JP2010502596A - 動的核分極(dnp)方法並びに該方法で使用するための化合物及び組成物 - Google Patents

動的核分極(dnp)方法並びに該方法で使用するための化合物及び組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、カルボン酸の動的核分極(DNP)を行うための改良方法並びに該方法で使用するための化合物及び組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸の動的核分極(DNP)を行うための改良方法並びに該方法で使用するための化合物及び組成物に関する。
磁気共鳴(MR)イメージング(MRI)は、非侵襲的にかつ患者及び医療従事者を潜在的に有害な放射線(例えばX線)に暴露することなく患者の身体又はその一部の画像を得ることができるため、医師にとって特に魅力的なイメージング技法となっている。高画質の画像が得られるので、MRIは軟組織及び器官の好適なイメージング技法であり、正常組織と病的組織(例えば腫瘍及び病巣)との識別を可能にする。
MRIは、MR造影剤を使用しても使用しなくても実施できる。しかし、コントラスト増強MRIでは、通常ははるかに微小な組織変化の検出が可能となり、したがってそれは例えば微小な腫瘍や転移のような初期組織変化を検出するための強力なツールとなる。
MRIでは、数種類の造影剤が使用されてきた。水溶性の常磁性金属キレート剤(例えば、Omniscan(商標)(GE Healthcare社)のようなガドリニウムキレート剤)は、広く使用されているMR造影剤である。これらは、低分子量であるため、血管系に投与した場合に細胞外スペース(即ち、血液及び間質組織)中に急速に分布する。これらはまた、比較的速やかに体外に排出される。
他方、血液プールMR造影剤(例えば超常磁性酸化鉄粒子)は、長時間にわたって血管系内に保持される。これらは、肝臓内のコントラストを高めるばかりでなく、毛細血管の透過性異常(例えば、血管形成の結果として生じる腫瘍中の「漏出性」毛細血管壁)を検出するためにも極めて有用であることが判明している。
上述の造影剤が優れた性質を有することは明白であるが、使用時に全く危険を伴わないわけではない。常磁性金属キレート錯体は通常高い安定性定数を有するものの、投与後に体内で毒性金属イオンを放出するおそれがある。さらに、これらの種類の造影剤は低い特異性を示す。
別の種類のMRイメージング剤は過分極MRイメージング剤である。国際公開第99/35508号には、過分極高T剤の溶液をMRIイメージング剤として使用する患者のMR検査方法が開示されている。「過分極」という用語は、高T剤中に存在するNMR活性核(即ち、非ゼロ核スピンを有する核、好ましくは13C−又は15N−核)の核分極を増強させることを意味する。NMR活性核の核分極を増強させると、これらの核の励起核スピン状態と基底核スピン状態との母集団差が顕著に増加し、それによってMR信号強度が100倍以上に増幅される。過分極した13C及び/又は15N濃縮高T剤を使用する場合、13C及び/又は15Nの天然存在度は無視できるほどに低いのでバックグラウンド信号からの干渉は本質的に存在せず、したがって画像コントラストは有利に高くなる。通常のMRI造影剤とこれらの過分極高T剤との主な相違点は、前者ではコントラストの差が体内の水プロトンの緩和時間に影響を及ぼすことで誘起されるのに対し、後者の種類の薬剤は得られる信号がもっぱら薬剤に由来しているので非放射性トレーサーと見なし得ることである。
国際公開第99/35508号には、MRイメージング剤として使用可能な各種の高T剤が開示されている。かかる高T剤としては、酢酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩又はグルコン酸塩、グルコースやフルクトースのような糖、尿素、アミド、グルタミン酸やグリシンやシステインやアスパラギン酸のようなアミノ酸、ヌクレオチド、アスコルビン酸のようなビタミン、ペニシリン誘導体及びスルホンアミドのような非内因性及び内因性化合物が挙げられる。さらに、クエン酸回路のような代謝サイクル中の中間体(例えばフマル酸及びピルビン酸)は代謝活性のMRイメージング用の好ましいイメージング剤であることが述べられている。
ヒト及びヒト以外の動物の体内における代謝過程で役割を果たす過分極MRイメージング剤は、インビボMR検査で組織の代謝状態に関する情報を得るために使用できるので(即ち、代謝活性のインビボイメージングのために有用であるので)大いに興味がある。組織の代謝状態に関する情報は、例えば健常組織と罹患組織とを識別するために使用できよう。
ピルビン酸塩はクエン酸回路中で役割を果たす化合物であり、過分極13C−ピルビン酸塩から過分極代謝産物への転化は人体内における代謝過程のインビボMR研究のために使用できる。過分極13C−ピルビン酸塩は、例えば国際公開第2006/011810号及び同第2006/011809号に詳述されているようなインビボ腫瘍イメージングのため、及び国際公開第2006/054903号に詳述されているようなMRイメージングで心筋組織の生存度を評価するためのMRイメージング剤として使用できる。
ピルビン酸塩は、たとえ高濃度でも、人体によって非常によく容認される内因性化合物である。クエン酸回路中の前駆体として、ピルビン酸塩は人体内において重要な代謝的役割を果たす。ピルビン酸塩は様々な化合物に転化される。即ち、それのアミノ基転移はアラニンを生じ、酸化的脱炭酸反応によってピルビン酸塩はアセチルCoA及び二酸化炭素(これはさらに重炭酸塩に転化される)に転化され、ピルビン酸塩の還元は乳酸塩を生じ、それのカルボキシル化はオキサロ酢酸塩を生じる。
さらに、過分極13C−ピルビン酸塩からその代謝産物である過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩(13−ピルビン酸塩、131,2−ピルビン酸塩又は131,2,3−ピルビン酸塩の場合のみ)及び過分極13C−アラニンへの代謝転化は、人体内における代謝過程のインビボMR研究のために使用できる。13−ピルビン酸塩は、37℃のヒト全血中で約42秒のT緩和を有している。しかし、過分極13C−ピルビン酸塩から過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンへの転化は、13C−ピルビン酸塩出発化合物及びその代謝産物からの信号検出を可能にするのに十分速いことが判明している。アラニン、重炭酸塩及び乳酸塩の量は、検査対象である組織の代謝状態に依存する。過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンのMR信号強度は、これらの化合物の量及び検出時における分極の残存率に関係しているので、過分極13C−ピルビン酸塩から過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンへの転化をモニターすることにより、非侵襲的なMRイメージング又はMR分光法を用いることでヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程をインビボで調べることが可能である。
様々なピルビン酸塩代謝産物に由来するMR信号振幅は、組織の種類に応じて変化する。アラニン、乳酸塩、重炭酸塩及びピルビン酸塩によって形成される特有の代謝ピークパターンは、検査対象である組織の代謝状態に関するフィンガープリントとして使用できる。
過分極イメージング剤の信号は、緩和によって、さらには(患者の身体への投与後には)希釈によっても減衰することを強調しておかなければならない。したがって、生物学的液体(例えば血液)中におけるイメージング剤のT値は十分に長く(高く)、薬剤が高度に過分極した状態で患者の体内の標的部位に分布することを可能にするものでなければならない。イメージング剤が高いT値を有することとは別に、高い分極レベルを達成することも極めて好ましい。過分極イメージング剤が高い分極レベルを有すれば、緩和及び希釈による減衰は同じ速度で起こる。一層高い「開始レベル」を有すれば、所定の時間後に過分極イメージング剤中に保持される分極は一層高くなる。イメージング剤中の分極レベルが高いほど、イメージング剤から検出できるMR信号は強くなる。
国際公開第99/35508号には過分極高T剤を得るための方法がいくつか開示されており、その1つが、不対電子を含む化合物である分極剤又はいわゆるDNP剤によって試料の分極を行う動的核分極(DNP)技法である。DNPプロセス中には、通常はマイクロ波放射の形態でエネルギーが供給され、これがまずDNP剤を励起する。基底状態への崩壊に際して、DNP剤の不対電子から試料のNMR活性核への分極の移動が起こる。一般に、DNPプロセスでは中程度の又は高い磁場及び非常に低い温度が使用されるのであって、例えば液体ヘリウム及び約1T以上の磁場中でDNPプロセスが実施される。別法として、中程度の磁場及び十分な分極増強が達成される任意の温度を使用することもできる。DNP技法は、例えば国際公開第98/58272号及び同第01/96895号に記載されており、これらの開示内容はいずれも援用によって本明細書の内容の一部をなしている。
DNP剤はDNPプロセスにおいて決定的な役割を果たしており、その選択は分極させるべき試料中に達成できる分極レベルに大きな影響を与える。各種のDNP剤(国際公開第99/35508号では「OMRI造影剤」と呼ばれている)が知られている。国際公開第99/35508号、同第88/10419号、同第90/00904号、同第91/12024号、同第93/02711号又は同第96/39367号に記載されているような酸素系、硫黄系又は炭素系の安定なトリチルラジカルを使用したところ、各種の様々な試料中に高い分極レベルが得られた。
国際公開第99/35508号パンフレット 国際公開第2006/011810号パンフレット 国際公開第2006/011809号パンフレット 国際公開第2006/054903号パンフレット 国際公開第98/58272号パンフレット 国際公開第01/96895号パンフレット 国際公開第88/10419号パンフレット 国際公開第90/00904号パンフレット 国際公開第91/12024号パンフレット 国際公開第93/02711号パンフレット 国際公開第96/39367号パンフレット 国際公開第2007/064226号パンフレット
Broan et al,Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 2,No.1,1991,pp.87−99 Liu et al,Bioconjugate Chemistry,Vol.13,No.4,2002,pp.902−913
我々はこのたび意外にも、DNP剤としてのトリチルラジカル及びDNP方法で分極させるべきピルビン酸を含む組成物にある種のGdキレートを添加すると、ピルビン酸の分極レベルが顕著に向上することを見出した。これは、DNPによって得られた固体過分極ピルビン酸を塩基含有水性溶解媒質に溶解することで導かれる過分極ピルビン酸塩を患者のMR検査処置に際してMRイメージング剤として使用する臨床的状況において特に好適である。ピルビン酸の分極レベルを例えば倍率xだけ高めることができれば、理論的にはMR検査処置に際して1/xの濃度のピルビン酸塩を使用すれば事足りる。これは、もちろん、経済的な観点から有利であるばかりでなく、高いイメージング剤濃度に原因して起こり得る望ましくない副作用を回避できるので安定性の観点からも有利である。
かくして一態様から見れば、本発明は、固体過分極カルボン酸の製造方法であって、カルボン酸、トリチルラジカル及び下記式(1)のGdキレートを含む組成物を調製する段階、並びに該組成物に関して動的核分極を実施する段階を含んでなる方法を提供する。
Figure 2010502596
式中、
nは1〜10であり、
xは0〜3であり、
Rは同一又は異なるものであって、フルオロ、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、或いは5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基であり、
QはH、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基、或いは次式の基である。
Figure 2010502596
(式中、n、x及びRは上記に定義した通りである。)
「過分極」及び「分極」という用語は以後は互換的に使用され、0.1%を超え、さらに好ましくは1%を超え、最も好ましくは10%を超える核分極レベルを意味する。
分極レベルは、例えば凍結過分極カルボン酸中のNMR活性核の固体状態NMR測定によって決定できる。例えば、過分極カルボン酸中のNMR活性核が13Cであれば、前記過分極カルボン酸の固体状態13C−NMRが取得される。固体状態13C−NMR測定は、好ましくは小さいフリップ角を用いる単パルス取得NMRシーケンスからなる。NMRスペクトル中の過分極カルボン酸の信号強度を、動的核分極プロセス前に取得したNMRスペクトル中のカルボン酸の信号強度と比較する。次いで、DNP前後における信号強度の比から分極レベルを計算する。
同様に、溶解した過分極カルボン酸に関する分極レベルは、液体過分極カルボン酸中のNMR活性核の液体状態NMR測定によって決定できる。この場合にも、溶解した過分極カルボン酸の信号強度を動的核分極プロセス前の溶解カルボン酸の信号強度と比較する。次いで、DNP前後における信号強度の比から分極レベルを計算する。
「カルボン酸」という用語は、1以上のカルボキシル基(即ち、COOH基)を含む化学的実在物を意味する。
単数形で書かれていても、「カルボン酸」という用語は、単数又は複数の化学的実在物、即ち特定のカルボン酸又は複数の異種カルボン酸(例えば複数の異種カルボン酸塩の混合物)を意味する。一例としては、ピルビン酸が特定のカルボン酸であり、本発明の方法は過分極ピルビン酸を製造するために使用できる。さらに、一例としては、ピルビン酸及び乳酸がカルボン酸であり、本発明の方法は過分極ピルビン酸及び過分極乳酸の混合物を製造するために使用できる。
本発明に係る方法は、分極させるべきカルボン酸中に高い分極レベルをもたらす。
本発明の文脈中でのカルボン酸は、例えばギ酸、酢酸、乳酸、ピルビン酸、ニコチン酸、又はパルミチン酸やオレイン酸などの脂肪酸のようなモノカルボン酸であり得る。別の実施形態では、カルボン酸は、例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、メチレンコハク酸、マロン酸、クエン酸又はシュウ酸のようなジカルボン酸又はポリカルボン酸であり得る。1以上のカルボキシル基を含むこと以外に、カルボン酸はさらに官能基及び/又はヘテロ原子を含み得る。好ましい官能基はアミノ基であり、アミノ基を含むカルボン酸の例は、好ましくはグリシン、アラニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸塩、トリプトファン及びセリンのような標準アミノ酸ばかりでなく、好ましくはGABA(γ−アミノ酪酸)、ホモシステイン、サルコシンなどの非標準アミノ酸も含むアミノ酸である。カルボン酸分子中に存在し得る他の好ましい官能基は、ケト基(かかる化合物の好ましい例はピルビン酸、オキサロ酢酸及びα−ケトグルタル酸である。)及びヒドロキシ基(かかる化合物の好ましい例は乳酸及びサリチル酸である。)である。別の好ましい実施形態では、カルボン酸は、例えばニコチン酸中の窒素原子のように1以上のヘテロ原子を含む。
本発明の方法で使用する好ましいカルボン酸は、薬物候補品(さらに好ましくは、例えば2000Da未満の小分子)又は数種の薬物候補品の混合物である。本発明の方法で得られる過分極薬物候補品は、例えばある種のレセプターに対する結合親和性を測定するためのNMRバイオアッセイ或いは酵素アッセイで使用できる。かかるアッセイは国際公開第2003/089656号又は同第2004/051300号に記載されており、これらは好ましくは液体状態NMR分光法の使用に基づいている。これは、固体過分極薬物候補品を含む組成物を、好ましくは溶解又は融解することで分極後に液化しなければならないことを意味している。カルボン酸は、同位体濃縮されていてもされていなくてもよい。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法で使用するカルボン酸は、MRイメージング剤として使用すべきものである。「MRイメージング剤」という用語は、MRイメージングでMRイメージング剤として、或いはMR分光法でMR分光剤として使用できる化合物を意味する。別の好ましい実施形態では、本発明の方法で使用するカルボン酸はMRイメージング剤の前駆体である。いずれの実施形態に関しても、好ましいカルボン酸は内因性化合物又は内因性化合物の前駆体である。後者の例は、内因性化合物であるピルビン酸塩(誘導体、即ちカルボン酸の塩)に転化されるピルビン酸(前駆体)のようなカルボン酸である。例えば、DNPプロセス後の固体過分極ピルビン酸は塩基含有水性溶解媒質に溶解され、こうして得られた溶解過分極ピルビン酸塩がMRイメージング剤として使用される。好ましいのは、内因性カルボン酸又は内因性化合物(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程で役割を果たす内因性カルボン酸誘導体)の前駆体であるカルボン酸である。かかる過分極内因性カルボン酸又は内因性カルボン酸誘導体をMRイメージング剤として使用する場合には、インビトロMR研究において組織の代謝状態に関する情報を得ることができる。即ち、これらの薬剤は代謝活性のインビボMRイメージング及び/又はMR分光法のために有用である。組織の代謝状態に関する情報は、例えば健常(正常)組織と罹患組織とを識別するために使用できよう。
かくして、本発明の方法で使用するための好ましいカルボン酸はマレイン酸、酢酸、フマル酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、オキサロ酢酸、乳酸及びα−ケトグルタル酸であり、これらはいずれもヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程で役割を果たす内因性化合物であるマレイン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、オキサロ酢酸塩、乳酸塩及びα−ケトグルタル酸塩の前駆体である。ヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程で役割を果たすもう1つの好ましい内因性カルボン酸はニコチン酸である。ヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程で役割を果たす他の好ましい内因性カルボン酸は、アラニン、グリシン、システイン、プロリン、チロシン、サルコシン、GABA及びホモシステインのようなアミノ酸である。最も好ましいカルボン酸は、ピルビン酸、オキサロ酢酸、α−ケトグルタル酸、アラニン及びグリシンである。
ヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程で役割を果たす内因性カルボン酸又はヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程で役割を果たす内因性カルボン酸誘導体の前駆体であるカルボン酸を本発明の方法で使用する場合には、これらの過分極内因性カルボン酸又は過分極内因性カルボン酸誘導体は、好ましくはヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝活性のインビボ分子MRイメージング及び/又は化学シフトイメージング及び/又はMR分光法用のMRイメージング剤として使用される。これらの過分極内因性カルボン酸又は過分極内因性カルボン酸誘導体のうち、ヒト又はヒト以外の動物の体内への移入及びそれに続くイメージングのために十分な長さの時間にわたってかなり高い分極が維持されるように緩徐な縦緩和を示す分極核を含むものが好ましい。好ましい内因性カルボン酸又は内因性カルボン酸誘導体は、0.01〜5Tの磁場強度及び20〜40℃の範囲内の温度で10秒を超え、好ましくは30秒を超え、さらに一段と好ましくは60秒を超える縦緩和時間定数(T)を有する核を含んでいる。このようないわゆる「高T剤」は、例えば国際公開第99/35508号に記載されている。別法として、使用可能な内因性カルボン酸又は内因性カルボン酸誘導体のT値は文献中に見出すことができ、或いは使用可能な化合物のNMRスペクトル(例えば、13C標識された使用可能な内因性カルボン酸又は内因性カルボン酸誘導体のTを求めるためには13C−NMRスペクトル)を取得することで求めることができる。
一般に、インビボ分子MRイメージング及び/又は化学シフトイメージング及び/又はMR分光法用のMRイメージング剤として使用することが想定されるカルボン酸或いはかかる薬剤の前駆体であるカルボン酸は、好ましくは同位体濃縮された化合物である。同位体濃縮は、さらに好ましくは非ゼロスピン核(MR活性核)、好適には15N(化合物中に存在する場合)及び/又は13C、さらに好ましくは13Cの同位体濃縮である。同位体濃縮は化合物中の1以上の部位の選択的濃縮又はすべての部位の一様濃縮を含み得るが、(好ましくは高いT値を有する核における)1つの部位の濃縮が好ましい。濃縮は、例えば化学合成又は生物学的標識によって達成できるが、いずれの方法も当技術分野で公知であり、同位体濃縮すべき特定の化合物に応じて適当な方法を選択すればよい。
MRイメージング剤としてインビボで使用することが想定されているカルボン酸或いはかかる薬剤の前駆体であるカルボン酸の好ましい実施形態は、好ましくは10%以上、さらに好適には25%以上、さらに好ましくは75%以上、最も好ましくは90%以上の濃縮度で分子のただ1つの位置において同位体濃縮された化合物である。理想的には、濃縮度は100%である。
同位体濃縮のための最適位置は、MR活性核の緩和時間に依存する。好ましくは、本発明の方法で使用するカルボン酸は長いT緩和時間(高いT値)を有する位置において同位体濃縮される。本発明の方法で使用する13C−濃縮カルボン酸は、好ましくはカルボキシル−C原子、カルボニル−C原子又は第四級C原子の位置で濃縮されている。後者の2つの位置は、もちろん、これらがカルボン酸中に存在する場合、即ちカルボン酸がカルボキシル基に加えてカルボニル基(例えばピルビン酸又はα−ケトグルタル酸)又は第四級C原子(例えばクエン酸及びグリシンを除くアミノ酸)を含む場合にのみ濃縮できる。
MRイメージング剤の前駆体として使用するための特に好ましいカルボン酸は、13C−ピルビン酸、13C−酢酸、13C−オキサロ酢酸及び13C−α−ケトグルタル酸である。これらの化合物は、13C−ピルビン酸塩、13C−酢酸塩、13C−オキサロ酢酸塩及び13C−α−ケトグルタル酸塩の前駆体である。MRイメージング剤として使用するための特に好ましいカルボン酸は、さらに13C−アラニン及び13C−グリシンであり、さらに好ましくは13−アラニン及び13−グリシンである。13C−ピルビン酸が最も好ましいカルボン酸であり、これはC1位置(13−ピルビン酸)、C2位置(13−ピルビン酸)、C3位置(13−ピルビン酸)、C1及びC2位置(131,2−ピルビン酸)、C1及びC3位置(131,3−ピルビン酸)、C2及びC3位置(132,3−ピルビン酸)又はC1、C2及びC3位置(131,2,3−ピルビン酸)において同位体濃縮できる。ピルビン酸の13C−同位体濃縮のための好ましい位置は、C1位置である。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法で得られる過分極カルボン酸は固体状態NMR分光法で使用される。この場合、過分極固体カルボン酸は、静的又はマジック角スピニング固体状態NMR分光法で分析できる。この実施形態では、任意のタイプ及び分子サイズのカルボン酸が本発明の方法において使用できる。
本発明の方法で使用するトリチルラジカルはDNP剤として働くが、これはDNP法において不可欠である。なぜなら、DNP剤の大きい電子スピン分極が電子のラーモア周波数に近いマイクロ波照射によってカルボン酸中の核の核スピン分極に変換されるからである。マイクロ波は、e−e及びe−n遷移による電子スピン系と核スピン系との間の連絡を刺激する。効果的なDNPのためには、DNP剤は分極させるべき化合物又はその溶液中で安定かつ可溶であって、前記化合物とDNP剤との緊密な接触を達成するものでなければならない。かかる緊密な接触は、上述した電子スピン系と核スピン系との間の連絡のために必要である。この点において、安定なトリチルラジカルが極めて有用なDNP剤であることが判明した。酸素系、硫黄系又は炭素系の安定なトリチルラジカルは、例えば国際公開第99/35508号、同第88/10419号、同第90/00904号、同第91/12024号、同第93/02711号又は同第96/39367号に記載されている。
トリチルラジカルの最適選択はいくつかの観点に依存する。前述の通り、分極させるべき化合物中に最適の分極レベルを得るためには、トリチルラジカル及び化合物はDNPプロセス中において緊密に接触していなければならない。したがって、本発明の好ましい実施形態では、トリチルラジカルはカルボン酸又はその溶液中に可溶である。前者は、分極させるべきカルボン酸が(例えばピルビン酸のように)室温で液体である場合、或いはカルボン酸が(例えば高温での融解により)液体状態に移行される場合に好適な選択肢である。カルボン酸の溶液を調製するためには、溶媒又は溶媒混合物を使用できる。しかし、分極カルボン酸を(例えば、インビボMRイメージング剤用のMRイメージング剤として使用するか、或いはかかる薬剤の前駆体であるような)インビボ用途のために使用する場合には、溶媒の量を最小限に抑えるか、或いは可能ならば溶媒の使用を避けることが好ましい。インビボMRイメージング剤として使用するためには、過分極化合物は通常比較的高い濃度で投与する必要がある。即ち、カルボン酸、トリチルラジカル及び式(1)のGdキレートを含む高濃縮組成物をDNPプロセス中に使用するのが好ましく、したがって溶媒の量は最小限に抑えることが好ましい。これに関連して、組成物の質量を好ましくはできるだけ小さく保つことも重要である。DNPプロセス後に過分極カルボン酸を含む固体組成物を液化するために溶解を使用する場合(例えば、それをMRイメージング剤として使用するか、或いは溶解プロセス中にMRイメージング剤に転化される前駆体として使用する場合)には、大きい質量は溶解プロセスの効率に悪影響を及ぼす。これは、溶解プロセス中の一定体積の溶解媒質については、固体組成物の質量が増加すると溶解媒質と固体組成物の質量との比が減少するという事実に原因する。さらに、ある種の溶媒を使用した場合には、これらの溶媒が生理学的に許容されない可能性があるので、MRイメージング剤として使用する過分極カルボン酸又はその誘導体を患者に投与する前に溶媒の除去が必要とされることがある。
本発明の方法で使用するカルボン酸がどちらかと言えば親油性/親水性の化合物であれば、トリチルラジカルもどちらかと言えば親油性/親水性であるべきである。トリチルラジカルの親油性/親水性は、トリチルラジカル分子を親油性/親水性にする適当な残基を選択することによって調整できる。さらに、トリチルラジカルはカルボン酸塩の存在下で安定でなければならない。したがって、本発明の方法で使用するカルボン酸が例えばシュウ酸又はピルビン酸のように比較的強い酸であれば、トリチルラジカルは強い酸性条件下で安定であるべきである。カルボン酸塩がさらに反応基を含むならば、これらの反応基に対して比較的安定なトリチルラジカルを使用すべきである。上記の説明から、トリチルラジカルの選択は本発明の方法で使用するカルボン酸の化学的性質に大きく依存することが明らかである。
国際公開第2006/011811号には、酸性有機化合物(即ち、カルボン酸)のDNP分極のために特に有用なDNP剤であるトリチルラジカルが開示されている。これらのトリチルラジカルを本発明の方法で使用することが好ましい。
本発明に係る方法の好ましい実施形態では、カルボン酸はピルビン酸、さらに好ましくは13C−ピルビン酸、最も好ましくは13−ピルビン酸であり、トリチルラジカルは下記式(2)のトリチルラジカルである。
Figure 2010502596
式中、
Mは水素又は1当量の陽イオンを表し、
R1は同一又は異なるものであって、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基或いは−(CH)−X−R2基(式中、nは1、2又は3であり、XはO又はSであり、R2は直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基である。)を表す。)
好ましい実施形態では、Mは水素又は1当量の生理学的に許容される陽イオンを表す。「生理学的に許容される陽イオン」という用語は、ヒト又はヒト以外の動物の生体によって許容される陽イオンを意味する。好ましくは、Mは水素又はアルカリ陽イオン、アンモニウムイオン又は有機アミンイオン(例えばメグルミン)を表す。最も好ましくは、Mは水素又はナトリウムを表す。
さらに他の好ましい実施形態では、R1は同一であり、さらに好ましくは直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、最も好ましくはメチル、エチル又はイソプロピルである。
さらに他の好ましい実施形態では、R1は同一又は異なるもの、好ましくは同一であり、−CH−OCH、−CH−OC、−CH−CH−OCH、−CH−SCH、−CH−SC又は−CH−CH−SCH、最も好ましくは−CH−CH−OCHを表す。
さらに好ましい実施形態では、Mは水素又はナトリウムを表し、R1は同一であり、−CH−CH−OCHを表す。
本発明の方法で使用するトリチルラジカルは、国際公開第88/10419号、同第90/00904号、同第91/12024号、同第93/02711号、同第96/39367号及び同第2006/011811号に詳述されているようにして合成できる。
上述の通り、本発明の方法で使用するGdキレートは下記式(1)のGdキレートである。
Figure 2010502596
式中、
nは1〜10であり、
xは0〜10であり、
Rは同一又は異なるものであって、フルオロ、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、或いは5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基であり、
QはH、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基、或いは次式の基である。
Figure 2010502596
(式中、n、x及びRは上記に定義した通りである。)
好ましい実施形態では、QはH或いは直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はtert−ブチルであるか、或いはQは次式の基と同一である。
Figure 2010502596
上記実施形態の好ましい実施形態では、nは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。
Rが直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基であれば、Rは好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はtert−ブチルである。
Rが5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基であれば、Rは好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ベンジル、フェニル又はトリルである。
一実施形態では、xは3であり、同一又は異なる3つのR基は好ましくはオルト位及びパラ位に結合している。かかる実施形態の例は下記の部分である。
Figure 2010502596
ここで、上記の部分は下記に示す式(1)のGdキレートの枠内の部分に相当している。
Figure 2010502596
別の実施形態では、xは2であり、同一又は異なる(好ましくは同一である)2つのR基は好ましくはメタ位に結合している。かかる実施形態の好ましい例は下記の部分であり、これらの部分は下記に示した式(1)のGdキレートの枠内の部分に相当している。
Figure 2010502596
好ましい実施形態では、xは1であり、R基は好ましくはパラ位に結合している。この実施形態では、Rは好ましくはフルオロ、メチル、イソプロピル、イソブチル及びtert−ブチルから選択され、最も好ましくはメチル及びtert−ブチルから選択される。
別の好ましい実施形態では、xは0であり、nは1〜5、好ましくは1〜3である。
式(1)のGdキレートは、好適には、保護されたカルボキシル基を有するDO3A誘導体を出発原料として用いて合成される。好適なDO3A誘導体は、例えば1,4,7−トリス(tert−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン又は1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンである。これらのDO3A誘導体は、米国特許第4,885,363号又は国際公開第96/28433号(これらの開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載されているような公知方法で製造できる。
かかるDO3A誘導体を、溶媒中かつ塩基の存在下で下記式(3)の化合物と反応させればよい。
Figure 2010502596
式中、Lはハロゲン、好ましくはクロリドのような脱離基であり、Q、n、x及びRは上記に定義した通りである。
式(3)の化合物は、Rx置換アミン又は(xが0である場合には)アミンを溶媒中かつ塩基の存在下で2−ハロゲンアセチルクロリド(好ましくは2−クロロアセチルクロリド)と反応させて得ることができる。Rx置換アミン及びアミンを合成する方法は当技術分野で公知であり、各種のかかるRx置換アミン及びアミンが商業的に入手できる。
存在する保護基を、例えばtert−ブトキシで保護されたカルボキシル基を有するDO3A誘導体の場合にはトリフルオロ酢酸との反応で除去した後、下記式(1a)のキレーターを適当な溶媒(例えば水)中で適当なGd3+化合物(例えばGd又はGdClのようなGd3+塩)と反応させて式(1)のGdキレートを得る。
Figure 2010502596
式中、Q、n、x及びRは上記に定義した通りである。式(1a)のキレーター及び式(3)の化合物を合成するための他の好適な方法は、米国特許第5,737,752号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載されている。
式(1)のGdキレートは、カルボン酸塩の存在下で安定であるので、カルボン酸のDNP分極において特に有用である。Gdキレートの錯体解離(脱キレート化)は遊離Gd3+イオンを生じて分極に有害な結果をもたらすので、これは重要な特徴である。Gd3+イオンのような遊離常磁性金属イオンの存在下では分極がはるかに急速に減衰し、これはMRイメージング剤としての使用が想定されている過分極化合物の「寿命」を劇的に短くする。
分極させるべきカルボン酸が液体であるか、或いは溶媒に溶解されていれば、液体カルボン酸又はその溶液に可溶である式(1)のGdキレートを使用することが好ましい。分極させるべきカルボン酸がどちらかと言えば親油性であれば、式(1)のGdキレートもどちらかと言えば親油性であるべきである。親油性は、適切な種類及び数のR基を選択することで調整できる。
任意には、カルボン酸、トリチルラジカル及び式(1)のGdキレートを含む、本発明の方法で使用する組成物は、さらにキレーター及び/又はCaキレートを含んでいる。
「キレーター」という用語は、金属イオン(例えばGd3+)と結合(錯体化)してキレートを形成する化学的実在物を意味する。
DNPプロセス後に過分極カルボン酸又はその誘導体を含む固体組成物を溶解又は融解して得られる液体組成物中に遊離Gd3+イオンが存在するのを避けるため、組成物にキレーターを添加できる。前述の通り、Gd3+イオンのような遊離常磁性金属イオンの存在下では分極がはるかに急速に減衰するので、遊離Gd3+イオンを生じて分極に有害な結果をもたらす。これはまた、MRイメージング剤としての過分極カルボン酸又はその誘導体の「寿命」を劇的に短くする。組成物中に存在する追加のキレーターは遊離Gd3+イオンと反応してGdキレートを形成し、したがって組成物が液化(即ち溶解又は融解)された後には遊離Gd3+イオンが組成物から「捕捉」される。好適なキレーターは、容易かつ急速にGd3+イオンとの錯体を形成するもの、好ましくはEDTA、DOTA−BOM又はDTPA−BMAである。これらのキレーター及びその合成法は当技術分野で公知である。別の好ましい実施形態では、式(1a)のキレーターが使用される。
キレーターの代わりに、上述のようなキレーターを含むCaキレートを組成物に添加できる。Caキレートは弱い錯体であるので、その効果はキレーターの添加と同様である。遊離Gd3+イオンの存在下では、上述のようなキレーターはCa2+に比べてGd3+とはるかに強い錯体を形成するので、Ca2+イオンとGd3+イオンとの交換が起こる。しかし、遊離Ca2+イオンは常磁性イオンでないので、上述した分極に有害な結果をもたらさない。したがって、好ましいCaキレートはCa−EDTA、Ca−DOTA−BOM及びCa−DTPA−BMAである。別の好ましい実施形態では、下記式(1b)のCaキレートが使用される。
Figure 2010502596
式中、Q、n、x及びRは上記に定義した通りである。
別法として、本発明の方法で使用する組成物はキレーター及びCaキレートの両方を含み得る。キレーターは、Caキレートのキレーターと同一又は異なるものであってよい。例えば、キレーターがEDTAであり、CaキレートがCa−EDTAであり得る。別の実施形態では、キレーターがEDTAであり、CaキレートがCa−DTPA−BMAであり得る。好ましい実施形態では、キレーターは式(1a)のキレーターであり、Caキレートは式(1b)のCaキレートである。
本発明に係る方法を実施するためには、カルボン酸、トリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレートを含む組成物を調製する。
本発明の方法で使用するカルボン酸が、例えばピルビン酸のように室温で液体であれば、前記液体カルボン酸を選択されたトリチルラジカル及び選択された式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレートと合わせることで、組成物のすべての成分が緊密に接触している組成物を形成する。好ましくは、選択されたトリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意のキレーター及び/又はCaキレートは液体カルボン酸塩中に可溶である。別法として、あまり好ましくはないが、選択されたトリチルラジカルの溶液及び/又は選択された式(1)のGdキレートの溶液及び/又は任意のキレーター及び/又はCaキレートの溶液を適当な溶媒(例えば水)中に調製し、次いでこれらを液体カルボン酸に添加することもできる。緊密な混合は、当技術分野で公知のいくつかの手段(例えば撹拌、渦動又は音波処理)によってさらに促進できる。
本発明の方法で使用するカルボン酸が室温で固体であれば、カルボン酸の分解が起こらないことを条件にして、それを融解し、融解カルボン酸を選択されたトリチルラジカル、選択された式(1)のGdキレート並びに任意には以前の段落に記載したようなキレーター及び/又はCaキレートと合わせることができる。
別の実施形態では、例えば、カルボン酸を適当な溶媒又は溶媒混合物(好ましくは、冷却/凍結時に組成物の結晶化を防止するための良好なガラス形成剤である溶媒)に溶解することで固体カルボン酸の溶液を調製できる。好適なガラス形成剤は、例えばグリセロール、プロパンジオール又はグリコールである。続いて、溶解カルボン酸を選択されたトリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレート(好ましくは、いずれも乾燥成分としてのもの)と合わせる。別法として、あまり好ましくはないが、選択されたトリチルラジカルの溶液及び/又は選択された式(1)のGdキレートの溶液及び/又は任意のキレーター及び/又はCaキレートの溶液を適当な溶媒(例えば水)中に調製し、次いでこれらを溶解カルボン酸に添加することもできる。非ガラス形成溶媒に溶解したカルボン酸にガラス形成剤を添加することで、冷却/凍結時に組成物が結晶化するのを防止することもできる。しかし、前述の通り、溶媒及び/又はガラス形成剤の添加は必要最小限に抑えるべきである。したがって、好ましい方法は、カルボン酸が室温で液体であるか或いは分解せずに融解させ得ることを条件にして、カルボン酸への可溶性又はカルボン酸との混和性を有するトリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレートを選択することである。
好適には、トリチルラジカルの濃度は組成物中において5〜25mM、好ましくは10〜20mMである。式(1)のGdキレートの濃度に関しては、組成物中において0.1〜8mMが好適であり、0.1〜6mMの濃度が好ましく、0.5〜4mMの濃度がさらに好ましい。本発明の方法で使用するための組成物中にキレーター及び/又はCaキレートが存在するならば、前記組成物中における前記キレーター及び/又はCaキレートの濃度は好適には0.1〜10mM、好ましくは0.5〜8mM、さらに好ましくは1.5〜7mMである。
組成物は、好ましくは結晶化が防止されるようにして、冷却及び/又は凍結される。冷却/凍結は当技術分野で公知の方法によって達成できる。例えば、フリーザー内又は液体窒素中で組成物を凍結することができ、或いは単に組成物をDNP分極装置内に配置するだけでも液体ヘリウムによって組成物は凍結する。
一実施形態では、冷却/凍結前に組成物をガス抜きする。ガス抜きは、組成物中にヘリウムガスを(例えば2〜15分間にわたり)吹き込むことで達成できるが、他の公知常法で行うこともできる。
本発明の方法に従えば、組成物は動的核分極(DNP)を受ける。DNP技法は例えば国際公開第98/58272号及び同第01/96895号に記載されており、これらの開示内容はいずれも援用によって本明細書の内容の一部をなしている。一般に、DNPプロセスでは中程度の又は高い磁場及び極低温が使用され、例えば液体ヘリウム及び約1T以上の磁場中でDNPプロセスが実施される。別法として、中程度の磁場及び十分な分極増強が達成される任意の温度を使用することもできる。好ましい実施形態では、DNPプロセスは液体ヘリウム及び約1T以上の磁場中で実施される。好適な分極ユニット(=分極装置)は、例えば国際公開第02/37132号に記載されている。好ましい実施形態では、分極ユニットはクライオスタット及び分極手段(例えば、超伝導磁石のような磁場発生手段に取り囲まれた中心ボア内のマイクロ波源と導波管で連結されたマイクロ波チャンバー)を含んでいる。ボアは、垂直方向下方に、少なくとも磁場強度が試料核の分極を引き起こすのに十分な程度(例えば1〜25T)に高くなっている超伝導磁石近傍の「P」領域のレベルまで延在している。試料(即ち、分極させるべき組成物)用のボアは、好ましくは密封可能であり、低圧(例えば1mbar以下の程度の圧力)まで排気できる。着脱自在の輸送管のような試料導入手段をボアの内部に収容することができ、この管はボアの頂部からP領域にあるマイクロ波チャンバー内の位置まで挿入することができる。P領域は、液体ヘリウムで分極を引き起こすのに十分な低温(好ましくは0.1〜100K、さらに好ましくは0.5〜10K、最も好ましくは1〜5K程度の温度)に冷却されている。試料導入手段は、好ましくは、ボア内に部分真空を保持できるようにその上端を任意適宜の方法で密封可能である。試料保持カップのような試料保持容器を、試料導入手段の下端の内部に着脱自在に取り付けることができる。試料保持容器は、好ましくは比熱容量が低くかつ極低温特性に優れた軽量材料(例えばKelF(ポリクロロトリフルオロエチレン)又はPEEK(ポリエーテルエーテルケトン))で作られている。試料容器は、2以上の試料を保持できるように設計することができる。
試料を試料保持容器内に挿入し、液体ヘリウム中に浸漬し、好ましくは周波数約94GHzのマイクロ波を200mWで照射する。分極のレベルは、本明細書の6頁に開示されているようにしてモニターできる。
好ましい実施形態では、本発明の方法で製造された固体過分極カルボン酸を次の段階で液化する。
かくして好ましい実施形態では、本発明の方法は、過分極カルボン酸又はその誘導体を含む液体組成物の製造方法である。前記方法は、カルボン酸、トリチルラジカル及び式(1)のGdキレートを含む組成物を調製する段階、該組成物に関して動的核分極を実施する段階、並びに該組成物を液化する段階を含んでなる。
任意には、上記の組成物はキレーター及び/又はCaキレートを含む。
本発明の文脈中では、「過分極カルボン酸」という用語は、上記の組成物を調製するために使用されたカルボン酸であって、(上述の方法を実施した後に)過分極しているカルボン酸を意味する。「過分極カルボン酸の誘導体」という用語は、過分極カルボン酸を異なる過分極化学的実在物に転化させる溶解媒質にそれを溶解して液化することで過分極カルボン酸から導かれる過分極化学的実在物を意味する。一例は、過分極カルボン酸を塩基に溶解してカルボキシル基をカルボキシレート基に転化させること、例えば過分極ピルビン酸を過分極ピルビン酸塩に転化させること、或いは過分極酢酸を過分極酢酸塩に転化させることである。
液化は、DNPプロセス後の固体組成物を適当な溶媒又は溶媒混合物(例えば緩衝液のような水性キャリヤー)に溶解すること或いは融解することによって実施され、任意には適当な溶媒又は溶媒混合物への後続の溶解段階又は希釈段階が実施される。過分極固体組成物の溶解のために適した方法及び装置は、例えば国際公開第02/37132号に記載されている。過分極固体組成物の融解のために適した方法及び装置は、例えば国際公開第02/36005号に記載されている。過分極カルボン酸又はその誘導体をMRイメージング剤として使用することが想定されていれば、過分極カルボン酸を含む固体組成物を好ましくは水性キャリヤー又は適当な溶媒に溶解することで、生理学的に許容される溶液を得る。
前記に説明した通り、過分極カルボン酸を含む固体組成物の溶解のために使用する溶解媒質は、過分極カルボン酸を異なる過分極化学的実在物(誘導体)に転化させるような性質も有し得る。この場合、過分極カルボン酸を前駆体という。例えば、塩基を含む溶解媒質を用いて過分極カルボン酸を含む固体組成物を溶解すれば、前記過分極カルボン酸は中和されて過分極カルボン酸塩に転化する。したがって、液化組成物中の過分極化合物はカルボン酸の塩であり、もはやカルボン酸そのものではない。
任意の後続段階では、トリチルラジカル及び/又は式(1)のGdキレート及び/又は任意に存在するキレーター及び/又はCaキレート及び/又はGdキレート(即ち、キレーター又はCaキレートと遊離Gd3+イオンとの反応生成物であるGdキレート)を液化組成物から除去する。過分極カルボン酸又はその誘導体をヒト又は動物の生体内でMRイメージング剤として使用することが想定されていれば、トリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意に存在するキレーター及び/又はCaキレート及び/又はそのGdキレート(以後は「上記化合物」ともいう)を液化組成物から除去するのが好ましい。
トリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びにキレーター及び/又はCaキレート及び/又はそのGdキレートを除去するために有用な方法は、当技術分野で公知である。一般に、適用可能な方法は、本発明の方法で使用する組成物を調製するために使用した上記化合物の正確な性質及び化学的特性に依存する。過分極カルボン酸を含む固体組成物を溶解又は融解すると、トリチルラジカル及び/又は式(1)のGdキレート及び/又はキレーター及び/又はCaキレート及び/又はGdキレートは沈殿することがあり、その場合には濾過により液体組成物から容易に分離できる。沈殿が起こるか否かは、もちろん、溶媒及び上記化合物の性質に依存する。
沈殿が起こらなければ、トリチルラジカル、式(1)のGdキレート、キレーター、Caキレート及びGdキレートは、クロマトグラフィー分離技法、例えば逆相クロマトグラフィーのような液相クロマトグラフィー、(固相)抽出、又は当技術分野で公知の他のクロマトグラフィー分離方法によって除去することができる。一般に、液体組成物中の過分極カルボン酸又はその誘導体の分極はT緩和によって減衰するので、上記化合物のすべてを一段階で除去できる方法を使用することが好ましい。上記化合物が液体組成物から迅速に除去されるほど、保持される分極レベルは高くなる。したがって、分極させるべきカルボン酸、トリチルラジカル及び式(1)のGdキレートを緊密に接触させるという観点からばかりでなく、迅速かつ効率的な除去の観点からも、同様な化学的性質を有するトリチルラジカル及び式(1)のGdキレートを選択するのが有利である。これはもちろん、本発明の方法で使用するための組成物中にキレーター及び/又はCaキレートが使用されるならば、これらの化合物の選択にも当てはまる。例えば、どちらかと言えば親油性のトリチルラジカル及びどちらかと言えば親油性の式(1)のGdキレート並びにどちらかと言えば親油性のキレーター及び/又はCaキレートを使用すれば、単一のクロマトグラフィーカラム上での逆相液体クロマトグラフィーによってすべての化合物を一段階で除去することができよう。
上記化合物の除去後、残留するトリチルラジカル及び/又は式(1)のGdキレートの有無について並びに任意に存在するキレーター、Caキレート及びGdキレートの残留量について液体組成物を検査することができる。
トリチルラジカルは特徴的なUV/可視吸収スペクトルを有するので、それの除去後に液体組成物中におけるトリチルラジカルの有無を検査する方法としてUV/可視吸収測定を使用することが可能である。定量的な結果(即ち、液体組成物中に存在するトリチルラジカルの濃度)を得るために、液体組成物のアリコートによる特定波長の吸収から液体組成物中の対応するトリチルラジカル濃度が得られる様に分光計を校正すればよい。
式(1)のGdキレート中に芳香族基が存在するため、式(1)のGdキレートの有無を検査するための方法としてUV/可視吸収測定を使用できる。この場合にも、前の段階に記載したように分光計を校正することで定量的な結果を得ることができる。本発明の方法で使用するための組成物中に式(1a)のキレーター及び/又は式(1b)のCaキレートが使用されたならば、これらの化合物のすべてが芳香族基を含むので、これらの化合物の有無を検査するための方法として同じUV/可視吸収測定を使用できる。
好ましい実施形態では、本発明の方法は液体MRイメージング剤の製造のために使用され、本発明の方法で使用する組成物は溶解(好ましくは、緩衝液のような生理学的に許容される水性キャリヤーへの溶解)によって液化される。
本発明に係る方法のさらに他の好ましい実施形態では、組成物は13C−ピルビン酸(好ましくは13−ピルビン酸)、式(2)のトリチルラジカル及び式(1)のGdキレートを含む。13−ピルビン酸はどちらかと言えば親油性の化合物であるので、どちらかと言えば親油性の式(2)のトリチルラジカル及びどちらかと言えば親油性の式(1)のGdキレートを選択するのが好ましい。
さらに好ましい実施形態では、Mが水素又はナトリウムを表し、R1が同一であって−CH−CH−OCHを表す式(2)のトリチルラジカルが使用されると共に、QがHであり、nが1〜3であり、xが0又は1であり、R基(存在する場合)がパラ位に結合している式(1)のGdキレートが使用される。非常に好ましい実施形態では、QはHであり、nは1〜3であり、xは1であり、パラ位に結合したRはメチル、イソプロピル、イソブチル又はtert−ブチルであり、最も好ましくはメチル又はtert−ブチルである。これらの式(1)のGdキレートは、ピルビン酸の存在下で安定であるのでピルビン酸のDNP分極において特に有用であるばかりでなく、単一の段階で式(2)のトリチルラジカルと共に除去できる。任意には、式(1a)のキレーター及び/又は式(1b)のCaキレートが組成物に添加される。
この好ましい実施形態では、組成物は、上述したトリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意のキレーター(1a)及び/又はCaキレート(1b)を13C−ピルビン酸に溶解することで調製される。組成物の成分を完全に混合し、組成物を冷却及び/又は凍結する。動的核分極後、過分極13C−ピルビン酸を含む固体組成物を溶解又は融解し、次いで過分極13C−ピルビン酸塩に転化させるか、或いは溶解及び転化を同時に行う。
一実施形態では、過分極13C−ピルビン酸を含む固体組成物を液体塩基と反応させることで、それを溶解すると同時に13C−ピルビン酸塩に転化させる。続いて、緩衝液(好ましくは生理学的に許容される緩衝液)を添加して溶解を完成させ、任意には残留13C−ピルビン酸を13C−ピルビン酸塩に転化させる。好ましい実施形態では、塩基はNaOH、NaCO又はNaHCOの水溶液であり、さらに好ましくはNaOHの水溶液である。好適には、緩衝液は、約7〜8のpH範囲内の緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝剤(KHPO/NaHPO)、ACES、PIPES、イミダゾール/HCl、BES、MOPS、HEPES、TES、TRIS、HEPPS又はTRICINを含む生理学的に許容される緩衝液である。好ましくは、TRIS緩衝液、クエン酸塩緩衝液又はリン酸塩緩衝液が使用される。緩衝液はさらに、存在し得る遊離Gd3+イオンを錯体化するため、EDTA、DTPA−BMA又はDOTA−BOMのようなキレーターを含むことができる。別の好ましい実施形態では、緩衝液及び塩基を合わせて1つのアルカリ性溶液とし、この溶液を過分極13C−ピルビン酸を含む固体組成物に添加することで、13C−ピルビン酸を溶解すると同時にそれを13C−ピルビン酸塩に転化させる。
上述した式(1)のGdキレート、式(2)のトリチルラジカル並びに任意の(1a)のキレーター及び/又は式(1b)のCaキレートは、好適には前記化合物のすべてを同時に除去することができる逆相液体クロマトグラフィーを用いて除去することが好ましい。
任意には、過分極13C−ピルビン酸を含む液体組成物を、例えば本明細書中に前述した方法により、残留する前記化合物の有無について検査する。
インビボMRイメージング用の薬剤として使用するためには、本発明の方法で得られた過分極カルボン酸又はその誘導体を含む液体組成物は、ヒト又はヒト以外の動物の生体に投与するのに適した組成物(即ち、イメージング剤)として提供される。イメージング剤は、好ましくは上述したような生理学的に許容される水性キャリヤー(例えば緩衝液、水又は食塩水)を含む。イメージング剤はさらに、通常の薬学的に許容されるキャリヤー、賦形剤及び製剤化補助剤を含み得る。したがって、イメージング剤は例えば安定剤、重量オスモル濃度調整剤、可溶化剤などを含み得る。
本発明の方法で得られた過分極カルボン酸又はその誘導体を含む液体組成物を含んでなり、インビボMRイメージングのために(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体内で)使用されるイメージング剤は、好ましくは前記生体に非経口的に(好ましくは静脈内に)投与される。
一般に、検査すべきヒト又はヒト以外の動物の生体はMR磁石内に配置される。専用のMR−RFコイルが検査対象領域をカバーするように配置される。イメージング剤の用量及び濃度は、毒性及び投与経路のような一連の因子に依存する。投与後400秒未満、好ましくは120秒未満、さらに好ましくは投与後60秒未満、特に好ましくは20〜50秒で、検査対象体積をエンコードするMRイメージングシーケンスを印加する。
インビトロNMRアッセイ用或いはエクスビボ組織又は単離器官のMRイメージング又はMR分光法用の薬剤として使用するためには、本発明の方法で得られた過分極カルボン酸又はその誘導体を含む液体組成物は、例えばレセプターや酵素のような単離タンパク質、細胞培養物、ヒト又はヒト以外の動物の身体から導かれる試料(例えば血液、尿又は唾液)、生検組織のようなエクスビボ組織或いは単離器官に添加するのに適した組成物(即ち、イメージング剤)として提供される。当業者には自明の通り、イメージング剤中には薬学的に許容されるキャリヤー、賦形剤及び製剤化補助剤が存在し得るが、かかる目的のためにその存在が必要なわけではない。したがってイメージング剤は、上述したような水性キャリヤー(例えば緩衝液又は緩衝液混合物)及び(特にインビトロNMRのためには)1種以上の非水性溶媒(例えばDMSO又はメタノール)を含むことが好ましい。
過分極カルボン酸又はその誘導体を含む液体組成物を含んでなるイメージング剤は、「通常」のMRイメージング剤として(即ち、解剖学的イメージングに関してコントラスト増強を与えるもの)として使用できる。過分極カルボン酸又はその誘導体が、ヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝経路中で役割を果たす化合物であれば、前記イメージング剤はインビボ代謝MRイメージングのために使用でき、それによって検査対象組織の代謝状態に関する情報を与えることができる。
前述の通り、ピルビン酸塩はクエン酸回路中の化合物であり、したがって過分極13C−ピルビン酸塩は国際公開第2006/011810号に詳述されているような腫瘍イメージング用のイメージング剤として使用できる。
さらに、心筋組織の生存度を評価するためのイメージング剤としての過分極13C−ピルビン酸塩の使用は、国際公開第2006/054903号に詳述されている。
本発明の別の態様は、カルボン酸、トリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレートを含んでなる組成物である。好ましくは、前記組成物は動的核分極で使用するためのものである。前記組成物の好ましい実施形態、即ち好ましいカルボン酸、トリチルラジカル及び式(1)のGdキレートは、本明細書中で以前に開示されている。
本発明のさらに別の態様は、過分極カルボン酸又はその誘導体(好ましくはカルボン酸の塩)、トリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレートを含んでなり、動的核分極によって得られた組成物である。さらに他の好ましい実施形態では、前記組成物は、動的核分極を実施し、前記動的核分極によって得られた固体組成物を溶解又は融解することで得られる液体組成物である。
本発明のさらに別の態様は、トリチルラジカル及び式(1)のGdキレートを含んでなる分極剤である。好ましくは、前記分極剤は動的核分極によってカルボン酸を分極させるために使用される。
本発明のさらに別の態様は、下記式(1)の新規Gdキレートである。
Figure 2010502596
式中、
nは1〜10であり、
xは0〜3であり、
Rは同一又は異なるものであって、フルオロ、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、或いは5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基であり、
QはH、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基、或いは次式の基である。
Figure 2010502596
(式中、n、x及びRは上記に定義した通りである。)
式(1)のGdキレートの好ましい実施形態は、本明細書中で以前に記載されている。
本発明に係る新規なGdキレートは、本明細書中に記載されているように、カルボン酸の動的核分極で使用できる。しかし、これらはMR活性化合物(即ち、MRイメージングで使用される造影剤中のイメージング成分)としても使用できる。
本発明のさらに別の態様は、下記式(1a)の新規キレーターである。
Figure 2010502596
式中、
nは1〜10であり、
xは0〜3であり、
Rは同一又は異なるものであって、フルオロ、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、或いは5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基であり、
QはH、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基、或いは次式の基であり、
Figure 2010502596
(式中、n、x及びRは上記に定義した通りである。)
QがHでありかつxが0であれば、nは2〜10、好ましくは2〜5、さらに好ましくは2〜3であることを条件とする。
式(1a)のキレーターの好ましい実施形態は、式(1)のGdキレートの好ましい実施形態と同一であり、本明細書中で以前に記載されている。
本発明のさらに別の態様は、保護されたカルボキシル基を有するDO3A誘導体(好ましくは1,4,7−トリス(tert−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)を溶媒中かつ塩基の存在下で下記式(3)の化合物と反応させる段階、及び続いて保護基を除去する段階によって上述の式(1a)のキレーターを製造する方法である。
Figure 2010502596
(式中、Lはハロゲン、好ましくはクロリドのような脱離基であり、Q、n、x及びRは式(1a)に関して前記に定義した通りである。)
本発明のさらに別の態様は、
a)保護されたカルボキシル基を有するDO3A誘導体(好ましくは1,4,7−トリス(tert−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)を溶媒中かつ塩基の存在下で下記式(3)の化合物と反応させる段階、
Figure 2010502596
(式中、Lはハロゲン、好ましくはクロリドのような脱離基であり、Q、n、x及びRは式(1)に関して前記に定義した通りである。)
b)保護基を除去する段階、及び
c)段階b)の反応生成物を溶媒(好ましくは水)中でGd3+化合物(好ましくはGdCl)と反応させる段階
によって式(1)のGdキレートを製造する方法である。
本発明のさらに別の態様は、動的核分極で使用するためのキットであって、使用説明書と、カルボン酸、トリチルラジカル及び式(1)のGdキレート並びにさらに任意にはキレーター及び/又はCaキレートを含む組成物を収容した1以上のバイアルとを含んでなるキットである。一実施形態では、前記キットはカルボン酸、トリチルラジカル及び式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレートを含む組成物を収容した単一のバイアルとを含んでいる。別の実施形態では、前記キットは、カルボン酸及びトリチルラジカルを含む組成物を収容した第1のバイアルと、式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレートを収容した第2のバイアルとを含んでいる。前記動的核分極の前に前記第1のバイアル及び前記第2のバイアルの内容物を合わせる。前記バイアル中の組成物は乾燥物質の組成物であってよい。即ち、すべての化合物が固体であってよい。別法として、組成物は液体組成物であってよい。即ち、化合物を溶媒に溶解することができ、或いは1つの化合物が液体であれば、前記化合物を前記液体化合物に溶媒することもできる。
好ましい実施形態では、本発明に係るキットは動的核分極で使用するためのものであって、使用説明書と、13C−ピルビン酸(好ましくは13−ピルビン酸)、式(2)のトリチルラジカル、式(1)のGdキレート並びに任意にはキレーター及び/又はCaキレートを含む組成物を収容したバイアルとを含んでなる。
例1a
例1a 式(2)のトリチルラジカルであるトリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ(メトキシエチル)ベンゾ[1,2−4,5’]ビス−(1,3)ジチオール−4−イル)メチルナトリウム塩の合成
国際公開第98/39277号の実施例7に従って合成したトリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ(ヒドロキシエチル)ベンゾ[1,2−4,5’]ビス−(1,3)ジチオール−4−イル)メチルナトリウム塩10g(70mmol)をアルゴン雰囲気下で280mlのジメチルアセトアミド中に懸濁した。水素化ナトリウム(2.75g)、次いでヨウ化メチル(5.2ml)を添加し、わずかに発熱性の反応を34℃の水浴中で1時間(60分間)進行させた。水素化ナトリウム及びヨウ化メチルの添加は、それぞれ同量の化合物を用いて2回繰り返した。最後の添加後、混合物を室温で68時間撹拌し、次いで500mlの水中に注ぎ込んだ。40mlの1M NaOH(水溶液)を用いてpHをpH>13に調整し、混合物を周囲温度で15時間撹拌することで生成したメチルエステルを加水分解した。次に、50mlの2M HCl(水溶液)を用いて混合物を約2のpHに酸性化し、酢酸エチル(500ml及び2×200ml)で3回抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、次いで蒸発乾固させた。アセトニトリル/水を溶離剤として用いる分取HPLCによって粗生成物(24g)を精製した。集めた画分を蒸発させてアセトニトリルを除去した。残った水相を酢酸エチルで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、次いで蒸発乾固させた。水(200ml)を残留物に添加し、0.1M NaOH(水溶液)を用いてpHを注意深く7に調整したが、この過程中に残留物は徐々に溶解した。中和後、水溶液を凍結乾燥した。
例2
例2 式(1a)のキレーターである1,4,7−トリス(カルボニルメチル)−10−((4−tert−ブチル)ベンジルアミノカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの合成
すべての化学薬品はSigma−Aldrich社又はFluka社から購入した。1,4,7−トリス(tert−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンは、国際公開第96/28433号に記載されているようにして製造した。
2a 2−クロロ−N−(4−tert−ブチルフェニルメチル)アセトアミドの製造
ジクロロメタン(100ml)中における商業的に入手可能な4−tert−ブチルベンジルアミン(8.16g、50mmol)及び炭酸カリウム(7.95g、57.5mmol)の懸濁液に、2−クロロアセチルクロリド(6.21g、55mmol)のジクロロメタン(25ml)溶液を室温で滴下した。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、反応混合物を4時間還流させた。反応混合物を冷却し、水(100ml)を添加した。相を分離し、有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で蒸発させた。標記化合物を白色の結晶性物質として得、これをさらに精製することなく次の段階で使用した。
2b 1,4,7−トリス(tert−ブトキシカルボニルメチル)−10−((4−tert−ブチル)ベンジルアミノカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
アセトニトリル(100ml)中における1,4,7−トリス(tert−ブトキシカ
ボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(7.57g、12.7mmol)、例2aから得られた2−クロロ−N−(4−tert−ブチルフェニルメチル)アセトアミド(3.60g、15mmol)、及び炭酸カリウム(5.53g、40mmol)の反応混合物を75℃に加熱し、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却して濾過した。濾液を真空中で蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/CHCl)に付した。生成物を含む画分を合わせ、真空中で蒸発させたところ、標記化合物が黄色の油として得られたが、この油は貯蔵中に結晶化した。
2c 1,4,7−トリス(カルボニルメチル)−10−((4−tert−ブチル)ベンジルアミノカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例2bからの1,4,7−トリス(tert−ブトキシカルボニルメチル)−10−((4−tert−ブチル)ベンジルアミノカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(3.59g、5mmol)を窒素雰囲気下でトリフルオロ酢酸(25ml)に溶解した。反応物を室温で一晩撹拌し、次いで真空中で蒸発させた。残留物を水(10ml)に溶解し、真空中で蒸発させた。残留物を水(10ml)に再溶解し、架橋ポリ−4−ビニルピリジン(Reillex(商標)425、5.2g)を添加し、混合物を20分間撹拌した後に濾過した。濾液を凍結乾燥に付すことで、標記化合物を白色の吸湿性物質として得た。
同様に、下記のアミン及びRx置換アミンから出発して他の式(1a)のキレーターを製造した。
・4−メチルベンジルアミンから出発して、nが1であり、xが1であり、Rがメチルである式(1a)のキレーターを得た。
・4−エチルベンジルアミンから出発して、nが1であり、xが1であり、Rがエチルである式(1a)のキレーターを得た。
・4−イソプロピルベンジルアミンから出発して、nが1であり、xが1であり、Rがイソプロピルである式(1a)のキレーターを得た。
・2,4,6−トリメチルベンジルアミンから出発して、nが1であり、xが3であり、すべてのRがオルト位及びパラ位に結合したメチルである式(1a)のキレーターを得た。
・3,5−ジメチルベンジルアミンから出発して、nが1であり、xが2であり、すべてのRがメタ位のメチルである式(1a)のキレーターを得た。
・4−フェニルベンジルアミンから出発して、nが1であり、xが1であり、Rがフェニルである式(1a)のキレーターを得た。
・4−フルオロベンジルアミンから出発して、nが1であり、xが1であり、RがFである式(1a)のキレーターを得た。
・フェニルプロピルアミンから出発して、nが3であり、xが0である式(1a)のキレーターを得た。
・ベンジルアミンから出発して、nが1であり、xが0である式(1a)のキレーターを得た。
例3
例3 式(1)のGdキレートである1,4,7−トリス(カルボニルメチル)−10−((4−tert−ブチル)ベンジルアミノカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンガドリニウムの製造
1,4,7−トリス(カルボニルメチル)−10−((4−tert−ブチル)ベンジルアミノカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(1.10g、2mmol)及びGdCl六水塩(0.74g、2mmol)を室温で水(10ml)に溶解した。反応混合物を90℃に加熱して2時間撹拌し、pHを1M NaOH水溶液の添加で絶えず7に調整した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、pHを9に調整した(NaOH水溶液、1M)。得られた不透明の混合物を濾過し、pHをHCl水溶液(1M)の添加で7に調整した。混合物を凍結乾燥に付し、標記化合物を白色の結晶性物質として得た。
同様に、下記の式(1a)のキレーターから出発して他の式(1)のGdキレートを製造した。
・nが1であり、xが1であり、Rがメチルである式(1a)のキレーター。
・nが1であり、xが1であり、Rがエチルである式(1a)のキレーター。
・nが1であり、xが1であり、Rがイソプロピルである式(1a)のキレーター。
・nが1であり、xが3であり、すべてのRがオルト位及びパラ位に結合したメチルである式(1a)のキレーター。
・nが1であり、xが2であり、すべてのRがメタ位のメチルである式(1a)のキレーター。
・nが1であり、xが1であり、Rがフェニルである式(1a)のキレーター。
・nが1であり、xが1であり、RがFである式(1a)のキレーター。
・nが3であり、xが0である式(1a)のキレーター。
・nが1であり、xが0である式(1a)のキレーター。
例4
例4 式(1)のGdキレートの不存在下での過分極 13 −ピルビン酸塩溶液の製造(比較例)
13−ピルビン酸(164μl)に例1のトリチルラジカルを溶解することで、トリチルラジカルが15mMの組成物を調製した。組成物を均質になるまで混合し、プローブ保持容器に入れ、DNP分極装置内に挿入した。
DNP条件下、3.35Tの磁場中において1.2Kでマイクロ波(93.950GHz)を照射して組成物を分極させた。固体状態分極を13C−NMRでモニターし、22%の最大分極が得られるまで(即ち、時間に対してNMR信号を示すグラフ中で飽和曲線が得られるまで)分極を続けた。
国際公開第02/37132号記載の溶解装置を用いて、過分極13−ピルビン酸を含む固体組成物を水酸化ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)及びEDTA(0.3mM)の水溶液に溶解することで、過分極13−ピルビン酸ナトリウムの中性溶液を得た。溶解装置と直列にクロマトグラフィーカラムを連結した。カラムは、Varian社から供給される疎水性充填材(Bondesil−C18、40UM部品#:12213012)を含むカートリッジ(D=38mm、h=10mm)からなっていた。溶液をカラムに強制的に通すことで、カラムはトリチルラジカルを選択的に吸着した。濾過後の溶液をUV分光光度計により469nmで分析したところ、残留トリチルラジカル濃度は0.1μMの検出限界未満であることがわかった。
例5
例5 式(1)のGdキレートの存在下での過分極 13 −ピルビン酸塩溶液の製造
13−ピルビン酸(164μl)に例1のトリチルラジカル、式(1)のGdキレート及び式(1a)の対応キレーターを溶解することで、トリチルラジカルが15mM、Gdキレートが1.5mM、対応キレーターが3mMの組成物を調製した。組成物を均質になるまで混合し、プローブ保持容器に入れ、DNP分極装置内に挿入した。
式(1)のGdキレートとしては、下記の化合物を使用した。
GdキレートA:nが1であり、xが1であり、Rがメチルである式(1)のGdキレート、
GdキレートB:nが1であり、xが1であり、Rがtert−ブチルである式(1)のGdキレート、
GdキレートC:nが3であり、xが0である式(1)のGdキレート、及び
GdキレートD:nが1であり、xが0である式(1)のGdキレート。
式(1a)の対応キレーターは下記の通りであった。
キレーターA:nが1であり、xが1であり、Rがメチルである式(1a)のキレーター、
キレーターB:nが1であり、xが1であり、Rがtert−ブチルである式(1a)のキレーター、
キレーターC:nが3であり、xが0である式(1a)のキレーター、及び
キレーターD:nが1であり、xが0である式(1a)のキレーター。
DNP分極及び固体状態分極の測定は、例4に記載したようにして実施した。
得られた最大固体状態分極を測定したところ、それぞれのGdキレートを含む組成物に関して下記の通りであった。
GdキレートA:31%分極
GdキレートB:29%分極
GdキレートC:34%分極
GdキレートD:34%分極
したがって、分極させるべき組成物に式(1)のGdキレートを添加することで、例4で得られた分極に比べて約31〜55%の分極向上を達成できた。
国際公開第02/37132号記載の溶解装置を用いて、過分極13−ピルビン酸を含む固体組成物を水酸化ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)及びDTPAB−MA(1.5mM)の水溶液に溶解することで、過分極13−ピルビン酸ナトリウムの中性溶液を得た。溶解装置と直列にクロマトグラフィーカラムを連結した。カラムは、Varian社から供給される疎水性充填材(Bondesil−C18、40UM部品#:12213012)を含むカートリッジ(D=38mm、h=10mm)からなっていた。溶液をカラムに強制的に通すことで、カラムはトリチルラジカル、式(1)のGdキレート及び対応キレーターを選択的に吸着した。濾過後、溶液をUV分光光度計により469nmで分析し、残留トリチルラジカル、式(1)のGdキレート及び対応キレーターの濃度を測定した。前記濃度は、トリチルラジカルに関しては0.1μMの検出限界未満であり、式(1)のGdキレート及び対応キレーターに関しては10μMの検出限界未満であることがわかった。

Claims (23)

  1. 次の式(1)のGdキレート。
    Figure 2010502596
    式中、
    nは1〜10であり、
    xは0〜3であり、
    Rは同一又は異なるものであって、フルオロ、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、或いは5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基であり、
    QはH、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基、或いは次式の基である。
    Figure 2010502596
    式中、n、x及びRは上記で定義した通りである。
  2. QがH又は次式の基であり、
    Figure 2010502596
    Rが同一又は異なるものであって、フルオロ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ベンジル、フェニル又はトリルである、請求項1記載のGdキレート。
  3. xが1であり、Rがパラ位に結合しており、好ましくはRがパラ位に結合するとともに、フルオロ、メチル、イソプロピル、イソブチル又はtert−ブチルである、請求項1又は請求項2記載のGdキレート。
  4. xが0であり、nが1〜5、好ましくは1〜3である、請求項1記載のGdキレート。
  5. カルボン酸、トリチルラジカル及び請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の式(1)のGdキレートを含んでなる組成物。
  6. さらにキレーター及び/又はCaキレートを含む、請求項5記載の組成物。
  7. 動的核分極で使用するための、請求項5又は請求項6記載の組成物。
  8. カルボン酸が内因性化合物又はその前駆体、好ましくはヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程で役割を果たす内因性化合物又はその前駆体である、請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載の組成物。
  9. カルボン酸がマレイン酸、酢酸、フマル酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、オキサロ酢酸、乳酸、α−ケトグルタル酸、ニコチン酸、アラニン、グリシン、システイン、プロリン、チロシン、サルコシン、GABA又はホモシステインである、請求項5乃至請求項8のいずれか1項記載の組成物。
  10. カルボン酸が同位体濃縮されており、好ましくは15N及び/又は13C−濃縮されており、さらに好ましくは13C−濃縮されている、請求項5乃至請求項9のいずれか1項記載の組成物。
  11. トリチルラジカルが安定な酸素系、硫黄系又は炭素系トリチルラジカルである、請求項5乃至請求項10のいずれか1項記載の組成物。
  12. トリチルラジカルが次の式(2)のラジカルである、請求項5乃至請求項11のいずれか1項記載の組成物。
    Figure 2010502596
    式中、
    Mは水素又は1当量の陽イオンを表し、
    R1は同一又は異なるものであって、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基或いは−(CH)−X−R2基(式中、nは1、2又は3であり、XはO又はSであり、R2は直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基である。)を表す。
  13. 過分極カルボン酸又はその前駆体、トリチルラジカル及び請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の式(1)のGdキレートを含んでなる組成物。
  14. さらにキレーター及び/又はCaキレートを含む、請求項13記載の組成物。
  15. トリチルラジカル及び請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の式(1)のGdキレートを含んでなる分極剤。
  16. カルボン酸の動的核分極で使用するための、請求項15記載の分極剤。
  17. 固体過分極カルボン酸の製造方法であって、カルボン酸、トリチルラジカル及び請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の式(1)のGdキレートを含む組成物を調製する段階、並びに該組成物に関して動的核分極を実施する段階を含んでなる方法。
  18. 得られた固体過分極カルボン酸を続いて液化することで、過分極カルボン酸又はその前駆体を含む液体組成物を得る、請求項17記載の方法。
  19. 前記組成物がさらにキレーター及び/又はCaキレートを含む、請求項17又は請求項18記載の方法。
  20. 動的核分極で使用するためのキットであって、使用説明書と請求項5乃至請求項12のいずれか1項記載の組成物を収容した1以上のバイアルとを含んでなるキット。
  21. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の式(1)のGdキレートを製造する方法であって、
    a)保護されたカルボキシル基を有するDO3A誘導体を溶媒中かつ塩基の存在下で次の式(3)の化合物と反応させる段階、
    Figure 2010502596
    (式中、Lは脱離基であり、Q、n、x及びRは請求項1乃至請求項4で定義した通りである。)
    b)保護基を除去する段階、及び
    c)段階b)の反応生成物を溶媒中でGd3+化合物と反応させる段階
    を含んでなる方法。
  22. 次の式(1a)のキレーター。
    Figure 2010502596
    式中、
    nは1〜10であり、
    xは0〜3であり、
    Rは同一又は異なるものであって、フルオロ、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、或いは5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基であり、
    QはH、直鎖又は枝分れC〜C−アルキル基、5〜10の炭素原子を含む芳香族又は非芳香族環状基、或いは次式の基であり、
    Figure 2010502596
    (式中、n、x及びRは上記に定義した通りである。)
    ただし、QがHでxが0のときは、nは2〜10であることを条件とする。
  23. 請求項22記載の式(1a)のキレーターを製造する方法であって、保護されたカルボキシル基を有するDO3A誘導体を溶媒中かつ塩基の存在下で以下の式(3)の化合物と反応させる段階、及び続いて保護基を除去する段階を含んでなる方法。
    Figure 2010502596
    (式中、Lは脱離基であり、Q、n、x及びRは請求項21で定義した通りである。)
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