JP2006233569A - 鉄筋コンクリート構造物の防食方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鉄筋を効果的かつ簡便に腐食から保護する鉄筋コンクリート構造物の防食方法を提供する。
【解決手段】 鉄筋コンクリート構造物の表面を特定のセメント系押出成形体で被覆して被覆層1a〜1dを形成する。表面に被覆層1a〜1dを有し、内部に鉄筋3、鉄筋周囲にコンクリート2を打設したコンクリート構造物を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、防波堤、橋脚、橋桁、建築物等を構成する鉄筋コンクリート構造物の防食方法に関するものであって、特に鉄筋腐食が激しい塩分環境下、例えば海辺の構築物や、橋粱、トンネル等のコンクリート構造物の鉄筋を効果的に腐食から保護することができる優れた防食性を付与する鉄筋コンクリート構造物の防食方法である。
鉄筋コンクリートは、本来、不燃構造材として優れた強度と耐久性を有するので、建築物として広く利用されている。しかし、コンクリート層は、僅かではあるが、経時的に収縮や外力等により亀裂を発生し、そこに空気や湿気が浸入して、特に、塩分環境下にあっては、海水中の塩化物イオンが浸入してコンクリート内の鉄筋が容易に腐食される。コンクリート内の塩害や中性化は、ひび割れのない部分でも、経時的に内部進行するといわれているが、特にひび割れ部よりの塩化物イオンの浸透により、鉄筋は酸化され、腐食して、構造物の強度を著しく低下させる。従って、このようなひび割れの不利益を軽減することは鉄筋コンクリート構造物の極めて重要な課題であり、かかる課題を克服するためにコンクリート表面を塩化物イオン等の腐食因子から遮断する安定な遮蔽保護層を形成させる方法が広く研究され、提案されている。特に鉄筋腐食が激しい塩分環境下、例えば海辺の構築物や、橋粱、トンネル等のコンクリート構造物の鉄筋については、コンクリートのひび割れを通してコンクリート中に浸入する海水による腐食作用が激しく、何らかの防食方法が必要とされている。
従来から種々の防食方法が採用されている。例えば、コンクリート構造物表面に防食目的のために保護層を設ける方法として、セメント、骨材及び0〜−45℃のTgを有する多量の合成樹脂を含有し、特定のフロー値に調整された第一のモルタル組成物を用いて鉄筋コンクリート構造物のコンクリート表面に約3mm厚の下塗層を形成させ、その固化表面に、セメント、骨材、及び10〜−15℃のTgを有する少量の合成樹脂を含有し、吹付け軟度に調整された第二のモルタル組成物を吹き付けて、約7mmの上塗層を形成させる方法がある(特許文献1)。しかし、下塗層および上塗層が必要であり、施工的に煩雑となる。
特開2004−332297号
本発明は、鉄筋を効果的かつ簡便に腐食から保護する鉄筋コンクリート構造物の防食方法を提供することを目的とする。
本発明は、鉄筋コンクリート構造物表面に、曲げ載荷に際して多重亀裂を生じ、比重が1.2〜2.0のセメント系押出成形体からなる被覆層を形成することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の防食方法に関する。
本発明の防食方法によれば、簡易な施工方法にて効果的かつ簡便に鉄筋を防食可能である。すなわち、本発明の方法で使用される被覆層に、従来から不可避であったひび割れが生じた場合においても、鉄筋の腐食速度を有効に低減するため、鉄筋コンクリート構造物の耐久性を向上させることができる。本発明の防食方法は、鉄筋、鉄骨を用いるコンクリート構造物全てに適用することができ、特に鉄筋腐食が激しい塩分環境下、例えば海辺の構築物や、橋粱、トンネル等のコンクリート構造物などに適した防食方法である。
また本発明の防食方法によれば、鉄筋コンクリート構造物表面に形成される被覆層は曲げ載荷に際して多重亀裂性能を有するため、鉄筋コンクリート構造物の補強効果も合わせて得ることができる。
本発明の鉄筋コンクリート構造物の防食方法は、例えば、図1に示すように、鉄筋コンクリート構造物の表面を特定のセメント系押出成形体で被覆して被覆層1a〜1dを形成する。図1は、表面に被覆層1a〜1dを有し、内部に鉄筋3、鉄筋周囲にコンクリート2を打設したコンクリート構造物の一例の概略水平断面図を示す。
本発明において被覆層を構成するセメント系押出成形体は曲げ載荷に際して多重亀裂を生じる特性を有する。
「多重亀裂」とは次のことを意味する。曲げ応力が印加されると、通常のセメント成形体(硬化体)は最初の亀裂が入った段階で、その亀裂部に応力が集中して、そのまま破断に至る。すなわち応力−歪曲線が直線となる弾性変形の段階で破断に至る。そのためエネルギー吸収能が低く、脆性破壊を呈する。これに対して本発明で使用されるようなセメント系押出成形体は、最初の亀裂が入ったのちも、直ちに成形体(硬化体)全体の破断には至らず、最初の亀裂に続いて複数の亀裂が発生する。そのような複数の亀裂が発生する現象を多重亀裂という。多重亀裂が発生すると、応力が分散されるため、最初の亀裂発生後も増加する荷重に耐えて大きな歪に至るまで破壊せず、高いエネルギー吸収能と高い靭性を示す。
本発明において被覆層は曲げ載荷に際してそのような多重亀裂を生じるので、構造物の収縮や外力等によって被覆層にひび割れ(亀裂)が生じても直ちに当該層全体の破断には至ることはない。すなわち亀裂幅が微細であり、亀裂深さが比較的浅い複数の亀裂が生じるだけで、亀裂深さが被覆層の厚み長に達した亀裂は生じ難い。そのため、塩化物イオン等の腐食因子が鉄筋コンクリート構造物に到達し難くなり、当該構造物内部への塩化物イオン等の浸透を有効に遅らせることができる。その結果、構造物内部の鉄筋の腐食速度を有効に低減できる。一方、被覆層が収縮や外力等に対して多重亀裂を生じないと、亀裂深さが被覆層の厚み長に達し、塩化物イオン等の腐食因子が鉄筋コンクリート構造物内部に容易に到達する。そのため、内部の鉄筋が腐食し易くなる。
本発明においてセメント系押出成形体は以下の曲げ載荷条件において多重亀裂を生じればよい;
載荷条件(曲げ試験)は、JISA1414:1994の6.10項(単純曲げ試験)に記載される2線荷重試験に準じて行う。なお、試験体寸法は、幅80mm、厚さ15mm、長さ250mmの単純曲げ試験用の試験体とする。載荷点間距離は60mm、支点間距離は180mm、クロスヘッド速度は0.5mm/minで行う。
またセメント系押出成形体は、最大曲げ応力が10〜40MPa程度であることが好ましい。最大曲げ応力が小さすぎると、たとえ多重亀裂が起こっても、比較的早期に、深さが被覆層の厚み長に達する亀裂が生じるため、十分な防食効果が得られない。また、最大曲げ応力が40MPa以上になると、押出成形がより困難になる。ただし、上記範囲にかかわらず、被覆するコンクリート構造物の強度に合わせてセメント系押出成形体の最大曲げ応力は自由に設定すればよい。
多重亀裂を生じる特性を示すセメント系押出成形体は、少なくとも水硬性セメントを含むマトリックスに繊維を配合・補強してなる繊維補強水硬性組成物から形成される。マトリックスは好ましくはさらにシリカ質原料、パルプおよび水溶性セルロースを含み、減水剤などの混和剤、鉱物繊維および軽量骨材が配合されてもよい。
本発明において配合される繊維は、当該繊維が亀裂時の割れを架橋することによって、硬化体に、曲げ載荷時の多重亀裂を起こさせ得る補強繊維であれば、特に制限されず、例えば、ポリビニルアルコール繊維(PVA繊維)、ポリプロピレン繊維(PP繊維)、ポリエチレン繊維(PE繊維)、アラミド繊維、アクリル繊維、炭素繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリベンゾオキサゾール系繊維、レーヨン繊維、ガラス繊維、スチール繊維等が挙げられる。製造コストを低減し、多重亀裂をより有効に起こす観点から好ましくはPVA繊維、PE繊維、PP繊維であり、特にPVA繊維である。
これらの繊維は繊維長が3〜100mm、繊維径が5〜200μm、アスペクト比が100〜1000である。繊維長がより短い、繊維径がより大きい、またはアスペクト比がより小さい場合は、曲げ応力が負荷された状態において、最初に亀裂が生じたときに、繊維が架橋しても応力を負担することができず、すぐに引き抜け、多重亀裂を発生する前に破壊してしまう。一方、繊維長がより長い、繊維径がより小さい、またはアスペクト比がより大きい場合は、曲げ応力が負荷された状態において、繊維の引き抜けよりも先に、繊維自体が破断してしまうために多重亀裂が発生しない。
繊維の「アスペクト比」とは、繊維長を繊維断面の面積と同面積を有する相当円の直径で除した値である。
PVA繊維は通称ビニロン繊維とも呼ばれているもので、PVA繊維を使用する場合は、繊維長が3〜50mm、好ましくは3〜15mm、特に6〜12mm、繊維径が10〜100μm、好ましくは20〜50μm、アスペクト比が100〜1000、好ましくは150〜300であることが望ましい。
またPP繊維を使用する場合は、繊維長が3〜100mm、好ましくは3〜15mm、より好ましくは6〜12mm、繊維径が5〜40μm、好ましくは10〜30μm、アスペクト比が150〜1000、好ましくは200〜700であることが望ましい。
またPE繊維を使用する場合は、繊維長が3〜100mm、好ましくは3〜15mm、より好ましくは6〜12mm、繊維径が5〜40μm、好ましくは10〜30μm、アスペクト比が150〜1000、好ましくは200〜700であることが望ましい。
上記繊維は硬化後のセメント系成形体における体積混入率が0.1〜10%、好ましくは2〜8%となるように配合される。繊維の体積混入率がより小さいと亀裂が入ったときにそこに集中する応力を支えることができないで架橋作用を発揮できない。また体積混入率がより大きいと繊維同士の接触部分が増加してセメントとの一体化を妨害するため十分な補強効果が得られなくなる。
繊維の「体積混入率」とは、以下の方法によって測定された値を用いている。セメント系成形体(硬化体)を押出方向に対して直角方向に裁断し、その裁断面を走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧25kVで反射電子像を観察した。セメント成形体(硬化体)中の体積混入率Vfは、顕微鏡の視野にある観察面の繊維の断面積の合計を、電子顕微鏡の視野の面積で除した値として求めた。体積混入率Vfは、試験片の裁断面中の異なる3つの視野について測定した値の平均値を採用した。
本発明において使用される水硬性セメントは、水との反応により硬化体を形成できる限り、特に限定されず、例えば、各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、シリカセメント、マグネシアセメント、硫酸塩セメント等が挙げられる。
シリカ質原料としては、珪石粉、高炉スラグ、珪砂、フライアッシュ、珪藻土、シリカヒューム、非晶質シリカ等を使用することができる。好ましくは、セメント系押出成形体の強度向上および寸法安定性に寄与する点から、珪石粉、珪砂である。これらのシリカ質原料として好ましくは比表面積(JIS R 5201に記載の方法による)が3000〜15000cm/gのものを使用する。シリカ質原料は水硬性セメント100重量部に対して40〜100重量部、好ましくは50〜80重量部の割合で配合される。シリカ質原料が40重量部より少ないとセメント系押出成形体の強度が低下し、結果的に防食性能に悪影響を及ぼす。また、100重量部より多くてもセメント系押出成形体の強度が低下し、防食性能に悪影響を及ぼす。
パルプは、綿パルプまたは木材パルプ等の天然パルプが好ましい。天然パルプであれば特に限定されず、バージンパルプのみならず古紙からの再生パルプも使用できる。また木材パルプの場合、木材の組織からリグニンを化学的に取り除いた化学パルプ、木材を機械的に処理した機械パルプのいずれも使用できる。パルプは繊維長が0.05〜10mmのものが好ましい。パルプは水硬性セメント100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは0.8〜30重量部の割合で配合される。0.5重量部より少ないと補強効果を発揮できず、また50重量部より多いと分散不良となり、セメント系押出成形体の表面平滑性が悪化したりする。
水溶性セルロースとしては、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエシルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を例示することができる。水溶性セルロースは、水硬性組成物の各成分を混合・混練し、押出成形する際に、混練物に粘性を付与し、成形性を向上させるものである。水溶性セルロースは水硬性セメント100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部の割合で配合される。0.1重量部より少ないと可塑性がなく成形できない。一方10重量部より多い場合にはコストの上昇を招くだけであり、これ以上の効果の向上は期待できない。
鉱物繊維としては、セピオライト、ワラストナイト、タルク、アタパルジャイト、ロックウール等を例示することができる。鉱物繊維は水硬性セメント100重量部に対して0〜40重量部、好ましくは1〜25重量部の割合で配合される。鉱物繊維が40重量部より多いとセメント系押出成形体の強度が低下し、防食性能に悪影響を生じる。
軽量骨材としては、火山れきなどの天然軽量骨材、焼成フライアッシュバルーンなどの人工軽量骨材、真珠岩パーライト、黒曜石パーライト、バーミキュライトなどの超軽量骨材、膨張スラグなどの副産物軽量骨材を使用することができる。
本発明の水硬性組成物には、上記以外の添加剤として、必要に応じて、マイカ、アルミナ、炭酸カルシウム等のシリカ以外の無機質材料、減水剤、界面活性剤、増粘剤等を配合することもできる。
セメント系押出成形体は、上記成分からなる水硬性組成物に水を加え、押出成形・硬化することによって得られる。押出成形することにより、補強繊維が押出方向により支配的に配向する。そのため、押出方向に直角な方向からの曲げ応力または押出方向に対する引張応力に対して、深さが被覆層の厚み長に達する亀裂の発生をより有効に抑え、繊維の架橋作用による防食効果をより効果的に発揮することができる。さらには押出成形することにより、比較的複雑な形状の成形体を容易に成形できる。成形体の形状は、適用される鉄筋コンクリート構造物の表面形状に合わせた形状とする。
水の配合量は一般に水硬性セメント100重量部に対して30〜80重量部が好適である。
押出成形によって金型から吐出された押出物は通常、蒸気養生される。必要であれば、高温高圧によるオートクレーブ養生を行っても良い。
本発明のセメント系押出成形体の比重は1.2〜2.0である。1.2未満であると、押出成形体自体の強度が低下し、また押出成形体自身の塩化物イオン等の浸透が容易となり、結果的に防食効果として不十分となる。また、2.0を越える場合、押出成形性が大きく低下してしまう。好ましくは1.6〜1.9である。
セメント系押出成形体の厚みは本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではないが、ひび割れ部からの塩化物イオンの浸透を有効に防ぐ観点からは8mm以上、好ましくは8mm〜50mm、より好ましくは10〜25mmである。
鉄筋コンクリート構造物(以下、単に構造物ということがある)の表面に、前記セメント系押出成形体(以下、単に成形体ということがある)からなる被覆層を形成するに際しては、いわゆる打ち込み型枠工法による構造物(図1)の構築の段階から型枠として成形体を用いることによって被覆層(図1中、1a〜1d)を形成するのが一般的であるが、特に形成方法は限定されるものではなく、コンクリート構造物の表面に、セメント系押出成形体をエポキシ系接着剤、セメント系接着剤やボルト等の固定具にて固着する方法であっても良い。
打ち込み型枠工法は、詳しくは、型枠を建て込み、その中の所定位置に鉄筋を固定した状態で打込み材料を流し込んで硬化させた後、型枠を解体することなく永久的に残し、型枠に覆われた鉄筋コンクリート構造物を得る方法である。そのような打ち込み型枠工法において型枠として前記セメント系押出成形体を用いると、ボルト、接着剤等の別途の固着具なしで、鉄筋コンクリート構造物の硬化のみによって当該構造物と成形体との一体化が達成され、結果として構造物表面に被覆層が形成される。打ち込み型枠方法においては、成形体は当該成形体における構造物との接触面全面において構造物に固定されるので、防食効果と合わせて構造物の補強効果も得ることができる。
なお、図1においては打設コンクリートの全表面を被覆しているが、防食の観点からは、塩化物イオンの浸透が起こりうる可能性のある表面部分を被覆すればよく、必ずしも全表面を被覆する必要はない。
本発明の方法は、鉄筋や鉄骨を用いたコンクリート構造物全てに適用することができ、特に鉄筋腐食が激しい塩分環境下、例えば海辺の構築物や、橋粱、トンネル等のコンクリート構造物などに適している。
<セメント系押出成形体の製造および特性評価>
実施例1
普通ポルトランドセメント100重量部に、長さ6mm、繊維径40μm(アスペクト比150)のPVA繊維(クラレ社製、商品名「クラロンK−II」)、5.3重量部、珪石粉(比表面積4000cm/g)60重量部、パルプ(広葉樹系パルプ)1重量部、鉱物繊維5重量部およびメチルセルロース(信越化学工業社製)6重量部を加えて、ミキサーにより粉体混合した。粉体混合を続けながらこれに水48重量部を混合したのちニーダーに移して混練してセメントペーストを練り上げた。
得られたセメントペーストをスクリュー式真空押出成形機から金型を通して押出成形した。金型の吐出口寸法は幅250mm、高さ15mmの長方形のものを用いた。金型から吐出された押出物はトレーに受けた。押出成形体は恒温恒湿器中で蒸気養生し、硬化させた。
得られた繊維補強セメント系押出成形体(硬化体)の曲げ特性(最大曲げ応力、ピーク時撓み、亀裂数)および比重を評価し、結果を表1に記載した。表1に示すようにセメント系押出成形体は曲げ試験において多重亀裂を起し、高い物性値を示現した。また硬化体中のPVA繊維の体積混入率は4.0%であった。硬化体の最大曲げ応力、亀裂数およびピーク時撓みは次のようにして評価した。
(最大曲げ応力)
図2に示すように、幅80mm、厚さ15mm、長さ250mmの2線荷重の単純曲げ試験用の試験体(11)を切り出した。載荷点(13)間距離は60mm、支点(12)間距離は180mm、クロスヘッド速度は0.5mm/minで行った。測定した荷重Pをもとに、下記式(i)により曲げ応力σを評価した。
σ=PL/bt (i)
(式中、bは試験体の幅、tは試験体の厚さ、Lは支点間距離を表す)。
式(i)により、曲げ応力−変位(撓み)曲線を作成し、曲げ応力の最大値を最大曲げ応力とする。
(亀裂数)
曲げ試験により発生した亀裂の数は、破断後の試験体について目視により計数した。亀裂数は3個の試験体の平均値で表した。
(ピーク時撓み)
曲げ試験における最大曲げ応力時の、試験体の撓み量(mm)である。
実施例2〜3および比較例1
配合および比率を表1に示すように変更したこと以外、実施例1と同様の方法により、セメント系押出成形体を製造し、その特性を評価した。
Figure 2006233569
PP繊維としては長さ6mm、繊維径18μm(アスペクト比=333)のPP繊維を用いた。
PE繊維としては長さ6mm、繊維径12μm(アスペクト比=500)のPE繊維を用いた。
<腐食評価用試験体の作成および評価>
腐食評価は宮里心一が開発した腐食速度測定方法に基づいて行った(宮里心一:鉄筋コンクリートの欠陥部に生じる塩害および中性化によるマクロセル腐食に関する研究、東京工業大学博士論文、第2章、2001年4月)(宮里心一:分割鉄筋を用いたマクロセル電流測定方法の実験的・理論的検討、コンクリート工学年次論文集、Vol.23、No.2、2001)。
まず、実施例1〜3と同様にして得られたセメント系押出成形体を用いて図3に示すような試験体を製造した。詳しくは、セメント系押出成形体1を幅100mm×厚み15mm×長さ400mmに切断後、コンクリート型枠(幅100mm×厚み100mm×長さ400mm)下面に設置する。なお、成形体の長さ方向が押出方向である。つづいて、コンクリート15を打設する。コンクリート配合は、水180部、セメント360部、細骨材780部、粗骨材970部(max:20mm)であり、打ち込み時の空気量は4.0%である。なお、打設コンクリート中に、厚み方向中央に位置するよう、曲げ補強鉄筋16および分割鉄筋20を埋設する。曲げ補強鉄筋16は直径9mmの鉄製のものである。分割鉄筋20は、図4に示すように、鉄筋要素21間にエポキシ樹脂22を介在させることによって鉄筋要素21間の絶縁と接続を行ったものであり、各鉄筋要素21の両側端部にはリード線23がはんだ付けされている。打設後28日間、供試体を水中で初期養生して図3に示すような試験体を得た。参考例1として、前記セメント系押出成形体を設置しない状態にてコンクリートを打設し、補強鉄筋および分割鉄筋を埋設した試験体(図5参照)を作成した。
その後、以下の条件で曲げ荷重を付与し、試験体にひび割れを導入した。
ひび割れ導入条件:JISA1106:1999の付属書(参考)に記載される中央点載荷方法に準じて行う。幅100mm×厚み100mm×長さ400mmの中央点(線)載荷の曲げ試験用の試験体に対し、支点は試験体端面より70mm、支点間距離は260mm、試験体にひび割れを生じさせる。なお、中央載荷点(線)Lから両支点までの距離は、それぞれ130mmである。
まず、参考例1であるセメント系押出成形体を被覆していない試験体に対し、上記曲げ荷重を付与していく。参考例の試験体(単一亀裂)について、ひび割れが約0.05mm、約1.0mm、約2.0mm程度になる時点を、クラックスケールを用いて目測にて確認する。その時点の荷重を最大荷重とする。また当該最大荷重時点のひび割れ幅測定値を、最大ひび割れ開口幅とする。つづいて、実施例1〜3の試験体に対しても同様に曲げ荷重を付与していく。荷重は参考例1の試験体で得られた最大荷重まで付与する。参考例1と同様に最大荷重時において得られるひび割れ幅を、最大ひび割れ開口幅とする。
・総腐食速度
さらに、28日間の塩害促進暴露(塩素イオン濃度3%の塩水中への浸漬2日間および湿度60%乾燥気中での載置5日間を1サイクルとして、合計4サイクル)後、各鉄筋要素において、マクロセル腐食電流とミクロセル腐食電流を測定し、総腐食速度を評価した。なお、ひび割れ導入時の荷重を取り除いた場合、ひび割れ幅が狭くなってしまうため、上記暴露期間中は、曲げ載荷時のひび割れ幅を保持させるために、ひび割れ開口保持具(図示せず)を用い、ひび割れ幅が、ひび割れ導入時の測定幅と同等幅となるよう一定荷重を加えた。なお暴露試験は当該保持具ごと塩水中に浸積する方法を用いた。なお、図3および図4における浸透方向面以外の面に対しては、すべてエポキシ樹脂にて塩化物イオンの浸透防止処理を行う。すなわち、塩害暴露試験にて塩化物イオンが浸透しうるのは、ひび割れ導入面のみとする。
(1)マクロセル腐食速度
本出願では、鉄筋要素間を流れる電流をマクロセル腐食電流と定義し、図6に示す方法で測定した。すなわち、隣接する鉄筋要素間に無抵抗電流計を接続し、電流(マクロセル腐食電流)を求めた。次に、対象とする鉄筋要素の両端から流入する電流を合計した。この電流を鉄筋要素の表面積で除することにより、鉄筋要素表面でのマクロセル腐食電流密度を算定した。すなわち、鉄筋要素iのマクロセル腐食電流密度Imacroは式(1)で表せる。
Figure 2006233569
ここで、Imacroは鉄筋要素iのマクロセル腐食電流密度(A/cm)、Ii−1.iは鉄筋要素i−1から鉄筋要素iへ流れる腐食電流(A)、Ii+1.iは鉄筋要素i+1から鉄筋要素iへ流れる腐食電流(A)、Sは鉄筋要素iの表面積(cm)を示す。
そして、対象とする鉄筋要素がアノードの場合、腐食電流密度は正として表した。一方、対象とする鉄筋要素がカソードの場合、腐食電流密度は負として表した。
最後に、100μA/cmのマクロセル腐食電流密度を1.16mm/年に換算し、マクロセル腐食速度を算定した。
(2)ミクロセル腐食速度
単一の鉄筋要素内のみを流れる電流をミクロセル腐食電流と定義し、分極抵抗より算定した。そのため,先ず鉄筋要素間を接続するリード線を一度切断した。この時、異なる鉄筋要素間では電流の出入りがない。この状態で、図7に示すとおり各鉄筋要素毎に鉄筋表面の分極抵抗を周波数応答解析装置[FRA(Frequency Response Analyzer)]を用いた交流インピーダンス法により求めた。測定は、5kHzから5mHzの範囲において、振幅50mVの電圧を与えて行った。また分極抵抗は、ボード線図およびコールコールプロットを用いて算定した。さらに、ミクロセル腐食電流密度Imicroは式(2)より求めた。
Figure 2006233569
ここで、Imicroは鉄筋要素iにおけるミクロセル腐食電流密度(A/cm)、Rpiは鉄筋要素iにおける分極抵抗(Ω・cm)、Kは定数(0.0209V)を示す。
最後に、100μA/cmのミクロセル腐食電流密度を1.16mm/年に換算し、ミクロセル腐食速度算定した。
(3)総腐食速度
マクロセル腐食速度とミクロセル腐食速度の和を総腐食速度とした。
以上の方法で求めた各鉄筋要素における総腐食速度のうち最高値を最高総腐食速度として示した。
・最大ひび割れ開口幅
試験体に生じたひび割れのうち最大の開口幅を有するひび割れの開口幅を示した。
Figure 2006233569
Figure 2006233569
参考例1の評価結果は、セメント系押出成形体1を用いなかったこと以外、上記腐食評価用試験体と同様の製造方法により得られた図5に示すような試験体の結果である。評価方法は、図5に示す試験体を用いたこと以外、図3に示す試験体の評価方法と同様である。
本発明の鉄筋コンクリート構造物の防食方法を説明するための鉄筋コンクリート構造物の概略水平断面図である。 セメント系押出成形体の評価方法を説明するための概略図である。 右側の図は腐食評価時に使用する本発明の試験体の正面方向の概略構成図と評価方法とを同時に示す図であり、左側の図は当該試験体の側面方向の概略構成図である。 腐食評価時に使用する分割鉄筋の概略拡大図である。 右側の図は腐食評価時に使用する従来技術の試験体の正面方向の概略構成図と評価方法とを同時に示す図であり、左側の図は当該試験体の側面方向の概略構成図である。 マクロセル腐食電流の測定方法を説明するための概略模式図である。 ミクロセル腐食電流の測定方法を説明するための概略模式図である。
符号の説明
1a:1b:1c:1d:被覆層(セメント系押出成形体)、2:打設コンクリート、3:鉄筋、11:試験体、12:支点、13:載荷点、15:コンクリート、16:曲げ補強鉄筋、20:分割鉄筋、21:鉄筋要素、22:樹脂、23:リード線。

Claims (6)

  1. 鉄筋コンクリート構造物表面に、曲げ載荷に際して多重亀裂を生じ、かつ比重が1.2〜2.0のセメント系押出成形体からなる被覆層を形成することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の防食方法。
  2. 前記セメント系押出成形体の厚みが8mm〜50mmであることを特徴とする請求項1記載の鉄筋コンクリート構造物の防食方法。
  3. 前記セメント系押出成形体が、水硬性セメント100重量部、シリカ質原料40〜100重量部、パルプ0.5〜50重量部および水溶性セルロース0.1〜10重量部を含んでなるマトリックスに、繊維長3〜100mm、繊維径5〜200μm、アスペクト比100〜1000のポリビニルアルコール系繊維を補強繊維として配合した繊維補強水硬性組成物から成形・硬化されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鉄筋コンクリート構造物の防食方法。
  4. 前記セメント系押出成形体が、水硬性セメント100重量部、シリカ質原料40〜100重量部、パルプ0.5〜50重量部および水溶性セルロース0.1〜10重量部を含んでなるマトリックスに、繊維長が3〜100mm、繊維径が5〜40μm、アスペクト比が150〜1000であるポリプロピレン繊維を補強繊維として配合した繊維補強水硬性組成物から成形・硬化されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鉄筋コンクリート構造物の防食方法。
  5. 前記セメント系押出成形体が、水硬性セメント100重量部、シリカ質原料40〜100重量部、パルプ0.5〜50重量部および水溶性セルロース0.1〜10重量部を含んでなるマトリックスに、繊維長が3〜100mm、繊維径が5〜40μm、アスペクト比が150〜1000であるポリエチレン繊維を補強繊維として配合した繊維補強水硬性組成物から成形・硬化されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鉄筋コンクリート構造物の防食方法。
  6. 前記補強繊維が、硬化後のセメント系押出成形体における体積混入率2〜8%となるように、繊維補強水硬性組成物中に配合されてなることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の鉄筋コンクリート構造物の防食方法。


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