JP2010285408A - 3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡便にかつ工業的に3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する方法を提供する。
【解決手段】 3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルと硫黄イリド化合物とを反応させることを特徴とする3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法。
本発明により、簡便にかつ工業的に3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池の大容量化を目的に、電極反応に直接寄与する電極活物質としてラジカル化合物を利用した種々の二次電池が提案されている。ラジカル化合物としては、例えば、ピロリン骨格を有する高分子化合物が提案されている(特許文献1参照)。
ピロリン骨格を有する高分子化合物は、例えば、ピロリン骨格を有する単量体を重合することにより得られる。ピロリン骨格を有する単量体としては、例えば、重合性官能基として、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、エポキシ基等を有する化合物が検討されている。重合性官能基としてエポキシ基を有するピロリン骨格を有する単量体としては、例えば、3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルが提案されている。
3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法としては、下記式に示すような方法が提案されている(非特許文献1参照)。具体的には、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを水酸化ナトリウム等により加水分解して3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、次に、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、塩化チオニルを用い3−カルボニルクロライド−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、次に、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、水素化リチウムアルミニウムトリ−tert−ブトキシド等を用いてこれを還元することにより3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、さらにトリメチルスルホニウムヨージド等を用いてこれを環化することにより3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造することができる。
Figure 2010285408
特開2002−304996号公報
Tetrahedron Letters,43(4),553−555(2002)
非特許文献1に記載の3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルから、3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する方法によると、エポキシ化剤としてトリメチルスルホニウムヨージドを使用する場合、湿気等の水分により活性が低下するため、禁水雰囲気下にする必要があり、反応を制御するのが難しくなる場合がある。また、トリメチルスルホニウムヨージドは当該反応後にジメチルスルフィドとなり、これは悪臭防止法において特定悪臭物質に指定されており、十分な防臭対策を施す必要がある等、装置や設備が複雑になり、高度の反応操作が求められる場合がある。そこで、大量生産に適した製造方法の提案が望まれていた。
本発明は、簡便にかつ工業的に3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、式(1):
Figure 2010285408
で表される3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルと式(2):
Figure 2010285408
(式中、Rは、炭素数5〜18のアルキル基を示す。)で表される硫黄イリド化合物とを反応させることを特徴とする式(3):
Figure 2010285408
で表される3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法に関する。
本発明によると、簡便にかつ工業的に3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する方法を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、式(1)で表される化合物である。
Figure 2010285408
前記3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、例えば、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを水酸化ナトリウム等により加水分解して3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、次に、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、塩化チオニルを用い3−カルボニルクロライド−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、次に、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、水素化リチウムアルミニウムトリ−tert−ブトキシド等を用いてこれを還元することにより製造することができる(非特許文献1参照)。
本発明にかかる3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法は、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルと、硫黄イリド化合物とを反応させることを特徴とする。
本発明に用いられる硫黄イリド化合物は、式(2)で表される化合物である。
Figure 2010285408
式(2)において、Rは、炭素数5〜18のアルキル基を示す。
炭素数5〜18のアルキル基としては、例えば、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。これらの炭素数5〜18のアルキル基の中でも、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとの反応性の観点から、ノニル基、および、ドデシル基であることが好ましい。
前記硫黄イリド化合物は、例えば、炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物とメチル化剤とを反応させることにより製造することができる。
前記炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物としては、特に限定されないが、例えば、ペンチルメチルスルフィド、ヘキシルメチルスルフィド、ヘプチルメチルスルフィド、オクチルメチルスルフィド、ノニルメチルスルフィド、デシルメチルスルフィド、ドデシルメチルスルフィド、ヘキサデシルメチルスルフィド、オクタデシルメチルスルフィド等が挙げられる。これらの炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物の中でも、得られる硫黄イリド化合物の反応性や、スルフィド化合物の臭気、入手し易さ等の観点から、ノニルメチルスルフィド、および、ドデシルメチルスルフィドが好適に用いられる。
これらの炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物は、公知の方法に従い製造することができる。炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物を製造する方法としては、例えば、炭素数が5〜18のハロゲン化アルキルと、ナトリウムメタンチオラートとを反応させる方法が挙げられる。
本発明において、前記硫黄イリド化合物として、炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物とメチル化剤とを反応させたものを用いる場合、炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物の使用割合は、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1モルに対して、1〜10モルの割合であることが好ましく、1〜5モルの割合であることがより好ましい。炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物の使用割合が1モル未満の場合、得られる3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの収率が低下するおそれがある。また、炭素数が5〜18のアルキル基を有するスルフィド化合物の使用割合が10モルを超える場合、使用割合に見合う効果がなく、経済的でなくなるおそれがある。
前記メチル化剤としては、特に限定されないが、例えば、硫酸ジメチル;臭素化メタン、よう素化メタン等のハロゲン化メタン等が挙げられる。これらのメチル化剤の中でも、入手の容易さ等の観点から、硫酸ジメチルが好適に用いられる。また、これらのメチル化剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記メチル化剤の使用割合は、前記スルフィド化合物1モルに対して、1〜10モルの割合であることが好ましく、1〜5モルの割合であることがより好ましい。メチル化剤の使用割合が1モル未満の場合、得られる硫黄イリド化合物の収率が低下するおそれがある。また、メチル化剤の使用割合が10モルを超える場合、使用割合に見合う効果がなく、経済的でなくなるおそれがある。
硫黄イリド化合物を製造する際、当該反応を円滑に進行させる観点から、溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、反応を阻害する溶媒でなければ特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これらの溶媒の中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が好適に用いられる。また、これらの溶媒は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、硫黄イリド化合物は、反応性が高く不安定な化合物であるため、例えば、前記溶媒を含んだ溶液のまま反応に使用することが好ましい。
3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルと、硫黄イリド化合物とを反応させる方法(以下、「エポキシ化反応」と表記する場合がある)としては、特に限定されず、例えば、前記したようにスルフィド化合物とメチル化剤とを反応させ硫黄イリド化合物を製造した後、アルカリ試薬を加え、さらに、必要に応じて反応溶媒を加えた後、攪拌下に3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを添加して反応させる方法が挙げられる。
アルカリ試薬としては、当該反応の進行を阻害するものでなければ特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化物等が挙げられる。これらのアルカリ試薬の中でも、安価で容易に入手できる観点から、水酸化ナトリウム、および、水酸化カリウムが好適に用いられる。また、これらのアルカリ試薬は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ試薬の使用割合は、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1モルに対して、1〜10モルの割合であることが好ましく、1〜5モルの割合であることがより好ましい。アルカリ試薬の使用割合が1モル未満の場合、得られる3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの収率が低下するおそれがある。また、アルカリ試薬の使用割合が10モルを超える場合、使用割合に見合う効果がなく、経済的でなくなるおそれがある。
本発明にかかるエポキシ化反応において、反応を円滑に進行させる観点から、反応溶媒を用いることが好ましい。エポキシ化反応溶媒としては、反応の進行を阻害する溶媒でなければ特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これらのエポキシ化反応溶媒の中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が好適に用いられる。また、これらのエポキシ化反応溶媒は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化反応溶媒の使用量は、反応を円滑に進行させる観点および使用量に見合うだけの効果を得る観点から、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル100質量部に対して100〜5000質量部であることが好ましく、300〜4000質量部であることがより好ましい。
反応温度としては、特に制限はないが、反応を円滑に進行させる観点から、25〜100℃であることが好ましく、25〜80℃であることがより好ましい。
3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを添加させながら反応させる時間としては、特に制限はないが、通常、0.5〜10時間であることが好ましく、0.5〜5時間であることがより好ましい。また、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを添加終了後、前記反応温度にて、さらに1〜10時間保持して反応を完結させることが好ましい。
かくして得られる下記式(3)で表される3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、例えば、必要によりろ過や遠心分離により不要物を除去した後、濃縮、乾燥を行うことにより、単離することができる。
Figure 2010285408
以下に、製造例、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[製造例1]
(3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、および、流量計を備えた100mL容の4つ口丸底フラスコに、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1.17g、および、10質量%水酸化ナトリウム水溶液16.8mLを仕込み、懸濁させ、100℃にて2時間保持した。その後、適量の希塩酸を加えて中和し、黄色溶液を得た。これにジエチルエーテル50mLを加えて抽出した後、濃縮することにより、黄色結晶の3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1.12gを得た。
得られた3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、下記の物性を有することから同定することができた。
IR(KBr):3300,2500,1707cm−1
分子量(大気圧イオン化法による質量分析):184
得られた3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1gを、撹拌機、アルゴンガス導入管、温度計および還流冷却管を備え、あらかじめアルゴンガスで置換した100mL容の4つ口丸底フラスコに仕込み、ベンゼン12mL/ピリジン0.44mLの混合溶媒を加えて溶解させた。次に、アルゴン雰囲気下、5℃に冷却し、塩化チオニル0.44mL/ベンゼン2mLを加え、1時間撹拌した後、溶媒を留去し、THF10mLを加えて溶解させた。その後、−78℃に冷却し、同温度で1mol/L水素化リチウムアルミニウム−tert−ブトキシドTHF溶液10mLを2時間かけて滴下した。次いで、酢酸エチル50mLを用いて抽出した後、濃縮することにより、黄色結晶の3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル0.44gを得た。
得られた3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、下記の物性を有することから同定することができた。
IR(KBr):2834,2736,1688cm−1
分子量(大気圧イオン化法による質量分析):168
[製造例2](ドデシルメチルスルフィドの製造)
撹拌機、温度計、滴下ロート、および、窒素ガス封入管を備え、あらかじめ窒素ガスで置換した300mLの四つ口丸底フラスコに、ドデシルクロライド(東京化成工業株式会社製)6.1g(29.8ミリモル)とテトラブチルアンモニウムブロマイド(和光純薬工業株式会社製)0.5g(1.5ミリモル)を仕込んだ。
反応溶液を80℃に昇温した後、攪拌下、滴下ロートを用いて、ナトリウムメタンチオラート(和光純薬工業株式会社製)2.5g(35.8ミリモル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応溶液を同温度に保持しながら、6時間反応を行った。
反応終了後、水2.5gを加え、さらに3.6質量%の塩酸水溶液を用いて反応溶液のpHを2以下に調整した後、分液により油層を回収した。次いで、油層を蒸留することにより、ドデシルメチルスルフィドを6.4g(29.6ミリモル)得た。
[製造例3](ノニルメチルスルフィドの製造)
製造例2において、ドデシルクロライド(東京化成工業株式会社製)6.1g(29.8ミリモル)に代えて、ノニルクロライド(東京化成工業株式会社製)4.8g(29.8ミリモル)を用いた以外は、製造例2と同様にして、ノニルメチルスルフィド5.1g(29.0ミリモル)を得た。
[実施例1]
〔硫黄イリド化合物の製造〕
撹拌機、温度計、滴下ロート、および、窒素ガス封入管を備え、あらかじめ窒素ガスで置換した300mLの四つ口丸底フラスコに、製造例2と同様の方法にて得たドデシルメチルスルフィド6.2g(28.9ミリモル)、および、トルエン21.6g(25mL)を仕込んだ。これを100℃に昇温した後、攪拌下、トルエン8.6g(10mL)に
硫酸ジメチル(和光純薬工業株式会社製)3.64gを溶解させた溶液全量を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応溶液を同温度に保持しながら、2時間反応を行うことにより、硫黄イリド化合物を含む溶液40.0gを得た。
〔エポキシ化反応〕
前記硫黄イリド化合物を含む溶液を50℃まで冷却し、これに20質量%水酸化ナトリウム水溶液5.8g(29ミリモル)を添加し、攪拌下、トルエン65.0g(74mL)に製造例1と同様の方法にて得た3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル4.8g(28.6ミリモル)を溶解させた溶液全量を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応溶液を同温度に保持しながら、2時間反応を行った。
反応終了後、反応溶液をろ過して残査を分離し、残査を水および酢酸エチルをそれぞれ用いて洗浄を3回行った後、ろ液を回収した。得られたろ液を、エヴァポレーターを用いて30℃で減圧濃縮した。
得られた濃縮物を、ジエチルエーテル/n−ヘキサン混合液(容積比:5/5)50mLに溶解させた。次に、シリカゲル(関東化学株式会社製、シリカゲル60、63―210μm)300mLをジエチルエーテル/n−ヘキサン混合液(容積比:5/5)1.2Lに懸濁させて充填した1Lカラムに、前記溶解液を通液して精製することにより、3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル2.78g(15.3ミリモル、反応率53%)を得た。
得られた3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、質量分析による分子量が182であることから同定することができた。
[実施例2]
実施例1において、製造例2と同様の方法にて得たドデシルメチルスルフィド6.2g(28.9ミリモル)に代えて、製造例3と同様の方法にて得たノニルメチルスルフィド5.0g(28.9ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様にして、3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル2.78g2.5g(13.7ミリモル、反応率48%)を得た。
得られた3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、質量分析による分子量が182であることから同定することができた。

Claims (2)

  1. 式(1):
    Figure 2010285408
    で表される3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルと式(2):
    Figure 2010285408
    (式中、Rは、炭素数5〜18のアルキル基を示す。)で表される硫黄イリド化合物とを反応させることを特徴とする式(3):
    Figure 2010285408
    で表される3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法。
  2. 式(2)中のRで示される炭素数5〜18のアルキル基が、ノニル基またはドデシル基である、請求項1に記載の3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法。
JP2009142149A 2009-06-15 2009-06-15 3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法 Pending JP2010285408A (ja)

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