JP2010503770A - 鋼合金、プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテール、ホルダまたはホルダディテール用の強靭化されたブランク、鋼合金生産方法 - Google Patents

鋼合金、プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテール、ホルダまたはホルダディテール用の強靭化されたブランク、鋼合金生産方法 Download PDF

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Abstract

プラスチック成形工具のホルダおよびホルダディテールに適した鋼合金は、重量%で、0.08〜0.19C、0.05〜0.20N(ここでC+Nの総量は条件0.16≦C+N≦0.28を満たす)、0.1〜1.5Si、0.1〜2.0Mn、13.0〜15.4Cr、0.01〜1.8Ni、0.01〜1.3Mo、場合により最大0.7Vまでのバナジウム、前記鋼の被削性を向上させるための場合により最大0.25Sまでの量の硫黄ならびに場合により最大0.01(100ppm)Ca、最大0.01(100ppm)Oまでの量のカルシウムおよび酸素、残部の鉄および不可避の不純物を含む。この鋼合金は、強靭化された状態において、30体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを含むミクロ組織を有し、その強靭化された状態において290〜352HBの間の硬度を有する。本発明はさらに、前記プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテールを製造する方法、ならびにホルダまたはホルダディテール自体に関する。

Description

技術分野
本発明は鋼合金に関し、具体的には、プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテール(detail)、研磨性(polishability)に対して中程度の要件を有するプラスチック金型およびゴム金型、プラスチック押出し用のダイの製造、ならびに構造部品(constructional parts)用の鋼合金に関する。本発明はさらに、鋼製のホルダおよびホルダディテール、ならびに該ホルダおよびホルダディテールを製造するための鋼合金製ブランク(blank)に関する。本発明はさらに、生産経済性の向上を提供することができる前記鋼合金の生産方法に関する。
発明の背景
プラスチック成形工具のホルダおよびホルダディテールは、工具セット中のプラスチック成形工具の型締め(clamping)および/またはフレーミング(framing)構成部品として使用され、その工具の内部では、何らかの成形方法によってプラスチック製品が製造される。考えられるホルダディテールの中でも特に、ボルスタ板(bolster plates)および他の構造部品、ならびに実際の成形工具を収容、保持することができる大きな凹みを有する重いブロック(heavy block)の名を挙げることができる。本出願の出願人によって製造され、RAMAX S(登録商標)の登録商標で販売されている鋼は、重量%で表された以下の公称(nominal)組成を有する:0.33C、0.35Si、1.35Mn、16.6Cr、0.55Ni、0.12N、0.12S、残部の鉄および鋼製造に由来する不純物。最も近い規格化された類似の鋼はAISI 420Fである。このタイプの鋼は適切な耐食性を有し、マルテンサイトミクロ組織を有するように焼入れされ、焼き戻されている。
近年、この応用分野に対して鋼の特徴を改良することを追求したいくつかの鋼が開発された。具体的には、鋼の特徴を改良するために特に重点が置かれた特性は耐食性、延性、焼入性および被削性である。これらの鋼は、上記の鋼に比べて炭素およびクロム含量が低い。さらに、銅が追加され、ケイ素、マンガンおよびニッケルの量が変更されている。非常に低い炭素含量を得るために、追加の処理ステップで溶融物(melt)を処理しなければならない。このいわゆる脱炭は、気体、通常は酸素または酸素とアルゴンの混合物を溶融物中に吹き込む手段を備えた転炉を必要とする。この追加の処理ステップの結果、生産費が上昇する。
プラスチック射出成形ベース構成部品の製造において使用される鋼合金の一例が米国特許第6,358,334号に開示されている。この鋼合金は、0.03〜0.06%C、1.0〜1.6%Mn、0.01〜0.03%P、0.06〜0.3%S、0.25〜1.0%Si、12.0〜14.0%Cr、0.5〜1.3%Cu、0.01〜0.1%V、0.02〜0.08%Nを含み、残部はFeおよび通常存在する微量の元素である。AISI 420F型の鋼と比較すると、この鋼は、低い硬度および焼入性、改良された延性、耐食性、熱間強度および溶接性、ならびに熱間加工条件における改良された仕上げ面の品位により、有益な特徴の組合せを有すると言われる。
米国特許出願公開第2002/0162614号は、プラスチック金型のフレーム構造の製造に適したマルエージ鋼合金、金型部品、ならびに改良された被削性、良好な溶接性および高い耐食性を達成すると言われる前記鋼合金の生産方法を開示している。この合金は、0.02〜0.075%C、0.1〜0.6%Si、0.5〜0.25%S、最大0.04%までのP、12.4〜15.2%Cr、0.05〜1.0%Mo、0.2〜1.8%Ni、最大0.15%までのV、0.1〜0.45%Cu、最大0.03%までのAl、0.02〜0.08%N、ならびに残部のFeおよび製造由来の不純物を含む。
WO2006/016043は、プラスチック射出成形用の金型または金型部品用のマルテンサイトステンレス鋼を開示している。この鋼合金は、0.02〜0.09%C、0.025〜0.12%N、最大0.34%のSi、最大0.080%のAl、0.55〜1.8%Mn、11.5〜16%Cr、ことによると0.48%までのCu、0.90%までの(Mo+W/2)、0.90%までのNi、0.090%までのV、0.090%までのNb、0.025%までのTi、ことによると0.25%までのS、残部のFeおよび製造由来の不純物を含む。この鋼は、例えば米国特許第6,358,334号に開示された鋼と比較したときに、改良された溶接性、良好な耐食性、良好な熱伝導率を達成し、鍛造およびリサイクリング中の問題が小さいと言われる。
本出願の出願人によって製造され、RAMAX 2(登録商標)の登録商標で販売されている鋼は、最近開発された鋼に属する。この鋼合金は以下の公称組成を有する:0.12%C、0.20Si、0.30Mn、0.10S、13.4Cr、1.60Ni、0.50Mo、0.20Vおよび0.105N、残部のFeおよび製造由来の不純物。この鋼の製造は、後続の脱炭ステップを一切必要とすることなく実行することができる。この鋼は、優れた被削性、良好な耐食性および焼入性、全ての次元(dimensions)において均一な硬度、ならびに、金型の生産費および保守費を低下させる良好な押込み抵抗性(indentation resistance)を有し、市場で成功した製品である。
米国特許第6,358,334号 米国特許出願公開第2002/0162614号 WO2006/016043号
最近、ある種の合金元素の価格が上昇したため、上記の鋼の製造費はかなり高くなっている。さらに、これらの鋼のうちの一部の鋼の低い炭素含量は、溶融物の脱炭の実行を要求し、このことは生産費の増大につながる。したがって、この用途に対する鋼の最も重要ないくつかの特徴、例えば耐食性、焼入性、被削性および硬度をあまり低下させることなくより低い合金化費用で生産することができ、後続の脱炭ステップを一切必要とすることなく製造することができる鋼が求められている。
発明の開示
本発明の目的は、鋼合金、具体的には、プラスチック成形工具のホルダおよびホルダディテール、研磨性に対して中程度の要求を有するプラスチック金型およびゴム金型、プラスチック押出し用のダイの製造、ならびに構造部品用の鋼合金であって、より低い合金化費用で製造することができる鋼合金を提供することにある。この目的は、鋼合金において、重量%で、
0.08〜0.19C、
0.16≦C+N≦0.28、
0.1〜1.5Si、
0.1〜2.0Mn、
13.0〜15.4Cr、
0.01〜1.8Ni、
0.01〜1.3Mo、
場合により最大0.7Vまでのバナジウム、
鋼の被削性を向上させるための場合により最大0.25Sまでの量のSならびに場合により加えて
最大0.01(100ppm)Ca、
最大0.01(100ppm)Oまでの量のCaおよびO、
残部の鉄および不可避の不純物
を含む化学組成を有し、強靭化された(tough hardened)状態において30体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを含むミクロ組織を有し、その強靭化された状態において290〜352HBの間の硬度を有する
ことを特徴とする鋼合金によって達成することができる。
本発明はさらに、被削性が向上した鋼合金を提供することを目指す。これは、製造費の大きな部分が、さまざまな切削操作によって実行される機械加工操作に関係するからである。さらに、本発明の鋼合金は以下の要件を満たすことが好ましい。
・適切な耐食性
・鋼に硬度と被削性の有益な組合せを与える強靭化された状態における290〜352HBの硬度
・少なくとも300mmまで、場合によっては400mmまでの厚さを有することがある鋼板製のホルダブロックの製造にこの鋼が使用される可能があることを考慮した適切な焼入性
・適切な延性/靭性
・少なくとも好ましい一実施形態において、研磨性に関して中程度の特性が要求される成形工具(moulding tools)に対しても使用することができるようにするための適切な研磨性
・熱間加工操作中に形成される欠陥を除去する大量の機械加工を回避するための適切な熱間延性(hot ductility)
本発明はさらに、上記のようなホルダおよびホルダディテールを製造するための鋼合金製ブランクに関する。本発明の他の目的は、生産経済性が向上した生産方法を提供することにある。
本発明の最も幅広い態様によれば、プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテール、プラスチック金型およびゴム金型、プラスチック押出し用のダイ、ならびにホルダおよびホルダディテールの構造部品を製造するための鋼合金は、(重量%で)0.08〜0.19C、0.16<C+N<0.28、0.1〜1.5Si、0.1〜2.0Mn、13.0〜15.4Cr、0.01〜1.8Ni、0.01〜1.3Mo、最大0.7V、最大0.25S、最大0.01(100ppm)Caおよび最大0.01(100ppm)O、残部の鉄および不可避の不純物を含む化学組成を有し、そのマトリックス中に30体積%までのフェライトを含むであろう。
本発明の第2の態様によれば、この鋼が、(重量%で)0.10〜0.15C、0.08<N≦0.14N、ここで0.17<C+N<0.25、0.7〜1.2Si、0.85〜1.8Mn、13.5〜14.8Cr、0.10〜0.40Mo、0.1〜0.55Ni、0.09<V≦0.20を含み、残部が鉄および不可避の不純物であり、そのマトリックス中に15体積%までのフェライトを含む場合、被削性の向上、合金化費用のさらなる低減を達成することができる。好ましくは、この鋼の化学組成が、(重量%で)0.10〜0.15C、0.08<N≦0.14N、ここで0.17<C+N<0.25、0.75〜1.05Si、1.35〜1.55Mn、13.6〜14.1Cr、0.15〜0.25Mo、0.30〜0.45Ni、0.09<V≦0.15を含み、残部が鉄および不可避の不純物であり、そのマトリックス中に10体積%までのフェライトを含む。
この鋼の一変形形態では、実施した試験が、この鋼合金が、(重量%で)0.08〜0.19C、0.16<C+N<0.28、0.75〜1.05Si、1.05〜1.8Mn、13.0〜15.4Cr、0.15〜0.25Ni、0.15〜0.55Mo、最大0.7V、最大0.25S、最大0.01(100ppm)Caおよび最大0.01(100ppm)O、残部の鉄および不可避の不純物を含む化学組成を有し、そのマトリックス中に10体積%までのフェライトを含む場合、合金化費用および生産費の低減と同時に、被削性の予想外の向上を達成することができることを示した。
鋼中での個々の元素の重要性およびそれらの相互作用に関して、請求の特許の保護を特定の理論に結びつけることなく、以下のことが適用されると考えることができる。本明細書では、特に明示されない場合、合金元素の量に関するときには常に重量%が使用され、鋼の構造組成物、例えば炭化物、窒化物、炭窒化物、マルテンサイトまたはフェライトに関するときには常に体積%が使用される。本明細書では、特に明示されない場合、M(C,N)炭化物、M236炭化物、M73炭化物等は、炭化物および窒化物、ならびに炭窒化物を指す。
炭素および窒素は、鋼の硬度および延性にとって非常に重要な元素である。炭素は重要な焼入性増進元素でもある。しかしながら炭素は、炭化クロム(M73炭化物)の形態でクロムと結合し、したがって鋼の耐食性を低下させる可能性がある。したがって鋼は、最大0.19%、好ましくは最大0.15%、よりいっそう好ましくは最大0.14%の炭素を含むことができる。しかしながら、炭素はまた、その硬度に寄与するために焼戻されたマルテンサイト中に窒素とともに固溶元素として存在し、オーステナイト安定化材としても機能する。鋼中の炭素の最小量は0.08%、好ましくは0.09%超であろう。好ましい一実施形態では、炭素含量が少なくとも0.10%である。公称値としてこの鋼はCを0.12%含む。
窒素は、凝固(solidification)中のより大きな炭化物凝集体の形成が回避されまたは低減されるように合金系内の凝固条件に作用することにより、炭化物および炭窒化物のより均一かつより均質な分布の提供に寄与する。延性/靭性および耐食性に対して有利な影響を有するより小さなM(C,N)、すなわち炭化バナジウムに有利になるように、クロムに富むM236炭化物の割合も低減される。窒素は、加工中により微細な分散相に破壊されうるより小さな炭化物および窒化物を含意するより有利な凝固過程の提供に寄与する。これらの炭化物はさらに鋼のより微細な粒径に寄与する。窒素はさらにオーステナイト安定化材としても機能する。
これらの理由から、窒素は、少なくとも0.05%、好ましくは0.08%超で、0.20%以下、好ましくは最大0.13%、よりいっそう好ましくは最大0.11%の量で存在するであろう。公称値としてこの鋼はNを0.09%含む。同時に、炭素と窒素の総量は条件0.16≦C+N≦0.28、好ましくは0.17≦C+N≦0.25を満たすであろう。好ましい一実施形態では、炭素と窒素の和が少なくとも0.19%であり、かつ適当には最大0.23%であろう。公称値としてこの鋼は(C+N)を0.21%含む。この鋼の焼入れされ焼き戻された状態では、窒素が実質的に、固溶体中の窒素−マルテンサイトの形態でマルテンサイト中に固溶しており、そのため所望の硬度に寄与する。
まとめると、窒素含量に関して、窒素は、鋼のマトリックスのいわゆるPRE値を増大させることにより所望の耐食性に寄与し、マルテンサイトの硬度に寄与する焼戻されたマルテンサイト中の固溶元素として存在し、炭素とともに炭窒化物M(C,N)を所望の程度に形成するために、前記最小量で存在するであろうが、前記最大含量を超えずに、炭素が最も重要な硬度寄与因子である場合には炭素+窒素の含量を最大にするであろうと言うことができる。
ケイ素は鋼の炭素活量(activity)を増大させ、そのためより多くの1次炭化物を析出する傾向を増大させる。さらに、切削工具の凝着摩耗およびゴーリング(galling)を低減させる鋼の能力において有益な効果を得ることができ、ケイ素によってチップブレーキング(chip breaking)特性を向上させることができる。さらに、ケイ素はフェライト安定化元素であり、鋼が30%までの所望のフェライト含量を得、それにより所望の被削性および熱間延性を鋼に提供するように、フェライト安定化元素であるクロムおよびモリブデンに関してバランスがとられるであろう。しかしながら、本発明の鋼では、ケイ素が、そのフェライト増進特徴だけによって被削性の向上に寄与しているのではないように見える。同時に、この鋼は、論議されている用途の従来の鋼の炭素含量よりも低い炭素含量を含むが、最近開発された上記の鋼のうちの一部の鋼において提案されている含量よりも高い炭素含量を含む。したがってこの鋼は少なくとも0.1%、好ましくは0.6%超、よりいっそう好ましくは少なくとも0.7%のSiを含むであろう。一般に、フェライト安定化元素は、鋼中でのフェライトの所望の形成を達成するために、オーステナイト安定化元素に適合される(adapeted)であろうという規則が適用されるであろう。ケイ素の最大含量は1.5%、好ましくは最大1.2%である。好ましいケイ素含量は0.75〜1.05%である。公称値としてこの鋼はケイ素を0.90%含む。
マンガンは、マンガンの有利な効果である焼入性を増進する元素であり、鋼中に硫化マンガンを形成することによって硫黄を精製する(refining)ために使用することもでき、硫化マンガンの形成は被削性も増進する。好ましい一実施形態では、本発明の鋼が、より大きな寸法の棒鋼を空気中での冷却によって硬化させることを可能にする焼入性を有するであろうし、それにより硬化された棒鋼の後続のフラットニング(flattening)の必要性を排除する。マンガンはしたがって、最低0.1%、好ましくは少なくとも0.85%、よりいっそう好ましくは少なくとも1.05%存在するであろう。しかしながらマンガンは、リン(phosphorous)とともに偏析(segregation)する傾向を有し、これが焼戻し−脆化を生じさせることがあり、そのため、リンの含量は不純物濃度を超えないように制御されるであろう。マンガンはオーステナイト安定化元素でもある。したがってマンガンは、2.0%を超えて存在してはならず、好ましくは最大1.8%、よりいっそう好ましくは最大1.6%である。好ましい一実施形態では、マンガン含量が1.35〜1.55%、よりいっそう好ましくは1.40〜1.45%である。公称値としてこの鋼はMnを1.45%含む。
クロムは重要な合金元素であり、クロムは事実上、ステンレス鋼としての性質を鋼に与える主因であり、このステンレス鋼としての性質は、耐食性の低い鋼に錆を生じさせる可能性がある湿った環境においてしばしば使用されるプラスチック成形工具用のホルダおよびホルダディテールならびにプラスチック成形工具自体の重要な特徴である。
クロムはさらに、鋼の最も重要な焼入性増進元素である。しかしながら、この鋼は比較的に低い炭素含量を有するため、クロムは、炭化物の形態ではあまり多く存在せず、そのため、この鋼は、13.0%という低いクロム含量を有することができ、それにもかかわらず所望の耐食性を得ることができる。しかしながら、この鋼は、少なくとも13.5%を含むことが好ましい。上限は、第一に、費用上の理由、炭化物の析出による硬度の低下、およびクロムの偏析の危険によって決定される。したがって、この鋼は、最大15.4%Cr、好ましくは最大14.8%Cr、よりいっそう好ましくは最大14.5%Crを超えるCrを含んではならない。クロムはフェライト安定化材であり、定義された範囲の上部範囲に含まれる量で存在する場合には、好ましくは、高い炭素含量、典型的には0.14〜0.18%Cと組み合わせることができる。しかしながら、好ましい実施形態によれば、クロム含量はより中程度の量、典型的には13.6〜14.1%に保たれる。公称値としてこの鋼はCrを13.9%含む。
ニッケルは鋼の靭性を向上させる元素である。またニッケルは焼入性に対しても有益である。したがって、ニッケルは、鋼中に最低0.01%、好ましくは少なくとも0.15%存在するであろう。費用上の理由から、およびニッケルがオーステナイト安定化材として作用することから、含量は最大1.8%、好ましくは最大1.5%に制限されるべきである。
合金元素の費用をさらに低減させるため、ニッケル含量をさらに、0.15〜0.55%、好ましくは0.20〜0.50%、よりいっそう好ましくは0.30〜0.45%Niの範囲にまで低下させることができる。この実施形態が所望の焼入性を達成するため、この低いニッケル含量は、1.05〜1.8%Mn、好ましくは1.35〜1.55%Mnのマンガン含量、ことによるとさらに0.75〜1.05%Siのケイ素含量と組み合わされる。公称値としてこの鋼は0.36Niを含む。
この鋼の一変形形態では、鋼が、意図的に追加されたバナジウムを一切含まない。しかしながら、好ましい実施形態では、焼戻し操作に関連した2次炭化物の析出によって、焼戻し抵抗性が増大する2次硬化を達成するために、本発明の鋼がさらに活性含量(active content)のバナジウムを含む。存在するとき、バナジウムは、有益なM(N,C)炭化物を析出させることにより粒成長抑制材として機能する。しかしながら、バナジウムの含量が高すぎる場合には、鋼の凝固中に、焼入れ手順中に固溶されない大きな1次M(N,C)炭化物が形成される。所望の2次硬化を達成するため、および粒成長を回避するために、バナジウム含量は少なくとも0.05%V、好ましくは0.07%V、よりいっそう好ましくは0.09%V超であろう。バナジウムの上限は、主として、鋼中での固溶できない大きな1次炭化物の形成を回避するように決定され、この理由から、バナジウムの含量は最大0.7%V、好ましくは最大0.25%V、よりいっそう好ましくは最大0.20%Vであるべきだが、最大0.15%Vまでさらに低減させることができる。公称含量は0.10%Vである。
焼入性増進効果を与えるために、鋼はさらに、例えば少なくとも0.05%、好ましくは少なくとも0.10%の活性含量のモリブデンを含むことが好ましい。モリブデンはさらに耐食性を増進する。しかし費用上の理由から、モリブデンは最小限に抑えることが望ましく、それでもなお、耐食性および焼入性は十分であろう。
焼き戻すとき、モリブデンはさらに、鋼の焼戻し抵抗性の増大に寄与し、このことは有利である。一方、高すぎるモリブデン含量は、粒界炭化物の析出および偏析の傾向を生じさせることにより、不利な炭化物構造を生じさせる可能性があり、この理由から、モリブデンの最大量は1.3%に設定される。まとめると、この鋼は、モリブデンの有利な効果を利用し、同時に不利な効果を回避するため、バランスされたモリブデン含量を含む。適当なモリブデン含量は0.10〜0.40%の間である。好ましい一実施形態では、モリブデンが0.15〜0.25%Moである。公称値としてこの鋼はMoを0.20%含む。
通常、この鋼は、不純物濃度を超える量のタングステンを含まないが、ことによると1%までは許容することができる場合がある。
銅は、鋼の耐食性および硬度を増進し、この理由から、鋼中の適当な合金元素であると言える。しかしながら、銅は、たとえ少量であっても熱間延性を低下させ、一旦加えると鋼から抽出することは不可能である。このことは、ミルの内部で鋼を再循環させる可能性を害することに強力に寄与する。このような場合には、高いCu含量が許容されないグレードにおける高いCu含量を回避するため、ロジスティックスクラップハンドリング(logistic scrap handling)が構築されなければならない。このことは、例えば特定の用途での使用における周囲温度または高温での延性が負の影響を受ける熱間加工工具鋼に関して、多くの文献に取り上げられている(Ernstら、Impact of scrap use on the properties of hot-work tool steels, European Commission technical steel research, EUR20906, 2003年を参照されたい)。この理由から、銅は、スクラップからの意図せずに追加されたおよび不可避の元素としてのみ許容されるであろう。鋼中の銅の最大量は0.40%、好ましくは0.25%、よりいっそう好ましくは最大0.15%Cuである。
靭性および延性を害すると考えられるため、本発明の鋼では通常、チタン、ニオブなどの強力な炭化物形成合金元素も望ましくない。
本発明の鋼は、その強靭化された状態において納品されることが可能であり、このことは、機械加工操作によって大型のホルダおよび金型工具を製造することを可能にする。焼入性増進元素であるニッケルおよびモリブデンが低減されているにもかかわらず、この鋼は、非常に大きな寸法の棒鋼であっても空気中での冷却により焼入れることができる焼入性を備えている。空気中で冷却することにより、鋼中の歪みおよび高い応力を回避することができ、これらは金型製造中に解放することができる。この焼入れは、900〜1100℃、好ましくは950〜1025℃の温度、または約1000℃でオーステナイト化し、続いて油浴もしくはポリマー浴中、または真空炉内の気相中で、あるいは最も好ましくは空気中で冷却することによって、実行される。機械加工操作に適した290〜352HBの硬度を有する強靭化された材料を達成するための高温焼戻しは、510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で少なくとも1時間実行され、好ましくは2重焼戻しによって2時間2回実行される。
好ましい一実施形態によればこの鋼はさらに、その強靭化された状態における鋼の被削性を向上させるため、活性含量の硫黄を、ことによるとカルシウムおよび酸素とともに含むことができる。被削性をさらに向上させるため、この鋼が意図的に添加された量のカルシウムおよび酸素を含まない場合、鋼は少なくとも0.10%のSを含むできである。鋼がある含量の硫黄と意図的に合金化されるとき、鋼の最大硫黄含量は0.25%、好ましくは最大0.15%である。適当な硫黄含量はこの場合0.13%とすることができる。さらに、鋼の硫黄を含まない変形形態を考えることもできる。この変形形態はより良好な研磨性を獲得するであろう。この場合、鋼は、不純物濃度を超える硫黄を含まず、活性含量のカルシウムおよび/または酸素も含まない。
したがって、この鋼は、3〜100ppmCa、好ましくは5〜75ppmCa、適当には最大40ppmCaおよび10〜100ppmOと組み合わせて、0.035〜0.25%のSを含むことができると考えられ、存在する硫化物を球状化(globulize)して硫化カルシウムを形成するためにケイ素−カルシウム(CaSi)として供給することができる前記カルシウムは、硫化物が、延性を害する可能性がある望ましくない細長い形状をとることを妨害する。
本発明の最も幅広い態様によれば、焼入れされ焼き戻された状態における被削性の向上は、鋼が30体積%までのフェライトを含む場合に達成することができる。実施した試験も、本発明の鋼がその用途に対して設定された要件を満たすことを示した。さらに、この鋼は、より低い合金化費および生産費で生産することが可能である。
非常に驚いたことに、実施した試験はさらに、鋼の一変形形態においては、非常に低いレベル、すなわち約10%までであっても、被削性の向上を達成することができることを示した。鋼のこの変形形態では、ケイ素含量が0.75〜1.05%である。特に、価格が上昇したモリブデンは低濃度に保たれ、好ましいモリブデン含量は0.15〜0.25%である。ニッケルの価格も上昇しており、したがって低濃度に保たれるであろう。適当なニッケル含量は0.15〜0.55%、好ましくは0.30〜0.45%であり、鋼の所望の焼入性を達成するため、1.05〜1.8%Mn、好ましくは1.35〜1.55%Mnのマンガン含量と組み合わされることが好ましい。公称値としてこの鋼は0.36Ni、1.45Mnおよび0.90Siを含む。合金化費用をさらに低減させるため、バナジウム含量を0.10〜0.15%まで低減させることができ、それでも、粒成長抑制材としての効果および適切な延性/靭性を得ることが可能である。
以下では、本発明に基づく鋼の他の特性、態様および特徴、ならびにホルダおよび成形工具の製造に対する本発明に基づく鋼の有用性を、実施した実験および得られた結果の説明により、より詳細に説明する。
図面の簡単な説明
鋼の新規の変形形態に従って実施した実験および得られた結果の以下の説明では、以下の添付図面を参照する。
本発明に基づく鋼から製造することができる典型的な設計のホルダブロックを示す。 いわゆるQインゴット(50kg実験室ヒート(heat))の形態で生産された第1の鋼セットの焼入れ後、焼戻し前の硬度を、保持時間30分のオーステナイト化温度に対して示すグラフである。 Qインゴットとして製造された他のいくつかの試験された鋼の対応するグラフを示す。 Qインゴットとして製造された別のいくつかの試験された鋼の対応するグラフを示す。 60トン生産規模で生産された試験鋼(いわゆるDVヒート)の対応するグラフを示す。 1000℃から焼入れた鋼の焼戻し曲線を示す。 鋼の焼入性曲線を示すグラフである。 鋼の焼入性曲線を示すグラフである。 実験室規模および生産規模で製造された鋼の被削性試験の結果を示す棒グラフである。 実験室規模および生産規模で製造された鋼の被削性試験の結果を示す棒グラフである。 実験室規模および生産規模で製造された鋼の被削性試験の結果を示す棒グラフである。 実験室規模および生産規模で製造された鋼の被削性試験の結果を示す棒グラフである。 いくつかの鋼の熱間延性を示すグラフである。 いくつかの鋼の熱間延性を示すグラフである。 鋼の新規の変形形態の好ましい一実施形態のミクロ組織を示す写真である。 本発明の鋼およびいくつかの参照鋼の分極曲線を示す。
鋼の試験
図1は、本発明に基づく鋼から製造することができる典型的な設計のホルダブロック1を示す。ブロック1には、金型工具、通常はプラスチック成形工具を収容するであろうキャビティ2がある。ブロック1はかなり大きな寸法を有し、キャビティ2は大きくかつ深い。したがって、本発明に基づく材料には、異なるいくつかの条件、すなわちブロックのかなり大きな厚さに関連した適切な焼入性およびフライス、ボーラ(borer)などの切削工具による良好な被削性が必要となる。
材料
試験材料は実験室規模と生産規模の両方で製造した。最初に、いわゆるQインゴット(Q−ingot)(50kg実験室ヒート)に対して試験を3ラウンド(rounds)実行し(Q9261〜Q9284)、続いて、生産規模で製造された材料(本発明の鋼No.4)に対して試験を1ラウンド実行した。その後、新たな一組のQインゴット(Q9294〜Q9295)を製造し、最後に、フル生産(full production)規模で製造された材料(本発明の鋼No.5)に対して試験を1ラウンド実行した。
これらのQインゴットの組成を表VIに示す。表中、インゴットQ9261は参照材料No.1による参照組成物、Q9271およびQ9283は参照材料であり、Q9283はSをより多く含む。これらのQインゴットを60×40mmの棒鋼の形状に鍛造し、その後すぐに、それらの棒鋼を空気中で室温まで冷却した。それらの棒鋼を740℃まで加熱し、次いで15℃/時間の冷却速度で550℃まで冷却し、その後は空気中に放置して室温まで冷却した。
生産規模で製造された鋼の組成を下表VIIIに示す。本発明の鋼No.4および5の特徴と比較するための市販の鋼(鋼No.1、2および3)は市場から入手し、それらには熱処理もその他の処理も実行しなかった。
本発明の鋼No.4は6トンの原寸試験ヒート(full scale heat)として製造し、インゴットを鋳造し、それらを1240℃の熱間圧延または熱間鍛造によって試験片とした。それらの試験片を650℃の等温焼鈍し温度まで冷却し、この等温焼鈍し温度で10時間の等温焼鈍しにかけ、その後、空気中に放置して室温まで冷却した。次いで、それらの試験片を、温度1000℃で30分間オーステナイト化することにより焼入れ、550〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻した。
本発明の鋼No.5は、電気アーク炉を使用した従来の冶金法で生産され、2次取鍋ステップ(ladle step)で処理され、インゴットに鋳造された60トンの原寸試験ヒートとして製造した。それらのインゴットを、温度1240℃で、それぞれ610×254mm、600×100mmおよび610×305mmの棒鋼の形状に鍛造した。それらの棒鋼を650℃の等温焼鈍し温度まで冷却し、この等温焼鈍し温度で10時間の等温焼鈍しにかけ、その後、空気中に放置して室温まで冷却した。次いで、それらの棒鋼を、温度1000℃で30分間オーステナイト化することにより硬化させ、550〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻した。
Figure 2010503770
Figure 2010503770
熱処理後の硬度およびフェライト含量
オーステナイト化温度に対する硬度を図2A〜2Dに示す。これらの図面のグラフから、参照鋼(Q9261、Q9271およびQ9283)が最も高い硬度を有することが明らかである。また、オーステナイト化温度の増大とともに硬度が増大することも明らかである。しかしながら、本発明のいくつかの試験鋼は、参照鋼の硬度に近い硬度を得ることができる。しかし、それは、いくぶん高いオーステナイト化温度、すなわち約1000℃が選択されることを要求する。
1000℃から焼入れた一部の試験鋼の焼戻し後の硬度を図3に示す。これらの焼戻し曲線から、520〜600℃の温度範囲の焼戻しによってこれらの鋼を34HRCまで焼き戻すことができるとの結論を引き出すことができる。この図から明らかなように、本発明の鋼Q9272、Q9273、Q9274およびQ9284は、他の本発明の鋼よりも高い温度で焼き戻すことができ、それでもなお高い硬度を得ることができる。このことは応力除去の観点から有益である。
強靭化(tough−hardening)後の鋼の適当な硬度は約31〜38HRC(すなわち290〜352HB)である。下表VIIには、上記のさまざまな鋼にこの範囲内の硬度を与える熱処理が示されている。フェライト含量は、焼入れおよび焼戻し後に手動ポイント計数法(manual point counting)(
Figure 2010503770
)によって測定した。
Figure 2010503770
焼入性
焼入れ後の硬度を図4Aおよび4Bの焼入性曲線に示す。図にはオーステナイト化温度が示されており、それらの温度から試料を異なる速度で冷却した。
実験室規模で製造された一部の鋼の焼入性を示す図4Aから、1000℃でオーステナイト化した鋼Q9272、Q9294およびQ9295が、本発明の鋼の中で最もよい焼入性を有することが明らかである。これらの鋼は、比較的に厚い寸法の鋼を空気中で冷却することにより焼入れるために十分な焼入性を有する。その他の鋼はより薄い寸法に対して使用することができる。この図の中で最も低い焼入性を示す鋼群は低いNi含量を有する。最もよい焼入性は市販の鋼No.1によって得られ、これはQ9283およびQ9271の硬化曲線によって表されている。
生産規模で製造された鋼の焼入性を示す図4Bからは、本発明の鋼No.4およびNo.5が、硬化後に、市販の鋼No.1(図4AのQ9271)に等しく、市販の鋼No.2およびNo.3をはるかに超える高い硬度を得ることができることが明らかである。
実験室規模で実施した被削性試験
実験室規模で製造された本発明の鋼(Qインゴット)の被削性を調べ、参照鋼Q9261、Q9271およびQ9283と比較した。結果を下表IXに示す。実験室規模で製造された鋼は、結果を害する欠陥を含むことがあると考えられるだろう。
コーティングの無い超硬(carbide)インサート(insert)で正面フライス削りをすることにより、逃げ面(flank)を0.5mm摩耗させるのに必要な時間を調べた。切削データは以下のとおりである。
機械の型=SEKN 1203AFTN−M14 S25M
フライス=Seco R220.13−0040−12 φ40mm、3インサート
切削速度、vc=250m/分
刃送り、fz=0.2mm/刃
軸方向の切込み深さ、ap=2mm
半径方向の切込み深さ、ae=22.5mm
摩耗基準=逃げ面摩耗0.5mm
結果は、本発明の鋼が、市販の鋼に等しいかまたは市販の鋼よりも良好な正面フライス削り特性を得ることができることを示した。本発明の鋼の中ではQ9284が最もよく、Q9294およびQ9295も非常に良好である。
高速度鋼で穴あけ(drilling)を実施することにより、ドリルが損傷するまでにあけることができる穴の平均数を調べた。穴あけデータは以下のとおりである。
ドリルの型:
Figure 2010503770
コーティング無しHSS φ2mm
切削速度、vc:26m/分
送り速度、f:0.04mm/回転
穴あけ深さ:5mm
結果は、本発明の鋼が参照鋼よりも良好な穴あけ特性を得ることができることを示した。
高速度鋼でエンドミル削りを実施することにより、逃げ面を0.15mm摩耗させるのに必要な時間を調べた。穴あけデータは以下のとおりである。
フライス=Sandvik Coromant R216.33−05050−AK13P 1630 φ5mm
切削速度、vc=200m/分
刃送り、fz=0.05mm/刃
軸方向の切込み深さ、ap=2mm
半径方向の切込み深さ、ae=5mm
摩耗基準=逃げ面摩耗0.15mm
結果は、本発明の鋼が参照鋼よりも良好なエンドミル削り特性を得ることができることを示した。
Figure 2010503770
削り特性と穴あけ特性の両方を考慮すると、鋼Q9284、Q9294およびQ9295の結果は、本発明に基づく鋼によって被削性を向上させることができることを示した。
生産規模で実施した被削性試験
生産規模で製造された本発明の鋼の被削性を、さまざまな機械加工操作によって調べ、市販のいくつかの鋼の被削性と比較した。
図5Aは、コーティング超硬工具(coated carbide tools)を用いた正面フライス削りの結果を示す。切削データは以下のとおりである。
機械の型=Sajo VM 450
フライス=Sandvik Coromant R245−80Q27−12M、φ80mm、6インサート
切削速度、vc=250m/分
刃送り、fz=0.2mm/刃
軸方向の切込み深さ、ap=2mm
半径方向の切込み深さ、ae=63mm
摩耗基準=逃げ面摩耗0.5mm
図5Aから明らかなように、本発明の鋼は、市販の鋼に等しいかまたは市販の鋼よりも良好な正面フライス削り特性を得ることができる。特に、市販の鋼よりもいくぶん低い硬度を有する本発明の鋼は、優れた正面フライス削り特性を示す。
図5Bは、コーティング超硬工具を用いたキャビティフライス削り(cavity milling)の結果を示す。切削データは以下のとおりである。
フライス削り工具:Coromant R200−028AA32−12M、φ40mm、l=145mm
カーバイドグレード(carbide grade):Coromant RCKT 1204 MO−PM 4030
摩耗基準:VBmax0.5mm
切削速度、vc=不定(varying)
刃送り、fz=0.25mm/刃
軸方向の切込み深さ、ap=2mm
半径方向の切込み深さ、ae=12mm
図5Bは、本発明の鋼が、市販の鋼No.2および3に等しいかまたは市販の鋼No.2および3によりも良好なキャビティフライス削り特性を得ることができること、ならびに本発明の鋼が市販の鋼No.1よりも優れていることを示している。
図5Cは、高速度鋼を用いた穴あけの結果を示す。これらの試験から、本発明の鋼が、市販の鋼に等しいかまたは市販の鋼よりも良好な穴あけ特性を得ることができることが明らかである。穴あけデータは以下のとおりである。
ドリルの型:
Figure 2010503770
コーティング無しHSS φ5mm
切削速度、vc:26m/分
送り速度、f:0.15mm/回転
穴あけ深さ:12.5mm
図5Dは、高速度鋼を用いたエンドミル削りの結果を示す。これらの試験から、本発明の鋼No.5が、市販の鋼よりもはるかに良好なエンドミル削り特性を得ることができることが明らかである。穴あけデータは以下のとおりである。
フライス:C200 コーティング無しHSS φ12mm
切削速度、vc:70m/分
半径方向の切込み深さ、ae=1.2mm
軸方向の切込み深さ、ap=18mm
刃送り、fz:0.14mm/刃
摩耗基準=逃げ面摩耗0.15mm
要約として、被削性試験の結果を表Xに示す。この表では、鋼の結果が1〜5の値によって示されており、値5が非常に良好な結果を表し、値1が不満足な結果を表す。鍛造後の状態の鋼No.4の結果は、図5A〜Cに従って異なる硬度で示されている。鍛造後の状態の硬度はそれぞれ310HBおよび327HBである。
Figure 2010503770
熱間延性
本発明の鋼の熱間延性を図6Aおよび6Bに示す。900〜1150℃の範囲の曲線は、1270℃の熱間加工温度から試験片を冷却した後にそれらの鋼に対して得られた熱間延性を示し、1150〜1350℃の範囲の曲線は、試験片を加熱した後の熱間延性を示す。本発明の鋼が、高温といくぶん低い温度の両方で良好な熱い延性を有することが示された。この結果は、本発明の鋼を高温で熱間加工することができること、および900℃まで温度が下がっても本発明の鋼を熱間加工することができ、これにより再加熱することなく1ステップで熱間加工できることを示している。
ミクロ組織
強靭化された状態における鋼No.5のミクロ組織を図7に示す。このミクロ組織はマルテンサイト3のマトリックスからなる。さらに、このマトリックスはフェライト1を約3%含み、いくつかの硫化マンガン2、MnSが見られる。強靭化は、1000℃のオーステナイト化温度で30分間および560℃/2時間+570℃/2時間の焼戻しによって実施した。この製造方法は鍛造および空気中での冷却を含んだ。試験片は、熱間圧延によって得られた610×254mmの寸法を有した。
腐食試験
鋼の耐食性を評価するため、臨界(critical)電流密度Icrに関して、表XIに示した鋼の分極曲線を確立した。この測定方法に関しては、Icrが低いほど耐食性は良好であるというのが規定である。
Figure 2010503770
結果は、鋼Q9274、Q9275およびQ9276が、試験された他の大部分の鋼よりも良好な耐食性を有すること、ならびに、Q9276が、本発明の鋼の中で最もよい耐食性を有し、参照材料Q9261およびQ9283と比べてもより良好な耐食性を有することを示した。
本発明の鋼No.4および5ならびに市販の鋼No.1およびNo.3について、全面腐食(general corrosion)に対する抵抗性を、pH=1.2の0.05M H2SO4中での分極試験によって調べた。分極曲線を図7に示す。本発明の鋼No.4が、全面腐食に対して市販の鋼No.3よりも良好な抵抗性を有していたこと、および本発明の鋼No.5と市販の鋼No.3が、全面腐食に対してほぼ同じ抵抗性を有していたことが明らかである。市販の鋼No.1は、全面腐食に対して、試験した鋼の中で最もよい抵抗性を有していた。
製造方法
プラスチック成形工具のホルダ、ホルダディテールまたは成形工具を製造するための鋼合金を生産する方法では、本発明に基づく化学組成を有する鋼合金から、ホルダベース(base)、ホルダディテールベースまたは成形工具ベースが製造される。
本発明の鋼は、好ましくは電気アーク炉、誘導炉または主原料としてスクラップを使用する他の炉の中で溶融物を生産することにより製造される。ことによると、鋳造工程すなわち標的分析(target analysis)への鋼の合金化の前の鋼の適当なコンディショニング(conditioning)、脱酸生成物の除去などを保証するために、この溶融物が、2次取鍋ステップで処理される。炭素含量をさらに低くするために、この鋼を転炉で処理する必要はない。本発明に基づく化学組成を有するこの溶融物が大きなインゴットに鋳造される。この溶融物を連続鋳造によって鋳造することもできる。この溶融金属の電極を鋳造し、次いでエレクトロ・スラグ・リメルティング法(Electoro−Slag−Remelting)によって電極を再融解することも可能である。溶融物のガス噴霧法によって粉末を生産し、次いでその粉末を、熱間静水圧プレス法いわゆるHIP法を含むことができるある技法によって成形する(compacted)粉末冶金的方法によってインゴットを製造すること、あるいは溶射成形によってインゴットを製造することも可能である。
前記方法はさらに、前記鋼合金のインゴットを、1100〜1300℃、好ましくは1240〜1270℃の温度範囲で熱間加工するステップと、前記鋼合金を、熱間加工温度から50〜200℃、好ましくは50〜100℃の温度まで、好ましくは空気中で冷却し、それにより前記鋼合金の焼入れを達成するステップと、続いて、510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻し、それにより強靭化されたブランクを得るステップと、ホルダ、ホルダディテールまたは成形工具への機械加工操作によって、プラスチック成形工具のホルダベース、ホルダディテールベースまたは成形工具ベースを形成するステップとを含む。
プラスチック成形工具のホルダ、ホルダディテールまたは成形工具を製造するための鋼合金を生産する代替方法では、上記に基づく鋼合金を含むインゴットから、ホルダベースまたはホルダディテールベース、あるいは成形工具ベースが製造され、前記方法は、前記鋼合金のインゴットを、1100〜1300℃、好ましくは1240〜1270℃の温度範囲で熱間加工するステップを含む。この熱間加工に続いて、550〜700℃、好ましくは600〜700℃の等温焼鈍し温度への前記鋼合金の冷却が実行され、そこで、前記合金は、前記等温焼鈍し温度で5〜10時間の等温焼鈍しにかけられる。通常は、この等温焼鈍しに続いて、前記合金を室温まで冷却してから、焼入れおよび焼戻し操作にかける。この焼入れは、900〜1100℃、好ましくは950〜1025℃の温度、より好ましくは1000℃で30分間、鋼合金をオーステナイト化し、510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻し、それにより強靭化されたブランクを得、その後、プラスチック成形工具のホルダ、ホルダディテールまたは成形工具への機械加工操作によって、ホルダベース、ホルダディテールベースまたは成形工具ベースを形成することにより実行される。等温焼鈍し温度から室温への冷却を省略し、等温焼鈍しの後、直接にオーステナイト化温度まで加熱することも可能だが、これについてはなお吟味されるべきである。

Claims (47)

  1. 鋼合金において、重量%で、
    0.08〜0.19C、
    0.16≦C+N≦0.28、
    0.1〜1.5Si、
    0.1〜2.0Mn、
    13.0〜15.4Cr、
    0.01〜1.8Ni、
    0.01〜1.3Mo、
    場合により最大0.7Vまでのバナジウム、
    前記鋼の被削性を向上させるための場合により最大0.25Sまでの量のSならびに場合により加えて
    最大0.01(100ppm)Ca、
    最大0.01(100ppm)Oまでの量のCaおよびO、
    残部の鉄および不可避の不純物
    を含む化学組成を有し、強靭化された状態において30体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを含むミクロ組織を有し、その強靭化された状態において290〜352HBの間の硬度を有する
    ことを特徴とする鋼合金。
  2. 0.09<C≦0.15を含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  3. 0.10〜0.13Cを含むことを特徴とする、請求項2に記載の鋼合金。
  4. 0.05〜0.20Nを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  5. 0.08を超えるNを含むことを特徴とする、請求項4に記載の鋼合金。
  6. 最大0.13Nを含むことを特徴とする、請求項4または5に記載の鋼合金。
  7. 最大0.11Nを含むことを特徴とする、請求項4または5に記載の鋼合金。
  8. C+Nの総量が条件0.17<C+N<0.25を満たすことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の鋼合金。
  9. C+Nの総量が条件0.19<C+N<0.23を満たすことを特徴とする、請求項8に記載の鋼合金。
  10. 0.6を超え1.5までのSiを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  11. 0.7〜1.2Siを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  12. 0.75〜1.05Si、好ましくは0.84〜0.95Siを含むことを特徴とする、請求項11に記載の鋼合金。
  13. 0.85〜2.0Mnを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  14. 1.05〜1.8Mnを含むことを特徴とする、請求項13に記載の鋼合金。
  15. 1.35〜1.55Mnを含むことを特徴とする、請求項14に記載の鋼合金。
  16. 1.40〜1.45Mnを含むことを特徴とする、請求項15に記載の鋼合金。
  17. 13.5〜14.8Crを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  18. 13.5〜14.5Crを含むことを特徴とする、請求項17に記載の鋼合金。
  19. 13.6〜14.1Crを含むことを特徴とする、請求項18に記載の鋼合金。
  20. 13.7〜14.0Crを含むことを特徴とする、請求項19に記載の鋼合金。
  21. 0.15〜1.5Niを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  22. 0.15〜0.55Niを含むことを特徴とする、請求項21に記載の鋼合金。
  23. 0.20〜0.50Ni、好ましくは0.30〜0.45Niを含むことを特徴とする、請求項22に記載の鋼合金。
  24. 0.10〜0.40Moを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  25. 0.15〜0.25Moを含むことを特徴とする、請求項24に記載の鋼合金。
  26. 0.07〜0.7Vを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  27. 0.09を超え、0.70までのVを含むことを特徴とする、請求項26に記載の鋼合金。
  28. 最大0.25Vを含むことを特徴とする、請求項27に記載の鋼合金。
  29. 最大0.15Vを含むことを特徴とする、請求項28に記載の鋼合金。
  30. 不純物濃度を超えたVを含まないことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  31. 0.11〜0.25Sを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  32. 最大0.15Sを含むことを特徴とする、請求項1または31に記載の鋼合金。
  33. 0.10〜0.15C、
    0.08<N≦0.14N、ここで0.17≦C+N≦0.25、
    0.7〜1.2Si、
    0.85〜1.8Mn、
    13.5〜14.8Cr、
    0.10〜0.40Mo、
    0.1〜0.55Ni、
    0.09<V≦0.20
    を含み、
    その強靭化された状態において、15体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを有し、290〜352HBの間の硬度を有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  34. 0.10〜0.15C、
    0.08<N≦0.14N、ここで0.17≦C+N≦0.25、
    0.75〜1.05Si、
    1.35〜1.55Mn、
    13.6〜14.1Cr、
    0.15〜0.25Mo、
    0.30〜0.45Ni、
    0.09<V≦0.15
    を含み、
    その強靭化された状態において、10体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを有し、290〜352HBの間の硬度を有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  35. 0.75〜1.05%Si、
    1.05〜1.8Mn、
    0.15〜0.25%Mo、
    0.15〜0.55Ni、
    を含み、
    その強靭化された状態において、10体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを有し、290〜352HBの間の硬度を有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の鋼合金。
  36. 0.30〜0.45%Niを含むことを特徴とする、請求項35に記載の鋼合金。
  37. 1.30〜1.65Mnを含むことを特徴とする、請求項35に記載の鋼合金。
  38. 0.10〜0.15%Vを含むことを特徴とする、請求項35に記載の鋼合金。
  39. 前記マトリックスが0.05〜6.5体積%のフェライトを含むことを特徴とする、請求項35に記載の鋼合金。
  40. プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテールあるいは成形工具用の、ホルダベースまたはホルダディテールベースあるいは成形工具ベースを生産する方法であって、
    請求項1〜39のいずれかに記載の化学組成を有する鋼合金を製造するステップと、
    前記鋼合金のインゴットを、1100〜1300℃、好ましくは1240〜1270℃の温度範囲で熱間加工するステップと、
    前記鋼合金を冷却し、それにより前記鋼の焼入れを達成するステップと、
    前記鋼合金を、510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻すステップと
    を含む方法。
  41. プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテールあるいは成形工具用の、ホルダベースまたはホルダディテールベースあるいは成形工具ベースを生産する方法であって、
    請求項1〜37のいずれかに記載の化学組成を有する鋼合金を製造するステップと、
    前記鋼合金のインゴットを、1100〜1300℃、好ましくは1240〜1270℃の温度範囲で熱間加工するステップと、
    前記鋼合金を、550〜700℃、好ましくは600〜700℃の等温焼鈍し温度まで冷却するステップと、
    前記鋼合金を、前記等温焼鈍し温度で5〜10時間の等温焼鈍しにかけるステップと、
    900〜1100℃、好ましくは950〜1025℃の温度、よりいっそう好ましくは1000℃で30分間オーステナイト化することにより前記鋼合金を焼入れ、510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻すステップと
    を含む方法。
  42. 前記鋼合金が、主原料としてスクラップを使用し、前記スクラップを炉、好ましくは電気アーク炉の中で溶融することによって生産されることを特徴とする、請求項40または41に記載の方法。
  43. 前記合金を熱間加工する前記ステップが、前記鋼合金を鍛造しかつ/または圧延するステップを含む、請求項40または41に記載の方法。
  44. プラスチック成形工具のホルダもしくはホルダディテール、またはプラスチック押出し用のダイ、あるいは構造部品において、鋼インゴットから製造され、前記鋼インゴットが、重量%で、
    0.08〜0.19C、
    0.16≦C+N≦0.28、
    0.1〜1.5Si、
    0.1〜2.0Mn、
    13.0〜15.4Cr、
    0.01〜1.8Ni、
    0.01〜1.3Mo、
    場合により最大0.7Vまでのバナジウム、
    前記鋼の被削性を向上させるための場合により最大0.25Sまでの量のSならびに場合により加えて
    最大0.01(100ppm)Ca、
    最大0.01(100ppm)Oまでの量のCaおよびO、
    残部の鉄および不可避の不純物
    を含む化学組成を有し、前記製造が、
    前記鋼合金のインゴットを、1100〜1300℃、好ましくは1240〜1270℃の温度範囲で熱間加工するステップと、
    前記鋼合金を冷却し、それにより前記鋼の焼入れを達成するステップと、
    前記鋼合金を510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻し、それにより30体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを有し、290〜352HBの間の硬度を有するミクロ組織を得るステップと、前記プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテールを、機械加工操作によって形成するステップと
    を含むことを特徴とする、プラスチック成形工具のホルダもしくはホルダディテール、またはプラスチック押出し用のダイ、あるいは構造部品。
  45. プラスチック成形工具のホルダもしくはホルダディテール、またはプラスチック押出し用のダイ、あるいは構造部品において、鋼インゴットから製造され、前記鋼インゴットが、重量%で、
    0.08〜0.19C、
    0.16≦C+N≦0.28、
    0.1〜1.5Si、
    0.1〜2.0Mn、
    13.0〜15.4Cr、
    0.01〜1.8Ni、
    0.01〜1.3Mo、
    場合により最大0.7Vまでのバナジウム、
    前記鋼の被削性を向上させるための場合により最大0.25Sまでの量のSならびに場合により加えて
    最大0.01(100ppm)Ca、
    最大0.01(100ppm)Oまでの量のCaおよびO、
    残部の鉄および不可避の不純物
    を含む化学組成を有し、前記製造が、
    前記鋼合金のインゴットを、1100〜1300℃、好ましくは1240〜1270℃の温度範囲で熱間加工するステップと、
    前記鋼合金を、550〜700℃、好ましくは600〜700℃の等温焼鈍し温度まで冷却するステップと、
    前記鋼合金を、前記等温焼鈍し温度で5〜10時間の等温焼鈍しにかけるステップと、
    900〜1100℃、好ましくは950〜1025℃の温度、よりいっそう好ましくは1000℃で30分間オーステナイト化することにより前記鋼合金を焼入れ、510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻し、それにより30体積%までのフェライトを含みマルテンサイトマトリックスを有し、290〜352HBの間の硬度を有するミクロ組織を得るステップと、前記プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテールを、機械加工操作によって形成するステップと
    を含むことを特徴とする、プラスチック成形工具のホルダもしくはホルダディテール、またはプラスチック押出し用のダイ、あるいは構造部品。
  46. プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテール用の強靭化されたブランクにおいて、鋼インゴットから製造され、前記鋼インゴットが、重量%で、
    0.08〜0.19C、
    0.16≦C+N≦0.28、
    0.1〜1.5Si、
    0.1〜2.0Mn、
    13.0〜15.4Cr、
    0.01〜1.8Ni、
    0.01〜1.3Mo、
    場合により最大0.7Vまでのバナジウム、
    前記鋼の被削性を向上させるための場合により最大0.25Sまでの量のSならびに場合により加えて
    最大0.01(100ppm)Ca、
    最大0.01(100ppm)Oまでの量のCaおよびO、
    残部の鉄および不可避の不純物
    を含む化学組成を有し、前記製造が、
    前記鋼合金のインゴットを、1100〜1300℃、好ましくは1240〜1270℃の温度範囲で熱間加工するステップと、
    前記鋼合金を冷却し、それにより前記鋼の焼入れを達成するステップと、
    前記鋼合金を510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻し、それにより30体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを有し、290〜352HBの間の硬度を有するミクロ組織を得るステップと
    を含むことを特徴とする強靭化されたブランク。
  47. プラスチック成形工具のホルダまたはホルダディテール用の強靭化されたブランクにおいて、鋼インゴットから製造され、前記鋼インゴットが、重量%で、
    0.08〜0.19C、
    0.16≦C+N≦0.28、
    0.1〜1.5Si、
    0.1〜2.0Mn、
    13.0〜15.4Cr、
    0.01〜1.8Ni、
    0.01〜1.3Mo、
    場合により最大0.7Vまでのバナジウム、
    前記鋼の被削性を向上させるための場合により最大0.25Sまでの量のSならびに場合により加えて
    最大0.01(100ppm)Ca、
    最大0.01(100ppm)Oまでの量のCaおよびO、
    残部の鉄および不可避の不純物
    を含む化学組成を有し、前記製造が、
    前記鋼合金のインゴットを、1100〜1300℃、好ましくは1240〜1270℃の温度範囲で熱間加工するステップと、
    前記鋼合金を、550〜700℃、好ましくは600〜700℃の等温焼鈍し温度まで冷却するステップと、
    前記鋼合金を、前記等温焼鈍し温度で5〜10時間の等温焼鈍しにかけるステップと、
    900〜1100℃、好ましくは950〜1025℃の温度、よりいっそう好ましくは1000℃で30分間オーステナイト化することにより前記鋼合金を焼入れ、510〜650℃、好ましくは540〜620℃の温度で2時間で2回焼き戻し、それにより30体積%までのフェライトを含むマルテンサイトマトリックスを有し、290〜352HBの間の硬度を有するミクロ組織を得るステップと
    を含むことを特徴とする強靭化されたブランク。
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