JP5843441B2 - 硬化促進剤及びそれを用いたセメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート二次製品及び現場施工における土木・建築構造物に使用される硬化促進剤及びそれを用いたセメント組成物に関する。
土木建築業界では、コスト削減のために早期に脱型可能な強度を発現させ、型枠の存置期間を短くして効率の良い建設方法や、道路などでは早期に共用及び開放できる早期強度発現技術が要望されている。また、人口の高齢化や少子化に伴う労働力不足から、現場打設ではなく各種土木建築部材を、予め、コンクリート製品工場において製造し、そのプレキャスト製品を現場で組み立てて建設する方式も進められている。
しかしながら、現場打設では夏期と冬期では強度発現性が異なり、特に、冬期で低温養生される場合はセメントの種類が同じでもロットや銘柄によって、強度発現が顕著に遅れるという課題がある。また、プレキャスト製品の場合も経済性や環境負荷を考慮して、より低い養生温度で、より短時間で脱型しようとすると、前記と同様の課題が生じる。
通常、早期に強度を発現させるためには、水硬性の高いセメントの使用や、セメントの水和反応(シリケート相、主にAlite)を促進する硬化促進剤が用いられる。
硬化促進剤としては、従来から多数の無機塩類や有機化合物が知られており、無機塩類としては各種塩化物、硝酸塩や亜硝酸塩、アルカリ金属の硫酸塩や亜硫酸塩、明ばん類や明礬石、チオ硫酸塩やチオシアン酸塩及びクロム酸塩などが知られている。
また、硬化促進剤よりも大きく促進作用を示すアルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩などは、ある一定量以上セメントに添加すると、セメント中のアルミネート相やシリケート相を瞬時に水和反応させて急結させるため、吹付けコンクリートの急結剤として多用されている。有機化合物の硬化促進剤としては、蟻酸や酢酸の各種塩類やアミノ化合物が知られており、急結剤としてはトリエタノールアミンが使用されている。
一方、石膏と消石灰を蒸気養生する早期脱型材として利用する方法は、既に提案(特許文献1)されている。この方法は、不溶性(II型)無水石膏と消石灰及び/又は軟焼石灰をコンクリートに添加して、コンクリートの練り上がり温度よりも35〜55℃高い温度で養生して早期に脱型強度を得るものである。
また、消石灰と、チオ硫酸塩、蟻酸塩、硝酸塩及び亜硝酸塩の中の選ばれた一種以上を含有する硬化促進剤も提案(特許文献2)されている。
しかしながら、これら従来の硬化促進剤による早期脱型技術では、より低い温度で、かつ、短時間又は短期間で脱型可能な強度を得るという観点から、セメントの種類が同じでもロットや銘柄によって、強度発現が顕著に遅れるという課題は解決されていない。
なお、JIS規格値(20℃で試験)をクリアーする同じ種類のセメントでもロットや銘柄又は生産工場によって、より低い温度で養生された場合の強度発現性に差が生ずる原因は明確ではない。
特公昭57−11866号公報 特開2003−277111号公報
本発明は、より低い温度で、かつ、短時間又は短期間で脱型強度を得るという観点から、セメントの種類が同じでもロットや銘柄によっては強度発現が顕著に遅れるという課題を解決する、硬化促進剤及びそれを用いたセメント組成物を提供する。
すなわち、本発明は、(1)II型無水石膏と、消石灰及び/又は軟焼生石灰と、炭酸カリウムとからなる硬化促進剤、(2)セメントと、(1)の硬化促進剤とからなるセメント組成物、(3)セメント100質量部に対して、II型無水石膏と消石灰及び/又は軟焼生石灰の質量比率を80:20〜10:90としたものを多くても10質量部以下と、炭酸カリウムを0.03〜0.8質量部である(2)のセメント組成物、である。
本発明の硬化促進剤に依れば、(1)より低い温度で、かつ、短時間又は短期間で脱型可能強度を得るに当たり、セメントの種類が同じでもロットや銘柄によって早期脱型性能が顕著に異なる(劣る)という課題が解決する。(2)元々、強度発現性の優れた銘柄のセメントに使用した場合は、より短時間又は短期間で脱型強度が得られ、環境負荷の低減や経済的で効率的なコンクリート二次製品を製造することができ、現場打ちの土木建築構造物の建設でも型枠の存置期間の短縮が可能である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用するII型無水石膏とは、不溶性又は難溶性と呼称される無水石膏であり、二水石膏や半水石膏、可溶性(III型)無水石膏では他の成分と組み合わせても実用的な早期脱型強度は得られない。
II型無水石膏自身はセメントの凝結硬化を遅延するので、単独では、強度発現性は遅れるが、消石灰及び/又は軟焼石灰と、各種炭酸塩、重炭酸塩の中でも炭酸カリウムと併用することによって、相乗的に早期強度を発現するものである。
なお、II型無水石膏と炭酸カリウムのみの併用では、セメント銘柄などによる課題は解決できない。
本発明で使用する消石灰及び/又は軟焼生石灰とは、大量生産的には石灰石を脱炭酸温度の900℃よりも高い1000〜1200℃でガス焼きされた仮焼石灰(軟焼生石灰)であり、それを消化した、消石灰である。
消石灰及び/又は軟焼生石灰はアルミネート相の水和を抑制するが、シリケート相の水和反応を促進して早期強度を高める作用があり、石膏と併用することにより、よりアルミネート相の水和は抑制されるが、シリケート相の反応はより促進される。
しかしながら、消石灰及び/又は軟焼生石灰による、更には消石灰及び/又は軟焼生石灰とII型無水石膏の併用だけでは、セメント銘柄などによる課題は解決できない。
なお、消石灰及び/又は軟焼生石灰と炭酸カリウムのみを併用した場合は、逆に、アルミネート相の水和反応は促進されるようであり、練り混ぜ中に偽凝結やスランプロスを生ずる。シリケート相に対しては水和反応による発熱曲線は促進されているが、コンクリート強度には還元されないという矛盾が生じ、この場合も、セメントの種類が同じでも銘柄によって、強度発現が顕著に遅れるという課題は解決できないものである。
本発明では、II型無水石膏と消石灰及び/又は軟焼生石灰の質量比率を80:20〜10:90とすることが好ましい。
II型無水石膏の比率が高過ぎると早期脱型強度は劣るようになるが、長期強度を高める作用があり、消石灰及び/又は軟焼生石灰(以下、単に石灰類という)の比率を高めると早期脱型強度は高くなるが、高すぎても早期脱型強度は低下する。また、長期強度の延びも抑さえられる。したがって、好ましい配合比率は、II型無水石膏と消石灰及び/又は軟焼生石灰の質量比率が70:30〜20:80であり、60:40〜30:70である。
なお、消石灰よりも軟焼生石灰の方が早期強度を高めるが、空気中の水分などで消化し易いために、性能が経時的に変化するので、混和材として市販する場合、品質の安定性の面から消石灰の使用が好ましい。
本発明のII型無水石膏と石灰類は前記の配合割合で、合量で、セメント100質量部に対して多くても10質量部添加される。10質量部を超えて添加しても早期強度は低下又は頭打ちとなり、長期強度の延びも抑制されるようになるので好ましくない。好ましくは8質量部以下、経済性も加味すると、より好ましくは0.5〜6質量部である。また、II型無水石膏や石灰類の粉末度は特に限定されないが、ブレーン比表面積値で3000cm/g以上であればよい。
しかしながら、II型無水石膏と石灰類の2成分だけでは、セメントの種類が同じでも銘柄によって、強度発現が顕著に遅れるという課題は解決されず、更に、これらと、前記各種塩化物、硝酸塩や亜硝酸塩、アルカリ金属の硫酸塩や亜硫酸塩、明ばん類や明礬石、チオ硫酸塩やチオシアン酸塩及びクロム酸塩、炭酸カリウム以外のアルカリ金属の炭酸塩を併用しても十分な解決には至らないし、蟻酸や酢酸の各種塩類を併用しても同様である。
本発明ではアルカリ金属(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩)炭酸塩及び重炭酸塩の中でも、炭酸カリウムのみを使用する。
本来、アルカリ金属の炭酸塩は比較的多くセメントに添加すると、アルミネート相とシリケート相の両方の水和反応を瞬時に促進して急結に至らしめるが、急結しない範囲で少量添加すると遅延作用を示し、添加量の少ない範囲では遅延剤として分類されている。
本発明の炭酸カリウムも急結しない範囲で少量添加するものであり、II型無水石膏と石灰類と併用すると、理由は不明であるが、各種炭酸塩の中でも炭酸カリウムのみがセメントの種類が同じでもロットや銘柄によって、強度発現が顕著に遅れるという課題を解決できることを知見したものである。
更に、元々、早期脱型性能の優れた銘柄のセメントに使用した場合は、より短時間又は短期間に脱型強度が得られることも知見した。
本発明では、炭酸カリウムはセメント100質量部に対して0.03〜0.8質量部配合することが好ましい。0.03質量部未満では早期に脱型強度は得られ難く、0.8質量部を超えて添加すると急結を生ずる場合があり、より好ましくは、0.05〜0.5質量部、更に好ましくは、0.1〜0.3質量部である。
本発明の硬化促進剤やセメント組成物を用いて、モルタルやコンクリートを製造する際に、使用するセメントの種類は、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱、白色、耐硫酸塩などの各種ポルトランドセメント及びフライアッシュセメント、高炉スラグセメントなどの混合セメントである。
早期脱型の観点では超早強、早強、普通セメントの使用が好ましく、環境負荷低減の観点からではフライアッシュ、高炉スラグセメントの混合セメントが好ましい。また、シリカフューム、メタカオリン、焼成白土などの活性シリカ物質やポゾラン物質との併用は、早期強度発現には影響しないが、長期強度を向上させるので好ましい。
本発明の硬化促進剤やセメント組成物を使用して、モルタルやコンクリートを製造する際に、練り混ぜ中の偽凝結やスランプロスを改善する必要がある場合は適量の凝結遅延剤を適量併用することができ、各種減水剤及び空気量の調節のためのAE剤又は消泡剤及び乾燥収縮を低減するための収縮低減剤及び/又は膨張材も適量併用することができる。更に、モルタルやコンクリートの重要な配合条件である、水セメント比や細骨材率にも制限を受けないものである。
本発明の硬化促進剤やセメント組成物を用いて製造したモルタルやコンクリートは、現場打設では現場養生するが、特別な養生は必要なく、常法の通りの養生方法で早期に脱型可能な強度を発現する。
コンクリート製品では、短時間で脱型強度を得るために蒸気養生するが、この場合も養生温度や養生方法に制限は受けない。そして本発明の硬化促進剤やセメント組成物を用いると、従来は65〜85℃の高温養生で早期に脱型強度を得ていたのに対して40〜60℃のより低い養生温度で目的を達成でき、かつ、養生時間も短縮できる。また、本発明では、成型後直ぐに、コンクリートの練り上がり温度よりも10〜25℃高い温度に上げて1時間前後養生して凝結を速めてから、より高い温度で養生すると脱型強度を得るまでの時間が、より短縮できるので、このような二段階での蒸気養生は好ましい。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
実施例で使用する材料と試験項目とその方法を以下にまとめて示す。
「使用材料」
(1)銘柄の異なるセメント
C−1:普通ポルトランドセメント(5銘柄の内、最も脱型強度の小さい銘柄)
C−2:普通ポルトランドセメント(他の4銘柄の内、平均的脱型強度の銘柄)
C−3:早強ポルトランドセメント(5銘柄の内、最も脱型強度の小さい銘柄)
C−4:早強ポルトランドセメント(他の4銘柄の内、平均的脱型強度の銘柄)
(2)細骨材:新潟県姫川産川砂
(3)粗骨材:新潟県姫川産玉砕,最大寸法25mm
(4)減水剤:ポリカルボン酸塩系、グレースケミカルズ社製商品名スーパー200
(5)石膏
G−1:II型無水石膏,天然産、粉末度5000cm/g
G−2:二水石膏(比較),セメント用化学石膏、粉末度7000cm/g
(6)石灰類
L−1:消石灰:石灰石を1000℃でガス焼きし消化したもの(粉末度6500cm/g)
L−2:軟焼生石灰:石灰石を1000℃でガス焼きしたもの(粉末度4000cm/g)
(5)炭酸塩などその他の促進剤及び急結剤
A:炭酸カリウム、試薬
B:炭酸ナトリウム(比較)、試薬
C:重亜炭酸カリウム(比較)、試薬
「試験項目とその方法」
(1)コンクリートの練り混ぜとスランプの測定
コンクリートの練り混ぜはオムニミキサで行い、セメント、本発明の硬化促進剤成分、細骨材と粗骨材を30秒間空練りした後、ポリカルボン酸塩系減水剤を溶解した練り混ぜ水を添加して2分間練り混ぜた。
スランプ測定はJIS A 1101に準じた。
(2)供試体の成型、強度の測定方法
圧縮強度はφ10×20cmの鉄製型枠に、突き棒成型し、所定の養生後、強度測定した。強度測定はJIS A 1108に準じた。
「実験例1」
単位量が、セメント380kg/m、水155kg/m(減水剤3.0kg/m含む)、細骨材670kg/m、粗骨材1130kg/mで、スランプが12±2.5cm、空気量4.5%±1%のコンクリートを用いた。セメント銘柄と種類を変えて、セメント100質量部に対して、II型無水石膏と石灰類及び炭酸カリウムを外割りで配合したコンクリートを練り混ぜ、供試体成型後、20℃で1時間前置きしてから直ちに45℃に上げた。普通ポルトランドセメントの場合は3時間と5時間保持した強度と、5時間後に養生槽から取り出して脱型し、標準養生した材齢14日強度を測定した。早強ポルトランドセメントの場合は2時間と4時間保持した強度と、4時間後に養生槽から取り出して脱型し、標準養生した材齢7日強度を測定した。その結果を表1と表2、表3に示す。
なお、II型無水石膏と炭酸カリウムの比較として二水石膏および炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムを用いた。
脱型に必要な強度はコンクリート製品重量で異なるが、概ね、小型製品で8N/mm、中型製品では10N/mm、大型製品は12N/mm程度であり、通常は、打設後、前置き養生1時間、昇温時間2時間の後、蒸気養生温度65〜85℃で3〜5時間保持される。
表1より、早期脱型性能の低い普通ポルトランドセメント銘柄(C-1)を使用した場合において、II型無水石膏と石灰類の合量と炭酸カリウムの添加量を一定として、II型無水石膏と石灰類の質量比率を変えると、II型無水石膏:石灰類が80:20から3時間及び5時間の脱型強度が顕著に高くなる。そして、石灰類の比率を高くするほど脱型強度は徐々に高くなるがII型無水石膏:石灰類が10:90で頭打ちとなる。一方、材齢14日強度は石灰類の比率が高すぎると低下する傾向が示される。
すなわち、本発明のII型無水石膏と石灰類の質量比率は、II型無水石膏80〜10、石灰類20〜90が必要であり、脱型強度と長期強度及びスランプのバランスから、好ましい配合比率は、II型無水石膏70〜20、石灰類30〜80であり、より好ましくは、II型無水石膏60〜30、石灰類40〜70であることが示される(実験No.1-1〜No.1-12)。
II型無水石膏と石灰類の質量比率と添加量を一定として、II型無水石膏を二水石膏に変えた場合や、炭酸カリウムを炭酸ナトリウムや重炭酸カリウムに変えた比較例では、二水石膏−炭酸カリウムの組み合わせやII型無水石膏−炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムの組み合わせでは、II型無水石膏−炭酸カリウムの本願例よりも早期強度発現性に乏しく実用的な強度は得られない(実験No.1-13〜No.1-16)。
II型無水石膏と石灰類の質量比率と添加量を一定として、炭酸カリウムの添加量を変えると、0.03質量部から脱型強度が高くなり、0.05質量部でより顕著となる。さらに添加量を多くして行くと脱型強度は徐々に増大するが、多すぎるようになると徐々に低下してくる。そして0.8質量部を超えると急結性を示す場合があり、練り混ぜができなくなる。
したがって、本発明の炭酸カリウムの添加量は0.03〜0.8質量部、好ましくは0.05〜0.5質量部、より好ましくは0.10〜0.30質量部である(実験No.1-17〜No.1-26)。
表2より、II型無水石膏と石灰類の質量比率及び炭酸カリウムの添加量を一定として、II型無水石膏と石灰類の合量の添加量を変えると、0.3質量部から脱型強度高くなり、0.5質量部でより顕著となる。そして、8質量部以上の添加では脱型強度は頭打ちとなる。したがって、本発明のII型無水石膏と石灰類の、合量の添加量は10質量部以下であり、好ましくは8質量部以下、経済性も加味すると、より好ましくは0.5〜6質量部である(実験No.1-27〜No.1-36)。
表2より、石灰類の種類が軟焼生石灰(L−2)の場合では、消石灰(L−1)よりも脱型強度も14日強度も高くなる傾向を示す(実験No.1-37〜No.1-41)。
元々強度発現性の高い普通ポルトランドセメント銘柄(C−2)の方がより高い脱型強度が得られる(実験No.1-42〜No.1-49)。
表3より、早強ポルトランドセメントを使用して、II型無水石膏と石灰類の質量比率及び炭酸カリウムの添加量を一定としてII型無水石膏と石灰類の合量の添加量を変えた場合、早強ポルトランドセメントの銘柄に拘わらず、普通ポルトランドセメントの場合よりも強度発現速度が、概ね1時間程度速くなる他は、同様の傾向を示す(実験No.1-50〜No.1-56、実験No.1-57〜No.1-63)。
Figure 0005843441
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「実験例2」
実験No.1-1,No.1-3〜No.1-12及び実験No.1-20〜No.1-25、実験No.1-29〜No.1-36のコンクリートを、冬季の現場養生を考慮して5℃の室内で練り混ぜて供試体を作製し、型枠に入れたまま、5℃の室内で養生し、材齢1日、3日、7日の初期強度の発現性を調べた。その結果を表4に示す。
表4より、蒸気養生をしないで5℃の低温養生した場合において、II型無水石膏と石灰類の合量と炭酸カリウムの添加量を一定として、II型無水石膏と石灰類の質量比率を変えると、蒸気養生した場合と同様に、II型無水石膏/石灰類が80/20から強度発現速度が速くなり、初期材齢の強度も高くなる。そして、石灰などの比率を多くすると強度発現速度(強度)も徐々に高くなるが、多すぎると徐々に低下し、II型無水石膏/石灰類が10/90で頭打ちとなる。
すなわち、本発明のII型無水石膏と石灰類の質量比率は、現場打設においてもII型無水石膏80〜10、石灰類20〜90が必要であり、初期強度発現性とその後の強度の伸びのバランスから、好ましい質量比率は、II型無水石膏70〜20、石灰類30〜80であり、より好ましくは、II型無水石膏60〜30、石灰類40〜70であることが示される(実験No.2-1〜No.2-11)。
II型無水石膏と石灰類の質量比率と添加量を一定として、炭酸カリウムの添加量を変えると、蒸気養生の場合と同様に現場打設においても0.05質量部でより顕著に強度を発現する。さらに添加量を多くして行く強度は徐々に増大するが、多すぎるようになると頭打ち又は徐々に低下してくる。そして好ましくは0.05〜0.5質量部、より好ましくは0.10〜0.30質量部である(実験No.2-12〜No.2-17)。
また、II型無水石膏と石灰類の質量比率及び炭酸カリウムなどの添加量を一定として、II型無水石膏と石灰類の合量の添加量を変えると、現場打設においても0.3質量部から強度は立ち上がり、0.5質量部でより顕著となる。そして添加量が多くなるほど強度発現速度も速くなるが、8〜10質量部添加では低下傾向となることが示される。
したがって、本発明のII型無水石膏と石灰類の、合量の添加量10質量部以下であり、好ましくは8質量部以下、経済性も加味すると、より好ましくは0.5〜6質量部である(実験No.2-18〜No.2-25)。
Figure 0005843441

Claims (3)

  1. II型無水石膏と、消石灰及び/又は軟焼生石灰と、炭酸カリウムとからなる硬化促進剤。
  2. セメントと、請求項1記載の硬化促進剤とからなるセメント組成物。
  3. セメント100質量部に対して、II型無水石膏と消石灰及び/又は軟焼生石灰の質量比率を80:20〜10:90としたものを多くても10質量部以下と、炭酸カリウムを0.03〜0.8質量部である請求項2に記載のセメント組成物。
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