JP4500983B2 - 6−アルコキシ−2−ナフタレンチオールおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光酸発生剤等の機能材料の原料や一般工業薬品の原料として有用な、新規なチオール化合物である、6‐アルコキシ‐2‐ナフタレンチオールの製造方法に関する。
ナフタレン骨格を有するスルホニウム塩は、光酸発生剤のオニウムとして有用である(例えば、特許文献1)。ナフタレン骨格を有するチオール化合物は、上記のスルホニウム塩原料となり得、また、その他のイオウ含有化合物の原料としても有用となることが期待される。
特開平10−232490号公報(特許請求の範囲)
本発明は、光酸発生剤として期待できるスルホニウム塩や他のイオウ含有化合物の原料として有用性の高い、ナフタレン骨格に直接−SH基が導入された、新規なチオール化合物の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意検討した結果、6−アルコキシ−2−ナフタレンチオールが、ナフタレン骨格に直接−SH基が導入されていることから光酸発生剤の原料として期待でき、また、当該化合物が、汎用の6−ナフトール−2−スルホン酸アルカリ金属塩を出発原料として、エーテル化、スルホニルクロライド化および還元の各工程を経ることにより、製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、当該化合物およびその中間体は新規な化合物である。
即ち、本発明は、下記一般式():

で表される6‐ナフトール‐2‐スルホン酸アルカリ金属塩を、塩基の存在下、ハロゲン化アルキルと反応させることにより、下記一般式(3):

で表される6‐アルコキシナフタレン‐2‐スルホン酸アルカリ金属塩を得、得られた6‐アルコキシナフタレン‐2‐スルホン酸アルカリ金属塩を、ビルスマイヤー反応に供することにより下記一般式(2):

で表される6‐アルコキシナフタレン‐2‐スルホニルクロライドを得、得られた6‐アルコキシナフタレン‐2‐スルホニルクロライドを還元剤を用いて還元することを特徴とする下記一般式(1):

で表される6‐アルコキシ‐2‐ナフタレンチオールの製造方法である(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を表し、Mはアルカリ金属を表す。)。
新規な6−アルコキシ−2−ナフタレンチオールは、ナフタレン骨格に直接−SH基が導入されていることから、スルホニウム塩に誘導すれば光酸発生剤としての使用が期待され、また、種々のイオウ含有化合物の原料としても有用となり得る。当該化合物は、汎用の6−ナフトール−2−スルホン酸アルカリ金属塩を出発原料にして、エーテル化、スルホニルクロライド化および還元の各工程を経ることにより、容易に製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式(1)〜(3)におけるRのアルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、直鎖でも分岐鎖でもよい。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−へプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。中でも、炭素数2〜6が特に好ましい。
上記一般式(3)〜(4)におけるMのアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。
本発明においては、6−アルコキシ−2−ナフタレンチオールは、以下に示す工程1〜3により製造される。
以下、各工程について説明する。
<工程1 6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩(3)の製造>
工程1では、上記一般式(4)の6−ナフトール−2−スルホン酸アルカリ金属塩を、塩基の存在下、ハロゲン化アルキルと反応させて、上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩を製造する(OH基のエーテル化)。
この工程で使用するハロゲン化アルキルとしては、そのアルキル部は所望のエーテル化に応じて適宜選択され、また、ヨウ化アルキル、臭化アルキル、塩化アルキル等が使用できるが、反応性が良好である点から、ヨウ化アルキル、臭化アルキルが好適に使用される。このハロゲン化アルキルの使用量は、上記一般式(4)の6−ナフトール−2−スルホン酸アルカリ金属塩1モルに対して、1.1〜1.8モルの範囲、特に1.2〜1.4モルが好ましい。
この工程で使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられるが、中でも、水酸化ナトリウムが好適に使用される。この塩基の使用量は、上記一般式(4)の6−ナフトール−2−スルホン酸アルカリ金属塩1モルに対して、1.0〜1.5モルの範囲、特に1.1〜1.2モルが好ましい。この塩基は、必要に応じて、以下の溶媒に予め溶解して使用してもよい。
この工程で使用する溶媒としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール等が挙げられるが、水が好適に使用される。この溶媒の使用量は、上記一般式(4)の6−ナフトール−2−スルホン酸アルカリ金属塩に対して、体積比で3〜7倍の範囲、特に4〜5倍が好ましい。
この工程の反応では、上記一般式(4)の6−ナフトール−2−スルホン酸アルカリ金属塩、ハロゲン化アルキルおよび溶媒の混合物中に、塩基を添加することが好ましく、また、この添加は室温で行うことが好ましい。
塩基の添加後、反応を進行させるために温度を上げるが、低温であると反応が進み難く、高温であると反応性は高くなるが不純物の副生が起き易くなることから、50〜90℃の範囲、特に70〜80℃で行うことが好ましい。また、反応時間は、短すぎると生成率が悪く、長時間行うと不純物の副生量が多くなることから、10〜18時間の範囲、特に13〜15時間が好ましい。
反応終了後、反応系を室温まで冷却し、結晶を濾取する。生成物の上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩は難水溶性のため、濾取した結晶に対して、体積比で4〜6倍の水で攪拌洗浄を行って、水溶性の不純物を除去することが好ましい。洗浄後、乾燥して、生成物である上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩を得る。
<工程2 6−アルコキシナフタレン−2−スルホニルクロライド(2)の製造>
工程2では、工程1で製造された上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩を、ビルスマイヤー反応に供して、上記一般式(2)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホニルクロライドを製造する(−SO3M基のスルホニルクロライド化)。ここで、上記のビルスマイヤー反応とは、上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩とビルスマイヤー錯体との反応をいう。
この工程で使用するビルスマイヤー錯体とは、基質となる、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のN,N−ジ置換アミド化合物と、塩化チオニル、オキシ塩化リン等の塩素化剤とから形成される錯体であり、これらの中でも、N,N−ジ置換アミド化合物としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが好適に使用され、塩素化剤としては、塩化チオニル、オキシ塩化リンが好適に使用される。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオニルを使用する場合、以下のようにビルスマイヤー錯体が形成されて、ビルスマイヤー反応が行われる。
このビルスマイヤー錯体の基質となるN,N−ジ置換アミド化合物の使用量は、上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩1モルに対して、0.1〜0.5モルの範囲、特に0.1〜0.3モルが好ましい。また、塩素化剤の使用量は、上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩1モルに対して、1.2〜2.0モルの範囲、特に1.3〜1.5モルが好ましい。
この工程で使用する溶媒としては、特に限定されないが、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が好適である。この溶媒の使用量は、上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩に対して、体積比で4〜12倍の範囲、特に6〜8倍が好ましい。
この工程の反応では、上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩、ビルスマイヤー錯体の基質となるN,N−ジ置換アミド化合物および溶媒の混合物中に、塩素化剤を添加することが好ましく、また、この添加は、20〜50℃の範囲、特に40〜45℃の範囲で、1〜2時間で連続滴下することが好ましい。
塩素化剤の添加後、反応を進行させるために温度を上げるが、低温であると反応が進み難く、高温であると反応性は高くなるが副生物が生成する可能性があることから、40〜60℃の範囲、特に50〜55℃の範囲が好ましい。また、反応時間は4〜5時間の範囲が好ましい。
反応終了後、反応系を室温まで冷却し、次いで、原料の上記一般式(3)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホン酸アルカリ金属塩に対して、質量比で通常1.5〜3倍の範囲、好ましくは1.5〜2倍の範囲の水で数回洗浄する。洗浄後、減圧下で濃縮するが、この時、アルカリ水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)のトラップに接続して、有機層に含まれている亜硫酸ガスが系外に放出されないようにする。
生成物を単離する際には、この減圧濃縮を、生成物の理論量に対して、質量比で1.0〜2.0倍の範囲となるまで行った後、飽和脂肪族系溶媒(好ましくはn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン)を、生成物の理論量に対して、体積比で4〜9倍の範囲で加えて晶析を行う。析出した結晶を濾取後、乾燥して、生成物である上記一般式(2)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホニルクロライドを得る。
なお、有機層に含まれている亜硫酸ガスを除去した後、生成物の単離を行わずに、有機層をそのまま次の工程3に供してもよい。その場合、必要に応じて、溶媒を追加してもよい。
<工程3 6−アルコキシ−2−ナフタレンチオール(1)の製造>
工程3では、工程2で製造された上記一般式(2)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホニルクロライドを、還元剤を用いて還元して、上記一般式(1)の6−アルコキシ−2−ナフタレンチオールを製造する(−SO2Cl基の還元)。
この工程で使用する還元剤としては、特に限定されないが、亜鉛と酸の組み合わせ、スズと酸の組み合わせ、塩化スズと酸の組み合わせ、リチウムアルミニウムハイドライド等が挙げられ、中でも、亜鉛と酸の組み合わせが好適に使用される。ここで、酸としては、塩酸、硫酸等が挙げられ、中でも塩酸が好適に使用される。
亜鉛の使用量は、上記一般式(2)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホニルクロライド1モルに対して、3〜7モルの範囲、特に5〜6モルが好ましい。また、塩酸としては濃塩酸を使用するのがよく、その使用量は、上記一般式(2)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホニルクロライド1モルに対して、12〜18モルの範囲、特に14〜15モルが好ましい。
この工程で使用する溶媒としては、特に限定されないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が好適である。この溶媒の使用量は、上記一般式(2)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホニルクロライドに対して、体積比で7〜12倍の範囲、特に9〜10倍が好ましい。なお、上記の工程2で生成物の単離を行わずに有機層のままこの工程3に供する場合は、必要に応じて、工程2で使用した溶媒と同じ溶媒を追加してもよい。
この工程の反応では、上記一般式(2)の6−アルコキシナフタレン−2−スルホニルクロライド、亜鉛および溶媒の混合物中に、塩酸を添加することが好ましく、また、この添加は、0〜30℃の範囲、特に0〜25℃の範囲で連続滴下することが好ましい。塩酸の添加後は、塩酸添加時の温度を4〜5時間そのまま維持して反応を進行させる。
反応終了後、水層と未反応の亜鉛を除去し、次いで、生成物の理論量に対して、質量比で通常1.5〜3倍の範囲、好ましくは1.5〜2倍の範囲の水で有機層を数回洗浄する。次いで、有機層を減圧濃縮し、飽和脂肪族系溶媒(好ましくはn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン)を、生成物の理論量に対して、体積比で7〜12倍の範囲、好ましくは7〜9倍加えて晶析を行う。析出した結晶を濾取後、乾燥して、生成物である上記一般式(1)の6−アルコキシ−2−ナフタレンチオールを得る。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<6−n−ブチルオキシナフタレン−2−スルホン酸ナトリウムの製造(工程1)>
10リットル4ッ口フラスコに、撹拌棒、ジムロート冷却管、温度計をセットし、6−ナフトール−2−スルホン酸ナトリウム800g(純度83.3%、他は水、2.71mol)、1−ブロモブタン482.0g(3.50mol)、純水3000gを入れ、緩やかに撹拌を開始し、系が均一に混ざるまで攪拌の回転数を上げた。
次に、48%水酸化ナトリウム水溶液248.0g(2.98mol)を系内のスラリー性に注意しながら添加した。予め用意しておいた油浴を87℃に設定し、内温を還流温度80℃まで上げた。系内の還流に伴い泡立ちが激しく起きるので油浴の温度を調整(85〜87℃)し、13時間還流下反応を行った。
次に、内温を1時間かけて室温まで冷却した後、ヌッチェを用いて濾過(ケーク洗浄純水=4600g)し、ケーク802.0gを得た。これを再度10リットル4ッ口フラスコに仕込み、純水3200gを加えた後、撹拌棒、ジムロート冷却管、温度計をセットし、内温を80℃まで昇温した。80〜85℃で1時間攪拌を行い、その後、内温を1時間かけて室温まで冷却し、ヌッチェを用いて濾過し、6−n−ブチルオキシナフタレン−2−スルホン酸ナトリウムの湿体683.4gを得た。この湿体を50℃で減圧乾燥して、乾燥品551.1gを得た。収率=67.3%(理論収量=819.3g)。
1H−NMR(400MHz,d−DMSO) δppm
0.95(t,J=7.3Hz,3H,CH3),
1.43−1.52(m,2H),
1.72−1.79(m,2H),
4.08(t,J=6.6Hz,2H),
7.14(dd,J=9.0Hz,2.4Hz,1H),
7.28(d,J=2.4,1H),
7.63(dd,J=8.5Hz,1.7Hz,1H),
7.71(d,J=8.5Hz,1H),
7.84(d,J=9.0Hz,1H),
8.03(s,1H)。
IR(KBr錠剤法) νmax(cm-1
2957(m),2936(m),2873(m),1626(m),
1601(m),1471(m),1238(s),1219(m),
1190(s),1134(s),1109(s),1053(s),
860(s),820(m),680(s),681(m),
665(s),476(m)。
熱分析
吸熱ピーク 387.6℃
吸熱ピーク 412.7℃(重量減少38%)。
<6−n−ブチルオキシナフタレン−2−スルホニルクロライドの製造(工程2)>
10リットル4ッ口フラスコに、撹拌棒、ジムロート冷却管、温度計をセットし、6−n−ブチルオキシナフタレン−2−スルホン酸ナトリウム540.0g(1.79mol)、トルエン2700g、DMF26.0g(0.36mol)を加え、フラスコ内気相部を窒素ガスに置換後、攪拌を開始した。
次に、予め用意しておいた油浴を50℃に設定し、内温を40℃まで上げた後、排ガス吸収用10%水酸化ナトリウム水溶液トラップ(NaOH分76g、1.9mol、10%水溶液760g)をジムロートの排ガス部にゴム管を使って接続した。塩化チオニル318.9g(2.68mol)を内温40〜43℃範囲で滴下し、滴下終了後缶内温度をガスの発生に注意しながら50℃まで昇温し、内温50〜55℃で4時間攪拌を続けた。その後、内温を室温まで冷却した後、30℃以下で、純水966gを滴下して攪拌した後、静置分液を行った。再度純水970gを系内に仕込み有機層の洗浄を行った。
水層分液後、トルエン中に溶解している亜硫酸ガスを除去する目的で、内温を50℃に昇温した後、10%水酸化ナトリウム水溶液トラップを排ガスラインに接続し、トルエン925gを減圧留去した。留去後、内温を室温まで冷却し、留去量と同量のトルエンを添加し、トルエン溶液のまま、次の6−n−ブチルオキシ−2−ナフタレンチオールの製造(実施例3)の原料として使用した。
1H−NMR(400MHz,d−DMSO) δppm
0.95(t,J=7.3Hz,3H,CH3),
1.43−1.52(m,2H),
1.72−1.79(m,2H),
4.08(t,J=6.5Hz,2H),
7.14(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),
7.29(d,J=2.4,1H),
7.63(dd,J=8.5Hz,1.7Hz,1H),
7.72(d,J=8.8Hz,1H),
7.85(d,J=8.8Hz,1H),
8.04(s,1H)。
IR(KBr錠剤法) νmax(cm-1
2964(m),2943(m),2876(m),1618(s),
1504(m),1460(s),1391(s),1367(s),
1263(s),1221(m),1165(s),1124(m),
1069(m),1003(m),858(m),813(m),
750(s),654(s),581(s),523(s)。
熱分析
吸熱ピーク 86.5℃
発熱ピーク 270.8℃(重量減少72%)。
<6−n−ブチルオキシ−2−ナフタレンチオールの製造(工程3)>
10リットル4ッ口フラスコに、撹拌棒、ジムロート冷却管、温度計をセットし、実施例2で得られた6−n−ブチルオキシナフタレン−2−スルホニルクロライドのトルエン溶液全量を仕込み、更にトルエン881gを加え、全トルエン量が3670gになるように調整した。次いで、亜鉛パウダー584.0g(8.93mol)を加え、フラスコ内気相部を窒素ガスに置換後、攪拌を開始した。
次に、内温を10℃まで冷却した後、35%塩酸2605g(25.0mol)を内温10〜25℃範囲で約2時間かけて滴下した。滴下終了後、内温20〜25℃で4時間攪拌を続けた。
反応後、未反応亜鉛を除去後、分液を行った。有機層は更に純水950gで2回洗浄した。水洗浄後、乾固状態までトルエンを除去後、n−ヘプタン1700gを加え、一度内温を50℃まで昇温して完全に溶解した後、10℃まで3時間かけて冷却した。ヌッチェを用いて濾過し、6−n−ブチルオキシ−2−ナフタレンチオールの湿体412.0gを得た。この湿体を50℃で減圧乾燥を行い、乾燥品344.6gを得た。6−n−ブチルオキシナフタレン−2−スルホン酸ナトリウムからの収率=83.0%(理論収量=415g)。
1H−NMR(400MHz,d−DMSO) δppm
0.94(t,J=7.3Hz,3H,CH3),
1.41−1.51(m,2H),
1.70−1.77(m,2H),
4.04(t,J=6.5Hz,2H),
5.43(s,1H),
7.11(dd,J=9.0Hz,2.2Hz,1H),
7.24(d,J=2.2,1H),
7.34(dd,J=8.5Hz,1.7Hz,1H),
7.66(d,J=8.5Hz,1H),
7.68(d,J=8.1Hz,1H),
7.72(1d,J=1.2,1H)。
IR(KBr錠剤法) νmax(cm-1
2957(s),2936(s),2874(m),2556(w),
1626(m),1591(s),1497(s),1468(m),
1389(s),1259(s),1215(s),1169(s),
1069(m),1024(m),980(m),858(s),
822(s),653(w),475(s)。
熱分析
吸熱ピーク 69.2℃
吸熱ピーク 227.6℃(重量減少91%)。
新規な6−アルコキシ−2−ナフタレンチオールは、ナフタレン骨格に直接−SH基が導入されていることから、スルホニウム塩に誘導すれば光酸発生剤としての使用が期待され、また、種々のイオウ含有化合物の原料としても有用となり得る。当該化合物は、汎用の6−ナフトール−2−スルホン酸アルカリ金属塩を出発原料にして、エーテル化、スルホニルクロライド化および還元の各工程を経ることにより、容易に製造できるので、工業的な利用価値が大きい。

Claims (1)

  1. 下記一般式(4):

    で表される6‐ナフトール‐2‐スルホン酸アルカリ金属塩を、塩基の存在下、ハロゲン化アルキルと反応させることにより、下記一般式(3):

    で表される6‐アルコキシナフタレン‐2‐スルホン酸アルカリ金属塩を得、得られた6‐アルコキシナフタレン‐2‐スルホン酸アルカリ金属塩を、ビルスマイヤー反応に供することにより下記一般式(2):

    で表される6‐アルコキシナフタレン‐2‐スルホニルクロライドを得、得られた6‐アルコキシナフタレン‐2‐スルホニルクロライドを還元剤を用いて還元することを特徴とする下記一般式(1):

    で表される6‐アルコキシ‐2‐ナフタレンチオールの製造方法(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を表し、Mはアルカリ金属を表す。)。
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