JP2010502796A - 新規な芳香族ポリカーボネート組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、以下の出願の利益を主張するものである:(i)米国仮特許出願第60/842,367号(出願日:2006年9月6日)、(ii)米国仮特許出願第60/842,368号(出願日:2006年9月6日)、および(iii)米国仮特許出願第60/842,365号(出願日:2006年9月6日)。これらの出願の内容のすべてを、参照により本明細書に援用する。
本発明は、新規な芳香族ポリカーボネートに、ならびにそれから製造される物品および物品の一部に関する。
ポリアリーレン、特にポリフェニレンは例外的に高い強度を示し、それらはまた例外的に高い硬度、耐引掻性および寸法安定性を示す。これらの性質に関しては、ニートのポリアリーレンによって達成される性質のレベルは通常、最も厳しい最終用途によって要求されるものをはるかに超える。残念なことには、ポリアリーレンには、靱性関連性質に、特に耐衝撃性および伸び性の点で深刻な限界がある。
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの強度より高い、高い強度;
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの剛性と同程度に高い、高い剛性;
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの耐環境応力亀裂性および先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の耐環境応力亀裂性より高い、高い耐環境応力亀裂性;
先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の耐火性特性に対して向上した耐火性特性;
ある種の態様によってニートの芳香族ポリカーボネートの耐衝撃性特性に理想的に近づく、先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の耐衝撃性特性に対して向上した耐衝撃性特性;
先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の伸び性に対して向上した伸び性;
先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物のそれと比較したときに実質的に向上した、良好な溶融加工性。
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの強度および先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の強度より高い、極めて高い強度;
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの耐火性特性および先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の耐火性特性より高い、極めて高い耐火性特性。
少なくとも1種の芳香族ポリカーボネート(P1)、および
繰り返し単位の50質量%超が場合により置換されたアリーレン基であり[繰り返し単位(R2)]、前記繰り返し単位(R2)のそれぞれがその二つの末端のそれぞれによって、二つの他の場合により置換されていてもよいアリーレン基に、直接的なC−C結合を介して結合されており、そして前記繰り返し単位(R2)が、
・繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして0〜75モル%の、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されていてもよい、剛直棒状形成アリーレン単位(R2a)、および
・繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして25〜100モル%の、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されていてもよい、キンク形成アリーレン単位(R2b)
からなる混合物(M)である、少なくとも1種のポリアリーレン(P2)。
本発明のさらに別な態様は、上述のようなブレンド物(B)を含むかもしくは上述のような方法によって得られる、成形物品もしくは成形物品の一部に関する。
本発明のさらに他の態様は、上記のようなブレンド物(B)における、芳香族ポリカーボネート(P1)の火災安定剤添加物としての、特に芳香族ポリカーボネート(P1)の燃焼時間短縮剤としてのポリアリーレン(P2)の使用を目的としている。この態様によれば、対象となるこのブレンド物は特に、成形物品または成形物品の一部の形態にあってもよい。
ブレンド物(B)の全質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)の質量は、有利には30%を超える、好ましくは50%を超える、より好ましくは少なくとも70%である、さらにより好ましくは少なくとも75%を超える。その一方で、ブレンド物(B)の全質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)の質量は、有利には、多くとも99%、好ましくは多くとも95%、より好ましくは多くとも90%、さらにより好ましくは多くとも85%である。
ブレンド物(B)の全質量を基準にして、ポリアリーレン(P2)の質量は、有利には少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも15%である。その一方で、ブレンド物(B)の全質量を基準にして、ポリアリーレン(P2)の質量は、有利には70%未満、好ましくは50%未満、より好ましくは多くとも30%、さらにより好ましくは多くとも25%である。
ブレンド(B)の全質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)とポリアリーレン(P2)との総合質量は、有利には25%を超える、好ましくは50%を超える、より好ましくは80%を超える、さらにより好ましくは95%を超える。優れた結果は、ブレンド物(B)が芳香族ポリカーボネート(P1)とポリアリーレン(P2)とから実質的になる、またはそれらからなるときに得られた。
この特定の実施態様において、ポリアリーレン(P2)は芳香族ポリカーボネート(P1)の量より高い量でブレンド物(B)中に含まれる。
この特定の実施態様によれば:
芳香族ポリカーボネート(P1)とポリアリーレン(P2)との総合質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)の質量は、有利には少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも20%であり、最も好ましくは25%を超え;その一方で、ブレンド物(B)の全質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)の質量は、有利には45%未満であり;芳香族ポリカーボネート(P1)の特に好適な質量の例は、30、35および40%であり;
ブレンド物(B)の全質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)の質量は、有利には少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも20%であり、最も好ましくは25%を超え;その一方で、ブレンド物(B)の全質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)の質量は、有利には45%を超え;芳香族ポリカーボネート(P1)の特に好適な質量の例は30、35および40%であり;
ブレンド物(B)の全質量を基準にして、ポリアリーレン(P2)の質量は、有利には55%を超え;その一方で、ブレンド物(B)の全質量を基準にして、ポリアリーレン(P2)の質量は、有利には多くとも99%、好ましくは多くとも95%、より好ましくは多くとも90%、さらにより好ましくは多くとも80%であり、最も好ましくは75%未満であり;ポリアリーレン(P2)の特に好適な質量の例は60、65および70%であり;そして
ブレンド物(B)の全質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)とポリアリーレン(P2)との総合質量は、有利には25%を超え、好ましくは50%を超え、より好ましくは80%を超え、さらにより好ましくは90%を超える。
芳香族ポリカーボネート(P1)は繰り返し単位(R1)の50質量%超が、本明細書で以下にポリアリーレン基(P2)と定義されるような、場合により置換されていてもよい少なくとも1種のアリーレン基と、少なくとも1個のカーボネート基(−O−C(=O)−O)とを含む各種のポリマーである。
繰り返し単位(R1)中に含まれるアリーレン基は非置換であってもよい。あるいはまた、繰り返し単位(R1)中に含まれるアリーレン基は少なくとも1個の置換基によって置換されていてもよい。その置換基は有利には、(s−1)C1〜C20アルキル、(s−2)C5〜C15シクロアルキル、(s−3)C1〜C20アリール、(s−4)C1〜C20アルキルアリール、(s−5)C1〜C20アラルキル、(s−6)C1〜C20アルケニル、ハロゲン、基(s−1)、(s−2)、(s−3)、(s−4)、(s−5)および(s−6)の部分的にハロゲン化された同族体、ならびに基(s−1)、(s−2)、(s−3)、(s−4)、(s−5)および(s−6)の完全にハロゲン化された同族体から選択される。
芳香族ジオール(D1)のアリーレン基は非置換であってもよい。あるいはまた、芳香族ジオール(D1)のアリーレン基は、少なくとも1個の置換基によって置換されていてもよい。その置換基は有利には、(s−1)、(s−2)、(s−3)、(s−4)、(s−5)、(s−6)、ハロゲン、基(s−1)、(s−2)、(s−3)、(s−4)、(s−5)および(s−6)の部分的にハロゲン化された同族体、ならびに基(s−1)、(s−2)、(s−3)、(s−4)、(s−5)および(s−6)の完全にハロゲン化された同族体から選択される。いくつかの置換基が同じアリーレン基に置換している場合、その置換基は互いに独立して選択される。さらに、芳香族ジオール(D1)がいくつかの置換されたアリーレン基を含む場合、その置換基は芳香族ジオールごとに独立して選択される。
Aは、C1〜C8アルキレン、C2〜C8アルキリデン、C5〜C15シクロアルキレン、C5〜C15シクルアルキリデン、カルボニル原子、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−および次式にしたがった基から選択され;
eは0〜1の整数を表し;
gは0〜1の整数を表し;
dは0〜4の整数を表し、そして
fは0〜3の整数を表す。
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルフィド、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホキシド、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、α,α’−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2,4−トリメチルシクロヘキシル−1,1−ジフェノールおよび4,4’−スルホニルジフェノール。
さらにより好ましい芳香族ジオールは次のリストから選択される:2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2,4−トリメチルシクロヘキシル−1,1−ジフェノールおよび1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン。
繰り返し単位(R1)がそれから得られる最も好ましい芳香族ジオールは2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)である。
芳香族ポリカーボネート(P1)として本発明の実施に好適な芳香族ポリカーボネートのうちに、米国特許第3,036,036号明細書および米国特許第4,210,741号明細書に記載されているものなどのフェノールフタレン−ベースのポリカーボネート、コポリカーボネートおよびターポリカーボネートが含まれ、両方とも参照により本明細書に援用する。
繰り返し単位(R1*)は特に、ホスゲンとエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,5−ヘキサンジオールなどの、少なくとも1種のC1〜C20脂肪族ジオールとの重縮合反応によって得られるそれらの繰り返し単位であってもよい。
繰り返し単位(R1*)はまた、アジピン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸などの、少なくとも1種の二酸と、C1〜C20の脂肪族ジオールおよび上記の芳香族ジオール(D1)と同一であるような芳香族ジオールから選択される少なくとも1種のジオールとの重縮合反応によって得られるそれらの繰り返し単位であってもよい。これらの繰り返し単位(R1*)のうちで、テレフタル酸および/またはイソフタル酸と、少なくとも1種の芳香族ジオール(D1)との重縮合反応によって得られるそれらの繰り返し単位が好ましい。
芳香族ポリカーボネート(P1)は、半晶質であることができる(すなわち、融点を有する)かまたは非晶質であることができる(すなわち、融点を有さない)。それは好ましくは非晶質である。
芳香族ポリカーボネート(P1)は各種の好適な方法によって製造することができる。
芳香族ポリカーボネート(P1)として好適な芳香族ポリカーボネートは、市場で入手可能である。たとえば、LEXAN(登録商標)104ポリカーボネートは、General Electricから市販されている、ビスフェノールAポリカーボネートである。他の好適な芳香族ポリカーボネートは、Makrolon CD 2005、Makrolon FCR 2400、Makrolon 2600、Makrolon 2800およびMakrolon 3200であり、それらのすべては、それらのそれぞれの分子量の点で異なり、そしてASTM D−1238によるそれらのメルトフローインデックス(MFR)がそれぞれ、約60〜85、16.5〜24、13〜16、7.5〜13.0および3.5〜6.5g/10分であることを特徴とするビスフェノールA−ベースのホモポリカーボネートである。Makrolon 1239などの分岐ポリカーボネートもまた使用することができる。Makrolon製品はすべて、ペンシルバニア州PittsburghのBayer Material Science LLCから入手可能である。
ブレンド物(B)は、1種およびたった1種の芳香族ポリカーボネート(P1)を含むことができる。あるいはまた、それは2種、3種、または3種よりさらに多くの芳香族ポリカーボネート(P1)を含むことができる。
本発明の目的においては、アリーレン基は、1個のベンゼン系の環からなるか、または2個以上の隣接する環炭素原子を共有することにより縮合された複数のベンゼン系の環から構成される一つのコアからなり、2個の末端を有する炭化水素の2価の基である。
アリーレン基の例を非限定的に挙げれば、フェニレン、ナフチレン、アントリレン、フェナントリレン、テトラセニレン、トリフェニリレン、ピレニレン、およびペリレニレンなどである。アリーレン基(特に環炭素原子の付番)は、CRC Handbook of Chemistry and Physics、第64版、p.C1〜C44、特にC11〜C12の推奨に従って名付けた。
−O−φ1−S(=O)2−、
−O−φ2−φ2−O−
その1価の置換基は通常、本質的には高分子量ではなく、その分子量は、好ましく500未満、より好ましくは300未満、さらにより好ましくは200未満、最も好ましくは150未満である。
その1価の置換基はさらに、ポリアリーレン(P2)の可融性(fusibility)を増大させる、すなわちそれが、そのガラス転移温度およびその溶融粘度を低下させる基であるのが有利である。
ヒドロカルビル、たとえばアルキル、アリール、アルキルアリール、およびアラルキル;
ハロゲン、たとえば−Cl、−Br、−F、および−I;
少なくとも1種のハロゲン原子によって部分的または全面的に置換されたヒドロカルビル基、たとえばハロゲノアルキル、ハロゲノアリール、ハロゲノアルキルアリール、およびハロゲノアラルキル;
ヒドロキシル;
少なくとも1個のヒドロキシル基によって置換されたヒドロカルビル基、たとえばヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、ヒドロキシアルキルアリール、およびヒドロキシアラルキル;
ヒドロカルビルオキシ[−O−R、ここでRはヒドロカルビル基である]、たとえばアルコキシ、アリールオキシ、アルキルアリールオキシ、およびアラルキルオキシ;
アミノ(−NH2);
少なくとも1個のアミノ基によって置換されたヒドロカルビル基、たとえばアミノアルキル、およびアミノアリール;
ヒドロカルビルアミン[−NHRまたは−NR2、ここでRはヒドロカルビル基である]、たとえばアルキルアミンおよびアリールアミン;
カルボン酸およびその金属塩またはアンモニウム塩、カルボン酸ハライド、カルボン酸無水物;
カルボン酸、その金属塩もしくはアンモニウム塩、カルボン酸ハライドおよびカルボン酸無水物の少なくとも1種によって置換されたヒドロカルビル基、たとえば−R−C(=O)OH(ここでRは、アルキルまたはアリール基である);
ヒドロカルビルエステル[−C(=O)ORまたは−O−C(=O)R、ここでRはヒドロカルビル基である]、たとえばアルキルエステル、アリールエステル、アルキルアリールエステル、およびアラルキルエステル;
アミド[−C(=O)NH2];
少なくとも1個のアミド基によって置換されたヒドロカルビル基;
ヒドロカルビルアミドモノエステル[−C(=O)NHRまたは−NH−C(=O)−R、ここでRはヒドロカルビル基である]、たとえばアルキルアミド、アリールアミド、アルキルアリールアミド、およびアラルキルアミド、ならびに、ヒドロカルビルアミドジエステル[−C(=O)NR2または−N−C(=O)R2、ここでRはヒドロカルビル基である]たとえば、ジアルキルアミド、およびジアリールアミド;
スルフィン酸(−SO2H)、スルホン酸(−SO3H)、それらの金属塩またはアンモニウム塩;
ヒドロカルビルスルホン[−S(=O)2−R、ここでRはヒドロカルビル基である]、たとえばアルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルアリールスルホン、アラルキルスルホン;
アルデヒド[−C(=O)H]およびハロホルミル[−C(=O)X、ここでXはハロゲン原子である];
ヒドロカルビルケトン[−C(=O)−R、ここでRはヒドロカルビル基である]、たとえばアルキルケトン、アリールケトン、アルキルアリールケトン、およびアラルキルケトン;
ヒドロカルビルオキシヒドロカルビルケトン[−C(=O)−R1−O−R2、ここでR1は、2価の炭化水素基、たとえばアルキレン、アリーレン、アルキルアリーレンもしくはアラルキレン、好ましくはC1〜C18アルキレン、フェニレン、少なくとも1個のアルキル基によって置換されたフェニレン基、または少なくとも1個のフェニル基によって置換されたアルキレン基であり、そしてR2は、ヒドロカルビル基、たとえばアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアラルキル基である]、たとえばアルキルオキシアルキルケトン、アルキルオキシアリールケトン、アルキルオキシアルキルアリールケトン、アルキルオキシアラルキルケトン、アリールオキシアルキルケトン、アリールオキシアリールケトン、アリールオキシアルキルアリールケトン、およびアリールオキシアラルキルケトン;
少なくとも1個のヒドロカルビル基もしくは2価の炭化水素基R1を含む上述の基のいずれかであって、ここで前記ヒドロカルビル基または前記R1がそれ自体、上述の1価の置換基の少なくとも1個によって置換されている、たとえばアリールケトン−C(=O)−R(ここでRは、1個のヒドロキシル基によって置換されたアリール基である)であるが;
ここで:
そのヒドロカルビル基には、好ましくは1〜30個の炭素原子、より好ましくは1〜12個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜6個の炭素原子が含まれ;
そのアルキル基には、好ましくは1〜18個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子が含まれるが、極めて好ましくは、それらはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルから選択され;
そのアリール基は、一つの末端と、1個のベンゼン系の環(たとえばフェニル基)からなるか、または、炭素−炭素結合を介してそれぞれが直接結合されるか(たとえばビフェニル基)もしくは2個以上の隣接する環炭素原子を共有することにより互いに縮合された(たとえばナフチル基)、複数のベンゼン系の環からなる一つコアとからなる1価の基として定義されるが、ここで、その環炭素原子が少なくとも1個の窒素、酸素または硫黄原子によって置換されていてもよいが、アリール基において、環炭素原子が置換されていないのが好ましく;
そのアリール基には、好ましくは6〜30個の炭素原子を含み、より好ましくは、それらがフェニル基であり;
そのアルキルアリール基の中に含まれるアルキル基は、先に挙げたアルキル基の好ましい条件に適合し;
そのアラルキル基の中に含まれるアリール基は、先に挙げたアリール基の好ましい条件に適合する。
最も好ましくは、その1価の置換基は、(非置換の)アリールケトンであり、特にフェニルケトン[−C(=O)−フェニル]である。
これもまた先に説明したように、繰り返し単位(R2)の場合により置換されていてもよいアリーレン基の両方の末端を、方向およびセンスによって明確に特徴づけることができる。
同一の方向を有し、
逆向きのセンスのものであり、そして
互いに直線的に先行している[剛直棒状形成アリーレン単位(R2a)]。
および先に定義されたような、少なくとも1個の1価の置換基によって、特にフェニルケトン基によって置換されているこれらの基の各種の基。
一般的に言えば、剛直棒状形成アリーレン単位は、ポリアリーレン中に含まれるとき、傑出した剛性を示す真っ直ぐなポリマー鎖をもたらす。この理由から、かかるポリアリーレンは一般に、「剛直棒状ポリマー」と呼ばれる。ポリアリーレン(P2)は、剛直棒状形成アリーレン単位(R2a)を含むとき、剛直棒状ポリアリーレンと見なすことができる。
いずれもが異なった方向を有していて、そのために互いに0〜180度を形成するが、前記角度は鋭角であっても鈍角であってもよいか、
または同一の方向および同一のセンスを有するか、
または同一の方向を有し、逆向きのセンスであって、離別している(すなわち、互いに直線的に先行していない)
[以後全体的に、キンク形成アリーレン単位(R2b)と呼ぶ]。
より正確には、混合物(M)は、繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして25〜100モル%の、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されている、キンク形成アリーレン基(R2b)を含む。
その末端が互いに異なる方向を有する場合により置換されていてもよいアリーレン基の非限定的な例には、次のものが挙げられる。
繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして0〜75モル%の、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されていてもよいp−フェニレンから選択される剛直棒状化性アリーレン単位(R2a)、
および
繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして25〜100モル%の、(i)少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されていてもよいm−フェニレンおよび(ii)m−フェニレンおよびo−フェニレンの両方が互いに独立して、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されている、m−フェニレンとo−フェニレンとの混合物から選択されるキンク形成アリーレン単位(R2b)。
繰り返し単位(R2*)には、アリーレン基の両端それぞれに結合された、少なくとも1個の強い2価の電子吸引性基が含まれていても、含まれていなくてもよい。そのような強い2価の電子吸引性基を含まない、繰り返し単位(R2*)の非限定的な例は以下のものである:
(i)次式の繰り返し単位:
(nは、1〜6の整数であり、n’は2〜6の整数である)、
Qは、以下のものから選択するのが好ましく、
ポリアリーレン(P2)は、有利には50℃を超える、好ましくは120℃を超える、より好ましくは150℃を超えるガラス転移温度を有する。
p−ジクロロベンゼン、p−ジクロロビフェニルまたはそれらの同族化合物の一般式Cl−(φ)N−Cl(ここで、Nは3〜10の整数)の一つの分子から両方の塩素原子を除去すると、それぞれ1、2またはNに隣接したp−フェニレン単位(剛直棒状形成アリーレン単位)が形成され、そのために、p−ジクロロベンゼン、p−ジクロロビフェニルおよびそれらの同族化合物の一般式Cl−(φ)N−Cl(ここで、Nは上で定義されたもの)は、重合させてp−フェニレン単位を形成させることができる;
2,5−ジクロロベンゾフェノン(p−ジクロロベンゾフェノン)は、1,4−(ベンゾイルフェニレン)単位(また、剛直棒状形成アリーレン単位)を形成するために、重合させることができる;
m−ジクロロベンゼンは、m−フェニレン単位(キンク形成アリーレン単位)を形成するために、重合させることができる。
ブレンド物(B)において、ポリアリーレン(P2)はいかなる形態にあることもできる。一般的には、ポリアリーレン(P2)は繊維以外の形態にある。
芳香族ポリカーボネート(P1)を含む相、場合によりブレンド物(B)のマトリックス相の中に可溶化されたポリアリーレン(P2);
分散相、場合によりブレンド物(B)のマトリックス相を形成するポリアリーレン(P2)であって、前記分散相がその中に分散された、可溶化された状態での芳香族ポリカーボネート(P1)を含むポリアリーレン(P2);
そして、場合によりこれらに加えて、次の形態の1つまたは複数にある:
芳香族ポリカーボネート(P1)を含む相、場合によりブレンド物(B)のマトリックス相の中に分散されたポリアリーレン(P2)のノジュール;
分散相、場合によりブレンド物(B)のマトリックス相を形成するポリアリーレン(P2)であって、前記分散相がその中に分散された、芳香族ポリカーボネート(P1)のノジュールを含むポリアリーレン(P2)。
芳香族ポリカーボネート(P1)を含む相、場合によりブレンド物(B)のマトリックス相の中に可溶化されたポリアリーレン(P2);
そして、場合によりこれに加えて、次の形態にある:
芳香族ポリカーボネート(P1)を含む相、場合によりブレンド物(B)のマトリックス相の中に分散されたポリアリーレン(P2)のノジュール;
ここで:
ポリアリーレン(P2)のある種のノジュールは、芳香族ポリカーボネート(P1)を含まなくてもよく、そして
ポリアリーレン(P2)のある種の他のノジュールはそれら自体、それらの中に分散された、可溶化された状態でのおよび/またはサブノジュールの形態での芳香族ポリカーボネート(P1)を含む、マトリックス相以外の、分散相を形成してもよい。
ブレンド物(B)には、各種のその他のポリマー、添加剤、充填剤など(総称的に「構成成分」と呼ぶ)がさらに含まれていてもよい。芳香族ポリカーボネートおよびポリアリーレン組成物に慣用される構成成分としては、繊維質強化材、微粒子状充填剤および成核剤たとえばタルクおよびシリカ、接着促進剤、相溶化剤、硬化剤、潤滑剤、金属粒子、離型剤、有機および/または無機顔料たとえばTiO2およびカーボンブラック、染料、難燃剤、発煙抑制剤、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、強靱化剤たとえばゴム、可塑剤、静電防止剤、溶融粘度低下剤たとえば液晶性ポリマーなどが挙げられる。
ブレンド物(B)は、いかなる方法によっても調製することができる。
本発明の態様は、少なくとも1種の芳香族ポリカーボネート(P1)を少なくとも1種のポリアリーレン(P2)と溶融混合することを含む上記のようなブレンド物(B)を調製するための方法を目的とする。
本発明の方法は好ましくは、芳香族ポリカーボネート(P1)をポリアリーレン(P2)と、両方とも好ましくは粉体または粒状体の形態で乾式混合する工程をさらに含み、その後で溶融混合工程にかける。
先にも説明したように、本発明のまた別な態様は、上述のようなブレンド物(B)を含む成形物品または成形物品の一部を目的としている。
本発明に従った成形物品または成形物品の一部の非限定的な例としては、以下のようなものが挙げられる:
フィルムを形成させるには、多くの各種方法が使用できる。連続プロセス、バッチプロセスのいずれを使用してもよい。
フィルムを溶液から形成させてもよい。その溶液には一般に、有機液体(溶媒)が含まれていて、それが、有利には、および芳香族ポリカーボネート(P1)ポリアリーレン(P2)を溶解させる。
フィルムを、ブレンド物(B)の溶融物から形成させてもよい。フィルムは、スリットを通して溶融物を押出し加工してもよい。フィルムは、インフレーション法によって形成させてもよい。さらに、延伸法および/またはアニーリング法によってフィルムをさらに加工することもできる。二層フィルム、積層フィルム、多孔質フィルム、型押しフィルムなどのような特殊なフィルムも、当業者公知の方法によって製造することができる。
ブレンド物(B)を含むフィルムを、延伸によって配向させてもよい。一次元での延伸では、一軸配向が得られるであろう。二次元での延伸では、二軸配向が得られるであろう。ガラス転移温度近くにまで加熱することによって、延伸を助けてもよい。可塑剤によって延伸を助けることもできる。本発明のブレンド物に、延伸とアニーリングを交互サイクルで適用するような、もっと複雑なプロセスを使用してもよい。
ブレンド物(B)を含む繊維は、公知の方法によって形成されてもよい。それらは特に溶液から、またはブレンド物(B)の溶融物から形成されてもよい。
一般的にはコーティングされないフィルムの場合とは対照的に、コーティングは通常、基材の上に塗布される。「基材の上へのコーティング」という表現は、その常識的な意味合い、すなわちそのコーティングが基材の表面上に被覆を形成すると理解されるべきであり、したがって、コーティングを達成するために使用されるプロセスに関しては何の限定も含まれない。基材の表面は、そのコーティングによって部分的に被覆されていても、全面的に被覆されてもよい。
コーティングの厚みは、通常少なくとも1μm、好ましくは少なくとも5μm、より好ましくは少なくとも10μm、さらにより好ましくは少なくとも20μmである。さらに、コーティングの厚みは、通常多くとも10000μm、好ましくは多くとも1000μm、より好ましくは多くとも500μmである。ある種の実施態様においては、コーティングの厚みは、200μm以下、さらには100μm以下であってもよい。
コーティングは公知の方法で形成されてもよく、たとえば、粉体コーティング法、予備成形フィルムの積層法、溶液からのコーティング法、溶融物からのコーティング法などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
本発明の一つの態様は、その上に上述のコーティングが塗布された、基材を含む物品である。
ブレンド物(B)を加工して、混合気体、液体および固体を分離するための膜とすることができる。
その他の成形物品または成形物品の一部
ブレンド物(B)を加工して、シート、ならびに各種の三次元成形物品および成形物品の一部としてもよい。
成形法
ブレンド物(B)の粉体、ペレット、ビーズ、フレーク、粉砕再生物質またはその他の形態のものを、液体またはその他の添加剤の存在下または非存在下に、成形したり、プレミックスしたり、あるいは個別にフィードしたりすることができる。具体的な実施態様においては、ブレンド物(B)を圧縮成形してもよい。小型のサンプルの成形をトライアルアンドエラーで実施して、正確な条件を決めればよい。温度の上限は、たとえば熱質量分析のような熱分析から推測することができる。温度の下限は、たとえば動的機械熱分析(DMTA)、示差走査熱量測定(DSC)などの方法によって測定したTgから推測することができる。ブレンド物(B)は射出成形することも可能である。そのブレンド物(B)が分解せずに数回再溶融させることが可能であるならば、成形プロセスからのリグラインド(粉砕再生)を使用することも望ましい。当業者のよく認識するところであるが、その物質の応力緩和性および溶融粘度の温度依存性などのその他の因子もまた射出成形性に影響する。
ブレンド物(B)を押出し成形することも可能である。非限定的な例としては、アングル材、チャンネル材、六角材、中空材、I形材、接合帯材、筒材、矩形筒材、棒材、シート、プレート、角材、角筒材、T形材、薄壁筒材、ミクロチューブ、ストランド、矩形ストランド、その他特定の用途のために必要とされるその他の形状などが挙げられる。押出しに関連するものとして引抜き成形があるが、その場合には繊維強化材たとえばガラスまたは炭素繊維を、溶融状態で押出し加工されたブレンド物(B)のマトリックスに連続的に添加する。例外的に大きなモジュラスと圧縮強度を有する複合材料が得られるであろう。
シート素材を、切断したり、圧断したり、融着したり、加熱成形したりしてもよい。たとえば、印刷配線板をシートまたは厚いフィルムから加工することもできるが、そのためのプロセスでは、銅を片面または両面の上に析出させ、標準的なフォトリソグラフィー法によってパターン化し、エッチングし、次いで孔を開け、数枚のそのようなシートを合わせて積層させて、最終的なボードを形成させる。シートおよびフィルムは、熱成形することで、各種のハウジング、キャビネット、容器、カバー、シャーシー、プレート、パネル、フェンダー、フードなどとすることもできる。
その分子構造において実質的に不一致があるにもかかわらず、ブレンド物(B)の中に含まれるポリアリーレン(P2)および芳香族ポリカーボネート(P1)は、ときに実質的に向上した、互いに良好な相溶性を示し;
先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物と比較した、それらは一般的には互いに少なくとも部分的に混和性であり、両方のポリマーの混和性部分がそのとき単一相を形成する[両方のポリマーの相対的な量に依存して、(P2)が(P1)の中に可溶化されるか、またはその逆である]。
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの強度より高い、高い強度;
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの剛性と同程度に高い、高い剛性;
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの耐環境応力亀裂性および先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の耐環境応力亀裂性より高い、高い耐環境応力亀裂性;
先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の耐火性特性に対して向上した耐火性特性;
ある種の態様によってニートの芳香族ポリカーボネートの耐衝撃性特性に理想的に近づく、先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の耐衝撃性特性に対して向上した耐衝撃性特性;
ブレンド物中のポリアリーレンの固定レベルで、先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の伸び性に対して向上した伸び性;
先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の溶融加工性と比較したときに実質的に向上した、良好な溶融加工性。
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの強度および先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の強度より高い、極めて高い強度;
先行技術のニートの芳香族ポリカーボネートの耐火性特性および先行技術の芳香族ポリカーボネート−ポリアリーレンブレンド物の耐火性特性より高い、極めて高い耐火性特性。
本発明の特定の実施態様(E*)において、芳香族ポリカーボネート(P1)は、約10フィート−ポンド/インチ(ASTM D256−00によって測定されるように)より大きい室温ノッチ付アイゾッド衝撃強度または値を有し、約4未満の室温でのノッチ付アイゾッド強度値対約−40℃でのノッチ付アイゾッド衝撃値の比を有する。
当業者の良く理解するところであろうが、本発明はこの特定の実施態様(E*)に限定されるものではなく、本明細書に記載される(E*)以外の各種の実施態様もまた包含される。
ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーであって、General ElectricからLEXAN(登録商標)104ポリカーボネートとして市販されているもの、
ポリフェニレンコポリマーであって、その全部ではないとしても、実質的に全部の繰り返し単位が、フェニルケトン基によって置換されたp−フェニレンと非置換のm−フェニレンとのp−フェニレン:m−フェニレンのモル比が約85:15の混合物からなり、Solvay Advanced Polymers,L.L.C.から、PRIMOSPIRE(商標)PR−120ポリフェニレンとして市販されているもの、
および
ポリフェニレンコポリマーであって、その全部ではないとしても、実質的に全部の繰り返し単位が、フェニルケトン基によって置換されたp−フェニレンと非置換のm−フェニレンとのp−フェニレン:m−フェニレンのモル比が約50:50のものからなり、Solvay Advanced Polymers,L.L.C.から、PRIMOSPIRE(商標)PR−250ポリフェニレンとして市販されているもの。
機械的性質
機械的性質の試験は、厚み3.2mmのASTM試験片を用いて、示されるASTM試験法にしたがって実施した。
Claims (26)
- 少なくとも1種の芳香族ポリカーボネート(P1)、および
繰り返し単位の50質量%超が場合により置換されたアリーレン基であり[繰り返し単位(R2)]、前記繰り返し単位(R2)のそれぞれがその二つの末端のそれぞれによって、二つの他の場合により置換されていてもよいアリーレン基に、直接的なC−C結合を介して結合されており、そして前記繰り返し単位(R2)が、
・繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして0〜75モル%の、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されていてもよい、剛直棒状形成アリーレン単位(R2a)、および
・繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして25〜100モル%の、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されていてもよい、キンク形成アリーレン単位(R2b)
からなる混合物(M)である、少なくとも1種のポリアリーレン(P2)
を含むブレンド物(B)。 - 芳香族ポリカーボネート(P1)とポリアリーレン(P2)との総合質量を基準にして、ポリアリーレン(P2)の質量が少なくとも10%であることを特徴とする請求項1に記載のブレンド物。
- 芳香族ポリカーボネート(P1)とポリアリーレン(P2)との総合質量を基準にして、ポリアリーレン(P2)の質量が少なくとも15%であることを特徴とする請求項2に記載のブレンド物。
- 芳香族ポリカーボネート(P1)とポリアリーレン(P2)との総合質量を基準にして、ポリアリーレン(P2)の質量が多くとも30%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のブレンド物。
- ブレンド物(B)の全質量を基準にして、芳香族ポリカーボネート(P1)とポリアリーレン(P2)との総合質量が95%を超えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のブレンド物。
- ポリアリーレン(P2)の繰り返し単位(R2)が、
繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして0〜75モル%の、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されていてもよいp−フェニレンから選択される剛直棒状形成アリーレン単位(R2a)、および
繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして25〜100モル%の、(i)少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されていてもよいm−フェニレンおよび(ii)m−フェニレンおよびo−フェニレンの両方が互いに独立して、少なくとも1個の1価の置換基によって場合により置換されている、m−フェニレンとo−フェニレンとの混合物から選択されるキンク形成アリーレン単位(R2b)
からなる混合物(M)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のブレンド物。 - 混合物(M)の剛直棒状形成アリーレン単位(R2a)がフェニルケトン基によって置換されているp−フェニレンであることを特徴とする請求項6に記載のブレンド物。
- 混合物(M)のキンク形成アリーレン単位(R2b)が非置換のm−フェニレンであることを特徴とする請求項6または7に記載のブレンド物。
- 混合物(M)において、繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして、キンク形成アリーレン単位(R2b)のモル数が少なくとも40%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のブレンド物。
- 混合物(M)において、繰り返し単位(R2)の合計モル数を基準にして、キンク形成アリーレン単位(R2b)のモル数が多くとも65%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のブレンド物。
- 芳香族ジオール(D1)が構造式(I)および(II):
AはC1〜C8アルキレン、C2〜C8アルキリデン、C5〜C15シクロアルキレン、C5〜C15シクロアルキリデン、カルボニル原子、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−および次式にしたがった基から選択され;
eは0〜1の整数を表し;
gは0〜1の整数を表し;
dは0〜4の整数を表し;そして
fは0〜3の整数を表す)
の芳香族ジオールから選択されることを特徴とする請求項11に記載のブレンド物。 - 芳香族ジオール(D1)が2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)であることを特徴とする請求項12に記載のブレンド物。
- 芳香族ポリカーボネート(P1)の繰り返し単位の実質的に全部が繰り返し単位(R1)であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載のブレンド物。
- 少なくとも1種の芳香族ポリカーボネート(P1)を少なくとも1種のポリアリーレン(P2)と溶融混合することを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のブレンド物を調製するための方法。
- ブレンド物(B)のストランドを得るために、芳香族ポリカーボネート(P1)をポリアリーレン(P2)と押し出すことを含むことを特徴とする請求項15に記載のブレンド物を調製するための方法。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載のブレンド物を含むか、または請求項15もしくは16に記載の方法によって調製される成形物品または成形物品の一部。
- フィルムであることを特徴とする、請求項17に記載の成形物品または成形物品の一部。
- 繊維であることを特徴とする請求項17に記載の成形物品または成形物品の一部。
- コーティングであることを特徴とする請求項17に記載の成形物品または成形物品の一部。
- 膜であることを特徴とする請求項17に記載の成形物品または成形物品の一部。
- シートであることを特徴とする請求項17に記載の成形物品または成形物品の一部。
- 三次元形状であることを特徴とする、請求項17に記載の成形物品または成形物品の一部。
- 前記ブレンド物(B)を射出成形することを特徴とする、請求項17〜23のいずれか一項に記載の成形物品または成形物品の一部を調製するための方法。
- 芳香族ポリカーボネート(P1)の火災安定剤添加物としてのポリアリーレン(P2)の、請求項1〜14のいずれか一項に記載のまたは請求項15もしくは16に記載の方法に従って調製されるブレンド物における使用。
- ポリアリーレン(P2)が芳香族ポリカーボネート(P1)の燃焼時間短縮剤として使用されることを特徴とする請求項25に記載の使用。
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