JP6177598B2 - 繊維入速硬コンクリートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は速硬性を有する繊維入コンクリート混練物の製造方法に関する。
緊急工事や一般工事の工期短縮などに、早期強度発現性を有する速硬コンクリートが使用されている。速硬コンクリートとしては、太平洋セメント社製「ジェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメントを使用したコンクリートが知られている他、普通セメント等に速硬性のセメント混和材を添加して製造する方法も知られている。
コンクリート混練物に混和材料を混和する方法として、ベースコンクリート製造の際に混和材料も併せて添加する方法、コンクリートが投入されているトラックアジテータのドラム内に所定量の混和材料を投入し、該ドラムを高速回転させる方法がある。例えば、高濃度粉体輸送機を用いて速硬性セメント混和材が投入される方法が提案されている(特許文献1)。この方法の特徴は、コンクリートの打設現場にて速硬性セメント混和材が投入されることから、ベースコンクリートとしては、特殊なコンクリートを製造する必要がなく、通常のレディーミクストコンクリートで対応できることから、一般のコンクリート製造工場で出荷が可能である点である。また、速硬コンクリートをトラックアジテータで輸送する場合は、輸送時間が長くなると、速硬コンクリートのコンシステンシー(流動性)が悪化し、トラックアジテータからの排出に支障をきたす虞があるが、打設現場で投入する場合はその心配がない。しかしながら、トラックアジテータのドラム内でのコンクリートと粉体状混和材の混合は、不均質になりやすいという根本的な課題がある。
一方、トンネルや橋脚・橋梁など土木建造物の剥落防止対策やひび割れの抑制などを目的にした繊維補強コンクリートが知られている。この繊維補強コンクリートの製造方法として、トラックアジテータのドラム内に短繊維を投入し、該ドラムを高速回転させることにより、短繊維をコンクリート中に分散させる方法が用いられている。しかしながら、上述の粉体状混和材の混合と同様、トラックアジテータのドラム内でのコンクリートと繊維の混合は、均質な混練物を得るのが難しいという課題がある。また、このような繊維補強コンクリートを製造する際の問題として、繊維を添加混合して得られるコンクリートでは、必ずスランプの大きな低下が生じる点が挙げられる。このため、コンクリート製造プラントで製造される、繊維混入前のベースコンクリートの配合は、繊維混入後のスランプ低下を見込んで、高スランプ側に設計されている。例えば、スランプ15cmの繊維混入コンクリートを製造する場合、ベースコンクリートのスランプ値は20cm程度に調製されることになる。
加えて、近年、補修用等のコンクリートとして、高い曲げ強度を有し、かつ速硬性を有する、鋼繊維を含有してなる超速硬コンクリートについても検討されている(例えば、特許文献2、3)。
特開2012−139897号公報 特開平08−277156号公報 特開2007−320833号公報
しかしながら、繊維を含有してなる超速硬コンクリートについては、専用の超速硬セメントおよび専用の移動式の製造設備を必要とし、特殊なコンクリートであることから製造管理が難しく、可使時間に問題が生じたり、あるいは経済性や大量の供給能力に問題がある等のため、充分に普及していないのが現状である。また、トラックアジテータに投入、混合する手法においても、繊維を含有する速硬コンクリートについては検討が不十分であり、品質的に満足される繊維入速硬コンクリートを、簡便に、かつ低廉なコストで製造する手法は、必ずしも確立されているとは言えない。
本発明者らは、トラックアジテータに速硬性混和材および繊維を投入し、混合する方法による繊維入速硬コンクリートの製造方法について鋭意検討を行った結果、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、〔1〕ベースコンクリートが投入されているトラックアジテータのドラム内に、凝結遅延剤、速硬性混和材及び繊維を、それぞれ別々に投入し、ドラムの回転により混合する繊維入速硬コンクリートの製造方法であって、コンクリート製造プラントにおいて、8〜18cmのスランプ値を有するベースコンクリートを製造し、トラックアジテータのドラム内に投入する工程と、コンクリート打設現場において、第一に凝結遅延剤をトラックアジテータのドラム内に投入し混合する工程と、第二に速硬性混和材をトラックアジテータのドラム内に投入し混合する工程と、第三に繊維をトラックアジテータのドラムに投入し混合する工程とを具備する繊維入速硬コンクリートの製造方法である。また、〔〕前記繊維の混入率が、コンクリート体積中0.01〜3.0体積%である〔1〕の繊維入速硬コンクリートの製造方法であり、〔〕前記繊維が、繊維長60mm以下である〔1〕または〔2〕の繊維入速硬コンクリートの製造方法であり、〔〕前記速硬性混和材が、カルシウムアルミネート類を含む〔1〕〜〔〕のいずれかの繊維入速硬コンクリートの製造方法であり、〔〕前記速硬性混和材は粉体状であり、かつ粉体状分散剤を含有する〔1〕〜〔〕のいずれかの繊維入速硬コンクリートの製造方法であり、〔〕繊維入速硬コンクリートのスランプ値とベースコンクリートのスランプ値との差異が2cm以内である〔1〕〜〔〕のいずれかの繊維入速硬コンクリートの製造方法である。加えて、〔〕速硬性混和材混合後の可使時間が20分以上であり、かつ材齢6時間で20N/mm以上の圧縮強度が発現する〔1〕〜〔〕のいずれかの繊維入速硬コンクリートの製造方法である。
十分な可使時間を有し、品質的に満足できる繊維入速硬コンクリートを、簡便にかつ低廉なコストで得られる。
本発明になる製造方法の工程図 本発明になる方法の実施による繊維入速硬コンクリートの特性表 本発明外になる方法の実施による繊維入速硬コンクリートの特性表 トラックアジテータの概略図
本発明は繊維入速硬コンクリートの製造方法である。特に、ベースコンクリートが投入されているトラックアジテータのドラム内に、凝結遅延剤、速硬性混和材及び繊維を、それぞれ別々に投入し、ドラムの回転により混合する繊維入速硬コンクリートの製造方法である。
本発明における製造工程は、コンクリート製造プラントで所定のスランプ値を有するベースコンクリートを製造し、トラックアジテータに投入する工程と、コンクリート打設現場にて、第一に凝結遅延剤をトラックアジテータのドラムに投入し混合する工程と、第二に速硬性混和材をトラックアジテータのドラムに投入し混合する工程と、第三に繊維をトラックアジテータのドラムに投入し混合する工程とを具備する。以下、それぞれの工程について詳細に説明する。
(ベースコンクリートの製造・投入工程)
本発明におけるベースコンクリートはコンクリート製造プラントで製造される。ベースコンクリートの構成物である、セメント、骨材、水、さらに必要に応じてセメント分散剤などの混和剤が、所定の性能を発現するように適宜配合され、コンクリートミキサ等で混合されて製造される。
本発明におけるベースコンクリートのスランプ値は、8〜18cmに設定される。
本発明の製造方法における特徴の一つは、ベースコンクリートのスランプ値と繊維入速硬コンクリートのスランプ値との差異が小さいことである。このため、目標とする繊維入速硬コンクリートのスランプ値を、そのままベースコンクリートのスランプ値として設定することができる。なお、ここでのベースコンクリートのスランプ値とは、トラックアジテータで運送後の施工現場到着後に測定されるスランプである。従って、コンクリート製造プラントで製造されるベースコンクリートは、トラックアジテータの運送によって低下する分を見込んで製造される。
ベースコンクリートに用いられるセメントとしては、速硬性を有さない水硬性セメントであれば良い。速硬性を有さない水硬性セメントとしては、混練開始から硬化までの時間が、例えば3時間を超えるものが挙げられる。例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。或いは、エコセメントが挙げられる。又は、前記ポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等が混合された各種の混合セメントが挙げられる。前記セメントの一種であっても、二種以上のものであっても良い。
ベースコンクリートに用いられる骨材としては、特に制限されるものではなく、通常のコンクリートの製造に使用される骨材を何れも使用することができる。
ベースコンクリートに必要に応じて用いられるセメント分散剤としては、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤などが挙げられる。
ベースコンクリートには、前記成分の他にも、必要に応じて、本発明の特長が損なわない程度において、さらに各種混和剤(材)を添加することを妨げない。例えば、増粘剤、膨張材、収縮低減剤、セメント用ポリマー、防水材、防錆剤、凍結防止剤、保水剤、顔料、白華防止剤、発泡剤、消泡剤、撥水剤、シリカフューム等のポゾラン微粉末、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末等の石粉等が挙げられる。
ベースコンクリートの混練方法は、特に限定されないが、製造量や均質な混練性の観点から、ミキサを用いる手法が好ましい。ミキサとしては、連続式ミキサやバッチ式ミキサが用いられる。例えば、パン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ等が挙げられる。
本発明のベースコンクリートは、安定した品質が得られやすい観点から、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」に準拠して製造されたレディーミクストコンクリート(又は未硬化のモルタル)であることが好ましい。製造されたベースコンクリートの品質を、当該ベースコンクリートを製造した者が責任を持つことができるからである。特に、JIS A 5308についてJIS認証を受けたレディーミクストコンクリート製造工場で製造されることが望ましい。本発明における所定のスランプ値等必要な品質が確保されたベースコンクリートを得ることが出来るからである。
コンクリート製造プラントで製造されたベースコンクリートは、トラックアジテータのドラム内に投入され、コンクリート打設現場まで輸送される。輸送時間は90分以内であることが望ましい。用いられるトラックアジテータは、ドラムの高速回転ができるものであれば、何れのものも使用できる。ここで高速回転とは、5r.p.m.以上の回転をいう。
トラックアジテータのドラム内に投入されるベースコンクリートの量は、ドラム容積の1/10〜3/8であることが好ましく、1/8〜1/3であることがより好ましい。本発明においては、トラックアジテータのドラム内に、速硬性混和材料及び繊維が投入されることから、3/8を超えた場合、ベースコンクリートと速硬性混和材料及び繊維との混合が十分に行えず、得られる繊維入速硬コンクリートが不均質となり、所定の特性を発現することができない。逆に、1/10未満の場合は、製造効率が悪く好ましくない。
(凝結遅延剤の投入・混合工程)
本発明の凝結遅延剤の投入・混合工程は、コンクリート打設現場に到着したトラックアジテータのドラム内に凝結遅延剤を投入し、ドラムの回転によって混合する工程である。凝結遅延剤を投入し、混合することによって、繊維入速硬コンクリートの凝結促進を抑制し可使時間を確保すると共に、その後の速硬性混和材及び繊維の混合時におけるコンクリートのコンシステンシーを確保し、均質な混合を可能にする。このため、凝結遅延剤は、最初に投入し、混合することが好ましい。
可使時間は、速硬性混和材混合後、20分以上確保することが好ましい。より好ましくは60分以上である。20分未満では、その後の繊維の投入・混合工程を経て、施工現場において繊維入速硬コンクリートを打設するには十分な時間を確保できず、コンクリートの凝結・硬化が始まり、工事に支障が生じる虞がある。さらに60分以上の可使時間が確保されることによって、たいていの施工現場において、良好な繊維入速硬コンクリートの打設を支障なく行うことができる。
凝結遅延剤投入後の混合時間は10秒〜120秒が好ましく、またドラムの回転速度は5〜20r.p.m.が好ましい。
凝結遅延剤としては、水硬性セメントの凝結に遅延作用を及ぼすものであればよいが、速やかに混合可能である点から、液状であることが望ましい。このような凝結遅延剤の具体例としては、例えばクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸、又はその塩、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩等の無機塩、糖類などの群の中から選ばれる一種又は二種以上を含む液状体(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)のものが挙げられる。中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、アルカリ金属炭酸塩の群の中から選ばれる一種又は二種以上を含む水溶液が好ましい。
凝結遅延剤の添加量は、凝結遅延剤中の有効成分(固形成分)が、セメントと速硬性混和材との合計100質量部に対して、0.05〜2.0質量部であることが好ましい。凝結遅延剤の添加量は、コンクリート温度、コンクリートの打設終了時間などに応じて、適宜調整される。
(速硬性混和材の投入・混合工程)
本発明の速硬性混和材の投入・混合工程は、速硬性混和材をトラックアジテータのドラム内に投入し、ドラムの回転によって混合する工程である。好ましくは、凝結遅延剤の投入・混合工程の後に行われる。また、投入される速硬性混和材として、好ましくは、粉体状の速硬性混和材が用いられる。ドラム内への速硬性混和材の投入方法は特に限定されるものではないが、粉体状速硬性混和材の場合は、例えば、フレコン袋体をドラムの投入口上に吊り上げて直接投入する方法、少量の空気により粉体を輸送可能な粉体輸送装置を用いる方法などが挙げられる。
混合時間は1分〜10分が好ましく、またドラムの回転速度は5〜20r.p.m.が好ましい。混合時間が1分未満の場合には、速硬性混和材とベースコンクリートの混合が不十分であり均質なコンクリート混練物が得られず、逆に10分を越えて長すぎた場合、繊維入速硬コンクリートの打設可能な時間が短くなり、また経済的ではない。一方、ドラムの回転数が5r.p.m.未満の場合は速硬性混和材とベースコンクリートの混合が十分に行われず、逆に20r.p.m.を超えた場合は、遠心力によりドラム内のコンクリート混練物がドラムの内壁からスムーズに落下せず、効率のよい混合が行えない。
本発明において用いられる速硬性混和材は、例えばカルシウムアルミネート類、アルミン酸ナトリウム、仮焼明礬を含む明礬類、活性アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の急硬性物質の群の中から選ばれる一種又は二種以上を主成分とするものが好ましい。特にカルシウムアルミネート類を主成分とするものが好ましい。
カルシウムアルミネート類には、CaOをC、AlをA、NaOをN、FeをFで表示した場合、CA,CA,C12,C,CA,C又はCA等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、CAF,CAF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶又は置換したC・CaFやC11・CaF等と表示されるカルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート、CNAやC等と表示されるカルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムリチウムアルミネート、アウイン(3CaO・3Al・CaSO)等のカルシウムサルホアルミネート、アルミナセメント、並びにこれらにSiO,KO,Fe,TiO等が固溶又は化合したもの等が含まれる。
速硬性混和材には、上記の急硬性物質以外にも、各種添加材が本発明の特長が損なわれない範囲で併用されても良い。この種の添加材としては、例えば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等のセメント分散剤、速硬性を有してない水硬性セメント、凝結遅延剤、強度促進材、再乳化粉末樹脂、発泡剤、起泡剤、防水剤、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、顔料、撥水剤、白華防止剤、消泡剤等が挙げられる。
特に、セメント分散剤が併用されることが好ましい。速硬性混和材100質量部に対して、0.05〜3質量部のセメント分散剤が併用された場合、速硬性混和材混合後のコンクリート混練物のコンシステンシーがベースコンクリートのコンシステンシーより高まることから好ましい。これにより、次の繊維混合も円滑に行うことができる。
速硬性混和材として粉体状速硬性混和材が使用される場合は、セメント分散剤も粉体状のセメント分散剤が好ましい。粉体状セメント分散剤としては、例えばポリカルボン酸系、メラミンスルホン酸系、ナフタレンスルホン酸系の分散剤等が挙げられる。特に、比較的少ない使用量で優れた流動性を確保することができ、また速硬性を阻害しない点から、ポリカルボン酸系の分散剤が好ましい。
速硬性混和材の混和量は、好ましくはベースコンクリートのセメント100質量部に対して、10〜100質量部である。100質量部を超えた場合は、速硬性混和材の投入に要する時間が長くなり、繊維混入速硬コンクリート製造後から打設可能な時間が短くなることに加えて、長期強度発現性も低下することから好ましくない。また、コンクリートのコンテステンシーが低下するので好ましくない。逆に10質量部未満では速硬性を十分に付与することができない。速硬性混和材の更に好ましい混和量は、20〜70質量部である。
(繊維の投入・混合工程)
本発明の繊維の投入・混合工程は、トラックアジテータのドラム内へ繊維が投入され、ドラムの回転によって混合される工程である。第一に凝結遅延剤が投入・混合され、第二に速硬性混和材が投入・混合され、十分に混練されたコンクリート混練物は、ベースコンクリートに比して、より高いコンシステンシーが確保されている。このコンクリート混練物に、繊維が投入、混合されることによって、均一に繊維が分散したコンクリート混練物が得られ、結果として目標とするスランプ値が確保された品質の良い繊維入速硬コンクリートを得ることができる。
なお、ベースコンクリートのスランプ値が大きい場合は、繊維の投入・混合工程を先に行うことも可能であるが、スランプ値が小さくなるほど繊維入速硬コンクリートのスランプ値の低下(ベースコンクリートとの差異)は大きくなる。ベースコンクリートのスランプ値が12cm以下の場合は、最後に速硬性混和材を投入すると、均質な混合が行えなくなる。
混合時間は1分〜10分が好ましく、またドラムの回転速度は5〜20r.p.m.が好ましい。混合時間が1分未満の場合には、繊維とコンクリートの混合が不十分であり均質なコンクリート混練物が得られず、逆に10分を越えて長すぎた場合、繊維入速硬コンクリートの打設可能な時間が短くなり、また経済的ではない。一方、ドラムの回転数が5r.p.m.未満の場合は繊維とコンクリートの混合が十分に行われず、逆に20r.p.m.を超えた場合は、遠心力によりドラム内のコンクリート混練物がドラムの内壁からスムーズに落下せず、効率のよい混合が行えない。
本発明において使用される繊維としては、鋼繊維等の金属繊維、ロックウール、鉱物繊維等の無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン繊維又はビニロン繊維等の有機繊維などが挙げられる。これら一種又は二種以上を用いることができる。
繊維の繊維長は60mm以下であることが好ましい。繊維長が60mmを超える繊維の場合はトラックアジテータによる混合では十分に均質な混合が行えず、品質のよい繊維入速硬コンクリートを得ることができない。特に好ましくは10〜50mmである。
繊維の添加量(混入率)は、コンクリート体積中0.01〜3.0体積%が好ましい。混入率が0.01体積%未満では、繊維補強による効果が得られず、逆に、3.0体積%を超えた場合は、トラックアジテータによる混合では十分に均質な混合が行えず、品質のよい繊維入速硬コンクリートが得られず、また経済的でもない。特に好ましくは、0.1〜2.0体積%である。
本発明の製造方法によって製造される繊維入速硬コンクリートは、良好な可使時間、早期強度発現性を有する。具体的には、速硬性混和材料添加後の可使時間は20分以上であり、かつ材齢6時間で20N/mm以上の圧縮強度が発現する繊維入速硬コンクリートが得られる。
(繊維入速硬コンクリートの排出、特性評価)
トラックアジテータのドラム内で、凝結遅延剤、速硬性混和材及び繊維が混合され製造された繊維入速硬コンクリートは、ドラム内から排出され、打設される。その際、コンクリートのコンシステンシー等諸特性が評価される。本発明の製造方法によれば、ベースコンクリートのスランプ値と差異が小さい繊維入速硬コンクリートが得られる。実際に得られる繊維入速硬コンクリートのスランプ値は、ベースコンクリートのスランプ値に対して概ね±2cm以内に収められる。
以下、更に具体的な実施例および比較例を挙げて説明する。但し、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
*使用材料
(1)ベースコンクリート
(A)生コン 30‐6‐20N (C=350kg/m);スランプ値6cm
(B)JIS生コン 30‐8‐20N (C=350kg/m);スランプ値8cm
(C)JIS生コン 30‐12‐20N(C=350kg/m);スランプ値12cm
(D)JIS生コン 30‐15‐20N(C=350kg/m);スランプ値15cm
(E)JIS生コン 30‐18‐20N(C=350kg/m);スランプ値18cm
(F)JIS生コン 30‐21‐20N(C=350kg/m);スランプ値21cm
ここで、Cは単位セメント量
(2)凝結遅延剤:クエン酸系遅延剤、水溶液として添加
(3)粉体状速硬性混和材:カルシウムアルミネート系急硬材(硫酸塩及び0.27質量%のポリカルボン酸系セメント分散剤を含む。)
(4)繊維a:ポリプロピレン系繊維バルチップMK(萩原工業(株)社製;繊維長30mm)
(5)繊維b:ポリプロピレン系繊維バルリンク(萩原工業(株)社製;繊維長12mm)
*トラックアジテータ:ドラム容量8.9m、最大混合容量4.5m
上記組成物や装置が用いられ、図1に示される工程に沿って製造が行われた。各実施例について、以下に詳しく記す。
(実施例1)
ベースコンクリートとして、JIS生コン(C)2mがコンクリート製造プラントで製造され、コンクリート打設現場まで、トラックアジテータで輸送された。現場到着後、ベースコンクリートのスランプ値(JIS A 1101)及び空気量(JIS A 1128)が測定された。コンクリート打設現場で、まず、凝結遅延剤10kg(セメントと速硬性混和材の合計100質量部に対して固形分換算で0.1質量部)がトラックアジテータのドラム内に投入され、混合された。次に、速硬性混和材300kg(セメント100質量部に対して42.9質量部)がトラックアジテータのドラム内に投入され、混合された。最後に、繊維a23.1kg(繊維混入率:1.27体積%)がトラックアジテータのドラム内に投入され、混合された。混合後、ドラムから排出された繊維入速硬コンクリートのスランプ値及び空気量が測定された。さらに、その後の可使時間、材齢6時間及び1日の圧縮強度が測定された。
それぞれの材料の添加量、トラックアジテータによる混合条件、並びに製造された繊維入速硬コンクリートの試験結果は図2に示すとおりである。
(実施例2)
ベースコンクリートとして、JIS生コン(B)が使用される以外は、実施例1と同様にして繊維入速硬コンクリートが製造された。製造条件、並びに試験結果を図2に示す。
(実施例3)
ベースコンクリートとして、JIS生コン(D)が使用される以外は、実施例1と同様にして繊維入速硬コンクリートが製造された。製造条件、並びに試験結果を図2に示す。
(実施例4)
ベースコンクリートとして、JIS生コン(E)が使用される以外は、実施例1と同様にして繊維入速硬コンクリートが製造された。製造条件、並びに試験結果を図2に示す。
(実施例5)
繊維として、繊維bを使用する以外は、実施例1と同様にして繊維入速硬コンクリートが製造された。製造条件、並びに試験結果を図2に示す。
(実施例6)
ベースコンクリートとして、JIS生コン(E)がコンクリート製造プラントで製造され、コンクリート打設現場まで、トラックアジテータで搬送された。コンクリート打設現場で、まず、凝結遅延剤がトラックアジテータのドラム内に投入された。次に、繊維がトラックアジテータのドラム内に投入され、混合された。最後に速硬性混和材がトラックアジテータのドラム内に投入され、混合された。製造条件、並びに試験結果を図2に示す。
(比較例1)
ベースコンクリートとして、生コン(A)が使用される以外は、実施例1と同様にして繊維入速硬コンクリートが製造された。製造条件、並びに試験結果を図3に示す。
(比較例2)
ベースコンクリートとして、JIS生コン(F)が使用される以外は、実施例1と同様にして繊維入速硬コンクリートが製造された。製造条件、並びに試験結果を図3に示す。
(比較例3)
ベースコンクリートとして、JIS生コン(C)がコンクリート製造プラントで製造され、コンクリート打設現場まで、トラックアジテータで搬送された。コンクリート打設現場で、凝結遅延剤の投入・工程を行わずに、速硬性混和材がトラックアジテータのドラム内に投入され、混合された。次に、繊維がトラックアジテータのドラム内に投入され、混合された。製造条件、並びに試験結果を図3に示す。
図2及び3の試験結果より、次のことがわかる。
すなわち、実施例と比較例1、2との対比からわかるとおり、ベースコンクリートのスランプ値が8cmから18cmの範囲で、ベースコンクリートとスランプ値の差異が2cm以内に収められた、良好な特性を示す繊維入速硬コンクリートを得ることができる。
一方、凝結遅延剤の混合工程がない場合(比較例3)には、十分な可使時間を確保することができず、材齢6時間での強度発現性も実施例に比較してよくない。このため所望する繊維入速硬コンクリートを得ることができない。
1 トラックアジテータ
2 ドラム
3 ホッパ
4 シュート

Claims (7)

  1. ベースコンクリートが投入されているトラックアジテータのドラム内に、凝結遅延剤、速硬性混和材及び繊維を、それぞれ別々に投入し、ドラムの回転により混合する繊維入速硬コンクリートの製造方法であって、
    コンクリート製造プラントにおいて、8〜18cmのスランプ値を有するベースコンクリートを製造し、トラックアジテータのドラム内に投入する工程と、
    コンクリート打設現場において、第一に凝結遅延剤をトラックアジテータのドラム内に投入し混合する工程と、
    第二に速硬性混和材をトラックアジテータのドラム内に投入し混合する工程と、
    第三に繊維をトラックアジテータのドラムに投入し混合する工程とを具備することを特徴とする繊維入速硬コンクリートの製造方法。
  2. 前記繊維の混入率が、コンクリート体積中0.01〜3.0体積%であることを特徴とする請求項に記載の繊維入速硬コンクリートの製造方法。
  3. 前記繊維が、繊維長60mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維入速硬コンクリートの製造方法。
  4. 前記速硬性混和材は、カルシウムアルミネート類を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の繊維入速硬コンクリートの製造方法。
  5. 前記速硬性混和材は粉体状であり、かつ粉体状分散剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維入速硬コンクリートの製造方法。
  6. 繊維入速硬コンクリートのスランプ値とベースコンクリートのスランプ値との差異が2cm以内であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維入速硬コンクリートの製造方法。
  7. 速硬性混和材混合後の可使時間が20分以上であり、かつ材齢6時間で20N/mm以上の圧縮強度が発現することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維入速硬コンクリートの製造方法
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