延びる溝が設けられ、
    溝は、内部人工器官の第2のプログラムモードに影響を及ぼすように設計されていることを特徴とする請求項7〜32のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  34. 各保持アーチは、保持アーチの長手方向に延びる溝を分断する補強部を有することを特徴とする請求項33に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  35. 最小化した立体配置において、約5.0mmの外径と、33.0mm〜40.0mmの長さを有することを特徴とする請求項1〜34のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  36. 長さは、34.0mm〜39.0mmの範囲であることを特徴とする請求項35に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  37. 長さは、34.37mm〜38.37mmの範囲であることを特徴とする請求項36に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  38. 拡張した第2のプログラムモードにある場合に、内部人工器官の近位保持領域に向かって次第に細くなる、わずかに凹んだ形状を有することを特徴とする請求項1〜37のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  39. 拡張した第2のプログラムモードにある場合に、内部人工器官の遠位保持領域は、内部人工器官の近位保持領域の直径よりも、約10%〜25%大きい直径を有することを特徴とする請求項38に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  40. 拡張した第2のプログラムモードにある場合に、内部人工器官の近位保持領域は、22mm〜33mmの範囲の直径を有することを特徴とする請求項38または39に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  41. 内部人工器官が拡張した第2のプログラムモードにある場合に、内部人工器官の近位端は、25mm〜31mmの範囲の直径を有することを特徴とする請求項40に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  42. 保持アーチに取り付けられた心臓代用弁をさらに含むことを特徴とする請求項7〜41のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  43. 心臓代用弁は、生体心臓代用弁であることを特徴とする請求項42に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  44. 生体心臓代用弁は、ブタまたはウシの組織から作られたものであることを特徴とする請求項43に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  45. 心臓代用弁は、保持アーチに縫い合わされていることを特徴とする請求項42〜44のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  46. 形状記憶材料から作られたものであることを特徴とする請求項1〜45のいずれか1つに記載の自己拡張型の内部人工器官。
  47. 外部刺激によって、最小化した立体配置から拡張した立体配置へと自己拡張することを特徴とする請求項46に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  48. 外部刺激は、設定可能な、またはあらかじめ設定されたスイッチング温度であることを特徴とする請求項47に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  49. スイッチング温度は、室温と患者の体温の範囲内にあることを特徴とする請求項48に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  50. スイッチング温度は、約22℃であることを特徴とする請求項49に記載の自己拡張型の内部人工器官。
  51. カテーテル機構の近位端に配置できるカテーテル先端であって、
    請求項1〜50のいずれか1つに記載の内部人工器官が収容でき、
    前記カテーテル先端は、少なくとも内部人工器官の遠位末端を、カテーテル先端において、解除可能なように固定するための保持機構を有することを特徴とするカテーテル先端。
  52. 保持機構は、内部人工器官の保持手段と連携するように成形されていることを特徴とする請求項51に記載のカテーテル先端。
  53. 保持機構は、少なくとも1つのポケットを備えた冠部を有し、
    少なくとも1つのポケットは、内部人工器官の保持手段を補完する形状を有することを特徴とする請求項51または52に記載のカテーテル先端。
  54. 少なくとも1つのポケットは、内部人工器官の保持手段を、カテーテル先端に対して能動的に固定する形状を有することを特徴とする請求項53に記載のカテーテル先端。
  55. 冠部が円筒形状であることを特徴とする請求項51〜54のいずれか1つに記載のカテーテル先端。
  56. 少なくとも1つのポケットは、内部人工器官の保持手段を完全に収容する形状を有することを特徴とする請求項51〜55のいずれか1つに記載のカテーテル先端。
  57. 保持機構は、内部人工器官の保持手段を解除可能に固定するためのスナップ式手段を含むことを特徴とする請求項51〜56のいずれか1つに記載のカテーテル先端。
  58. スナップ式手段は、冠部に形成された少なくとも1つのポケットの外縁上または外縁近傍に配置されたフランジを含み、
    前記フランジは、内部人工器官の末端領域に設けられた保持手段を、少なくとも1つのポケット中で妨害しないように調整されていることを特徴とする請求項57に記載のカテーテル先端。
  59. 固定機構の冠部は、冠部に形成された少なくとも1つの溝をさらに含み、
    前記少なくとも1つの溝は、少なくとも1つのポケットに割り当てられており、前記ポケットから冠部の一端へと、実質的に冠部の長手方向に延び、
    前記少なくとも1つの溝は、内部人工器官の接続羽板を収容するのに適した形状を有し、
    内部人工器官の前記接続羽板は、実質的に内部人工器官の方向に延び、内部人工器官の末端領域上に設けられた保持手段と内部人工器官の各アームとを接続することを特徴とする請求項51〜58のいずれか1つに記載のカテーテル先端。
  60. 内部人工器官の末端領域上に設けられた保持手段と内部人工器官の各アームとを接続する内部人工器官の接続羽板を、解除可能なように固定するために、固定機構の冠部に形成された少なくとも1つの溝上に配置された、スナップ式手段をさらに含むことを特徴とする請求項59に記載のカテーテル先端。
  61. 前記スナップ式手段は、固定機構の冠部に形成された少なくとも1つの溝の外縁上または外縁近傍に配置されたフランジを含み、
    前記フランジは、内部人工器官の接続羽板を、少なくとも1つのポケット中で妨害しないように調整されていることを特徴とする請求項60に記載のカテーテル先端。
  62. 心臓弁の疾患、特に患者の心臓弁の機能不全または心臓弁の狭窄の治療に使用されるカテーテル機構であって、
    請求項51〜61のいずれか1つに記載されたカテーテル先端を含み、
    カテーテル機構のカテーテル先端に収容される、請求項1〜49のいずれか1つに記載された自己拡張型の内部人工器官をさらに含み、
    内部人工器官がカテーテル機構のカテーテル先端に収容されたときには、内部人工器官は第1のプログラムモードをとり、
    内部人工器官がカテーテル先端の外部にあるときおよび埋め込まれた状態にあるときには、内部人工器官は第2のプログラムモードをとり、
    内部人工器官は、第1のプログラムモードにあるときは折り畳まれた状態にあり、第2のプログラムモードにあるときは拡張状態にあることを特徴とするカテーテル機構。
  63. カテーテル機構の遠位末端においてハンドルをさらに含み、ハンドルを用いてカテーテル先端は操作可能であり、
    前記ハンドルは、操作手段を含み、
    操作手段がカテーテル先端と連携することにより、操作手段が操作される場合に、プログラムされた順序にしたがって段階的に、内部人工器官をカテーテル先端から放出することができることを特徴とする請求項62に記載のカテーテル機構。
  64. カテーテル先端は、内部人工器官を収容するためのハウジングシステムをさらに含み、
    前記ハウジングシステムは、内部人工器官の第1の機能部品を収容するための第1の筐体部と、
    内部人工器官の第2の機能部品を収容するための第2の筐体部とを含み、
    ハンドルは、第1の筐体部と連携する少なくとも1つの第1の操作手段と、第2の筐体部と連携する少なくとも1つの第2の操作手段とを有し、
    前記第1の操作手段は、第1の操作手段が操作される場合に、第1の筐体部が固定機構に対するプログラムされた長手方向の移動をもたらすように第1の筐体部と連携し、
    前記第2の操作手段は、第2の操作手段が操作される場合に、第2の筐体部が固定機構に対するプログラムされた長手方向の移動をもたらすように第2の筐体部と連携することを特徴とする請求項63に記載のカテーテル機構。
  65. 第1の筐体部と第2の筐体部のいずれもがそれぞれスリーブ状の部位として設計されており、
    第2の筐体部は、内部人工器官の第2の機能部品に加えて、内部人工器官に収容された第1の機能部品を備えた第1の筐体部を収容するように設計するために、
    第2の筐体部の内径が、第1の筐体部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項64に記載のカテーテル機構。
JP2010502428A 2007-04-13 2007-10-17 心臓弁の機能不全または狭窄症を治療するための医療用デバイス Active JP5114548B2 (ja)

Applications Claiming Priority (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE200720005491 DE202007005491U1 (de) 2007-04-13 2007-04-13 Medizinische Vorrichtung zur Behandlung einer Aortenklappeninsuffizienz
US11/785,072 US7896915B2 (en) 2007-04-13 2007-04-13 Medical device for treating a heart valve insufficiency
DE202007005491.2 2007-04-13
US11/785,072 2007-04-13
EP07009728 2007-05-15
EP07009728.2 2007-05-15
US11/812,095 US9138315B2 (en) 2007-04-13 2007-06-14 Medical device for treating a heart valve insufficiency or stenosis
EP07110318.8 2007-06-14
US11/812,095 2007-06-14
EP07110318A EP1980220A1 (en) 2007-04-13 2007-06-14 Medical device for treating a heart valve insufficiency or stenosis
PCT/EP2007/061117 WO2008125153A1 (en) 2007-04-13 2007-10-17 Medical device for treating a heart valve insufficiency or stenosis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010523234A true JP2010523234A (ja) 2010-07-15
JP5114548B2 JP5114548B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=39032099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010502428A Active JP5114548B2 (ja) 2007-04-13 2007-10-17 心臓弁の機能不全または狭窄症を治療するための医療用デバイス

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP2155115B1 (ja)
JP (1) JP5114548B2 (ja)
CN (1) CN101742975B (ja)
AU (1) AU2007351026B2 (ja)
CA (1) CA2682564C (ja)
IL (1) IL201218A (ja)
WO (1) WO2008125153A1 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013516198A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 マイクロポート・メディカル(シャンハイ)カンパニー,リミテッド 低侵襲性心臓弁
JP2014505557A (ja) * 2011-02-01 2014-03-06 セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド・ドゥーイング・ビジネス・アズ・セント・ジュード・メディカル,カーディオヴァスキュラー・ディヴィジョン 人工心臓弁の再配置及び展開
JP2015177971A (ja) * 2014-03-18 2015-10-08 エヌヴィーティー アーゲー 移植用心臓弁
JP2017508555A (ja) * 2014-03-26 2017-03-30 セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド 経カテーテル僧帽弁ステントフレーム
US9827091B2 (en) 2010-09-20 2017-11-28 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Valve leaflet attachment in collapsible prosthetic valves
US9855140B2 (en) 2014-06-10 2018-01-02 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Stent cell bridge for cuff attachment
US10512538B2 (en) 2011-02-01 2019-12-24 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Leaflet suturing to commissure points for prosthetic heart valve
JP2023033419A (ja) * 2013-02-04 2023-03-10 トゥエルヴ, インコーポレイテッド 人工心臓弁デバイスのための液圧送達システムおよび関連方法

Families Citing this family (85)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6569194B1 (en) 2000-12-28 2003-05-27 Advanced Cardiovascular Systems, Inc. Thermoelastic and superelastic Ni-Ti-W alloy
EP2491891A3 (en) 2004-10-02 2013-03-20 Endoheart AG Devices for embolic protection and mitral valve repair
DE102005003632A1 (de) 2005-01-20 2006-08-17 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Katheter für die transvaskuläre Implantation von Herzklappenprothesen
DE102005051849B4 (de) 2005-10-28 2010-01-21 JenaValve Technology Inc., Wilmington Vorrichtung zur Implantation und Befestigung von Herzklappenprothesen
EP3167847B1 (en) 2005-11-10 2020-10-14 Edwards Lifesciences CardiAQ LLC Heart valve prosthesis
US20070213813A1 (en) 2005-12-22 2007-09-13 Symetis Sa Stent-valves for valve replacement and associated methods and systems for surgery
WO2008013915A2 (en) 2006-07-28 2008-01-31 Arshad Quadri Percutaneous valve prosthesis and system and method for implanting same
US8070799B2 (en) 2006-12-19 2011-12-06 Sorin Biomedica Cardio S.R.L. Instrument and method for in situ deployment of cardiac valve prostheses
US8470024B2 (en) 2006-12-19 2013-06-25 Sorin Group Italia S.R.L. Device for in situ positioning of cardiac valve prosthesis
US9415567B2 (en) 2007-02-05 2016-08-16 Boston Scientific Scimed, Inc. Synthetic composite structures
US9138315B2 (en) 2007-04-13 2015-09-22 Jenavalve Technology Gmbh Medical device for treating a heart valve insufficiency or stenosis
WO2008138584A1 (en) 2007-05-15 2008-11-20 Jenavalve Technology Inc. Handle for manipulating a catheter tip, catheter system and medical insertion system for inserting a self-expandable heart valve stent
US7896915B2 (en) 2007-04-13 2011-03-01 Jenavalve Technology, Inc. Medical device for treating a heart valve insufficiency
US8808367B2 (en) 2007-09-07 2014-08-19 Sorin Group Italia S.R.L. Prosthetic valve delivery system including retrograde/antegrade approach
US8114154B2 (en) 2007-09-07 2012-02-14 Sorin Biomedica Cardio S.R.L. Fluid-filled delivery system for in situ deployment of cardiac valve prostheses
ES2903231T3 (es) 2008-02-26 2022-03-31 Jenavalve Tech Inc Stent para el posicionamiento y anclaje de una prótesis valvular en un sitio de implantación en el corazón de un paciente
US8398704B2 (en) 2008-02-26 2013-03-19 Jenavalve Technology, Inc. Stent for the positioning and anchoring of a valvular prosthesis in an implantation site in the heart of a patient
US9168130B2 (en) 2008-02-26 2015-10-27 Jenavalve Technology Gmbh Stent for the positioning and anchoring of a valvular prosthesis in an implantation site in the heart of a patient
US8465540B2 (en) 2008-02-26 2013-06-18 Jenavalve Technology, Inc. Stent for the positioning and anchoring of a valvular prosthesis
US8317858B2 (en) 2008-02-26 2012-11-27 Jenavalve Technology, Inc. Stent for the positioning and anchoring of a valvular prosthesis in an implantation site in the heart of a patient
US9044318B2 (en) 2008-02-26 2015-06-02 Jenavalve Technology Gmbh Stent for the positioning and anchoring of a valvular prosthesis
AU2009295960A1 (en) 2008-09-29 2010-04-01 Cardiaq Valve Technologies, Inc. Heart valve
AU2010209672A1 (en) * 2009-02-25 2011-09-01 Jenavalve Technology Inc. Stent for the positioning and anchoring of a valvular prosthesis in an implantation site in the heart of a patient
EP2810620B1 (en) 2009-04-15 2022-09-14 Edwards Lifesciences CardiAQ LLC Vascular implant and delivery system
EP2250975B1 (en) * 2009-05-13 2013-02-27 Sorin Biomedica Cardio S.r.l. Device for the in situ delivery of heart valves
US9168105B2 (en) 2009-05-13 2015-10-27 Sorin Group Italia S.R.L. Device for surgical interventions
US8353953B2 (en) 2009-05-13 2013-01-15 Sorin Biomedica Cardio, S.R.L. Device for the in situ delivery of heart valves
US20100292779A1 (en) 2009-05-15 2010-11-18 Helmut Straubinger Device for compressing a stent and a system as well as a method for loading a stent into a medical delivery system
US8652203B2 (en) 2010-09-23 2014-02-18 Cardiaq Valve Technologies, Inc. Replacement heart valves, delivery devices and methods
CA2752660A1 (en) * 2010-02-25 2010-08-05 Jenavalve Technology Inc. Stent for the positioning and anchoring of a valvular prosthesis in an implantation site in the heart of a patient
US9320597B2 (en) 2010-03-30 2016-04-26 Medtronic, Inc. Transcatheter prosthetic heart valve delivery system with recapturing feature and method
CN101961269B (zh) * 2010-04-19 2012-09-05 杭州启明医疗器械有限公司 用于输送人造瓣膜置换装置的输送装置
US8579964B2 (en) 2010-05-05 2013-11-12 Neovasc Inc. Transcatheter mitral valve prosthesis
US11278406B2 (en) * 2010-05-20 2022-03-22 Jenavalve Technology, Inc. Catheter system for introducing an expandable heart valve stent into the body of a patient, insertion system with a catheter system and medical device for treatment of a heart valve defect
US10856978B2 (en) 2010-05-20 2020-12-08 Jenavalve Technology, Inc. Catheter system
BR112012029896A2 (pt) 2010-05-25 2017-06-20 Jenavalve Tech Inc válcula cardíaca protética para endoprótese e endoprótese
EP4018966A1 (en) 2010-06-21 2022-06-29 Edwards Lifesciences CardiAQ LLC Replacement heart valve
EP2962664B1 (en) 2010-07-09 2022-05-11 Highlife SAS Transcatheter atrio-ventricular valve prosthesis
BR112013004962A2 (pt) * 2010-09-01 2016-08-16 Medtronic Vascular Galway Ltd prótese, estrutura de suporte da válvula protética, e, método de colocação de uma prótese a um local desejado no corpo
CN103153232B (zh) * 2010-10-21 2016-09-21 美敦力公司 具有低心室型面的二尖瓣假体
US9554897B2 (en) 2011-04-28 2017-01-31 Neovasc Tiara Inc. Methods and apparatus for engaging a valve prosthesis with tissue
US9308087B2 (en) 2011-04-28 2016-04-12 Neovasc Tiara Inc. Sequentially deployed transcatheter mitral valve prosthesis
US20120303048A1 (en) 2011-05-24 2012-11-29 Sorin Biomedica Cardio S.R.I. Transapical valve replacement
WO2012177942A2 (en) * 2011-06-21 2012-12-27 Hanson Gifford, Iii Prosthetic heart valve devices and associated systems and methods
CN107028685B (zh) * 2011-10-19 2019-11-15 托尔福公司 人工心脏瓣膜装置、人工二尖瓣和相关系统及方法
AU2012325809B2 (en) 2011-10-19 2016-01-21 Twelve, Inc. Devices, systems and methods for heart valve replacement
US9039757B2 (en) 2011-10-19 2015-05-26 Twelve, Inc. Prosthetic heart valve devices, prosthetic mitral valves and associated systems and methods
US11202704B2 (en) 2011-10-19 2021-12-21 Twelve, Inc. Prosthetic heart valve devices, prosthetic mitral valves and associated systems and methods
JP6005168B2 (ja) 2011-10-21 2016-10-12 イエナバルブ テクノロジー インク 患者の身体への拡張型心臓弁ステント導入用カテーテルシステム、カテーテルシステムを備えた挿入システムおよび心臓弁欠陥治療用医療機器
WO2013171007A1 (en) 2012-05-16 2013-11-21 Jenavalve Technology Gmbh Catheter delivery system for introducing an expandable heart valve prosthesis and medical device for the treatment of a heart valve defect
US9345573B2 (en) 2012-05-30 2016-05-24 Neovasc Tiara Inc. Methods and apparatus for loading a prosthesis onto a delivery system
US20140277427A1 (en) 2013-03-14 2014-09-18 Cardiaq Valve Technologies, Inc. Prosthesis for atraumatically grasping intralumenal tissue and methods of delivery
US9730791B2 (en) 2013-03-14 2017-08-15 Edwards Lifesciences Cardiaq Llc Prosthesis for atraumatically grasping intralumenal tissue and methods of delivery
US9572665B2 (en) 2013-04-04 2017-02-21 Neovasc Tiara Inc. Methods and apparatus for delivering a prosthetic valve to a beating heart
ES2699785T3 (es) 2013-05-20 2019-02-12 Edwards Lifesciences Corp Dispositivo para la administración de válvula protésica cardiaca
CN105491978A (zh) 2013-08-30 2016-04-13 耶拿阀门科技股份有限公司 用于假体瓣膜的径向可折叠框架及其制造方法
US10531953B2 (en) 2013-10-28 2020-01-14 Symetis Sa Stent-valve, delivery apparatus and method of use
US10792490B2 (en) * 2013-11-12 2020-10-06 Medtronic, Inc. Open channel implant tools and implant techniques utilizing such tools
WO2015127283A1 (en) 2014-02-21 2015-08-27 Cardiaq Valve Technologies, Inc. Delivery device for controlled deployement of a replacement valve
EP3128952A1 (en) 2014-05-19 2017-02-15 Edwards Lifesciences CardiAQ LLC Replacement mitral valve with annular flap
US9180005B1 (en) * 2014-07-17 2015-11-10 Millipede, Inc. Adjustable endolumenal mitral valve ring
CN104758090B (zh) * 2015-04-20 2018-09-21 上海纽脉医疗科技有限公司 一种便于准确定位的介入式人工心脏瓣膜的支架及其制备方法
US10376363B2 (en) 2015-04-30 2019-08-13 Edwards Lifesciences Cardiaq Llc Replacement mitral valve, delivery system for replacement mitral valve and methods of use
EP3288495B1 (en) 2015-05-01 2019-09-25 JenaValve Technology, Inc. Device with reduced pacemaker rate in heart valve replacement
CA2990872C (en) 2015-06-22 2022-03-22 Edwards Lifescience Cardiaq Llc Actively controllable heart valve implant and methods of controlling same
US10092400B2 (en) 2015-06-23 2018-10-09 Edwards Lifesciences Cardiaq Llc Systems and methods for anchoring and sealing a prosthetic heart valve
US10117744B2 (en) 2015-08-26 2018-11-06 Edwards Lifesciences Cardiaq Llc Replacement heart valves and methods of delivery
US10575951B2 (en) 2015-08-26 2020-03-03 Edwards Lifesciences Cardiaq Llc Delivery device and methods of use for transapical delivery of replacement mitral valve
US10350066B2 (en) 2015-08-28 2019-07-16 Edwards Lifesciences Cardiaq Llc Steerable delivery system for replacement mitral valve and methods of use
JP7006940B2 (ja) 2016-01-29 2022-01-24 ニオバスク ティアラ インコーポレイテッド 流出の閉塞を回避するための人工弁
US11065138B2 (en) 2016-05-13 2021-07-20 Jenavalve Technology, Inc. Heart valve prosthesis delivery system and method for delivery of heart valve prosthesis with introducer sheath and loading system
CN113893064A (zh) 2016-11-21 2022-01-07 内奥瓦斯克迪亚拉公司 用于快速收回经导管心脏瓣膜递送系统的方法和系统
WO2018138658A1 (en) 2017-01-27 2018-08-02 Jenavalve Technology, Inc. Heart valve mimicry
WO2018184225A1 (zh) * 2017-04-07 2018-10-11 上海甲悦医疗器械有限公司 一种人工瓣膜
EP4112009A1 (en) 2017-07-06 2023-01-04 Edwards Lifesciences Corporation Steerable rail delivery system
WO2019036810A1 (en) 2017-08-25 2019-02-28 Neovasc Tiara Inc. TRANSCATHETER MITRAL VALVULE PROSTHESIS WITH SEQUENTIAL DEPLOYMENT
US11051934B2 (en) 2018-02-28 2021-07-06 Edwards Lifesciences Corporation Prosthetic mitral valve with improved anchors and seal
CA3101165A1 (en) 2018-05-23 2019-11-28 Sorin Group Italia S.R.L. A cardiac valve prosthesis
WO2020051591A1 (en) * 2018-09-07 2020-03-12 Icahn School Of Medicine At Mount Sinai Heart valve delivery system and method with rotational alignment
JP7260930B2 (ja) 2018-11-08 2023-04-19 ニオバスク ティアラ インコーポレイテッド 経カテーテル僧帽弁人工補綴物の心室展開
US11998447B2 (en) 2019-03-08 2024-06-04 Neovasc Tiara Inc. Retrievable prosthesis delivery system
CN113811265A (zh) 2019-04-01 2021-12-17 内奥瓦斯克迪亚拉公司 能够以可控的方式部署的假体瓣膜
US11491006B2 (en) 2019-04-10 2022-11-08 Neovasc Tiara Inc. Prosthetic valve with natural blood flow
CN114025813B (zh) 2019-05-20 2024-05-14 内奥瓦斯克迪亚拉公司 具有止血机构的引入器
JP2022537559A (ja) 2019-06-20 2022-08-26 ニオバスク ティアラ インコーポレイテッド 薄型人工補綴僧帽弁

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002536115A (ja) * 1999-02-10 2002-10-29 ハートポート インコーポレイテッド 心臓弁を移植するための方法および装置
JP2003518984A (ja) * 1999-12-31 2003-06-17 アドバンスト・バイオ・プロスゼティック・サーフィスズ・リミテッド 管腔を介する人工弁及び静脈人工弁の製造方法及び給送方法
WO2004062980A1 (de) * 2003-01-08 2004-07-29 Fahrsport Lessing Gmbh Kutsche
WO2005102015A2 (en) * 2004-04-23 2005-11-03 3F Therapeutics, Inc. Implantable prosthetic valve
WO2006070372A2 (en) * 2004-12-30 2006-07-06 Ventor Technologies, Ltd. Fluid flow prosthetic device
WO2006127765A1 (en) * 2005-05-24 2006-11-30 Corevalve, Inc. A non-cylindrical prosthetic valve system for transluminal delivery
JP2007536003A (ja) * 2004-05-05 2007-12-13 ダイレクト フロウ メディカル、 インク. 現場形成支持構造を備えたステントレス心臓弁
JP2008514345A (ja) * 2004-10-02 2008-05-08 クリストフ・ハンス・フーバー 心肺の全面的な支援を必要とすることなく心臓弁又は周辺組織を治療又は交換するための装置
JP4636794B2 (ja) * 2001-07-03 2011-02-23 アドヴァンスド バイオ プロスセティック サーフェシーズ リミテッド 金属または擬似金属構造を有する弁状人工器官および製造方法
JP4912395B2 (ja) * 2005-05-24 2012-04-11 エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション 迅速配置式補綴用心臓弁

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7524332B2 (en) * 2003-03-17 2009-04-28 Cook Incorporated Vascular valve with removable support component
ATE446061T1 (de) * 2003-04-24 2009-11-15 Cook Inc Künstliche klappe für blutgefäss mit verbessertem fliessverhalten
EP2529699B1 (en) * 2003-12-23 2014-01-29 Sadra Medical, Inc. Repositionable heart valve

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002536115A (ja) * 1999-02-10 2002-10-29 ハートポート インコーポレイテッド 心臓弁を移植するための方法および装置
JP2003518984A (ja) * 1999-12-31 2003-06-17 アドバンスト・バイオ・プロスゼティック・サーフィスズ・リミテッド 管腔を介する人工弁及び静脈人工弁の製造方法及び給送方法
JP4636794B2 (ja) * 2001-07-03 2011-02-23 アドヴァンスド バイオ プロスセティック サーフェシーズ リミテッド 金属または擬似金属構造を有する弁状人工器官および製造方法
WO2004062980A1 (de) * 2003-01-08 2004-07-29 Fahrsport Lessing Gmbh Kutsche
WO2005102015A2 (en) * 2004-04-23 2005-11-03 3F Therapeutics, Inc. Implantable prosthetic valve
JP2007534381A (ja) * 2004-04-23 2007-11-29 スリーエフ・セラピューティクス・インコーポレイテッド 移植可能な補綴具弁
JP2007536003A (ja) * 2004-05-05 2007-12-13 ダイレクト フロウ メディカル、 インク. 現場形成支持構造を備えたステントレス心臓弁
JP2008514345A (ja) * 2004-10-02 2008-05-08 クリストフ・ハンス・フーバー 心肺の全面的な支援を必要とすることなく心臓弁又は周辺組織を治療又は交換するための装置
WO2006070372A2 (en) * 2004-12-30 2006-07-06 Ventor Technologies, Ltd. Fluid flow prosthetic device
WO2006127765A1 (en) * 2005-05-24 2006-11-30 Corevalve, Inc. A non-cylindrical prosthetic valve system for transluminal delivery
JP2008541865A (ja) * 2005-05-24 2008-11-27 コアヴァルヴ,インコーポレイテッド 経腔的送達用の非円筒形人工弁システム
JP4912395B2 (ja) * 2005-05-24 2012-04-11 エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション 迅速配置式補綴用心臓弁

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013516198A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 マイクロポート・メディカル(シャンハイ)カンパニー,リミテッド 低侵襲性心臓弁
US9827091B2 (en) 2010-09-20 2017-11-28 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Valve leaflet attachment in collapsible prosthetic valves
US10751171B2 (en) 2010-09-20 2020-08-25 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Valve leaflet attachment in collapsible prosthetic valves
US11833036B2 (en) 2010-09-20 2023-12-05 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Valve leaflet attachment in collapsible prosthetic valves
US11452596B2 (en) 2010-09-20 2022-09-27 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Valve leaflet attachment in collapsible prosthetic valves
US9545309B2 (en) 2011-02-01 2017-01-17 St. Jude Medical, Cardiology Divisions, Inc. Repositioning of prosthetic heart valve and deployment
US9775707B2 (en) 2011-02-01 2017-10-03 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Repositioning of prosthetic heart valve and deployment
US11833039B2 (en) 2011-02-01 2023-12-05 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Leaflet suturing to commissure points for prosthetic heart valve
US10512538B2 (en) 2011-02-01 2019-12-24 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Leaflet suturing to commissure points for prosthetic heart valve
JP2014505557A (ja) * 2011-02-01 2014-03-06 セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド・ドゥーイング・ビジネス・アズ・セント・ジュード・メディカル,カーディオヴァスキュラー・ディヴィジョン 人工心臓弁の再配置及び展開
US11278401B2 (en) 2011-02-01 2022-03-22 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Leaflet suturing to commissure points for prosthetic heart valve
JP2023033419A (ja) * 2013-02-04 2023-03-10 トゥエルヴ, インコーポレイテッド 人工心臓弁デバイスのための液圧送達システムおよび関連方法
JP2015177971A (ja) * 2014-03-18 2015-10-08 エヌヴィーティー アーゲー 移植用心臓弁
JP2017508555A (ja) * 2014-03-26 2017-03-30 セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド 経カテーテル僧帽弁ステントフレーム
US11246706B2 (en) 2014-03-26 2022-02-15 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Transcatheter mitral valve stent frames
US10433957B2 (en) 2014-06-10 2019-10-08 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Stent cell bridge for cuff attachment
US9855140B2 (en) 2014-06-10 2018-01-02 St. Jude Medical, Cardiology Division, Inc. Stent cell bridge for cuff attachment

Also Published As

Publication number Publication date
AU2007351026A1 (en) 2008-10-23
CN101742975A (zh) 2010-06-16
JP5114548B2 (ja) 2013-01-09
CA2682564C (en) 2013-10-08
AU2007351026B2 (en) 2012-04-05
EP2155115B1 (en) 2018-09-05
CN101742975B (zh) 2013-03-06
CA2682564A1 (en) 2008-10-23
IL201218A (en) 2012-08-30
EP2155115A1 (en) 2010-02-24
IL201218A0 (en) 2010-05-31
WO2008125153A1 (en) 2008-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5114548B2 (ja) 心臓弁の機能不全または狭窄症を治療するための医療用デバイス
US11357624B2 (en) Medical device for treating a heart valve insufficiency
US11564794B2 (en) Stent for the positioning and anchoring of a valvular prosthesis in an implantation site in the heart of a patient
US9445896B2 (en) Methods for treating a heart valve insufficiency or stenosis
EP1980220A1 (en) Medical device for treating a heart valve insufficiency or stenosis
JP4904361B2 (ja) 人工心臓弁の植え込み及び固定のための装置
CA2778944C (en) Aortic bioprosthesis and systems for delivery thereof
JP4904362B2 (ja) 患者の心臓の欠陥を治療するための自己拡張可能な医療器具
US20100179648A1 (en) System and method for placing a percutaneous valve device
CA2822636A1 (en) Medical device for treating a heart valve insufficiency or stenosis
JP2022502146A (ja) 経カテーテル送達可能な人工心臓弁及び送達方法
AU2012203901B2 (en) Medical device for treating a heart valve insufficiency or stenosis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121015

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5114548

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250