JP7164379B2 - 構造体、およびその作製方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態の一つは、コンクリートを含む構造体とその作製方法に関する。例えば、本発明の実施形態の一つは、二酸化炭素が固定化されたコンクリートを含む構造体、およびその作製方法に関する。
コンクリートは、主にセメント水和物、骨材、水、および添加剤によって構成され、その優れた機械的特性、耐候性、取り扱いの容易さ、経済性などに起因し、社会的生産基盤、経済基盤を創成するための重要な構造材料の一つとして様々な分野で幅広く利用されている。
セメントは、その製造時において大量の二酸化炭素を排出することが知られており、これは温室効果の原因の一つとして挙げられている。そこで、例えば特許文献1に開示されているように、セメントと水の反応(水和)を二酸化炭素の存在下で行うことで、コンクリート中に二酸化炭素を固定化する方法が知られている。この方法により、セメントの製造時に発生した二酸化炭素が間接的に回収され、セメントの製造・利用過程における二酸化炭素の総排出量が低減される。このため、セメントの水和時における二酸化炭素固定は、地球温暖化に対する有効な手段として関心が持たれている。
特開2016-510274号公報
本発明の実施形態の一つは、二酸化炭素が効率よく固定化されたコンクリートを含む構造体を提供することを課題の一つとする。あるいは、本発明の実施形態の一つは、上記構造体を作製する方法を提供することを課題の一つとする。
本発明の実施形態の一つは構造体である。この構造体は、第1のコンクリート層、および第1のコンクリート層の少なくとも一部を覆う第2のコンクリート層を備える。第1のコンクリート層と第2のコンクリート層の少なくとも一方は、炭酸カルシウムを含む。炭酸カルシウムの重量は、第1のコンクリート層と第2のコンクリート層の上記少なくとも一方の重量に対して0.1%以上50%以下である。
本発明の実施形態の一つは、構造体を作製するする方法である。この方法は、第1のコンクリート層を形成すること、および第1のコンクリート層の少なくとも一部を覆うように第2のコンクリート層を形成することを含む。第1のコンクリート層と第2のコンクリート層の少なくとも一方は、炭酸カルシウムを含む。第1のコンクリート層と第2のコンクリート層の上記少なくとも一方の形成は、セメントと水を含む第1の混合物を形成すること、第1の混合物に二酸化炭素を添加することによって炭酸カルシウムを含む第2の混合物を形成すること、第2の混合物を打設すること、および第2の混合物を硬化することを含む。炭酸カルシウムの重量は、第1のコンクリート層と第2のコンクリート層の上記少なくとも一方の重量に対して0.1%以上50%以下である。
本発明の実施形態により、効果的に二酸化炭素をコンクリート中に固定化することができるとともに、この二酸化炭素に由来する炭酸カルシウムを高い割合で含有するコンクリートを含む構造体とその作製方法を提供することができる。さらに、鉄筋を使用しなくても、強度や耐候性などに優れたコンクリートを含む構造体とその作製方法を提供することができる。
本発明の実施形態の一つである構造体の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の製造方法のフロー。 本発明の実施形態の一つである構造体の製造方法に適用可能な二酸化炭素導入システム。 本発明の実施形態の一つである構造体の製造方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである構造体の製造方法のフロー。 本発明の実施形態の一つである構造体の製造方法に適用可能な二酸化炭素導入システム。
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
1.構造体
1-1.構造
本発明の実施形態の一つである構造体100の模式的断面図を図1(A)、図1(B)に示す。構造体100はコンクリートを含む構造体であり、様々な場所に設置することができる。例えば構造体100は、自然のままの地盤のみならず、建築物の内外壁、道路や法面、トンネル内壁(地山)などの人工的に造り出された平面や曲面、斜面など、様々な構造物上に設けることができる。以下、構造体100が設置される構造物を被打設体200、構造体100が打設される構造物の表面を被打設面202と呼ぶ。本明細書では、コンクリートとは、原料であるセメントが水と反応して生成する水和物が硬化し、流動性を示さないものを指す。以下に述べるように、コンクリートはセメント以外の部材も含むことがある。一方、セメントと水の混合物が完全に硬化せずに流動性を有する状態はレディーミクストコンクリート(生コンクリートとも呼ばれる)と記す。
図1(A)に示すように構造体100は、被打設面202に接するように設けられる第1のコンクリート層102、およびこの第1のコンクリート層102の一部、あるいは全体を覆う第2のコンクリート層104を基本的な構成として有する。図1(A)では、構造体100が平坦な被打設面202上に設けられる態様を示しているが、被打設面202の形状に制約はない。被打設面202は水平面から傾斜していてもよく、凹凸を有していてもよい。あるいは図1(B)に示すように、例えばトンネルの内壁のような曲面を有する被打設面202に構造体100を設けてもよい。この場合、構造体100は、第2のコンクリート層104よりも第1のコンクリート層102が被打設面202に近く位置するように構成される。したがって、第1のコンクリート層102の曲率半径が第2のコンクリート層104の曲率半径よりも大きくなるように、構造体100の表面が湾曲する。なお、トンネルの内壁に構造体100を形成する場合、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104はそれぞれ一次覆工コンクリート、二次覆工コンクリートとも呼ばれる。
第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の厚さに制約はない。例えば第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の厚さは、5cm以上100cm以下、10cm以上50cm以下、あるいは20cm以上40cm以下の範囲からそれぞれ選択することができる。第2のコンクリート層104は第1のコンクリート層102よりも厚くてもよい。
1-2.組成
第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104は、いずれもセメント水和物を含み、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の両者、あるいは少なくとも一方は、さらに炭酸カルシウムを含む。第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104はそれぞれ独立して骨材、添加剤、あるいは二酸化炭素を可逆的に吸着する多孔質材料をさらに含んでもよい。また、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104は、未水和のセメントや水酸化カルシウムを含んでもよい。
以下、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104がともに炭酸カルシウムを含む態様を例として用い、本実施形態を説明する。第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104のいずれか一方が炭酸カルシウムを含む場合、他方は炭酸カルシウムを含まない。あるいは、炭酸カルシウムは、他方のコンクリート層の被打設面202から遠い側の表面とその近傍に局在化しており、かつ、その濃度は、一方のそれと比較して低い。
(1)セメント水和物
セメント水和物は、原料であるセメントが水と反応(水和)することによって形成される。セメントの組成に制約はなく、例えばエーライトとも呼ばれる、主にケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2)を含む鉱物、ビーライトとも呼ばれる、主にケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2)を含む鉱物、アルミネート相を形成するアルミン酸三カルシウム(3CaO・Al23)を主に含む鉱物、およびフェライト相を形成するアルミン酸四カルシウム(4CaO・Al23・Fe23)を主に含む鉱物の少なくとも一つを含む。あるいはこれらの鉱物の複数種を含むセメントを用いてもよい。例えばポルトランドセメントを用いることができ、この場合、約55%の3CaO・SiO2と約20%の2CaO・SiO2が主成分となる。
これらの鉱物は水と水和し、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)とともに、主にCaO・SiO2・2.5H2OやCaO・Al23・Ca(OH)2・18H2O、CaO・Fe23・Ca(OH)2・18H2Oなどのセメント水和物を与える。したがって、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104に含まれるセメント水和物とは、これらの化学式で表されるセメント水和物の少なくとも一つ、あるいはこれらの混合物である。
(2)炭酸カルシウム、および水酸化カルシウム
後述するように、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104は、セメントの水和時に二酸化炭素を添加することで形成され、炭酸カルシウムは、少なくとも一部はセメントの水和時に生成する水酸化カルシウムと二酸化炭素との反応によって生成する。炭酸カルシウムの濃度は、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104のそれぞれにおいて、水酸化カルシウムと炭酸カルシウムが共存するように調整してもよく、あるいは、水和によって生じる水酸化カルシウムの全てが二酸化炭素と反応し、水酸化カルシウムが存在しない、もしくは実質的に存在しないように調整してもよい。具体的には、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104における炭酸カルシウムの重量は、それぞれ第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の重量に対し、0.1%以上50%以下、0.1%以上5%以下、0.1%以上2.5%以下、あるいは1%以上1.5%以下の範囲から選択される。あるいは、炭酸カルシウムの重量は、それぞれ第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104における水和セメントと炭酸カルシウムの総重量に対し、0.2%以上10%以下、0.2%以上5%以下、あるいは1%以上3%の範囲から選択される。
(3)骨材
骨材は、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104に機械的・物理的強度を付与する、あるいは第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の体積を増大させるために添加される。骨材としては砂や砂利、玉石(たまいし)、岩、砕石、砕砂などが例示される。第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104中における骨材の重量に制約はなく、それぞれ第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の重量の10%以上90%以下、20%以上70%以下、あるいは25%以上60%以下の範囲から選択される。第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104のそれぞれにおける骨材の割合は互いに異なってもよい。例えば前者における骨材の割合は、後者のそれよりも小さくてもよい。また、骨材は、第1のコンクリート層102中の骨材の大きさが第2のコンクリート層104のそれよりも小さくなるように選択してもよい。骨材の大きさは、その平均粒径によって見積もればよい。
(4)添加剤
添加剤(混和剤とも呼ばれる)の種類や濃度にも制約はなく、例えばセメントと水の混合物の凍結を防止するAE剤(気泡分散剤)や、この混合物の流動性を増大する流動化剤などを使用することができる。AE剤や流動化剤としては、オキシカルボン酸(ヒドロキシカルボン酸)塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、スチレンスルホン酸共重合体塩などの、コンクリート中に空気泡を発生させる界面活性剤が例示される。あるいは、水中でのコンクリートの施工を可能にするための増粘剤を添加剤として用いてもよい。増粘剤としては、メチル化セルロースなどのセルロース誘導体やポリアクリルアミドが例示される。増粘剤は、用いるセメントの重量に対して0.1%以上20%以下、あるいは1%以上10%以下の範囲から選択することができる。
あるいは、後述するように第1のコンクリート層102や第2のコンクリート層104を吹き付けによって形成する場合には、セメントと水の混合物の硬化を促進するための急結剤を添加剤として用いてもよい。急結剤としては、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムの塩化物や硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩などが挙げられ、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムなどが例示される。あるいは、アクリル酸のナトリウム塩やカルシウム塩、アミン化合物などの有機化合物を急結剤として用いてもよい。
(5)多孔質材料
二酸化炭素を可逆的に吸着、脱離する多孔質材料としては、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ランタノイド金属の酸化物、または炭素を基本骨格とする材料が例示される。ランタノイド金属としては、例えばセリウムやランタン、イットリウムなどが挙げられる。第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104中における多孔質材料の重量にも制約はなく、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104のそれぞれにおいて、0.1%以上30%以下、0.1%以上10%以下、1%以上10%以下、あるいは1%以上5%以下の範囲から選択される。
この多孔質材料は多数の細孔を有しており、細孔の平均径は、0.5nm以上100μm以下、2nm以上1μm以下、または50nm以上500nm以下である。多数の細孔に起因して、多孔質材料は100m2/g以上1000m2/g以下、あるいは300m2/g以上500m2/g以下の高い比表面積を有する。多孔質材料の細孔の表面は化学的に修飾されていてもよく、例えば一級アミノ基を有する有機基が多孔質材料のケイ素やジルコニウム、アルミニウム、炭素などと結合していてもよい。
(6)未水和セメント
未水和のセメントが含まれる場合、その量は、第1のコンクリート層102、あるいは第2のコンクリート層104のそれぞれの重量に対して0%よりも大きく50%以下、0%よりも大きく10%以下、0%よりも大きく5%以下、あるいは0%よりも大きく3%以下となるように調整される。水和はセメントと水との化学反応であるため、未水和セメントの量は、水和時の水の量によって調整される。
1-3.その他の構成
任意の構成として、構造体100はさらに、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の間に、水を遮断する機能を有するシート(以下、防水シート)106を有してもよい。これにより、被打設体200から水が第1のコンクリート層102を介して第2のコンクリート層104へ侵入したり、水が第2のコンクリート層104を貫通したりすることを抑制することができる。防水シート106は、例えばポリエチレン、エチレンと酢酸ビニルの共重合体などを含む。
さらに任意の構成として、構造体100は第1のコンクリート層102と防水シート106の間に不織布108を有してもよい。第1のコンクリート層102の厚さが小さい場合、第1のコンクリート層102の表面(第1のコンクリート層102の第2のコンクリート層104に近い表面)の形状には、被打設面202の形状が反映される。このため、被打設面202に凹凸がある場合、第1のコンクリート層102の表面にも凹凸が発生し、この凹凸によって防水シート106が破損する場合がある。不織布108はこの凹凸を吸収する緩衝材として機能し、防水シート106の破損を防止することができる。不織布108は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂、アラミド樹脂、炭素繊維などから選択される材料を含むことができる。
上述したように、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104は、炭酸カルシウムを上述した組成で含む。このため、第1のコンクリート層102や第2のコンクリート層104は機械的・物理的強度が高く、かつ、その強度が第1のコンクリート層102や第2のコンクリート層104の全体にわたって均一となる。さらに、炭酸カルシウムを含むことで、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104は高い密度を有するため、酸素や水などの汚染物質の侵入が抑制される。このため、耐候性が高く、耐用年数の長い構造材料として構造体100を使用することができる。
通常、コンクリート中の炭酸カルシウムの組成が増大すると、コンクリート内の細孔溶液のpHが低下する。細孔溶液のpHが低下は、内部に含まれる鉄筋の腐食を促進し、腐食に伴う鉄筋の体積膨張によってコンクリートが破壊される。その結果、コンクリートの強度が大幅に低下する。しかしながら、上述したように、第1のコンクリート層102や第2のコンクリート層104は、高い炭酸カルシウム濃度を有し、これに起因して非常に高い機械的・物理的強度を有する。このため、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104は鉄筋を構成要素として含まなくてもよい。換言すると、鉄筋の腐食を考慮することなく、高い濃度で炭酸カルシウムを第1のコンクリート層102や第2のコンクリート層104に含ませることで十分に高い機械的・物理的強度を構造体100に付与することが可能である。
第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の原料であるセメントは、その製造時に大量の二酸化炭素を放出する。しかしながら、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104は、二酸化炭素に由来する炭酸カルシウムを高い濃度で有することができるため、構造体100は大量の二酸化炭素を固定することになる。したがって、本発明の実施形態の構造体100は、単なる覆工材料や構造材料、基礎材料としてではなく、大量の二酸化炭素を固定するためのツールとして利用することができる。
2.製造方法
以下、図1(B)に示した構造体100の作製方法を説明する。
2-1.第1のコンクリート層の形成
(1)空練
まず、第1のコンクリート層102を形成するためのレディーミクストコンクリートを作製する。具体的には、図2のフローに示すように、まず、セメントを水の非存在下において攪拌する(S1:空練)。この際、骨材を用いてもよく、この操作により、骨材とセメントが均一に混合される。攪拌時間は30秒以上1時間以下、30秒以上15分以下、あるいは30秒以上5分以下とすればよい。
(2)水和と二酸化炭素の導入
引き続き、セメントに対して水、および二酸化炭素を加えて攪拌する(S2:本練)。これにより、第1の混合物内でセメントの水和が開始されると同時に、セメントと水、および二酸化炭素との反応によって炭酸カルシウムが生成する。この過程で得られる混合物を第1の混合物と記す。
第1の混合物を形成するときに使用する水の量は、第1のコンクリート層102中に未水和セメントが残存しないように(すなわち、水和セメントが0%)、あるいは最終的に得られる第1のコンクリート層102の総重量に対し、未水和セメントが0%よりも大きく10%以下、0%よりも大きく5%以下、あるいは0%よりも大きく3%以下となるように調整される。より具体的には、セメントの重量に対して0%よりも大きく60%以下、0%よりも大きく40%以下、あるいは0%よりも大きく20%以下の水が加えられる。
二酸化炭素の添加は、気体状の二酸化炭素を用いて行ってもよく、あるいは固体状の二酸化炭素(すなわちドライアイス)を用いて行ってもよい。後者の場合、ドライアイスの塊を機械的に粉砕して用いてもよく、あるいは高圧下液体として存在する二酸化炭素を急激に大気下に開放する操作、すなわち、断熱膨張を利用する急激な温度低下によって形成される微粒子状の二酸化炭素を用いてもよい。あるいは、第1の混合物を形成する際に用いる水として二酸化炭素を含む水(炭酸水)を用いることで二酸化炭素の添加を行ってもよい。この場合、炭酸水を用いて第1の混合物を形成した後、さらに気体状、もしくは固体状の二酸化炭素を添加してもよい。
断熱膨張を利用する際には、例えば図3に示した二酸化炭素導入システム(以下、単にシステムと記す)120を用いることができる。システム120は、高圧下で二酸化炭素を貯蔵するタンク122、第1の混合物を生成、攪拌するためのミキサー124、タンク122内の二酸化炭素を輸送するための導管126、導管126に取り付けられ、二酸化炭素の輸送を制御するバルブ130を含む。ミキサー124には、攪拌機構としてのフィン140、セメントや骨材、混和剤を投入する開口136、水や炭酸水を導入する導管134、シャッター138などが設けられる。任意の構成として、二酸化炭素の流量を見積もるための流量計128や、ミキサー124の温度を制御するための温度コントローラ132を備えてもよい。例えばドライアイスを用いる場合に第1の混合物の温度が低下した場合、温度コントローラ132を用いて加熱し、水和を促進することができる。あるいは水和速度を低下させるため、温度コントローラ132を用いてミキサー124を冷却してもよい。ミキサー124は、密閉して内部が加圧できるように構成してもよい。
二酸化炭素の添加量は流量計128を用いて見積もってもよく、あるいは二酸化炭素の導入前後のタンク122の重量差から求めてもよい。あるいは、導管126から噴出する粒子状のドライアイスを計量することで求めてもよい。添加した二酸化炭素は、少なくとも一部は炭酸化に利用されないため、添加する二酸化炭素の量は、水和によって生成する水酸化カルシウムに対して過剰量添加すればよい。例えば、水とセメントの反応によって生成する水酸化カルシウムに対し、10モル倍以上10000モル倍以下、あるいは10モル倍以上1000モル倍以下の二酸化炭素を添加すればよい。
上述したように、セメントと水が接触して水和が開始し、これに伴って生成する水酸化カルシウムが水に溶解する。二酸化炭素を添加することで水酸化カルシウムが炭酸カルシウムを与える。このため、コンクリートに含まれる炭酸カルシウムは、添加される水、または二酸化炭素の量によって制御することが可能である。
なお、図3のシステム120では、タンク122内に貯蔵される二酸化炭素がミキサー124に輸送されるが、化学プラントや火力発電所から排出される二酸化炭素を含むガスをミキサー124へ導入してもよい。化学プラントや火力発電所の排出ガスには高濃度の二酸化炭素が含まれるため、これを利用することで大量の二酸化炭素が大気中へ放出されることが抑制され、地球温暖化の防止に寄与することができる。
二酸化炭素は常温、常圧において気体として存在するため、条件によっては添加した二酸化炭素の一部、あるいは大部分は直ちに大気中へ拡散する、あるいは昇華する。このため、必ずしも添加した二酸化炭素の全てを炭酸化に利用できるとは限られない。そこで二酸化炭素を可逆的に吸着する多孔質材料を用いてもよい。多孔質材料は、セメントの水の非存在下における攪拌時(S1)、第1の混合物を形成する際(S2)のいずれかにおいて添加すればよい。その添加量は多孔質材料の二酸化炭素吸着量にも依存するが、例えば最終的に得られる第1のコンクリート層102の重量に対して0.1%以上30%以下、0.1%以上10%以下、1%以上10%以下、あるいは1%以上5%以下となるように調整すればよい。上述したように、多孔質材料は酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ランタノイド金属の酸化物、または炭素を含む無機化合物である。このため、骨材と同様の機能を発揮することもできるため、構造体100の機械的・物理的強度の向上に寄与する。
多孔質材料を添加することで、添加された二酸化炭素の一部が多孔質材料に吸着される。例えば一級アミノ基を有する有機基が表面に固定された多孔質材料を用いる場合には、アミノ基は二酸化炭素と反応してカルバメート基として存在する。カルバメート基は二酸化炭素を放出してアミノ基に戻るので、このメカニズムに従って二酸化炭素は多孔質材料に可逆的に吸脱着される。したがって、二酸化炭素の添加が終了してミキサー124内の二酸化炭素の濃度が低下すると、平衡により、吸着された二酸化炭素が徐放される。この時、多孔質材料は水やセメントと接した状態であるため、放出された二酸化炭素は水に含まれる水酸化カルシウムと速やかに反応して炭酸カルシウムを与える。このようなメカニズムが炭酸化に寄与するため、添加された二酸化炭素を有効に利用することができる。
多孔質材料を用いる場合、あらかじめ二酸化炭素が吸着した多孔質材料を用いてもよい。すなわち、別途二酸化炭素雰囲気下で処理し、表面にカルバメート基を有する多孔質材料をセメントの水の非存在下における攪拌時(S1)、あるいは第1の混合物を形成する際(S2)に添加してもよい。この場合も上述したメカニズムが働くため、効率よく二酸化炭素を利用することが可能となる。
なお、二酸化炭素をミキサー124に添加した後、二酸化炭素が超臨界状態となるよう、ミキサー124を密閉、加熱してもよい。具体的には、ミキサー124内に二酸化炭素を導入した後、ミキサー124を密閉し、内部が31.1℃以上の温度、二酸化炭素の分圧が7.38Pa以上の圧力になるよう、温度コントローラ132によってミキサー124を加熱してもよい。超臨界状態では二酸化炭素は非常に低い粘性を示し、物質内に容易に拡散する。このため、炭酸化が速やかに、かつ効率よく進行し、添加した水によって生成する水酸化カルシウムを効率よく炭酸カルシウムへ変換することができる。
第1の混合物を形成した後、添加剤を加えて攪拌する(S3)。第1のコンクリート層102を吹き付けによって形成する場合には、急結剤を添加剤として加えることが好ましい。この段階における攪拌時間は30秒以上10分以下、30秒以上5分以下、あるいは30秒以上2分以下の範囲から選択される。これにより、第2の混合物が形成される。この第2の混合物は流動性を有し、第1のコンクリート層102を形成するためのレディーミクストコンクリートとして機能する。
第2の混合物は、ミキサー124からシャッター138を介して搬出され、被打設体200付近まで運搬される(S4)。運搬方法は任意に選択され、例えばポンプを用いて第2の混合物を被打設面202上に供給してもよく、アジテータ車を用いて被打設体200付近に運搬してもよい。
(3)第1のコンクリート層の打設
引き続き、第2の混合物を被打設面202上に打設して第1のコンクリート層102を形成する(S5)。打設方法に制約はなく、例えば被打設面202に沿って型枠を形成し、被打設面202と型枠の間に第2の混合物を流し込んでもよく、あるいは型枠を用いず、第2の混合物を吹き付けることで打設してもよい。吹き付けによって打設する場合、圧縮空気を用いて第2の混合物が被打設面202上に塗布される。圧縮空気には二酸化炭素を混合してもよい。例えば二酸化炭素が0.1体積%から20体積%、1体積%から10体積%、あるいは1体積%から5体積%の濃度で混合された空気を圧縮し、これを用いて第2の混合物を吹き付けてもよい。吹き付けでは第2の混合物は霧状となるため、二酸化炭素との接触のためにより広い表面積が与えられる。このため、二酸化炭素をさらに効率よく導入することができる。
打設された第2の混合物は水和の進行とともに硬化し(S6)、第1のコンクリート層102を与える(図4(A))。この後、任意の構成である不織布108を第1のコンクリート層102の全体、あるいは少なくとも一部を覆うように設け、さらに不織布108を覆うように防水シート106を設けてもよい(図4(B))。
2-2.第2のコンクリート層の形成
その後、第2のコンクリート層104を形成する。第2のコンクリート層104の形成は、第1のコンクリート層102の形成と同様に行うことができる。
すなわち、セメント、および任意の構成である骨材を水の非存在下において攪拌する(S1)。この時の骨材の大きさは、第1のコンクリート層102の形成時のそれとほぼ同一でも良く、大きくてもよい。
引き続き、上述した方法と同様に、セメントに対して水を加え、二酸化炭素を導入して攪拌し(S2)、さらに適宜添加剤を加えて攪拌する(S3)。これにより、第2のコンクリート層104を形成するためのレディーミクストコンクリートである第2の混合物が得られる。この第2の混合物も被打設体200付近まで運搬され(S4)、その後、第1のコンクリート層102のすべて、あるいは少なくとも一部を覆うように打設される(S5)。打設方法は、第1のコンクリート層102に沿って型枠を形成し、第1のコンクリート層102と型枠の間に第2の混合物を流し込むことによって行うことができる。あるいは吹き付けによって第2の混合物を打設してもよい。第2の混合物が硬化することにより(S6)、第2のコンクリート層104が形成される。
2-3.変形例
構造体100の作製方法は上述した方法に限られず、適宜変更することができる。例えば図5のフローに示すように、セメント、および必要に応じて骨材を攪拌し(S10)、その後水と添加剤を加えて攪拌を行って混合物(以下、第3の混合物)を作製する(S11)。
この第3の混合物を被打設体200付近へ運搬し(S12)、その後、第3の混合物に二酸化炭素を添加、攪拌し、第1のコンクリート層102を形成するためのレディーミクストコンクリートである混合物(以下、第4の混合物)を形成する(S14)。二酸化炭素の添加は、上述したシステム120を用いればよい。システム120は、被打設体200付近に設置すればよい。
あるいは、第3の混合物を被打設体200へ運搬する過程において二酸化炭素を導入してもよい。この場合、例えば二酸化炭素を導入するための機構が備えられたアジテータ車150を用いて運搬すればよい。このようなアジテータ車150の構造の一部を断面模式図(図6)を用いて説明する。図6に示すように、アジテータ車150は、第3の混合物を攪拌するためのドラム152、ドラム152を回転するための駆動部154、および二酸化炭素供給源164を主な構成として有する。二酸化炭素供給源164は、二酸化炭素が充填されるボンベでもよい。
ドラム152の内側にはスクリュー状のフィン158が備えられ、ドラム152を回転することでフィン158も同時に回転し、これによって第3の混合物が攪拌される。ドラム152にはさらに、第3の混合物をドラム152に投入するためのホッパー160、第3の混合物や第4の混合物を取り出すための搬出部162が備えられる。
ドラム152の底部には、その回転軸上に位置する回転ギア157が取り付けられる。ギアの回転軸は、ドラム152の回転軸と一致する。駆動部154により、駆動ギア156が回転する。駆動ギア156を介して駆動部154から与えられる力は、駆動ギア156と噛み合わされるように配置される回転ギア157を介してドラム152に与えられ、これによってドラム152が回転する。
二酸化炭素供給源164は、回転ギア157の中心を通るように配置される導管168によってドラム152に接続される。二酸化炭素は、二酸化炭素供給源164から導管168を介してドラム152へ導入され、その量はバルブ166によって調節することができる。図示しないが、導管168は必ずしも回転ギア157の中心を通るように配置しなくてもよい。すなわち、二酸化炭素が二酸化炭素供給源から164ドラム152内へ供給されるように配置すればよい。したがって、例えばフィン158を中空構造として形成し、この中空部からフィン158の表面に二酸化炭素が排出される排出口を複数設けてもよい。この場合、導管168とフィン158が接続され、二酸化炭素はフィン158内部を通過した後にドラム152内へ供給される。
このような構造を有するアジテータ車150を利用することで、第3の混合物を被打設体200へ運搬する際に二酸化炭素を導入することができる。したがって、二酸化炭素を導入する設備を持たない施設で第3の混合物を形成しても、あるいは二酸化炭素が導入されていない第3の混合物を利用しても、二酸化炭素を容易に導入して大4の混合物を得ることができる。
この後、第4の混合物を打設する。打設された第4の混合物は水和の進行とともに硬化し(S15)、第1のコンクリート層102を形成する。打設方法は上述した方法と同様である。第2のコンクリート層104の形成と打設も、この変形例と同様の方法によって行えばよい。
なお、第1のコンクリート層102の形成時、あるいは第2のコンクリート層104の形成時に二酸化炭素を導入しない場合には、図2で示したフローの工程S2を二酸化炭素を導入せずに行えばよい。あるいは、図5に示したフローにおいて、S13の工程を省略すればよい。この場合、それぞれのコンクリート層は、打設後に大気に含まれる微量の二酸化炭素と接触するにとどまる。このため、微量の炭酸カルシウムが表面に生成するものの、炭酸カルシウムは表面とその近傍に局在する。また、レディーミクストコンクリートの形成時に二酸化炭素を供給して形成されたコンクリート層と比較し、コンクリート層全体における炭酸カルシウムの濃度は低いものとなる。
本発明の実施形態では、構造体100の第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の少なくとも一方に二酸化炭素が炭酸カルシウムとして固定される。このため、構造体100は高い機械的・物理的強度を有する。また、二酸化炭素を可逆的に吸着する多孔質材料を用いる場合、多孔質材料はコンクリート中で骨材としても機能するため、構造体100の機械的・物理的強度の更なる向上に寄与する。
また、セメント製造時に大気中に放出される二酸化炭素は、間接的に、第1のコンクリート層102と第2のコンクリート層104の少なくとも一方に固定化される。このため、本発明の実施形態である構造体100は、二酸化炭素の削減と地球温暖化の抑制に寄与することができる。特に二酸化炭素を可逆的に吸着する多孔質材料を用いることで、より効率よく二酸化炭素の固定化を行うことができるため、本発明の実施形態は温室効果対策のための有効な手段であると言える。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
100:構造体、102:第1のコンクリート層、104:第2のコンクリート層、106:防水シート、108:不織布、120:二酸化炭素導入システム、122:タンク、124:ミキサー、126:導管、128:流量計、130:バルブ、132:温度コントローラ、134:導管、136:開口、138:シャッター、140:フィン、150:アジテータ車、152:ドラム、154:駆動部、156:駆動ギア、157:回転ギア、158:フィン、160:ホッパー、162:搬出部、164:二酸化炭素供給源、166:バルブ、168:導管、200:被打設体、202:被打設面

Claims (9)

  1. 第1のコンクリート層、および
    前記第1のコンクリート層の少なくとも一部を覆う第2のコンクリート層を備え、
    前記第1のコンクリート層と前記第2のコンクリート層は硬化前のセメントに含まれるカルシウムを含有する炭酸カルシウムを含み、
    前記第1のコンクリート層に含まれる前記炭酸カルシウムの重量は、前記第1のコンクリート層の重量に対して0.1%以上50%以下であり、
    前記第1のコンクリート層に含まれる前記炭酸カルシウムの濃度は、前記第2のコンクリート層に含まれる前記炭酸カルシウムの濃度よりも高く、
    前記第2のコンクリート層に含まれる前記炭酸カルシウムは、前記第1のコンクリート層側とは反対側の表面に局在化する構造体。
  2. 前記第1のコンクリート層は、未水和セメントをさらに含み、
    前記未水和セメントの重量は、前記第1のコンクリート層の重量に対して0%よりも大きく、かつ50%以下である、請求項1に記載の構造体。
  3. 前記第1のコンクリート層と前記第2のコンクリート層の各々は、骨材をさらに含み、
    前記第1のコンクリート層に含まれる前記骨材の平均粒径は、前記第2のコンクリート層に含まれる前記骨材の平均粒径よりも小さい、請求項1に記載の構造体。
  4. 前記第1のコンクリート層は二酸化炭素雰囲気下で処理された多孔質材料をさらに含む、請求項1に記載の構造体。
  5. 前記第1のコンクリート層は、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、およびアミン化合物から選択される材料を含む急結剤をさらに含む、請求項1に記載の構造体。
  6. 前記第1のコンクリート層の曲率半径が前記第2のコンクリート層の曲率半径よりも大きくなるように前記構造体の表面が湾曲する、請求項1に記載の構造体。
  7. 前記第1のコンクリート層は、鉄筋を含まない、請求項1に記載の構造体。
  8. セメントと水を含む第1の混合物を形成すること、
    前記第1の混合物に二酸化炭素を添加することによって、炭酸カルシウムを含む第2の混合物を形成すること、
    前記第2の混合物を打設すること、
    前記第2の混合物を硬化して第1のコンクリート層を形成すること、
    前記第1のコンクリート層の少なくとも一部を覆うように第2のコンクリート層を形成することを含み、
    前記第1のコンクリート層に含まれる前記炭酸カルシウムの重量は、前記第1のコンクリート層の重量に対して0.1%以上50%以下であ
    前記第1のコンクリート層に含まれる前記炭酸カルシウムの濃度は、前記第2のコンクリート層に含まれる前記炭酸カルシウムの濃度よりも高く、
    前記第2のコンクリート層に含まれる前記炭酸カルシウムは、前記第1のコンクリート層側とは反対側の表面に局在化する、構造体を作製する方法。
  9. 前記第1のコンクリート層の形成は、二酸化炭素雰囲気下で処理された多孔質材料を前記第1の混合物と前記第2の混合物の少なくとも一方に添加することをさらに含む、請求項に記載の構造体を作製する方法。
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