JP5581012B2 - 3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法 - Google Patents

3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法 Download PDF

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本発明は、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池の大容量化を目的に、電極反応に直接寄与する電極活物質としてラジカル化合物を利用した種々の二次電池が提案されている。ラジカル化合物としては、例えば、ピロリン骨格を有する高分子化合物が提案されている(特許文献1参照)。
ピロリン骨格を有する高分子化合物は、例えば、ピロリン骨格を有する単量体を重合することにより得られる。ピロリン骨格を有する単量体としては、例えば、重合性官能基として、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、エポキシ基等を有する化合物が検討されている。重合性官能基としてエポキシ基を有するピロリン骨格を有する単量体としては、例えば、3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルが提案されている。
3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法としては、下記式に示すような方法が提案されている(非特許文献1参照)。具体的には、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを水酸化ナトリウム等により加水分解して3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、次に、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、塩化チオニルを用い3−カルボニルクロライド−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、次に、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、水素化リチウムアルミニウムトリ−tert−ブトキシド等を用いてこれを還元することにより3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、さらにトリメチルスルホニウムヨージド等を用いてこれを環化することにより3−オキシラニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造することができる。
Figure 0005581012
特開2002−304996号公報
Tetrahedron Letters,43(4),553−555(2002)
非特許文献1に記載の3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルから、3−カルボニルクロライド−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを経て、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する方法によると、3−カルボニルクロライド−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する際に、塩化チオニルを使用するため、反応系内をアルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下だけでなく禁水雰囲気下にする必要があり、反応を制御するのが難しくなる場合がある。また、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する際に、3−ヒドロキシメチル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル等が副成されるのを抑制するため、例えばドライアイス−メタノール等を用いて−70℃以下の低温で長時間かけて反応を行う必要があり、反応を制御するのが難しくなる場合がある。
本発明は、簡便にかつ工業的に3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、式(1):
Figure 0005581012
で表される3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを炭素数1〜6のアルコールと反応させて得られた式(2):
Figure 0005581012
(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)で表される3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを、−60〜0℃で還元剤と反応させ、前記還元剤が、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化リチウムトリ−tert−ブトキシアルミニウム、および、水素化ジイソブチルアルミニウムリチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする式(3):
Figure 0005581012
で表される3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法に関する。
本発明によると、簡便にかつ工業的に3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する方法を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明にかかる3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法は、3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを炭素数1〜6のアルコールと反応させて3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、次に、これを還元剤と反応させることを特徴とする。
まず、3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを炭素数1〜6のアルコールと反応させる方法(以下、「エステル化反応」と表記する場合がある)について説明する。
本発明にかかる3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルをエステル化反応させる方法としては、特に限定されず、例えば、酸触媒存在下で炭素数1〜6のアルコールと反応させる方法が挙げられる。より具体的には、3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル、炭素数1〜6のアルコール、および、必要により反応溶媒を混合した後、撹拌下で酸触媒を添加しながら反応させる方法が挙げられる。
3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、式(1)で表される化合物である。
Figure 0005581012
前記3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、例えば、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを水酸化ナトリウム等により加水分解することにより製造することができる(非特許文献1参照)。
炭素数1〜6のアルコールとしては、特に限定されず、後述の3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造する工程において、エステル化反応により得られた3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの還元反応が進みやすい観点、また、安価で入手が容易である観点から、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、および、3−ヘキサノール等が挙げられる。これらの炭素数1〜6のアルコールの中でも、安価で入手が容易である観点から、メタノール、エタノール、および、1−プロパノールが好適に用いられる。また、これらの炭素数1〜6のアルコールは、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素数1〜6のアルコールの使用割合は、3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1モルに対して、1〜10モルの割合であることが好ましく、1〜8モルの割合であることがより好ましい。炭素数1〜6のアルコールの使用割合が1モル未満の場合、得られる3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの収率が低下するおそれがある。また、炭素数1〜6のアルコールの使用割合が10モルを超える場合、使用割合に見合う効果がなく、経済的でなくなるおそれがある。ただし、後述のエステル化の反応溶媒として炭素数1〜6のアルコールを使用する場合、前記の好ましい割合の上限は、10モルではなく、エステル化反応溶媒の使用量が好ましい上限となる。
酸触媒としては、特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、塩化チオニル等が挙げられる。これらの酸触媒の中でも、塩酸、硫酸、および、塩化チオニルが好適に用いられる。また、これらの酸触媒は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸触媒の使用割合は、3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1モルに対して、0.001〜5.0モルの割合であることが好ましく、0.01〜2.0モルの割合であることがより好ましい。酸触媒の使用割合が0.001モル未満の場合、酸触媒を使用する効果が少なく、反応に時間がかかりすぎるおそれがある。また、酸触媒の使用割合が5.0モルを超える場合、使用割合に見合う効果がなく、経済的でなくなるおそれがある。
本発明にかかるエステル化反応においては、反応を円滑に進行させる観点から、反応溶媒を用いることが好ましい。エステル化反応溶媒としては、反応の進行を阻害する溶媒でなければ特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これらのエステル化反応溶媒の中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が好適に用いられる。なお、反応基質である前記炭素数1〜6のアルコールを、エステル化反応溶媒として用いてもよい。また、これらのエステル化反応溶媒は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エステル化反応溶媒の使用量は、反応を円滑に進行させる観点および使用量に見合うだけの効果を得る観点から、3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル100質量部に対して20〜5000質量部であることが好ましく、50〜3000質量部であることがより好ましい。
反応温度としては、特に制限はないが、反応を円滑に進行させる観点から、0〜120℃であることが好ましく、20〜100℃であることがより好ましい。
酸触媒を添加させながら反応させる時間としては、特に制限はないが、通常、0.1〜10時間であることが好ましく、0.1〜5時間であることがより好ましい。また、酸触媒を添加終了後、前記反応温度にて、さらに0.1〜5時間保持して反応を完結させることが好ましい。
かくして得られる3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、例えば、上記反応液から抽出、濃縮等を行うことにより、単離することができる。
前記3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、式(2)で表される化合物である。
Figure 0005581012
式(2)において、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基等が挙げられる。これらの炭素数1〜6のアルキル基の中でも、後述の還元反応が進みやすい観点から、メチル基、エチル基、および、n−プロピル基であることが好ましい。
次に、このようにして得られた3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを還元剤と反応させる方法(以下、「還元反応」と表記する場合がある)について説明する。
本発明にかかる3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを還元剤と反応させる方法としては、特に限定されず、例えば、3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル、反応溶媒、および、必要により触媒を混合した後、撹拌下で還元剤を添加しながら反応させる方法が挙げられる。
3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、上述の化合物である。なお、還元反応に用いられる3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、炭素数1〜6のアルキル基が1種単独の化合物であってもよいし、あるいは炭素数1〜6のアルキル基が異なる化合物の混合物であってもよい。
還元剤としては、特に限定されず、例えば、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化リチウムトリ−tert−ブトキシアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムリチウム等のアルミニウム化合物等が挙げられる。これらの還元剤の中でも、反応を円滑に進行させる観点から、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、および、水素化ジイソブチルアルミニウムリチウムが好適に用いられる。また、これらの還元剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
還元剤の使用割合は、3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1モルに対して、0.5〜10モルの割合であることが好ましく、0.9〜5モルの割合であることがより好ましい。還元剤の使用割合が0.5モル未満の場合、得られる3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの収率が低下するおそれがある。また、還元剤の使用割合が10モルを超える場合、使用割合に見合う効果がなく、経済的でなくなるおそれがある。
また、還元剤の還元力を調整する目的で、ジエチルアミン、モルホリン等のアミン類、tert−ブトキシナトリウム等を添加してもよい。
還元反応溶媒としては、反応の進行を阻害する溶媒でなければ特に限定されず、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。これらの還元反応溶媒の中でも、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が好適に用いられる。また、これらの還元反応溶媒は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
還元反応溶媒の使用量は、反応を円滑に進行させる観点から、3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル100質量部に対して、100〜5000質量部であることが好ましく、300〜4000質量部であることがより好ましい。
反応温度としては、特に制限はないが、反応を円滑に進行させる観点から、−80〜25℃であることが好ましく、−60〜0℃であることがより好ましい。
還元剤を添加させながら反応させる時間としては、特に制限はないが、通常、0.5〜10時間であることが好ましく、0.5〜3時間であることがより好ましい。また、還元剤を添加終了後、前記反応温度にて、さらに0.5〜10時間保持して反応を完結させることが好ましい。
かくして得られる下記式(3)で表される3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、例えば、必要によりろ過や遠心分離により不要物を除去した後、濃縮、乾燥を行うことにより、単離することができる。
Figure 0005581012
以下に、製造例、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[製造例1]
撹拌機、温度計、還流冷却管、および、流量計を備えた100mL容の4つ口丸底フラスコに、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1.17g、および、10質量%水酸化ナトリウム水溶液16.8mLを仕込み、懸濁させ、100℃にて2時間保持した。その後、適量の希塩酸を加えて中和し、黄色溶液を得た。これにジエチルエーテル50mLを加えて抽出した後、濃縮することにより、黄色結晶の3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1.12gを得た。
得られた3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、下記の物性を有することから同定することができた。
IR(KBr):3300,2500,1707cm−1
分子量(大気圧イオン化法による質量分析):184
[実施例1]
〔エステル化反応〕
撹拌機、温度計、還流型冷却管、および、滴下ロートを備えた300mL容の4つ口丸底フラスコに、製造例1と同様の方法にて得た3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル3.0g(16.3ミリモル)、および、メタノール2.61g(81.5ミリモル)を仕込んだ。反応溶液を80℃に保持しながら、攪拌下、滴下ロートを用いて、98質量%硫酸水溶液0.16g(1.6ミリモル)を1時間かけて滴下した。硫酸の滴下終了後、反応溶液を80℃に保持しながら、2時間反応させた。
反応終了後、反応溶液にトルエンを加えて抽出した後、濃縮し、3質量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、25℃で減圧乾燥することにより、3−メチルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル2.4g(12.1ミリモル)を得た。
得られた3−メチルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、質量分析による分子量が198であることから同定することができた。
〔還元反応〕
水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム溶液(和光純薬工業株式会社製、約70%トルエン溶液)2.45g(12.1ミリモル)、および、トルエン5gを、撹拌機、温度計、滴下ロート、および、窒素ガス導入管を備え、あらかじめ窒素ガスで置換した300mL容の4つ口丸底フラスコに仕込んだ。反応溶液を0℃に冷却した後、撹拌下、滴下ロートを用いて、モルホリン1.06g(12.1ミリモル)を1時間かけて滴下して、還元剤を含む溶液8.5gを得た。
前記エステル化反応により得られた3−メチルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル2.0g(10.1ミリモル)、および、トルエン20gを撹拌機、温度計、滴下ロート、および、窒素ガス導入管を備え、あらかじめ窒素ガスで置換した300mL容の4つ口丸底フラスコに仕込んだ。これを−40℃に冷却した後、撹拌下、滴下ロートを用いて、前記還元剤を含む溶液全量を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応溶液を−40℃に保持しながら、1時間反応を行った。
反応終了後、反応溶液をろ過して残査を分離し、残査を酢酸エチルで洗浄を3回行った後、ろ液を回収した。得られたろ液を、エヴァポレーターを用いて25℃で減圧濃縮した。
得られた濃縮物を、ジエチルエーテル/n−ヘキサン混合液(容積比:5/5)50mLに溶解させた。次に、シリカゲル(関東化学株式会社製、シリカゲル60、63―210μm)300mLをジエチルエーテル/n−ヘキサン混合液(容積比:5/5)1.2Lに懸濁させて充填した1Lカラムに、前記溶解液を通液して精製することにより、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1.1g(6.5ミリモル)を得た。
得られた3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、質量分析による分子量が168であることから同定することができた。
[実施例2]
実施例1の還元剤を含む溶液において、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム溶液(和光純薬工業株式会社製、約70%トルエン溶液)2.45g(12.1ミリモル)に代えて、水素化ジイソブチルアルミニウムリチウム(和光純薬工業株式会社製、トルエン溶液)6.73mL(10.1ミリモル)を使用し、モルホリン1.06g(12.1ミリモル)に代えて、tert−ブトキシナトリウム1.03g(10.7ミリモル)を加えて反応させて得た還元剤を含む溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1.0g(5.9ミリモル)を得た。
得られた3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、質量分析による分子量が168であることから同定することができた。

Claims (3)

  1. 式(1):
    Figure 0005581012
    で表される3−カルボキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを炭素数1〜6のアルコールと反応させて得られた式(2):
    Figure 0005581012
    (式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)で表される3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを、−60〜0℃で還元剤と反応させ、前記還元剤が、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化リチウムトリ−tert−ブトキシアルミニウム、および、水素化ジイソブチルアルミニウムリチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする式(3):
    Figure 0005581012
    で表される3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法。
  2. 炭素数1〜6のアルコールが、メタノール、エタノール、および、1−プロパノールからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載の3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法。
  3. 還元剤の使用割合が、3−アルキルエステル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1モルに対して、0.5〜10モルの割合である、請求項1または2に記載の3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルの製造方法。
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