JP6005168B2 - 患者の身体への拡張型心臓弁ステント導入用カテーテルシステム、カテーテルシステムを備えた挿入システムおよび心臓弁欠陥治療用医療機器 - Google Patents

患者の身体への拡張型心臓弁ステント導入用カテーテルシステム、カテーテルシステムを備えた挿入システムおよび心臓弁欠陥治療用医療機器 Download PDF

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Description

本開示は、患者の身体への拡張型心臓弁ステント導入用カテーテルシステムに関する。本開示はさらに、カテーテルシステムと患者の身体への拡張型心臓弁ステント挿入用ハンドルとを含む挿入システムと、心臓弁の欠陥、特に、患者の心臓弁不全症と心臓弁狭窄症治療用の医療機器であって、挿入システムと、該挿入システムのカテーテル先端に収容される拡張型心臓弁ステントと、を有する医療機器に関する。
医療技術においては、カテーテルによる経動脈的な介入接近によって、従って技術的に手術を用いずに、非外科的に大動脈弁閉鎖不全症や大動脈弁狭窄症などの心臓弁欠陥を塞ぐ試みが永年行われてきた。異なるメリットとデメリットを有する種々の挿入システムとステントシステムが提案されてきており、それらはカテーテル挿入システムによって経動脈的に患者の身体にある程度は導入できるが、しかしながら、現在に至るまで、特定のシステムは普及していない。
本明細書での「心臓弁狭窄症およびまたは心臓弁閉鎖不全症」は、1つあるいはいくつかの心臓弁の先天的または後天的な機能障害として一般に理解されているものとする。この種の弁欠陥は、4つの心臓弁各々に影響を及ぼし得るが、中でも左心室の弁(大動脈弁と僧帽弁)は、右心室の弁(肺動脈弁と三尖弁)よりもより頻繁に影響を受けることは確実である。この機能障害によって、狭窄、閉鎖不全あるはこれら2つの組み合わせ(複合心臓欠陥)がもたらされ得る。
心臓代用弁埋め込み用として既知のすべての介入システムにおいて、拡張型ステントシステムが機能の不十分な心臓弁まで経動脈的に移動される。この種のステントシステムは、例えば、自己拡張型あるいはバルーン拡張型アンカーサポート(以下、「心臓弁ステント」または「ステント」とも呼ぶ)で構成されており、好適にはその遠位保持領域で実際の心臓代用弁が締結される。
しかし、最新技術において既に知られている医療機器においては、心臓代用弁が取り付けられるステントシステムの埋め込み手順は比較的複雑であり、困難であり、費用も高いことが明らかとなっている。機能が不十分な生来の心臓弁を置換するための心臓代用弁の複雑な埋め込みは別として、現在まで使用されている医療機器を用いて、ステントまたは心臓代用弁を間違った位置に配置してしまうことの根本的な危険性があり、これは、より大がかりな手術による介入をしなければ修正できない。
本開示が取り組む問題は、特に、心臓代用弁が取り付けられた自己拡張型あるいはバルーン拡張型心臓弁ステントの経動脈的または経大腿的埋め込み用の挿入システムであって、一方では予測可能な方法での心臓代用弁の最小限の侵襲埋め込みを可能とし、他方では麻酔患者の手術中に人工心肺装置の使用を必要としない挿入システムは、現在の医療技術からは全く得られないという事実である。従って、手術的介入は、特に費用効率を高くし、特に、患者の肉体的・精神的ストレスを和らげるように設計できる。特に、年齢のために、人工心肺装置の支援なしには手術ができない患者にも使用できる心臓代用弁埋め込み用の医療機器が不足している。
治療が必要な患者数が増加しているために、心臓弁狭窄症およびまたは心臓弁閉鎖不全症の治療を行う患者に対して、正確に予測可能な方法で最小限の侵襲介入が可能な挿入システムに対する必要性も益々増大しており、特にこうした挿入システムによって、手術の成功はもはや、治療を行う心臓外科医や放射線科医の技能や経験にはそれほど依存しなくなる。
この状況は、いわゆるバルーンカテーテルシステムを用いて、ステントシステムを有する心臓代用弁を埋め込む手術にも当てはまる。
また、最小限の侵襲しか伴わずに心臓代用弁を患者の身体に埋め込みできる、最新の技術において既知のシステムを使用する場合、心臓代用弁または付随する心臓弁ステントの不正確な位置決めは、心臓外科医または放射線科医が特に熟練である場合にのみ回避できることが多いことも問題であると考えられる。例えば、心臓代用弁が取り付けられた心臓弁ステントを、大動脈を経由して心臓まで、患者の身体に挿入することが実際に知られており、そこでは、心臓弁ステントが埋め込み位置に到達すると、心臓弁ステントの自己拡張あるいはバルーン拡張が外部操作によって開始され、それによって、心臓代用弁は確実に固定され正確に位置決めされることになる。しかしながら、こうした心臓弁ステントは、通常は容易には取り外しできず、また、ステントがいったん拡張すると、心臓弁ステントの位置は通常修正できない。
従って、既知のシステムでは、例えば、治療を行っている医師が心臓弁ステントをずらしたり、ステントの短縮化などの他の技術的事態のために、心臓代用弁が取り付けられた心臓弁ステントの自己拡張またはバルーン拡張が最適でない位置で始まった場合、この位置は、特に、心臓を切開してよく行われる、大きな手術的介入によってしか適切に修正できないという根本的な危険性がある。
心臓代用弁用の心臓弁ステントは、例えば、国際特許出願(WO)第2004/019825A1号に記載されている。この心臓弁ステントでは、遠位端支持アーチすなわち支持フープおよび位置決めアーチすなわち位置決めフープが設けられるが、これらが患者の生来の心臓弁のポケットに挿入されて、心臓弁ステントが支持フープによって位置決めされ得る。補足的な所謂交連フープも既知の心臓弁ステント上に形成することができ、この交連フープは支持アーチとともに、ステントが広がった古い心臓弁の一部を固定して、ステントを位置決めし固定できる。
アンカーステント上に設けられた支持アーチによって、埋め込まれる心臓代用弁の位置決めは改善されるが、それでも依然として、不正確に埋め込まれる危険性、および心臓代用弁が正しく機能できなかったり不十分にしか機能できない危険性がある。例えば、介入中に、心臓代用弁または心臓弁ステントの大きさがその患者に最適でないことが判明することもあり得る。こうした場合には、ステントの遠位支持アーチあるいは位置決めアーチそれぞれだけが拡張状態であっても、心臓代用弁を有する心臓弁ステントの取り外し(外植)や再配置はもはや不可能であり、特別の患者が死亡してしまう危険性が増大する。
こうした介入では、人体の大動脈弓はさらに問題である。なぜなら、大動脈を通す挿入の間、そこに接近しなければならないからである。大動脈弓を通る場合、カテーテル先端およびカテーテルはそれぞれ、比較的小さな半径、通常約50mmの間で、血管壁に損傷やダメージを与えることなく約180°方向転換しなければならない。
本開示の目的は、患者の身体への拡張型心臓弁ステント導入用およびこのステントの所望の埋め込み場所での位置決め用カテーテルシステムであって、介入前に画定された一連の事象において、心臓弁ステントに取り付けられた心臓代用弁の最適な埋め込み位置での埋め込みを可能とするように設計されるカテーテルシステムを提案することである。
本発明の次の目的は、カテーテルシステムと、挿入システムのカテーテル先端に搭載され、心臓代用弁埋め込み時の患者に対する危険性を低減するように設計された拡張型心臓弁ステントと、を備える心臓弁狭窄症およびまたは心臓弁閉鎖不全症治療用の医療機器を提案することである。
本開示の好適な実施形態では、患者の身体への拡張型心臓弁ステント導入用のカテーテルシステムであって、カテーテル先端とカテーテルシャフトとを備えたシステムが提供される。該カテーテルシステムのカテーテル先端は、つぶれた状態で患者の身体に導入されるステントを収容するシート部を有する。該カテーテルシステムはさらに、ステントをカテーテル先端に解放可能に固定するステントホルダーを有する。カテーテル先端のシート部は、第1のスリーブ状要素と第2のスリーブ状要素とで構成され、これらのスリーブ状要素は互いに対して可動であり、また、カテーテル先端のステントホルダーに対しても可動である。該カテーテルシャフトは、第1の力伝達手段と、第2の力伝達手段と、ガイド手段と、を備える。第1の力伝達手段の遠位端部は、カテーテル先端の第1のスリーブ状要素に連結され、また、第1の力伝達手段の近位端部は、ハンドルの第1の作動手段に連結可能である。第2の力伝達手段の遠位端部は、カテーテル先端の第2のスリーブ状要素に連結され、また、第2の力伝達手段の近位端部は、ハンドルの第2の作動手段に連結可能である。
カテーテル先端の第2のスリーブ状要素の横断面は、カテーテル先端の第1のスリーブ状要素の横断面以下であることが好ましい。カテーテル先端の第2のスリーブ状要素の横断面が第1のスリーブ状要素の横断面より小さい場合、第2のスリーブ要素は、第1のスリーブ状要素内に、少なくとも部分的にまた伸縮自在に収容可能である。これによって、カテーテル先端の横断面は最小化される。同時に、拡張型心臓弁ステントは、カテーテルシステムのカテーテル先端から段階的に解放され得る。カテーテル先端の第2のスリーブ状要素の横断面が第1のスリーブ状要素の横断面より小さい場合、第2のスリーブ状要素と第1のスリーブ状要素は一旦まとめられると、例えば円筒状の挿入物などの内部支持構造物上に存在でき、段差とギャップのない遷移が得られる。
本開示の1態様では、カテーテルシステムは、その間に延在する経路を備えたガイドチューブを有するガイド手段を備える。該ガイド手段は、カテーテルシャフトを誘導する機能を有し、遠位端と、近位端と、その間に延在する経路と、を有する。第1および第2の力伝達手段は、ガイド手段に対して可動であるように、経路内に少なくとも部分的に受け入れられる。ガイド手段のガイドチューブの長さは、その遠位端がカテーテルシステムのカテーテル先端に対する近位で終了する長さである。さらに、ガイドチューブの横断面は、カテーテル先端の横断面より小さい。
本開示の別の態様では、前記カテーテルシステムは、カテーテルシステムのカテーテル先端を埋め込み場所へ誘導するのに好適なガイドワイヤーをさらに備える。該ガイドワイヤーは、カテーテルシステムとは独立に、特に、カテーテルシステムのカテーテル先端とは独立に、患者の血管系内に進められるように設計されている。別の好適な実施形態では、拡張型心臓弁ステント挿入用の挿入システムが開示される。ここで、「血管」とは、患者の身体の静脈と動脈の両方を含む血管を指す。
好適な実施形態では、挿入システムは、大動脈を用いた経動脈的デリバリ用のものであるが、しかしながら、他の実施形態では、静脈経由の経静脈的デリバリとしての使用も考えられる。
特に、該血管挿入システムは、カテーテル先端とカテーテルシャフトとハンドルとを有するカテーテルシステムを備える。カテーテル先端は、つぶれた状態で挿入されるステントを収容するためのシート部と、ステントを解放可能に固定するステントホルダーと、を有する。カテーテルシステムの近位端はハンドルに取り付けられており、遠位端はカテーテル先端に取り付けられている。カテーテルシステムは、カテーテル先端を挿入システムのハンドルに連結するカテーテルシャフトを備えており、このカテーテルシャフトの遠位端部は十分な柔軟性を有するため、患者の大動脈を通る挿入の間、カテーテル先端とカテーテルシャフトの遠位端部は組織を経由して、特に大動脈を経由して容易にナビゲートされ得る。
前記ハンドルは、少なくとも1つの第1の作動手段と少なくとも1つの第2の作動手段とを有しており、これによって、挿入システムのカテーテル先端は適切に操作されて、該先端に収容されている拡張型ステントが、段階的に所定の一連の事象で、カテーテル先端から解放され得る。
カテーテルシステムのカテーテル先端とカテーテルシャフトの少なくとも遠位部は、典型的には大腿動脈に挿入されて、カテーテル先端が上行大動脈に位置決めされるまで、下行胸部大動脈内を上方に移動される。カテーテルシャフトの近位端は、該シャフトに取り付けられたハンドルと共に患者の体外に残る。
好適な実施形態では、カテーテル先端は、以下「スリーブ状要素」と呼ばれ、ハンドルで操作され得る第1および第2の収容部を有する。これらのスリーブ状要素は、ステントの特定の部分を収容するものである。第1のスリーブ状要素は、ステントの第1の機能部品、例えばステントの保持フープ(あるいはステントの位置決めフープ)を収容し、第2のスリーブ状要素は、ステントの第2の機能部品、例えばステントの位置決めフープ(あるいはステントの保持フープ)を収容する。
挿入システム用に設けられたハンドルに関して、一方では、第1の作動手段がカテーテル先端の第1のスリーブ状要素と連携し、第1の作動手段の作動時に、カテーテルシャフトのステントホルダーとガイドチューブに対する第1のスリーブ状要素の所定の長手方向変位をもたらし得るように規定されていることが好ましい。他方では、第2の作動手段はカテーテル先端の第2のスリーブ状要素と連携し、カテーテルシャフトのステントホルダーとガイドチューブに対する第2のスリーブ状要素の所定の長手方向変異をもたらし得る。
第2のスリーブ状要素の横断面は第1のスリーブ状要素のそれと同じであり、これらのスリーブ状要素は、それらの間のギャップなしに、カテーテル先端に収容されたステントを完全に包囲できるため、非外傷性の形状を有するカテーテル先端が得られる。また、第1および第2のスリーブ状要素は、互いに対しておよびステントホルダーに対して可動である。
この目的のために、遠位端部が第1のスリーブ状要素に連結され、近位端部がハンドルの第1の作動手段に連結された第1の力伝達手段が設けられる。また、遠位端部が第2のスリーブ状要素に連結され、近位端部がハンドルの第2の作動手段に連結された第2の力伝達手段が設けられ。ハンドルの第1およびまたは第2の作動手段を操作すると、第1およびまたは第2のスリーブ状要素は、互いに対しておよびステントホルダーに対して移動され得る。
好適な実施形態では、第1の力伝達手段は、第1の管腔を画定する第1のカテーテルチューブで構成され、第2の力伝達手段は、第2の管腔を画定する第2のカテーテルチューブで構成される。第2のカテーテルチューブの横断面は、第1のカテーテルチューブの横断面より小さい。第1のカテーテルチューブは、第2のカテーテルチューブと同心状および同軸状に配置され、第2のカテーテルチューブは、第1のカテーテルチューブによって画定された第1の管腔内に受け入れられる。
しかしながら、カテーテル先端の第1および第2のスリーブ状要素に反して、カテーテル先端のステントホルダーは、挿入システムのハンドルに対して可動ではない。そうではなく、ステントホルダーは、遠位端がステントホルダーに連結され近位端がハンドルの本体に連結されたステントホルダーチューブを用いてハンドルに連結される。ステントホルダーチューブの横断面は、第1のカテーテルチューブの横断面より小さい。特に、第1のカテーテルチューブは、一方で第2のカテーテルチューブと、他方でステントホルダーチューブと同心状および同軸状に配置される。好適には、ステントホルダーチューブの横断面は、第1のカテーテルチューブの横断面より小さく、第2のカテーテルチューブの横断面より大きいため、ステントホルダーチューブは、第1のカテーテルチューブで画定された第1の管腔内に受け入れられ、第2のカテーテルチューブは、ステントホルダーチューブで画定された経路内に受け入れられる。ステントホルダーチューブで画定された経路の直径は第2のカテーテルチューブの収容に十分なものであるため、第2のカテーテルチューブは、ステントホルダーチューブに対して可動となる。
第2のカテーテルチューブで画定された第2の管腔の直径は、ガイドワイヤーの収容に十分なものである。第2のカテーテルチューブは、例えば、ニチノール、ステンレス鋼あるいは剛塑性材料などの剛性材料から成る。第2のカテーテルチューブの遠位端部の材料は、近位端部の材料に比べて柔軟性が高くてもよく、それによって、カテーテルシャフトの遠位端部は、カテーテル先端の挿入の間、大動脈弓を通過できる。
第2のカテーテルチューブの遠位端部は、非外傷性の形状を有する柔軟なカテーテル端先端で終了する。柔軟なカテーテル端先端は、第2のカテーテルチューブで画定された第2の管腔と一直線になったチャネルを備えており、第2のカテーテルチューブの第2の管腔内に収容されたガイドワイヤーは、該柔軟なカテーテル端先端のチャネルを通過し得る。カテーテル先端の第2のスリーブ状要素は、該柔軟なカテーテル端先端に連結されて、第2のスリーブ状要素の開口端は、柔軟なカテーテル端先端の方向と対向する近位方向において、第2のカテーテルチューブに面する。
ステントホルダーチューブは、例えば、剛塑性材料、ステンレス鋼またはニチノールなどの剛性材料から成る。ステントホルダーチューブの遠位端は、同様に、例えば剛塑性材料またはステンレス鋼などの剛性材料から成るステントホルダーで終了する。ステントホルダーチューブで画定された経路は、ステントホルダーを通過するチャネルと一直線になっている。このように、第2のカテーテルチューブは、ステントホルダーチューブとステントホルダーに対して可動であるように、ステントホルダーチューブの経路内とステントホルダーのチャネル内に収容される。ステントホルダーチューブは、ステントホルダーをハンドルに連結するために設けられている。この目的のために、ステントホルダーチューブは、ステントホルダーに連結された遠位端と、ハンドルの本体に連結された近位端と、を有する。
第1のカテーテルチューブは、屈曲性だが非弾性の材料から成る。例えば、第1のカテーテルチューブは、少なくとも部分的には、網組カテーテルチューブまたは非網組カテーテルチューブから成っていてもよい。従って、第1のカテーテルチューブの本体は、米国特許第4,665,604号(参照により本明細書に援用される)に記載されているカテーテル本体と同様に、固い網組で強化されている。
第1のカテーテルチューブは、その全体長を過度に変化させずに、ハンドルの第1の作動手段からカテーテル先端の第1のスリーブ状要素に、圧縮力と引張力を伝達するように適合しているものとする。第1のカテーテルチューブの遠位端は、カテーテル先端の第1のスリーブ状要素を画定する部分への遷移としての張出部で終了する。張出部と第1のスリーブ状要素は一体で形成されて、第1のカテーテルチューブの遠位端部に連結されてもよい。あるいは、第1のスリーブ状要素と第1のカテーテルチューブの張出部をすべて同じ材料とし、同じ未加工チューブを起源として拡張処理をして、これら2つの部分を同じ要素としてもよい。
好適な実施形態による挿入システムは、横断面が第1のカテーテルチューブの横断面より大きいガイドチューブをさらに備える。該ガイドチューブは経路を画定し、第1のカテーテルチューブ、ステントホルダーチューブおよび第2のカテーテルチューブと同心状および同軸状に配置され、ステントホルダーチューブと第2のカテーテルチューブとがその中に収容された第1のカテーテルチューブは、ガイドチューブにより画定された経路内に少なくとも部分的に収容されて、ガイドチューブに対して可動となる。特に、ガイドチューブは、カテーテル先端に対する近位で終了するが、ガイドチューブの近位端部の横断面は、第1のカテーテルチューブの近位端に設けられた張出部の横断面と実質的に同じかそれより小さいものとする。ガイドチューブの近位端部はハンドルに対する遠位で終了する。ガイドチューブの近位端部はハンドルから分離/分断されてもよく、それによって、ハンドル、第1および第2のカテーテルチューブ、ステントホルダーチューブおよびカテーテル先端は、ガイドチューブに対して移動され得る。
ガイドチューブの遠位端は、第1のカテーテルチューブの遠位端部に設けられた張出部が、急激な遷移なしにその遠位端上に接し得るように形成される。ガイドチューブは、圧縮力と引張力の伝達時にその長さが変化できるようにするために、薄い材料から成っていてもよい。しかしながら、カテーテル先端の挿入の間、カテーテルシャフトの遠位部の柔軟部のねじれを機械的に回避するために、ガイドチューブ材料は、十分な剛性を有するものとする。
ガイドチューブの近位端は、ハンドルの本体に解放可能に連結され得る。このように、ガイドチューブは二重機能を有する。
ガイドチューブの近位端がハンドルに連結される場合、ガイドチューブは、カテーテル先端の第1および第2のスリーブ状要素の操作のために、第1および第2の作動手段が可動となるハンドルの本体の遠位拡張の機能を果たす。従って、患者の生来の心臓弁に対するステントホルダーの位置は、ハンドルに連結されたガイドチューブを移動させることで変更され得る。
ガイドチューブの近位端がハンドルの本体に連結されない場合、ガイドチューブは、カテーテルシステムのカテーテルシャフトを、カテーテル先端の近位から患者の身体に通すポータルとしての機能を果たす。
いずれにしても、ガイドチューブは長さを有しており、第1のカテーテルチューブと第2のカテーテルチューブが、ガイドチューブのいかなる動きや活性化からも独立して、互いに対してまたステントホルダーに対して可動であるように適合している。特に、スリーブ状要素の動きは、ガイドチューブの有無から独立している。ガイドチューブの長さは、スリーブ状の要素、従って、第1および第2のカテーテルチューブが、ガイドチューブの遠位端に干渉することなく、互いに対してまたステントホルダーに対して可動となるものである。
流体をガイドチューブに注入するための注入口をガイドチューブの近位端部に設けてもよい。さらに、ガイドチューブからの流体の漏出を防ぐために、逆止弁をガイドチューブの近位端部に設けてもよい。
ガイドチューブの長さは、カテーテル先端が通過する血管の内壁を十分に保護するものであってもよい。また、別個の導入システム(該カテーテルシステムに属さない)を設けてもよい。該導入システムは、その後、カテーテル先端からカテーテルシャフトまでの完全なカテーテルシステムを、患者の身体内を心臓まで通過させるポータルとして機能し得る。
また、ガイドチューブは、ガイドチューブを通して挿入される第1のカテーテルチューブに働く圧縮力を低減する。これによって、第1のカテーテルチューブがカテーテル先端の第1のスリーブ状要素を操作する力伝達手段として機能する手順全体における第1のカテーテルチューブの操作性が向上する。その結果、第1のカテーテルチューブに働く摩擦力は、ガイドチューブを備えていないカテーテル設計と比較して低減される。さらに、患者の血管系を通って前進後のカテーテル先端の動きが大きく改善され、同時に、患者の損傷の危険性も低下する。
好適な実施形態では、ガイドチューブの横断面は、カテーテル先端の横断面以下である。この関連で、ガイドチューブの長さは、その遠位端がカテーテル先端に対する近位で終了するように、第1および第2のカテーテルチューブより短いであろう。第1および第2のカテーテルチューブの近位端部がハンドルのそれぞれの作動手段に連結されている場合は、ガイドチューブは、カテーテルシステムから取り外され得ないことは理解されるであろう。
ガイドチューブの長さは、第1および第2のカテーテルチューブの長さに依存するが、典型的には約20〜100cmであろう。しかしながら、当業者であれば、ここで提供される寸法はすべて例示であり、特別の用途では、寸法の異なるガイドチューブとカテーテルチューブが使用され得ることは理解するであろう。前述のように、第1および第2のカテーテルチューブは、ガイドチューブから独立して、互いに対してまたステントホルダーに対して可動である。スリーブ状要素の動きは、ガイドチューブの有無から独立している。言いかえれば、ガイドチューブは、カテーテル先端のスリーブ状要素を操作する機能を果たさない。特に、ガイドチューブは、スリーブ状要素の移動を阻止しない。
ガイドチューブの寸法、すなわち外径は、経動脈的にあるいは静脈経由でステントを機能が不十分な心臓弁まで移動させる患者の血管(動脈または静脈)内への挿入を可能とするものであることは理解されるであろう。
ガイドチューブは、患者の身体の蛇行した経路をねじれることなく超えられるものであってもよい。ガイドチューブは、内部の滑らかなライナーと、外部のポリマージャケットと、該内部層と外部層間のコイル補強と、を備えていてもよい。このガイドチューブによって、ねじれや圧縮のない好都合な柔軟性が提供され得る。ガイドチューブ遠位端の正確な配置を可能とするために、ガイドチューブ材料内に1つまたは複数の位置決め精度用の放射線不透過性バンドあるいはマーカーを組み込んでもよい。当業者であれば、特別の目的では他の既知の材料も適切であり得ることは理解するであろう。
本明細書で開示する実施形態では、カテーテル先端と、カテーテル先端に近接して連結されたカテーテルシャフトは、ガイドワイヤーを用いて患者の身体に挿入され得る。ガイドワイヤーは、カテーテルシステムのカテーテル先端を埋め込み場所に誘導する機能を果たす。大動脈弁上の位置に到着すると、ガイドワイヤーは取り外されてもよい。あるいは、ガイドワイヤーは、カテーテル先端に収容された心臓代用弁の埋め込みの間、患者の身体に留まる。ガイドワイヤーは、その後、カテーテルと共に患者の身体から取り外される。
ガイドワイヤーは、カテーテル先端とそれに近接して連結されたカテーテルシャフトから独立に、患者の血管系内に進められるように設計されている。言いかえれば、カテーテル先端は、カテーテルシャフトの少なくとも遠位部およびガイドワイヤーと共に、それぞれ単一のユニットとして患者の血管系を通って進められる。一旦ガイドワイヤーが配置されると、カテーテル先端と、それに近接して連結されたカテーテルシャフトは、ガイドワイヤー上を直接患者の循環系の特別の場所に向けて進められ得る。
本発明によれば、ガイドワイヤーは、その遠位端が所望の場所に到達するまで、その方向を外科医によって制御され蛍光透視法でモニターされながら患者の血管系を通って進められる。ガイドワイヤーの径は非常に小さいことが好ましく、それによって、血管内の血流は実質的な妨害は何ら受けない。ガイドワイヤーを挿入後、カテーテル先端は、それに近接して連結されたカテーテルシャフトと共に、ガイドワイヤーがカテーテルシャフトの第2のカテーテルチューブで画定された第2の管腔に受け入れられることによって、ガイドワイヤー上を進められる。このように、ガイドワイヤーは、困難で時間のかかる操作を必要とせずに、簡単にまた自動的に、カテーテルシステムのカテーテル先端を意図した領域に直接誘導する。
本開示の好適な実施形態では、ガイドワイヤーの径は、第2のカテーテルチューブで画定された第2の管腔の径より小さい。これによって、ガイドワイヤーは、その周囲に少なくとも部分的に配置されたカテーテル先端を埋め込み場所に誘導する第2のカテーテルチューブで画定された第2の管腔内に、少なくとも部分的に受け入れられ得る。
本発明の好適な実施形態では、カテーテルシャフトの第2のカテーテルチューブで画定された第2の管腔の最小寸法は、ガイドワイヤーの径よりわずかに大きい。第2の管腔の横断面の最大寸法は、ガイドワイヤーの横断面より実質的に大きい。従って、ガイドワイヤーが第2の管腔内に配置される場合、流体が患者に投与され得、また、血圧測定が行われ得るガイドワイヤーの対向側の第2の管腔に、実質的な空洞ができるであろう。ガイドワイヤーを全く取り外すことなく、こうした流体の投与や血圧測定が行われ得る。例として、ガイドワイヤーの横断面は、好適には、第2の管腔の横断面積のわずか約50%オーダーである。
カテーテル先端に収容された心臓代用弁を埋め込むために、カテーテル先端とカテーテル先端に近接して連結されたカテーテルシャフトは、ガイドワイヤー上を進められる。ガイドワイヤーの先端が心臓の左心室で終了する時に、ガイドワイヤーを押すことによって左心室の頂点に接触し得る。
ガイドワイヤー挿入時の左心室の頂点のいかなるダメージも回避し、また、ガイドワイヤーを血管経由で挿入(前進)時の血管壁へのいかなる損傷も回避するために、ガイドワイヤーは、前進するガイドワイヤーの前端に柔軟なバンパーを有することが好ましく、これによって、動脈の繊細な内表面への外傷や損傷の危険性を最小化できる。該バンパーは非常に柔軟であり、滑らかな前端を有していることが好ましい。例えば、ガイドワイヤーは、その遠位端において、滑らかに表面仕上げされた円形の先端で終了してもよい。あるいは、ガイドワイヤーの遠位端は、j−フック形状あるいはホッケースティック形状を有していてもよく、これによって、外傷の危険性が低減される。
一般に、ガイドワイヤーと、カテーテル先端およびカテーテル先端に近接して連結されたカテーテルシャフトは、独立して血管系内に進められるので、ガイドワイヤーは、バックリングを防ぐために、全長に亘って十分に堅いものでなければならない。さらに、ガイドワイヤーは、大動脈弓の周囲でデリバリシステム(カテーテル先端とカテーテル先端に近接して連結されたカテーテルシャフト)を十分追跡できる剛性を持つものとする。一方、ガイドワイヤーの少なくとも遠位先端は、心臓組織の穿刺を防ぐために十分に柔らかいものとする。
ガイドワイヤーは、遠位先端ガイド部と近位引抜き部とを備えていてもよい。カテーテル先端の最終位置決め後に先端ガイド部の引抜きを可能にし、最適な横断面積と寸法を有する該引抜き部は一般に、先端ガイド部の横断面より小さく、挿入場所での血液漏出の最小化が保証される。先端ガイド部は、カテーテルを患者の血管系を通して誘導できる。
典型的な実施形態では、ガイドワイヤーの長さは約175cmであってもよく、これは、ガイドワイヤーが大腿動脈を通って導入され患者の冠状動脈の領域に到達するのに十分な長さであり得る。ガイドワイヤーは、径の小さな主ワイヤーを備えていてもよい。ガイドワイヤーの回転に対して固い主ワイヤーは、近位端に与えられた回転運動を遠位端に完全に伝達し得るようにねじりに対して固い限り中実であってもチューブ状であってもよい。主ワイヤーは、その近位端が回転するように、比較的小さなねじれを有する。実際には、近位端に印加された回転はすべて、ガイドワイヤーの非常に遠位な先端に素早く伝達されるであろう。あるいは、ガイドワイヤーは、実質的に細長い巻きバネで形成されていてもよい。
前述のように、人体中の大動脈弓は、大動脈を通した挿入の間、そこに接近しなければならないため、心臓代用弁が取り付けられた自己拡張型またはバルーン拡張型心臓弁ステントの経大腿的埋め込みにとって課題であり得る。大動脈弓を通る場合、カテーテル先端とカテーテル先端に近接して連結されたカテーテルシャフトは、比較的小さな半径、通常約50mmにおいて、血管壁に損傷やダメージを与えることなく、約180°方向転換しなければならない。大動脈弓を通過時にカテーテル先端とカテーテル先端に近接して連結されたカテーテルシャフトを曲がり易くするため、および上行大動脈に接近時にカテーテル先端を支持するために、ガイドワイヤーは、大動脈弓でUターンできるような特定の構造を有していてもよい。従って、ガイドワイヤーは、U字状曲がりをするようにプログラムされてもよい。
本開示の好適な実施形態では、ガイドワイヤーの少なくとも遠位部は、患者の大動脈弓の曲率に適合した所定の湾曲構成を有する。ガイドワイヤーの少なくとも遠位部の所定の湾曲構成は、カテーテル先端が、ガイドワイヤーの遠位部の周囲に少なくとも部分的に配置されて患者の身体に経大腿的に挿入される場合に、カテーテル先端を上行大動脈の中心方向に押すように選択される。
この点で、ガイドワイヤーは二重機能を有する:一方では、ガイドワイヤーは、カテーテルシステムのカテーテル先端を埋め込み場所に誘導する機能を果たす。他方では、ガイドワイヤーは、カテーテル先端が上行大動脈に接近時に、カテーテル先端を上行大動脈の中心に位置決めする機能を果たす。その後、カテーテル先端に収容されたステントの位置決めアーチすなわちフープは、患者の生来の心臓弁のポケットに容易に挿入され、心臓弁ステントは容易に配置される。
好適な実施形態では、ガイドワイヤーの少なくとも遠位部は、患者の血管系内にガイドワイヤーを進める前に第1の所定の形状を呈し、進行した状態で第2の所定の形状を呈するが、ここで、ガイドワイヤーの遠位部の第2の所定の形状は、ガイドワイヤーの遠位部の所定の湾曲構成に相当する。これを達成するために、ガイドワイヤーは、外部刺激の影響下、その少なくとも遠位部が一時的な形状から永続的な形状へ変形できるように、少なくとも部分的には形状記憶材料で構成されていてもよく、ここで、ガイドワイヤーの遠位部の一時的な形状は該第1の形状に相当し、その永続的な形状は該第2の形状に相当する。
例えばニチノールなどの形状記憶材料を、ガイドワイヤーの少なくとも遠位部用に使用してもよい。こうした形状記憶材料は好適には、外部刺激の影響下で、ガイドワイヤーが一時的な形状から永続的な形状に変形できるように設計されている。従って、一時的な形状は、ガイドワイヤーの第1の形状(すなわち、患者の身体に挿入前の形状)であり、永続的な形状は、ガイドワイヤーの第2の形状で(すなわち、挿入された状態で)想定される。特に、ニッケルとチタンの等原子比合金であるニチノールなどの形状記憶材料を使用することによって、特に優しい挿入手順が可能となる。
例えば形状記憶ポリマーなどの他の形状記憶材料をガイドワイヤーの少なくとも遠位部用に使用することももちろん考えられる。ガイドワイヤーは少なくとも一部は、例えば、結晶性スイッチング断片を有する結晶性または半結晶性ポリマーの網状組織を呈するポリマー複合材を用いて形成してもよい。一方、アモルファススイッチング断片を有するアモルファスポリマーの網状組織も考えられる。
好適に形状記憶材料から成るガイドワイヤーを製造する場合、その永続的な形状、すなわち、ガイドワイヤーを挿入した状態で想定される形状が形成される。所望の形状が形成された後、「プログラミング」として既知のプロセスでこの形状を「固定」する。ガイドワイヤーを加熱するステップと、ガイドワイヤーを所望の形状に形成するステップと、その後に冷却するステップと、により、プログラミングを達成し得る。「冷延伸」として既知の、より低温でガイドワイヤーの構造を形成および成形するステップにより、プログラミングを達成してもよい。このようにして永続的な形状は保存され、一時的な、形成なかった形状でのガイドワイヤーの保管および埋め込みが可能となる。その後、外部刺激がステント構造に働くと、形状記憶効果が始動され保存されて、永続的な形状が復元される。
特に好適な実施形態では、定義可能なスイッチング温度である外部刺激が提供される。従って、形状記憶効果を始動し、それによって、ガイドワイヤーの保存された永続的な形状を再生するために、ガイドワイヤーの材料をスイッチング温度より高い温度に加熱しなければならないと考えられる。特定のスイッチング温度は、該形状記憶材料の化学組成を適切に選択することによって予め設定できる。
10℃〜患者の体温の範囲内で、好適には10℃〜室温(22℃)の範囲内でスイッチング温度を設定することが特に好ましい。 そうすることは、特に患者の身体に挿入されなければならないガイドワイヤーにとっては有利である。従って、ガイドワイヤー挿入時に、この点に関して保証されなければならないことは、ステント材料の形状記憶効果を始動するために、埋め込み場所において、ガイドワイヤーを室温または患者の体温(37℃)まで暖めるということだけである。
あるいは、ガイドワイヤーは、その遠位領域が外科医により手動で曲げられ、緩めてもその曲がった構成が保持できる別の材料(例えば、プラチナ−タングステン合金)から成っていてもよい。これによって、ガイドワイヤーの湾曲した遠位端を大動脈弓内および上行大動脈内に選択的に向けるようにガイドワイヤーを回転させることによって、ガイドワイヤーを制御可能に誘導できる。ガイドワイヤーの回転制御は、ワイヤーの近位端を曲げてハンドルの一部を形成することによって強化され得る。
使用時に、外科医は、ガイドワイヤーの遠位領域を曲げて付勢し、緩められた時に曲線の一部の形状をとるようにしてもよい。患者の動脈を通って進められる場合、ワイヤーの遠位領域での復元力度は、ワイヤーがまっすぐになり、動脈の経路を非常に容易にたどれるものである。例えば、ガイドワイヤーの遠位領域における連続的な先細りに起因した漸増する柔軟性によって、予め曲げられ付勢した湾曲によって曲がり血管の経路を追従するガイドワイヤーの能力が増強され得る。
予め曲げられ付勢したガイドワイヤーの遠位端が大動脈弓に近接した下行大動脈にある場合、外科医は、それを近位端から操作してガイドワイヤーを回転させることによって、ガイドワイヤーを大動脈弓内に、その後上行弓内に導くことができる。
あるいは、ガイドカテーテルを用いて、ガイドワイヤーを患者の身体に挿入してもよい。ガイドカテーテルは、ガイドワイヤーを受け入れる管腔を画定するガイドカテーテルチューブを備えていてもよい。ガイドカテーテルは、ガイドワイヤーを挿入する機能を果たし得る。ガイドカテーテルが大腿動脈と大動脈弓を経由して導入されて患者の大動脈弁領域に達すると、ガイドワイヤーは、ガイドカテーテルを取り外すことによってそれから解放され、患者の身体に残る。この場合、ガイドワイヤーは、ガイドカテーテルから解放される前は第1の所定の形状を呈し、ガイドカテーテルから解放された後は第2の所定の形状を呈す。前述のように、ガイドワイヤーの遠位部の第2の所定の形状は、カテーテル先端が、ガイドワイヤーの遠位部の周囲に少なくとも部分的に配置されて患者の身体に経大腿的に挿入される場合に、ガイドワイヤーの遠位部がカテーテル先端を上行大動脈の中心方向に押すように選択される。
本開示の一態様によれば、ガイドワイヤーの少なくとも遠位領域は、少なくとも部分的に、放射線不透過性が高い材料で形成される。ガイドワイヤーの遠位領域の比較的高い放射線不透過度によって、ガイドワイヤーが患者の動脈を通って進められるに従って、透視撮像が強化される。
本発明によるガイドワイヤーの使用手順は、大腿動脈と大動脈弓におけるガイドワイヤーの初期の配置と場所が関連する。ガイドワイヤーが配置されると、カテーテルシステムのカテーテルシャフトを有するカテーテル先端は、ガイドワイヤー上を、カテーテル先端に収容されたステントが生来の大動脈心臓弁に近接する上行大動脈に存在する点まで進められ得る。これは、カテーテル先端およびまたはガイドワイヤーの高度な放射線不透過特性により蛍光透視的におよび、例えばカテーテルシステムの管腔経由で放射線不透過性色素を注入することによっても確認できる。このために、カテーテルシステムのカテーテル先端は、その進行と位置に関する蛍光透視モニタリングも容易にする放射線不透過性マーカーを備えてもよい。
患者の心臓弁狭窄症およびまたは心臓弁閉鎖不全症の治療用の医療機器が開示される。該医療機器は、挿入システムと、該挿入システムのカテーテル先端に収容された拡張型心臓弁ステントと、を備える。挿入システムのカテーテル先端に収容されている間、ステントは、第1の所定の構成を有している。しかしながら、カテーテル先端外あるいは埋め込まれた状態では、ステントは、第2の所定の構成で存在する。ステントの第1の構成は折り畳まれた状態に相当し、第2の構成では、ステントは拡張状態で存在する。
例えば、ヨーロッパ特許出願第07110318号あるいは同第08151963号に記載されているように、心臓弁ステントは、該医療機器と共に使用される。従って、該医療機器の好適な実施形態では、以下を有する心臓弁ステントが使用される:
心臓代用弁が取り付けられ得る第1の保持領域と;
例えば、目の保持形態あるいは頭の保持形態におけるなどの少なくとも1つの保持要素を有する対向する第2の保持領域であって、それによって、ステントの少なくとも1つの保持要素が、挿入システムの一部を形成するカテーテル先端のステントホルダーと解放可能に係合できる第2の保持領域と;
心臓代用弁が締結され得る少なくとも1つの保持フープと;
ステントが埋め込まれた状態で、生来の心臓弁のポケット内で係合し、従って、患者の大動脈におけるステントの自動位置決めを可能とするように設計された少なくとも1つの、好適には3つの位置決めフープ。
特に、心臓代用弁が取り付けられた拡張型心臓弁ステントが、例えば、治療される患者の大動脈経由で(経動脈的にあるいは経大腿的に)、特に簡単な方法で埋め込み場所に進められる挿入システムが提案される。好適には、カテーテルシステムによる経動脈的または経大腿的接近の間、大動脈内で利用可能な全自由横断面は完全には塞がれない。なぜなら、ステントが心臓代用弁とともに収容され得る、カテーテルシステムの遠位端領域に設けられたカテーテル先端は、その外径が十分に小さいように製造されるためである。
心臓代用弁が取り付けられた拡張型心臓弁ステントは、挿入の間、カテーテルシステムの遠位端領域に設けられた挿入システムのカテーテル先端に折り畳まれた状態で一時的に収容され得る。カテーテルシステムの長さは、患者の鼠径部での挿入によって、カテーテルシステムの遠位端領域に設けられたカテーテル先端が大動脈を経由して患者の心臓まで誘導されるに十分なものであってもよい。
従って、経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムは、心臓代用弁が取り付けられた心臓弁ステントの、患者の身体への経動脈的または経大腿的挿入に適している。例えば、挿入システムのカテーテルシステムは、その遠位端にあるカテーテル先端とともに、鼠径動脈の穿刺経由で挿入される。
特に、経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムでは、該カテーテルシステムは、カテーテルシステムの少なくとも遠位端領域で、4cm以内の、好適には3cm以内の曲げ半径が実現できるよう、耐ねじれ性と柔軟性とを有するように設計されていてもよい。
別の態様によれば、本開示は、後続の各ステップは、前のステップが終了するまで抑制されている、予め設定された一連のステップを規定する手段を備えた、血管挿入システムを操作するハンドルに関する。理想的には、該ハンドルは、ステントの段階的解放のための予め設定された一連のステップを規定あるいは実施する手段を備える。
「予め設定された」とは、血管挿入システムとハンドルの操作に先立って設定または確定されたステップを指す。1ステップは、次のステップが実施されるまでに終了されなければならないように、操作ステップは事前に条件付けされる。所定の一連のステップによって、不正確な位置決めの危険性が低減され、また、該手順を実行する側の技能や専門知識が少なくて済む。
このように、事前に決定できる一連の事象は、例えば、該挿入システムとハンドルに依存し、また、これらによって制御され得る操作の事象またはステップに関する。このように、該挿入システムのカテーテル先端は、ハンドルで特に信頼性をもって操作され得、心臓弁ステントは、特に簡単ながら信頼できる方法で患者の身体に導入されて、心臓の埋め込み場所に最適に位置決めされ得る。
こうしたハンドルは、例えば、デリバリ、正確な位置決めおよびまたは医療機器の制御などが要求される任意のカテーテルシステムに適用され得ることが理解されるが、本開示の目的のために、該ハンドルは、ステントを患者の身体に導入し所望の埋め込み場所に配置する血管挿入システムと共に使用される。
本開示の一態様によれば、ハンドルは、少なくとも1つの第1の作動手段と少なくとも1つの第2の作動手段とを有しており、これによって、挿入システムのカテーテル先端は適切に操作されて、該先端に収容された自己拡張型ステントが、段階的にあるいは所定の一連の事象で、カテーテル先端から解放され得る。
一態様によれば、本開示は、第1および第2の力伝達手段を有するカテーテルシステムに関する。これらの力伝達手段は、カテーテルシステムの遠位端領域、すなわち、心臓に最も近いカテーテルシステムの端部領域にあり、心臓弁ステントが搭載されたあるいは搭載され得るカテーテル先端に連結され得る。詳細には、該力伝達手段は、カテーテル先端に収容された自己拡張型ステントが、段階的にあるいは所定の一連の事象に従って、カテーテル先端から解放され得るように、カテーテル先端の第1および第2の収容部を操作するように設計されている。その後、カテーテルシステムの近位端領域、すなわち、心臓に背を向けているカテーテルシステムの端部領域において、力伝達手段は、上記のタイプのハンドルの第1および第2の作動手段に連結されていてもよい。
別の態様によれば、本開示は、上記のタイプのカテーテルシステムを有し、心臓弁ステントが折り畳まれた状態で患者の身体に導入できる挿入システムに関する。該挿入システムは、カテーテルシステムの遠位端領域、すなわち、心臓に隣接した領域に第1および第2の操作可能な収容部を備えたカテーテル先端をさらに有する。さらに、該挿入システムは、カテーテルシステムの近位端領域、すなわち、心臓とカテーテル先端から遠いカテーテルシステムの端部領域に上記のタイプのハンドルを有する。カテーテル先端の第1および第2の収容部は、カテーテル先端に収容された自己拡張型ステントが所定の一連の事象でカテーテル先端から解放され得るように、ハンドルで適切に操作され得る。
別の態様によれば、本開示は、上記のタイプの挿入システムと、該挿入システムのカテーテル先端に収容された自己拡張型心臓弁ステントと、を有する医療機器に関する。
ステントを患者の身体に挿入する本開示によって実施可能な挿入システムは、
拡張型心臓弁ステント(以下、単に「ステント」とも呼ぶ)が折り畳まれた状態で患者の身体に導入できるカテーテルシステムと、
前記カテーテルシステムの遠位端領域に設けられ、前記ステントを搭載可能なカテーテル先端と、
前記カテーテル先端を操作できる、前記カテーテルシステムの近位端領域におけるハンドルと、
を備える。
本開示による挿入システムは、例えば、国際特許出願(PCT/EP)第2007/061117号に記載されているように、カテーテル先端を備えていることが好ましい。カテーテル先端は、以下「ステントホルダー」と呼ばれる領域を有しており、これによって、ステントは該カテーテル先端に取り付けされる。詳細には、ステントホルダーは、カテーテル先端において、ステントの少なくとも1領域を解放可能に固定するために用いられる。
さらに、カテーテル先端の好適な実施形態では、ステントホルダーは、ハンドルで操作され得る第1および第2の収容部を有していてもよい。これらの収容部は、ステントの特定の部分を収容する。第1の収容部は、ステントの第1の機能部品、例えばステントの保持フープ(あるいはステントの位置決めフープ)を収容し、第2の収容部は、ステントの第2の機能部品、例えばステントの位置決めフープ(あるいはステントの保持フープ)を収容する。
該挿入システム用に設けられたハンドルに関して、一方では、第1の作動手段はカテーテル先端の第1の収容部と連携して、第1の作動手段の作動時に、ステントホルダーに対する第1の収容部の所定の長手方向変位をもたらし得、他方では、第2の作動手段はカテーテル先端の第2の収容部と連携して、ステントホルダーに対する第2の収容部の所定の長手方向変位をもたらし得るように規定されていることが好ましい。
また、本開示は、本開示によるハンドルと、本開示によるカテーテルシステムと、カテーテル先端と、を備える挿入システムに関する。特に、心臓代用弁が取り付けられた拡張型心臓弁ステントが、例えば、治療される患者の大動脈経由で(経動脈的にあるいは経大腿的に)あるいは心尖から(経心尖的に)、特に簡単な方法で埋め込み場所に進められる挿入システムが提案される。好適には、カテーテルシステムによる経動脈的または経大腿的接近の間、大動脈内で利用可能な全自由横断面は完全には塞がれない。なぜなら、ステントが心臓代用弁とともに収容され得る、カテーテルシステムの遠位端領域に設けられたカテーテル先端は、その外径が十分に小さいように製造できるためである。
特に、一態様によれば、本開示の挿入システムは、機能が不十分か狭窄した生来の心臓弁の機能を心臓代用弁が担うように、それが取り付けられた心臓弁ステントを患者の身体に挿入・位置決めし、それを経皮的、同所的に生体内に配置するための経動脈的あるいは経大腿的接近に適しているばかりでなく、経心尖的接近、すなわち、心尖からの接近にも使用できる。後述のように、経心尖的接近用に設計されている挿入システムの長さは、経動脈的接近用のそれと比べて短くできる。
カテーテルシステムを用いて、必要に応じて、さらに挿入ワイヤー(ガイドワイヤー)を用いて、カテーテル先端に収容されたステントを患者の身体に挿入可能とするために、カテーテル先端が、位置決めフープと保持フープとにより、少なくともステントの第2の保持領域を解放可能に固定する台(ステントホルダー)と、第1の保持領域を収容する搭載領域と、を有するように、必要であれば、心臓代用弁が保持フープに締結されるように規定されていることが好ましい。さらに、カテーテル先端と、特に、そのそれぞれの収容部を指示された方法で操作し移動され得るように、ハンドルがカテーテルシステムの近位端領域に設けられることが好ましい。
特に、カテーテル先端およびまたはその個々の収容部の径方向あるいは横方向の移動が得られる。カテーテル先端の個々の部品の選択的な移動の結果、心臓弁ステントの個々の部品(位置決めフープ、保持フープ)は、予測可能な一連の事象に従って、遂次的に解放可能となり、必要な位置決めと固定によって心臓代用弁の埋め込みが可能となる。
具体的には、本開示による挿入システムでは、カテーテル先端が上記の収容部を有し、ハンドルが、第1の収容部に関連付けられた第1の作動手段と、第2の収容部に関連付けられた第2の作動手段と、を少なくとも有するように規定されている。第1の作動手段は、カテーテル先端の第1の収容部と連携して、第1の作動手段の作動時に、カテーテル先端のステントホルダーに対する第1の収容部の所定の長手方向変位をもたらし得る。同様に、第2の作動手段は、カテーテル先端の第2の収容部と連携して、第2の作動手段の作動時に、カテーテル先端のステントホルダーに対する第2の収容部の所定の長手方向変位をもたらし得る。
ハンドルの一部を形成する作動手段とカテーテル先端の関連付けられた収容部とのそれぞれの連携は、例えば、カテーテルシステムの適切な力伝達手段により達成される。
ハンドルに適切な作動手段を設けることによって、一方ではカテーテル先端の第1および第2収容部を、他方ではそのそれぞれの収容部を選択的に操作でき、所定の一連の事象に従って移動させられる。
従って、提案された挿入システムは、カテーテルシステムの遠位端に設けられたカテーテル先端に収容されたステントを、カテーテルシステムを用いて、適切な径方向およびまたは横方向に移動させることにより、患者の身体の埋め込み場所に導入するのに適しているだけでなく、カテーテル先端の収容部の指示された動作および所定の動作により、ステントのそれぞれの機能部品(位置決めフープ、保持フープ)を遂次的に解放させるのにも適しており、そのために、心臓弁ステントを備えた心臓代用弁の埋め込みは、特に好適でかつ有効な方法で行われ得る。
特に、例えば、心臓弁ステントの位置決めフープは、カテーテル先端の2つの収容部のうちの1つの遠位方向または近位方向のねじり移動およびまたは横方向移動によって解放させるが、ステントの保持フープは、カテーテル先端の他の収容部により、依然として折り畳まれた状態で保持させることが可能である。ステントの保持フープは、その後、カテーテル先端の他の収容領域の対応する操作によって解放できる。
カテーテル先端に搭載された、保持フープに取り付けられた心臓代用弁を有するステントが、経動脈的にまたは経大腿的に、言い換えれば、大動脈経由で埋め込まれることを確実にするために、本開示による挿入システムでは、カテーテル先端の第1の収容部がいわゆる「ステントシース」の形態であることが提案される。該ステントシースはスリーブ状の収容部であり、その開口は、カテーテル先端の遠位端先端の方向を向いている。カテーテル先端が患者の身体に実際に挿入されると、カテーテル先端は、いわゆる「閉じた状態」になる。この閉じた状態では、このステントシースはカテーテル先端の外周面を形成し、ステントは、折り畳まれた状態でステントシースの内部に収容される。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムでは、ハンドルの第1の作動手段が作動すると、カテーテル先端の第1の収容部は、ステントホルダーに対してカテーテル先端の長手方向に移動され得る。詳細には、カテーテル先端を開口またはカテーテル先端に収容されたステントを解放するために、第1の収容部は、ハンドルの方向に、すなわち、カテーテル先端の遠位端先端から離れる方向に移動する。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムでは、カテーテル先端の第2の収容部がいわゆる「漏斗状ステント」の形態であるようにさらに規定されている。漏斗状ステントはスリーブ状の収容部であり、カテーテル先端の遠位端先端に連結され、また、カテーテル先端の近位端領域の方向を向いた開口を有する。ステントの保持フープとそれに締結された心臓代用弁は、漏斗状ステントの内部に収容され得る。カテーテル先端が閉じた状態にある場合、漏斗状ステントは、ステントシースに伸縮自在に収まる。その後、ステントの位置決めフープは、漏斗状ステントの外周面とステントシースの内周面間に配置される。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムでは、ハンドルの第2の作動手段が作動すると、カテーテル先端の第2の収容部も、ステントホルダーに対してカテーテル先端の長手方向に移動され得る。詳細には、カテーテル先端に収容されたステントを解放するために、第2の収容部は、カテーテル先端の遠位端先端とともに、遠位方向に、すなわち、ハンドルから離れる方向に移動される。
従って、経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムは、心臓代用弁が取り付けられた心臓弁ステントの患者の身体への経動脈的または経大腿的挿入に適している:例えば、挿入システムのカテーテルシステムは、カテーテルシステムの遠位端にあるカテーテル先端とともに、鼠径動脈の穿刺経由で挿入される。
カテーテル先端および任意に挿入システムのカテーテルシステムは、好適には心臓弁位置を血管造影(血管表示)および心エコー検査(超音波)で制御しながら進められる。その後、心臓弁の実際の埋め込みが行われるが、その際には、ハンドルのそれぞれの作動手段によってもたらされ得るカテーテル先端の関連付けられた収容部の所定の操作によって、カテーテル先端に搭載された心臓弁ステントの個々の部品が解放される。
しかしながら、本開示による挿入システムは、心尖から接近する経心尖的接近にも適しており、この場合は、カテーテルシステムのカテーテル先端は、例えば左心室を通して大動脈弁に押し込まれる。ここでは、適切に修正されたカテーテル先端により、心臓代用弁を有する心臓弁ステントの同様の埋め込みが可能である。
詳細には、経心尖的接近用に設計された挿入システムでは、カテーテル先端の第1の収容部はステントシースの形態であり、それは、カテーテル先端の遠位端先端に連結され、また、カテーテル先端の近位端領域の方向を向いた開口を有するように規定されている。経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムでのように、経心尖的接近用に設計された挿入システム用のステントシースは、閉じた状態では、カテーテル先端の外周面を形成する。
経心尖的接近用に設計された挿入システムでは、ハンドルの第1の作動手段が作動すると、カテーテル先端の第1の収容部は、ステントホルダーに対してカテーテル先端の長手方向に移動され得、これによって、第1の収容部が遠位方向に、従ってハンドルから離れる方向に移動し、カテーテル先端を開口するかあるいはカテーテル先端に収容されたステントを解放する。
経心尖的接近用に設計された挿入システムでは、カテーテル先端の第2の収容部は、開口がカテーテル先端の遠位端先端の方向を向いた漏斗状ステントの形態をしている。再掲になるが、ステントの保持フープとそれに締結された心臓代用弁は、漏斗状ステントの内部に搭載でき、一方、漏斗状ステントは、カテーテル先端が閉じた状態では、ステントシース内に伸縮自在に収まり、それによって、ステントの位置決めフープは、漏斗状ステントの外周面とステントシースの内周面間に配置される。
経心尖的接近用に設計された挿入システムでは、カテーテル先端の第2の収容部も、ステントホルダーに対してカテーテル先端の長手方向に移動され得る。具体的には、カテーテル先端に収容されたステントを解放するために、第2の収容部は、カテーテル先端の遠位端先端の方向に移動される。
挿入システムが経動脈的および経大腿的接近用に設計されているかまたは経心尖的接近用に設計されているかに拘わらず、本開示による挿入システムは、例えば、ステントの保持フープ(ステントの第1の機能部品としての)を収容する第1の収容部と、例えば、ステントの位置決めフープ(ステントの第2の機能部品としての)を収容する第2の収容部と、を有するカテーテル先端を備えており、これによって、2つの収容部は、所定の一連の事象に従ってハンドルに設けられた作動手段を動作させることによって操作され、その結果、心臓弁ステントの個々の部品は解放される。
挿入システムと共に使用されるカテーテルシステムに関して、このカテーテルシステムが、少なくとも1つの内側カテーテルが収容される外側カテーテルを有するように規定されていることが好ましい。従って、外側カテーテルの外周面は、カテーテルシステムの外側シェルを形成する。好適には、外側カテーテルと少なくとも1つの内側カテーテルはその後、それぞれ力伝達手段として働く。該挿入システムでは、力伝達手段は、カテーテルシステムの近位端領域においてハンドルの作動手段と連結されており、カテーテルシステムの遠位端領域でカテーテル先端の収容部に連結されている。外側カテーテルと少なくとも1つの内側カテーテルは、ハンドルの対応する作動手段からの圧縮力および引張力をカテーテル先端の対応する収容部に伝達する機能を有する。外側カテーテルおよび少なくとも1つの内側カテーテルはそれぞれ、その長さが圧縮力下または引張力下であっても実質的には変化しないように設計されていることが好ましい。
特に、経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムでは、カテーテルシステムは、カテーテルシステムの少なくとも遠位端領域において、4cm以内の、好適には3cm以内の曲げ半径が実現できるよう、耐ねじれ性と柔軟性とを有するように設計されていなければならない。
特に、挿入システムとともに心臓上の埋め込み位置に進んだ心臓弁ステントの正確な位置決めの目的から、カテーテル先端を径方向に移動させるために、経心尖的接近用に設計された挿入システムの好適な実施形態では、カテーテルシステムとカテーテルシステムのそれぞれの連結(すなわち、一方におけるカテーテル先端との連結および他方におけるハンドルとの連結)は、ハンドルおよびまたはカテーテルシステムを回転させることによって、カテーテル先端をその縦軸周りにねじれるように構成されるように規定されている。特に、カテーテルシステムとカテーテルシステムのそれぞれの連結(すなわち、カテーテル先端との連結およびハンドルとの連結)は、ハンドルによってもたらされるトルクによる所定の、好適には小さい反応の遅れを示さなければならない。
前述のように、本開示による挿入システムでは、カテーテル先端が保持要素を備えたステントホルダーを有するように規定されていることが好ましい。保持要素を備えたステントホルダーは、挿入手順の間および埋め込み位置におけるカテーテル先端でのステントの位置決めの間、ステントの第2の保持領域を固定するために用いられる。ステントの第2の保持領域を解放可能に固定するために、相補的な構成を有する対応する保持リングと係合可能な突出要素として、ステントホルダーの保持要素をステントの第2の保持領域に構成することは可能であろう。
しかしながら、カテーテル先端の一部を形成するステントホルダーの特に好適な実施形態では、ステントホルダーは、対称軸がカテーテル先端の縦軸上に存在する本質的に円筒体を有するように規定されている。一様に離間された、いくつかの凹部が経心尖的接近用に設計された挿入システムの本体の近位側端部領域における円筒体上と、経大腿的または経動脈的接近用に設計された挿入システムの円筒体の遠位側端部領域と、に形成される。これらの凹部は、対応する溝を経由して、円筒体の近位側端部面または遠位側端部面に連結可能である。
円筒体の材料中に形成される凹部の構成およびサイズは、凹部に対して相補的な形態を有するカテーテル先端に搭載された心臓弁ステントの締結または保持要素が、好適には押込嵌めにより、凹部のそれぞれに収容され、その結果、ステントの各保持要素が固定装置の凹部と解放可能に係合するように選択される。
この連結では、ステントの保持要素を、例えば突出要素の形態でステントの第2の保持領域に形成できるであろう。実施例では突出要素の形態をしたステントのこれらの保持要素はそれぞれ、ネック部によりステントの位置決めフープに連結できる。ステントの保持要素が、好適には押込嵌めにより、ステントホルダーの凹部に取り付けられると、ネック部の少なくとも端部領域は、ステントホルダーの円筒体の材料中に形成された溝の中に存在する。
ステントホルダーの特定の実施形態に拘わらず、ステントホルダーの保持要素(突出要素と凹部)は、挿入手順の間および埋め込み場所でのステントの位置決めの間、ステントの第2の保持領域にある保持要素と共に、カテーテル先端のスリーブ状の第1の収容部によって被覆されることは基本的な要件である。これによって、ステントの保持要素とステントホルダーの保持要素間の係合が確実となり、また、ステントの第2の保持領域が折り畳まれた状態で依然として確実に保持されることが保証される。
この位置では、既に広がった心臓代用弁の機能をチェックできる。第1の作動手段を用いてカテーテル先端の第1の収容部(ステントシース)をさらに操作することによってチェックし、心臓代用弁が正しく機能していることが保証されれば、ステントの近位部におけるステントホルダーの保持要素を予め被覆している第1の収容部の領域は、カテーテル先端の固定機構に対して、カテーテル先端の長手方向にさらに移動され得、それによって、第1の収容部は、ステントホルダーとステントそれぞれの保持要素をもはや被覆しなくなる。その結果、ステントの近位端に設けられた保持要素等とステントホルダーの保持要素間の係合は解放されて、ステントの近位部も解放されて完全に広げられる。
しかしながら、既に部分的に埋め込まれた心臓代用弁がその機能を果たし得ない、あるいは満足には行えないことがチェックでわかった場合、本開示で提案された挿入システムは、カテーテル先端のそれぞれの収容部を適切に反対方向に移動させることにより、心臓代用弁を有するステントをカテーテル先端内に後退させられるという特別の長所と、挿入システムのすべての部分、言いかえれば、カテーテルを備えたカテーテル先端とカテーテル先端に収容されたステントを患者の身体から取り外せるという特別の長所と、を有しており、その結果、手術の危険性を実質的に低減し、同じ患者に対して埋め込みの試みを再度行うことができる。
カテーテル先端を患者の身体に挿入する間、例えば、カテーテル先端を経動脈的に挿入する際、可能な限り血管壁にダメージ与えないこと、また、例えば、カテーテル先端を経心尖的に挿入する際、可能な限り心臓内部に損傷を与えないことを確実にするために、特に、カテーテル先端が回転対称形、好適には丸い形状であることが好ましい。
カテーテル先端は挿入されるにつれて、可能な限りより完全に閉じるものでなければならず、また、大動脈を通した挿入を容易にするために、特に好適には、例えば、シリコーンなどの可撓性材料から成る先端を遠位端上に有していなければならない。
本開示によって提案される挿入システムと共に使用されるカテーテルシステムも、冷却液または薬剤が、内部が中空のカテーテルシステムを通ってカテーテル先端まで循環できるように、好都合に構成されていなければならない。カテーテル先端が埋め込み場所に進められる間、その中に収容された心臓弁ステントは、例えば食塩水の形態のこうした冷却液により適切に冷却され得る。これは、形状記憶材料が、外部刺激の作用下で心臓弁ステントが一時的形状から永続的な形状に変形するように設計された心臓弁ステントの材料として使用される場合特に好都合であり、ここで、該一時的形状は、ステントの第1の構成(ステントが挿入システムのカテーテル先端に収容されている時の折り畳まれた状態)で存在し、「永続的な形状」は、ステントの第2の構成(ステントがカテーテル先端から解放された後の拡張した状態)で存在する。
拡張したステントの「永続的な形状」は、その周囲領域の生来の形状に完全に適合することは留意されるべきである。このために、埋め込み場所の周囲領域の生来の形状は、患者ごとに異なることを考慮することになる。拡張したステントの「永続的な形状」は自動的に周囲環境に完全に適合するというステントの特性によって、心臓代用弁は常に最適に埋め込まれ得ることが保証される。
本開示の挿入システムを用いて、心臓代用弁が上に搭載されたステントを患者の身体に埋め込む場合、特に、例えば、ニチノール、すなわち、ニッケルとチタンの等原子比合金などの形状記憶材料をステントとして使用可能な場合、特に優しい埋め込み手順が可能となる。
適切な冷却液がその中を循環できるように、本開示で提案された挿入システムのカテーテルシステムが好適に設計されている場合、カテーテル先端に搭載可能なステントは、従って前進の間適切に冷却されて、ステント材料の温度が臨界遷移温度未満に維持される。冷却されたステントを有するカテーテル先端が埋め込み場所に進められると、遅くともカテーテル先端の収容部が操作される時点でステントの冷却は中断され、その結果、ステントは患者の体温(36℃)まで暖められ、ステント材料の形状記憶効果が開始される。
ステントの個々の部品の自己拡張特性によって、ステントの個々の部品、特に、位置決めフープと保持フープのそれぞれ、およびステントの第1および第2の保持領域に働く径方向力が生成される。ステントのそれぞれの部品がカテーテル先端のそれぞれの収容部に留まっているので、遷移温度を超えた後、増大してステントの個々の部品に働く径方向力は、カテーテル先端のそれぞれの収容部によって相殺され、形状記憶効果の開始にもかかわらず、ステントは、第1の(折り畳まれた)形状で確実に保持される。
本開示の挿入システムの特別の実施形態に基づいて予め画定されたカテーテル先端のそれぞれの収容部の適切な操作によって、その後、ステントが適切に段階的に解放され、ステントの個々の部品がカテーテル先端のそれぞれの収容部から解放されることによって、位置決めフープがまず解放される。径方向力が働いているために、ステントの位置決めフープは径方向に開かれる。その後、開いて伸びた位置決めフープは、生来の心臓弁の凹部ポケットに位置決めされ得る。
その後、ステントの残りの部品がカテーテル先端から解放される。解放された残りの部品、特に、例えば糸で取り付けられた心臓代用弁を有する保持フープは、その後径方向に開いて、保持フープに取り付けられた心臓代用弁が傘のように広がる。
ステントの保持フープおよび人工器官の近位保持領域にも働く径方向力によって、ステントは血管壁に径方向に押し付けられる。一方では、これによって、開口した心臓代用弁を有するステントは埋め込み場所に確実に固定され、他方では、心臓代用弁がステントの第2の保持領域に確実に密閉される。
冷却液等によるカテーテルシステムのフラッシングまたはすすぎのために、流体をカテーテルシステムに供給およびまたはそれから排出するための少なくとも1つのシリンジアダプタがハンドルに備えられていることが特に好ましい。
カテーテルシステムの挿入手順および、カテーテルシステムの遠位端上に任意に設けられ得る偏向機構の屈曲性領域の操作をモニターするために、例えば、カテーテル先端およびまたはカテーテルシステムのそれぞれの位置を手術の間X線画像上で検出できるように、X線を吸収する材料で製造されたマーキング要素をカテーテル先端上およびまたはカテーテルシステムの適切な点に設けることが好都合である。
もちろん、スクリーンフィルタも本開示の挿入システムと共に使用してもよく、それによって、それぞれの患者の血流中への粒子の侵入が防げる。こうしたスクリーンフィルタを挿入システムまたはカテーテルシステムに取り付けて、その周囲に放射状に完全に拡張させてもよい。スクリーンフィルタを使用する場合、大動脈中の血管壁に対して位置させて粒子密閉を確実にするように、弾性的に付勢しなければならない。
本開示によって提案される挿入システムは、さらに、カテーテルシステムまたはカテーテル先端の内部に配置され、それと一緒に運ばれるかあるいは、拡張型心臓弁ステントまでカテーテルシステムの内部を通過する従来のバルーンを備えていてもよい。例えば、高圧の流体によって容積が増加するこうしたバルーンによって、アンカーサポートの拡張はさらに支援され得る。
上記のように、前述の挿入システムを用いて患者の身体に挿入可能な医療機器のステントは、好適には金属チューブから一体的にカットされたワンピース構造を有しており、その中では、保持フープが各位置決めフープに関連付けられ、位置決めフープの各端部が、人工器官の近位端において関連付けられた保持フープの端部に連結されている。従って、一方では、ステント用のプラスチックヒンジあるいは同様の連結デバイスが省略できる。他方では、本開示で提案される医療機器と共に好適に使用されるステントは、長手方向の拡張が最小化されており、一方で位置決めフープによる位置決め機能と、他方で保持フープによる心臓代用弁保持機能とを提供する人口器官である。
ステント全体の横断面の拡張による、第1の所定のモードから第2の所定のモードへのステントの遷移の間、一方の保持フープと他方の位置決めフープは、径方向に開口することは明らかである。この場合、ステントの第2のモードは、保持および位置決めフープの開口に伴って、それらが大動脈の血管壁に接してそれと確実な連結を形成し、それによって、埋め込み場所において、ステントと心臓代用弁をしっかりと固定するように好都合に選択される。
ステントの構造によって、挿入システムのカテーテル先端が特に短く設計されていることから、挿入システムのカテーテル先端は、患者の身体に特に容易に誘導され、これは、交換される心臓弁までの埋め込みルートが大動脈弓経由の場合、特に有利である。挿入システムのカテーテル先端の最小長さは、ステントの特別の構造によって特に保証される。
従って、本開示によって提案される挿入システムを使用すると、埋め込み場所におけるこうしたアンカーステントの位置決めおよび保持フープは、心臓代用弁を有するステントの順次的な自己拡張を自動的に開始する観点から配置され大きさが決められる。これを可能とするために、ステントと必要に応じてそれに締結された心臓代用弁は、挿入システムの一部を形成するカテーテル先端の内部に埋め込みの目的で搭載される。このカテーテル先端は、患者の大動脈を通して、すなわち、例えば心尖から埋め込み場所まで(病的心臓まで)、挿入システムのカテーテルシステム経由で誘導される。埋め込み場所に達すると、挿入システムのカテーテル先端は、位置決めフープが解放されて自己拡張できるように操作される。その後、既に部分的に拡張したステントを有する挿入システムのカテーテル先端は、位置決めフープが生来の心臓弁のポケットに挿入されるように移動・整列される。これによって、ステントが生来の心臓弁に対して正確に配置される。
挿入システムのカテーテル先端はさらに、アンカーステントの保持フープも解放されてそれらが自動的に拡張するように操作される。これとともに、生来の心臓弁の心臓弁フラップは、位置決めフープと保持フープそれぞれの間でクランプされ、アンカーステントの遠位保持領域に取り付けられた心臓代用弁が開く。
心臓代用弁が組み込まれたアンカーステントが埋め込まれると、カテーテル先端を有するカテーテルシステムは、患者の身体から引き抜かれる。
埋め込みシステムによって得られる制御の増加によって、例えば、心臓弁ステントが、別個の手順の間あるいは同じ手順の別個の部分として実行される2部に分かれた手順で埋め込まれることも当然考えられる。第1の部では、例えば、アンカーステントが埋め込み場所に導入される。第2の部では、代用弁を有する第2のステントが埋め込み場所に導入される。第2のステントは、アンカーステントと連携・係合できる適切な機能部品を備える。従って、第2のステントは、一方では心臓代用弁を収容・保持し、他方ではアンカーステントと連携して、代用弁を有する心臓弁ステントを場所に固定・保持する。
該埋め込みシステムでは制御が増加され、またステントなどのインプラントが正確に配置される能力が高められているため、以前に埋め込まれた心臓弁の不全弁を新しい代用弁に取り替えることも考えられるだろう。該機能部品によって、以前に埋め込まれた心臓弁ステント埋め込み場所で、新規あるいは第2の心臓弁ステントが配置・固定され、この新規あるいは第2の心臓代用弁を収容・保持する。従って、例として、代用弁を有する新しい心臓弁ステントが、代用弁を有する第1の心臓弁ステントの埋め込みと同じ方法で、以前に埋め込まれた心臓弁ステント内に埋め込まれ得る。
好適な実施形態について、以下の添付図面を参照して説明する。
拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムの実施形態を示す部分分割側面図である。 拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのハンドルの実施形態を示す部分分割側面図である。 心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムの実施形態を示す側面図である。 偏向カテーテルシステムを有する図3aの経大腿的/経動脈的挿入システムの側面図である。 心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのさらなる実施形態を示す側面図である。 心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのさらなる実施形態を示す側面図である。 4つの所定の機能的状態における図3aの経大腿的/経動脈的挿入システムの装着手順を示す、同システムの側面図である。 4つの所定の機能的状態における図3aの経大腿的/経動脈的挿入システムのカテーテル先端に収容されたステントの解放手順を示す、同システムの側面図である。 拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのカテーテル先端の実施形態を示す部分分割側面図である。 拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのカテーテル先端のさらなる実施形態を示す部分分割側面図である。 拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのカテーテルシャフトの典型的な実施形態を示す横断面図である。 拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのカテーテルシャフトのさらなる典型的な実施形態を示す横断面図である。 心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的埋め込み手順を示す概略図である。 異なる機能的状態における経大腿的/経心尖的挿入システムのカテーテル先端に搭載された心臓弁ステントの埋め込み手順を示す、同先端の三次元概略部分分割図である。 4つの所定の機能的状態における拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのカテーテル先端に収容されたステントの解放手順を示す、同先端のさらなる実施形態を示す側面図である。 カテーテル先端に収容されたステントを解放し患者の身体から再び取り外す準備がなされた状態における、図13a〜13dのカテーテル先端の実施形態を示す側面図である。 自己拡張型心臓弁ステントの経心尖的挿入用の挿入システムの実施形態を示す側面図である。 図14の経心尖的挿入システムの部分分割側面図である。 4つの所定の機能的状態における図14の経心尖的挿入システムの装着手順を示す、同システムの側面図である。 4つの所定の機能的状態における図14の経心尖的挿入システムのカテーテル先端に収容されたステントの解放手順を示す、同システムの側面図である。 自己拡張型心臓弁ステントの経心尖的挿入用の挿入システムのためのハンドルの実施形態を示す側面図である。 自己拡張型心臓弁ステントの経心尖的挿入用の挿入システムのためのハンドルのさらなる実施形態を示す側断面図である。 図19のハンドルの平面図である。 自己拡張型心臓弁ステントの経心尖的挿入用の挿入システムのためのカテーテル先端の実施形態を示す側断面図である。 自己拡張型心臓弁ステントの経心尖的挿入用の挿入システムのためのカテーテルシャフトの実施形態を示す横断面図である。 心臓弁ステントの経心尖的埋め込み手順を示す、異なる機能的状態における経心尖的挿入システム用のカテーテル先端の実施形態を示す三次元側面図である。 心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムの実施形態を示す側面図である。 偏向カテーテルシャフトを有する図24aの経大腿的/経動脈的挿入システムの側面図である。 心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのさらなる実施形態を示す側面図である。 心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのさらなる実施形態を示す側面図である。 4つの所定の機能的状態における図24aの経大腿的/経動脈的挿入システムの装着手順を示す、同システムの側面図である。 4つの所定の機能的状態における図24aの経大腿的/経動脈的挿入システムのカテーテル先端に収容されたステントの解放手順を示す、同システムの側面図である。 自己拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのさらなる実施形態を示す部分分割側面図である。 自己拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのハンドルの実施形態を示す部分分割側面図である。 経心尖的挿入システム用のステントホルダーのさらなる実施形態を示す側面図である。 図31のステントホルダーを示す側断面図である。 図31のステントホルダーの遠位端領域を示す平面図である。 図31のステントホルダーの近位端領域を示す平面図である。 図31のステントホルダーを示す第1の斜視図である。 図31のステントホルダーを示す第2の斜視図である。 図31のステントホルダーを示す部分分割斜視図である。 図31のステントホルダーを示す部分分割斜視図である。 図31のステントホルダーの部分である。 図31のステントホルダーを有する、側断面図の拡張型心臓弁ステントの経心尖的挿入用の挿入システムのためのカテーテル先端を示す側断面図である。 経大腿的挿入システムの修正されたカテーテル先端に収容されたステントの解放手順を示す、4つの所定の機能的状態における拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのカテーテル先端でのさらなる実施形態を示す側面図である。 カテーテル先端に収容されたステントを解放後の状態と、患者の身体から再び取り外す準備がなされた状態間の遷移状態における、図41a〜41dのカテーテル先端の実施形態を示す側面図である。 カテーテル先端に収容されたステントを解放し患者の身体から再び取り外す準備がなされた状態における、図41a〜41dのカテーテル先端の実施形態を示す側面図である。
図11は、患者の心臓までの経動脈的または経大腿的接近方法の例を概略的に示す。図11において、心臓弁ステント150は、挿入システム100−2を用い、大腿動脈経由で大動脈弁まで進められる。以下、経動脈的または経大腿的接近に適した挿入システム100−2の実施形態について説明する。
好適な実施形態では、挿入システム100−2は、カテーテルシステム1と、カテーテルシステム1の近位端部に連結されたハンドル70−2と、を有する。例えば図1に示すように、好適な実施形態によるカテーテルシステム1は、つぶれた状態で挿入されるステントを収容するためのシート部と、該ステントを解放可能に固定するステントホルダー15と、を有するカテーテル先端10−2を備える。カテーテルシステム1はさらに、カテーテル先端10−2を挿入システム100−2のハンドル70−2に連結するカテーテルシャフト30−2を備えており、シャフト30−2の遠位端部は、カテーテル先端10−2とカテーテルシャフト30−2の遠位端部が、患者の大動脈を経由する挿入の間に大動脈弓を通過できるように十分に柔軟である。
カテーテル先端10−2のシート部は、第1のスリーブ状要素11と第2のスリーブ状要素21とを備えており、第1および第2のスリーブ状要素11,21の横断面は、これらの要素がカテーテル先端10−2に収容されたステントを完全に包囲できるように互いに同一であることが好ましい。また、第1および第2のスリーブ状要素11,21は、互いに対しておよびステントホルダー15に対して可動である。
この目的のために、遠位端部が第1のスリーブ状要素に連結され、近位端部がハンドル70−2の第1の作動手段71に連結された第1の力伝達手段31が設けられる。また、遠位端部が第2のスリーブ状要素21に連結され、近位端部がハンドル70−2の第2の作動手段81に連結された第2の力伝達手段41が設けられる。ハンドル70−2の第1およびまたは第2の作動手段71,81を操作すると、第1およびまたは第2のスリーブ状要素11,21は、互いに対しておよびステントホルダー15に対して移動され得る。
図10a,10bからわかるように、第1の力伝達手段31は、第1の管腔を画定する第1のカテーテルチューブ32で構成されていてもよく、第2の力伝達手段41は、第2の管腔を画定する第2のカテーテルチューブ42で構成される。第2のカテーテルチューブ42の横断面は、第1のカテーテルチューブ32の横断面より小さくてもよい。第1のカテーテルチューブ32は、第2のカテーテルチューブ42と同心状および同軸状に配置されていてもよく、第2のカテーテルチューブ42は、第1のカテーテルチューブ32で画定された第1の管腔内に受け入れられる。
しかしながら、カテーテル先端10−2の第1および第2のスリーブ状要素11,21に反して、カテーテル先端10−2のステントホルダー15は、挿入システム100−2のハンドル70−2に対して可動ではない。そうではなく、ステントホルダー15は、ステントホルダー15に連結された遠位端とハンドル70−2の本体70−2’に連結された近位端とを有するステントホルダーチューブ62を用いて、ハンドル70−2の収容部70−2’に連結される。
図10bを参照して、ステントホルダーチューブ62の横断面は、第1のカテーテルチューブ32の横断面より小さくてもよい。特に、第1のカテーテルチューブ32は、一方で第2のカテーテルチューブ42と、他方でステントホルダーチューブ62と同心状および同軸状に配置されてもよい。好適には、ステントホルダーチューブ62の横断面は、第1のカテーテルチューブ32の横断面より小さく第2のカテーテルチューブの横断面より大きいため、ステントホルダーチューブ62は、第1のカテーテルチューブ32で画定された第1の管腔内に受け入れられ、第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダーチューブ62で画定された経路内に受け入れられる。ステントホルダーチューブ62で画定された経路の直径は、第2のカテーテルチューブ42の収容に十分であるため、第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダーチューブ62に対して可動となる。
第2のカテーテルチューブ42で画定された第2の管腔の直径は、ガイドワイヤー180の収容に十分である。第2のカテーテルチューブ42は、例えば、ニチノール、ステンレス鋼あるいは剛塑性材料などの剛性材料から成っていてもよい(図10b参照)。第2のカテーテルチューブ42の遠位端部の材料は、近位端部の材料に比べて柔軟性が高くてもよく、それによって、カテーテルシャフト30−2の遠位端部は、カテーテル先端10−2の挿入の間に大動脈弓を通過できる。例えば、ガイドチューブ52は17F−カテーテルチューブであってもよく、第1のカテーテルチューブ32は12F−カテーテルチューブであってもよい。
例えば図9からわかるように、第2のカテーテルチューブ42の遠位端部は、非外傷性の形状を有する柔軟なカテーテル端先端25で終了する。柔軟なカテーテル端先端25は、第2のカテーテルチューブ42で画定された第2の管腔と一直線になったチャネルを備えており、第2のカテーテルチューブ42の第2の管腔内に収容されたガイドワイヤー180は、柔軟なカテーテル端先端25のチャネル内を通過し得る。カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21は、柔軟なカテーテル端先端25に連結されており、第2のスリーブ状要素21の開口端は、柔軟なカテーテル端先端25の方向と対向する近位方向において、第2のカテーテルチューブ42に面する。
図10bに示す典型的な実施形態によれば、ステントホルダーチューブ62は、例えば、剛塑性材料、ステンレス鋼またはニチノールなどの剛性材料から成る。ステントホルダーチューブ62の遠位端は、同様に、例えば剛塑性材料またはステンレス鋼などの剛性材料から成るステントホルダー15で終了する。ステントホルダーチューブ62で画定された経路は、ステントホルダー15が通過するチャネルと一直線になっている。このように、第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダーチューブ62とステントホルダー15に対して可動に、ステントホルダーチューブ62の経路内とステントホルダー15のチャネル内とに収容される。
第1のカテーテルチューブ32は、屈曲性だが非弾性の材料から成る。例えば、第1のカテーテルチューブ32は、少なくとも部分的には、網組カテーテルチューブまたは非網組カテーテルチューブから成っていてもよい。第1のカテーテルチューブ32は、その全体長を過度に変化させずに、ハンドル70−2の第1の作動手段71からカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に圧縮力と引張力を伝達するように適合されているものとする。第1のカテーテルチューブ32の遠位端は、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11を画定する部分への遷移として張出部で終了する。
図9からわかるように、張出部と第1のスリーブ状要素11は一体で形成されて、第1のカテーテルチューブ31の遠位端部に連結されてもよい。また、張出部は、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11を構成してもよい。第1のスリーブ状要素11と第1のカテーテルチューブ31の張出部をすべて同じ材料とし、同じ未加工チューブを起源として拡張処理をして、これら2つの部分を同じ要素としてもよい。
図1を参照し、好適な実施形態による挿入システム100−2は、横断面が第1のカテーテルチューブ32の横断面より大きいガイドチューブ52をさらに備える。ガイドチューブ52は経路を画定し、第1のカテーテルチューブ32、ステントホルダーチューブ62および第2のカテーテルチューブ42と同心状および同軸状に配置され、ステントホルダーチューブ62と、第1のカテーテルチューブ内に収容された第2のカテーテルチューブ42と、を有する第1のカテーテルチューブ32は、該ガイドチューブ52に対して可動となるように、ガイドチューブ52で画定された経路内に少なくとも部分的に収容される。特に、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11からガイドチューブ52までの滑らかな遷移が達成され得る(図9参照)ように、ガイドチューブ52は、その近位端部の横断面が第1のカテーテルチューブ32の近位端部に設けられた張出部の横断面以下であるようになされているカテーテル先端10−2に対する近位で終了する。
ガイドチューブ52の近位端部は、ハンドル70−2に対する遠位で終了する。ガイドチューブ52の近位端部は、ハンドル70−2、第1および第2のカテーテルチューブ32,42,ステントホルダーチューブ62およびカテーテル先端10−2がガイドチューブ52に対して移動され得るように、ハンドル70−2から分離/分断されてもよい。
ガイドチューブ52の遠位端は、第1のカテーテルチューブ32の遠位端部に設けられた張出部が、急激な遷移なしに,該遠位端部上に接し得るように形成される。ガイドチューブ52は、圧縮力と引張力の伝達時にその長さが変化できるようにするために薄い材料であってもよい。しかしながら、カテーテル先端10−2の挿入の間、カテーテルシャフト30−2の遠位部の柔軟部のねじれを機械的に回避するために、ガイドチューブ52の材料は十分な剛性を有するものとする。
ガイドチューブ52の近位端は、ハンドル70−2の本体70−2’に解放可能に連結される。このように、ガイドチューブ52は二重機能を有する。
ガイドチューブ52の近位端がハンドル70−2に連結される場合、ガイドチューブ52は、カテーテル先端10−2の第1および第2のスリーブ状要素11,21の操作のために、第1および第2の作動手段71,81が可動となるハンドル70−2の本体70−2’の遠位拡張の機能を果たす。従って、患者の生来の心臓弁に対するステントホルダー15の位置は、ハンドル70−2に連結されたガイドチューブ52を移動させることで変更され得る。
ガイドチューブ52の近位端がハンドル70−2の本体7−2’に連結されない場合、ガイドチューブ52は、導入チューブとして、すなわち、カテーテルシステム1のカテーテル先端10−2を患者の身体を心臓まで通過させるポータルとしての機能を果たす。
例えば図1で示したように、入口ポート53は、ガイドチューブ52への流体注入のためにガイドチューブ52の近位端部に設けられてもよい。さらに、ガイドチューブ52からの流体の漏出を防ぐために、逆止弁をガイドチューブ52の近位端部に設けてもよい。
以下、埋め込み位置までの経動脈的または経大腿的接近に適した挿入システム100−2の典型的な実施形態による部品について、図1〜10bを参照して説明する。経動脈的または経大腿的接近の間、挿入システム100−2のカテーテル先端10−2は、例えば大動脈経由で埋め込み場所まで進められる。
図1は、経大腿的または経動脈的接近用に設計された挿入システム100−2の典型的な実施形態を示す部分分割図である。
図1に示すように、本開示による挿入システム100−2は、カテーテルシステム1と、その近位端部に連結されたハンドル70−2と、を備えていてもよい。カテーテルシステム1は、カテーテル先端10−2と、カテーテル先端10−2をハンドル70−2に連結するカテーテルシャフト30−2と、を備える。カテーテル先端10−2は、つぶれた状態のステント(図12a〜12c参照)を収容するシート部と、該ステントを解放可能に固定するステントホルダー15と、を有する。
カテーテル先端10−2のシート部は、第1のスリーブ状要素11と第2のスリーブ状要素21で構成される。図6a〜6dおよび図7a〜7dにより詳細に示すように、カテーテル先端10−2のスリーブ状要素11,21は、互いに対しておよびステントホルダー15に対して可動である。
カテーテルシャフト30−2は、第1の力伝達手段31と、第2の力伝達手段41と、ガイド手段51と、を備える。図1の典型的な実施形態では、カテーテルシステム1の第1および第2の力伝達手段31,41は、柔軟で細長いカテーテルチューブ32,42として実現される。第1および第2のカテーテルチューブ32,42はそれぞれ別個の管腔を画定する。また、ガイド手段51は、第1および第2のカテーテルチューブ32,42が、ガイドチューブ52に対して可動となるように受け入れられる経路を画定するガイドチューブ52として実現される。
図1に見られるように、ガイドチューブ52は、カテーテル先端10−2に対する近位で終了する遠位端を有する。一方、第1のカテーテルチューブ32の長さは、第2のカテーテルチューブ42のそれと同じかあるいは実質的に同様である。第1のカテーテルチューブ32は、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11を画定するより広い横断面を有する部分への遷移としての張出部の遠位端で終了する。図9からわかるように、特に、第1のカテーテルチューブ32のより広い部分は、第1のカテーテルチューブ32の遠位端部と一体に形成される。該より広い部分の長さは、カテーテル先端10−2に収容されるつぶれたステントのそれより長い。
前述のように、図1に示す典型的な実施形態では、カテーテルシステム1の第1の力伝達手段31は、第1の管腔を画定する第1のカテーテルチューブ32で構成され、第2の力伝達手段41は、第2の管腔を画定する第2のカテーテルチューブ42で構成される。第2のカテーテルチューブ42の横断面は、第2のカテーテルチューブ42と同心状および同軸状に配置される第1のカテーテルチューブ32のそれより小さい。しかしながら、カテーテル先端10−2の横断面は、ガイドチューブ52のそれ以上である。
一方、ガイドチューブ52の横断面は、ガイドチューブ52内に受け入れられる第1のカテーテルチューブ32の部分のそれより大きい。しかしながら、カテーテル先端10−2の横断面は、ガイドチューブ52のそれより大きい。従って、ガイドチューブ52は、ハンドル70−2からカテーテルシステム1を分離しない限り、挿入システム100−2から取り外しできない。
ガイドチューブ52の近位端部に、ガイドチューブ52からの液体の漏出を防止する逆止弁を設けてもよい。さらに、流体をガイドチューブ52に注入する注入口53をガイドチューブ52の近位端部に設けてもよい。従って、ガイドチューブ52の経路内部をフラッシュするために、また、凝血発生を低減するために、食塩水などの流体を入口ポート52から注入してもよい。ガイドチューブ52の経路をフラッシュするためにポート53が使用されていない場合にポート53を閉鎖位置で維持するために、入口ポート53に栓を取り付けてもよい。
ガイドチューブ52は、ハンドル70−2と第1および第2のカテーテルチューブ32,42に対して可動である。このために、カテーテル先端10−2の位置決めの間およびカテーテル先端10−2のスリーブ状要素11の操作の間、カテーテルシャフト30−2をその近位端部に保持できるユーザ用のグリップが設けられる。ユーザは、ユーザがカテーテルシステム1のアウターシースを保持したりねじる必要がないようにハンドル70−2に対するカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11の移動を維持するために、ガイドチューブ52、特に、ガイドチューブ52の近位端部を保持できる。
図1に示す挿入システム100−2の典型的な実施形態では、カテーテルシャフト30−2の対応する第1および第2の力伝達手段31,41によって、カテーテル先端10−2の第1および第2のスリーブ状要素11,21に連結された第1および第2の作動手段71,81を備えるハンドル70−2が利用される。第1の作動手段71は、第1のスライド74に機能的に連結された第1のプッシャー73を有する。第1のスライド74は、ハンドル70−2の長手方向Lの第1のガイド72に誘導される。第1のガイド72の遠位側端は第1のストップ75を画定し、第1のガイド72の近位側端は第2のストップ76を画定し、それらのストップは、第1の作動手段71によってもたらされ得る長手方向全変位を画定する。第1のガイド72の遠位側端と近位側端間に、補足のストップ77を画定するロック要素77’を配置してもよい。
図1に示すハンドル70−2の第2の作動手段81は、第2のスライド84に機能的に連結された第2のプッシャー83を有する。第2のスライド84は、第1のストップ85と第2のストップ86間の長手ガイド(第2のガイド82)に誘導される。第2のスライド84は、第2の力伝達手段41によってカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に連結される。第2の作動手段81の作動時に、第2のスライド84は、第1のストップ85から第2のストップ86までハンドル70−2の長手方向Lに移動される。この移動によって、第2の力伝達手段41を経由して第2の作動手段81に連結されたカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21の長手方向変位がもたらされる。
第2のスライド84の意図しない変位を防ぐために、第2の作動手段81は、使用時には第2のスライド84をハンドル70−2の本体70−2’に連結する固着要素89を備えている。第2のスライド84の第2のストップ86への長手方向変位は、固着要素89の取り外しあるいは非作動化後に可能となる。
図2は、経大腿的または経動脈的接近用に設計された挿入システム100−2のハンドル70−2のさらなる実施形態を示す部分分割側面図である。図2に示すハンドル70−2の実施形態による第1および第2の作動手段71,81の構成および操作モードは、図1を参照して前述したように、ハンドル70−2と構造的および機能的に同等である。従って、前述の要素と概して同様の図2の要素の参照番号は、同様の要素に対して用いた図1の参照番号と同じである。
しかしながら、図1を参照して説明したハンドル70−2とは対照的に、図2のハンドル70−2は、車輪の形態の第3の作動手段96を備えており、これによって、カテーテルシャフト30−2の屈曲リンク領域34が制御可能となる。しかしながら、カテーテルシャフト30−2は、こうした屈曲リンク領域34を単に任意的に備えていることに留意することは重要である。むしろ、カテーテルシャフト30−2の遠位端部の材料は、近位端部の材料に比べて柔軟性が高くてもよく、それによって、カテーテルシャフトの遠位端部は、カテーテル先端の挿入の間に大動脈弓を通過可能となる。
図2に示す典型的な実施形態では、第3の作動要素96は好適には、カテーテルシャフト30−2の屈曲リンク領域の設定偏向を固定するために戻り止め装置100−2を有する。例えば、第3の作動手段96のはずみ車上に、ハンドル70−2の本体70−2’と連携する適切な歯止め機構を設けられる。特に、カテーテルシャフト30−2の屈曲リンク領域34を制御ワイヤー35で第3の作動手段96に連結させることができ、これによって、制御ワイヤー35経由で第3の作動手段96を作動させた時に、引張力が屈曲リンク領域34に働いて屈曲リンク領域34を偏向させられる(図3b参照)。
しかしながら、カテーテルシャフト30−2がこうした屈曲リンク領域34を備えている場合、カテーテルシャフト30−2の屈曲リンク領域34を偏向させる第3の作動手段96として、別の実施形態を選ぶことももちろん可能である。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2のハンドル70−2は、図2に示す予張力装置を備えていてもよい。こうした予張力装置により、一定の引張力を第2の作動手段81を経由してカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に働かせられる。図2に示すように、予張力装置は、ハンドル70−2の本体70−2’に連結された第1のストップ97aと、第2の作動手段81の近位端領域に連結された第2のストップ97b間で予めストレスをかけられ、そのバネ軸にそって永続的にストレスをかけられる圧縮バネ97を有していてもよい。この点において、カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21には、所定の引張力が永続的に働いている。
図2の実施形態におけるバネ97によって実施される予張力装置は、カテーテルシャフト30−2が埋め込み手順の間に曲がる場合に、例えば、挿入システム100−2のカテーテル先端10−2が大動脈を通して挿入される場合に有利であり得る。カテーテルシャフト30−2が曲がる場合、カテーテルシャフト30−2の外側の繊維は短くなる。これは、予張力装置を用いて適切に相殺される。詳細には、縦軸Lに沿って走るカテーテルシャフト30−2の中立的ファイバーに対して屈曲リンク領域34が曲げられると、中立的ファイバーから放射状に離間されたカテーテルシャフト30−2の外側の繊維は短くなる。挿入システム100−2において、第2の作動手段81を第2のスリーブ状要素21に連結する第2の力伝達手段41は通常、カテーテルシャフト30−2の中立的ファイバーに沿って走っているため、カテーテルシャフト30−2が曲がると曲げ収縮が必然的に発生し、その結果、第1の作動手段71が固定されているにも拘らず、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11は、ステントホルダー15に対して近位方向に変位する。
曲げ手順の間に起こるカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11のこの長手方向変位は、プレストレス装置(バネ97)を用いて相殺される。なぜなら、プレストレス装置のバネ97は、第2の力伝達手段41に、従って、カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に一定の引張力を及ぼし、その結果、カテーテル先端10−2の遠位側端先端25を第1のスリーブ状要素11の遠位側端に対して常に押し付けるためである。これによって、例えば、カテーテル先端10−2が大動脈を通して挿入される場合にもたらされる偏向中であっても、カテーテル先端10−2は完全に閉じたままでいることが可能となる。
ハンドル70−2の第2の作動手段81の作動時に、第2のスライド84を、第2のストップ86上のプレストレス装置のバネ97により供給されたプレストレスに対して押し付けなければならない。
しかしながら、前述のタイプのプレストレス装置は、本明細書で開示されるような挿入システムには必須ではないことに留意することは重要である。
経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2のさらに典型的な実施形態を図3aおよび3bに示す。前述の要素と概して同様の図3aおよび3bの要素の参照番号は、同様の要素に対して用いた図1および2の参照番号と同じである。
図3aおよび3bに示す挿入システム100−2は、図1を参照して説明したタイプのカテーテルシステム1、すなわち、カテーテル先端10−2と;第1の力伝達手段31として働く第1のカテーテルチューブ32と、第2の力伝達手段41として働く第2のカテーテルチューブ42と、ガイド手段51として働くガイドチューブ52と、を備えるカテーテルシャフト30−2と、を有するカテーテルシステム1を備える。しかしながら、図1に示した挿入システム100−2の典型的な実施形態で利用したカテーテルシャフト30−2に反して、図3aおよび3bに示す挿入システム100−2のカテーテルシャフト30−2は、図2を参照して説明したタイプの屈曲リンク領域34を備える。
以下で説明するように、図3aおよび3bに示す挿入システム100−2は、カテーテル先端10−2の第1および第2のスリーブ状要素11,21を操作するために使用されるハンドル70−2の異なる実施形態を備える。
図3aに示す挿入システム100−2と共に使用されるハンドル70−2に関して、ハンドル70−2の端部領域は旋回機構98(回転手段)の形態をしており、これによって、カテーテルシャフト30−2の第2の力伝達手段41は、遠位側端先端25とそれに締結されたカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21とにより、カテーテル先端10−2の縦軸L周りにねじることができる。カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21は、緩いベアリングによってステントホルダー15に連結されており、これによって、第2のスリーブ状要素21とステントホルダー15間の旋回モーメントは伝達可能となるが、カテーテル先端10−2の縦軸L方向に働くいかなる引張力または圧縮力も伝達されない。従って、第2のスリーブ状要素21の旋回運動が旋回機構98によって誘導されると、ステントホルダー15も、それに応じて縦軸L周りに旋回する。
好適には、旋回機構98によって、ステントホルダー15は約120°のねじれが可能となる。従って、カテーテル先端10−2に収容されたステントの回転、特に、挿入システム100−2の第2の機能的状態で既に解放されている位置決めフープが制御可能となり、機能が不十分な生来の心臓弁のポケットにおけるステントの既に拡張した位置決めフープの正確な位置決めが容易になる。
好適には、旋回機構98によってもたらされ得るカテーテル先端10−2の縦軸L周りのステントホルダー15の回転運動は、旋回機構98によって開始された旋回モーメントに反応して所定の、好適には小さな遅れを示す。
図3aに示すハンドル70−2の実施形態はさらに、車輪の形態の第3の作動手段96を備えており、これによって、好適にはカテーテルシャフト30−2の遠位端領域に設けられた屈曲リンク34は偏向可能になる。
屈曲リンク領域34によってもたらされ得るカテーテルシャフト30−2の遠位端領域の偏向を図3bに概略的に示す。詳細には、一方で、好適にはカテーテルシャフト30−2の遠位端領域に設けられた屈曲リンク領域34に連結され、他方で、はずみ車として図3a,3bに示す実施形態で実施されるハンドル70−2の第3の作動手段96に連結された力伝達用装置(制御ワイヤー35、図8参照)が設けられる。
屈曲リンク領域34の曲率に対して指示した効果をもたらすために、好適には屈曲リンク領域34の遠位端あるいはカテーテル先端10−2の近位端(図8参照)に、第1の伝達手段31の内部を通過する力伝達装置を制御ワイヤー35として実施できる。制御ワイヤー35による屈曲リンク領域34に及ぼし得る引張力により、カテーテルシャフト30−2の遠位端領域の画定された曲率を得ることができる。これは、経動脈的/経大腿的接近の間の大動脈弓移動時に特に有利である。
埋め込み位置までの経動脈的/経大腿的接近に適した挿入システム100−2のさらに典型的な実施形態を図4および5に示す。前述の要素と概して同様の図4および5の要素の参照番号は、同様の要素に対して用いた図1,2,3aおよび3bの参照番号と同じである。
図1,2,3aおよび3bに示した典型的な実施形態と比較して、図4および5に示す実施形態は、ハンドル70−2の対応する作動手段71および81の実施に関して、第1にそして最も異なる。
図4の挿入システム100−2はハンドル70−2を有しており、これによって、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11の操作に使用される第1の作動手段71は、リボルバーの引き金に似たものとなる。治療を行う内科医などのユーザは、グリップ88でハンドル70−2を保持してもよく、リボルバーの引き金の形態の第1の作動手段71は、保持した手の人差し指で操作される。
図5に示す挿入システム100−2では、図3a,3bの挿入システム100−2と共に使用されるハンドル70−2に、図3の実施形態で設けられているグリップ88を除いて、構造的・機能的に対応するハンドル70−2が使用される。
以下、図6a〜6dおよび図7a〜7dを参照して、埋め込み位置までの経動脈的または経大腿的接近に適した挿入システム100−2の部品の機能的共働について説明する。前述の要素と概して同様の図6a〜6dおよび図7a〜7dの要素の参照番号は、同様の要素に対して用いた図1〜5の参照番号と同じである。
図6a〜6dを参照して、ステントを挿入システム100−2のカテーテル先端10−2に装着するための手順を説明する。図7a〜7dは、挿入システム100−2のカテーテル先端10−2に搭載されたステントの段階的解放を示す。
しかしながら、図6a〜6dに示すように、ステントをカテーテル先端10−2に装着する手順および、図7a〜7dに示すように、カテーテル先端10−2に搭載されたステントを段階的に解放するための手順は、本明細書で開示される経動脈的/経大腿的挿入システム100−2の他の典型的な実施形態にも当てはまることに留意することは重要である。
図6a〜6dおよび図7a〜7dの経動脈的/経大腿的挿入システム100−2用のハンドル70−2は、対応する第1の力伝達手段31経由で第1の作動手段71に関連付けられたカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に機能的に連結されたハンドル70−2に回転可能に搭載された車輪を有しており、その結果、力は、車輪の形態の第1の作動手段71からカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に直接伝達され得る。
詳細には、図6a〜6dおよび図7a〜7dのハンドル70−2の第1の作動手段71では、車輪の形態の第1の作動手段71は第1のストップと第2のストップ間で旋回して、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に対して画定可能な長手方向変位ストロークを実行できるように規定されている。 ハンドル70−2の第1の作動手段71は、第1および第2のストップ間に補足のストップを備えており、該補足のストップは、一方では第1のストップと連携し、他方では第2のストップと連携して、第1の作動手段71の作動時に、カテーテル先端10−2のステントホルダー15に対し、2つの画定された別個のステップから成る、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11の長手方向変位をもたらし得る。
車輪の形態で用いられる第1の作動手段71では、これに関連付けられた補足のストップは、車輪とカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11間の力の流れに取り外し可能に配置されたロック要素77’の形態をしており、車輪からカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11への力の直接伝達を遮断する。しかしながら、第1の作動手段71に関連付けられた補足のストップを、第1および第2のストップ間の車輪の自由な回転を制限するロック要素の形態とすることも可能である。
しかしながら、経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2と共に使用されるハンドル70−2の第1の作動手段71を、車輪ではなく、プッシャー機構として実施することも原則的にはもちろん可能である。
例えば、図6a〜6dおよび図7a〜7dの挿入システム100−2の実施形態と共に使用されるハンドル70−2に関して、第2の作動手段81は、第2のガイド82に誘導され第2のプッシャー83に機能的に連結された第2のスライド84を有するように規定されている。ハンドル70−2の内部に誘導され、従って、図6a〜6dおよび図7a〜7dでは示されていないこの第2のスライド84は、第2の力伝達手段41によって第2の作動手段81に関連付けられたカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に機能的に連結されており、その結果、第2の作動手段81の作動時に、力は、第2のスライド84からカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に直接伝達される。
第2の作動手段81は、第1の位置と第2の位置間でハンドル70−2の長手方向に変位でき、それによって、第2の力伝達手段41経由でもたらされる長手方向変位ストロークは、カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に直接伝達される。第1および第2の位置はそれぞれ、第1および第2のストップ85,86を用いて画定される。
使用される場合、第2のガイド82上に取り外し可能に配置され、第2の作動手段81に関連付けられた(第2の)スライド84の長手方向変位を阻止する固着要素89は、第2の作動手段81に関連付けて設けられる。
図6a〜6dおよび図7a〜7dに示す実施形態の経動脈的/経大腿的挿入システム100−2と共に使用されるハンドル70−2は、ハンドル70−2の操作性、特に、ハンドル70−2の操作適合性を容易にする任意のグリップ88をさらに備える。グリップ88は好適には、ハンドル70−2の本体70−2’に解放可能に連結され、ハンドル70−2の本体70−2’上の異なる位置で任意に固定され得る。
例えば、図6a〜6dおよび図7a〜7dに示す挿入システム100−2と共に使用され、カテーテル先端10−2に収容されたステントの埋め込み位置までの経動脈的/経大腿的接近を可能とするカテーテル先端10−2の構造に関して、カテーテル先端10−2は、例えば、その中に収容され得るステントの第2の保持領域を解放可能に固定するステントホルダー15を有する。王冠の形態のステントホルダー15の保持要素16は、ステントホルダー15の近位端に設けられる。
経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2のカテーテル先端10−2はさらに、必要に応じて心臓代用弁が締結される心臓弁ステントを搭載する取付け装置を備える。詳細には、カテーテル先端10−2の取付け装置は、特に、ステントの位置決めフープを収容する第1のスリーブ状要素11と、特に、必要に応じて締結された心臓代用弁を収容する第2のスリーブ状要素21から成る。
図6a〜6dおよび図7a〜7dの実施形態のハンドル70−2の第1の作動手段71は、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11と連携し、第1の作動手段71の作動時に、画定された長手方向変位ストロークを伝達することによって、ステントホルダー15に対する第1のスリーブ状要素11の所定の長手方向変位をもたらし得る。一方、図6a〜6dおよび図7a〜7dによる挿入システム100−2では、ハンドル70−2の第2の作動手段81の作動時に、第2の作動手段81はカテーテル先端の第2のスリーブ状要素21と連携して、画定された長手方向変位ストロークを伝達することによって、カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21を、ステントホルダー15に対して長手方向に所定量変位させる。
必要に応じて心臓代用弁が締結されたステントの保持フープを収容するために用いられる第2のスリーブ状要素21はカテーテル先端10−2の遠位端領域に位置し、第1のスリーブ状要素11は第2のスリーブ状要素21とハンドル70−2間に位置する。
図6a〜6dおよび図7a〜7dに示す挿入システム100−2では、ハンドル70−2の第2の作動手段81をカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に連結する第2の力伝達手段41は、カテーテルまたはチューブ系の内部を通過する内側カテーテルの形態であることが好ましい。ハンドル70−2の第1の作動手段71をカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に連結する第1の力伝達手段31は外側カテーテルの形態をしており、その内部には、第1の力伝達手段31が内側カテーテルの形態で走っている。
第2の作動手段81の作動時に、第2のスリーブ状要素21は、ステントホルダー15に対してカテーテル先端10−2の長手方向Lを遠位方向に、従ってハンドル70−2から離れる方向に移動され得、一方、ハンドル70−2の第1の作動手段71の作動時に、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11は、ステントホルダー15に対してカテーテル先端10−2の長手方向Lを近位方向に、従ってハンドル70−2に向かって移動され得る。
以下、図6a〜6dおよび図7a〜7dの経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2により、作動手段71,81それぞれの作動時にもたらされ得るカテーテル先端10−2のスリーブ状要素11,21それぞれの操作について、特に図7a〜7dを参照して詳細に説明する。
経動脈的/経大腿的挿入システム100−2の一実施形態を、図7a〜7dの4つの異なる機能的状態で示す。詳細には、第1の機能的状態の挿入システム100−2を図7aに示すが、ここでは、カテーテル先端10−2と、必要に応じて、その中に収容されたステントと、を有するカテーテルシャフト30−2は、経動脈的または経大腿的に患者に挿入され、大動脈を経由して埋め込み場所まで進められる。
図7aの挿入システム100−2の第1の機能的状態では、カテーテル先端10−2は完全に閉じており、カテーテル先端10−2の2つのスリーブ状要素11,21は伸縮自在に重なっている。スリーブ状要素11,21のそれぞれの直径は、必要に応じて心臓代用弁が締結されたステントの折り畳まれた保持フープが第2のスリーブ状要素21内に収容されるように選択される。第2のスリーブ状要素21と第1のスリーブ状要素11間に収容されたステントの折り畳まれた位置決めフープは、折り畳まれた形態で互いに保持される。
ステントの第2の保持領域は、図7aに示すように、ステントホルダー15がカテーテル先端10−2の近位端に固定された挿入システム100−2の第1の機能的状態で示される。この目的のために、ステントの第2の保持領域に設けられた保持要素(保持リングなど)は、ステントホルダー15の保持要素16と係合する。
ステントホルダー15の保持要素16は、図7aに示す第1の機能的状態では、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11で被覆されており、そのために、ステントの第2の保持領域上に設けられた保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合が可能であろう。
図7aに示す挿入システム100−2の第1の機能的状態は、経動脈的挿入手順の間維持される。埋め込み位置に達すると、挿入システム100−2は、第1の作動手段71(図7a〜7dの車輪の実施形態に示される)を第1の位置から第2の位置に移動させることによって、図7aに示す第1の機能的状態から図7bに示す第2の機能的状態に遷移される。第1の作動手段71の作動によりカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に伝達された長手方向変位ストロークによって、ステントホルダー15に対して第1のスリーブ状要素11の近位方向の、従ってハンドル70−2に向かう変位がもたらされる。
第1の機能的状態(図7a参照)から第2の機能的状態(図7b参照)への遷移の間、対応する第1の力伝達手段31を経由してハンドル70−2の第1の作動手段71により、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に対して実行される長手方向変位ストロークは、カテーテル先端10−2に収容されたステントの位置決めフープは解放されるが、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11の遠位端はステントホルダー15の保持要素16を依然として被覆している距離だけ、第1のスリーブ状要素11がステントホルダー15に対して近位方向に変位するように予め画定されているため、ステントの第2の保持領域に設けられた保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合は確実になるであろう。
第2のスリーブ状要素21は、第1の機能的状態から第2の機能的状態への遷移の間は操作されないので、心臓代用弁が締結されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの第1の保持領域は、互いに折り畳まれた状態で第2のスリーブ状要素21のスリーブ状要素内に収容され続けるであろう。
挿入システム100−2の第2の機能的状態において解放されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの位置決めフープは、それらに働く径方向力により開き、機能が不十分な生来の心臓弁のポケットに位置決めされ得る。ステントの位置決めフープを生来の心臓弁のポケットに適切に位置決め後、挿入システム100−2は、図7bに示す第2の機能的状態から図7cに示す第3の機能的状態に遷移される。これは、第2の作動手段81に関連付けられた固着要素89を取り外した後に第2の作動手段81を操作することによって行われる。
第2の作動手段81の作動時に、第2の作動手段81に関連付けられたカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21は、第2の作動手段81で画定される予め定められた長手方向変位ストロークによって、ステントホルダー15に対して遠位方向に、従ってハンドル70−2から離れる方向に移動される。第2のスリーブ状要素21に働く長手方向変位ストロークは、必要に応じて心臓代用弁が締結されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの第1の保持領域をスリーブ状要素21がもはや被覆せず、従って、ステントの第1の保持領域を解放するように選択される。径方向力の働きによって、必要に応じて心臓代用弁が取り付けられたステントの遠位保持領域は完全に広がる。
ハンドル70−2の第1の作動手段71と、カテーテル先端10−2の関連付けられた第1のスリーブ状要素11は、図7bの第2の機能的状態から図7cの第3の機能的状態への遷移の間は操作されないので、第1のスリーブ状要素11の遠位端領域はステントホルダー15の保持要素16を被覆し続け、カテーテル先端10−2に収容されたステントの保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合は確実となり、ステントの近位保持領域は折り畳まれた状態である。挿入システム100−2のカテーテル先端10−2へのステントのこの固定によって、ハンドル70−2の第2の作動手段81を適切に操作して挿入システム100−2を第3の機能的状態から第2の機能的状態に戻し、その後、第1の作動手段71を好適に作動させて第1の機能的状態に遷移させることによって、すでに部分的に広がったステントの外植が可能となる。
必要に応じて心臓代用弁が取り付けられたステントの外植が不要であれば、固着要素79(ロック要素)を取り外した後、ハンドル70−2の第1の作動手段71を第2の位置から第3の位置までさらに旋回させることによって、挿入システム100−2は、図7cに示す第3の機能的状態から図7dに示す第4の機能的状態に遷移される。固着要素79を取り外した後に可能となる第1の作動手段71の操作によって、ステントホルダー15に対して近位方向の、従ってハンドル70−2に向かう、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11のさらに画定された移動が得られる。第1のスリーブ状要素11に対して実行される長手方向変位ストロークは、第1のスリーブ状要素11の遠位端がステントホルダー15の保持要素16をもはや被覆せず、その結果、カテーテル先端10−2に収容されたステントの保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合が解放されるように選択され、それによって、ステントの第2の保持領域は完全に解放され、ステントはカテーテル先端10−2から完全に分離し、それに応じてステントは完全に広がるであろう。
図7a〜7dを参照して説明した経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2の4つの機能的状態は、ステントを挿入システム100−2のカテーテル先端10−2に装着するための手順を明確にするために、図6a〜6dでは逆順で示す。図6a〜6dと図7a〜7dとを比較すると、第2のスリーブ状要素21上のステントホルダー15と、第2のスリーブ状要素21の方向の第1の保持領域間にステントを配置後、図6a(図7d参照)の第4の機能的状態からスタートして、図6b(図7c参照)の第3の機能的状態に挿入システム100−2を遷移させることによって、挿入システム100−2に心臓弁ステントが装着され得ることがわかる。その後、挿入システム100−2の残りの機能的状態が段階的に取り込まれて、図6dに示す挿入システム100−2は最終的に、カテーテル先端10−2が閉じた第1の機能的状態になる。
図9を参照して、カテーテル先端10−2の典型的な実施形態を説明する。前述の要素と概して同様の図9の要素の参照番号は、同様の要素に対して用いた図1〜7dの参照番号と同じである。
以下、カテーテルシャフト30−2の典型的な実施形態について、図9を参照して説明する。このカテーテルシャフト30−2は、経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2と共に使用できる。
詳細には、図9は、挿入システム100−2用のシャフトの典型的な実施形態を示す横断面図である。
カテーテルシャフト30−2は、ハンドル70−2の第1の作動手段71をカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に連結するための第1のカテーテルチューブ32の形態の第1の力伝達手段31を備える。特に図1からわかるように、第1のカテーテルチューブ32として実施される第1の力伝達手段31は、ねじ蓋74’と第1の作動手段71の第1のスライド74間でクランプされ、その結果、第1のスライド74に取り外し不能に連結される。第1のカテーテルチューブ32の遠位側端領域は、ステントシースの形態のカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11内に結合する。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2と共に使用されるカテーテルシャフト30−2の第2の力伝達手段41は、好適には、第2のカテーテルチューブ42として実施される。第2のカテーテルチューブ42の近位側端領域は、ハンドル70−2の第2の作動手段81に連結される。第2のカテーテルチューブ42の近位側端領域は、カテーテル先端10−2のカテーテル端先端25に連結される。カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21は、遠位側端によってカテーテル先端10−2の端先端25に取り外し不能に連結され、その結果、第2のカテーテルチューブ42の形態の力伝達手段41を経由した第2の作動手段81の作動時に、引張力または圧縮力がカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に伝達される。
カテーテル先端10−2の典型的な実施形態はさらに、カテーテル先端10−2の近位端部にステントホルダー15を備える。ステントホルダー15は、その中に延在する経路を有する。第2の力伝達手段41(第2のカテーテルチューブ42)の遠位端部は、ステントホルダー15の経路を通過し、第2のスリーブ状要素21で終了する。
カテーテル先端10−2のスリーブ状要素11,21はそれぞれ、ハンドル70−2の対応する作動手段71,81(図9には示さず)によって操作できる。詳細には、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11は、第1の力伝達手段31を用いてハンドル70−2の第1の作動手段71に連結される。一方、カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21は、第2の力伝達手段41を用いてハンドル70−2の第2の作動手段81に連結される。カテーテルシャフト30−2の好適な実施形態では、第1の力伝達手段31は、第1の管腔を画定する第1のカテーテルチューブ32で構成され、第2の力伝達手段41は、第2の管腔を画定する第2のカテーテルチューブ42で構成される。第2のカテーテルチューブ42の横断面は、第2のカテーテルチューブ42と同心状および同軸状に配置された第1のカテーテルチューブ32のそれより小さい。
図9に示すように、第2のカテーテルチューブ42の遠位端部は、第2のスリーブ状要素21の開口正面を通過し、第2のスリーブ状要素21の遠位正面を画定するカテーテルシステム1の円錐形の端先端25で終了する。
カテーテルシステム1の端先端25は好適には、例えば柔軟なポリマーカテーテル端先端などの柔軟なカテーテル端先端である。
第1のカテーテルチューブ32は、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11を画定するより広い横断面を有する部分の中間の張出部の後の遠位端で終了する。図9からわかるように、張出部は、第1のカテーテルチューブ32の遠位端部と一体に形成される。張出部の長さは、カテーテル先端10−2に収容されるつぶれたステントのそれより長く、この2つの長さの差は、ステントホルダー15の長さを表わす。
図9に示すカテーテル先端10−2に連結されるカテーテルシャフト30−2も、図1の典型的な実施形態を参照して説明したタイプのガイドチューブ52を備える。
ガイドチューブ52の遠位端は、カテーテル先端10−2に対する近位で終了する。ガイドチューブ52は、第1および第2のカテーテルチューブ32,42が、ガイドチューブ52に対して可動となるように受け入れられる経路を画定する。
ガイドチューブ52の遠位端は、カテーテルシャフト30−2上のその可能な位置の1つで第1のカテーテルチューブ32に接するように先細りであってもよい。
典型的な実施形態によるカテーテルシャフト30−2の横断面図である図10aを参照する。
図10aからわかるように、第2のカテーテルチューブ42の形態の第2の力伝達手段41は、第1のカテーテルチューブ32の内部のカテーテルシャフト30−2の中立的な繊維にそって走っている。第1のカテーテルチューブ32と第2のカテーテルチューブ42間のスペースを充填材で充填して、充填体40を形成してもよい。充填材は、カテーテルシャフト30−2が全体として曲がるように、比較的弾性のプラスチック材料であることが好ましい。充填体40は、カテーテル先端10−2のステントホルダー15をハンドル70−2の本体70−2’に連結するために使用される。
あるいは、カテーテル先端10−2のステントホルダー15をハンドル70−2の本体70−2’に連結するためにステントホルダーチューブ62を用いてもよい。ステントホルダーチューブ62は、ステントホルダー15に連結された遠位端と、ハンドル70−2の本体70−2’に接続された近位端と、ステントホルダーチューブ62を通って延在する経路と、を有していてもよい。ステントホルダーチューブ62の横断面は、第1のカテーテルチューブ32のそれより小さく第2のカテーテルチューブ42のそれより大きいことが好ましく、ここで、第1のカテーテルチューブ32は、ステントホルダーチューブ62と同心状および同軸状に配置されているため、ステントホルダーチューブ62が収容されて、第1のカテーテルチューブ32は、ステントホルダーチューブ62に対して可動となる。ステントホルダーチューブ62の経路の直径は第2のカテーテルチューブ42の収容に十分なものであるため、第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダーチューブ62に対して可動となる。
図1に示すように、充填体40(あるいはステントホルダーチューブ62)は、固定87によってハンドル70−2の本体70−2’に連結されてもよい。ステントホルダー15の近位側端領域は、充填体40の遠位側端領域で付着する(図8参照)。ステントホルダー15と充填体40間の連結は、充填体40に対してステントホルダー15が回転できるように選択されることが好ましい。これは、埋め込み手順の間にすでに部分的に解放されたステントの位置決めフープの回転を制御するために特に必要である(図12a参照)。
代替案として、完全なカテーテルシステム1は、カテーテル先端10−2に連結されたステントの適切な位置決めのために回転可能であり、特に、埋め込み手順の間にすでに部分的に解放されたステントの位置決めフープは回転可能である。これは、トルクとカテーテルシステム1の柔軟性の適切な伝達によって可能である。
ステントホルダーチューブ62が、カテーテル先端10−2のステントホルダー15をハンドル70−2の本体70−2’に連結するために使用される場合、ステントホルダーチューブ62は、第1および第2のカテーテルチューブ32,42に対しカテーテルシステム1の縦軸L周りに回転可能であってもよい。これに関しては、図10bの典型的な実施形態を参照して後でより詳細に説明する。
一方、第2のカテーテルチューブ42の形態の第2の力伝達手段41は、例えば、ハンドル70−2の近位端領域に設けられ得る回転可能なキャップ98によって長手方向L周りに旋回できる。この回転運動は、第2のカテーテルチューブ42からカテーテル先端10−2の端先端25に、従って、カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に直接伝達される。
第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダー15の本体を通って走り、適切なトゥーシングによりステントホルダー15と連携し、ハンドル70−2の回転式キャップによって、第2のカテーテルチューブ42に働いた旋回モーメントをステントホルダー15に伝達し、カテーテル先端10−2の長手方向Lに働く引張力または圧縮力は、第2のカテーテルチューブ42からステントホルダー15には伝達されないことが特に好ましい。
図10aにも見られるように、少なくとも1つの流路43がカテーテルシャフト30−2の充填体40に設けられていてもよく、この流路43は、近位側端で注入アダプター99bに連結され(図2参照)、遠位側端でそれに応じてカテーテル先端10−2に連結されており、その結果、流体のカテーテル先端10−2への供給とカテーテル先端10−2からの排出が確実に行われる。
さらに、制御ワイヤー(制御ワイヤー35、図8参照)を収容するために、チャネルが充填体40に設けられていてもよい作動手段と共に、カテーテルシャフト30−2がこうした屈曲リンク領域(図3a,3bおよび図2参照)を備えている場合、屈曲リンク領域と協力してもよい。図8では、制御ワイヤー35の遠位側端は、ステントホルダー15の近位側端領域に固定されている。
別の典型的な実施形態によるカテーテルシャフト30−2の横断面図である図10bを参照する。
図10bの実施形態によれば、第1の力伝達手段31は、第1の管腔を画定する第1のカテーテルチューブ32で構成されていてもよく、第2の力伝達手段41は、第2の管腔を画定する第2のカテーテルチューブ42で構成される。第2のカテーテルチューブ42の横断面は、第1のカテーテルチューブ32の横断面より小さくてもよい。第1のカテーテルチューブ32は、第2のカテーテルチューブ42と同心状および同軸状に配置されていてもよく、第2のカテーテルチューブ42は、第1のカテーテルチューブ32で画定された第1の管腔内に受け入れられる。
ステントホルダー62は、ステントホルダー15をハンドル70−2に連結するために設けられており、ステントホルダー15に連結された遠位端と、ハンドル70−2の本体70−2’に連結された近位端と、を有する。
図10bからわかるように、ステントホルダーチューブ62の横断面は、第1のカテーテルチューブ32の横断面より小さくてもよい。特に、第1のカテーテルチューブ32は、一方で第2のカテーテルチューブ42と同心状および同軸状に、他方でステントホルダーチューブ62と同心状および同軸状に配置されてもよい。好適には、ステントホルダーチューブ62の横断面は、第1のカテーテルチューブ32の横断面より小さく第2のカテーテルチューブの横断面より大きいため、ステントホルダーチューブ62は、第1のカテーテルチューブ32で画定された第1の管腔内に受け入れられ、第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダーチューブ62で画定された経路内に受け入れられる。ステントホルダーチューブ62で画定された経路の直径は第2のカテーテルチューブ42の収容に十分なものであるため、第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダーチューブ62に対して可動となる。
第2のカテーテルチューブ42で画定された第2の管腔の直径は、ガイドワイヤー180の収容に十分なものである。第2のカテーテルチューブ42は、例えば、ニチノール、ステンレス鋼あるいは剛塑性材料などの剛性材料から成っていてもよい。第2のカテーテルチューブ42の遠位端部の材料は、近位端部の材料に比べて柔軟性が高くてもよく、それによって、カテーテルシャフト30−2の遠位端部は、カテーテル先端10−2の挿入の間に大動脈弓を通過可能となる。例えば、ガイドチューブ52は17F−カテーテルチューブであってもよく、第1のカテーテルチューブ32は12F−カテーテルチューブであってもよい。
図10bに示される典型的な実施形態によれば、ステントホルダーチューブ62は、例えば、剛塑性材料、ステンレス鋼またはニチノールなどの剛性材料から成る。ステントホルダーチューブ62の遠位端は、同様に、例えば剛塑性材料またはステンレス鋼などの剛性材料から成るステントホルダー15で終了する。ステントホルダーチューブ62で画定された経路は、ステントホルダー15を通過するチャネルと一直線になっている。このように、第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダーチューブ62とステントホルダー15に対して可動となるように、ステントホルダーチューブ62の経路内とステントホルダー15のチャネル内とに収容される。
経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2の実施形態は、ハンドル70−2の近位端に第1の注入アダプター99aを有していてもよい。この第1の注入アダプター99aは、挿入システム100−2のフラッシングのため、また、ガイドワイヤー180の出口として使用され、このアダプターにより、カテーテルシャフト30−2の遠位端に設けられたカテーテル先端10−2を有するカテーテルシャフト30−2の患者の身体への実際の導入が容易になる。これによって、カテーテルシャフト30−2、カテーテル先端10−2およびハンドル70−2はガイドワイヤー180内に通され、例えば、大動脈内をそれに沿って患者の心臓まで押し込まれる。
経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2の実施形態では、第2の注入アダプター99bがさらに設けられてもよく、それによって、冷却液などが、例えば、カテーテルシャフト30−2の内部に形成された流路43(図10a参照)を経由して、カテーテル先端10−2まで通過できる。挿入システム100−2が、カテーテル先端10−2が伸縮自在に配置されたスリーブ状要素11および21によって完全に包囲されている第1の機能的状態にある限り、こうした冷却液を用いて、カテーテル先端10−2に収容されたステントは、カテーテル先端10−2が埋め込み位置へ進められている間、適切に冷却され得る。
第2の注入アダプター99bによりもたらされる、カテーテル先端10−2に収容されたステントのための冷却供給は、形状記憶材料がステント材料として使用され、また、ステントが、外部刺激の影響下で一時的形態から永続的な形態に変形できる場合に特に有利である。ここで、一時的形態は、ステントの第1の構成(ステントがカテーテル先端10−2に収容されている時の折り畳まれた状態)で存在し、永続的な形態は、ステントの第2の構成(ステントがカテーテル先端10−2から解放された後の拡張した状態)で存在する。
前述の挿入システム100−2の実施形態では、ガイドチューブ52は、それが患者の身体の蛇行した経路をねじれることなく越えられる材料から成っていることが好ましい。例えば、ガイドチューブ52は、内部の滑らかなライナーと、外部のポリマージャケットと、該内部層と外部層間のコイル補強と、を備えていてもよい。また、ガイドチューブ52の遠位端の正確な配置を可能とするために、少なくとも1つの放射線不透過性のバンドまたは部材がガイドチューブの材料内に組込まれていることが好ましい。
一方、カテーテルシャフト30−2の第1および第2のカテーテルチューブ32,42は、柔軟で滅菌可能な材料から成っていることが好ましい。これらの材料としては、例えば、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロンおよびまたは、例えばPebax(登録商標)などのポリエーテルブロックアミドが挙げられる。さらに、第1のカテーテルチューブ32およびまたは第2のカテーテルチューブ42は、少なくとも部分的には、ガイドチューブ52より剛性の低い材料から成る。典型的な実施形態では、第1のカテーテルチューブ32およびまたは第2のカテーテルチューブ42は、少なくとも部分的には、編組ワイヤー構造から成る。また、ステントホルダーチューブ62も少なくとも部分的には、編組ワイヤー構造から成る。
本開示の異なる実施形態における個々の特徴は、任意の適切な方法で組み合わせられる。
以下、患者の心臓弁狭窄症およびまたは心臓弁閉鎖不全症治療用の医療機器の好適な実施形態について、図12a〜12cを参照して説明する。図示のように、医療機器は、例えば図1〜図10bを参照して詳細に説明したように、経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2を備える。
医療機器は、挿入システム100−2に加えて、埋め込まれる心臓代用弁160が締結される挿入システム100−2のカテーテル先端10−2に搭載された拡張型心臓弁ステント150を有する。ステント150は、第1の機能的状態(図示せず)では、折り畳まれた状態の第1の所定の構成を呈する。一方、ステント150は、埋め込まれると拡張した状態で存在する第2の所定の構成を取るように設計されている。
上記の挿入システム100−2を使用することによって、ステント150は、埋め込み手順の間、所定の一連の事象に続いて、第1の所定の構成から第2の所定の構成に段階的・遂次的に遷移される。
詳細には、図12a〜12cの医療機器と共に使用されるステント150は、心臓代用弁160が取り付けられる第1の保持領域を備える。ステント150はさらに、それぞれが保持リングの構成であり、カテーテル先端10−2に設けられたステントホルダー15の保持要素16と解放可能に係合できる3つの保持要素151を有する第2の保持領域を備える。
また、ステント150は、心臓代用弁160を収容する3つの保持フープ153と、ステント150を埋め込み場所に自動的に位置決めする3つの位置決めフープ154と、を有しており、ここで、ステント150のそれぞれの位置決めフープ154は、埋め込み手順の間およびステント150が埋め込まれた状態で、特に、挿入システム100−2の第2の機能的状態から、生来の心臓弁のポケット170に係合するように機能的および構造的な点で設計されている。詳細には、各位置決めフープ154とその関連付けられた保持フープ153は本質的に、ステント150の遠位端に向けて閉じているU字状またはV字状の構造を有する。
挿入システム100−2と共に医療機器の基礎を形成するステント150は、侵襲性が最小の挿入システム100−2を用いることによって、患者の身体への挿入に特に適したものになる。ステント150の典型的な特徴は、心臓代用弁160が取り付けられたステント150を患者の大動脈に自動的に位置決めする機能をステント150の3つの位置決めフープ154が有していることである。位置決めフープ154は、アール形状のヘッド部を有しており、それは、埋め込み場所でのステント150の位置決めの間、心臓代用弁に置換される機能不十分な心臓弁のポケット170に係合する。合計3つの位置決めフープ154を設けることによって、回転方向における必要な位置決め精度に対処している。
図12aに示したこの状態で、経動脈的または経大腿的挿入システム100−2のカテーテル先端10−2およびカテーテルシャフト30−2は、患者の鼠径部動脈を穿刺して挿入され、カテーテル先端10−2は、ガイドワイヤー180によって埋め込み場所まで進められる。使用される挿入システム100−2は、図12aの第2の機能的状態で既に詳細に示している。経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2の第2の機能的状態は、例えば図7bを参照して既に説明した。
第2の機能的状態では、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11は、近位方向に、従ってハンドル70−2に向けて、第1の所定量だけすでに移動されており、ステント150の位置決めフープ154は解放されている。図12aに示すステント150のこれらの既に拡張した位置決めフープ154は、必要であれば、カテーテル先端10−2のステントホルダー15の適切な回転によって、生来の心臓弁位置のポケット170に配置される。生来の心臓弁のポケット170への位置決めフープ154の位置決めが完了後、挿入システム100−2は、第2の機能的状態(図7b参照)から第3の機能的状態(図7c参照)に遷移される。
挿入システム100−2が第3の機能的状態に遷移される方法については、例えば図7cを参照して既に説明した。図12bは、図12aによる挿入システム100−2を示しており、そこでは、第2のスリーブ状要素21は遠位方向に変位し、保持フープ153を有するステント150の第1の保持領域およびそれらに取り付けられた心臓代用弁160は解放されている。これらの部品は、径方向力の影響を受けて開口し、それによって、古い心臓弁は、位置決めフープ154と保持フープ153間でクランプされる。
心臓代用弁160の機能をチェック後、挿入システム100−2はその後、例えば図7dを参照して既に説明したように、第3の機能的状態から第4の機能的状態に遷移される。図12は、挿入システム100−2の第4の機能的状態への遷移が心臓代用弁160およびステント150に及ぼす影響を示す。
詳細には、挿入システム100−2の第4の機能的状態では、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11は、保持要素151のステント150の第2の保持領域上への固定が解放された結果、近位方向にさらに変位していることがわかる。これによって、ステント150の第2の保持領域も拡張して血管壁を押し付けるという結果がもたらされる。
最終的に、挿入システム100−2のカテーテル先端10−2とカテーテルシャフト30−2は、患者の身体から再び取り外される。
心臓弁ステント150が埋め込まれると、古い(機能が不十分な)心臓弁は、特に図12cに見られるように、ステント150の自己拡張性により、同時に血管壁に押し付けられる。特に、機能が不十分な生来の心臓弁の半月状心臓弁は、ステント150の拡張により位置決めフープ154と保持フープ153間でクランプされ、さらに、ステント150の第1の保持領域上に位置する心臓代用弁160は、最適に位置決めされて安定的に固定される。
開示された本解決策によって、カテーテル先端10−2に搭載可能なステントを有する改善された挿入システム100−2が提供される。ステントは、特別の挿入システム100−2によって経動脈的に挿入されて最適に位置付けられ、その結果、ステントの第1の保持領域に縫い付けられた心臓代用弁は、機能が不十分あるいは狭窄した生来の心臓弁の機能を請け負うことができる。ステントの自己拡張性により発現した径方向力によって、大動脈領域での確実な固定が保証される。挿入システム100−2のカテーテルシステム1は、好適には、21F−挿入チューブおよび0.035’’ガイドワイヤー180と同等の18〜21F−イントロデューサである。経動脈的接近用のカテーテルシステム1の長さは少なくとも100cmでなければならない。カテーテルシステム1の遠位領域に任意に設けられる屈曲リンク領域は、好適には約30cmである。
拡張型心臓弁ステントの経大腿的/経動脈的挿入用の挿入システムのためのカテーテル先端10−2のさらなる実施形態の4つの異なる機能的状態を図13a〜13dに示す。詳細には、第1の機能的状態のカテーテル先端10−2を図13aに示すが、ここでは、カテーテル先端10−2と、必要に応じてその中に収容されたステントと、を有するカテーテルシャフトは、経動脈的または経大腿的に患者に挿入され、大動脈を経由して埋め込み場所まで進められる。
図13aのカテーテル先端10−2の第1の機能的状態では、カテーテル先端10−2は完全に閉じており、カテーテル先端10−2の2つのスリーブ状要素11、21は接している。この実施形態では、カテーテル先端10−2の2つのスリーブ状要素11,21の横断面外径は互いに等しく、そのために、図13aの状態では段差は形成されない。スリーブ状要素11,21のそれぞれの内径は、必要に応じて心臓代用弁が締結されたステントの折り畳まれた保持フープが第2のスリーブ状要素21内に収容されるように選択される。第2のスリーブ状要素21と第1のスリーブ状要素11間に収容されたステントの折り畳まれた位置決めフープは、折り畳まれた形態で互いに保持される。
カテーテル先端10−2の第1の機能的状態では、図13aに示すように、ステントの第2の保持領域は、ステントホルダー15により、カテーテル先端10−2の近位端で固定される。この目的のために、ステントの第2の保持領域に設けられた保持要素(保持リングなど)は、ステントホルダー15の保持要素16と係合する。
ステントホルダー15の保持要素16は、図13aに示す第1の機能的状態では、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11で被覆されており、そのために、ステントの第2の保持領域上に設けられた保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合が可能であろう。
図13aに示すカテーテル先端10−2の第1の機能的状態は、経動脈的挿入手順の間維持される。埋め込み位置に達すると、カテーテル先端10−2は、ハンドルの第1の作動手段(図7a〜7dの車輪の実施形態に示される第1の作動手段71)を第1の位置から第2の位置に移動させることによって、図13aに示す第1の機能的状態から図13bに示す第2の機能的状態に遷移される。第1の作動手段71の作動によりカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に伝達された長手方向変位ストロークによって、ステントホルダー15に対して第1のスリーブ状要素11の近位方向の、従ってハンドル70−2に向かう変位がもたらされる。
第1の機能的状態(図13a参照)から第2の機能的状態(図13b参照)への遷移の間、対応する第1の力伝達手段31を経由してハンドル70−2の第1の作動手段71により、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に対して実行される長手方向変位ストロークは、カテーテル先端10−2に収容されたステントの位置決めフープは解放されるが、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11の遠位端はステントホルダー15の保持要素16を依然として被覆している距離だけ、第1のスリーブ状要素11がステントホルダー15に対して近位の方向に変位するように予め画定され、その結果、ステントの第2の保持領域に設けられた保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合は確実になるであろう。
第2のスリーブ状要素21は、第1の機能的状態から第2の機能的状態への遷移の間は操作されないので、心臓代用弁が締結されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの第1の保持領域は、互いに折り畳まれた状態で、第2のスリーブ状要素21のスリーブ状要素内に収容され続けるであろう。
カテーテル先端10−2の第2の機能的状態において解放されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの位置決めフープは、それらに働く径方向力により開き、機能が不十分な生来の心臓弁のポケットに位置決めされ得る。ステントの位置決めフープを生来の心臓弁のポケットに適切に位置決め後、カテーテル先端10−2は、図13bに示す第2の機能的状態から図13cに示す第3の機能的状態に遷移される。これは、ハンドルの第2の作動手段81に関連付けられた固着要素89を取り外した後に第2の作動手段81を操作することによって行われる。
ハンドルの第2の作動手段81の作動時に、第2の作動手段81に関連付けられたカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21は、第2の作動手段81で画定される予め定められた長手方向変位ストロークによって、ステントホルダー15に対して遠位方向に、従ってハンドル70−2から離れる方向に移動される。第2のスリーブ状要素21に働く長手方向変位ストロークは、必要に応じて心臓代用弁が締結されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの第1の保持領域をスリーブ状要素21がもはや被覆せず、従ってステントの第1の保持領域を解放するように選択される。径方向力の働きによって、必要に応じて心臓代用弁が取り付けられたステントの遠位保持領域は完全に広がる。
ハンドル70−2の第1の作動手段71と、カテーテル先端10−2の関連付けられた第1のスリーブ状要素11は、図13bの第2の機能的状態から図13cの第3の機能的状態への遷移の間は操作されないので、第1のスリーブ状要素11の遠位端領域はステントホルダー15の保持要素16を被覆し続け、カテーテル先端10−2に収容されたステントの保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合は確実となり、ステントの近位保持領域は折り畳まれた状態である。挿入システム100−2のカテーテル先端10−2へのステントのこの固定によって、ハンドル70−2の第2の作動手段81を適切に操作してカテーテル先端10−2を第3の機能的状態から第2の機能的状態に戻し、その後、第1の作動手段71を好適に作動させて第1の機能的状態に遷移させることによって、すでに部分的に広がったステントの外植が可能となる。
必要に応じて心臓代用弁が取り付けられたステントの外植が不要であれば、固着要素79(ロック要素)を取り外した後、ハンドル70−2の第1の作動手段71を第2の位置から第3の位置までさらに旋回させることによって、カテーテル先端10−2は、図13cに示す第3の機能的状態から図13dに示す第4の機能的状態に遷移される。固着要素79を取り外した後に可能となる第1の作動手段71の操作によって、ステントホルダー15に対して近位方向への、従ってハンドル70−2に向かう、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11のさらに画定された移動が得られる。第1のスリーブ状要素11に対して実行される長手方向変位ストロークは、第1のスリーブ状要素11の遠位端がステントホルダー15の保持要素16をもはや被覆しないように選択され、その結果、カテーテル先端10−2に収容されたステントの保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合は解放され、それによって、ステントの第2の保持領域は完全に解放され、ステントはカテーテル先端10−2から完全に分離し、それに応じてステントは完全に広がるであろう。
図13a〜13eに示したカテーテル先端10−2の実施形態において、ステントホルダーチューブ62は、カテーテル先端10−2のステントホルダー15をハンドル70−2の本体70−2’に連結するために使用される。ステントホルダーチューブ62は、ステントホルダー15に連結された遠位端と、ハンドル70−2の本体70−2’に接続された近位端と、ステントホルダーチューブ62を通って延在する経路と、を有する。また、ステントホルダーチューブ62の拡張部62’が設けられており、この拡張部は、ステントホルダー15の遠位端から支持部63まで延在している。支持部63は、カテーテル先端10−2が第1および第2の機能的状態(図13a、13b参照)である場合、第2のスリーブ状要素21に完全に収容されるテーパ部であってもよい。
ステントホルダーチューブ62およびその拡張部62’の横断面は、第1のカテーテルチューブ32のそれより小さく、第2のカテーテルチューブ42(図13a〜13eには示さず)のそれより大きいことが好ましく、ここで、第1のカテーテルチューブ32は、ステントホルダーチューブ62と同心状および同軸状に配置されているため、ステントホルダーチューブ62が収容されて、第1のカテーテルチューブ32は、ステントホルダーチューブ62に対して可動となる。ステントホルダーチューブ62の経路の直径は第2のカテーテルチューブ42の収容に十分なものであるため、第2のカテーテルチューブ42は、ステントホルダーチューブ62に対して可動となる。
図13eは、図13a〜13dのカテーテル先端10−2の実施形態の側面図であり、カテーテル先端10−2は、カテーテル先端10−2に収容されていたステントが解放され、患者の身体から再び取り外すよう準備された状態にある。カテーテル先端10−2のこの状態で、第1のスリーブ状要素11の遠位端がその最遠端の位置において、いかなるギャップや段差もなしに第2のスリーブ状要素21の近位端に接するようにハンドル70−2の第1の作動手段71を操作することによって、第1のスリーブ状要素11は押される。このギャップと段差のない状態を確実にするために、第1のスリーブ状要素11の遠位端は、前述の支持部63によって支持される。
以下、患者の身体への自己拡張型心臓弁ステントの経心尖的挿入用の挿入システム100−1の実施形態について、図14〜17dを参照して説明する。図16a〜16dおよび図17a〜17dは、4つの異なる所定の機能的状態におけるこの実施形態の挿入システム100−1を示し、図14および15は、挿入システム100−1の部分分割側面図である。
図14〜17dに示す挿入システム100−1は、例えば大動脈弁などの治療が必要な心臓弁までの経心尖的接近に好適である。挿入システム100−1によって、経心尖的に、従って心尖から接近して、自己拡張型心臓弁ステントを患者の身体に埋め込みできる。この目的のために、挿入システム100−1はカテーテルシャフト30−12を有しており、これによって、図14〜17dでは明示されていない心臓弁ステントは、折り畳まれた状態で患者の身体に導入され得る。
図14〜17dの挿入システム100−1では、カテーテル先端10−1は、カテーテルシャフト30−1の遠位端領域に設けられ、その中に患者の身体に埋め込まれる心臓弁ステントが収容され得る。カテーテル先端10−1を操作できるハンドル70−1は、カテーテルシャフト30−1の近位端領域に設けられる。
詳細には、経心尖的挿入システムのカテーテル先端10−1はステントホルダー15を有しており、これによって、カテーテル先端10−1によって患者の身体に埋め込まれるステントの第2の保持領域は解放可能に固定される。さらに、カテーテル先端10−1は、ステントの少なくとも第1の保持領域を収容する収容部を備える。詳細には、収容部は、第1の収容部11と第2の収容部21とから成る。
経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1では、カテーテル先端10−1の第1の収容部11はステントシースの形態であり、それは、カテーテル先端10−1の遠位端先端25に連結され、その開口は、カテーテル先端10−1の近位端領域の方向を向くように規定されている。ステントシースの形態の第1の収容部11は、例えば図17aに示すように、これが閉じた状態の場合、カテーテル先端10−1の外周面を形成する。
経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1では、カテーテル先端10−1の第2の収容部21は、開口がカテーテル先端10−1の遠位端先端25の方向を向いた漏斗状ステントの形態をしている。ステントの保持フープと、必要に応じて該保持フープに締結された心臓代用弁は、漏斗状ステント形態の第2の収容部21の内部に搭載され得る。漏斗状ステントの形態の第2の収容部21は、カテーテル先端10−1(図17a参照)が閉じた状態の場合、ステントシースの形態の第1の収容部11によって伸縮自在に収容され得る。このように、心臓弁ステントがカテーテル先端10−1に搭載されている場合、ステントの位置決めフープは、漏斗状ステントの外周面とステントシースの内周面間に位置する。
経心尖的挿入システム100−1のハンドル70−1に関して、該ハンドルは、第1の収容部11に関連付けられた第1の作動手段71と、第2の収容部21に関連付けられた第2の作動手段81と、を有するように規定されている。第1の作動手段71は、カテーテル先端10−1の第1の収容部11と連携し、第1の作動手段71の作動時に、ステントホルダー15に対する第1の収容部11の所定の長手方向変位をもたらし得る。また、ハンドル30−1の第2の収容部81は、カテーテル先端10−1の第2の収容部21と連携して、第2の作動手段81の作動時に、ステントホルダー15に対するカテーテル先端10−1の第2の収容部21の所定の長手方向変位をもたらし得る。
経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1によって、ハンドル70−1の第1の作動手段71の作動時に、カテーテル先端10−1の第1の収容部11は、ステントホルダー15に対してカテーテル先端10−1の長手方向Lに移動され得、それによって、第1の収容部11は遠位方向に、従ってハンドルから離れる方向に移動し、カテーテル先端10−1を開くかあるいはカテーテル先端10−1に搭載されたステントを解放する(図17および17d参照)。
経心尖的接近用に設計された挿入システムにより、ハンドル70−1の第2の作動手段81の作動時に、カテーテル先端10−1の第2の収容部21は同様に、ステントホルダー15に対してカテーテル先端10−1の長手方向Lに移動され得る。特に、第2の収容部21は、カテーテル先端10−1の遠位端先端25方向に移動されて、カテーテル先端10−1に搭載されたステントを解放する(図17c参照)。
カテーテル先端10−1の一部を形成するステントホルダー15に関して、図14〜17dに示す経心尖的挿入システム100−1の実施形態では、ステントホルダー15は、合計3つの突出要素16を有する王冠の形態であるように規定されている。王冠の形態の突出要素16は、保持要素に対して相補的であり、例えば、カテーテル先端10−1に搭載されたあるいは搭載可能なステントの保持領域上に組み込まれた保持リングとして実施される。従って、王冠の形態の突出要素16がステントの保持要素と解放可能な係合を形成し、ステントをカテーテル先端10のステントホルダー15に解放可能に締結できる。
前述のように、経心尖的挿入システム100−1では、カテーテル先端10−1の第1の収容部11は、チューブ状要素またはスリーブ状要素として設計され、ステントシースとして働き、また、カテーテル先端10−1の端先端25に取り外し不能に連結されるよう規定されている。カテーテル先端10−1の遠位側端先端25は、比較的強いプラスチック材料または金属などの、可能な限り最も非弾性の材料で形成される。接着連結およびまたはポジティブロック連結は、端先端25とステントシースの形態の第1の収容部11間の結合には特に好適である。
一方、カテーテル先端10−1の遠位側端先端25は、内側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31によって、ハンドル70−1の第1の作動手段71に連結される。これによって、第1の作動手段71の作動時に、カテーテル先端10−1の遠位側端先端25は、カテーテル先端10−1に取り外し不能に取り付けられた第1の収容部11と共に、ステントホルダー15に対してカテーテル先端10−1の長手方向Lに変位できる。
特に図15に見られるように、経心尖的挿入システム100−1おいて、カニューレチューブの形態の内側カテーテルは、ハンドルの第1の作動手段71から遠位側端先端25への、従って、カテーテル先端10−1の第1の収容部11への引張力およびせん断力の伝達を可能とする第1の力伝達手段31として働く。詳細には、カニューレチューブの形態の内側カテーテル(第1の力伝達手段31)は、ハンドル70−1の近位端に設けられた第1の注入アダプター99aから、挿入システム100−1の縦軸Lの方向に遠位側端先端25まで延在し、図14〜17dには明示されていないガイドワイヤーの受け入れおよび誘導と共に、患者の身体へのカテーテル先端10−1の挿入の間に適用可能および必要になれば、流体のカテーテル先端からの排出およびそれへの供給にも使用される。
経心尖的挿入システム100−1では、カテーテル先端10−1の第2の収容部21は、チューブ状またはスリーブ状要素として構成された漏斗状ステントの形態である。漏斗状ステント(第2の収容部21)は、第2の力伝達手段41によってハンドル70−1の第2の作動手段81に連結されて、第2の作動手段81の作動時に、引張力またはせん断力がカテーテル先端10−1の第2の収容部21に伝達され得る。これによって、漏斗状ステントの形態の第2の収容部21は、一方ではステントホルダー15に対して、他方では第1の収容部11に対して、カテーテル先端10−1の長手方向Lに変位可能となる。
前述のように、経心尖的挿入システム100−1では、カテーテル先端10−1の第1の収容部11は、例えば長く延在した毛細管などのステントシースの形態であることが好ましい。第2の収容部21は、同様に、例えば長く延在した毛細管などの形態の漏斗状ステントとして実施されることが好ましい。チューブ状またはスリーブ状の第1の収容部11の内径は、同様にチューブ状またはスリーブ状の第2の収容部21の外径より大きいように選択されなければならず、それによって、第2の収容部21は、第1の収容部11の内部に伸縮自在に収容可能となる。
図14〜17dに示す経心尖的挿入システム100−1の実施形態では、ステントホルダー15は円筒状要素の形態であり、好適な保持要素16を備えている。図14〜17dには示されていない心臓弁ステントがカテーテル先端10−1に搭載されている場合、保持要素16は、この心臓弁ステントの保持領域と解放可能な連結を形成するために使用される。また、ステントの保持要素と解放可能な係合を形成できるように、ステントホルダー15の保持要素16を構成することも可能である。
図14〜17dでは、ステントホルダー15上の保持要素16は、相補的な形態を有する対応する保持リングと係合可能な突出要素として設計されている。しかしながら、ステントホルダー15の円筒体に導入され、心臓弁ステントの、相補的な形態を有する対応する保持要素を収容するように設計されたくぼみあるいは凹部として、ステントホルダー15の保持要素16を形成することも可能であろう。
図14〜17dに示す実施形態による経心尖的挿入システム100−1では、ステントホルダー15は、例えば、ハンドル70−1が挿入システム100−1の縦軸L周りに回転する場合この回転運動に加わるように、ハンドル70−1に対して取り外し不能に配置される。ここでは、ハンドル70−1の本体70’に取り外し不能に取り付けられた連結手段によって、ステントホルダー15をハンドル70−1に連結できる。
以下、経心尖的挿入システム100−1用のカテーテルシャフト30−1の実施形態について、図15,19,21および22を参照してより詳細に説明する。
カテーテルシャフト30−1は、折り畳まれた状態の拡張型心臓弁ステントを患者の身体に導入するために使用される。第1および第2の操作可能な収容部11,21を用いることによって心臓弁ステントが収容されるあるいは収容可能なカテーテル先端10−1は、カテーテルシャフト30−1の遠位端領域39にある。より詳細な説明は後述するが、カテーテル先端10−1から心臓弁ステントを段階的に解放する目的で、カテーテル先端10−1の操作可能な収容部11,21を適切に操作するために使用されるハンドル70−1は、カテーテルシャフト30−1の近位端領域49にある。
詳細には、カテーテルシャフト30−1は、少なくとも1つの第1の力伝達手段31と、少なくとも1つの第2の力伝達手段41と、を備え、ハンドル70−1の第1の力伝達手段71をカテーテル先端10−1の第1の収容部11に連結する。ハンドル70−1の第2の作動手段81は、第2の力伝達手段41によって、カテーテル先端10−1の第2の収容部21に連結される。
図15,19,21および22に示すカテーテルシャフト30−1の実施形態では、第2の力伝達手段41はチューブ状の要素として構成され、その近位端は、ハンドル70−1の第2の作動手段81に連結される。外側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41の遠位端は、カテーテルシャフト30−1とカテーテル先端10−1間の領域で、漏斗状ステントの形態のカテーテル先端10−1の第2の収容部21内に結合する。漏斗状ステントの形態の第2の収容部21と、外側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41とを一体で構成することも可能である。しかしながら、例えば、接着剤を用いた接着により、漏斗状ステントの形態の第2の収容部21の近位端を、外側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41の遠位端に結合させることももちろん可能である。
カテーテルシャフト30−1とカテーテル先端10−1間の遷移領域に、カテーテルシャフト30−1の挿入の間(すなわち、カテーテル先端10−1が閉じた状態)に、心尖の組織に損傷を与え得る段差やエッジがないようにするためには、外側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41の外径は、ステントシースの形態の第1の収容部11のそれと本質的に同じであることが好ましい。これは、漏斗状ステントの形態の第2の収容部21と、外側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41間に、少なくとも1つの段差を設けることで達成できる。
図15,19,21および22に示す経心尖的挿入システム100−1用のカテーテルシャフト30−1の実施形態では、カニューレチューブの形態のカテーテルは、例えば図14〜17dでは、ハンドル70−1の近位端領域からカテーテル先端10−1の遠位側端先端25まで延在する第1の力伝達手段31として使用される。
カニューレチューブとして実施される第1の力伝達手段31は、挿入システム100−1の近位端において、(第1の)注入アダプター99aに連結可能であり;例えば、第1の力伝達手段31の近位端を注入アダプター99aとして形成することが可能であろう。
カテーテル先端10−1に収容された拡張型心臓弁ステントを心臓の埋め込み位置に埋め込むために挿入システム100−1を使用する場合、ガイドワイヤー(図には明示せず)がカニューレ毛細管として実施される第1の力伝達手段31を通過することが好ましい。
前述のように、経心尖的挿入システム100−1では、カテーテル先端10−1のステントホルダー15は、好適には、ハンドル70−1あるいはハンドル70−1の本体70’に取り外し不能に取り付けられており、ステントホルダー15に関し、特に、挿入システム100−1の縦軸L周りの回転運動の自由度、および挿入システム100−1の縦軸L方向の移動の自由度は凍結されるように規定されている。従って、ステントホルダー15は、ハンドル70−1の本体70’に対して、少なくとも挿入システム100−1の長手方向Lには移動され得ない。同様に、ステントホルダー15のハンドル70−1の縦軸L周りの回転運動は排除される。
ステントホルダー15は、例えば、ハンドルの本体70’に取り外し不能に取り付けられた連結手段42によって、ハンドル70−1に対して固定される。
経心尖的挿入システム100−1と共に使用されるカテーテルシャフト30−1の好適な実施では、ハンドル70−1の第2の作動手段82を漏斗状ステントの形態の第2の収容部21に連結する第2の力伝達手段41は外側カテーテルとして実施され、カニューレ毛細管として実施される第1の力伝達手段41は外側カテーテル(第2の力伝達手段41)の内部を通過するように規定されている。外側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41の内部を通過するさらなるカニューレ毛細管は、例えば、ステントホルダー15をハンドル70−1に対して固定する連結手段42と見なせる。カニューレ毛細管として実施される第1の力伝達手段31はその後、カニューレ毛細管の形態の連結手段42の内部を通過する。あるいは、外側カテーテル毛細管内と、カニューレ毛細管として実施される第1の力伝達手段41内の両方を走るさらなるカニューレ毛細管を連結手段として使用できる。
従って、経心尖的挿入システム100−1のカテーテル先端10−1の第1の収容部11は、ステントの機能部品、例えばステントの保持フープが搭載されたカテーテル先端10−1の第2の収容部21を収容するように設計される。
図14〜20の経心尖的挿入システム100−1用のハンドル70−1の実施形態に関して、第1の力伝達手段31によってカテーテル先端10の第1の収容部11と連携する第1の作動手段71は、第1のガイド72内に誘導され第1のプッシャー73に機能的に連結された第1のスライド74を有するように規定されていることが好ましい。この第1のスライド74は、第1の力伝達手段によって第1の作動手段71に関連付けられたカテーテル先端10−1の第1の収容部11と連携して、第1の作動手段71の作動時に、第1のスライドからカテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)に引張力およびせん断力を伝達できる。
経心尖的挿入システム100−1用のハンドル70−1では、第2の力伝達手段41によってカテーテル先端10−1の第2の収容部21に機能的に連結された第2の作動手段81がさらに設けられている。第2の作動手段81は、第2のガイド82内に誘導され第2のプッシャー83に機能的に連結された第2のスライド84を有しており、第2のスライド84は、第2の力伝達手段41によって第2の作動手段81に関連付けられたカテーテル先端10−1の第2の収容部21と連携して、第2の作動手段81の作動時に、特に第2のスライド84の作動時に、第2のスライド84からカテーテル先端10の第2の収容部21(漏斗状ステント)に力が直接伝達される。
図14〜17dに示す挿入システム100−1と共に使用されるハンドル70−1の第2の作動手段81に関して、ハンドル70−1は、それぞれが第2の作動手段81に関連付けられ、第2の作動手段81の作動によりもたらされ得る、カテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)の長手方向変位ストロークを画定するように設計された第1および第2のストップ85,86を有する。特に、第2の作動手段81の第2のプッシャー83により実現可能な変位距離(変位ストローク)は、それに応じて画定される。
第1の実施形態による経心尖的挿入システム100−1では、ハンドル70−1は、それぞれ第1の作動手段71に関連付けられ、第1の作動手段71の作動時にもたらされ得る、カテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)の全体の長手方向変位ストロークを画定する第1および第2のストップ75,76を有するように規定されていることがさらに好ましい。
図14〜17dに示す経心尖的挿入システム100−1の実施形態でのハンドル70−1は、第1の作動手段71に関連付けられた第1および第2のストップ75,76に加えて、一方では第1のストップ75と他方では第2のストップと連携する第3のストップ77であって、第1の作動手段71の作動時に、第1のガイド72上の第1のスライド74の2つの別個の段階から成る段階的長手方向変位がもたらされ、その結果、ステントホルダー15およびカテーテル先端10−1の王冠に対して、カテーテル先端10−1の第1の収容部(ステントシース)の、2つの別個の段階から成る段階的長手方向変位がもたらされ得るストップ77をさらに備える。
第1の作動手段71に関連付けられた第3のストップ77が、第1の作動要素71に関連付けられた第1および第2のストップ75、76間の第1のガイド72上に適切に位置決めされる間、一方の第1および第3のストップ75、76および他方の第2および第3のストップ76,77は、第1の作動手段71の作動時にもたらされる各別個の段階時に、カテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)の長手方向変位ストロークを画定する。
図14〜17dに示す経心尖的挿入システム100−1の実施形態では、第1の作動手段71に関連付けられた前述のハンドル70−1の第3のストップは、第1のスライド74の第1のガイド72上に解放可能に締結されたストップ要素77’の形態であるように規定されている。
最終的に、図14〜17dに示す経心尖的挿入システム100−1のハンドル70−1に対して、第1の作動手段71および第2の作動手段81はそれぞれ、少なくとも1つの固着要素79,89に関係付けられるようにさらに規定されている。特に、ハンドル70−1の第1の作動手段71に関連付けられる第1の固着要素79は、第1の作動手段71の第1のスライド74あるいは第1のプッシャー72から取り外し可能な要素として実施される。この固着要素79は第1のスライド74と連携して、第1の作動手段71によりもたらされるカテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)の長手方向変位を阻止できる。
第2の作動手段84に関連付けられている第2の固着要素89は同様に、第2の作動手段81の第2のスライド84または第2のプッシャー83から取り外しできる要素として実施されており、第2の作動手段81と連携して、第2の作動手段80によってもたらされ得るカテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)の長手方向変位を阻止できる。
以下、まず、経心尖的挿入システム100−1で実現可能な4つの異なる機能的状態について、図17a〜17dを参照して説明する。
図17aは、カテーテル先端10−1が完全に閉じた第1の機能的状態にある経心尖的挿入システム100−1の実施形態を示す。前述のように、自己拡張型心臓弁ステント(図17aには示さず)は、カテーテル先端10−1の対応する収容部11,12のカテーテル先端10−1に収容される。
図17aの第1の機能的状態では、作動手段71および81の、プッシャー73と83のそれぞれおよびスライド74と84のそれぞれは第1の位置に配置されている。特に、第2の作動手段81の第2のプッシャー83は、第2のガイド82のカテーテル先端側端上に設けられた第1のストップ85に接している。この第1の位置において、第2のプッシャー83は固着要素83によって固定され、第2のガイド82上の第2の作動手段21の第2のプッシャー83とスライド84の、第2の作動手段21に関連付けられた第2のストップ86の方向の長手方向変位は阻止される。
図17aの第1の機能的状態では、第1の作動手段71の第1のプッシャー73および第1のスライド74も、第1の作動手段71の第1のストップ75において、第1の位置にある。第1の作動手段71の第1のストップ75は、第1のガイド72の近位端に位置する。この第1の位置では、第1の作動手段71の第1のプッシャー74と第1のスライド74は第2の固着要素89により固定され、第1のプッシャー73と第1のスライド74の、第1のガイド72に沿ったカテーテル先端10の方向の長手方向変位を阻止する。
前述のように、挿入システム100−1のカテーテル先端10−1は、経心尖的挿入システム100−1の第1の機能的状態では完全に閉じた状態にある(図17a参照)。この状態において、カテーテル先端10−1の、スリーブ状要素の形態の第1および第2の収容部11,12は伸縮自在に連結する。これらのスリーブ状要素の内径および外径はそれぞれ、互いに適切に調整される。以下詳細に説明するように、カテーテル先端10−1のスリーブ状の第1および第2の収容部11,21は、その内径および外径それぞれに関して互いに調整され、その結果、心臓代用弁が締結された、カテーテル先端10に搭載されたまたは搭載されるステントの折り畳まれた保持フープは、漏斗状ステントの形態の第2の収容部21内に保持され得る。ステントの折り畳まれた位置決めフープは、漏斗状ステントの形態の第2の収容部21と、ステントシースの形態の第1の収容部11間に収容され、折り畳まれた形態で保持される。
カテーテル先端10−1は、挿入システム100−1の第1の機能的状態(図17a参照)で患者の身体に挿入され得、所望の埋め込み位置に進められる。第1の実施形態による経心尖的挿入システム100−1では、埋め込み位置、すなわち、疾患のある心臓までの接近は経心尖的に、従って心尖からの接近により行われる。なぜなら、ステントホルダー15はカテーテル先端10−1の遠位領域に位置し、カテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)はこれから近位にあるからである。
図17bは、第2の機能的状態にある図17aの挿入システム100−1を示す。この第2の機能的状態は、カテーテル先端10−1が患者の身体の埋め込み位置に達したらすぐに中止される。以下、図17b〜17dを参照して詳細に説明するように、カテーテル先端10−1が埋め込み位置に到着すると、カテーテル先端10−1の個々の収容部11、21が適切に操作される。これらの操作は、所定の一連の事象に応じたステップにおいて、カテーテル先端10−1に収容されたステントを解放するために必要である。挿入システム100−1により、カテーテル先端10−1の個々の収容部21,11を指示通りに動かすことによって、カテーテル先端10に搭載可能なまたは搭載されたステントの段階的な解放を実施する方法について、以下詳細に説明する。
カテーテル先端10−1が埋め込み位置に到着すると、挿入システム100−1は、第1の作動手段71の作動によって、図17aに示す第1の機能的状態から図17bに示す第2の機能的状態に遷移される。特に、第1の作動手段71に関連付けられた固着要素79が取り外され、その結果、第1のプッシャー73および第1のスライド74の長手方向変位能力の阻止が除去される。
固着要素79が第1の作動手段71から取り外され、第1のプッシャー73および第1のスライド74に対する阻止が除去された後、第1のプッシャー73および第1のスライド74は、第1の位置からカテーテル先端10−1の方向に第1のガイド72に沿って第2の位置まで移動される。第2の位置は、第1のストップ75と第2のストップ76間に位置する第3のストップ77によって決定される。
第1の作動手段71に関連付けられた、カテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)は、第1の作動手段71のこの種の作動によって、ステントホルダー15に対して遠位方向に移動される。ステントホルダー15に対するカテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)の移動量、すなわち、長手方向変位の程度は、第1のプッシャー73と第1のスライド74によりもたらされ得る第1の位置と第2の位置間の長手方向変位ストロークによって決定される。
ステントホルダー15に対するカテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)の結果として生じた移動によって、第1および第2の2つのスリーブ状収容部11、21間の望遠鏡的重なりが除去される。この目的のために、ステントホルダー15と第2の収容部21に対する第1の収容部11の移動量、従って、第1のプッシャー73と第1のスライド74によりもたらされ得る長手方向変位ストロークは、スリーブ状の第1の収容部11(ステントシース)がもはや第2の収容部(漏斗状ステント)を伸縮自在に囲まないが、ステントホルダー15と特にステントホルダーの固定要素16とを被覆するように選択される。その結果、挿入システム100−1のこの第2の機能的状態(図17b参照)では、カテーテル先端10−1に搭載されたまたは搭載可能な心臓弁ステントは、カテーテル先端10−1のステントホルダー15に固定されたままである。
以下図10a〜10dを参照して詳細に説明するように、挿入システム100−1の第2の機能的状態(図17b参照)では、心臓代用弁が締結された、カテーテル先端10−1に搭載されたステント150の保持フープ153は依然として折り畳まれた状態で、カテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)によって保持される。なぜなら、ステント153のこれらの部品は、折り畳まれた形態の図17aの第1の機能的状態から不変で、カテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)に収容されるためである。
同様に、ステント150上に設けられた保持要素151と、相補的な構成のステントホルダー15の対応する保持要素16間の係合は、第1の収容部11の近位端によって確実となり、その上に保持要素151が設けられたステント150の第2の保持領域も、第1の収容部11によって(依然として)折り畳まれた状態である。前述のように、これは、第1の収容部11の近位端が、保持要素16により依然としてステントホルダー15を被覆しているために可能になる。
しかしながら、一方では、カテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)は、第1の作動手段71の操作によって、ステントホルダー15と第2の収容部21(漏斗状ステント)に対して遠位方向に、ハンドル70から離れる方向に移動されており、カテーテル先端に搭載されたまたは搭載可能なステント150の位置決めフープ154は、第1の収容部11(ステントシース)によってもはや被覆されない。別の言い方をすれば、このことは、挿入システム100−1の第2の機能的状態でもたらされた第1の収容部11(ステントシース)の長手方向変位によって、第1の機能的状態(図17a参照)におけるカテーテル先端10−1の第1および第2の収容部11、21間のステント150の位置決めフープ154の伸縮自在な収容は終了したことを意味する。従って、挿入システム100−1の第2の機能的状態(図17b参照)では、第1の収容部11(ステントシース)は、折り畳まれた形態のステント150の位置決めフープ154を保持する機能をもはや負わず、そのためにこれらは解放されて広がり得る。
図10a〜10dに詳細に見られるように、ステント150の位置決めフープ154は、径方向に働く径方向力によって解放された後に開口する。これらの開口した位置決めフープ154は、生来の心臓弁のポケットに位置決めされ得る。
ステント150の位置決めフープ154を生来の心臓弁のポケットに位置決め後、挿入システム100−1は、図17bに示す第2の機能的状態から図17cに示す第3の機能的状態に遷移される。これは、ハンドル70−1の第2の作動手段81に関連付けられた固着要素89を取り外すことによって行われ、その結果、第2のプッシャー83と第2のスライド84の長手方向変位能が復元される。
固着要素89が取り除かれた後、第2のプッシャー83と第2のスライド84は、第1の位置から第2のガイド82に沿って第2の位置まで変位する。もたらされ得る長手方向変位ストロークは、第2のガイド82の近位端に位置する、第2の作動手段81の第2のストップ86によって画定される。
第2の作動手段21の操作の結果、第2の作動手段21に関連付けられた、カテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)は、カテーテル先端10−1のステントホルダー15に対しておよび第1の収容部11(ステントシース)に対して、ハンドル70に向かう近位の方向に移動される。従って、第2の収容部21の移動ストロークは、第2のプッシャー83と第2のスライド84間にもたらされる長手方向変位ストロークに相当する。第2の作動手段81により実現できる長手方向変位ストロークを適切に選択することによって、一方ではステントホルダー15に対する、他方では第1の収容部11に対する第2の収容部21(漏斗状ステント)のこの移動によって、第2の収容部21は、保持要素151を有するステント150の第1の保持領域をもはや被覆せず、従って、心臓代用弁が締結されたステント150の保持フープ153は解放される。保持領域に働く径方向力によって、ステント150の保持要素151は解放され、これによって、ステント150の保持領域は完全に広がる(図23d参照)。
カテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)の近位端は、挿入システム100−1の第3の機能的状態(図17cまたは23c参照)では、依然としてステントホルダー15を被覆しているが、ステントホルダー15の保持要素16とステント150の保持要素151間の係合は確実なままであり、その結果、保持フープ153の広がりにも拘らず、ステント150は、挿入システム100−1のカテーテル先端10−1に機能的に連結されたままであり、心臓代用弁が取り付けられたステント150の外植は依然として可能である。最初に、挿入システム100−1を第3の機能的状態から第2の機能的状態に遷移し、次に、第1の機能的状態に遷移するという逆順とすることにより、外植が可能となるであろう。
ステント150の保持フープ153を完全に解放後、および広がった心臓代用弁の機能をチェック後、そのチェックの間に異常がなければ、ステント150は完全に解放される。これは、挿入システム100−1を図17cに示す第3の機能的状態から図17dに示す第4の機能的状態に遷移することによって行われる。
第4の機能的状態では、図17bの第2の機能的状態において第3のストップ77を画定する第1の作動手段71の第1のガイド72上の第1のストップ75と第2のストップ76間に設けられたストップ要素77’は解放されている。結果として、第1の作動手段71の第1のプッシャー73と第1のスライド74は、第2の位置から第3の位置まで、第1のガイド72上をカテーテル先端10−1の方向にさらに移動され得る。この第3の位置は、第2のストップ7bによって、第1のガイド72の遠位端に画定される。従って、第1のスライド74の前に画定した(さらなる)変位が起こり、その結果、第1の作動手段71に関連付けられた第1の収容部21(ステントシース)は、第1の作動手段71をさらに操作することによりもたらされる、ステントホルダー15に対して、さらにハンドル70−1から離れる遠位方向の長手方向変位ストロークによって移動される。
第1の作動手段71をさらに操作してもたらされた長手方向変位ストロークは、ステントホルダー15に対する第1の収容部11(ステントシース)の移動により、ステントホルダー15の少なくとも保持要素16の、第1の収容部11の近位端領域による被覆が取り除かれるように適切に選択される。第1の収容部11によるステントホルダー15の保持要素16の被覆が取り除かれた結果、ステント150上に設けられた保持要素151と、ステントホルダー15の保持要素16間の係合がなくなり、ステント150は現時点で完全に解放され、それに応じて、ステント150に取り付けられた心臓代用弁は完全に広がる(図23d参照)。
図3a〜3dは、図17a〜17dを参照して前に画定した異なる機能的状態に対する経心尖的挿入システム100−1を示しており、第4の機能的状態(図3a参照)からスタートし、第3の機能的状態(図3b参照)と第2の機能的状態(図3c参照)を経由して、第1の機能的状態(図3d参照)で終わる。図3a〜3dに示す連続は、経心尖的挿入システム100−1のカテーテル先端10−1における、例えば図23a〜23dに示すステント150の使用手順を明らかにするために用いられる。
図3a〜3dに示すステップに見られるように、装着プロセスは、図17a〜17dに示す手順とは逆に対応しており、経心尖的挿入システム100−1のカテーテル先端10−1に収容されたステント150を解放するものである。繰り返しを回避するために、図17a〜17dの詳細について参照する。
図14は、図16dおよび図17aの第1の機能的状態における経心尖的挿入システム10−1の実施形態を示す拡大図である。特に、第1および第2の作動手段71,81によりもたらされた別個の長手方向変位ストロークを図14に示す。第2の作動手段81の、第1のストップ85と第2のストップ86間の長手方向変位ストロークは、この実施形態では合計約16mmであることがわかる。さらに、第1の作動手段71によりもたらされた合計の長手方向変位ストロークは約37mmであることもわかる。全体の長手方向変位ストロークは、第1のガイド72上に取り外し可能に設けられたストップ要素77’により、2つの別個の変位ストロークに分割される。挿入システム100−1について、ステントホルダー15に対する第1の収容部11(ステントシース)の24mmの長手方向変位は、第1の機能的状態から第2の機能的状態に遷移すると得られる。挿入システム100−1が第3の機能的状態から第4の機能的状態に遷移すると、すなわち、第1の作動手段71からストップ要素77’を取り外した後、ステントホルダー15に対して、第1の収容部11の合計約13mmの次の(さらなる)長手方向変位が得られる。
経心尖的挿入システム100−1では、ハンドル70−1は、一方では、それぞれ第2の作動手段81に関連付けられ、第2の作動手段81の作動時にもたらされ得る、カテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)の合計の長手方向変位ストロークを画定するように設計された第1および第2のストップ85,86を有し、他方では、それぞれ第1の作動手段71に関連付けられ、第1の作動手段71の作動時にもたらされ得る、カテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)の合計の長手方向変位ストロークを画定するように設計された第1、第2および第3のストップ75,76,77を有しているために、挿入システム100−1は、例えば、治療を行う医者が特別な技能、特に、ステントを埋め込み場所に位置決めし固定する技能を必要とせずに、ほとんど「自動的に」行われる埋め込み位置において、カテーテル先端10−1に搭載されたまたは搭載可能なステントを解放するための所定の一連の事象に従って、カテーテル先端10−1のそれぞれの収容部11,21が操作できるように実施される。
カテーテル先端10−1に搭載可能なステントを埋め込み位置で解放する所定の一連の事象は、例えば図14〜17dの経心尖的挿入システムの実施形態で得られ、特に、第1の作動手段34の一部を形成する第1のスライド74の第1のガイド72上に解放可能に締結されたストップ77’の形態の第1の作動手段71に関連付けられた第3のストップ77を設けることによって得られる。この第3のストップ77は、一方で第1のストップ75と他方で第2のストップと連携し、第2の作動手段71の作動時に、カテーテル先端10−1のステントホルダー15に対して、2つの画定された個々のステップから成る、カテーテル先端20の第1の収容部11の段階的長手方向変位がもたらされ得る。特に、一方の第1および第3のストップ75,77と、他方の第2および第3のストップ76,77は、第1の作動手段71の作動時にもたらされ得るカテーテル先端20の第1の収容部11の長手方向変位ストロークを画定する。
図14に明記された長手方向変位ストロークは例であり、個々のケースに依存して、特に、挿入システム100−1のカテーテル先端10−1に収容されるステントのサイズに依存して変更できることはもちろんである。
図15は、図14の経心尖的挿入システム100−1の部分分割図であり、作動手段71,81のそれぞれの機構をより明確に説明するものである。図示のように、第1の作動手段71は、第1のガイド72内に誘導され第1のプッシャー73に機能的に連結された第1のスライド74を備える。この第1のスライド74は、カテーテルシャフト30−1の第1の力伝達手段31によって、第1の作動手段71に関連付けられたカテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)に機能的に連結されており、第1の作動手段、特に第1のスライド74の作動時に、第1のスライド74からカテーテル先端10−1の第1の収容部11(ステントシース)に力を直接伝達できる。
さらに、第1の作動手段77に関連付けられた第3のストップ77は、第1のスライド74の第1のガイド上に解放可能に締結されたストップ要素44の形態であることが図15からわかる。
第2の作動手段81に関して、図14〜17dの経心尖的挿入システム10−1の実施形態では、第2の作動手段81は、第2のガイド82内に誘導され第2のプッシャー83に機能的に連結された第2のスライド84を有するように規定されている。この第2のスライド84は、前述の第2の力伝達手段41によって、第2の作動手段81に関連付けられたカテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)に機能的に連結されており、第2の作動手段81、特に第2のスライド84の作動時に、第2のスライド84からカテーテル先端10−1の第2の収容部21に力を直接伝達できる。
作動手段71,81それぞれに関連付けられた固着要素79,89は、作動手段71,81のそれぞれのプッシャー73,83と連携して、一方では、第2の作動手段81によってもたらされ得る関連付けられた第2のスライド84の長手方向変位、従って、カテーテル先端10−1の第2の収容部21の長手方向変位の生成を阻止でき、他方では、第1の作動手段71によってもたらされ得る関連付けられた第1のスライド74の長手方向変位、従って、カテーテル先端20の第1の収容部11の長手方向変位の生成を阻止できる。挿入システム100−1をある機能的状態から別の機能的状態に遷移させる場合、固着要素79,89はそれぞれ、必要に応じて、関連付けられた作動手段71,81から取り外しできる。
経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1と共に使用される図14〜17dのカテーテルシャフト30−1については、図19,8および22を参照して後述する。
以下、経心尖的に行われるステント101の埋め込み手順について、図10a〜10dを参照してより詳細に説明する。前述のタイプの経心尖的挿入システム100−1が使用される。
カテーテル先端10−1を有するカテーテルシャフト30−1の遠位端領域39を図23aに詳細に示すが、ここでの挿入システム100−1は第1の機能的状態(図17a参照)にある。自己拡張型心臓弁ステントはカテーテル先端10−1に収容されている。図22a〜22cに示すように、また欧州特許出願第08151963号に記載されているように、人工器官は、例えば心臓弁ステント150として使用できる。
例えば図17aに関して既に説明したように、図23aの挿入システム100−1は第1の機能的状態にあり、このステント150の保持要素151(ここでは保持リング)は、ステントホルダー15の保持要素16(ここでは突出要素)と係合しており、取り付け可能な心臓代用弁(図23a〜23dには明示せず)を有するステント150の保持フープ153は、カテーテル先端10−1の第2のスリーブ状収容部21(漏斗状ステント)に収容されている。
挿入システム100−1の第1の機能的状態におけるステント150の位置決めフープ154は、カテーテル先端10−1の第2のスリーブ状収容部21と第1の同様にスリーブ状の収容部11間にあり、2つの収容部11,21は伸縮自在に重なるように配置されている。特に、カテーテル先端10−1の第1の収容部11は下記の部品を被覆している:その上に保持要素151が設けられた、ステント150の第2の保持領域;ステント150の位置決めフープ154;および、カテーテル先端10−1の第2のスリーブ状収容部21。
ステント150の保持要素151から離れたステント150の(第1の)保持領域は、保持フープ153および心臓代用弁(図23a〜23dには示さず)と共に第2の収容部21に収容される。
外部刺激の影響により、形状記憶効果とそれと共にステント150の永続的な構成が開始できるように、ステント材料として形状記憶材料が使用されることが好ましい。この外部刺激が画定可能な臨界温度であることが特に好ましく、その結果、臨界温度より高く、形状記憶効果を開始しステント150の記憶された永続的な構成を取り戻せる範囲の温度にステント材料を加熱しなければならない。本明細書に記載の挿入システム100−1の使用分野に関連して、該臨界温度は、室温〜患者の体温の範囲であることが好ましい。従って、ステント150を埋め込む場合、例えば、ハンドル70−1に設けられた注入アダプター99aを用いて、挿入システム100−1のカテーテルシャフト30−1とカテーテル先端10−1を適切な冷却液で、恐らくは食塩水でフラッシングしてステント150を適切に冷却するように留意しなければならない。
カテーテル先端10−1は図23aに示す状態で、経心尖的にすなわち心尖から接近して機能が不十分な生来の心臓まで進められる。図23に示す挿入システム100−1の代わりに、図11〜19を参照して説明する予定の経大腿的または経動脈的挿入システム100−2を使用する場合、経動脈的接近ももちろん可能である。
ステント150が収容されたカテーテル先端10−1が所望の埋め込み位置へ進められると、冷却が中断されてステント150の温度が患者の体温(36℃)まで上昇し、ステント材料の形状記憶効果が開始される。
こうして開始されたステントの自己拡張性により、ステント150の個々の部品、特に位置決めフープ154と保持フープ153それぞれに働く径方向力が発現する。ステント150の保持フープ153は、カテーテル先端10−1の第2のスリーブ状収容部21に依然として収容されているので、保持フープ153は、形状記憶効果の開始にも拘わらず折り畳まれた構成で保持される。ステント150の位置決めフープ154は、カテーテル先端10−1の遠位側端先端25に面したステントの(第1の)保持領域と共に、第1のスリーブ状収容部11によって折り畳まれた構成で確実に保持される。
埋め込み位置に到着後、ステントが挿入システム10−1から適切に段階的に解放されるのに続いて、ステント150の位置決めフープ154が解放される。これは、例えば図17aおよび図17bを参照して既に詳細に説明したように、また図23bに示すように、挿入システム10−1を第1の機能的状態(図23a参照)から第2の機能的状態(図23b参照)まで遷移させることによって達成される。カテーテル先端10−1の第1の収容部11は、挿入システム100−1の一部を形成するハンドル70−1の第1の作動手段71を操作することによって、ステントホルダー15に対して遠位方向に、従ってハンドルから離れる方向に移動される。ステントホルダー15に対してもたらされる第1のスリーブ状収容部11の長手方向変位ストロークによって、ステント150の位置決めフープ154は、カテーテル先端10−1の第1のスリーブ状収容部11によってもはや囲まれず保持もされない。ステントの位置決めフープ15の自己拡張性の結果として、これらはこれらに径方向に働く径方向力によって開く。その後、これらの開口した位置決めフープ154は生来の心臓弁のポケットに位置決めされる。
前述のように、カテーテル先端10−1は、挿入システム100−1と共にカテーテル先端10−1の縦軸L周りに旋回できるため、ステント150の広がった位置決めフープ154の生来の心臓弁のポケットにおける位置決めが容易である。
部分的に拡張したステントを生来の心臓弁のポケットに位置決め後、挿入システム100−1は、図23bの第2の機能的状態から図23cの第3の機能的状態に遷移される。挿入システム100−1を第2の機能的状態から第3の機能的状態に遷移する方法は、図17cを参照して既に詳細に説明した。図23cは、挿入システム100−1の第3の機能的状態におけるカテーテル先端10−1の端先端25から離れたステント150の(第2の)保持領域の、カテーテル先端10−1の第2の収容部21からの解放方法を示す。ステント150の保持フープ153と、挿入システムの第3の機能的状態において解放されたステント150の関連付けられた第1の保持領域は、それらに径方向に働く径方向力によってストレスをかけられ、従って、保持フープ153に取り付けられた心臓代用弁は例えば糸などにより傘のように開く。ステントの保持フープ153に取り付けられた心臓代用弁160の一例を図34に示す。
既に広がった心臓代用弁の機能は、図23cに示す状態でチェックできる。心臓代用弁の機能が実証された後、挿入システム100−1はその後、ハンドル70−1の第1の作動手段71をさらに操作することよって第3の機能的状態(図23c参照)から第4の機能的状態(図23d参照)に遷移され得る。挿入システム100−1が第4の機能的状態に遷移される方法については、図17dを参照して既に説明した。第4の機能的状態への挿入システム100−1の遷移の影響を図10dに示す。
カテーテル先端10−1の第1の収容部11を遠位方向に、従ってハンドル70−1から離れる方向にさらに変位させることによって、カテーテル先端10−1の第1のスリーブ状収容部11の近位端領域はさらに遠位方向に移動され、第1の収容部11のこの近位部は、ステントホルダー15の保持要素16(ここでは突出要素)をもはや被覆しない。従って、カテーテル先端10−1の端先端25に面するステントの(第2の)保持領域はカテーテル先端10−1から解放され、ステント150の第2の保持領域も拡張し、その結果、ステント150は完全に広がる。
対照的に、図23cの挿入システム100−1の第3の機能的状態における既に広がった心臓代用弁の機能チェックの間、注入された心臓代用弁がその機能を果たせないまたは不十分にしか果たせないことがわかった場合、あるいは、ステント150が最適には位置決めされていないまたは最適には位置決めできない場合、カテーテル先端10−1の対応する収容部11,21を適切な反対方向(これに対しては図3b〜3d参照)に動かすことによって、挿入システム100−1を第2の機能的状態に、その後第1の機能的状態に後戻りさせることが可能である。これによって、ステント150の既に解放されて拡張した部品を、カテーテル先端10−1のそれぞれのスリーブ状収容部に再び戻すことが可能となり、カテーテル先端10−1に収容されたステント150は患者の身体から取り外しされる。
図23dに示すように、ステント150の保持フープ153は、ステント150の埋め込み時に径方向に開き、保持フープ153およびステント150の第2の保持領域に働く径方向力によって、ステントは血管壁に押し付けられ、一方では、第1の保持領域に取り付けられた心臓代用弁が埋め込み場所に確実に固定されることが保証され、他方では、心臓代用弁が第1の保持領域内で確実に密閉鎖されることが保証される。
図18は、経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1用のハンドル70−1の実施形態を示す側面図である。図18に示すハンドル70−1は、機能に関しては、図14〜17dを参照して説明したハンドルと同一である。図18に示すハンドルは、ハンドル70−1の本体70’から突出し、治療を行う医者がピストルのようにハンドル70−1を保持できる補足のグリップ88を有する点で、図14〜17dに示すハンドルの実施形態とは異なる。
グリップ88は、異なる位置でハンドル70−1の本体70’に連結可能であることが好ましい。従って、グリップ88は、図18に示すように、ハンドル70−1の本体70’の下面に接合せずに上部から本体70’上に締結できる。
図18に示すハンドル70−1用に、2つの注入アダプター99a,99bが設けられる。第1の注入アダプター99aはハンドル70−1の縦軸L上に位置し、第1の作動手段71の第1のプッシャーに連結される。第2の注入アダプター99bは縦軸に垂直に位置し、第2の作動手段71の第2のプッシャーに連結される。必要に応じて、ガイドワイヤーを第1の注入アダプター99aに通すことができる。後で、図19を参照してより詳細に説明するように、第2の注入アダプター99bは、第2の作動手段81の第2のスライド84に連結され、カテーテルシャフト30−1を経由してカテーテル先端10−1に流れる流体の供給および排出に使用される。
図19は、経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1用のハンドル70−1のさらなる実施形態を示す側断面図である。以下、経心尖的挿入システム101に使用されるハンドル70−1の機構について図19を参照して詳細に説明する。以下の詳細は、本明細書に記載の経心尖的挿入システム100−1用のハンドルすべてに言及するものである。
図19に示すように、ハンドル70−1は、カテーテルシャフト30−1の第1および第2の力伝達手段31,41によって、カテーテル先端10−1の第1および第2の収容部11,21に連結された第1および第2の作動手段71,81を有する。第1の作動手段71は、第1のガイド72に誘導されプッシャーノブ73に機能的に連結された第1のスライド74を有する。
詳細には、図19に示す実施形態用の第1のプッシャーノブ73は、バネ要素90と、第1のガイド72に形成された留め具91,92,93,94と、を有する戻り止めバネ機構を備える。特に、図19のハンドル70−1の平面図である図20でわかるように、第1のプッシャーノブ73は、第1のガイド72に形成された留め具91,92,93,94と相補的な少なくとも1つの係合要素95をさらに備える。設計された戻り止めバネ機構のバネ要素90は、一方では第1のプッシャーノブ73と他方では第1のスライド74と連携し、第1の作動手段71が作動していない状態では、第1のプッシャーノブ73は、バネ作用下では第1のスライド74から離間されており、留め具91,92,93,94のうちの少なくとも1つの係合要素95と係合する。
第1の作動手段71が作動している状態では、第1のプッシャーノブ73は、第1のスライド74の方向にバネ要素90のバネ力に対して押し付けられて、係合要素95とそれに相補的に形成された留め具92,93,94間の係合は解放される。この状態で、第1のスライド74の長手方向変位に対する阻止は取り除かれて、第1のスライド74はハンドルの縦軸Lの方向に変位可能となり、カテーテル先端10−1の第1の収容部11は操作可能となる。
特に図20に見られるように、ハンドル70−1と共に使用される戻り止めバネ機構は、第1のスライド74上で形成された係合要素95にそれぞれ相補的に形成され、第1のガイド72の長手方向に互いに離間する位置に配置された第1の留め具91と第2の留め具92とを有している。この実施形態では、第2の留め具92は、機能的な点で、例えば図14の実施形態と共に使用される第1のストップ75を形成する。第1のガイド72に形成された第1の留め具91は、例えば図14に示すハンドル70−1の実施形態では、機能的な点で第3のストップ77に対応する。従って、第1の留め具91と第2の留め具92間の距離は、第1の作動手段71の作動時にもたらされ得るカテーテル先端10−1の第1の収容部11の長手方向変位ストロークを画定する。
第1および第2の留め具は、第1のガイド72の第1のガイド面72に設けられ、戻り止めバネ機構は、第1のスライド74上に形成された係合要素95とそれぞれ相補的に形成された第3および第4の留め具93,94をさらに有していることが特に好ましい。図20に示すように、第3および第4の留め具93,94は、第1のガイド面72aと反対側の第2のガイド面72bに形成される。第1および第2の留め具91,92と同様に、第3および第4の留め具93,94は、第1のガイド72の長手方向Lで互いに離間した位置に配置される。特に、第3および第4の留め具93,94間の距離は、第1および第2の留め具91,92間のそれとは異なるように選択されるように規定されている。このように、1つのおよび同じ第1の作動手段71で、カテーテル先端10−1の第1の収容部11の異なる長手方向変位ストロークを実現できる。このためには、第1のガイド72内で180°旋回する場合、第1のスライド74を使用しさえすればよい。第1の作動手段71で実現できる長手方向変位ストロークが異なることは、挿入システム100−1によって異なる長さの心臓弁ステントが埋め込みできるという長所を有する。
例えば図19に示すハンドル70−1の第2の作動手段81は第2のプッシャーノブ83を有しており、戻り止めバネ機構も備えることができる。第2のプッシャーノブ83は第2のガイド82に誘導され、第2のスライド84に機能的に連結される。第2のスライド84は、第2の力伝達手段41によってカテーテル先端10−1の第2の収容部21に連結されて、第2の作動手段81の作動時に、第2のスライド84からカテーテル先端10−1の収容部21に力を伝達できる。
例えば図14〜17dを参照して説明したハンドルについても前述のように、第2の作動手段81の第2のスライド84は、第1のストップ85と第2のストップ86間で移動され得る。第1の作動手段71でのように、戻り止めバネ機構が第2の作動手段81と共に使用される場合にも、ストップ85および86なしで済ますことは可能である。
グリップ88は、図19で説明したハンドル70−1で、ハンドル70−1の本体70’にさらに連結される。このグリップ88は、本体70’に解放可能に締結され、特に、ハンドル70−1の上部側から本体70’に連結することもできる。このために、対応するブラケット88’が本体70’に設けられる(図20も参照)。
以下、経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1で使用されるカテーテルシャフト30−1の実施形態について、図19,8および9を参照してより詳細に説明する。
経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1のカテーテルシャフト30−1の横断面図である図9に特に見られるように、カテーテルシャフト30−1は、その近位端領域でハンドル70−1の第1の作動手段71に、その遠位端領域でカテーテル先端10−1の第1の収容部に、それぞれ連結可能な第1の力伝達手段31を備える。第1の力伝達手段31は、第1の作動手段71の作動時に、カテーテル先端10の第1の収容部11に引張力またはせん断力を伝達するように設計されている。
詳細には、経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1のカテーテルシャフト30−1では、第1の力伝達手段31は、カテーテルシャフト30−1の遠位端領域から近位端領域まで延在し、その中をガイドワイヤーが通過し得る毛細管によって形成されるように規定されている。
特に図19に見られるように、第1の力伝達手段31は、第1の作動手段71の第1のスライド74に取り外し不能に取り付けられている内側カテーテルの形態である。第1の力伝達手段31は、第1のスライド74から近位方向の第1の注入アダプター99a内に結合する。この第1の注入アダプター99aも、第1の作動手段71の第1のスライド74に取り外し不能に連結されて、第1の作動手段71の作動時に、ハンドル70−1の本体70’に対してハンドル70−1の長手方向Lに変位できる。
経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1と共に使用されるカテーテルシャフト30−1はさらに、一方では第2の作動手段81の第2のスライド84に、他方ではカテーテル先端10−1の第2の収容部21にそれぞれ連結され、引張力および圧縮力の伝達に使用される前述の第2の力伝達手段41を備える。経心尖的挿入システム100−1用のカテーテルシャフト30−1では、第2の力伝達手段41は、その中を前述の第1の伝達手段31が内側カテーテルの形態で走る外側カテーテルとして実施されることが、特に図19でわかる。詳細には、外側カテーテルの形態の第2の作動手段41の近位端領域は、第2のスライド84上にねじ留めされたねじ蓋84’間のポジティブな力ロック連結に搭載され、第2のスライド84上の第2の力伝達手段41の近位端領域の確実な固定を保証する。
外側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41と、内側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31間の空間は、充填材によって占められて充填体が形成されることが特に図9からわかる。内側カテーテルの形態の第1の伝達手段31はこの充填体を通過し、第1の作動手段71の作動時に、内側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31は、充填体40に対してカテーテルシャフト30−1の長手方向Lに変位する。
充填体は、カテーテルシャフト30−1が経心尖的挿入システム100−1に必要な剛性を有することを保証するプラスチック充填材から成ることが好ましい。
さらに、いくつかの流路43が充填体40に形成され得ることが図9からわかる。これらの流路は、一方では第2の注入アダプター99b(図19参照)に他方ではカテーテル先端10−1(図21参照)に連結されて、カテーテルシャフト30−1およびカテーテル先端10−1が中をフラッシュされ、流体が供給および排出されることを確実にする。
図19は、充填体40がハンドル70−1の本体70’に取り外し不能に連結されることを示している。充填体40の反対側の遠位側端は、カテーテル先端10−1の近位端に取り外し不能に連結される(図21参照)。
経心尖的挿入システム100−1のカテーテルシャフト30−1はさらにカニューレ毛細管45を備えており、そのカニューレ毛細管の近位側端領域は、固定87によってハンドル70−1の本体70’に連結されており、その遠位側端領域はステントホルダー15に連結されており、その結果、ステントホルダー15は基本的に、ハンドル70−1の本体70’に対して非可変距離に保持される。内側カテーテルの形態の第1の力伝達手段は、このカニューレ毛細管45の内部を通過している。
図8に示すように、内側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31は、その遠位側端領域に螺旋状の切り込みを有しており、それによって、カテーテル先端10−1だけがある程度の柔軟性を有する。内側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31の遠位側端領域は、カテーテル先端10−1の遠位側端先端25に取り外し不能に連結される。前述のように、遠位側端先端25は、その近位端で、ステントシースの形態のカテーテル先端10−1の収容部11に連結される。第1の作動手段71が作動されると、第1の力伝達手段は、カニューレ毛細管45および充填体40に対して、また、その中を第1の収容部11(ステントシース)がカテーテル先端10−1の長手方向Lに移動され得るステントホルダー15に対して移動される。
第2の力伝達手段41は、カテーテル先端10−1と、外側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41間の遷移において、漏斗状ステントの形態のカテーテル先端の第2の収容部21に取り外し不能に連結される。第2の収容部21(漏斗状ステント)と充填体40も互いに接合される。漏斗状ステント(第2の収容部21)と充填体40間の連結部に貫通穴が設けられ、その中を、充填体40に形成された流路43に第2の注入アダプター99bを用いて挿入された流体がカテーテル先端10−1内を通過できる。対応するシール44が、流路43に対する充填体40の遠位側端に設けられる。
ステントホルダー15は、非外傷性の形態の遠位構成を有しており、それによって、カテーテル先端10−1に収容されたステント解放後のカテーテル先端10−1の取り外し時に、損傷の危険性が低減されることが、図21からさらにわかる。
経心尖的挿入システム100−1の各実施形態では、前述の部品がすべて使用できる。
以下、埋め込み位置までの経動脈的または経大腿的接近に適した挿入システム100−2の部品について、図24〜34を参照して説明する。経動脈的または経大腿的接近の間、挿入システム100−2のカテーテル先端10−2は、例えば大動脈経由で埋め込み場所まで進められる。
図33は、患者の心臓までの経動脈的または経大腿的接近方法の例を概略的に示す。図33において、心臓弁ステント150は、特別な挿入システムを用いて大腿動脈経由で大動脈弁まで進められる。以下、経動脈的または経大腿的接近に適した特別な挿入システムの実施形態を説明する。
挿入システム100−2のカテーテル先端10−2へのステントの装着手順を示すために、経大腿的挿入システム100−2の4つの異なる機能的状態を図27a〜27dに詳細に示す。経大腿的挿入システム100−2のカテーテル先端10−2に搭載されたステントの解放を示すために、経大腿的挿入システム100−2のそれぞれの機能的状態を図28a〜28dに示す。
経動脈的または経大腿的接近に適した挿入システム100−2の実施形態は、既に図14〜17dを参照して説明した経心尖的挿入システム100−1とは異なっており、修正された構造を有するカテーテル先端10−2は、埋め込み場所まで経動脈的に接近できる。さらに、経心尖的挿入システム100−1と比較して、経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2は、異なるハンドル70−2と、異なるカテーテルシャフト30−2と、を有する。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2に使用されるハンドル70−2は、経心尖的挿入システム100−1に使用されるハンドル70−1とは、本質的には構造レイアウトだけが異なる。
経心尖的挿入システム100−1用のハンドル70−1とは対照的に、図27a〜28dの経動脈的/経大腿的挿入システム100−2用のハンドル70−2は、対応する第1の力伝達手段31経由で第1の作動手段71に関連付けられた、カテーテル先端10−2の第1の収容部13(ステントシース)に機能的に連結されたハンドル70−2に回転可能に搭載された車輪を有しており、力は、車輪の形態の第1の作動手段71からカテーテル先端10−2の第1の収容部11に直接伝達され得る。
詳細には、図27a〜27dおよび図28a〜28dのハンドル70−2の第1の作動手段71では、車輪の形態の第1の作動手段71は、第1のストップと第2のストップ間で旋回して、カテーテル先端10−2の第1の収容部11に対して画定可能な長手方向変位ストロークを実行できるように規定されている。経心尖的挿入システム100−1と共に使用されるハンドル70−1の第1の作動手段でのように、経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2と共に使用されるハンドル70−2の第1の作動手段71は、一方では第1のストップと他方では第2のストップと連携して、第1の作動手段71の作動時に、カテーテル先端10−2のステントホルダー15に対して、2つの画定された別個のステップから成るカテーテル先端10−2の第1の収容部11の長手方向変位がもたらし得る第3のストップを、第1および第2のストップ間に備える。
車輪の形態で用いられる第1の作動手段71では、第1の作動手段71に関連付けられた第3のストップは、車輪とカテーテル先端10−2の第1の収容部11間の力の流れに取り外し可能に配置されたロック要素77’の形態であり、車輪からカテーテル先端10−2の第1の収容部11への力の直接伝達を遮断する。しかしながら、第1の作動手段71に関連付けられた第3のストップを、第1および第4のストップ間の車輪の自由な回転を制限するロック要素の形態とすることも可能である。
しかしながら、経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2と共に使用されるハンドル70−2の第1の作動手段71を、車輪ではなく、経心尖的挿入システム100−1のハンドル70−1でのように、プッシャー機構として実施することも原則的にはもちろん可能である。
例えば、図27a〜27dおよび図28a〜28dの挿入システム100−2の実施形態と共に使用されるハンドル30−2に関して、さらに経心尖的挿入システム100−1の実施形態でのように、第2の作動手段81は、第2のガイド82に誘導され第2のプッシャー83に機能的に連結された第2のスライド84を有するように規定されている。ハンドル70−2の内部に誘導され、従って、図27a〜27dおよび図28a〜28dでは示されていないこの第2のスライド84は、第2の力伝達手段41によって第2の作動手段81に関連付けられたカテーテル先端10−2の第2の収容部21(漏斗状ステント)に機能的に連結されて、第2の作動手段81の作動時に、力は、第2のスライド84からカテーテル先端10−2の第2の収容部21(漏斗状ステント)に直接伝達される。
第2の作動手段81は、第1の位置と第2の位置間でハンドル70−2の長手方向に変位でき、それによって、第2の力伝達手段41経由でもたらされ得る長手方向変位ストロークは、カテーテル先端10−2の第2の収容部21に直接伝達される。第1および第2の位置はそれぞれ、第1および第2のストップ85,86により画定される。
使用される場合、第2のガイド82上に取り外し可能に配置され、第2の作動手段82に関連付けられた(第2の)スライド84の長手方向変位を阻止する固着要素89は、第2の作動手段81に関係付けて設けられる。
図27a〜27dおよび図28a〜28dに示す実施形態の経動脈的/経大腿的挿入システム100−2と共に使用されるハンドル70−2は、ハンドル70−2の操作性、特に、ハンドル70−2の操作適合性を容易にするグリップ88をさらに備える。このタイプのグリップ88も、もちろん、図14〜17dに示す経心尖的挿入システムと共に使用されるハンドル70−1と共に使用できる。ハンドル88は好適には、ハンドル70−2の本体70’に解放可能に連結され、ハンドル70−2の本体70’上の異なる位置で任意に固定され得る。
例えば、図27a〜27dおよび図28a〜28dに示す挿入システム100−2と共に使用され、カテーテル先端10−2に収容されたステントの埋め込み位置までの経動脈的/経大腿的接近を可能とするカテーテル先端10−2の構造に関して、カテーテル先端10−2は、同じく経心尖的挿入システム100−1用のカテーテル先端10−1でのように、例えば、その中に収容され得るステントの第2の保持領域を解放可能に固定するステントホルダー15を有する。経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1のカテーテル先端10−1と比較して、王冠の形態のステントホルダーの保持要素16は、ここではステントホルダー15の近位端に設けられる。
経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2のカテーテル先端10−2はさらに、必要に応じて心臓代用弁が締結される心臓弁ステントを搭載する取付け装置を備える。詳細には、カテーテル先端10−2の取付け装置は、特に、ステントの位置決めフープを収容する第1の収容部11と、必要に応じて、特に締結された心臓代用弁を収容する第2の収容部21から成る。
例えば図14〜17dを参照して既に説明した経心尖的挿入システム100−1の実施形態でのように、ハンドル70−2の第1の作動手段71は、図27a〜27dおよび図28a〜28dによる実施形態では、カテーテル先端10−2の第1の収容部11と連携し、第1の作動手段11の作動時に、画定された長手方向変位ストロークを伝達することによって、ステントホルダー15に対する第1の収容部11の所定の長手方向変位をもたらし得る。一方、図27a〜27dおよび図28a〜28dによる挿入システムでは、ハンドル70−2の第2の作動手段81はカテーテル先端の第2の収容部21と連携し、第2の作動手段81の作動時に、画定された長手方向変位ストロークを伝達することによって、ステントホルダー15に対するカテーテル先端10−2の第2の収容部21の所定の長手方向変位をもたらし得る。
図14〜17dを参照して説明した経心尖的挿入システム100−1とは対照的に、必要に応じて心臓代用弁が締結されたステントの保持フープを収容するために使用される第2の収容部21(漏斗状ステント)は、例えば図27a〜27dおよび図28a〜28dの経動脈的/経大腿的挿入システム100−2ではカテーテル先端10の遠位端領域に位置し、第1の収容部11(ステントシース)は、第2の収容部21とハンドル70−2間に位置する。
機能が不十分かあるいは狭窄した生来の心臓弁までの経動脈的接近用に設計された図27a〜27dおよび図28a〜28dに示す挿入システム100−2では、ハンドル70−2の第2の作動手段81をカテーテル先端10−2の第2の収容部21(漏斗状ステント)に連結する第2の力伝達手段41は、カテーテルまたはチューブ系の内部を通過する内側カテーテルの形態であることが好ましい。ハンドル70−2の第1の作動手段71をカテーテル先端10−2の第1の収容部11(ステントシース)に連結する第1の力伝達手段31は外側カテーテルの形態であり、その内部には、第1の力伝達手段31が内側カテーテルの形態で走っている。
第2の作動手段81の作動時に、第2の収容部21(漏斗状ステント)は、ステントホルダー15に対してカテーテル先端10−2の長手方向Lの遠位方向に、従ってハンドル70−2から離れる方向に移動され得、一方、ハンドル70−2の第1の作動手段71の作動時に、カテーテル先端10−2の第1の収容部11は、ステントホルダー15に対してカテーテル先端10−2の長手方向Lの近位方向に、従ってハンドル70−2に向かって移動され得る。
図27a〜27dおよび図28a〜28dの経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2により、作動手段71,81それぞれの作動時にもたらされ得るカテーテル先端10−2の収容部11,21それぞれの操作について、以下、特に図28a〜28dを参照して詳細に説明する。
経動脈的/経大腿的挿入システム100−2の一実施形態を図15a〜15dの4つの異なる機能的状態で示す。詳細には、第1の機能的状態の挿入システム100−2を図28aに示すが、ここでは、カテーテル先端10−2と、必要に応じてその中に収容されたステントと、を有するカテーテルシャフト30−2は、経動脈的または経大腿的に患者に挿入され、大動脈を経由して埋め込み場所まで進められる。
図28aの挿入システム100−2の第1の機能的状態では、カテーテル先端10−2は完全に閉じており、カテーテル先端10−2の2つのスリーブ状収容部11,21は伸縮自在に重なっている。スリーブ状収容部11,21のそれぞれの直径は、必要に応じて心臓代用弁が締結されたステントの折り畳まれた保持フープが第2の収容部21内に収容されるように選択される。第2の収容部21のスリーブ状要素と第1の収容部11のスリーブ状要素間に収容されたステントの折り畳まれた位置決めフープは、折り畳まれた形態で互いに保持される。
ステントの第2の保持領域は、図28aに示すように、ステントホルダー15がカテーテル先端10−2の近位端に固定された、挿入システム100−2の第1の機能的状態で示される。この目的のために、ステントの第2の保持領域に設けられた保持要素(保持リングなど)は、ステントホルダー15の保持要素16と係合する。
ステントホルダー15の保持要素16は、図28aに示す第1の機能的状態では、カテーテル先端10−2の第1の収容部11のスリーブ状要素で被覆されており、そのために、ステントの第2の保持領域上に設けられた保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合が可能であろう。
図28aに示す挿入システム100−2の第1の機能的状態は、経動脈的挿入手順の間維持される。埋め込み位置に達すると、挿入システム100−2は、第1の作動手段71(図28a〜28dの車輪の実施形態に示される)を第1の位置から第2の位置に移動させることによって図28aに示す第1の機能的状態から図28bに示す第2の機能的状態に遷移される。
第1の作動手段71の作動によりカテーテル先端10−2の第1の収容部11に伝達された長手方向変位ストロークによって、ステントホルダー15に対して、第1のスリーブ状収容部11の近位方向の、従ってハンドル70−2に向かう変位がもたらされる。第1の機能的状態(図28a参照)から第2の機能的状態(図28b参照)への遷移の間、ハンドル70−2の第1の作動手段71により、対応する第1の力伝達手段31を経由してカテーテル先端10−2の第1の収容部11に対して実行される長手方向変位ストロークは、カテーテル先端10−2に収容されたステントの位置決めフープは解放されるが、カテーテル先端10−2の第1の収容部11の遠位端はステントホルダー15の保持要素16を依然として被覆している距離だけ、第1のスリーブ状収容部11がステントホルダー15に対して近位の方向に変位するように予め画定されており、ステントの第2の保持領域に設けられた保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合は確実になるであろう。
第2の収容部21は、第1の機能的状態から第2の機能的状態への遷移の間は操作されないので、心臓代用弁が締結されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの第1の保持領域は、互いに折り畳まれた状態で第2の収容部21のスリーブ状要素内に収容され続けるであろう。
挿入システム100−2の第2の機能的状態において解放されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの位置決めフープは、それらに働く径方向力により開き、機能が不十分な生来の心臓弁のポケットに位置決めされ得る。ステントの位置決めフープを生来の心臓弁のポケットに適切に位置決め後、挿入システム100−2は、図28bに示す第2の機能的状態から図28cに示す第3の機能的状態に遷移される。これは、第2の作動手段81に関連付けられた固着要素89を取り外した後に第2の作動手段81を操作することによって行われる。
第2の作動手段81の作動時に、第2の作動手段81に関連付けられたカテーテル先端10−2の第2の収容部21は、第2の作動手段81で画定される予め定められた長手方向変位ストロークによって、ステントホルダー15に対して遠位方向に、従ってハンドル70−2から離れる方向に移動される。第2の収容部21に働く長手方向変位ストロークは、必要に応じて心臓代用弁が締結されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの第1の保持領域を第2のスリーブ状収容部21がもはや被覆せず、従ってステントの第1の保持領域を解放するように選択される。径方向力の働きによって、必要に応じて心臓代用弁が取り付けられたステントの遠位保持領域は完全に広がる。
ハンドル70−2の第1の作動手段71と、カテーテル先端10−2の関連付けられた第1の収容部11は、図28bの第2の機能的状態から図28cの第3の機能的状態への遷移の間は操作されないので、第1のスリーブ状収容部11の遠位端領域はステントホルダー15の保持要素16を被覆し続け、カテーテル先端10−2に収容されたステントの保持要素とステントホルダーの保持要素16間の係合は確実となり、ステントの近位保持領域は折り畳まれた状態である。挿入システムのカテーテル先端10−2へのステントのこの固定によって、ハンドル70−2の第2の作動手段81を適切に操作して挿入システム100−2を第3の機能的状態から第2の機能的状態に戻し、その後、第1の作動手段71を好適に作動させて第1の機能的状態に遷移させることによって、すでに部分的に広がったステントの外植が可能となる。
必要に応じて心臓代用弁が取り付けられたステントの外植が不要であれば、固着要素79(ロック要素)を取り外した後、ハンドル70−2の第1の作動手段71を第2の位置から第3の位置まで旋回させることによって、挿入システム100−2は、図28cに示す第3の機能的状態から図28dに示す第4の機能的状態に遷移される。固着要素79を取り外した後に可能となる第1の作動手段71の操作によって、ステントホルダー15に対して近位方向への、従ってハンドル70−2に向かうカテーテル先端10−2の第1の収容部11のさらに画定された移動が得られる。第1の収容部11に対して実行される長手方向変位ストロークは、第1のスリーブ状収容部11の遠位端がステントホルダー15の保持要素16をもはや被覆しないように選択されており、その結果、カテーテル先端10−2に収容されたステントの保持要素とステントホルダー15の保持要素16間の係合は解放されて、ステントの第2の保持領域は完全に解放され、それに応じてステントは完全に広がるであろう。
図28a〜28dを参照して説明した経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2の4つの機能的状態は、ステントを挿入システム100−2のカテーテル先端10−2に装着するための手順を明確にするために、図27a〜27dでは逆順で示す。図14a〜14dと図28a〜28dとを比較すると、第2の収容部21上のステントホルダー15と、第2の収容部21の方向の第1の保持領域間にステントを配置後、図27a(図28d参照)の第4の機能的状態からスタートして、図27b(図28c参照)の第3の機能的状態に挿入システム100−2を遷移させることによって、挿入システム100−2に心臓弁ステントが装着され得ることがわかる。その後、挿入システム100−2の残りの機能的状態が段階的に取り込まれて、図27dに示す挿入システム100−2は最終的に、カテーテル先端10−2が閉じた第1の機能的状態になる。
第1の機能的状態における、経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2のさらなる実施形態を図24aに示す。原則として、この実施形態は、図27a〜27dおよび図28a〜28dに示す実施形態と構造的および機能的に同一である。図24aに示す挿入システム100−2のハンドル70−2に関して、ハンドル70−2の端部領域は旋回機構98(回転手段)の形態であり、これによって、カテーテルシャフト30−2の第2の力伝達手段41は、遠位側端先端25とそれに締結されたカテーテル先端10−2の第2の収容部21(漏斗状ステント)とにより、カテーテル先端10−2の縦軸L周りにねじることができる。カテーテル先端10−2の第2の収容部21(漏斗状ステント)は、緩いベアリングによってステントホルダー15に連結されており、これによって、第2の収容部21とステントホルダー15間の旋回モーメントは伝達可能となるが、カテーテル先端10−2の縦軸L方向に働くいかなる引張力または圧縮力も伝達されない。従って、第2の収容部21の旋回運動が旋回機構98によって誘導されると、ステントホルダー15もそれに応じて縦軸L周りに旋回する。
好適には、旋回機構98によって、ステントホルダー15は約120°のねじれが可能となる。従って、カテーテル先端10−2に収容されたステントの回転、特に、挿入システム100−2の第2の機能的状態で既に解放されている位置決めフープが制御可能となり、機能が不十分な生来の心臓弁のポケットにおけるステントの既に拡張した位置決めフープの正確な位置決めが容易になる。
好適には、旋回機構98によってもたらされ得るカテーテル先端10−2の縦軸L周りのステントホルダー15の回転運動は、旋回機構98によって開始された旋回モーメントに反応して所定の、好適には小さな遅れを示す。
図24aに示すハンドル70−2の実施形態はさらに、車輪の形態の第3の作動手段96を備えており、これによって好適には、カテーテルシャフト30−2の遠位端領域に設けられた屈曲リンク34は偏向可能になる。
屈曲リンク領域34によってもたらされ得るカテーテルシャフト30−2の遠位端領域の偏向を図24bに概略的に示す。詳細には、一方で好適にはカテーテルシャフト30−2の遠位端領域に設けられた屈曲リンク領域34に連結され、他方ではずみ車として図24a,24bに示す実施形態で実施されるハンドル70−2の第3の作動手段96に連結された力伝達用装置(制御ワイヤー35,図32参照)が設けられる。
図32に見られるように、屈曲リンク領域34の曲率に対して指示した効果をもたらすために、制御ワイヤー35として、外側カテーテルの形態の第1の伝達手段31の内部を通過する力伝達装置を、好適には屈曲リンク領域34の遠位端あるいはカテーテル先端10−2の近位端で実施する(図31a,31b参照)ことができる。 制御ワイヤー35による屈曲リンク領域34に及ぼし得る引張力により、カテーテルシャフト30−2の遠位端領域の画定された曲率を得ることができる。これは、経動脈的/経大腿的接近の間の大動脈弓移動時に特に有利である。
経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2の実施形態はすべて、ハンドル70−2の近位端に第1の注入アダプター99aを有する。経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1でのように、この第1の注入アダプター99aは、挿入システムのフラッシングのため、またガイドワイヤーの出口として使用され、このアダプターにより、カテーテルシャフト30−2の遠位端に設けられたカテーテル先端10−2を有するカテーテルシャフト30−2の患者の身体への実際の導入が容易になる。これによって、カテーテルシャフト30−2、カテーテル先端10−2およびハンドル70−2はガイドワイヤー内に通され、例えば大動脈内をそれに沿って患者の心臓まで押し込まれる。
経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2の実施形態では、第2の注入アダプター99bがさらに設けられ、それによって、冷却液などがカテーテルシャフト30−2の内部に形成された流路43(図32参照)を経由して、カテーテル先端10−2まで通過できる。挿入システム100−2が、カテーテル先端10−2が伸縮自在に配置されたスリーブ状収容部11および21によって完全に包囲されている第1の機能的状態にある限り、カテーテル先端10−2に収容されたステントはカテーテル先端10−2が埋め込み位置へ進められている間、こうした冷却液によって適切に冷却され得る。
第2の注入アダプター99bによりもたらされるカテーテル先端10−2に収容されたステントのための冷却供給は、形状記憶材料がステント材料として使用され、またステントが外部刺激の影響下で一時的形態から永続的な形態に変形できる場合に特に有利である。ここで、一時的形態は、ステントの第1の構成(ステントがカテーテル先端10−2に収容されている時の折り畳まれた状態)であり、永続的な形態は、ステントの第2の構成(ステントがカテーテル先端10−2から解放された後の拡張した状態)である。
埋め込み位置までの経動脈的/経大腿的接近に適した挿入システム100−2のさらなる実施形態を図25および図13a〜13eに示す。図25と26に示す挿入システム100−2のカテーテルシャフト30−2とカテーテル先端10−2はそれぞれ、図24aと24b,27a〜27dおよび28a〜28dを参照して説明したシステムと機能的および構造的点で同一である。
図25および26に示す実施形態は、対応する作動手段71,81の実施の点でまずそして最も異なる。図24a、24bに示す挿入システム100−2で使用されるハンドル70−2は、図27a〜28dおよび図28a〜28dを参照して既に詳細に説明したので重複を避けるために省略する。
図25の挿入システム100−2はハンドル70−2を有しており、これによって、カテーテル先端10−2の第1の収容部11の操作に使用される第1の作動手段71は、リボルバーの引き金に似たものとなる。治療を行う医者は、グリップ88でハンドルを保持し、リボルバーの引き金の形態の第1の作動手段71は、保持した手の人差し指で操作される。
図26に示す挿入システム100−2では、図24a,24bの実施形態で設けられているグリップ88を除いて、図24a,24bの挿入システムと共に使用されるハンドル70−2と構造的・機能的な点で対応するハンドル70−2が使用される。
図29は、経大腿的または経動脈的接近用に設計された挿入システム100−2のさらなる実施形態を示す部分分割図である。特に、挿入システム100−2のハンドル70−2に使用される機構はこの図に見られる。詳細には、図29のハンドル70−2は、詳細には後述するカテーテルシャフト30−2の対応する第1および第2の力伝達手段31,41によって、カテーテル先端10−2の第1および第2の収容部11,21に連結された第1及び第2の作動手段71、82を備える。第1の作動手段71は、第1のスライド74に機能的に連結された第1のプッシャー73を有する。第1のスライド74は、ハンドル70−2の長手方向Lの第1のガイド72に誘導される。第1のガイド72の遠位側端は第1のストップ75を画定し、第1のガイド72の近位側端は第2のストップ76を画定し、それらのストップは、第1の作動手段71によってもたらされ得る長手方向全変位を画定する。第3のストップ77を画定するストップ要素77’は、第1のガイド72の遠位側端と近位側端間に配置され得る。しかしながら、図19および20を参照して既に説明したように、戻り止めバネ機構を有する第1の作動手段71を設けることも原則的には可能である。
図29に示すハンドル70−2の第2の作動手段81は、第2のスライド84に機能的に連結された第2のプッシャー83を有する。第2のスライド84は、第1のストップ85と第2のストップ86間の長手ガイド(第2のガイド82)に誘導される。第2のスライド84は、第2の力伝達手段41によってカテーテル先端10−2の第2の収容部21に連結される。第2の作動手段81の作動時に、第2のスライド84は、ハンドル70−2の長手方向Lを第1のストップ85から第2のストップ86まで移動される。この移動によって、第2の力伝達手段41を経由して第2の作動手段81に連結された、カテーテル先端10−2の第2の収容部21の長手方向変位がもたらされる。
第2のスライド84の意図しない変位を防ぐために、第2の作動手段は、使用時には第2のスライド84をハンドル70−2の本体70’に連結する取り外し可能な固着要素89を備える。第2のスライド84の第2のストップ86への長手方向変位は、固着要素89を取り外した場合にのみ可能である。図19および20を参照して既に説明したように、固着要素89の代わりに、戻り止めバネ機構を有する第2の作動手段81を装備することも原則的には可能である。
図30は、経大腿的または経動脈的接近用に設計された挿入システム100−2のハンドル70−2のさらなる実施形態を示す部分分割側面図である。図30に示すハンドル70−2の実施形態による第1および第2の作動手段71,81の構成および操作モードは、前述の経動脈的または経大腿的挿入システム100−2のハンドル70−2と構造的および機能的な点で同等である。しかしながら、図29を参照して説明したハンドルとは対照的に、図30のハンドルは、車輪の形態の第3の作動手段96を備えており、これによってカテーテルシャフト30−2の屈曲リンク領域34が制御可能となる。
第3の作動要素96は、好適にはカテーテルシャフト30−2の屈曲リンク領域34の設定偏向を固定可能とするために、戻り止め装置100を有する。例えば、戻り止め装置100に関して、第3の作動手段96のはずみ車上に、ハンドル70−2の本体70’と連携する適切な歯止め機構を設けられる。特に、カテーテルシャフト30−2の屈曲リンク領域34を制御ワイヤー35で第3の作動手段96に連結させることができ、制御ワイヤー35経由で第3の作動手段96を作動させると、引張力が屈曲リンク領域34に働き屈曲リンク領域34を偏向させられる(図24b参照)。
しかしながら、屈曲リンク領域を偏向させる第3の作動手段96として、別の実施形態を選択することももちろん可能である。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2のハンドル70−2が、第2の作動手段81経由でカテーテル先端10−2の第2の収容部21に一定の引張力を働かせる、図30に示す予張力装置を備えることが特に好ましい。詳細には、図30に示す予張力装置は、ハンドル70−2の本体70’に連結された第1のストップ97aと第2の作動手段81の近位端領域に連結された第2のストップ97b間で予めストレスをかけられ、そのバネ軸にそって永続的にストレスをかけられている圧縮バネ97を有しており、その結果、永続的な所定の引張力がカテーテル先端10の第2の収容部21に働く。
図30の実施形態において、バネ97と共に実施される予張力装置は、屈曲リンク領域34を有するカテーテルシャフト30−2が設けられる場合(図24a、24b参照)には特に有利である。屈曲リンク領域34が曲がると、カテーテルシャフト30−2の外側の繊維は短くなるが、これは、予張力装置によって適切に相殺される。詳細には、縦軸Lに沿って走るカテーテルシャフト30−2の中立的ファイバーに対して屈曲リンク領域34が曲げられると、中立的ファイバーから放射状に間隔を置かれたカテーテルシャフト30−2の外側の繊維は短くなる。経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2において、第2の作動手段81を第2の収容部21に連結する第2の力伝達手段41は、通常、カテーテルシャフト30−2の中立的ファイバーに沿って走っているため、カテーテルシャフト30−2が曲がると、曲げ収縮が必然的に発生し、その結果、第1の作動手段71が固定されているにも拘らず、カテーテル先端10−2の第1の収容部11は、ステントホルダー15に対して近位方向に変位する。
曲げ手順の間に起こるカテーテル先端10−2の第1の収容部11のこの長手方向変位は、プレストレス装置(バネ97)によって相殺される。なぜなら、プレストレス装置のバネ97は、第2の力伝達手段41に、従ってカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21に一定の引張力を及ぼし、その結果、カテーテル先端10−2の遠位側端先端25を第1の収容部11の遠位側端に対して常に押し付けているためである。これによって、屈曲リンク領域34によりもたらされたカテーテルシャフト30−2の偏向中であっても、挿入システム100−2の第1の機能的状態(図28a参照)におけるカテーテル先端10−2は、完全に閉じたままであることが保証される。
第2の作動手段81の作動時に、すなわち、挿入システム100−2が例えば図28bに示す第2の機能的状態から例えば図28cに示す第3の機能的状態に遷移する時に、第2のスライド84を、第2のストップ86上のプレストレス装置のバネ97によって供給されるプレストレスに対して押し付けなければならない。
以下、図30〜32を参照して、経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システムと共に使用できるカテーテルシャフト30−2について説明する。
カテーテルシャフト30−2は、ハンドル70−2の第1の作動手段71をカテーテル先端10−2の第1の収容部11(ステントシース)に連結するための、外側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31を備える。特に図30からわかるように、外側カテーテルとして実施される第1の力伝達手段31は、ねじ蓋71’と第1の作動手段71の第1のスライド74間でクランプされて、第1のスライド74に取り外し不能に連結される。外側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31の遠位側端領域は、ステントシースの形態のカテーテル先端10−2の第1の収容部11に結合して、ステントシースの形態の第1の収容部11に連結される。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2と共に使用されるカテーテルシャフト30−2の第2の力伝達手段41は、内側カテーテルとして実施される。内側カテーテルとして実施される第2の力伝達手段41の近位側端領域は、第2の作動手段81の第2のスライド84に取り外し不能に連結される。内側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41の遠位側端領域は、カテーテル先端10−2の端先端25に連結される。カテーテル先端10−2の第2の収容部21は、遠位側端によってカテーテル先端10−2の端先端に取り外し不能に連結されて、内側カテーテルの形態の力伝達手段41を経由した第2の作動手段81の作動時に、引張力または圧縮力が漏斗状ステントの形態のカテーテル先端10−2の第2の収容部21に伝達される。
特に図32からわかるように、内側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41は、外側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31の内部のカテーテルシャフト30−2の中立的な繊維にそって走っている。外側カテーテルの形態の第1の力伝達手段31と、内側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41間の空間は、充填材によって充填されて充填体40が形成される。充填材は、カテーテルシャフト30−2が全体として、および特に屈曲リンク領域34で曲がる((図24b参照)ように、比較的弾性のプラスチック材料であることが好ましい。
図30は、充填体40が、固定87によってハンドル70−2の本体70’に連結されることを示している。ステントホルダー15の近位側端領域は、充填体40の遠位側端領域で付着する(図31参照)。ステントホルダー15と充填体40間の連結は、充填体40に対してステントホルダー15が回転できるように選択されることが好ましい。これは、埋め込み手順の間にすでに部分的に解放されたステントの位置決めフープの回転を制御するために特に必要である(図34a参照)。一方、内側カテーテル41の形態の第2の力伝達手段41は、ハンドル70−2の近位端領域に設けられ得る回転可能なキャップ98によって長手方向L周りに旋回できる。この回転運動は、第2の力伝達手段41からカテーテル先端10−2の端先端25に、従って漏斗状ステントの形態の第2の収容部21に直接伝達される。
内側カテーテルの形態の第2の力伝達手段は、ステントホルダー15の本体を通って走り、適切なトゥーシングによりステントホルダー15と連携し、ハンドル70−2の回転式キャップによって第2の力伝達手段41に働く旋回モーメントをステントホルダー15に伝達し、カテーテル先端10−2の長手方向Lに働く引張力または圧縮力は、内側カテーテルの形態の第2の力伝達手段41からステントホルダー15には伝達されないことが特に好ましい。
図32にも見られるように、少なくとも1つの流路43がカテーテルシャフト30−2の充填体40に設けられ、この流路43は、近位側端で第2の注入アダプター99bに連結され(図30参照)、遠位側端でそれに応じてカテーテル先端10−2に連結されており、その結果、流体のカテーテル先端10−2への供給とカテーテル先端10−2からの排出が確実に行われる。
さらに、制御ワイヤー35を収容するチャネル36が充填体40に設けられ、これによって、第3の作動手段96はカテーテルシャフト30−2の屈曲リンク領域34と連携する(図24bおよび図30参照)。図31では、制御ワイヤー35の遠位側端は、ステントホルダー15の近位側端領域に固定されている。
前述のように、経心尖的挿入システム100−1かあるいは経大腿的または経動脈的挿入システム100−2に適切な前述のハンドル70−1,70−2を作動手段71,81と共に設け、これによって、図19および20を参照して既に説明したように、戻り止めバネ機構を使用することも原則的には可能である。その結果、外部に設けられる固着要素79,89は不要となる。
さらに、ハンドル70−1の本体70’に解放可能に連結され、必要に応じてコンセントに差し込みおよび引き抜きできる1つまたは複数のグリップ88を本体70’に連結することも原則的には可能である。また、経大腿的または経動脈的挿入システム100−2のハンドル70−2を有する第3の作動手段(図30参照)を、車輪としてではなくプッシャーとして実施することも可能である。
ハンドル70−1および70−2のそれぞれに関して説明した個々の特長はすべて互いに組み合わせできることは明らかである。
以下、患者の心臓弁狭窄症およびまたは心臓弁閉鎖不全症治療用の医療機器の好適な実施形態について、図21a〜21cを参照して説明する。図示のように、医療機器は、例えば図24a〜図31bを参照して詳細に説明したように、経動脈的/経大腿的接近用に設計された挿入システム100−1を備える。しかしながら、医療機器は、例えば図14〜23dを参照して既に説明したように、経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1を備えていてもよい。
医療機器は、挿入システム100−2に加えて、埋め込まれる心臓代用弁160が締結される挿入システム100−2のカテーテル先端10−2に搭載された自己拡張型心臓弁ステント150を有する。ステント150は、第1の機能的状態(図示せず)では、折り畳まれた状態の第1の所定の構成を呈する。一方、ステント150は、埋め込まれた状態では、拡張した状態の第2の所定の構成を取るように設計されている。
上記の挿入システム100−2を使用することによって、ステント150は、埋め込み手順の間、所定の一連の事象に続いて第1の所定の構成から第2の所定の構成に段階的・遂次的に遷移される。
詳細には、図34a〜34cに示す医療機器と共に使用されるステント150は、心臓代用弁160が取り付けられる第1の保持領域を備える。ステントはさらに、それぞれが保持リングの構成にあり、カテーテル先端10−2に設けられたステントホルダー15の保持要素16と解放可能に係合できる3つの保持要素151を有する第2の保持領域を備える。
また、ステント150は、心臓代用弁160を収容するための3つの保持フープ153と、ステント150を埋め込み場所に自動的に位置決めする3つの位置決めフープ154と、を有しており、ここで、ステント150のそれぞれの位置決めフープ154は、埋め込み手順の間、ステント150が埋め込まれた状態で、特に挿入システム100−2の第2の機能的状態から、生来の心臓弁のポケット170に係合するように機能的および構造的に設計されている。詳細には、各位置決めフープ154とその関連付けられた保持フープ153は本質的に、ステント150の遠位端に向けて閉じているU字状またはV字状の構造を有する。
挿入システム100−2と共に医療機器の基礎を形成するステント150は、侵襲性が最小の挿入システム100−2を用いることによって患者の身体への挿入に特に適したものになる。ステント150の典型的な特徴は、心臓代用弁160が取り付けられたステント150を患者の大動脈に自動的に位置決めする機能をステント150の3つの位置決めフープ154が有していることである。位置決めフープ154は、アール形状のヘッド部を有しており、それは、埋め込み場所でのステント150の位置決めの間、心臓代用弁と取り替えられる機能不十分な心臓弁のポケット170に係合する。合計3つの位置決めフープ154を設けることによって、回転方向における必要な位置決め精度に対処している。
図34aに示したこの状態で、経動脈的または経大腿的挿入システム100−2のカテーテル先端10−2およびカテーテルシャフト30−2は、患者の鼠径部動脈を穿刺して挿入され、カテーテル先端10−2は、ガイドワイヤー180によって埋め込み場所まで進められる。使用される挿入システム100−2は、図34aの第2の機能的状態で既に詳細に示している。
経動脈的または経大腿的接近用に設計された挿入システム100−2の第2の機能的状態については、例えば図28bを参照して既に説明した。第2の機能的状態では、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状収容部11は近位方向に、従ってハンドルに向かって第1の所定量だけすでに移動されており、ステント150の位置決めフープ154は解放されている。図34aに示すステント150のこれらの既に拡張した位置決めフープ154は、必要であれば、カテーテル先端10−2の適切な回転によって、生来の心臓弁位置のポケット170に配置される。生来の心臓弁のポケット170への位置決めフープ154の位置決めが完了後、挿入システム100−2は、第2の機能的状態(図28b参照)から第3の機能的状態(図28c参照)に遷移される。
挿入システム100−2が第3の機能的状態に遷移される方法については、例えば図28cを参照して既に説明した。図34bは、図34aによる挿入システム100−2を示しており、そこでは、第2のスリーブ状収容部21は遠位方向に変位し、保持フープ153を有するステントの第1の保持領域およびそれらに取り付けられた心臓代用弁160は解放されている。これらの部品は、径方向力の影響を受けて開口し、それによって、古い心臓弁は、位置決めフープ154と保持フープ153間でクランプされる。
心臓代用弁160の機能をチェック後、挿入システム100−2はその後、例えば図28dを参照して既に説明したように、第3の機能的状態から第4の機能的状態に遷移される。図34は、挿入システム100−2の第4の機能的状態への遷移が心臓代用弁160およびステント150に及ぼす影響を示す。
詳細には、挿入システム100−2の第4の機能的状態では、カテーテル先端10−2の第1の収容部11は、保持要素151のステント150の第2の保持領域上への固定が解放された結果、近位方向にさらに変位していることがわかる。これによって、ステント150の第2の保持領域も拡張して血管癖が押し付けられる。
最終的に、挿入システム100−2のカテーテル先端10−2とカテーテルシャフト30−2は、患者の身体から再び取り外される。
心臓弁ステント150が埋め込まれると、古い(機能が不十分な)心臓弁は、特に図34cに見られるように、ステント150の自己拡張性により同時に血管壁に押し付けられる。特に、機能が不十分な生来の心臓弁の半月状心臓弁は、ステント150の拡張により位置決めフープ154と保持フープ153間でクランプされ、ステント150の第1の保持領域上に置かれた心臓代用弁160は、最適に位置決めされて安定的に固定される。
要約すると、本開示による解決策は、挿入システムのカテーテル先端に搭載可能なステントを有する改善された挿入システムによって優れていることである。ステントは、特別の挿入システムによって経動脈的または経心尖的に挿入されて最適に位置付けられ、その結果、ステントの第1の保持領域に縫い付けられた心臓代用弁は、機能が不十分かまたは狭窄した生来の心臓弁の機能を請け負うことができる。ステントの自己拡張性により発現した径方向力によって、大動脈領域での確実な固定が保証される。挿入システムのカテーテルシャフトは、好適には、21F−挿入チューブおよび0.035’’ガイドワイヤーと同等の18〜21Fイントロデューサである。経動脈的接近用のカテーテルシャフトの長さは少なくとも100cmでなければならない。カテーテルシャフトの遠位領域に任意に設けられる屈曲リンク領域は好適には約30cmである。
以下、修正されたステントホルダー115について、図31a〜40cを参照して説明する。修正されたステントホルダー115は、経心尖的接近用に設計された挿入システム100−1のカテーテル先端10−1に使用され得る。
修正されたステントホルダー115は、中空の円筒体120と、その中に少なくとも部分的に収容されるガイド要素121と、を備える。詳細には、ガイド要素121は、円筒体120に対してステントホルダー115の長手方向に可動となるように中空の円筒体120に挿入される。この点で、ガイド要素121は、ステントホルダー115の遠位端部を形成する。
図32からわかるように、中空の円筒体120は、中空の円筒体120に対する移動の間、ガイド要素121を誘導するガイド面として機能する内部側壁122を備える。さらに、中空の円筒体120は、円筒体120に対するガイド要素121のステントホルダー115の長手方向の移動を制限するストップ123を備える。図31a〜40cに示す修正されたステントホルダー115の実施形態では、ストップ123は、中空の円筒体120の内部側壁122のステップとして形成される。
図31a〜40cに示す修正されたステントホルダー115の実施形態はバネ要素124も備える。バネ要素124は、一方では中空の円筒体120に部分的に収容され、他方ではガイド要素121に部分的に収容される。このために、ガイド要素121は、開口部が中空の円筒体120の内部に面した凹部125を備える。
例えば図32からわかるように、バネ要素124の遠位端部は、ガイド要素121の凹部125に収容される。バネ要素124の近位端部は、中空の円筒体120の近位端部に連結した対向軸受上に接している。
好ましくは、バネ要素124は、ガイド要素121が円筒体120の近位端部に設けられた対向軸受126から引き離されるように、ガイド要素121に圧縮力を印加する圧縮バネとして設計されている。こうして、ガイド要素121の遠位端は、中空の円筒体120から突出する。
しかしながら、一方では、ガイド要素121は、その遠位端上に力が印加された場合、円筒体120に対して近位方向に移動されてもよい。その後、バネ要素124は短くなる。
円筒体120に対するガイド要素121の長手方向の、すなわち近位方向の動きを制限するために、さらなるストップ127が中空の円筒体120の近位端部に設けられる。図31a〜40cの実施形態では、補足のストップ要素127は、円筒体120の近位端部に挿入された要素によって形成される。この要素128は、近位方向に先細りする円錐維持端129を有する。
貫通穴130がガイド要素121の長手方向軸状に形成される。別の貫通穴131が、ガイド要素121の貫通穴130と一直線に並ぶように要素128に設けられる。これらの貫通穴130,131は、カテーテル先端10−1の第1のカテーテルチューブ31を少なくとも部分的に収容する経路を画定する(図40a〜40c参照)。
修正されたステントホルダー115の円筒体120は、心臓代用弁(図31a〜40cには示さず)の流出端上に設けられた保持要素の適切な収容に適合した保持要素16も備える。一方のステントホルダー115の保持要素16と他方の心臓代用弁の流出端上の少なくとも1つの保持要素間の係合は、埋め込み場所でステントを解放するための外部からの操作によって解放可能であり、これによって、ステントは確実に拡張し確実に固定される。ステントの少なくとも1つの保持要素は、目、環、指あるいは無孔頭などの任意の好適な形状または構成を有していてもよいことは理解されるであろう。
こうした少なくとも1つの保持要素を用いることによって、ステントは、完全に解放されるまではステントホルダー115と接触し続ける。完全に解放されるまでステントとの接触を維持することによって、内科医は、ステントの位置と埋め込み位置をより正確に制御できる。ステントとそれに取り付けられた心臓代用弁の機能もチェックでき、いずれかあるいは2つとも正しく機能していなければ、内科医は、ステントホルダー115の残りの手段16と接触しているステントの少なくとも1つの保持要素を用いてステントを引き出して取り外しできる。
図示のように、修正されたステントホルダー115の円筒体120に設けられている保持要素16は、円筒体120の材料内で互いに均等に離間された切り欠きあるいはポケット(図示の実施形態では合計3つ)として形成される。これらのポケット132は、溝133によって円筒体120の近位端表面に連結される。
円筒体120の材料内のポケット132の形状およびサイズは、ポケット132を補完するステントの保持要素が、好適には確実にポケット132のそれぞれに収容されるように選択される。従って、ステントの保持要素はそれぞれ、ステントホルダー115の円筒体120に形成された1つのポケット132と解放可能な係合を確立する。
この点で、ステントの保持要素が、ステントの端部領域で突出要素または突出頭(保持頭)の形態で設けられていることが好ましい。突出要素の形態のステントのこれらの保持要素はそれぞれ、首部または連結織布経由でステントの位置決めアーチ(および保持アーチ)に連結されてもよい。ステントの保持要素が円筒体120のポケット132に確実に保持される場合、首部の少なくとも端部は溝133内にある。
例えば図31a,31bを参照して、円筒体120に形成されたポケット132はそれぞれ、ステントの端部領域のいずれの部分も円筒体120の表面から突出しないように、ステントの端部領域上に設けられた保持要素を実質的に収容するのに適合した形状を有する。
また、ステントホルダー115は、円筒体120に形成された少なくとも1つのポケット132上に配置された、ステントの端部領域上に設けられた保持要素を少なくとも1つのポケット132内に解放可能に固定するスナップオン手段を備えてもよい。
以下、修正されたステントホルダー115で実現可能な2つの異なる機能的状態について、最初に図40a〜40cを参照して説明する。
図40aは、カテーテル先端10−1が完全に閉じている第1の機能的状態にある経心尖的挿入システム100−1用のカテーテル先端の側断面図である。前述のように、拡張型心臓弁ステント(図40aには示さず)は、カテーテル先端10−1の対応する収容部11、12のカテーテル先端10−1に収容され得る。
前述のように、図40aに部分的に示すカテーテル先端10−1は、経心尖的挿入システム10−1の第1の機能的状態において完全に閉じた状態にある。この状態において、カテーテル先端10−1の、スリーブ状要素の形態の第1および第2の収容部11,12は伸縮自在に連結する。カテーテル先端10−1の第2の収容部12は、図40aの部分側面図には示されていないことに留意することは重要である。
挿入システム100−1の第1の機能的状態では、カテーテル先端10−1は、患者の身体に挿入されて所望の埋め込み位置まで進められ得る。本開示による経心尖的挿入システム100−1では、埋め込み位置、すなわち、疾患のある心臓までの接近は経心尖的に、従って心尖からの接近により行われる。なぜなら、ステントホルダー115はカテーテル先端10−1の遠位領域に位置し、カテーテル先端10−1の第2の収容部21(漏斗状ステント)はこれから近位にあるからである。
経心尖的挿入システム100−1の第1の機能的状態、すなわち、カテーテル先端10−1が完全に閉じた状態(図40a参照)では、カテーテル先端10−1のカテーテル端先端25は、カテーテル端先端25の近位端部がガイド要素121の遠位端部に押し付けられるように、ほとんど近位位置で(第1のカテーテルチューブ31により)保持される。従って、ガイド要素121は、円筒体120に対して近位方向に移動される。図40aからわかるように、ガイド要素121の近位端部は、円筒体120の近位端部に設けられたストップ123に接している。
図40cは、第4の機能的状態にある図40aのカテーテル先端10−1を示す。従って、図40aのカテーテル先端10−1の第1の機能的状態と比較して、第1の収容部11(ステントシース)は、第1の収容部11の近位端領域による円筒体120に設けられた保持手段の被覆が取り除かれるように、ステントホルダー115に対して移動される。第1の収容部11によるステントホルダー115の保持要素16の被覆が取り除かれた結果、カテーテル先端10−1に収容されたステント上に設けられた保持要素とステントホルダー115の保持要素16間の係合がなくなると、ステントは完全に解放され、その結果、ステントに取り付けられた心臓代用弁は完全に広がる。
図40cおよび、第1の機能的状態(40a参照)と第4の機能的状態(図40c参照)間の遷移状態のカテーテル先端10−1を示す図40bからわかるように、カテーテル先端10−1の第1のスリーブ状要素11と共に、カテーテル端先端25がステントホルダー115に対し遠位方向に移動されると、カテーテル端先端25によってガイド要素121の遠位端部上に印加された押し付け力はキャンセルされる。従って、ステントホルダー115の中空の円筒体120に収容されていたバネ要素124は、ガイド要素121を円筒体120に対して遠位方向に押す。従って、ガイド要素121の遠位端部は、中空の円筒体120の遠位端から突出する。このようにして、ステントホルダー115の全長が増加する。カテーテル先端10−1に収容されステントホルダー115経由でカテーテル先端10−1に連結されていたステントの解放後、カテーテル先端10−1が図40cに示す第4の機能的状態から図40aに示す第1の機能的状態に遷移すると、円筒体120の遠位端から突出したガイド要素121の遠位端部の表面領域134は、カテーテル先端10−1の第1のスリーブ状要素11のためのガイド面として機能する。
この連結では、カテーテル先端10−1に収容されたステントを解放して患者の身体からカテーテル先端10−1を取り外す前に、ステントまたはそれに取り付けられた心臓代用弁のカテーテル先端10−1による損傷を回避するために、また、外傷の危険性を最小化するために、カテーテル先端10−1は、図40aに示す第1の機能的状態に再び遷移されなければならないことに留意することが重要である。これは、カテーテル先端10−1が図40aに示す第1の機能的状態にある場合、カテーテル先端10−1は、後方に傾斜した部分やコーナー部は何ら備えていないという事実による。
円筒体120の遠位端から突出するガイド要素121の遠位端部の表面領域134によって形成されたガイド手段を有することによって、第1のスリーブ状要素11がステントホルダー115に対して近位方向に移動される場合に、カテーテル先端10−1第1のスリーブ状要素11とステントホルダー115が互いにまとめられる危険性が最小化される。
同時に、ステントホルダー115の全長、従ってカテーテル先端10−1の全長は、カテーテル先端10−1が完全に閉じているカテーテル先端10−1の第1の機能的状態において増加しない。カテーテル先端10−1の長さが縮小されていることは、カテーテル先端10−1が患者の身体に挿入され所望の埋め込み位置に進められる場合に有利である。
以下、経大腿的挿入システム100−2の修正されたカテーテル先端10−2について、図41a〜41fを参照して説明する。詳細には、第1の機能的状態にある修正されたカテーテル先端10−2を図41aに示すが、ここでは、必要に応じてその中に収容されたステントを有するカテーテル先端10−2は、経動脈的または経大腿的に患者に挿入され、大動脈を経由して埋め込み場所まで進められる。
図41aのカテーテル先端10−2の第1の機能的状態では、カテーテル先端10−2は完全に閉じており、カテーテル先端の2つのスリーブ状要素11,21は伸縮自在に重なっていてもよい。あるいは、カテーテル先端10−2の2つのスリーブ状要素11,21は、カテーテル先端10−2の第1の機能的状態では互いに接して、圧縮された状態のステントを収容する閉じた収容部を形成してもよい。いずれにしても、スリーブ状要素11,21のそれぞれの直径は、必要に応じて心臓代用弁が締結されたステントの折り畳まれた保持ハブが第2のスリーブ状要素21内に収容されるように選択される。第2のスリーブ状要素21と第1のスリーブ状要素11間に収容されたステントの折り畳まれた位置決めフープは、折り畳まれた形態で互いに保持される。
カテーテル先端10−2の第1の機能的状態では、ステントに設けられた少なくとも1つの保持要素は、ステントホルダー15の保持手段(ポケット132)と係合する。
ステントホルダー15の保持手段(ポケット132)は、図41aに示す第1の機能的状態ではカテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11で被覆されており、カテーテル先端10−2に収容されたステント上に設けられた保持要素とステントホルダー15の保持手段間の係合が可能であろう。
図41aに示すカテーテル先端10−2の第1の機能的状態は、経動脈的挿入手順の間維持される。埋め込み位置に達すると、カテーテル先端10−2は、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11をステントホルダー15に対して近位方向に、従ってハンドル70(図41a〜41fには示さず)に向けて移動させることによって、図41aに示す第1の機能的状態から図41bに示す第2の機能的状態に遷移される。
第1の機能的状態(図41a参照)から第2の機能的状態(図41b参照)への遷移の間に、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11に実行される長手方向変位ストロークは、カテーテル先端10−2に収容されたステントの位置決めフープは解放されるが、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11の遠位端はステントホルダー15の保持手段16を依然として被覆している距離だけ、第1のスリーブ状要素11がステントホルダー15に対して近位方向に変位するように予め画定されているため、ステントに設けられた保持要素とステントホルダー15の保持手段16間の係合は確実になるであろう。
第2のスリーブ状要素21は、第1の機能的状態から第2の機能的状態への遷移の間は操作されないので、心臓代用弁が締結されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの保持領域は、互いに折り畳まれた状態で第2のスリーブ状要素21のスリーブ状要素内に収容され続けるであろう。
第2の機能的状態において解放されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの位置決めフープは、それらに働く径方向力により開き、機能が不十分な生来の心臓弁のポケットに位置決めされ得る。ステントの位置決めフープを生来の心臓弁のポケットに適切に位置決め後、カテーテル先端10−2は、図41bに示す第2の機能的状態から図41cに示す第3の機能的状態に遷移される。これは、カテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21を、ステントホルダー15に対して遠位方向に、従ってハンドル70(図41a〜41fには示さず)から離れる方向に移動させることにより行われる。第2のスリーブ状要素21に働く長手方向変位ストロークは、必要に応じて心臓代用弁が締結されたカテーテル先端10−2に収容されたステントの保持領域をスリーブ状要素21がもはや被覆せず、従って、ステントの保持領域を解放するように選択される。径方向力の働きによって、必要に応じて心臓代用弁が取り付けられたステントの保持領域は完全に広がる。
カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11は、図41bに示す第2の機能的状態から図41cに示す第3の機能的状態への遷移の間は操作されないので、第1のスリーブ状要素11の遠位端領域は、ステントホルダー15の保持手段16を被覆し続け、カテーテル先端10−2に収容されたステントの保持要素と、ステントホルダー15の保持手段16間の係合は確実になる。ステントのカテーテル先端10−2へのこの固定によって、カテーテル先端10−2を、第3の機能的状態から第2の機能的状態を経由して第1の機能的状態に戻すことによって、既に部分的に広がったステントの外植が可能になる。
必要に応じて心臓代用弁が取り付けられたステントの外植が不要の場合、カテーテル先端10−2は、第1のスリーブ状要素11を、カテーテル先端10−2のステントホルダー15に対して近位方向に、従って挿入システム100−2のハンドルに向けて移動させることによって、図41cに示す第3の機能的状態から図41dに示す第4の機能的状態に遷移される。第1の収容部11に対して実行される長手方向変位ストロークは、第1のスリーブ状収容部11の遠位端がステントホルダー15の保持手段16をもはや被覆しないように選択され、その結果、カテーテル先端10−2に収容されたステントの保持要素とステントホルダー15の保持手段16間の係合は解放され、それによって、ステントは完全に解放されて、カテーテル先端10−2から完全に分離し、それに応じてステントは完全に広がるであろう。
ステントをカテーテル先端10−2から完全に分離後(図41dに示すカテーテル先端10−2の第4の機能的状態参照)、カテーテル先端10−2は、第4の機能的状態から第3および第2の機能的状態を経由して、カテーテル先端10−2が完全に閉じている第1の機能的状態に再び遷移される。その後、カテーテル先端10−2は、患者の身体から取り外しされ得る。心臓代用弁が損傷する可能性を最小化するために、あるいはカテーテル先端10−2が患者の身体に挿入される血管壁を守るために、カテーテル先端10−2の引き出し前にそれを閉じなければならない。
図41a〜41fに示す修正されたカテーテル先端10−2は、カテーテル先端が完全に閉じた状態でない場合に、カテーテル先端10−2の第1のスリーブ状要素11の近位端部が心臓代用弁の部分に損傷を与えないように設計されたバネ機構を備える。
詳細には、カテーテル先端10−2が閉じた状態(すなわち、図41aに示す第1の機能的状態)にない場合に、第1のスリーブ状要素を閉じるプラグ要素135を備える。プラグ要素135は、第2のカテーテルチューブ42に、すなわち、第2のスリーブ状要素21を操作する第2の力伝達手段に摺動可能に取り付けられる。このために、プラグ要素135は、第2のカテーテルチューブ42が通過する貫通穴を備える。詳細には、第2のカテーテルチューブ42の遠位端部は、プラグ要素135に設けられた貫通穴と第2のスリーブ状要素21の開口正面とを通過し、カテーテル先端10−2の円錐形の端先端25で終了するが、ここで、円錐形の端先端25の基部が第2のスリーブ状要素21の遠位正面を画定する。
プラグ要素135の第2のカテーテルチューブ42に対する近位方向への移動を制限するために、ストップ136がプラグ要素135に対する近位で第2のカテーテルチューブ42に固定される。
バネ要素137がさらに設けられる。バネ要素137は圧縮バネとして形成され、プラグ要素135の遠位端面と、カテーテル端先端25の近位端に設けられる対向軸受138間に配置される。バネ要素137は、カテーテル先端10−2が閉じた状態になく、ステントホルダー15によってカテーテル先端10−2に固定されたステントが第2のスリーブ状要素によってもはや被覆されない(つまり、例えば図41cおよび41dに示す第3および第4の機能的状態)場合、プラグ要素135の遠位端部がカテーテル先端10−2の第2のスリーブ状要素21の近位開口部を閉じるように設計される。従って、カテーテル先端10−2のこれらの機能的状態では、第2のスリーブ状要素21の開放端はプラグ要素135により閉じられ、心臓代用弁に損傷を与え得るコーナー、端部あるいは他の幾何学的な不連続は回避される。
心臓代用弁が取り付けられた端部がカテーテル先端10−2から完全に解放された後、カテーテル先端10−2は、第4の機能的状態から第1の機能的状態に、すなわち、閉じた状態に再び遷移される。この目的のために、第2のスリーブ状要素21はカテーテル端先端25と共に、第2のカテーテルチューブ21を操作することによって、ステントホルダー15に対して近位方向に移動される。第2のスリーブ状要素21の近位方向の移動によって、プラグ要素135も、プラグ要素135とカテーテル端先端25間に配置されたバネ要素137によって近位方向に移動される。しかしながら、プラグ要素135の移動は、第2のカテーテルチューブ(図41e参照)に固定されたストップ136によって制限される。
その後、第1のスリーブ状要素11は、ステントホルダー15に対して遠位方向に移動され、図41fに示すように、カテーテル先端10−2を閉じた状態に遷移させる。
本開示の解決策は、添付の図面に示した好適な実施形態に制限されない。それに反して、詳細に説明した個々の特長を組み合わせることも可能である。

Claims (12)

  1. つぶれた状態のステント(150)を収容する、第1のスリーブ状要素(11)と第2のスリーブ状要素(21)とで構成されたシート部と、前記ステント(150)を解放可能に固定するステントホルダー(115)と、を有し、前記スリーブ状要素(11,21)は、互いに対しておよび前記ステントホルダー(115)に対して可動であるカテーテル先端(10)と;
    前記カテーテル先端(10)をハンドル(70)に連結するカテーテルシャフト(30)であって、前記第1のスリーブ状要素(11)に連結された遠位端部と前記ハンドル(70)の第1の作動手段(71)に連結可能な近位端部とを有する第1の力伝達手段(31)と、前記第2のスリーブ状要素(21)に連結された遠位端部と前記ハンドル(70)の第2の作動手段(81)に連結可能な近位端部とを有する第2の力伝達手段(41)と、を有するカテーテルシャフト(30)と、を備え、
    前記ステントホルダー(115)は、中空の円筒体(120)と、前記中空の円筒体(120)に少なくとも部分的に収容されるガイド要素(121)を備え
    前記ガイド要素(121)は、前記中空の円筒体(120)に対して前記ステントホルダー(115)の長手方向に可動となるように前記円筒体(120)に挿入され、
    前記ガイド要素(121)は、前記ステントホルダー(115)の遠位端部を形成することを特徴とする自己拡張型心臓弁ステント(150)を患者の身体に導入するカテーテルシステム(1)。
  2. 前記中空の円筒体(120)は、前記円筒体(120)に対する前記ガイド要素(121)の移動の間に前記ガイド要素(121)を誘導するガイド面として機能する内部側壁(122)を備えることを特徴とする請求項に記載のカテーテルシステム。
  3. 前記中空の円筒体(120)は、前記ガイド要素(121)の、前記円筒体(120)に対して前記ステントホルダー(115)の長手方向の移動を制限するストップ(123)を備えることを特徴とする請求項または請求項に記載のカテーテルシステム。
  4. 前記ステントホルダー(115)は、一方では前記中空の円筒体(120)に、他方では前記ガイド要素に部分的に収容されるバネ要素(124)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のカテーテルシステム。
  5. 前記ガイド要素(121)は、その開口部が前記中空の円筒体(120)の内部に面している凹部(125)を備え、
    前記バネ要素(124)の遠位端部は、前記ガイド要素(121)の前記凹部(125)に収容され、
    前記バネ要素(124)の近位端部は、前記中空の円筒体(120)の近位端部に連結した対向軸受(126)上に接することを特徴とする請求項に記載のカテーテルシステム。
  6. 前記バネ要素(124)は、前記ガイド要素(121)が前記円筒体(120)の近位端部に設けられた前記対向軸受(126)から引き離されるように、前記ガイド要素(121)に圧縮力を印加する圧縮バネとして設計されていることを特徴とする請求項に記載のカテーテルシステム。
  7. 前記ガイド要素(121)の、前記中空の円筒体(120)に対して近位方向への長手方向移動を制限するために、さらなるストップ(127)が前記円筒体(120)の近位端部に設けられことを特徴とする請求項に記載のカテーテルシステム。
  8. 前記さらなるストップ(127)は、前記円筒体(120)の近位端部に挿入された要素で形成されることを特徴とする請求項7に記載のカテーテルシステム。
  9. 前記ステントホルダー(115)の前記円筒体(120)は、心臓代用弁の流出端上に設けられた適切な保持要素の収容に適合した保持手段(16)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のカテーテルシステム。
  10. 前記ステントホルダー(115)の前記円筒体(120)に設けられた前記保持手段(16)は、前記円筒体(120)の材料内で互いに均等に離間された切り欠きあるいはポケット形態であり、
    前記ポケット(132)は、溝(133)によって、前記円筒体(120)の近位端表面に連結されていることを特徴とする請求項9に記載のカテーテルシステム。
  11. 前記円筒体(120)に形成されたポケット(132)はそれぞれ、前記ステントの端部領域のいずれの部分も前記円筒体(120)の表面から突出しないように、前記ステントの端部領域上に設けられた前記保持要素の実質的な収容に適合した形状を有することを特徴とする請求項10に記載のカテーテルシステム。
  12. 前記ステントホルダー(115)は、前記円筒体(120)に形成された少なくとも1つのポケット(132)上に配置された、少なくとも1つの前記ポケット(132)の前記ステントの端部領域上に設けられた保持要素を解放可能に固定するスナップオン手段を備えることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のカテーテルシステム。
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