JP2010285761A - 構造部材、及び構造部材を有する構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柱14は、内部に柱鉄筋20が配置された第一柱部14Aと、この第一柱部14Aと一体化された第二柱部14Bと、を備えた複合構造とされている。第一柱部14Aは、普通コンクリートで構成され、第二柱部14Bは、弱アルカリコンクリートで構成されている。ここで、第二柱部14Bは、第一柱部14Aよりもアルカリ性が弱くなっている。従って、第二柱部14Bの内部に柱鉄筋20を配置する場合と比較して、第一柱部14Aの内部に柱鉄筋20が配置したことにより、柱鉄筋20の腐食を抑制することができる。
【選択図】図2
Description
次に、第二硬化体(弱アルカリコンクリート(コンクリート硬化体)、モルタル硬化体、グラウト硬化体)について説明する。
なお、第二硬化体は、普通コンクリートと比較して中性化速度が速く、鉄筋等の防錆作用を呈する期間が短くなる傾向があるが、上記実施形態に係る構造部材では、普通コンクリートで形成された第一硬化体に防錆されるべき鋼材等を設けている。従って、第二硬化体の中性化を抑制することは特に必要としない。
先ず、第1の弱アルカリコンクリートについて説明する。なお、ここでは、弱アルカリコンクリートをコンクリート組成物といい、水硬性セメントを高炉スラグ組成物という場合がある。
解体コンクリートから分離した再生コンクリート微粉末であって、水酸化カルシウムを上記の含有率で含む再生コンクリート微粉末を得る手段としては、機械擦りもみ方式が好ましく、機械擦りもみ方式のなかでは偏心ロータ方式がより好ましい。以下、このような再生コンクリート微粉末の製造方法について説明する。
構成単位B:分子中に5〜150個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するメトキシポリエチレングリコールメタクリレートから形成された構成単位
構成単位C:(メタ)アリルスルホン酸塩から形成された構成単位及びメチルアクリレートから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
試験区分1(水溶性ビニル共重合体の合成)
・水溶性ビニル共重合体(p−1)の合成
メタクリル酸60g、メトキシポリ(オキシエチレン単位数が23個、以下n=23とする)エチレングリコールメタクリレート300g、メタリルスルホン酸ナトリウム5g、3−メルカプトプロピオン酸4g及び水490gを反応容器に仕込んだ後、48%水酸化ナトリウム水溶液58gを加え、攪拌しながら部分中和して均一に溶解した。反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、反応系の温度を温水浴にて60℃に保ち、過硫酸ナトリウムの20%水溶液25gを加えてラジカル重合反応を開始し、5時間反応を継続して反応を終了した。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液23gを加えて反応物を完全中和し、メタクリル酸塩から形成された単位を構成単位にもつポリカルボン酸系の水溶性ビニル共重合体(p−1)の40%水溶液を得た。水溶性ビニル共重合体(p−1)を分析したところ、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単位/メトキシポリ(n=23)エチレングリコールメタクリレートから形成された構成単位/メタリルスルホン酸ナトリウムから形成された構成単位=70/27/3(モル%)の割合で有する質量平均分子量が33800の水溶性ビニル共重合体であった。
水溶性ビニル共重合体(p−1)の合成と同様にして、水溶性ビニル共重合体(p−2)〜(p−4)及び(pr−1)〜(pr−4)を合成した。以上で合成した各水溶性ビニル共重合体の内容を表1にまとめて示した。
構成単位A〜C:各構成単位を形成することとなる単量体で表示した。
A−1:メタクリル酸ナトリウム
A−2:メタクリル酸
B−1:メトキシポリ(n=23)エチレングリコールメタクリレート
B−2:メトキシポリ(n=68)エチレングリコールメタクリレート
B−3:メトキシポリ(n=9)エチレングリコールメタアクリレート
C−1:メタリルスルホン酸ナトリウム
C−2:アリルスルホン酸ナトリウム
C−3:メチルアクリレート
表2に記載の調合条件で、高炉スラグ微粉末、無水石膏、再生コンクリート微粉末を混合して高炉スラグ組成物を調製し、高炉スラグ組成物(S−1)〜(S−4)及び(R−1)〜(R−5)を得た。
sg−1:粉末度が4100cm2/gの高炉スラグ微粉末
sg−2:粉末度が5900cm2/gの高炉スラグ微粉末
sg−3:粉末度が1020cm2/gの高炉スラグ微粉末
gp−1:粉末度が4150cm2/gの無水石膏
gp−2:粉末度が5800cm2/gの無水石膏
rc−1:粉末度が5860cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が9.2%の再生コンクリート微粉末
rc−2:粉末度が4620cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が6.5%の再生コンクリート微粉末
rc−3:粉末度が4350cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が1.5%の再生コンクリート微粉末
実施例1〜16
表3に記載の配合条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに、練り混ぜ水(水道水)、高炉スラグ組成物、細骨材(大井川水系産川砂、密度=2.58g/cm3)の各所定量を投入し、またセメント分散剤、乾燥収縮低減剤、膨張材等の混和材の各所定量を投入して、更に空気量調節剤(竹本油脂社製のAE剤、商品名AE−300)を投入し、45秒間練り混ぜた。最後に、粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.68g/cm3)の所定量を投入し、60秒間練り混ぜて、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4.5±1%とした水/高炉スラグ組成物比が45%又は40%のコンクリート組成物を調製した。
表3に記載の配合条件で、実施例と同様な練り混ぜ方法により、水/高炉スラグ組成物比が45%のコンクリート組成物を調製した。
表3に記載の配合条件で、実施例と同様な練り混ぜ方法により、高炉セメントB種を用いた水/高炉スラグ組成物比が45%又は50%のコンクリート組成物を調製した。
二酸化炭素排出量:コンクリート組成物1m3を製造する場合の二酸化炭素の排出量(kg/コンクリート1m3)。但し、石膏及び再生コンクリート微粉末の製造に必要なエネルギーに由来する二酸化炭素の排出量を除いて計算した値
セメント分散剤の種類:表1に記載した水溶性ビニル共重合体又は下記のP−5
P−5:ポリカルボン酸系の水溶性ビニル共重合体からなるセメント分散剤として、竹本油脂社製の商品名チューポールHP−11W(マレイン酸とα−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレンとの共重合体塩)
使用量:高炉スラグ組成物100質量部当たりの、セメント分散剤、乾燥収縮低減剤又は膨張材の固形分としての質量部
高炉スラグ組成物の種類:表2に記載したもの
*1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
*2:ジプロピレングリコールジエチレングリコールモノブチルエーテル
*3:太平洋マテリアル社製の商品名が太平洋ハイパーエクスパン(石灰系膨張材)
*4:高炉セメントB種(密度=3.04g/cm3、ブレーン値3850cm2/g)
調製した各例のコンクリート組成物について、空気量、スランプ、スランプ残存率を下記のように求めた。また各コンクリート組成物から得た硬化体について、乾燥収縮率及び圧縮強度を下記のように求めた。
・スランプ(cm):空気量の測定と同時に、JIS−A1101に準拠して測定した。
・スランプ残存率(%):(60分間静置後のスランプ/練り混ぜ直後のスランプ)×100で求めた。
・乾燥収縮率:JIS−A1129に準拠し、各例のコンクリート組成物を20℃×60%RHの条件下で保存した材齢26週の供試体についてコンパレータ法により乾燥収縮ひずみを測定し、乾燥収縮率を求めた。この数値は小さいほど、乾燥収縮が小さいことを示す。
・圧縮強度(N/mm2):各例のコンクリート組成物について、JIS−A1108に準拠し、材齢7日及び材齢28日で測定した。
比較例2、3及び10〜12:目標とする流動性(スランプ値)が得られなかったので測定しなかった。
次に、第2の弱アルカリコンクリートについて説明する。なお、ここでは、弱アルカリコンクリートをコンクリート組成物といい、水硬性セメントを高炉セメント組成物という場合がある。また、第1の弱アルカリコンクリートと同じものは適宜省略して説明する。
試験区分1(水溶性ビニル共重合体の合成)
・水溶性ビニル共重合体(p−1)〜(p−4)及び(pr−1)〜(pr−4)は、第1の弱アルカリコンクリートの実施例で示したものと同様の方法で合成を合成した。合成した各水溶性ビニル共重合体の内容は表1と同様である。
表5に記載の調合条件で、高炉スラグ微粉末、無水石膏、ポルトランドセメント及び再生コンクリート微粉末を混合して高炉セメント組成物を調製し、高炉セメント組成物(S−1)〜(S−5)及び(R−1)〜(R−6)を得た。
sg−1:粉末度が4100cm2/gの高炉スラグ微粉末
sg−2:粉末度が5900cm2/gの高炉スラグ微粉末
sg−3:粉末度が1020cm2/gの高炉スラグ微粉末
gp−1:粉末度が4150cm2/gの無水石膏
gp−2:粉末度が5800cm2/gの無水石膏
pc−1:普通ポルトランドセメント
pc−2:早強ポルトランドセメント
rc−1:粉末度が5860cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が9.2%の再生コンクリート微粉末
rc−2:粉末度が4620cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が6.5%の再生コンクリート微粉末
rc−3:粉末度が4350cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が1.5%の再生コンクリート微粉末
rc−4:、粉末度が1200cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が6.1%の再生コンクリート微粉末
実施例1〜17
表6に記載の配合条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに、練り混ぜ水(水道水)、高炉セメント組成物、細骨材(大井川水系産川砂、密度=2.58g/cm3)の各所定量を投入し、またセメント分散剤、乾燥収縮低減剤、膨張材等の混和材の各所定量を投入して、更に空気量調節剤(竹本油脂社製のAE剤、商品名AE−300)を投入し、45秒間練り混ぜた。最後に、粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.68g/cm3)の所定量を投入し、60秒間練り混ぜて、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4.5±1%とした水/高炉セメント組成物比が45%又は40%のコンクリート組成物を調製した。
表6に記載の配合条件で、実施例と同様な練り混ぜ方法により、水/高炉セメント組成物比が45%のコンクリート組成物を調製した。
表6に記載の配合条件で、実施例と同様な練り混ぜ方法により、高炉セメントB種を用いた水/高炉セメント組成物比が45%又は50%のコンクリート組成物を調製した。
二酸化炭素排出量:コンクリート組成物1m3を製造する場合の二酸化炭素の排出量(kg/コンクリート1m3)。但し、石膏及び再生コンクリート微粉末の製造に必要なエネルギーに由来する二酸化炭素の排出量を除いて計算した値
セメント分散剤の種類:表5に記載した水溶性ビニル共重合体又は下記のP−5
P−5:ポリカルボン酸系の水溶性ビニル共重合体からなるセメント分散剤として、竹本油脂社製の商品名チューポールHP−11W(マレイン酸とα−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレンとの共重合体塩)
使用量:高炉セメント組成物100質量部当たりの、セメント分散剤、乾燥収縮低減剤又は膨張材の固形分としての質量部
高炉セメント組成物の種類:表9に記載したもの
*1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
*2:ジプロピレングリコールジエチレングリコールモノブチルエーテル
*3:太平洋マテリアル社製の商品名が太平洋ハイパーエクスパン(石灰系膨張材)
*4:高炉セメントB種(密度=3.04g/cm3、ブレーン値3850cm2/g)
調製した各例のコンクリート組成物について、空気量、スランプ、スランプ残存率を下記のように求めた。また各コンクリート組成物から得た硬化体について、乾燥収縮率及び圧縮強度を下記のように求めた。
・スランプ(cm):空気量の測定と同時に、JIS−A1101に準拠して測定した。
・スランプ残存率(%):(60分間静置後のスランプ/練り混ぜ直後のスランプ)×100で求めた。
・乾燥収縮率:JIS−A1129に準拠し、各例のコンクリート組成物を20℃×60%RHの条件下で保存した材齢26週の供試体についてコンパレータ法により乾燥収縮ひずみを測定し、乾燥収縮率を求めた。この数値は小さいほど、乾燥収縮が小さいことを示す。
・圧縮強度(N/mm2):各例のコンクリート組成物について、JIS−A1108に準拠し、材齢7日及び材齢28日で測定した。
比較例2、3及び11〜13:目標とする流動性(スランプ値)が得られなかったので測定しなかった。
次に、第3の弱アルカリコンクリートについて説明する。なお、ここでは、弱アルカリコンクリートをコンクリート組成物といい、水硬性セメントを高炉スラグ組成物という場合がある。また、第1、第2の弱アルカリコンクリートと同じものは適宜省略して説明する。
試験区分1(水溶性ビニル共重合体の合成)
・水溶性ビニル共重合体(p−1)〜(p−4)及び(pr−1)〜(pr−4)は、第1の弱アルカリコンクリートの実施例で示したものと同様の方法で合成を合成した。合成した各水溶性ビニル共重合体の内容は表1と同様である。
表8に記載の調合条件で、高炉スラグ微粉末、無水石膏及びアルカリ刺激材を混合して高炉スラグ組成物を調製し、高炉スラグ組成物(S−1)〜(S−10)及び(R−1)〜(R−10)を得た。
sg−1:粉末度が4100cm2/gの高炉スラグ微粉末
sg−2:粉末度が5900cm2/gの高炉スラグ微粉末
sg−3:粉末度が1020cm2/gの高炉スラグ微粉末
gp−1:粉末度が4150cm2/gの無水石膏
gp−2:粉末度が5800cm2/gの無水石膏
rc−1:普通ポルトランドセメント
rc−2:早強ポルトランドセメント
実施例1〜36
表9に記載の配合条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに、練り混ぜ水(水道水)、高炉スラグ組成物、細骨材(大井川水系産川砂、密度=2.58g/cm3)の各所定量を投入し、またセメント分散剤、乾燥収縮低減剤、膨張材等の混和材の各所定量を投入して、更に空気量調節剤(竹本油脂社製のAE剤、商品名AE−300)を投入し、45秒間練り混ぜた。最後に、粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.68g/cm3)の所定量を投入し、60秒間練り混ぜて、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4.5±1%とした水/高炉スラグ組成物の質量比が45%又は40%のコンクリート組成物を調製した。
表10に記載の配合条件で、実施例と同様な練り混ぜ方法により、水/高炉スラグ組成物の質量比が45%のコンクリート組成物を調製した。
表10に記載の配合条件で、実施例と同様な練り混ぜ方法により、高炉セメントB種を用いた水/高炉セメントの質量比が45%又は50%のコンクリート組成物を調製した。
二酸化炭素排出量:コンクリート組成物1m3を製造する場合の二酸化炭素の排出量(kg/コンクリート1m3)。但し、石膏及び再生コンクリート微粉末の製造に必要なエネルギーに由来する二酸化炭素の排出量を除いて計算した値
セメント分散剤の種類:表1に記載した水溶性ビニル共重合体又は下記のP−5
P−5:ポリカルボン酸系の水溶性ビニル共重合体からなるセメント分散剤として、竹本油脂社製の商品名チューポールHP−11W(マレイン酸とα−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレンとの共重合体塩)
使用量:高炉スラグ組成物(比較例28及び29は高炉セメントB種)100質量部当たりの、セメント分散剤、乾燥収縮低減剤又は膨張材の固形分としての質量部
高炉スラグ組成物の種類:表8に記載したもの
*1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
*2:ジプロピレングリコールジエチレングリコールモノブチルエーテル
*3:太平洋マテリアル社製の商品名が太平洋ハイパーエクスパン(石灰系膨張材)
*4:高炉セメントB種(密度=3.04g/cm3、ブレーン値3850cm2/g)
調製した各例のコンクリート組成物について、空気量、スランプ、スランプ残存率を下記のように求めた。また各コンクリート組成物から得た硬化体について、乾燥収縮率及び圧縮強度を下記のように求めた。
・スランプ(cm):空気量の測定と同時に、JIS−A1101に準拠して測定した。
・スランプ残存率(%):(60分間静置後のスランプ/練り混ぜ直後のスランプ)×100で求めた。
・乾燥収縮率:JIS−A1129に準拠し、各例のコンクリート組成物を20℃×60%RHの条件下で保存した材齢26週の供試体についてコンパレータ法により乾燥収縮ひずみを測定し、乾燥収縮率を求めた。この数値は小さいほど、乾燥収縮が小さいことを示す。
・圧縮強度(N/mm2):各例のコンクリート組成物について、JIS−A1108に準拠し、材齢7日及び材齢28日で測定した。
比較例1、2、6、7、21〜23及び25〜27:目標とする流動性(スランプ値)が得られなかったので測定しなかった。
次に、第4の弱アルカリコンクリートについて説明する。なお、ここでは、弱アルカリコンクリートをコンクリート組成物といい、水硬性セメントを高炉セメントという場合がある。また、第1〜第3の弱アルカリコンクリートと同じものは適宜省略して説明する。
水溶性ビニル共重合体P:分子中に下記の構成単位Xを45〜85モル%、下記の構成単位Yを15〜55モル%及び下記の構成単位Zを0〜10モル%(合計100モル%)の割合で有する質量平均分子量2000〜80000の水溶性ビニル共重合体。
構成単位X:メタクリル酸から形成された構成単位及びメタクリル酸塩から形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
構成単位Y:分子中に5〜150個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するメトキシポリエチレングリコールメタクリレートから形成された構成単位
構成単位Z:(メタ)アリルスルホン酸塩から形成された構成単位及びメチルアクリレートから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
構成単位L:マレイン酸から形成された構成単位及びマレイン酸塩からから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
構成単位M:分子中に5〜100個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するα−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレンから形成された構成単位及び分子中に5〜100個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するα−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
B成分:乾燥収縮低減剤
C成分:凝結促進剤
構成単位Y:分子中に5〜150個、好ましくは7〜90個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するメトキシポリエチレングリコールメタクリレートから形成された構成単位
構成単位Z:(メタ)アリルスルホン酸塩から形成された構成単位及びメチルアクリレートから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
構成単位M:分子中に5〜100個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するα−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレンから形成された構成単位及び分子中に5〜100個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するα−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
試験区分1(A成分のセメント分散剤としての水溶性ビニル共重合体の合成)
・水溶性ビニル共重合体(ap−1)の合成
メタクリル酸60g、メトキシポリ(オキシエチレン単位数が23個、以下n=23とする)エチレングリコールメタクリレート300g、メタリルスルホン酸ナトリウム5g、3−メルカプトプロピオン酸6g及び水490gを反応容器に仕込んだ後、48%水酸化ナトリウム水溶液58gを加え、攪拌しながら部分中和して均一に溶解した。反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、反応系の温度を温水浴にて60℃に保ち、過硫酸ナトリウムの20%水溶液25gを加えてラジカル重合反応を開始し、5時間反応を継続して反応を終了した。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液24gを加えて反応物を完全中和し、水溶性ビニル共重合体(ap−1)の40%水溶液を得た。水溶性ビニル共重合体(ap−1)を分析したところ、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単位/メトキシポリ(n=23)エチレングリコールメタクリレートから形成された構成単位/メタリルスルホン酸ナトリウムから形成された構成単位=70/27/3(モル%)の割合で有する質量平均分子量が31700の水溶性ビニル共重合体であった。
水溶性ビニル共重合体(ap−1)の合成と同様にして、水溶性ビニル共重合体(ap−2)〜(ap−4)及び(apr−1)〜(apr−4)を合成した。以上で合成した各水溶性ビニル共重合体の内容を表13にまとめて示した。
構成単位X〜Z:各構成単位を形成することとなる単量体で表示した。
X−1:メタクリル酸ナトリウム
X−2:メタクリル酸
Y−1:メトキシポリ(n=23)エチレングリコールメタクリレート
Y−2:メトキシポリ(n=68)エチレングリコールメタクリレート
Y−3:メトキシポリ(n=9)エチレングリコールメタアクリレート
Z−1:メタリルスルホン酸ナトリウム
Z−2:アリルスルホン酸ナトリウム
Z−3:メチルアクリレート
無水マレイン酸98g及びα−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレン(n=33)512gを反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、反応容器内の雰囲気を窒素置換した。反応系の温度を温水中にて80℃に保ち、アゾビスイソブチロニトリル3gを投入してラジカル重合反応を開始した。更にアゾビスイソブチロニトリル5gを分割投入し、ラジカル重合反応を4時間継続して反応を完結した。得られた共重合体に水を加えて加水分解して水溶性ビニル共重合体(aq−1)の40%水溶液を得た。水溶性ビニル共重合体(aq−1)を分析したところ、マレイン酸から形成された構成単位/α−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレン(n=33)から形成された構成単位=50/50(モル比)の割合で有する質量平均分子量23000の水溶性ビニル共重合体であった。
水溶性ビニル共重合体(aq−1)の合成と同様にして、水溶性ビニル共重合体(aq−2)〜(aq−4)及び(aqr−1)〜(aqr−4)を合成した。以上で合成した各水溶性ビニル共重合体の内容を表14にまとめて示した。
構成単位L及びM:各構成単位を形成することとなる単量体で表示した。
L−1:マレイン酸
L−2:マレイン酸ナトリウム
M−1:α−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレン(n=33)
M−2:α−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレン(n=68)
M−3:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン(n=33)
M−4:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン(n=23)
実施例1〜23
表15に記載の配合番号の条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに、練混ぜ水(水道水)、高炉スラグ微粉末を65%及び普通ポルトランドセメントを35%(合計100%)の割合で含有する高炉セメント(密度=2.99g/cm3、粉末度4020cm2/g)、細骨材(大井川水系産川砂、密度=2.58g/cm3)、A成分のセメント分散剤として水溶性ビニル共重合体(ap−1)、B成分の乾燥収縮低減剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(b−1)、C成分の凝結促進剤として炭酸ナトリウム(c−1)の各所定量を順次投入し、更に空気量調節剤(竹本油脂社製のAE剤で、商品名AE−300)を投入して、次に粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.68g/cm3)を投入して60秒間練り混ぜ、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4.5±1%とした実施例1の水/高炉セメントの質量比が50%のコンクリート組成物を調製した。同様の方法で、実施例2〜23の水/高炉セメントの質量比が30〜50%のコンクリート組成物を調製した。
実施例1と同様の方法で比較例1〜23の水/高炉セメントの質量比が45〜50%のコンクリート組成物を調製した。実施例も含め、以上の各例で調製したコンクリート組成物の内容を表16にまとめて示した。
s−1:高炉スラグ微粉末を65%及び普通ポルトランドセメントを35%(合計100%)の割合で含有する高炉セメント(密度=2.99g/cm3、粉末度4020cm2/g)
s−2:高炉スラグ微粉末を70%及び普通ポルトランドセメントを30%(合計100%)の割合で含有する高炉セメント(密度=2.98g/cm3、粉末度4040cm2/g)
s−3:高炉スラグ微粉末を75質量%及び普通ポルトランドセメントを25質量%(合計100%)の割合で含有する高炉セメント(密度=2.96g/cm3、粉末度4050cm2/g)
sr−1:高炉セメントB種(密度=3.04g/cm3、粉末度3850cm2/g)
添加量:高炉セメント100質量部当たりの固形分質量部
*1:リグニンスルホン酸塩を主成分とするセメント分散剤(竹本油脂社製の商品名チューポールEX20)
*2:ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩を主成分とするセメント分散剤(竹本油脂社製の商品名ポールファイン510AN)
*3:メラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩を主成分とするセメント分散剤(竹本油脂社製の商品名ポールファインMF)
ap−1〜ap−4及びapr−1〜apr−4:表13に記載したセメント分散剤としての水溶性ビニル共重合体
aq−1〜aq−4及びaqr−1〜aqr−4:表14に示したセメント分散剤としての水溶性ビニル共重合体
b−1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
b−2:ジプロピレングリコールジエチレングリコールモノブチルエーテル
c−1:炭酸ナトリウム
c−2:炭酸カリウム
c−3:塩化カルシウム
調製した各例のコンクリート組成物について、空気量、スランプ、スランプ残存率を下記のように求めた。また各例のコンクリート組成物から得た硬化体について、乾燥収縮率及び圧縮強度を下記のように求めた。
・スランプ(cm):空気量の測定と同時に、JIS−A1101に準拠して測定した。
・スランプ残存率(%):(60分間静置後のスランプ/練り混ぜ直後のスランプ)×100で求めた。
・乾燥収縮率:JIS−A1129に準拠し、各例のコンクリート組成物を20℃×60%RHの条件下で保存した材齢26週の供試体についてコンパレータ法により乾燥収縮ひずみを測定し、乾燥収縮率を求めた。この数値は小さいほど、乾燥収縮が小さいことを示す。
・圧縮強度(N/mm2):各例のコンクリート組成物について、JIS−A1108に準拠し、材齢7日及び材齢28日で測定した。
・二酸化炭素排出量:コンクリート組成物1m3を製造する場合の二酸化炭素の排出量(kg/コンクリート1m3)。但し、石膏及び再生コンクリート微粉末の製造に必要なエネルギーに由来する二酸化炭素の排出量を除いて計算した値
比較例4、14〜16及び18〜20:目標とする流動性(スランプ値)が得られなかったので測定しなかった。
高炉スラグ組成物:粉末度が3000〜13000cm2/gの高炉スラグ微粉末を80〜95質量%及び石膏を5〜20質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、解体コンクリートから分離した水酸化カルシウム含有率が3〜15質量%の再生コンクリート微粉末を3〜15質量部の割合で添加した高炉スラグ組成物。
高炉セメント組成物:粉末度が3000〜13000cm2/gの高炉スラグ微粉末を60〜90質量%、石膏を5〜20質量%及びポルトランドセメントを5〜35質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、解体コンクリートから分離した水酸化カルシウム含有率が3〜15質量%の再生コンクリート微粉末を10〜30質量部の割合で添加した高炉セメント組成物。
高炉スラグ組成物:粉末度が3000〜13000cm2/gの高炉スラグ微粉末を80〜95質量%及び石膏を5〜20質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、アルカリ刺激材を0.5〜1.5質量部又は5〜45質量部の割合で添加した高炉スラグ組成物。
高炉セメント:粉末度が3000〜13000cm2/gの高炉スラグ微粉末とポルトランドセメントとから成り、且つ該高炉スラグ微粉末を60〜80質量%及びポルトランドセメントを20〜40質量%(合計100質量%)の割合で含有する高炉セメント。
A成分:下記の水溶性ビニル共重合体P及び下記の水溶性ビニル共重合体Qから選ばれる一つ又は二つ以上の水溶性ビニル共重合体からなるセメント分散剤。
水溶性ビニル共重合体P:分子中に下記の構成単位Xを45〜85モル%、下記の構成単位Yを15〜55モル%及び下記の構成単位Zを0〜10モル%(合計100モル%)の割合で有する質量平均分子量2000〜80000の水溶性ビニル共重合体。
構成単位X:メタクリル酸から形成された構成単位及びメタクリル酸塩から形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
構成単位Y:分子中に5〜150個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するメトキシポリエチレングリコールメタクリレートから形成された構成単位
構成単位Z:(メタ)アリルスルホン酸塩から形成された構成単位及びメチルアクリレートから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
水溶性ビニル共重合体Q:分子中に下記の構成単位Lを40〜60モル%及び下記の構成単位Mを60〜40モル%(合計100モル%)の割合で有する質量平均分子量2000〜50000の水溶性ビニル共重合体。
構成単位L:マレイン酸から形成された構成単位及びマレイン酸塩からから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
構成単位M:分子中に5〜100個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するα−アリル−ω−メチル−ポリオキシエチレンから形成された構成単位及び分子中に5〜100個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するα−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンから形成された構成単位から選ばれる一つ又は二つ以上
なお、混和材の一部として、下記のB成分を0.2〜4.0質量部、下記のC成分を0.1〜5.0質量部の割合で含有しても良い。この場合、混和材の一部として、下記B成分又は下記C成分を加えても良いし、下記B成分及び下記C成分を加えても良い。
B成分:乾燥収縮低減剤
C成分:凝結促進剤
14 柱(構造部材)
14A 第一柱部(第一硬化体)
14B 第二柱部(第二硬化体)
16 梁(構造部材)
18 床(構造部材)
18A 第一床部(第一硬化体)
18B 第二床部(第二硬化体)
20 柱鉄筋(鋼材)
26 鉄筋(鋼材)
30 柱(構造部材)
30A 第一柱部(第一硬化体)
30B 第二柱部(第二硬化体)
32 柱鉄筋(鋼材)
42 床(構造部材)
42A 第一床部(第一硬化体)
42B 第二床部(第二硬化体)
50 鉄筋(鋼材)
54 床(構造部材)
54A 第一床部(第一硬化体)
54B 第二床部(第二硬化体)
62A 第一床部(第一硬化体)
66 床(構造部材)
66A 第一床部(第一硬化体)
66B 第二床部(第二硬化体)
72 壁(構造部材)
72A 第一壁部(第一硬化体)
72B 第二壁部(第二硬化体)
74 鉄筋(鋼材)
82 柱(構造部材)
82A 第一柱部(第一硬化体)
82B 第二柱部(第二硬化体)
86 柱鉄筋(鋼材)
92 壁(構造部材)
92A 第一壁部(第一硬化体)
92B 第二壁部(第二硬化体)
94 鉄筋(鋼材)
110 構造部材
110A 第一梁部(第一硬化体)
110B 第二梁部(第二硬化体)
Claims (7)
- 鋼材が埋設された第一硬化体と、
前記第一硬化体と一体化されると共に、該第一硬化体よりもアルカリ性が弱い第二硬化体と、
を備える構造部材。 - 前記第二硬化体が、高炉スラグ微粉末を60質量%以上含有する水硬性セメントが水和反応して硬化したコンクリート硬化体、モルタル硬化体、又はグラウト硬化体である請求項1に記載の構造部材。
- 前記第一硬化体が、前記第二硬化体の周囲に配置されている請求項1又は請求項2に記載の構造部材。
- 前記第二硬化体が、前記第一硬化体の周囲に配置されている請求項1又は請求項2に記載の構造部材。
- 前記第二硬化体の内部に、棒状に形成された複数の前記第一硬化体が配置されている請求項1又は請求項2に記載の構造部材。
- 前記第一硬化体と前記第二硬化体とが対向して配置されている請求項1又は請求項2に記載の構造部材。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の構造部材を有する構造物。
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