JP2003055367A - 3−ホルミルフラン類の製造方法 - Google Patents
3−ホルミルフラン類の製造方法Info
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- JP2003055367A JP2003055367A JP2001246517A JP2001246517A JP2003055367A JP 2003055367 A JP2003055367 A JP 2003055367A JP 2001246517 A JP2001246517 A JP 2001246517A JP 2001246517 A JP2001246517 A JP 2001246517A JP 2003055367 A JP2003055367 A JP 2003055367A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 3−ホルミルフラン類を温和な条件下に収率
よく、工業的に有利に製造する方法を提供すること。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置
換基を有していてもよいアリール基または置換基を有し
ていてもよいアラルキル基を表し、R1、R2およびR
3は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシル基、アリー
ルオキシ基、アルキルチオ基、置換基を有していてもよ
いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基ま
たは置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
で示される3−フランカルボン酸エステルを、2級アミ
ンの存在下に水素化アルミニウム錯化合物で還元するこ
とを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
る。)で示される3−ホルミルフラン類の製造方法。
よく、工業的に有利に製造する方法を提供すること。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置
換基を有していてもよいアリール基または置換基を有し
ていてもよいアラルキル基を表し、R1、R2およびR
3は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシル基、アリー
ルオキシ基、アルキルチオ基、置換基を有していてもよ
いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基ま
たは置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
で示される3−フランカルボン酸エステルを、2級アミ
ンの存在下に水素化アルミニウム錯化合物で還元するこ
とを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
る。)で示される3−ホルミルフラン類の製造方法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は3−ホルミルフラン
類の製造方法に関する。本発明により製造される3−ホ
ルミルフラン類は、医薬、農薬などの合成原料、例えば
抗炎症剤N−[1−(3−フラニル)エチル]−N−ヒ
ドロキシ尿素の合成中間体として有用である(WO89
/4299号公報参照)。 【0002】 【従来の技術】フラン骨格を有する生理活性物質はこれ
までに数多く発見されている。これらの化合物の合成中
間体として有用な3−ホルミルフラン類の製造方法とし
ては、(1)3−ヨードフラン類をテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム触媒の存在下にオキソ化
する方法(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカ
ル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1
08巻、452頁、1986年)、(2)2,5−ジア
ルコキシ−3−ホルミルテトラヒドロフラン類を酸触媒
の存在下に加熱して脱アルコール化する方法(特開昭6
1−200936号公報参照)、(3)シス−2−ブテ
ン−1,4−ジオール類を原料として3工程を経て得ら
れる2,3−ジヒドロ−3−アルコキシ−4−ホルミル
フランを酸触媒の存在下に加熱して脱アルコール化する
方法(特開平8−231527号公報参照)が知られて
いる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の方法(1)は、
原料である3−ヨードフラン類の入手が困難である。ま
た、上記の方法(2)および(3)は、系内において生
成したフラン化合物が酸触媒の存在下に加熱されるた
め、フラン環の開環が生じやすく、高沸点化合物を副生
して収率が低下する傾向にある。 【0004】しかして、本発明の目的は、3−ホルミル
フラン類を温和な条件下に収率よく、工業的に有利に製
造し得る方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I) 【0006】 【化3】 【0007】(式中、Rは置換基を有していてもよいア
ルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または
置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R1、
R2およびR3は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
ル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、置換基を有
していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい
アリール基または置換基を有していてもよいアラルキル
基を表す。)で示される3−フランカルボン酸エステル
[以下、3−フランカルボン酸エステル(I)と略称す
る]を、2級アミンの存在下に水素化アルミニウム錯化
合物で還元することを特徴とする一般式(II) 【0008】 【化4】 【0009】(式中、R1、R2およびR3は前記定義
のとおりである。)で示される3−ホルミルフラン類
[以下、3−ホルミルフラン類(II)と略称する]の
製造方法である。 【0010】 【発明の実施の形態】上記一般式中、R、R1、R2お
よびR3が表すアルキル基としては、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など
の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が挙げられ
る。これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、
かかる置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;
tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−
ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオ
キシ基などが挙げられる。 【0011】R、R1、R2およびR3が表すアリール
基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げ
られる。これらのアリール基は置換基を有していてもよ
く、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアル
コキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ
基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの
三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェ
ニル基などのアリール基などが挙げられる。 【0012】R、R1、R2およびR3が表すアラルキ
ル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが
挙げられる。これらのアラルキル基は置換基を有してい
てもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの
アルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基など
の三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフ
ェニル基などのアリール基などが挙げられる。 【0013】R1、R2およびR3が表すアルコキシル
基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基などが挙げられ、アリールオキシ基と
しては、例えばフェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチ
ルオキシ基などが挙げられ、アルキルチオ基としては、
例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、
ブチルチオ基などが挙げられ、ハロゲン原子としては、
例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子な
どが挙げられる。 【0014】水素化アルミニウム錯化合物としては、例
えば水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アル
ミニウムナトリウムなどが挙げられる。これらの中で
も、入手および取扱いの容易さの観点から、水素化アル
ミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキ
シ)アルミニウムナトリウムを用いるのが特に好まし
い。水素化アルミニウム錯化合物の使用量は、3−フラ
ンカルボン酸エステル(I)に対して0.5〜10倍モ
ルの範囲であるのが好ましく、反応を円滑に進行させる
観点からは1〜2倍モルの範囲であるのがより好まし
い。 【0015】2級アミンとしては、例えばジメチルアミ
ン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルイソ
プロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、ジブ
チルアミン、ジイソブチルアミン、ジペンチルアミン、
メチルヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチル
アミン、N−プロピルシクロプロピルメチルアミン、N
−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキ
シルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、
ジシクロヘキシルアミン、N−メチルシクロデシルアミ
ン、ジベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、N
−イソプロピルベンジルアミン、N−ブチルベンジルア
ミン、N−ベンジルフェネチルアミン、ビス(2−メト
キシエチル)アミン、メチルアミノアセトアルデヒドジ
メチルアセタール、2−メチルアミノメチル−1,3−
ジオキソラン、N,N,N’−トリメチルエチレンジア
ミン、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピ
ルアミン)、N’−ベンジル−N,N−ジメチルエチレ
ンジアミンなどの鎖状の脂肪族2級アミン;2−メチル
アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロリン、ピペ
リジン、ピペコリン、ジメチルピペリジン、1−ピペロ
ニルピペリジン、4−ベンジルピペリジン、4−フェニ
ルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、ヘキサメチ
レンイミン、ヘプタメチレンイミン、2−メチル−2−
イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、1−
メチルピペラジン、1−フェニルピペラジン、1−(2
−ピリジル)ピペラジン、1−(4−フルオロフェニ
ル)ピペラジン、1−ベンジルピペラジン、1−メトキ
シフェニルピペラジン、3−アザビシクロ[3.2.
2]ノナン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジ
ン、インドリン、2−メチルインドリン、2,3−ジメ
チルインドリン、パーヒドロインドール、1,2,3,
4−テトラヒドロキノリン、デカヒドロキノリン、1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、イミノジベン
ジル、フェノキサジン、フェノチアジンなどの環状の脂
肪族2級アミン;N−メチルアニリン、N−エチルアニ
リン、N−プロピルアニリン、ジフェニルアミン、フェ
ニルベンジルアミン、N−ブチルベンジルアミン、N−
エチルトルイジン、3−メトキシジフェニルアミン、N
−フェニル−2−ナフチルアミン、2−メチルアミノピ
リジン、2−アニリノピリジン、2−ベンジルアミノピ
リジンなどの芳香族2級アミンなどが挙げられる。これ
らの中でも、反応を円滑に進行させる観点からは、モル
ホリン、1−メチルピペラジンを用いるのが特に好まし
い。 【0016】2級アミンの使用量は、使用する水素化ア
ルミニウム錯化合物の種類によって異なるが、該水素化
アルミニウム錯化合物が保有する水素原子に対して0.
5〜1.5モル少ないモルの範囲であるのが好ましく、
0.8〜1.2モル少ないモルの範囲であるのがより好
ましい。例えば、水素化アルミニウム錯化合物として水
素化アルミニウムリチウムを用いる場合、水素化アルミ
ニウムリチウムはその1分子あたり4個の水素原子を保
有しているので、2級アミンを水素化アルミニウムリチ
ウム1モルに対して2.5〜3.5モルの範囲で用いる
のが好ましく、また、水素化アルミニウム錯化合物とし
て水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナ
トリウムを用いる場合、水素化ビス(2−メトキシエト
キシ)アルミニウムナトリウムはその1分子あたり2個
の水素原子を保有しているので、2級アミンを水素化ビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム1
モルに対して0.5〜1.5モルの範囲で用いるのが好
ましい。 【0017】反応は、溶媒の存在下に行うのが好まし
い。使用できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない
限り特に制限はなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族炭
化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイ
ソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジブチルエー
テルなどのエーテル;またはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。溶媒の使用量は、3−フランカルボン酸エス
テル(I)に対して0.1〜200倍重量の範囲である
のが好ましく、反応を円滑に進行させる観点からは1〜
20倍重量の範囲であるのがより好ましい。 【0018】反応温度は、−70℃から使用する溶媒の
沸点の範囲であるのが好ましく、反応を円滑に進行させ
る観点からは−30〜30℃の範囲であるのがより好ま
しい。 【0019】反応は、水素化アルミニウム錯化合物を溶
媒に溶解させて得られた溶液に2級アミンを滴下して得
られた混合液を、3−フランカルボン酸エステル(I)
を溶媒に溶解させて得られた溶液に所定温度で添加する
か、または水素化アルミニウム錯化合物を溶媒に溶解さ
せて得られた溶液に2級アミンを滴下して得られる混合
液に、3−フランカルボン酸エステル(I)または3−
フランカルボン酸エステル(I)を溶媒に溶解させて得
られた溶液を所定温度で滴下して行うのが好ましい。 【0020】このようにして得られた3−ホルミルフラ
ン類(II)は、通常の有機化合物の単離・精製に用い
られる方法により単離・精製することができる。例え
ば、反応混合液に塩酸、硫酸水溶液、酢酸水溶液などの
酸性水溶液を加えるか、またはこれらの酸性水溶液に反
応混合液を加えた後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリ
ウムなどで乾燥後、濃縮して得られる粗生成物を必要に
応じて蒸留、再結晶、昇華、クロマトグラフィーなどに
より精製する。また、反応混合液に硫酸ナトリウム、塩
化ナトリウムなどの無機塩の飽和水溶液を加えてアルミ
ニウム塩を析出させ、この塩を濾過により除去した後、
濾液から有機層を分液し、該有機層から粗生成物を得る
こともできる。 【0021】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限さ
れるものではない。 【0022】実施例1 温度計、マグネチックスターラおよび滴下漏斗を装備し
た内容積50mlの3口フラスコに水素化アルミニウム
リチウム0.797g(21mmol)を入れ、さらに
テトラヒドロフラン20mlを加えて系内を窒素置換し
た。得られた溶液に、モルホリン5.750g(66m
mol)を室温でゆっくり滴下し、滴下終了後、さらに
室温で1時間攪拌した。次いで、得られた混合液を0℃
に冷却し、該混合物に3−フランカルボン酸メチル2.
52g(20mmol)を内温を0℃以下に保ちながら
滴下した。得られた反応液を、15%硫酸水溶液50m
lに、内温を10℃以下に保ちながら滴下し、続いてト
ルエン50mlを加えた。得られた混合物から有機層を
分液し、水層をトルエン10mlで抽出し、抽出液を先
の有機層と合わせて水30mlで洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、溶媒などの低沸成分を減圧下に留去し
た。残留物をさらに減圧下に蒸留して精製し、無色の液
体として、下記の物性を有する3−ホルミルフラン1.
73g(収率90%)を得た。 【0023】沸点:77−78℃/50mmHg1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,
TMS,ppm)δ:9.95(d,1H,J=0.6
Hz),8.09(dd,1H,J=1.8,0.8H
z),7.45(m,1H),6.80(dd,1H,
J=2.1,0.8Hz) 【0024】実施例2 実施例1において、3−フランカルボン酸メチル2.5
2g(20mmol)に代えて3−フランカルボン酸n−
ブチル3.40g(20mmol)を用いた以外は同様
の反応および後処理を行い、3−ホルミルフラン1.6
7g(収率87%)を得た。 【0025】実施例3 実施例1において、モルホリン5.750g(66mm
ol)に代えて1−メチルピペラジン6.60g(66
mmol)を用いた以外は同様の反応および後処理を行
い、3−ホルミルフラン1.73g(収率90%)を得
た。 【0026】実施例4 温度計、マグネチックスターラおよび滴下漏斗を装備し
た内容積200mlの3口フラスコに、水素化ビス(2
−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの70%
トルエン溶液57.76g(200mmol)を入れ、
さらにトルエン100mlを加えて系内を窒素置換し
た。得られた溶液に、モルホリン19.17g(220
mmol)を室温でゆっくり滴下し、滴下終了後、さら
に室温で1時間攪拌してトルエン溶液を調製した。一
方、別の内容積300mlの3口フラスコに、3−フラ
ンカルボン酸メチル23.94g(190mmol)およ
びトルエン50mlを入れ、系内を窒素置換した後、−
5℃まで冷却した。得られた溶液に、水素化ビス(2−
メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムおよびモル
ホリンを混合し、次いで、先に調製したトルエン溶液の
全量を、内温を0℃以下に保ちながら滴下した。得られ
た反応液を、15%硫酸水溶液200mlに内温を10
℃以下に保ちながら滴下した後、得られた混合物から有
機層を分液した。水層をトルエン30mlで抽出し、抽
出液を先の有機層と合わせて水100mlで洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、減圧下に溶
媒などの低沸成分を留去した。残留物をさらに減圧下に
蒸留して精製し、3−ホルミルフラン17.15gを得
た(収率94%)。 【0027】実施例5 温度計、マグネチックスターラおよび滴下漏斗を装備し
た内容積200mlの3口フラスコに、水素化ビス(2
−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの70%
トルエン溶液57.76g(200mmol)を入れ、
さらにトルエン100mlを加えて系内を窒素置換し
た。得られた溶液に、モルホリン19.17g(220
mmol)を室温でゆっくり滴下し、滴下終了後、さら
に室温で1時間攪拌した。次いで、得られた混合液を−
5℃に冷却し、該混合物に3−フランカルボン酸メチル
27.01g(190mmol)を、内温を−5℃以下
に保ちながら滴下した。得られた反応液に、15%硫酸
水溶液200mlを、内温を10℃以下に保ちながら加
えた。得られた混合物から有機層を分液し、水層をトル
エン30mlで抽出し、抽出液を先の有機層と合わせて
水100mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、次いで、減圧下に溶媒などの低沸成分を留去した。
残留物をさらに減圧下に蒸留して精製し、3−ホルミル
フラン16.96g(収率93%)を得た。 【0028】実施例6 実施例5において、3−フランカルボン酸メチル27.
01g(190mmol)に代えて3−フランカルボン
酸n−ブチル32.3g(190mmol)を用い、か
つ3−フランカルボン酸n−ブチルの滴下終了後、−5
℃でさらに1時間攪拌した以外は同様の反応および後処
理を行い、3−ホルミルフラン15.74g(収率82
%)を得た。 【0029】 【発明の効果】3−ホルミルフラン類を温和な条件下に
収率よく、工業的に有利に製造することができる。
類の製造方法に関する。本発明により製造される3−ホ
ルミルフラン類は、医薬、農薬などの合成原料、例えば
抗炎症剤N−[1−(3−フラニル)エチル]−N−ヒ
ドロキシ尿素の合成中間体として有用である(WO89
/4299号公報参照)。 【0002】 【従来の技術】フラン骨格を有する生理活性物質はこれ
までに数多く発見されている。これらの化合物の合成中
間体として有用な3−ホルミルフラン類の製造方法とし
ては、(1)3−ヨードフラン類をテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム触媒の存在下にオキソ化
する方法(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカ
ル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1
08巻、452頁、1986年)、(2)2,5−ジア
ルコキシ−3−ホルミルテトラヒドロフラン類を酸触媒
の存在下に加熱して脱アルコール化する方法(特開昭6
1−200936号公報参照)、(3)シス−2−ブテ
ン−1,4−ジオール類を原料として3工程を経て得ら
れる2,3−ジヒドロ−3−アルコキシ−4−ホルミル
フランを酸触媒の存在下に加熱して脱アルコール化する
方法(特開平8−231527号公報参照)が知られて
いる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の方法(1)は、
原料である3−ヨードフラン類の入手が困難である。ま
た、上記の方法(2)および(3)は、系内において生
成したフラン化合物が酸触媒の存在下に加熱されるた
め、フラン環の開環が生じやすく、高沸点化合物を副生
して収率が低下する傾向にある。 【0004】しかして、本発明の目的は、3−ホルミル
フラン類を温和な条件下に収率よく、工業的に有利に製
造し得る方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I) 【0006】 【化3】 【0007】(式中、Rは置換基を有していてもよいア
ルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または
置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R1、
R2およびR3は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
ル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、置換基を有
していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい
アリール基または置換基を有していてもよいアラルキル
基を表す。)で示される3−フランカルボン酸エステル
[以下、3−フランカルボン酸エステル(I)と略称す
る]を、2級アミンの存在下に水素化アルミニウム錯化
合物で還元することを特徴とする一般式(II) 【0008】 【化4】 【0009】(式中、R1、R2およびR3は前記定義
のとおりである。)で示される3−ホルミルフラン類
[以下、3−ホルミルフラン類(II)と略称する]の
製造方法である。 【0010】 【発明の実施の形態】上記一般式中、R、R1、R2お
よびR3が表すアルキル基としては、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など
の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が挙げられ
る。これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、
かかる置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;
tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−
ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオ
キシ基などが挙げられる。 【0011】R、R1、R2およびR3が表すアリール
基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げ
られる。これらのアリール基は置換基を有していてもよ
く、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアル
コキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ
基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの
三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェ
ニル基などのアリール基などが挙げられる。 【0012】R、R1、R2およびR3が表すアラルキ
ル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが
挙げられる。これらのアラルキル基は置換基を有してい
てもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの
アルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基など
の三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフ
ェニル基などのアリール基などが挙げられる。 【0013】R1、R2およびR3が表すアルコキシル
基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基などが挙げられ、アリールオキシ基と
しては、例えばフェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチ
ルオキシ基などが挙げられ、アルキルチオ基としては、
例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、
ブチルチオ基などが挙げられ、ハロゲン原子としては、
例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子な
どが挙げられる。 【0014】水素化アルミニウム錯化合物としては、例
えば水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アル
ミニウムナトリウムなどが挙げられる。これらの中で
も、入手および取扱いの容易さの観点から、水素化アル
ミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキ
シ)アルミニウムナトリウムを用いるのが特に好まし
い。水素化アルミニウム錯化合物の使用量は、3−フラ
ンカルボン酸エステル(I)に対して0.5〜10倍モ
ルの範囲であるのが好ましく、反応を円滑に進行させる
観点からは1〜2倍モルの範囲であるのがより好まし
い。 【0015】2級アミンとしては、例えばジメチルアミ
ン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルイソ
プロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、ジブ
チルアミン、ジイソブチルアミン、ジペンチルアミン、
メチルヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチル
アミン、N−プロピルシクロプロピルメチルアミン、N
−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキ
シルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、
ジシクロヘキシルアミン、N−メチルシクロデシルアミ
ン、ジベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、N
−イソプロピルベンジルアミン、N−ブチルベンジルア
ミン、N−ベンジルフェネチルアミン、ビス(2−メト
キシエチル)アミン、メチルアミノアセトアルデヒドジ
メチルアセタール、2−メチルアミノメチル−1,3−
ジオキソラン、N,N,N’−トリメチルエチレンジア
ミン、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピ
ルアミン)、N’−ベンジル−N,N−ジメチルエチレ
ンジアミンなどの鎖状の脂肪族2級アミン;2−メチル
アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロリン、ピペ
リジン、ピペコリン、ジメチルピペリジン、1−ピペロ
ニルピペリジン、4−ベンジルピペリジン、4−フェニ
ルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、ヘキサメチ
レンイミン、ヘプタメチレンイミン、2−メチル−2−
イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、1−
メチルピペラジン、1−フェニルピペラジン、1−(2
−ピリジル)ピペラジン、1−(4−フルオロフェニ
ル)ピペラジン、1−ベンジルピペラジン、1−メトキ
シフェニルピペラジン、3−アザビシクロ[3.2.
2]ノナン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジ
ン、インドリン、2−メチルインドリン、2,3−ジメ
チルインドリン、パーヒドロインドール、1,2,3,
4−テトラヒドロキノリン、デカヒドロキノリン、1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、イミノジベン
ジル、フェノキサジン、フェノチアジンなどの環状の脂
肪族2級アミン;N−メチルアニリン、N−エチルアニ
リン、N−プロピルアニリン、ジフェニルアミン、フェ
ニルベンジルアミン、N−ブチルベンジルアミン、N−
エチルトルイジン、3−メトキシジフェニルアミン、N
−フェニル−2−ナフチルアミン、2−メチルアミノピ
リジン、2−アニリノピリジン、2−ベンジルアミノピ
リジンなどの芳香族2級アミンなどが挙げられる。これ
らの中でも、反応を円滑に進行させる観点からは、モル
ホリン、1−メチルピペラジンを用いるのが特に好まし
い。 【0016】2級アミンの使用量は、使用する水素化ア
ルミニウム錯化合物の種類によって異なるが、該水素化
アルミニウム錯化合物が保有する水素原子に対して0.
5〜1.5モル少ないモルの範囲であるのが好ましく、
0.8〜1.2モル少ないモルの範囲であるのがより好
ましい。例えば、水素化アルミニウム錯化合物として水
素化アルミニウムリチウムを用いる場合、水素化アルミ
ニウムリチウムはその1分子あたり4個の水素原子を保
有しているので、2級アミンを水素化アルミニウムリチ
ウム1モルに対して2.5〜3.5モルの範囲で用いる
のが好ましく、また、水素化アルミニウム錯化合物とし
て水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナ
トリウムを用いる場合、水素化ビス(2−メトキシエト
キシ)アルミニウムナトリウムはその1分子あたり2個
の水素原子を保有しているので、2級アミンを水素化ビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム1
モルに対して0.5〜1.5モルの範囲で用いるのが好
ましい。 【0017】反応は、溶媒の存在下に行うのが好まし
い。使用できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない
限り特に制限はなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族炭
化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイ
ソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジブチルエー
テルなどのエーテル;またはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。溶媒の使用量は、3−フランカルボン酸エス
テル(I)に対して0.1〜200倍重量の範囲である
のが好ましく、反応を円滑に進行させる観点からは1〜
20倍重量の範囲であるのがより好ましい。 【0018】反応温度は、−70℃から使用する溶媒の
沸点の範囲であるのが好ましく、反応を円滑に進行させ
る観点からは−30〜30℃の範囲であるのがより好ま
しい。 【0019】反応は、水素化アルミニウム錯化合物を溶
媒に溶解させて得られた溶液に2級アミンを滴下して得
られた混合液を、3−フランカルボン酸エステル(I)
を溶媒に溶解させて得られた溶液に所定温度で添加する
か、または水素化アルミニウム錯化合物を溶媒に溶解さ
せて得られた溶液に2級アミンを滴下して得られる混合
液に、3−フランカルボン酸エステル(I)または3−
フランカルボン酸エステル(I)を溶媒に溶解させて得
られた溶液を所定温度で滴下して行うのが好ましい。 【0020】このようにして得られた3−ホルミルフラ
ン類(II)は、通常の有機化合物の単離・精製に用い
られる方法により単離・精製することができる。例え
ば、反応混合液に塩酸、硫酸水溶液、酢酸水溶液などの
酸性水溶液を加えるか、またはこれらの酸性水溶液に反
応混合液を加えた後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリ
ウムなどで乾燥後、濃縮して得られる粗生成物を必要に
応じて蒸留、再結晶、昇華、クロマトグラフィーなどに
より精製する。また、反応混合液に硫酸ナトリウム、塩
化ナトリウムなどの無機塩の飽和水溶液を加えてアルミ
ニウム塩を析出させ、この塩を濾過により除去した後、
濾液から有機層を分液し、該有機層から粗生成物を得る
こともできる。 【0021】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限さ
れるものではない。 【0022】実施例1 温度計、マグネチックスターラおよび滴下漏斗を装備し
た内容積50mlの3口フラスコに水素化アルミニウム
リチウム0.797g(21mmol)を入れ、さらに
テトラヒドロフラン20mlを加えて系内を窒素置換し
た。得られた溶液に、モルホリン5.750g(66m
mol)を室温でゆっくり滴下し、滴下終了後、さらに
室温で1時間攪拌した。次いで、得られた混合液を0℃
に冷却し、該混合物に3−フランカルボン酸メチル2.
52g(20mmol)を内温を0℃以下に保ちながら
滴下した。得られた反応液を、15%硫酸水溶液50m
lに、内温を10℃以下に保ちながら滴下し、続いてト
ルエン50mlを加えた。得られた混合物から有機層を
分液し、水層をトルエン10mlで抽出し、抽出液を先
の有機層と合わせて水30mlで洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、溶媒などの低沸成分を減圧下に留去し
た。残留物をさらに減圧下に蒸留して精製し、無色の液
体として、下記の物性を有する3−ホルミルフラン1.
73g(収率90%)を得た。 【0023】沸点:77−78℃/50mmHg1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,
TMS,ppm)δ:9.95(d,1H,J=0.6
Hz),8.09(dd,1H,J=1.8,0.8H
z),7.45(m,1H),6.80(dd,1H,
J=2.1,0.8Hz) 【0024】実施例2 実施例1において、3−フランカルボン酸メチル2.5
2g(20mmol)に代えて3−フランカルボン酸n−
ブチル3.40g(20mmol)を用いた以外は同様
の反応および後処理を行い、3−ホルミルフラン1.6
7g(収率87%)を得た。 【0025】実施例3 実施例1において、モルホリン5.750g(66mm
ol)に代えて1−メチルピペラジン6.60g(66
mmol)を用いた以外は同様の反応および後処理を行
い、3−ホルミルフラン1.73g(収率90%)を得
た。 【0026】実施例4 温度計、マグネチックスターラおよび滴下漏斗を装備し
た内容積200mlの3口フラスコに、水素化ビス(2
−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの70%
トルエン溶液57.76g(200mmol)を入れ、
さらにトルエン100mlを加えて系内を窒素置換し
た。得られた溶液に、モルホリン19.17g(220
mmol)を室温でゆっくり滴下し、滴下終了後、さら
に室温で1時間攪拌してトルエン溶液を調製した。一
方、別の内容積300mlの3口フラスコに、3−フラ
ンカルボン酸メチル23.94g(190mmol)およ
びトルエン50mlを入れ、系内を窒素置換した後、−
5℃まで冷却した。得られた溶液に、水素化ビス(2−
メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムおよびモル
ホリンを混合し、次いで、先に調製したトルエン溶液の
全量を、内温を0℃以下に保ちながら滴下した。得られ
た反応液を、15%硫酸水溶液200mlに内温を10
℃以下に保ちながら滴下した後、得られた混合物から有
機層を分液した。水層をトルエン30mlで抽出し、抽
出液を先の有機層と合わせて水100mlで洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、減圧下に溶
媒などの低沸成分を留去した。残留物をさらに減圧下に
蒸留して精製し、3−ホルミルフラン17.15gを得
た(収率94%)。 【0027】実施例5 温度計、マグネチックスターラおよび滴下漏斗を装備し
た内容積200mlの3口フラスコに、水素化ビス(2
−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの70%
トルエン溶液57.76g(200mmol)を入れ、
さらにトルエン100mlを加えて系内を窒素置換し
た。得られた溶液に、モルホリン19.17g(220
mmol)を室温でゆっくり滴下し、滴下終了後、さら
に室温で1時間攪拌した。次いで、得られた混合液を−
5℃に冷却し、該混合物に3−フランカルボン酸メチル
27.01g(190mmol)を、内温を−5℃以下
に保ちながら滴下した。得られた反応液に、15%硫酸
水溶液200mlを、内温を10℃以下に保ちながら加
えた。得られた混合物から有機層を分液し、水層をトル
エン30mlで抽出し、抽出液を先の有機層と合わせて
水100mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、次いで、減圧下に溶媒などの低沸成分を留去した。
残留物をさらに減圧下に蒸留して精製し、3−ホルミル
フラン16.96g(収率93%)を得た。 【0028】実施例6 実施例5において、3−フランカルボン酸メチル27.
01g(190mmol)に代えて3−フランカルボン
酸n−ブチル32.3g(190mmol)を用い、か
つ3−フランカルボン酸n−ブチルの滴下終了後、−5
℃でさらに1時間攪拌した以外は同様の反応および後処
理を行い、3−ホルミルフラン15.74g(収率82
%)を得た。 【0029】 【発明の効果】3−ホルミルフラン類を温和な条件下に
収率よく、工業的に有利に製造することができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置
換基を有していてもよいアリール基または置換基を有し
ていてもよいアラルキル基を表し、R1、R2およびR
3は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシル基、アリー
ルオキシ基、アルキルチオ基、置換基を有していてもよ
いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基ま
たは置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
で示される3−フランカルボン酸エステルを、2級アミ
ンの存在下に水素化アルミニウム錯化合物で還元するこ
とを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
る。)で示される3−ホルミルフラン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001246517A JP2003055367A (ja) | 2001-08-15 | 2001-08-15 | 3−ホルミルフラン類の製造方法 |
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JP2001246517A JP2003055367A (ja) | 2001-08-15 | 2001-08-15 | 3−ホルミルフラン類の製造方法 |
Publications (1)
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---|---|
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ID=19076050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001246517A Pending JP2003055367A (ja) | 2001-08-15 | 2001-08-15 | 3−ホルミルフラン類の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003055367A (ja) |
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US8884034B2 (en) | 2009-07-08 | 2014-11-11 | Dermira (Canada), Inc. | TOFA analogs useful in treating dermatological disorders or conditions |
CN114920719A (zh) * | 2022-06-25 | 2022-08-19 | 湖南华腾制药有限公司 | 一种3-呋喃甲醛的制备方法 |
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