JP2006318525A - 光ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた剛性及び溶融流動性を有し、金型に対する精密転写性を有する光ディスク基板用成形材料及びそれより形成された光ディスクを提供する。
【解決手段】式[1]で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂1〜99重量部及び、ポリフェニレン樹脂1〜99重量部の合計100重量部よりなる熱可塑性樹脂組成物より形成される支持基板。
Figure 2006318525

【選択図】なし

Description

本発明は、光ディスク基板用成形材料及び該材料から成形された光ディスクに関する。更に詳しくは、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/又は再生を行う方式の光ディスクにおいて、該支持基板が曲げ弾性率、耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂及びポリフェニレン樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物より形成されていることを特徴とする高速回転時の変形が少ない光ディスクに関する。特に本発明は、記録容量の極めて大きな高密度光ディスクに関する。
光ディスクの記録密度は、CDの0.6GBからDVDの4.7GB、そしてBD及びHD−DVDの15〜25GBと向上の一途を辿っている。例えば、再生専用のDVD−ROMをはじめ、記録再生可能なDVD−R、DVD−RW、DVD−RAMにおいても4.7GBの容量が実現されている。また、デジタルハイビジョン放送に対応した記録媒体であるBD、HD−DVDにおいても15〜25GBを実現している。しかしながら、情報技術の進展に伴い、光ディスク分野の市場発展は目覚しく発展しているため、今後はより膨大な情報を記録できる高密度光ディスクの登場が期待されている。例えば、大容量と高転送レートを同時に達成する次世代記録方式の一つとして、ホログラムデータ・ストレージ技術が脚光を浴びている。これらの高密度記録媒体は、デジタル放送などのハイビジョン映像を長時間録画できる100GBit/inch2以上の記録密度を有する。
従来、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)にカーボネート前駆物質を反応させて得られるポリカーボネート樹脂(以下、PC−Aという)は透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性が優れているが故にエンジニアリングプラスチックとして多くの分野に広く使用されてきた。さらに近年その透明性を生かして光ディスク、光ファイバー、レンズ等の分野への光学用材料としての利用が展開されており、特に光ディスクの分野で情報記録媒体用基板の素材として広く使用されている。例えば、CD基板あるいはDVD基板用途に使用されている。これらの光ディスクは透明な基板に信号の元となる微細な凹凸を転写し、その転写面上にアルミニウム等の金属反射膜を形成し、更に反射膜上に有機色素等からなる情報記録層を形成し、更に記録層上に保護膜が形成されており、透明基板に転写された凹凸に赤色レーザーを照射して記録・再生する方式を使用している。照射されたレーザー光線は照射光・反射光とも基板内部を透過することから、光ディスク基板の複屈折が小さいことが重要となっていた。
また、高密度情報記録媒体においても微細化した溝にレーザーを集光させて信号を読み取る場合は、斜め入射光成分の影響が強くなるため、光ディスク基板が光学的に等方性であることも重要となる。通常、光ディスク基板にレーザー光線を通過させると射出成形過程で生じた分子配向や残留応力などが原因となり複屈折を生じる。この複屈折が高いことは、基板にレーザー光を通過させて信号を読み取るタイプの光ディスクにとって致命的な欠陥ともいえる。
しかしながら、BD基板に代表されるレーザー光が透過することのない支持基板と、該基板上に反射層を形成し,その反射層上に光透過性のカバー層を形成し、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/又は再生を行う方式の光ディスクにおいては、支持基板の光学的特性は一切不要となるため、不透明でも構わなくなる。
このような光ディスク基板においては上述の複屈折の問題は解決される。しかしながら、記録情報の大容量化に伴い、記録情報の高転送レート化が求められるため、光ディスクを記録及び/または再生する際の光ディスクの回転速度は高速化する傾向にある。このときに、ディスク基板自体の剛性すなわち曲げ弾性率が低いと高速回転時の光ディスクが変形し、また面振れや高比重であると高速回転時の共振が生じやすく高密度情報記録媒体にとっては大きな問題になってくる。
これに対して一般的に使用されているPC−Aは、非晶性ポリマーの典型的な性質である剛性の低さのため、該特性がやや劣る樹脂であることは否めない。
一般に、ポリカーボネート樹脂の剛性を向上するためには、嵩高い動きにくい構造を有するビスフェノール類を共重合する方法があり、種々のポリカーボネート樹脂が提案されている。例えば、アダマンタン構造を有するビスフェノールを主として得られるポリカーボネート樹脂(例えば特許文献1参照)、または、特定のジヒドロキシジフェニルシクロアルカンをベースとするポリカーボネート樹脂が考案されている。(例えば特許文献2参照)更に、特定のフルオレン構造を有するポリカーボネート樹脂が提案されている(例えば特許文献3,4参照)。しかしながら、これらの構造を有するポリカーボネート樹脂は分子が動きにくい構造のため耐熱性及び剛性には優れるものの、溶融流動性は必ずしもよくなく、射出成形性、押出成形性には問題があった。もう一つの手法として、ガラス繊維や充填材などの添加物を配合する手法が試みられている。しかし、上記添加物はポリカーボネート樹脂組成物の剛性を向上させるが、成形時の流動性を低下させる傾向にあり、成形品表面にこれらの添加物が浮き出ることが多く、外観不良の原因になるという問題があった。
以上のように、いずれも具体的に示されている共重合体は、記録密度の高い光ディスク基板用材料として良好な剛性を有するものの、近年の回転速度の高速化により高密度の記録容量を要する光ディスク基板用材料としては、必ずしも十分とはいえず、さらに剛性が高く、高速回転時の変形が少ない光ディスク基板用材料が求められている。
特開平5−78467号公報 特開平2−88634号公報 特開平11−174424号公報 特開平8−134198号公報
本発明は上記課題を解決し、優れた剛性、溶融流動性、及び耐熱性を有するポリカーボネート樹脂とポリフェニレン樹脂からなる光ディスク成形用材料及び該材料より形成された光ディスクを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成せんとして、光ディスク基板材料について鋭意研究を重ねた結果、特定のポリカーボネート樹脂とポリフェニレン樹脂からなる光ディスク基板用成形材料が、耐熱性、剛性に優れており、該樹脂より形成された光ディスク基板及び光ディスクは剛性が高く、高速回転時の変形が小さいことを見出し、本発明に到達した。
以下,本発明を詳細に説明する。本発明では、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/又は再生を行う方式の光ディスクにおいて、該支持基板が,繰り返し単位として式[1]
Figure 2006318525
(式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる基を表し、R及びRが複数ある場合はそれぞれ同一若しくは異なっていてもよく、m及びnは夫々1〜4の整数であり、Wは下記式[2]で表される構造単位
Figure 2006318525
であり、式[2]においてR、Rはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R及びRが複数ある場合はそれぞれ同一もしくは異なっていてもよく、pは4〜12の整数、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
で表される繰り返し単位を少なくとも1種類有するポリカーボネート樹脂1〜99重量部及び、下記式[3]
Figure 2006318525
(式中、フェニレン単位の結合はオルト、メタ、又はパラ位を示す。また、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる基を表し、Rが複数ある場合はそれぞれ同一若しくは異なっていてもよく、qは1〜4の整数である。)
で表される繰返し単位(A)と下記式[4]
Figure 2006318525
(式中、R10及びR11はそれぞれ独立してそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる基を表し、R10及びR11が複数ある場合はそれぞれ同一若しくは異なっていてもよく、Zは−O−,−S−,−O(COO)−,−CO−,−SO−,−SO−,−CH−,−CF−,−(CO)NH(CO)−を示し、rは1〜4及びsは1〜3の整数である。)
で表される繰返し単位(B)よりなり、全結合繰返し単位における単位(A)と単位(B)との割合がモル比で(A):(B)=1:99〜99:1の範囲にあるポリフェニレン樹脂1〜99重量部の合計100重量部からなる熱可塑性樹脂組成物より形成されていることを特徴とする光ディスクが提供される。該光ディスクでは通常、レーザー光はカバー層から入射し反射層で反射されるので支持基板にレーザー光が透過することがない。また、(A)ガラス転移温度が120℃〜180℃であり、及び(B)曲げ弾性率が2,700MPa〜8,000MPaであることを満足する熱可塑性樹脂組成物より形成されている光ディスクが提供される。
さらに本発明によれば、上記式[3]、[4]より表される繰返し単位(A)、(B)の全結合繰返し単位における割合は(A):(B)=1:99〜99:1であり、(A):(B)=5:95〜95:5がより好ましく、(A):(B)=10:90〜90:10が最も好ましい。その場合、ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れ、且つ剛性及び耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物、該組成物より形成された支持基板及び該支持基板を用いて形成される光ディスクが提供される。
また、本発明によれば、上記式[3]および[4]で表される繰返し単位(A)および(B)を有するポリフェニレン樹脂の含有量は、前記ポリカーボネート樹脂との合計100重量部中、1〜99重量部であり、10〜90重量部がより好ましく、20〜80重量部がさらに好ましく、30〜70重量部が最も好ましい。その場合、剛性及び溶融流動性が良好な熱可塑性樹脂及びそれより形成される光ディスクが提供される。ポリフェニレン樹脂の割合が1重量部より小さい場合、曲げ弾性率が不十分であり、99重量部より大きい場合は溶融流動性が悪く、金型に対する精密転写性が劣る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂は、前記一般式[1]におけるWが下記一般式[5]、
Figure 2006318525
(R及びRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R及びRが複数ある場合はそれぞれ同一もしくは異なっていてもよく、pは4〜7の整数、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で表される構成単位を少なくとも1種類有するポリカーボネート樹脂であることが好ましく、前記一般式[1]が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから選ばれる少なくとも一種から誘導された構成単位であるポリカーボネート樹脂であることがより好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された構成単位であるポリカーボネート樹脂であることが最も好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるポリフェニレン樹脂は、繰り返し単位(A)におけるRが水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数6〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜8のシクロアルコキシ基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数7〜9のアラルキル基、炭素数6〜8のアリールオキシ基及び炭素数7〜9のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる基であることが好ましく、また繰り返し単位(B)におけるR10及びR11がそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数6〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜8のシクロアルコキシ基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数7〜9のアラルキル基、炭素数6〜8のアリールオキシ基及び炭素数7〜9のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる基であることが好ましい。また、本発明の熱可塑性樹脂に含まれるポリフェニレン樹脂は、繰り返し単位が1,4−フェニレン、1,3−フェニレン及び1,2−フェニレンから選ばれる少なくとも一種である構成単位及び、1,4−(ベンゾイルフェニレン)及び1,4−(4’−フェノキシベンゾイルフェニレン)より選ばれる少なくとも一種である構成単位であるポリフェニレン樹脂が好ましく、より好ましくは繰り返し単位が1,3−フェニレン及び1,4−(ベンゾイルフェニレン)である構成単位で構成されたポリフェニレン樹脂であることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、そのガラス転移温度が好ましくは120℃〜180℃、より好ましくは125℃〜165℃、更に好ましくは130℃〜160℃である。ガラス転移温度が120℃よりも低くなると、光ディスク基板としての耐熱性が不足し好ましくない場合があり、180℃より高くなると、溶融流動性が悪く成形不良を生じ、金型に対する精密転写性が劣るようになる。ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ISO1133に従い300℃、11.77N(1.2kgf)の測定条件でのMVRの値が5cm/10分以上が好ましく、20cm/10分以上がより好ましく、30cm/10分以上がさらに好ましい。かかるMVRの値の上限は、好ましくは100cm/10分、より好ましくは90cm/10分である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が、好ましくは2,700MPa以上、より好ましくは2,900MPa、さらに好ましくは3,100MPa以上である。曲げ弾性率が2,700MPaより小さいと、光ディスク基板を高速回転させた時の変形が大きくなりやすい。かかる曲げ弾性率の上限は好ましくは8,000MPa、より好ましくは6,500MPa、更に好ましくは6,000MPaである。
また、ガラス繊維などミクロンオーダーの無機添加物を使用することによる剛性強化については、金型に対する精密転写性において無機添加物が表面に浮き出るなどの転写性が損なわれる可能性があるので好ましくない。本発明の熱可塑性樹脂組成物はそれ自体が良好な剛性を有するため特に無機添加物を必要としないが、必要に応じて無機添加物を配合する場合はその大きさが1μm未満のナノオーダーのものが好適である。
本発明の熱可塑性樹脂を調製する時には、任意の方法が採用される。例えばポリカーボネート樹脂とポリフェニレン樹脂とを混合溶液とした後、溶媒を留去する方法、溶媒留去に次いでベント式押出機等で溶融ペレット化する方法、または、ポリカーボネート樹脂とポリフェニレン樹脂をスーパーミキサー、タンブラー、ナウターミキサー等で混合し、二軸ルーダー等でペレット化する方法等が用いられる。また、必要に応じて安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色材、滑り材、離型剤等の添加剤を加える事もできる。さらに射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形に供するためのペレット状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化工程)では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属フィルターを通すなどして異物を除去することが好ましい。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。
支持基板を形成する熱可塑性樹脂組成物には必要に応じて、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルよりなる群から選択された少なくとも1種のリン化合物を配合することができる。かかるリン化合物の配合量は、前記熱可塑性樹脂組成物中0.0001〜0.05重量%が好ましく、0.0005〜0.02重量%がより好ましく、0.001〜0.01重量%が特に好ましい。このリン化合物を配合することにより、かかる前記熱可塑性樹脂組成物の熱安定性が向上し、成形時における分子量の低下や色相の悪化が防止される。
かかるリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルよりなる群から選択される少なくとも1種のリン化合物であり、好ましくは下記一般式
Figure 2006318525
Figure 2006318525
Figure 2006318525
Figure 2006318525
Figure 2006318525
[式中、R〜R17は、それぞれ独立して、水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチルなどの炭素原子数6〜15のアリール基またはベンジル、フェネチルなどの炭素原子数7〜18のアラルキル基を表し、また1つの化合物中に2つのアルキル基が存在する場合は、その2つのアルキル基は互いに結合して環を形成していてもよい。]
よりなる群から選択された少なくとも1種のリン化合物である。
上記式[6]で示されるリン化合物としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、などが挙げられる。
上記式[7]で示されるリン化合物としては、例えばトリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどが挙げられ、上記式[8]で示されるリン化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトなどが挙げられ、また上記式[9]で示される化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピルなどが挙げられる。上記式[10]で示される化合物としては、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
これらのリン化合物のなかで、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトが好ましく使用される。
さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステルを加えることもできる。
かかる高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。また、かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレートなどが挙げられ、なかでもステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかるアルコールと高級脂肪酸とのエステルの配合量は、熱可塑性樹脂組成物中0.01〜2重量%が好ましく、0.015〜0.5重量%がより好ましく、0.02〜0.2重量%がさらに好ましい。配合量がこの範囲内であれば離型性に優れ、また離型剤がマイグレートし金属表面に付着することもなく好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を添加することができる。その例としてはフェノール系酸化防止剤を示すことができ、具体的には例えばトリエチレングリコール−ビス(3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい添加量の範囲は熱可塑性樹脂組成物中、0.0001〜0.05重量%である。
上記熱可塑性樹脂組成物より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューとして樹脂との付着性が低く、かつ耐蝕性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。
射出成形の条件としてはシリンダー温度が好ましくは300〜450℃、より好ましくは320〜390℃、並びに金型温度が好ましくは50〜180℃、より好ましくは100〜135℃であり、これらにより光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。
成形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。
このように成形された光ディスク基板は、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/又は再生を行う方式の光ディスク、例えばディスク基板上に被せた厚さ0.1mmの透明なカバー層を介して記録再生を行うBlu−ray Disc(BD)に代表される高密度光ディスク用基板としても好適に使用される。ここで、カバー層の厚みは5μm〜1200μmである。
光ディスクは例えばBlu―ray Disc(記録型)の場合1.1mm厚の基板上に光反射層、記録膜及び記録膜保護膜よりなる記録層、並びに透明保護層を形成する事により作成される。なお、これらの層は複数形成されてもよい。
記録膜は追記型光ディスクの場合、基板上に、レーザー光の照射によって不可逆的な光学特性が変化したり凹凸形状が形成される記録膜であり、例えばレーザー光の照射による加熱で分解して、その光学定数が変化すると共に、体積変化によって基板の変形を生じさせるシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系の有機色素等が用いられる。
書き換え可能型光ディスクの場合、記録膜はレーザ光の照射によって生じた物質の非晶質状態と結晶状態の間の可逆的な相構造変化が起こる材料(相変化記録型)、もしくは膜面に垂直な方向に磁化容易方向を有し、任意の反転磁区を作ることにより情報の記録、再生、消去が可能な磁気光学効果を有する磁性薄膜(光磁気記録型)である。相変化記録型の記録膜としては、例えば、カルコゲナイド系材料であるGeSbTe系、InSbTe系、InSe系、InTe系、AsTeGe系、TeOx−GeSn系、TeSeSn系、FeTe系、SbSeBi系、BiSeGe系等が用いられているが、GeSbTe系よりなる膜は繰り返し記録・消去時における安定動作が良好で好ましい。光磁気記録型の記録膜としては、例えば、TbFe、TbFeCo、GdTbFe、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の希土類元素と遷移金属元素との非晶質合金薄膜、交換結合を利用したそれらの二層膜、Co/Pt、Co/Pd等の人工格子多層膜、CoPt系合金等を用いることができる。
また記録膜を狭持する記録膜保護膜としては誘電体材料を用いることが好ましい。これにより、媒体としての結晶相と非晶質相の反射率差、および磁気光学効果を高めることができる。さらにこの場合には、誘電体材料は屈折率nが高い材料、すなわちn≧1.6である材料、さらに好ましくはn≧1.8である材料であることが好ましい。例えば、SiO系、SiON系、Ta、TiO、Al、Y、CeO、La、In、GeO、GeO、PbO、SnO、SnO、Bi、TeOWO、WO、Sc、ZrO等の酸化物、TaN、AlN、SiN系、AlSiN系等の窒化物、ZnS、Sb、CdS、In、Ga、GeS、SnS、PbS、Bi等の硫化物、またはこれらの混合材料やこれらの積層体などを保護膜として用いることが好ましい。
光反射層としては、評価に用いるドライブヘッドのレーザ光に対し、記録層よりも反射率の高い材料であることが特性向上のために好ましい。具体的には、使用レーザ光波長における光学定数である屈折率nと消衰係数kが、n≦3.5、かつk≧3.5であるような材料を選択することが好ましい。さらに好ましくはn≦2.5かつ4.5≦k≦8.5であり、この条件で作製した媒体では、再生信号特性のより一層の向上が実現できる。
一方レーザ光による加熱で信号を記録する際、光反射層の熱伝導率が高すぎると、熱拡散が大きく、強いレーザパワーを必要とする。このため現在多用されているパワーが15mW以下の半導体レーザで信号の記録を可能とするためには、光反射層に用いる材料の熱伝導率は100[W/(m・K)]以下であることが好ましく、さらには80[W/(m・K)]以下であることがより好ましい。
このような条件を満足する材料として、AlもしくはAgにAu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir等の1種類以上の元素を添加した合金が挙げられる。なお、これら合金において添加元素の添加量が、0.5原子%より少ないと前述の熱伝導低下の効果は小さく、逆に20原子%より多いと前述の光反射率の低下が大きく再生信号特性の面で不利である。従って添加元素の含有量は0.5〜20原子%の範囲におさめることが好ましい。また、特に金属反射膜自身の耐久性を高めるという点で、上記特定元素群の中ではTi、Zr、Hf、Ta、Cr、Reが好ましい。これらの反射層の膜厚範囲は10〜500nmであるが、反射率の低下による再生信号特性の低下を抑え、かつレーザパワーが15mWで記録可能とするためには、好ましくは30〜200nm、特に好ましくは40〜100nmである。
なお、再生専用光ディスク媒体の場合は、上述した光反射層のみを基板上に形成する事になるが、材料としては同じものを使用することが出来る。
また、本発明の光ディスクは、情報を干渉縞による体積ホログラムとして記録及び/または再生するHVD(Holographic Versatile Disc)に代表される大容量記録媒体を含み、その支持基板はかかるHVDに代表される記録媒体においても好適に使用される。ホログラフィによって情報をイメージ情報の形で光ディスクに高密度で記録する方式におけるイメージ情報の記録は、イメージ情報を担持する情報光と参照光とを光ディスクの記録層で重ね合わせ、情報光と参照光の干渉により生じる干渉縞パターンを記録層に書込むことにより実現される。再生照明光を干渉縞パターンが書込まれた記録層に照射すると、照射された光が干渉縞パターンによって回折されることによりイメージ情報が再生される。ホログラフィにより情報が記録される上記光ディスクは、セクターアドレスやトラックアドレスなどが記録されたプリフォーマット領域(エンボスピット)が形成された光が透過することのない支持基板と該基板上に反射層を形成し,その反射層上に光透過性のカバー層を形成し、カバー層側から情報光及び/または参照光を入射して記録及び/又は再生を行う。記録層は支持基板とカバー層の間に存在する。なお、プリフォーマット領域をカバー層に形成する場合もある。本発明の熱可塑性樹脂組成物から形成された支持基板は高速回転における変形が小さいため再生時のエラーレートが小さく、該熱可塑性樹脂組成物は、HVD基板材料として好適に用いられる。
本発明の特定のポリカーボネート樹脂及びポリフェニレン樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性及び剛性に優れていることから、高速回転時の変形が小さい光ディスク基板、殊に高密度光ディスク基板用の材料として好適に用いられ、その奏する工業的効果は格別である。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、何らこれに限定されるものではない。実施例及び比較例において「部」は重量部である。なお評価は下記の方法に従った。
(1)ガラス転移温度
TAインスツルメント社製の熱分析システムDSC−2910を使用して、JIS K7121に従い窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
(2)流動性(MVR)
ペレットを用いて、ISO1133に従って、東洋精機製セミオートメルトエンデクサーにより温度300℃、荷重11.77N(1.2kgf)で10分間に流出したポリマー量(cm)を測定した。
(3)曲げ弾性率
ペレットを120℃で5時間乾燥後、射出成形機[JSW(株)製J75EIII]により、シリンダ温度280℃で射出成形した試験片を用い、ISO178に従って測定した。(試験片形状;長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)
(4)耐熱性
試験片を上記(3)と同条件で成形し、成形された試験片に対し、ISO75に準拠してフラットワイズA法、1.80MPaの曲げ応力で荷重たわみ温度を測定した。(試験片形状;長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)
(5)光ディスク作成及び回転強度試験
該ペレットを120℃で5時間乾燥後、射出成形機(名機製作所(株)M35B−D−DM)を使用して、直径120mmφ、厚さ1.2mmの光ディスク基板を成形した。次に、該光ディスク基板の信号面側に反射膜、誘電層1、相変化記録膜、誘電層2をスパッタ蒸着させ、その上にポリカーボネート製薄膜カバー層を貼り合せた光ディスクを作成した。この光ディスクを毎分3万回転で5分間高速回転させたときの回転強度試験を行った。本評価では、光ディスクの高速回転時の遠心力による変形に伴い、変形が小さく破壊しないものを○とし、変形が大きく破壊したものを×とした。
[実施例1]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより得られたポリカーボネート樹脂(帝人化成製、パンライトAD−5503)800.0gに、フェニレン及びベンゾイルフェニレンを構成単位とするポリフェニレン樹脂(ミシシッピーポリマーテクロノジー社製Parmax−1201 Krum)を200.0g添加し、ドライブレンドして均一に混合した。続いてかかる組成物をベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度280℃で脱気しながら溶融混錬し、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットのガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を表1に記載した。該ペレットを120℃で5時間乾燥後、射出成形機[名機製作所(株)製M35B−D−DM]により、表1記載のシリンダ温度および金型温度で直径120mmφ、厚さ1.2mmの光ディスク基板を射出成形した。得られた光ディスク基板の信号面側に反射膜、誘電層1、相変化記録膜、誘電層2をスパッタ蒸着させ、その上にポリカーボネート製薄膜カバー層を貼り合せた光ディスクを作成した。この光ディスクを毎分3万回転で5分間回転させる回転強度試験を行った。結果を表1に記載した。
[実施例2]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)600.0gに、ポリフェニレン樹脂(Parmax−1201 Krum)を400.0g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で基板を作成し、回転強度試験を実施した。測定したガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度、回転強度を表1に記載した。
[実施例3]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)400.0gに、ポリフェニレン樹脂(Parmax−1201 Krum)を600.0g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で基板を作成し、回転強度試験を実施した。測定したガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度、回転強度を表1に記載した。
[実施例4]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)200.0gに、ポリフェニレン樹脂(Parmax−1201 Krum)を800.0g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で基板を作成し、回転強度試験を実施した。測定したガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度、回転強度を表1に記載した。
[比較例1]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)を使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で基板を作成し、回転強度試験を実施した。測定したガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度、回転強度を表1に記載した。
[比較例2]
ポリフェニレン樹脂(Parmax−1201 Krum)を使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で基板を成形しようとしたが溶融粘度が高く、成形不可であった。測定したガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を表1に記載した。
[比較例3]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)1000.0gに、繊維径13ミクロンのガラス繊維(日本電気硝子(株)製)を250.0g添加した以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で基板を作成し、回転強度試験を実施した。測定したガラス転移温度、MVR、曲げ弾性率、荷重たわみ温度、回転強度を表1に記載した。
Figure 2006318525

Claims (9)

  1. 支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクにおいて、該支持基板が繰り返し単位として下記式[1]で表される繰り返し単位を少なくとも1種類有するポリカーボネート樹脂1〜99重量部及び、下記式[3]で表される繰返し単位(A)と下記式[4]で表される繰返し単位(B)よりなり、全結合繰返し単位における単位(A)と単位(B)との割合がモル比で(A):(B)=1:99〜99:1の範囲にあるポリフェニレン樹脂1〜99重量部の合計100重量部からなる熱可塑性樹脂組成物より形成されていることを特徴とする光ディスク。
    Figure 2006318525
    [式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる基を表し、R及びRが複数ある場合はそれぞれ同一若しくは異なっていてもよく、m及びnは夫々1〜4の整数であり、Wは下記式[2]で表される構造単位である。
    Figure 2006318525
    (R、Rはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R及びRが複数ある場合はそれぞれ同一もしくは異なっていてもよく、pは4〜12の整数、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)]
    Figure 2006318525
    (式中、フェニレン単位の結合はオルト、メタ又はパラ位を示す。また、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる基を表し、Rが複数ある場合はそれぞれ同一若しくは異なっていてもよく、qは1〜4の整数である。)
    Figure 2006318525
    (式中、R10及びR11はそれぞれ独立してそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる基を表し、R10及びR11が複数ある場合はそれぞれ同一若しくは異なっていてもよく、Zは−O−,−S−,−O(COO)−,−CO−,−SO−,−SO−,−CH−,−CF−,−(CO)NH(CO)−を示し、rは1〜4及びsは1〜3の整数である。)
  2. 前記一般式[1]におけるWが下記一般式[5]
    Figure 2006318525
    (R及びRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R及びRが複数ある場合はそれぞれ同一もしくは異なっていてもよく、pは4〜7の整数、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
    で表される構成単位を少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  3. 前記一般式[1]が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから選ばれる少なくとも一種から誘導された構成単位である請求項1〜2のいずれかに記載の光ディスク。
  4. 前記一般式[3]が1,4−フェニレン、1,3−フェニレン及び1,2−フェニレンよりなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位であり、及び/又は前記一般式[4]が1,4−(ベンゾイルフェニレン)及び1,4−(4’−フェノキシベンゾイルフェニレン)からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位である請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク。
  5. ポリフェニレン樹脂が前記一般式[3]で表される繰返し単位(A)と前記一般式[4]で表される繰返し単位(B)よりなり、全結合繰返し単位における単位(A)と単位(B)との割合がモル比で(A):(B)=10:90〜90:10の範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク。
  6. 該熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂とポリフェニレン樹脂との合計100重量部中、ポリフェニレン樹脂を10〜90重量部含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光ディスク。
  7. 該熱可塑性樹脂組成物が(A)ガラス転移温度が120℃〜180℃であり、かつ(B)曲げ弾性率が2,700MPa〜8,000MPaであることを満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ディスク。
  8. 該熱可塑性樹脂組成物は、ISO1133に従い300℃、11.77N(1.2kgf)の測定条件でのMVR値が5cm/10分以上である請求項1〜7のいずれかに記載の光ディスク。
  9. グルーブ列もしくはピット列の間隔が0.1〜0.8μmである請求項1〜8のいずれかに記載の光ディスク。
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