JP7117209B2 - 構造体の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態の一つは、鉄筋コンクリートを含む構造体とその作製方法に関する。例えば、本発明の実施形態の一つは、鉄筋、および二酸化炭素が固定化されたコンクリートを含む構造体、ならびにその作製方法に関する。
コンクリートは、主にセメント水和物、骨材、水、および添加剤によって構成され、その優れた機械的特性、耐候性、取り扱いの容易さ、経済性などに起因し、社会的生産基盤、経済基盤を創成するための重要な構造材料の一つとして様々な分野で幅広く利用されている。セメントは、その製造時において大量の二酸化炭素を排出することが知られており、これは温室効果の原因の一つとして挙げられている。そこで、例えば特許文献1に開示されているように、セメントと水の反応(水和)を二酸化炭素の存在下で行うことで、コンクリート中に二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定化する方法が知られている。この方法により、セメントの製造時に発生した二酸化炭素が間接的に回収され、セメントの製造・利用過程における二酸化炭素の総排出量が低減される。このため、セメントの水和時における二酸化炭素固定は、地球温暖化に対する有効な手段として関心が持たれている。
二酸化炭素をコンクリートに固定することで、二酸化炭素に由来する炭酸カルシウムがコンクリート内に生成する。これにより、コンクリートに対して高い強度を付与することができる。しかしながら、コンクリートは元来圧縮力に対しては極めて高い強度を示すものの、引張力に対しては耐性が低く、一度破壊されると強度が失われる。そこで、圧縮力に対する耐性を維持しつつ引張力に対する耐性を向上させるため、引張強度が高く、容易に破断しない靭性を有する鉄筋がコンクリートと組み合わされて使用される。
特開2016-510274号公報
本発明の実施形態の一つは、鉄筋、および二酸化炭素が大量に固定化されたコンクリートを含む構造体を提供することを課題の一つとする。あるいは、本発明の実施形態の一つは、上記構造体を作製する方法を提供することを課題の一つとする。
本発明の実施形態の一つは構造体である。この構造体は、第1のコンクリート、第2のコンクリート、および複数の鉄筋を備える。第2のコンクリートは、第1のコンクリートの少なくとも一部を囲む。複数の鉄筋は、第2のコンクリート内に位置し、第2のコンクリートと接し、第1のコンクリートから離隔する。第1のコンクリート内の炭酸カルシウムの濃度は、第2のコンクリート内の炭酸カルシウムの濃度よりも高い。
本発明の実施形態の一つは構造体を作製する方法である。この方法は、複数の鉄筋を組み立てること、複数の鉄筋を囲む型枠を形成すること、型枠が囲む空間に対し、複数の鉄筋から離隔するように第1のレディーミクストコンクリートを注入すること、第1のレディーミクストコンクリートを囲み、複数の鉄筋と接するように第2のレディーミクストコンクリートを前記空間に注入すること、および第1のレディーミクストコンクリートと第2のレディーミクストコンクリートを硬化することを含む。第1のレディーミクストコンクリートは、水、セメント、および二酸化炭素を混合することによって形成される。
本発明の実施形態の一つは構造体を作製する方法である。この方法は、複数の鉄筋を組み立てること、複数の鉄筋を囲む型枠を形成すること、型枠内にレディーミクストコンクリートを注入すること、および注入されたレディーミクストコンクリートの一部に対し、選択的に二酸化炭素を添加することを含む。上記レディーミクストコンクリートの一部は、複数の鉄筋から離隔する。
本発明の実施形態により、大量の二酸化炭素をコンクリート中に固定化することができる。さらに、コンクリート内の細孔溶液のpH低下に起因する鉄筋の腐食を考慮することなく、二酸化炭素に由来する炭酸カルシウムを高い濃度で含有する高強度コンクリート、および鉄筋を備える構造体、ならびにその作製方法を提供することができる。
本発明の実施形態の一つである構造体の模式的斜視図。 本発明の実施形態の一つである構造体の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の模式的斜視図。 本発明の実施形態の一つである構造体の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の作製方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の作製方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の作製方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の作製方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体を製造するためのレディーミクストコンクリートの形成方法のフロー。 本発明の実施形態の一つである構造体の製造方法に適用可能な二酸化炭素導入システム。 本発明の実施形態の一つである構造体を製造するためのレディーミクストコンクリートの形成方法のフロー。 本発明の実施形態の一つである構造体の製造方法に適用可能な二酸化炭素導入システム。 本発明の実施形態の一つである構造体の作製方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の作製方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の作製方法を示す模式的断面図。
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本明細書および図面において、同一、あるいは類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これら複数の構成のそれぞれを区別して表記する際には、さらに小文字のアルファベットを添えて表記する。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる。
本明細書では、コンクリートとは、原料であるセメントが水と反応して生成する水和物が硬化し、流動性を示さないものを指す。以下に述べるように、コンクリートはセメント以外の部材も含むことがある。一方、セメントと水を含む混合物が完全に硬化せずに流動性を有する状態はレディーミクストコンクリート(生コンクリートとも呼ばれる)と記す。
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の実施形態の一つである構造体100について、図1(A)から図6(C)を用いて説明する。図1(A)、図1(B)、図5(A)、図5(B)は構造体100の模式的斜視図であり、図1(B)、図5(A)と図5(B)では、後述する第2のコンクリート104が除かれている。図2(A)、図3(A)、図6(A)は構造体100のxy平面に平行な断面の模式図である。図2(B)、図3(B)、図4(A)、図6(B)は構造体100のxz平面に平行な断面の模式図である。図2(C)、図3(C)、図4(B)、図6(C)は構造体100のyz平面に平行な断面の模式図である。なお、上述した平面を表すx軸、y軸、z軸は便宜的に定義されるものであり、これらの軸は、構造体100の形状と無関係に設定することができる。また、これらの軸と水平面との関係も任意である。
1.全体構造
図1(A)から図2(C)に示すように、構造体100は、第1のコンクリート102、第2のコンクリート104、および複数の鉄筋106を基本的な構造として備える。第1のコンクリート102は第2のコンクリート104の内側に位置する。すなわち、第1のコンクリート102は第2のコンクリート104によって囲まれ、第2のコンクリート104は第1のコンクリート102の少なくとも一部を覆う。複数の鉄筋106は、その少なくとも一部が第2のコンクリート104に覆われる。第2のコンクリート104はかぶりコンクリートとも呼ばれる。
第1のコンクリート102は第2のコンクリート104に埋設されてもよい。この場合、図2(A)から図2(C)に示すように、第2のコンクリート104が第1のコンクリート102を完全に覆ってもよい。あるいは図3(A)から図3(C)に示すように、第2のコンクリート104が第1のコンクリート102を完全には覆わず、第1のコンクリート102の一部が第2のコンクリート104から露出してもよい。図3(A)から図3(B)では、第1のコンクリート102の底面が第2のコンクリート104から露出している例が示されているが、第1のコンクリート102の側面や上面が第2のコンクリート104から露出してもよい。
任意の構成として、構造体100はさらに、第1のコンクリート102や第2のコンクリート104の下に、これらの基礎として機能する基礎コンクリート(以下、第3のコンクリート)110を含んでもよい(図4(A)、図4(B))。第3のコンクリート110は第1のコンクリート102と第2のコンクリート104の両者と接してもよく、図示しないが、第1のコンクリート102は第3のコンクリート110から離隔されてもよい。
構造体100の大きさや形状に制約はなく、例えば建築物の壁や柱に適用可能な、厚さが30cmから80cmの板状や柱状でもよい。あるいは一辺が80cm以上を有するマスコンクリートとしての大きさや形状を有してもよい。したがって、橋や高架橋の橋脚、高層ビルの柱、あるいは橋や高架橋、高層ビル、ダムなどの大型建造物のフーチングなどに利用することも可能である。構造体100の形状や大きさにも依存するが、第2のコンクリート104の厚さは、5cm以上1m、50cm以上50cm以下、あるいは10cm以上30cm以下の範囲から選択することができる。
2.第1のコンクリート、第2のコンクリート、および第3のコンクリート
第1のコンクリート102、第2のコンクリート104、および第3のコンクリート110は、いずれもセメント水和物を含み、さらに、未水和のセメントや水酸化カルシウム、骨材、添加剤(混和剤とも呼ばれる)を含んでもよい。第1のコンクリート102は、炭酸カルシウムをさらに含む。また、第1のコンクリート102は、二酸化炭素を可逆的に吸着する多孔質材料をさらに含んでもよい。第2のコンクリート104や第3のコンクリート110は炭酸カルシウムを実質的に含まない、あるいは微量の炭酸カルシウムが含まれている場合でも、炭酸カルシウムは表面とその近傍に遍在し、内部の炭酸カルシウム濃度は、表面におけるそれと比較して低い。
2-1.セメント水和物
セメント水和物は、原料であるセメントが水と反応(水和)することによって形成される。セメントの組成に制約はなく、例えばエーライトとも呼ばれる、主にケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2)を含む鉱物、ビーライトとも呼ばれる、主にケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2)を含む鉱物、アルミネート相を形成するアルミン酸三カルシウム(3CaO・Al23)を主に含む鉱物、およびフェライト相を形成するアルミン酸四カルシウム(4CaO・Al23・Fe23)を主に含む鉱物の少なくとも一つを含む。あるいはこれらの鉱物の複数種を含むセメントを用いてもよい。例えばポルトランドセメントを用いることができ、この場合、約55%の3CaO・SiO2と約20%の2CaO・SiO2が主成分となる。
これらの鉱物は水と水和し、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)とともに、主にCaO・SiO2・2.5H2OやCaO・Al23・Ca(OH)2・18H2O、CaO・Fe23・Ca(OH)2・18H2Oなどのセメント水和物を与える。したがって、第1のコンクリート102から第3のコンクリート110に含まれるセメント水和物とは、これらの化学式で表されるセメント水和物の少なくとも一つ、あるいはこれらの混合物である。
2-2.炭酸カルシウム、および水酸化カルシウム
後述するように、第1のコンクリート102は、セメントの水和時に二酸化炭素を添加することで形成され、炭酸カルシウムは、少なくとも一部はセメントの水和時に生成する水酸化カルシウムと二酸化炭素との反応によって生成する。炭酸カルシウムの濃度は、第1のコンクリート102において、水酸化カルシウムと炭酸カルシウムが共存するように調整してもよく、あるいは、水和によって生じる水酸化カルシウムの全てが二酸化炭素と反応し、水酸化カルシウムが存在しない、もしくは実質的に存在しないように調整してもよい。具体的には、第1のコンクリート102における炭酸カルシウムの重量は、第1のコンクリート102の重量に対し、0.1%以上50%以下、0.1%以上5%以下、0.1%以上2.5%以下、あるいは1%以上1.5%以下の範囲から選択される。あるいは、炭酸カルシウムの重量は、第1のコンクリート102における水和セメントと炭酸カルシウムの総重量に対し、0.2%以上10%以下、0.2%以上5%以下、あるいは1%以上3%の範囲から選択される。
2-3.骨材
骨材は、第1のコンクリート102や第2のコンクリート104、第3のコンクリート110に機械的・物理的強度を付与する、あるいはこれらのコンクリートの体積を増大させるために添加される。骨材としては砂や砂利、玉石(たまいし)、岩、砕石、砕砂などが例示される。第1のコンクリート102から第3のコンクリート110中における骨材の重量に制約はなく、それぞれのコンクリートの重量の10%以上90%以下、20%以上70%以下、あるいは25%以上60%以下の範囲から選択される。第1のコンクリート102から第3のコンクリート110のそれぞれにおける骨材の割合は互いに異なってもよい。例えば第1のコンクリート102における骨材の割合は、第2のコンクリート104と第3のコンクリート110のそれよりも大きくてもよい。また、第1のコンクリート102から第3のコンクリート110において、骨材の大きさは互いに異なってもよい。骨材の大きさは、その平均粒径によって見積もられる。
2-4.添加剤
添加剤の種類や濃度にも制約はなく、例えば第1のコンクリート102から第3のコンクリート110をそれぞれ与えるレディーミクストコンクリートの凍結を防止するAE剤(気泡分散剤)や、レディーミクストコンクリートの流動性を増大する流動化剤、水中での施工を可能にするための増粘剤、レディーミクストコンクリートの硬化を促進するための急結剤などを使用することができる。
AE剤や流動化剤としては、オキシカルボン酸(ヒドロキシカルボン酸)塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、スチレンスルホン酸共重合体塩などの、コンクリート中に空気泡を発生させる界面活性剤が例示される。増粘剤としては、メチル化セルロースなどのセルロース誘導体やポリアクリルアミドが例示される。増粘剤は、用いるセメントの重量に対して0.1%以上20%以下、あるいは1%以上10%以下の範囲から選択することができる。急結剤としては、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムの塩化物や硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩などが挙げられ、例えば塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムなどが例示される。あるいは、アクリル酸のナトリウム塩やカルシウム塩、アミン化合物などの有機化合物を急結剤として用いてもよい。
2-5.多孔質材料
二酸化炭素を可逆的に吸着、脱離する多孔質材料としては、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ランタノイド金属の酸化物、または炭素を基本骨格とする材料が例示される。ランタノイド金属としては、例えばセリウムやランタン、イットリウムなどが挙げられる。第1のコンクリート102中における多孔質材料の重量に制約はなく、第1のコンクリート102において、1%以上30%以下、0.1%以上10%以下、1%以上10%以下、あるいは1%以上5%以下の範囲から選択される。
この多孔質材料は多数の細孔を有しており、細孔の平均径は、0.5nm以上100μm以下、2nm以上1μm以下、または50nm以上500nm以下である。多数の細孔に起因して、多孔質材料は100m2/g以上1000m2/g以下、あるいは300m2/g以上500m2/g以下の高い比表面積を有する。多孔質材料の細孔の表面は化学的に修飾されていてもよく、例えば一級アミノ基を有する有機基が多孔質材料のケイ素やジルコニウム、アルミニウム、炭素などと結合していてもよい。
2-6.未水和セメント
未水和のセメントが含まれる場合、その量は、第1のコンクリート102から第3のコンクリート110のそれぞれの重量に対して0%よりも大きく50%以下、0%よりも大きく10%以下、0%よりも大きく5%以下、あるいは0%よりも大きく3%以下となるように調整される。水和はセメントと水との化学反応であるため、未水和セメントの量は、水和時の水の量によって調整される。
3.鉄筋
複数の鉄筋106の各々は、鉄(0価の鉄)を主成分とする金属線、あるいは金属棒であり、第1のコンクリート102と接することなく、第1のコンクリート102から離隔される。複数の鉄筋106は、少なくとも一部は第2のコンクリート104内に位置し、第2のコンクリート104と接する。第1のコンクリート102と第2のコンクリート104の界面から鉄筋106までの最短距離は、この界面の法線方向において、1cm以上1m以下、5cm以上50cm以下、あるいは10cm以上30cm以下の範囲から選択することができる。
図2(B)から図3(C)に示した例では、第1のコンクリート102の側面と上面を覆うように、三種類の鉄筋(第1の鉄筋106a、第2の鉄筋106b、第3の鉄筋106c)が組み合わされた例が示されている。第1の鉄筋106aと第3の鉄筋106cは、第1のコンクリート102の上面においてそれぞれy方向とx方向に延伸するとともに、第1のコンクリート102の側面に沿ってz軸方向に延伸する。これに対し、第2の鉄筋106bは、第1の鉄筋106aと第3の鉄筋106cを囲むように、xy平面上を延伸する。これらの鉄筋106は、図示しない金属線などによって互いに固定されていてもよい。構造体100が上述した第3のコンクリート110を含む場合(図4(A)、図4(B))、複数の鉄筋106の一部は第3のコンクリート110内に埋設されていてもよい。この場合、第3のコンクリート110は、複数の鉄筋106の少なくとも一部(例えば第1の鉄筋106aと第3の鉄筋106c)を支持する。
複数の鉄筋106の数や配置、ならびに組み立てられた複数の鉄筋106が与える形状に制約はなく、構造体100の大きさや形状、要求される強度に従って任意に設定される。例えば図5(A)に示すように、複数の鉄筋106は第1のコンクリート102の上面を覆わなくてもよい。あるいは図5(B)に示すように、第1のコンクリート102の下に鉄筋(第4の鉄筋106d)をさらに設けてもよい。この場合、第4の鉄筋106dは第2のコンクリート104内に含まれてもよく、第3のコンクリート110内に含まれてもよい。
4.その他の構成
上述した例では、構造体100において第1のコンクリート102と第2のコンクリート104は互いに接するが、構造体100はさらに、第1のコンクリート102と第2のコンクリート104の間に、これらの少なくとも一部が互いに接する、あるいは混合されることを防ぐためのセパレータ108を有してもよい(図6(A)、図6(B)、図6(C))。セパレータ108は、第1のコンクリート102の全体を覆うように設けてもよく、あるいは第1のコンクリート102の一部(例えば第1のコンクリート102の上面)が第2のコンクリート104と接するように設けてもよい。セパレータ108としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂、アラミド樹脂、炭素繊維などから選択される繊維を含む不織布が例示される。不織布に替わって、もしくは不織布とともにセパレータ108として水を遮断する機能を有するシートを使用してもよい。この場合、セパレータ108はポリエチレン、エチレンと酢酸ビニルの共重合体などのビニルポリマーを含む。
上述したように、第1のコンクリート102は、炭酸カルシウムを上述した組成で含む。このため、第1のコンクリート102は機械的・物理的強度が高く、かつ、その強度が第1のコンクリート102の全体にわたって均一となる。さらに、炭酸カルシウムを含むことで、第1のコンクリート102は高い密度を有するため、酸素や水などの汚染物質の侵入が抑制される。このため、第1のコンクリート102は、構造体100に対して高い耐久性と強度を付与する核として機能する。
一方、第2のコンクリート104には複数の鉄筋106が含まれる。したがって第2のコンクリート104は、コンクリートが元来有する圧縮力に対する高い耐性とともに、鉄筋が有する高い靭性を兼ね備える。このため、構造体100は、第1のコンクリート102と第2のコンクリート104のそれぞれの特性を兼ね備えており、耐候性や耐久性に優れた構造材料として利用することができる。
通常、コンクリート中の炭酸カルシウムの組成が増大すると、コンクリート内の細孔溶液のpHが低下する。鉄筋コンクリート中のコンクリートの細孔溶液のpH低下は、鉄筋の腐食を促進し、腐食に伴う鉄筋の体積膨張によってコンクリートが破壊される。その結果、コンクリートの強度が大幅に低下する。しかしながら、本実施形態に係る構造体100では、第1のコンクリート102は鉄筋106から離隔する。したがって、大量の炭酸カルシウムに起因する高い強度を実現しつつ、鉄筋106の腐食に起因する劣化を防止することが可能である。
構造体100に含まれるコンクリートの原料であるセメントは、その製造時に大量の二酸化炭素を放出する。しかしながら、第1のコンクリート102には、コンクリート内の細孔溶液のpH低下を考慮することなく大量の二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定することができる。ポルトランドセメントの場合、セメント全てを炭酸化させた場合には1トン当たり200kgから300kgの二酸化炭素を固定化することができる。このため、例えばポルトランドセメントを用いて20m×8m×4mのマスコンクリートとして構造体100を作製する場合を想定すると、第2のコンクリート104の厚さが10cmに設定すれば第1のコンクリート102の体積は557m3となり、約50トンの二酸化炭素が第1のコンクリート102内に固定されることとなる。したがって、本発明の実施形態の構造体100は、単なる構造材料としてのみならず、大量の二酸化炭素を固定するためのツールとして利用することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、構造体100の作製方法を説明する。以下、一例として、第3のコンクリート110を含み、図5(A)に示す複数の鉄筋106の一部が第3のコンクリート110内に埋設される構造体100の作製方法を、図7(A)から図15を用いて説明する。図7(A)、図8(A)、図9(A)、図10(A)、図15(A)は構造体100のxy平面に平行な断面に相当し、図7(B)、図8(B)、図9(B)、図10(B)、図15(B)は構造体100のxz平面に平行な断面に相当する。第1実施形態述べた構成と同一、あるいは類似する構成については説明を割愛することがある。
1.鉄筋の組立と第3のコンクリートの形成
まず、公知の方法を適用し、第3のコンクリート110上に複数の鉄筋106を組み立てる。具体的には、まず、セメントを攪拌する(空練)。この際、骨材を用いてもよく、この操作により、骨材とセメントが均一に混合される。次に、この混合物に水を加えて攪拌する(本練)。これにより、セメントの水和が開始される。必要に応じ、添加剤を加えて攪拌してもよい。以上の操作により、レディーミクストコンクリートが形成される(以下、第3のコンクリート110を形成するためのレディーミクストコンクリートを第3のレディーミクストコンクリートと記す)。この後、複数の鉄筋106の一部(例えば第1の鉄筋106a)を埋設するように、第3のレディーミクストコンクリートを設置(打設)し、硬化させる。これにより、複数の鉄筋106の一部が第3のコンクリート110上に固定される。その後、残りの鉄筋106を組み立て、構造体100の概略形状を形成する(図7(A)、図7(B))。第3のコンクリート110は第1のコンクリート102や第2のコンクリート104の基礎として機能する。
2.型枠の形成
引き続き、第3のコンクリート110上に、複数の鉄筋106を囲む型枠112を設置する(図8(A)、図8(B))。型枠112は、木、鉄やアルミニウムなどの金属、プラスチックなどで形成される板を適宜組み合わせて設けることができる。型枠112の形成も公知の方法を適用して行うことができる。
セパレータ108を用いる場合には、例えば型枠112に図示しない梁を設け、セパレータ108の上端を梁に固定し、第1のコンクリート102が注入(打設)される空間と第2のコンクリート104が注入される空間を仕切るようにセパレータ108を配置すればよい(図9(A)、図9(B))。セパレータ108の下端は、第3のコンクリート110上に固定してもよい。図9(A)、図9(B)では、第3のコンクリート110の上面もセパレータ108で覆われる例が示されているが、この上面をセパレータ108で覆わず、セパレータ108から露出させてもよい。
3.第1のコンクリートと第2のコンクリートの注入
引き続き、第1のコンクリート102と第2のコンクリート104を形成する。前者は、二酸化炭素が導入されたレディーミクストコンクリート(以下、第1のレディーミクストコンクリートと記す)102aを用いて形成される。すなわち、型枠112が囲む空間に対し、複数の鉄筋106から離隔するようにホース116を介して第1のレディーミクストコンクリート102aを注入し、硬化することで形成される。後者は、二酸化炭素を加えることなく形成されたレディーミクストコンクリート(以下、第2のレディーミクストコンクリートと記す)104aを用いて形成される。すなわち、同空間に対し、複数の鉄筋106と接するようにホース118を介して第2のレディーミクストコンクリート104aを注入し、硬化することで形成される(図10(A)、図10(B))。
第2のレディーミクストコンクリート104aは、第1のレディーミクストコンクリート102aを囲むように注入される。セパレータ108を用いる場合には、セパレータ108が第1のレディーミクストコンクリート102aと第2のレディーミクストコンクリート104aに挟まれるよう、第1のレディーミクストコンクリート102aと第2のレディーミクストコンクリート104aが注入される。第1のレディーミクストコンクリート102aと第2のレディーミクストコンクリート104aは同時に注入してもよく、いずれかを先に注入してもよい。第1のレディーミクストコンクリート102aと第2のレディーミクストコンクリート104aは、スランプ値が8cmから12cmになるよう調整することが好ましい。これにより、第1のレディーミクストコンクリート102aに含まれる炭酸カルシウムが第2のレディーミクストコンクリート104aに拡散することを抑制することができる。
第2のレディーミクストコンクリート104aは、公知の方法を適用して形成すればよい。第2のレディーミクストコンクリート104aの組成は、第3のレディーミクストコンクリートのそれと同一でも良い。一方、第1のレディーミクストコンクリート102aは、二酸化炭素を添加することで形成される。具体的には、図11に示すフローに従って形成することができる。図11を参照すると、まず、セメントを水の非存在下において攪拌する(S1:空練)。この際、骨材を用いてもよく、この操作により、骨材とセメントが均一に混合される。攪拌時間は30秒以上1時間以下、30秒以上15分以下、あるいは30秒以上5分以下とすればよい。
引き続き、セメント(あるいはセメントと骨材の混合物)に対して水と二酸化炭素を加えて攪拌する(S2:本練)。これにより、セメントの水和が開始されると同時に、セメントと水、および二酸化炭素との反応によって炭酸カルシウムが生成する。
添加する水の量は、第1のコンクリート102中に未水和セメントが残存しないように(すなわち、水和セメントが0%)、あるいは最終的に得られる第1のコンクリート102の総重量に対し、未水和セメントが0%よりも大きく10%以下、0%よりも大きく5%以下、あるいは0%よりも大きく3%以下となるように調整される。より具体的には、セメントの重量に対して0%よりも大きく60%以下、0%よりも大きく40%以下、あるいは0%よりも大きく20%以下の水が加えられる。
二酸化炭素の添加は、気体状の二酸化炭素を用いて行ってもよく、固体状の二酸化炭素(すなわちドライアイス)を用いて行ってもよい。後者の場合、ドライアイスの塊を機械的に粉砕して用いてもよく、あるいは高圧下液体として存在する二酸化炭素を急激に大気下に開放する操作、すなわち、断熱膨張を利用する急激な温度低下によって形成される微粒子状の二酸化炭素を用いてもよい。あるいは、セメントに添加する水として二酸化炭素を含む水(炭酸水)を用いることで二酸化炭素の添加を行ってもよい。この場合、炭酸水を用いて水和を開始した後、さらに気体状、もしくは固体状の二酸化炭素を添加してもよい。
断熱膨張を利用する際には、例えば図12に示した二酸化炭素導入システム(以下、単にシステムと記す)120を用いることができる。システム120は、高圧下で二酸化炭素を貯蔵するタンク122、第1のレディーミクストコンクリート102aを形成、攪拌するためのミキサー124、タンク122内の二酸化炭素を輸送するための導管126、導管126に取り付けられ、二酸化炭素の輸送を制御するバルブ130を含む。ミキサー124には、攪拌機構としてのフィン140、セメントや骨材、混和剤を投入する開口136、水や炭酸水を導入する導管134、シャッター138などが設けられる。任意の構成として、二酸化炭素の流量を見積もるための流量計128や、ミキサー124の温度を制御するための温度コントローラ132を備えてもよい。例えばドライアイスを加えることでミキサー124内の混合物の温度が低下した場合、温度コントローラ132を用いて加熱し、水和を促進することができる。あるいは水和速度を低下させるため、温度コントローラ132を用いてミキサー124を冷却してもよい。ミキサー124は、密閉して内部が加圧できるように構成してもよい。
二酸化炭素の添加量は流量計128を用いて見積もってもよく、あるいは二酸化炭素の導入前後のタンク122の重量差から求めてもよい。あるいは、導管126から噴出する粒子状のドライアイスを計量することで求めてもよい。添加した二酸化炭素は、少なくとも一部は炭酸化に利用されないため、添加する二酸化炭素の量は、水和によって生成する水酸化カルシウムに対して過剰量添加すればよい。例えば、水とセメントの反応によって生成する水酸化カルシウムに対し、10モル倍以上10000モル倍以下、あるいは10モル倍以上1000モル倍以下の二酸化炭素を添加すればよい。
上述したように、セメントと水が接触して水和が開始し、これに伴って生成する水酸化カルシウムが水に溶解する。二酸化炭素を添加することで水酸化カルシウムが炭酸カルシウムを与える。このため、コンクリートに含まれる炭酸カルシウムは、添加される水、または二酸化炭素の量によって制御することが可能である。
なお、図12のシステム120では、タンク122内に貯蔵される二酸化炭素がミキサー124に輸送されるが、化学プラントや火力発電所から排出される二酸化炭素を含むガスをミキサー124へ導入してもよい。化学プラントや火力発電所の排出ガスには高濃度の二酸化炭素が含まれるため、これを利用することで大量の二酸化炭素が大気中へ放出されることが抑制され、地球温暖化の防止に寄与することができる。
二酸化炭素は常温、常圧において気体として存在するため、条件によっては添加した二酸化炭素の一部、あるいは大部分は直ちに大気中へ拡散する、あるいは昇華する。このため、必ずしも添加した二酸化炭素の全てを炭酸化に利用できるとは限られない。そこで二酸化炭素を可逆的に吸着する多孔質材料を用いてもよい。多孔質材料は、空練(S1)、本練(S2)のいずれかにおいて添加すればよい。その添加量は多孔質材料の二酸化炭素吸着量にも依存するが、例えば最終的に得られる第1のコンクリート102の重量に対して0.11%以上30%以下、1%以上10%以下、1%以上10%以下、あるいは1%以上5%以下となるように調整すればよい。上述したように、多孔質材料は酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ランタノイド金属の酸化物、または炭素を含む無機化合物である。このため、骨材と同様の機能を発揮することもできるため、構造体100の機械的・物理的強度の向上に寄与する。
多孔質材料を添加することで、添加された二酸化炭素の一部が多孔質材料に吸着される。例えば一級アミノ基を有する有機基が表面に固定された多孔質材料を用いる場合には、アミノ基は二酸化炭素と反応してカルバメート基として存在する。カルバメート基は二酸化炭素を放出してアミノ基に戻るので、このメカニズムに従って二酸化炭素は多孔質材料に可逆的に吸脱着される。したがって、二酸化炭素の添加が終了してミキサー124内の二酸化炭素の濃度が低下すると、平衡により、吸着された二酸化炭素が徐放される。この時、多孔質材料は水やセメントと接した状態であるため、放出された二酸化炭素は水に含まれる水酸化カルシウムと速やかに反応して炭酸カルシウムを与える。このようなメカニズムが炭酸化に寄与するため、添加された二酸化炭素を有効に利用することができる。
多孔質材料を用いる場合、あらかじめ二酸化炭素が吸着した多孔質材料を用いてもよい。すなわち、別途二酸化炭素雰囲気下で処理し、表面にカルバメート基を有する多孔質材料を空練(S1)、あるいは本練(S2)の際に添加してもよい。この場合も上述したメカニズムが働くため、効率よく二酸化炭素を利用することが可能となる。
なお、二酸化炭素をミキサー124に添加した後、二酸化炭素が超臨界状態となるよう、ミキサー124を密閉、加熱してもよい。具体的には、ミキサー124内に二酸化炭素を導入した後、ミキサー124を密閉し、内部が31.1℃以上の温度、二酸化炭素の分圧が7.38Pa以上の圧力になるよう、温度コントローラ132によってミキサー124を加熱してもよい。超臨界状態では二酸化炭素は非常に低い粘性を示し、物質内に容易に拡散する。このため、炭酸化が速やかに、かつ効率よく進行し、添加した水によって生成する水酸化カルシウムを効率よく炭酸カルシウムへ変換することができる。
本練(S2)が終了した後、添加剤を加えて攪拌する(S3)。この段階における攪拌時間は30秒以上10分以下、30秒以上5分以下、あるいは30秒以上2分以下の範囲から選択される。これにより、第1のレディーミクストコンクリート102aが形成される。
第1のレディーミクストコンクリート102aは、ミキサー124からシャッター138を介して搬出され、構造体100が作製される場所付近まで運搬される(S4)。運搬方法は任意に選択され、例えばポンプやアジテータ車を用いて型枠112付近に運搬してもよい。
あるいは、図13のフローにしたがって第1のレディーミクストコンクリート102aを形成してもよい。すなわち、セメント、および必要に応じて骨材を攪拌して空練を行い(S10)、その後水と添加剤を加えて攪拌を行って本練を行う(S11)。これらの操作によって得られる混合物(以下、この混合物をレディーミクストコンクリート前駆体と記す)を構造体100が作製される場所付近へ運搬し(S12)、その後、このレディーミクストコンクリート前駆体に二酸化炭素を添加、攪拌することで第1のレディーミクストコンクリート102aを形成する(S13)。
二酸化炭素の添加は、構造体100が作製される場所付近に設置されたシステム120を用いればよい。あるいは、レディーミクストコンクリート前駆体を構造体100が作製される場所付近へ運搬する過程において二酸化炭素を導入してもよい。後者の場合、例えば二酸化炭素を導入するための機構が備えられたアジテータ車150を二酸化炭素システムとして用いて運搬すればよい。このようなアジテータ車150の構造の一部を断面模式図(図14)を用いて説明する。
図14に示すように、アジテータ車150は、レディーミクストコンクリート前駆体を攪拌するためのドラム152、ドラム152を回転するための駆動部154、および二酸化炭素供給源164を主な構成として有する。二酸化炭素供給源164は、二酸化炭素が充填されるボンベでもよい。
ドラム152の内側にはスクリュー状のフィン158が備えられ、ドラム152を回転することでフィン158も同時に回転し、これによってレディーミクストコンクリート前駆体が攪拌される。ドラム152にはさらに、レディーミクストコンクリート前駆体をドラム152に投入するためのホッパー160、得られる第1のレディーミクストコンクリート102aを取り出すための搬出部162が備えられる。
ドラム152の底部には、その回転軸上に位置する回転ギア157が取り付けられる。ギアの回転軸は、ドラム152の回転軸と一致する。駆動部154により、駆動ギア156が回転する。駆動ギア156を介して駆動部154から与えられる力は、駆動ギア156と噛み合わされるように配置される回転ギア157を介してドラム152に与えられ、これによってドラム152が回転する。駆動ギア156と回転ギア157の間に図示しない駆動チェーンを設けてもよい。
二酸化炭素供給源164は、回転ギア157の中心を通るように配置される導管168によってドラム152に接続される。二酸化炭素は、二酸化炭素供給源164から導管168を介してドラム152へ導入され、その量はバルブ166によって調節することができる。図示しないが、導管168は必ずしも回転ギア157の中心を通るように配置しなくてもよい。すなわち、二酸化炭素が二酸化炭素供給源から164ドラム152内へ供給されるように配置されればよい。したがって、例えばフィン158を中空構造として形成し、この中空部からフィン158の表面に二酸化炭素が排出される排出口を複数設けてもよい。この場合、導管168とフィン158が接続され、二酸化炭素はフィン158内部を通過した後にドラム152内へ供給される。
このような構造を有するアジテータ車150を利用することで、レディーミクストコンクリート前駆体を運搬する際に二酸化炭素を導入し、第1のレディーミクストコンクリート102aを形成することができる。したがって、二酸化炭素を導入する設備を持たない施設でレディーミクストコンクリート前駆体を形成しても、二酸化炭素を容易に導入して第1のレディーミクストコンクリート102aを得ることができる。
4.第1のコンクリートの埋設
引き続き、注入された第1のレディーミクストコンクリート102aを覆うように第2のレディーミクストコンクリート104aを注入する。具体的には、図15(A)、図15(B)に示すように、第1のコンクリート102を形成するために注入された第1のレディーミクストコンクリート102a、および第2のコンクリート104を形成するために注入された第2のレディーミクストコンクリート104a上に第2のレディーミクストコンクリート104aを設置する。この操作は、第1のレディーミクストコンクリート102aが硬化して第1のコンクリート102が形成されたのちに行ってもよく、第1のレディーミクストコンクリート102aが硬化する前に行ってもよい。図示しないが、この操作は、セパレータ108のすべて、あるいは一部(例えば第1のレディーミクストコンクリート102a、あるいは第2のレディーミクストコンクリート104aから露出した部分)を取り除いた後に行ってもよい。
上述した工程において、第1のレディーミクストコンクリート102aや第2のレディーミクストコンクリート104aが硬化する前に、第1のレディーミクストコンクリート102aや第2のレディーミクストコンクリート104aの表面を平坦化するため、第1のレディーミクストコンクリート102aや第2のレディーミクストコンクリート104aに混入する気泡を取り除くため、あるいは型枠112内に第1のレディーミクストコンクリート102aや第2のレディーミクストコンクリート104aを密に充填するため、バイブレータを用いて振動を加えてもよい。
注入された第1のレディーミクストコンクリート102aと第2のレディーミクストコンクリート104aは水和の進行とともに硬化し、それぞれ第1のコンクリート102と第2のコンクリート104を与える。以上の工程によって構造体100が作製される。
上述した方法により、大量の二酸化炭素が炭酸カルシウムとして固定され、かつ鉄筋106を含まない第1のコンクリート102の少なくとも一部が、炭酸カルシウムを実質的に含まず、かつ鉄筋106を含む第2のコンクリート104によって覆われた構造体100を作製することができる。第1のコンクリート102は炭酸カルシウムに起因して高い強度を示す。一方、第2のコンクリート104は炭酸カルシウムを実質的に含まないためアルカリ性を示し、このため、鉄筋106を腐食することなく、引張力に対する高い耐性を構造体100へ付与することができる。このため、本実施形態を適用することにより、優れた強度と長い寿命を有する鉄筋コンクリートを提供することができる。
構造体100をマスコンクリートとして利用する場合には、莫大な量のレディーミクストコンクリートが使用される。このため、水和によって生じる発熱による影響が無視できなくなり、硬化時に構造体100内部の温度が大幅に上昇する。水和による発熱とその後の冷却過程においてコンクリートが膨張・収縮すると、構造体100にひび割れが生じ、その強度が大幅に低下する。
しかしながら本実施形態で述べた方法では、第1のコンクリート102の形成時にドライアイスを用いて二酸化炭素を供給することができる。このため、第1のレディーミクストコンクリート102aを十分に冷却した状態から水和を開始することができ、水和による発熱の影響を低減することができる。その結果、硬化過程における第1のコンクリート102や第2のコンクリート104の膨張・収縮が抑制され、ひび割れを防ぐことができる。
また、セメント製造時に大気中に放出される二酸化炭素は、間接的に、第1のコンクリート102に固定化される。このため、本発明の実施形態である構造体100は、二酸化炭素の削減と地球温暖化の抑制に寄与することができ、温室効果対策のための有効なツールであると言える。
(第3実施形態)
第1のコンクリート102と第2のコンクリート104は、上述した方法とは異なる方法を用いて形成してもい。この方法を図16(A)から図17(B)を用いて説明する。図16(A)は構造体100のxy平面に平行な断面に相当し、図16(B)から図17(B)は構造体100のxz平面に平行な断面に相当する。第1、第2実施形態の構成と同一、あるいは類似する構成については説明を割愛することがある。
本実施形態に係る方法は、以下の二点において第2実施形態で述べた方法と異なる。一点は、型枠112によって囲まれる空間の全域に、二酸化炭素を添加せずに形成したレディーミクストコンクリートを注入することである。換言すると、本実施形態に係る方法では、型枠112によって囲まれる空間の全域に、第2のレディーミクストコンクリート104a、あるいは第3のレディーミクストコンクリート110aを注入する。二点目は、レディーミクストコンクリートを注入する過程において、レディーミクストコンクリートの一部、より具体的には第1のコンクリート102が形成される空間内に注入されるレディーミクストコンクリートに対して二酸化炭素を選択的に添加する点である。
レディーミクストコンクリート(例えば第2のレディーミクストコンクリート104a)の注入は、図16(A)、図16(B)に示すように、型枠112によって囲まれる空間の全域に、一つ、あるいは複数のホース116、118を用いて行う。二酸化炭素は、例えば図16(B)に示すように、導入管114を介し、注入されたレディーミクストコンクリートの表面に打ち付けるように供給される。セパレータ108を用いる場合には、セパレータ108によって囲まれた空間に二酸化炭素を選択的に添加すればよい。第2実施形態と同様、気体状の二酸化炭素を用いてもよく、固体状の二酸化炭素を用いてもよい。図示しないが、導入管114の先端をレディーミクストコンクリート内に挿入し、二酸化炭素を添加してもよい。この場合、固定されずに気化した二酸化炭素は、バイブレータによる振動によって除去すればよい。これにより、二酸化炭素が導入された第2のレディーミクストコンクリート104a内では炭酸化が進行し、第2のレディーミクストコンクリート104aは第1のレディーミクストコンクリート102aへ変化する。一方、二酸化炭素が添加されていない第2のレディーミクストコンクリート104aでは炭酸化は実質的に起こらない。
第1のコンクリート102を形成する空間にレディーミクストコンクリートが充填されたのち、導入管114を取り出し(図17(A))、第2実施形態と同様に、第2のレディーミクストコンクリート104aを第1のレディーミクストコンクリート102aを覆うように注入する(図17(B))。この後、型枠112を取り除くことで構造体100が作製される。
第2実施形態に係る方法と同様、上述した方法を適用しても構造体100を作製することができる。このため、本実施形態を適用することにより、優れた強度と長い寿命を有する鉄筋コンクリートを提供することができるとともに、大量の二酸化炭素を固定化することが可能となる。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
100:構造体、102:第1のコンクリート、102a:第1のレディーミクストコンクリート、104:第2のコンクリート、104a:第2のレディーミクストコンクリート、106:鉄筋、106a:第1の鉄筋、106b:第2の鉄筋、106c:第3の鉄筋、106d:第4の鉄筋、108:セパレータ、110:第3のコンクリート、112:型枠、114:導入管、116:ホース、118:ホース、120:二酸化炭素導入システム、122:タンク、124:ミキサー、126:導管、128:流量計、130:バルブ、132:温度コントローラ、134:導管、136:開口、138:シャッター、140:フィン、150:アジテータ車、152:ドラム、154:駆動部、156:駆動ギア、157:回転ギア、158:フィン、160:ホッパー、162:搬出部、164:二酸化炭素供給源、166:バルブ、168:導管

Claims (7)

  1. 複数の鉄筋を組み立てること、
    前記複数の鉄筋を囲む型枠を形成すること、
    前記型枠が囲む空間に対し、前記複数の鉄筋から離隔するように第1のレディーミクストコンクリートを注入すること、
    前記第1のレディーミクストコンクリートを囲み、前記複数の鉄筋と接するように第2のレディーミクストコンクリートを前記空間に注入すること、および
    前記第1のレディーミクストコンクリートと前記第2のレディーミクストコンクリートを硬化することを含み、
    前記第1のレディーミクストコンクリートは、水、セメント、および二酸化炭素を混合することによって形成される、構造体を作製する方法。
  2. 前記第2のレディーミクストコンクリートは、二酸化炭素を加えることなく、水とセメントを混合することによって形成される、請求項に記載の方法。
  3. 前記第2のレディーミクストコンクリートを前記第1のレディーミクストコンクリート上に設置することをさらに含む、請求項に記載の方法。
  4. 複数の鉄筋を組み立てること、
    前記複数の鉄筋を囲む型枠を形成すること、
    前記型枠内にレディーミクストコンクリートを注入すること、および
    注入された前記レディーミクストコンクリートの一部に対し、選択的に二酸化炭素を添加することを含み、
    前記一部は前記複数の鉄筋から離隔する、構造体を作製する方法。
  5. 前記二酸化炭素の前記添加は、固体状の二酸化炭素を用いて行われる、請求項またはに記載の方法。
  6. 前記レディーミクストコンクリートは、二酸化炭素を加えることなく、水とセメントを混合することによって形成される、請求項に記載の方法。
  7. 前記二酸化炭素の前記添加を終了させた後、前記一部上に前記レディーミクストコンクリートを設置することをさらに含む、請求項に記載の方法。
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