JP3539760B2 - セメント硬化促進剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はセメント硬化促進剤に関し、特にセメントに所定量の範囲で添加してセメントの凝結時間を所望の時間にセットすることができ、しかも初期強度をその添加量に応じて上げることが出来るようにしたセメント硬化促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントを水で混練したときのセメントの凝結、硬化を促進させるセメント硬化促進剤に関する技術は特公昭55−11630号がよく知られている。これはカルシウムアルミネートと硫酸カルシウムからなるが、この硬化促進剤は添加率が2〜10%の低添加率の場合は実用的な強度は得られず、またこれをセメントに添加することによって凝結開始までの時間を調節することが困難であった。セメントの硬化促進剤については、本願発明者らも特開平4−114939号を提案した。このセメント硬化促進剤は低添加から高添加まで実用的な強度が得られるが、これによっても凝結時間の任意の調節は必ずしも十分ではなかった。
【0003】
即ち、この促進剤を有機遅延剤と併用してセメント凝結時間の調節をしようとすると、凝結時間が20分以内の短い時間では調節が出来るが、20分を超える時間で凝結を調節しようとしても凝結時間はそれほど延びず、また3時間から7日の強度が低下するといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、セメント100重量部に対し、その添加量が2.0〜27重量部の低添加から高添加までの広範囲で凝結時間が任意に調節できて、しかも実用的な短期強度が得られるようなセメント硬化促進剤を得ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、セメント100重量部に対して2.0〜27重量部の範囲で添加して用いられる硬化促進剤であって、セメント100重量部に対し消石灰0.2〜0.5重量部、二水石こう0.2〜0.5重量部、炭酸アルカリ塩0.3〜1.0重量部、3CaO・2NaO・5Alとアルミン酸ソーダ(NaO・Al)の割合が100:0〜50:50でかつその中にSOとして1.0〜2.0%のアルカリ金属硫酸塩を含む混合物が1.3〜6.0重量部、無水石こうが前記4成分の添加量に応じてCaSOとしてCaSO/(3CaO・2NaO・5AlとNaO・Alとの混合物)の重量比で0〜3.0を含むことを特徴とするセメント硬化促進剤(請求項1)およびセメント100重量部に対して2.0〜27重量部の範囲で添加して用いられる硬化促進剤であって、セメント100重量部に対し消石灰0.2〜0.5重量部、二水石こう0.2〜0.5重量部、炭酸アルカリ塩0.3〜1.0重量部、3CaO・2NaO・5Alとアルミン酸ソーダ(NaO・Al)の割合が100:0〜50:50でかつその中にSOとして1.0〜2.0%のアルカリ金属硫酸塩を含むカルシウムナトリウムアルミネート焼成物1.3〜6.0重量部、無水石こうが前記4成分の添加量に応じてCaSOとしてCaSO/(3CaO・2NaO・5AlとNaO・Al とを含むカルシウムナトリウムアルミネート焼成物)の重量比で0〜3.0を含むことを特徴とするセメント硬化促進剤(請求項2)である。以下に、この発明をさらに説明する。
【0006】
この発明のセメント硬化促進剤は、セメント100重量部に対し2.0〜27重量部の範囲で添加して用いられる。これが2.0重量部未満では硬化促進の効果はなく、またこれが27重量部を超えると長期強度の増強が得られず実用的なメリットは少ない。また、この発明のセメント硬化促進剤は、消石灰、二水石こう、炭酸アルカリ塩、3CaO・2NaO・5Al(以下「C」という。)と、アルミン酸ソーダ(NaO・Al)(以下「AN」という。)、さらに必要に応じて添加される無水石こうとからなる。
【0007】
上記の中の消石灰と二水石こうは、セメント中の凝結の早い成分であるアルミン酸三カルシウム(3CaO・Al、以下「CA」という。)が、AN,C,硫酸塩混合物と反応するのを抑制するために配合するが、これはセメント中に存在するCAの水和を抑制するに必要な量を用いる。その添加量はセメント100重量部に対し0.2〜0.5重量部がよい。消石灰と二水石こうの添加量がセメント100重量部に対し0.2重量部未満であると、セメント中に含有するCAの水和反応を十分に抑制出来ないので凝結が早くなり好ましくない。また、これが0.5重量部より大きいとエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)の生成反応が早くなりすぎ、これが原因となり凝結が早くなるので好ましくない。
【0008】
消石灰と二水石こうの上記範囲の添加量は、CA含有量の多い早強セメントは多めに、CA含有量の少ない中庸熱セメントや高炉セメントは少なめに加える。また、セメント硬化促進剤の添加量がセメント100重量部に対し10重量部以上から27重量部と増加していくに従ってその添加量を多くする。さらに、消石灰と二水石こうとの添加量の比率はほぼ等量が好ましい。
【0009】
炭酸アルカリ塩の添加量は、セメント100重量部に対して0.3〜1.0重量部である。炭酸アルカリ塩として用いられるものは、一般に炭酸ソ−ダ、炭酸カリである。炭酸アルカリ塩は、セメント中に含有するCAおよび3CaO・SiO(以下「CS」という。)が、水和の際に直ちに溶出するCa++イオンの量を抑制しセメントの瞬結を防ぎ、またAN,C,CA中に存在する凝結を早めるAlの溶解を促進して硬化促進作用に寄与するものである。
【0010】
炭酸アルカリ塩がセメント100重量部に対し0.3重量部未満では、セメント中に含有するCAおよびCSが水和の際に直ちに溶出するCa++イオンを抑制出来ず瞬結となるばかりでなく、AN,C,CA中に存在する凝結を早める成分のAlの溶解を促進する作用も不十分となって好ましくない。炭酸アルカリ塩が1.0重量部を超えると上記のCa++イオン抑制作用が効き過ぎ、またAlの溶解促進効果も大きくなり過ぎて水酸化アルミニウムゲルが沈降し、それ以降の水和反応が妨げられ好ましくない。
【0011】
とANとアルカリ金属硫酸塩の混合物は、C:ANが重量比で100:0〜50:50でかつこの中にSOとして1.0〜2.0%のアルカリ金属硫酸塩を含むものを用いる。この中のANは、硬化時間を早める成分でこれが多いほど硬化時間が早くなるが、CとANの合量の中でANが50重量%を超えると凝結が早くなり過ぎ凝結遅延剤の添加によって凝結時間の調節が困難となる。
【0012】
また、Cが多いほど凝結時間は遅くなり、従ってANとCは上記の割合で配合することによって凝結時間を調節することが可能となる。CとANの混合物にアルカリ金属硫酸塩を添加することによって、遅延剤を添加した場合の凝結遅延効果が一層高まることになる。アルカリ金属硫酸塩としては硫酸ソーダ、硫酸カリ、カリ明ばんなどが用いられ、SOとして1.0〜2.0%添加される。SOとして1.0%未満では遅延効果が低く、またこれが2.0%を超えると凝結が早すぎ好ましくない。
【0013】
ANとCアルカリ金属硫酸塩の混合物は、セメント100重量部に対し1.3〜6.0重量部で添加される。これが1.3重量部未満では硬化促進作用が不足し、またこれが6.0重量部を超えると長期強度が低下する。ANとCアルカリ金属硫酸塩混合物のセメントに対しての配合比は、セメントへの硬化促進剤の添加割合に応じて決められる。
【0014】
例えば、セメント100重量部に対して硬化促進剤の添加量が本願発明で規定した範囲の最低量の2重量部であるとすると、消石灰と二水石こうとは各々0.2重量部で、さらに炭酸アルカリは0.3重量部となり、AN、Cおよびアルカリ金属硫酸塩混合物は1.3重量部となる。また、硬化促進剤の添加量がセメント100重量部に対して最大の27重量部の場合は消石灰と石こうの添加量は各1重量部であり、従って炭酸アルカリ塩は1.0重量部、ANとCアルカリ金属硫酸塩の混合物は、最大6.0重量部まで添加することができる。
【0015】
本発明では、さらに無水石こうを必要に応じて添加する。無水石こうの添加量は、CaSO/(3CaO・2NaO・5AlとNaO・Alとの合量)の重量比で0〜3である。無水石こうは硬化促進剤の添加量の多いときに添加すると強度向上が一層期待出来る。硬化促進剤の添加量が少ないときは無水石こうは添加する必要がない。無水石こうの添加量が多すぎるとセメントと硬化促進剤との反応によって硬化後に膨脹を生じる恐れがあるので、上記の割合で3が上限である。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明で用いたCとANとアルカリ金属硫酸塩を含む混合物の代わりに、CとANの割合が100:0〜50:50でかつその中にSOとして1.0〜2.0%のアルカリ金属硫酸塩を含むカルシウムナトリウムアルミネート焼成物(以下「CNA焼成物」という。)を用いるものである。CNA焼成物は、酸化カルシウム、酸化ナトリウムおよび酸化アルミニウム原料を混合し、さらにアルカリ金属硫酸塩等を添加混合した原料を焼成したもので、例えばCとANが重量比で100:0〜50:50になるように酸化カルシウム、酸化ナトリウムおよび酸化アルミニウム原料を混合し、さらに焼成物全体でSOが1.0〜2.0%となるようにアルカリ金属硫酸塩を添加混合した原料を電気炉で1050〜1300℃で焼成したものを、ブレーン比表面積で3000〜4000cm/gに粉砕することによって容易に得ることが出来る。
【0017】
請求項2の発明ではCNA焼成物をセメント100重量部に対して1.3〜6.0重量部添加する。これが1.3重量部未満では実用的な硬化強度が得られず、またこれが6.0重量部を超えると長期強度の発現が悪くなる。その他の原料の消石灰、二水石こう、炭酸アルカリ塩、無水石こうについては請求項1で述べたのと同様である。この硬化促進剤のセメントに対する配合比についても請求項項1について述べたのと同様である。
【0018】
次に、本発明のセメント硬化促進剤の水和作用について説明する。セメントモルタルのゲルタイムや初期硬化は、セメント中に存在している凝結硬化の最も早い鉱物であるCAの水和特性に依存している。従来から、CAの水和速度を抑制するには、普通ポルトランドセメントに適量の二水石こうが添加されてきた。この場合は、ポルトランドセメント中の鉱物であるCSより溶出するCa(OH)と添加した二水石こうの適量がCA表面と反応し、CA表面に固い殻状のエトリンガイトを形成してCAの初期水和を抑制するといわれている。また、逆にポルトランドセメントの初期硬化を早めようとする場合は、本発明の組成物を構成するAN、Cおよびアルカリ金属硫酸塩を含有した混合物またはそれらの焼成物であるCNA焼成物を添加する。この場合はCAが上記混合物または焼成物であるCNA焼成物に刺激されて著しく早く水和反応を起こす。
【0019】
このCAの水和を抑制するためには、消石灰および二水石こうを上記の混合物またはCNA焼成物の添加量に見合った量で添加し、さらに混合物またはCNA焼成物による反応を抑制するために適量のSO含有塩が上記のように添加される。さらに、セメント中のCSからCa(OH)が溶出すると、これがCAやCNAと水和反応を起こし好ましくないので、この溶出を抑制するためにポリカルボン酸系の遅延剤を添加する。
【0020】
以上のようにすることによって、遅延剤によるCSからCa(OH)の溶出の抑制、CAの水和の遅延、SO塩によるCNAの水和抑制が解放された時点でのAl、Ca(OH)およびCaSOの溶出といったことがバランスのよい速度で実現し、良好な硬化反応が始まることになる。さらに適量の炭酸アルカリを添加することによって、アルミナ溶解の促進、CSの水和促進がはかられ一層適宜な硬化促進が行われるようになる。本発明のセメント硬化剤では、セメント100重量部に対して、CAの水和抑制として消石灰および二水石こうを各々ほぼ等量で0.2〜0.5重量部、炭酸アルカリは0.3〜1.0重量部、さらにCNA溶出に起因する硬化反応を抑制するためにSO として1.0〜2.0%のアルカリ金属硫酸塩を含む混合物または焼成物のCNAを1.3〜6.0重量部を含むものが有効である。
【0021】
(実験例1)
普通ポルトランドセメント100重量部に対し、表1に示す硬化促進剤とポリカルボン酸系遅延剤のクインフロー750(日本ゼオン社商品名、「QF750」、粉末状)を一律に0.2重量部添加した。これを均一に混合した後セメントと硬化促進剤の合量に対して60重量部の水を加え、スパチュラで約30秒間十分に混合し、水を加えた後のゲルタイムおよび硬化時間を測定した。
【0022】
なお、Cは炭酸ソーダ、炭酸カルシウム、市販アルミナ試薬を原料として電気炉にて1250℃で2時間焼成し、これをブレーン比表面積で3000cm/gに粉砕したものである。また、ANは炭酸ソーダ、市販アルミナ試薬を原料として1150℃で2時間電気炉にて焼成し、ブレーン比表面積3000cm/gに粉砕したものを使用した。
【0023】
炭酸アルカリ塩は市販ソーダ灰(NaCO、純度99.5%)、石こうは副産II型無水石こう(純度95%)、消石灰は市販の工業用試薬(純度97%)、二水石こうは1級試薬(純度98%)、セメントは普通ポルトランドセメントをそれぞれ使用した。この実験ではさらにCとANの合量に対し、SOとして1.5%のカリ明ばんを添加した。結果は表1の通りであった。
【0024】
【表1】
Figure 0003539760
表1で示されるものの中で、流動性を保持するゲルタイムは長く、しかもその後すみやかに粘土状を経て硬化し塑性状態となることが望まれる。
【0025】
表1に示されるように、二水石こうの添加量が0.15重量部と少ない場合はNo.1のようにゲルタイムが短くなる。No.2ではCAの水和がかなり抑制できるようになるが、Ca(OH)と二水石こうの添加量が多くなる実験No.4においては逆にゲルタイムが短くなり、CAとCa(OH)および二水石こうとが水和反応を起こしているものと考えられる。
【0026】
さらに、NaCOの添加量が多くなるとゲルタイムは早くなる(No.6,7)。NaCOの添加量の少ないNo.5では60分以内でゲルタイムが認められず、かつ3時間以内には硬化しない。NaCOの添加量が0.3重量部を超えると硬化促進作用が起こる。NaCO、Ca(OH)、二水石こうの影響に関してはNo.1〜7に示しているが、この傾向は硬化促進剤の添加量が変わっても同一である。
【0027】
No.12,13で明らかなように、CNA混合物が増加すると、それに応じてCAの水和抑制をするため消石灰、二水石こうの量を増加させることが必要となる。CAの水和抑制を十分に行えば、No.9,10,13に示すように、硬化促進剤の添加量が増加してもゲルタイムおよび硬化時間は変化がない。以上の実験結果から、消石灰および二水石こうの添加量は0.2〜0.5重量部、NaCOの添加量は0.3〜1.0重量部が好ましい。
【0028】
(実験例2)
この実験は、C、AN、アルカリ金属硫酸塩の焼成物のうちANとCの割合においてANの多いほどゲルタイムおよび硬化時間が早くなることを示した。実験2は実験1と同様にして行った。実験条件は、セメント90重量部、硬化促進剤10重量部とした。硬化促進剤の配合比は、C、ANおよびアルカリ金属硫酸塩の焼成物3.0重量部、消石灰および二水石こうがそれぞれ0.5重量部、炭酸ソ−ダ0.5重量部、無水石こう5.5重量部とした。C、AN、アルカリ金属硫酸塩の焼成物の製造方法は、AN、Cの組成が表2に示すように原料を配合し、しかもアルカリ金属硫酸塩としてカリ明ばんを使用し、その添加量は外割りで3重量部(SOとしては1.2%)とした。
【0029】
使用した原料は、酸化ナトリウム源として市販ソーダ灰(純度99.5%)、酸化カルシウム源として市販の試薬炭酸カルシウム(純度97.0%、粉末状)、酸化アルミニウム源として工業用アルミナ試薬(純度99.5%、粉末状)を用いた。上記の原料は調合して電気炉にて1250℃で2時間焼成した。その後、これを振動ミルでブレーン比表面積3000cm/gに粉砕した。結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
Figure 0003539760
表2から明らかなように、CNA焼成物の組成によってゲルタイム、硬化時間が著しく異なる。即ち、ANの割合が多いほどゲルタイム、硬化時間が早くなり、Cの割合が多いほどゲルタイム、硬化時間は長くなる。上記のように、硬化促進剤の組成を変えることによってもゲルタイム、硬化時間の調製を行うことができる。この事例ではCNA焼成物を用いたが、CNA混合物の場合でもこれとほぼ同一の傾向を示したが、CとANの焼成条件にもよるが、概ね混合物の場合は焼成物に比較してゲルタイム、硬化時間が短くなる傾向がある。
【0031】
(実験例3)
普通ポルトランドセメント100重量部に対し表3に示す硬化促進剤、ポリカルボン酸系遅延剤クインフロー750を0.2重量部および減水剤としてマイティー150((株)花王商品名,液状)を0.3重量部一律に添加し、さらにこれと同量の豊浦標準砂を混合した。この混合試料を1リットルのポリ容器に入れ、セメントと硬化促進剤の合量に対し40重量部の水を加えて、直径5mmの羽付き回転ドリル(回転数1000r.p.m.)で混練しセメントモルタルとした。このモルタルを直径3cm×長さ6cmの型枠に詰め、3時間,6時間後の圧縮強さを測定した。なお、CNA焼成物は実験例2と同様な方法で作成した。この場合、Cは95重量部とし、ANは5重量部とした。消石灰、二水石こう、NaCO、無水石こうについては実験例1と同様な材料を使用した。
【0032】
【表3】
Figure 0003539760
表3に示すように、硬化促進剤の添加量にほぼ比例して圧縮強度は増加する。但し、No.5のようにNaCO、Ca(OH)、二水石こうが多いと3時間、6時間強度ともにやや低下する。特に、セメントに対しNaCOを1.0重量部以上添加した場合は7〜91日にかけての長期強度の伸びが良好でなくなる傾向がある。無水石こうはCNA焼成物とほぼ見合って加えればよく、その目安としてはCaSO/(CNA焼成物或いはCNA混合物)の比率で0〜3.0である。これが3.0を超えるとCaSO添加量が多すぎるため膨張現象を起こす恐れがある。上記と同様の実験でCNA焼成物の代わりにCNA混合物を用いたが同様の結果が得られた。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
配管固定用のモルタルブロック製造に本発明の硬化促進剤を用いた。モルタルの配合比は表4の通りとした。即ち、セメントと本発明硬化促進剤を容積100リットルのミキサーで約3分間十分混合し、その後これにいずれも液体の遅延剤、減水剤、起泡剤を溶かし込んだ所定量の水を注水し、約2分間十分に混練した。その後、所定量の砂(F.M.2.80の川砂)を投入しさらに2分間混練した。
【0034】
出来たモルタルはJIS によるフロー値が260cmで流動性がよく、しかも材料分離のないプラスチックな性質を有していた。このモルタルを予め用意しておいた型枠に流し込んだ。流し込みはモルタル混練作業が終了してから約10分後(注水後約20分)に終了した。モルタルは型枠に流し込んでから約10分後には硬化しはじめ、約1時間のちには脱型できた。配管用モルタルブロックの生産ではこの硬化促進剤の導入により、型枠の回転率が4〜5回/日となって生産効率が著しく向上することが出来た。なお、3時間後および空中養生91日後の強度試験値は表5に示す通りで、3時間後の強度値も実用的に十分であった。さらに長期にわたる耐久性も良好であることが確認された。
【0035】
【表4】
Figure 0003539760
【表5】
Figure 0003539760
(実施例2)
早強ポルトランドセメント100重量部に対し、下記の本発明硬化促進剤2.5重量部と遅延剤(クインフロー750,粉末状)を0.3重量部と消泡剤として粉末状のSNデフォーマー(サンノプコ社商品名)0.05重量部とを混合した。これに水を35重量部加え、モルタルミキサーで3分間混練した。その後これに砂200重量部を添加し、さらに2分間混練した。なお、水には予め0.3重量部の液状分散剤(マイティー150)を添加した。硬化促進剤は実験例1と同様な方法で作成した同実験例のNo.9の組成のもので、硬化促進剤の配合割合は消石灰が20重量部、二水石こうが20重量部、ソーダ灰20重量部、CNA焼成物40重量部とした。
【0036】
なお、ここで用いたモルタルの混練直後の流動性試験とモルタル試験をJIS R-5201によって実施した結果を表6に示した。
【0037】
上記のモルタルを混練後瓦用の型に流し込んで静置したところ、3時間後に支障なく脱型することが出来た。これに対し、硬化促進剤を使用しない従来のモルタルである比較例モルタルを用いた場合は、セメントモルタルを混練後成形し、真空脱水した後脱型するまでにさらに1日湿空養生する必要があった。
【0038】
【表6】
Figure 0003539760
【0039】
【発明の効果】
この発明のセメント硬化促進剤によると、セメントへの添加量が2.0〜27%の低添加から高添加までの広範囲で使用可能となって、さらに凝結時間がその添加量に応じて任意に調節できるようになった。しかもこの発明の硬化促進剤を使用すると実用的な短期強度が得られるようになった。このため硬化促進剤の使用範囲は従来よりも一層拡大されるようになった。

Claims (2)

  1. セメント100重量部に対して2.0〜27重量部の範囲で添加して用いられる硬化促進剤であって、セメント100重量部に対し消石灰0.2〜0.5重量部、二水石こう0.2〜0.5重量部、炭酸アルカリ塩0.3〜1.0重量部、3CaO・2NaO・5Alとアルミン酸ソーダ(NaO・Al)の割合が100:0〜50:50でかつその中にSOとして1.0〜2.0%のアルカリ金属硫酸塩を含む混合物が1.3〜6.0重量部、無水石こうが前記4成分の添加量に応じてCaSOとしてCaSO/(3CaO・2NaO・5AlとNaO・Alとの混合物)の重量比で0〜3.0を含むことを特徴とするセメント硬化促進剤。
  2. セメント100重量部に対して2.0〜27重量部の範囲で添加して用いられる硬化促進剤であって、セメント100重量部に対し消石灰0.2〜0.5重量部、二水石こう0.2〜0.5重量部、炭酸アルカリ塩0.3〜1.0重量部、3CaO・2NaO・5Alとアルミン酸ソーダ(NaO・Al)の割合が100:0〜50:50でかつその中にSOとして1.0〜2.0%のアルカリ金属硫酸塩を含むカルシウムナトリウムアルミネート焼成物1.3〜6.0重量部、無水石こうが前記4成分の添加量に応じてCaSOとしてCaSO/(3CaO・2NaO・5AlとNaO・Al とを含むカルシウムナトリウムアルミネート焼成物)の重量比で0〜3.0を含むことを特徴とするセメント硬化促進剤。
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