JP2001316368A - キノリンカルバルデヒドの製造方法 - Google Patents

キノリンカルバルデヒドの製造方法

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JP2001316368A
JP2001316368A JP2001037097A JP2001037097A JP2001316368A JP 2001316368 A JP2001316368 A JP 2001316368A JP 2001037097 A JP2001037097 A JP 2001037097A JP 2001037097 A JP2001037097 A JP 2001037097A JP 2001316368 A JP2001316368 A JP 2001316368A
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carbon atoms
quinoline
aluminum hydride
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English (en)
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Shigeki Kikuyama
茂樹 菊山
Hironobu Tamai
洋進 玉井
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Kuraray Co Ltd
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より短い工程で、キノリンカルバルデヒドを
効率よく工業的に有利に製造する方法を提供すること。 【解決手段】 キノリンカルボン酸エステル(I)を、
2級アミンの存在下、水素化アルミニウム錯化合物で還
元することを特徴とするキノリンカルバルデヒド(I
I)の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キノリンカルバル
デヒドの製造方法に関する。本発明で得られるキノリン
カルバルデヒド、例えば4−(4’−フルオロフェニ
ル)−2−シクロプロピルキノリン−3−カルバルデヒ
ドは、コレステロール生合成の律速酵素であるHMG−
CoA還元酵素の阻害剤として知られるキノリン系メバ
ロノラクトン誘導体の重要な合成中間体である。
【0002】
【従来の技術】キノリンカルバルデヒド、例えば4−
(4’−フルオロフェニル)−2−シクロプロピルキノ
リン−3−カルバルデヒドの合成法としては、相当す
るキノリンカルボン酸エステルをジイソブチルアルミニ
ウムヒドリドなどの各種金属水素化物で還元して対応す
るキノリンカルビノール(4−(4’−フルオロフェニ
ル)−2−シクロプロピル−3−ヒドロキシメチルキノ
リン)を得、次いでこの化合物をピリジニウムクロロク
ロメート、オキザリルクロリド/ジメチルスルホキシド
/第3級アミン(Swern酸化)、三酸化硫黄ピリジ
ン錯体などで酸化する方法(特開平1−279866号
公報参照);4−(4’−フルオロフェニル)−2−
シクロプロピル−3−ヒドロキシメチルキノリンをニト
ロキシラジカル誘導体の存在下、次亜ハロゲン酸塩を用
いて酸化する方法(特開平8−27114号公報参照)
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記およびはいず
れも、キノリンカルバルデヒドを製造するに際して、対
応するキノリンカルビノールを原料として用いてアルコ
ール部分をアルデヒドに酸化する方法であるが、かかる
キノリンカルビノールは、相当するキノリンカルボン酸
エステルを還元して得る必要があることから、工程が煩
雑である。またの方法において酸化剤として用いるピ
リジニウムクロロクロメートには、環境上有害なクロム
イオンを含有する廃液処理の問題があり、Swern酸
化条件、三酸化硫黄ピリジン錯体を用いる条件では臭気
の甚だしいジメチルスルフィドが副生するという問題が
ある。また、次亜ハロゲン酸塩を用いる酸化反応では、
通常、溶媒としてジクロロメタンなどの環境上有害なハ
ロゲン化炭化水素を用いる必要がある。したがって、上
記の方法はキノリンカルバルデヒドの工業的な製法とは
言い難い。
【0004】しかして、本発明の目的は、より短い工程
で、入手かつ取り扱いが容易な薬品を用いて、キノリン
カルバルデヒドを効率よく工業的に有利に製造し得る方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、トリフ
ルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、保護されて
いてもよい水酸基、置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換
基を有していてもよいアリール基、置換基を有していて
もよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコ
キシル基または置換基を有していてもよいアリールオキ
シ基を表し、R7は置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換
基を有していてもよいアリール基または置換基を有して
いてもよいアラルキル基を表す。)で示されるキノリン
カルボン酸エステル(以下、キノリンカルボン酸エステ
ル(I)と略称する)を、2級アミンの存在下、水素化
アルミニウム錯化合物で還元することを特徴とする一般
式(II)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
6は前記定義のとおりである。)で示されるキノリン
カルバルデヒド(以下、キノリンカルバルデヒド(I
I)と略称する)の製造方法を提供することによって達
成される。
【0010】好ましい実施態様において、R1、R2、R
3およびR6は水素原子であり、R4はハロゲン原子であ
り、R5は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜
6のシクロアルキル基であり、R7は炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、フェニル
基、ナフチル基またはベンジル基である。
【0011】さらに好ましい実施態様において、R4
フッ素原子であり、R7は炭素数1〜4のアルキル基で
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】上記一般式中、R1、R2、R3
4、R5、R6およびR7が表すアルキル基としては、好
ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4の
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げ
られる。これらのアルキル基は置換基を有していてもよ
く、かかる置換基としては、例えば水酸基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの好ま
しくは炭素数1〜4のアルコキシル基などが挙げられ
る。
【0013】R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7
が表すシクロアルキル基としては、好ましくは炭素数3
〜6のシクロアルキル基が挙げられ、例えばシクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基などが挙げられる。これらのシクロアルキル基
は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、
例えば水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチ
ル基などの好ましくは炭素数1〜6のアルキル基;メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの
好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基;フェニル
基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基な
どの好ましくは炭素数6〜10のアリール基などが挙げ
られる。
【0014】R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7
が表すアリール基としては、好ましくは炭素数6〜10
のアリール基が挙げられ、例えばフェニル基、ナフチル
基などが挙げられる。R1、R2、R3、R4、R5、R6
よびR7が表すアラルキル基としては、アルキル部分と
して好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を有し、アリ
ール部分として好ましくは炭素数6〜10のアリール基
を有するアラルキル基が挙げられ、例えばベンジル基、
ナフチルメチル基などが挙げられる。これらのアリール
基およびアラルキル基は置換基を有していてもよく、か
かる置換基としては、例えば水酸基;メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基などの好ましくは炭素数1〜
6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基などの好ましくは炭素数1〜4のアルコ
キシル基;フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−
クロロフェニル基などの好ましくは炭素数6〜10のア
リール基が挙げられる。
【0015】R1、R2、R3、R4、R5およびR6が表す
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、好ましくはフッ
素原子が挙げられる。
【0016】R1、R2、R3、R4、R5およびR6が表す
アルコキシル基としては、好ましくは炭素数1〜4の直
鎖状または分岐鎖状のアルコキシル基が挙げられ、例え
ばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基
などが挙げられる。これらのアルコキシル基は置換基を
有していてもよく、かかる置換基としては、例えば水酸
基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基などの好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基;フ
ェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニ
ル基などの好ましくは炭素数6〜10のアリール基など
が挙げられる。
【0017】R1、R2、R3、R4、R5およびR6が表す
アリールオキシ基としては、アリール部分として好まし
くは炭素数6〜10のアリール基を有するアリールオキ
シ基が挙げられ、例えばフェノキシ基、トリルオキシ
基、ナフチルオキシ基などが挙げられる。これらのアリ
ールオキシ基は置換基を有していてもよく、かかる置換
基としては、例えば水酸基;メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t
ert−ブチル基などの好ましくは炭素数1〜6のアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などの好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル
基;フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロ
フェニル基などの好ましくは炭素数6〜10のアリール
基が挙げられる。
【0018】R1、R2、R3、R4、R5およびR6が表す
水酸基は保護されていてもよく、水酸基の保護基として
は、水酸基を保護する目的のために通常用いられる保護
基であれば特に制限はなく、例えばベンジル基などのア
ラルキル基;トリメチルシリル基、tert−ブチルジ
メチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基
などの三置換シリル基;メトキシメチル基、1−エトキ
シエチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピ
ラニル基などのアセタール型保護基などが挙げられる。
【0019】上記一般式(I)および(II)におい
て、置換基(R1〜R7)の好ましい組合せとしては、R
1、R2、R3およびR6が水素原子であり、R4がハロゲ
ン原子であり、R5が炭素数1〜6のアルキル基または
炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R7が炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル
基、フェニル基、ナフチル基またはベンジル基である組
合せが挙げられる。
【0020】より好ましい組合せとしては、R1、R2
3およびR6が水素原子であり、R 4がフッ素原子であ
り、R5が炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜
6のシクロアルキル基であり、R7が炭素数1〜4のア
ルキル基である組合せが挙げられる。
【0021】さらに好ましい組合せとしては、R1
2、R3およびR6が水素原子であり、R4がフッ素原子
であり、R5がイソプロピル基またはシクロプロピル基
であり、R7が炭素数1〜4のアルキル基である組合せ
が挙げられる。
【0022】本発明のキノリンカルバルデヒド(II)
の製造方法は、キノリンカルボン酸エステル(I)を、
2級アミンの存在下、水素化アルミニウム錯化合物で還
元することを特徴とする。
【0023】水素化アルミニウム錯化合物としては、例
えば水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アル
ミニウムナトリウムが挙げられる。これらの中でも、入
手および取扱いの容易さの観点から、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アル
ミニウムナトリウムを用いるのが特に好ましい。当該水
素化アルミニウム錯化合物の使用量は、キノリンカルボ
ン酸エステル(I)に対して0.5〜10モル倍の範囲
が好ましく、反応を円滑に進行させる観点からは1〜5
モル倍の範囲がより好ましい。
【0024】2級アミンとしては、例えば、ジメチルア
ミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルイ
ソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、ジ
ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジペンチルアミ
ン、メチルヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ジオク
チルアミン、N−プロピルシクロプロピルメチルアミ
ン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシク
ロヘキシルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルシクロデシ
ルアミン、ジベンジルアミン、N−エチルベンジルアミ
ン、N−イソプロピルベンジルアミン、N−ブチルベン
ジルアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、ビス(2
−メトキシエチル)アミン、メチルアミノアセトアルデ
ヒドジメチルアセタール、2−メチルアミノメチル−
1,3−ジオキソランなどの鎖状の脂肪族2級アミン;
2−メチルアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロ
リン、ピペリジン、ピペコリン、ジメチルピペリジン、
1−ピペロニルピペリジン、4−ベンジルピペリジン、
4−フェニルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、
ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、2−メ
チル−2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾ
リン、1−メチルピペラジン、1−フェニルピペラジ
ン、1−(2−ピリジル)ピペラジン、1−(4−フル
オロフェニル)ピペラジン、1−ベンジルピペラジン、
1−メトキシフェニルピペラジン、3−アザビシクロ
[3.2.2]ノナン、モルホリン、チオモルホリン、
チアゾリジン、インドリン、2−メチルインドリン、
2,3−ジメチルインドリン、パーヒドロインドール、
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、デカヒドロキ
ノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、
イミノジベンジル、フェノキサジン、フェノチアジン、
N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、3,3’
−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、
N’−ベンジル−N,N−ジメチルエチレンジアミンな
どの環状の脂肪族2級アミン;N−メチルアニリン、N
−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、ジフェニル
アミン、フェニルベンジルアミン、N−ブチルベンジル
アミン、N−エチルトルイジン、3−メトキシジフェニ
ルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、2−メ
チルアミノピリジン、2−アニリノピリジン、2−ベン
ジルアミノピリジンなどの芳香族2級アミンが挙げられ
る。これらの中でも、反応を円滑に進行させる観点から
はジエチルアミン、モルホリン、1−メチルピペラジン
を用いるのが特に好ましい。
【0025】2級アミンの使用量は、使用する水素化ア
ルミニウム錯化合物の種類によって異なるが、水素化ア
ルミニウム錯化合物1モルに対して、該水素化アルミニ
ウム錯化合物が保有する水素原子の数から0.5〜1.
5を減じた範囲の数に相当するモル量であるのが好まし
く、0.8〜1.2を減じた範囲の数に相当するモル量
であるのが特に好ましい。例えば、水素化アルミニウム
錯化合物として水素化アルミニウムリチウムを用いる場
合、水素化アルミニウムリチウムはその1分子あたり4
個の水素原子を保有しているので、2級アミンを水素化
アルミニウムリチウム1モルに対して2.5〜3.5モ
ル倍の範囲で用いるのが好ましく、また、水素化アルミ
ニウム錯化合物として水素化ビス(2−メトキシエトキ
シ)アルミニウムナトリウムを用いる場合、水素化ビス
(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムはそ
の1分子あたり2個の水素原子を保有しているので、2
級アミンを水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミ
ニウムナトリウム1モルに対して0.5〜1.5モル倍
の範囲で用いるのが好ましい。
【0026】反応は、溶媒の存在下に行うのが好まし
い。使用する溶媒としては、反応に悪影響を与えない限
り特に限定されるものではなく、例えばペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族
炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなど
の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジ
ブチルエーテルなどのエーテル;またはこれらの混合溶
媒などが挙げられる。溶媒の使用量は、キノリンカルボ
ン酸エステル(I)に対して0.1〜200重量倍の範
囲が好ましく、反応を円滑に進行させる観点からは1〜
20重量倍の範囲がより好ましい。
【0027】反応温度は、−70℃から使用する溶媒の
沸点の範囲が好ましく、反応を円滑に進行させる観点か
らは−30℃〜30℃の範囲がより好ましい。また、反
応時間は、反応温度によっても異なるが、通常0.5〜
24時間の範囲が好ましい。
【0028】反応は、水素化アルミニウム錯化合物と溶
媒を混合した溶液に2級アミンを滴下して得られた混合
液を、キノリンカルボン酸エステル(I)を溶媒に溶解
させて所定温度とした溶液に添加する方法、または水素
化アルミニウム錯化合物と溶媒を混合した溶液に2級ア
ミンを滴下して得られた混合液に、キノリンカルボン酸
エステル(I)またはキノリンカルボン酸エステル
(I)を溶媒に溶解させて得られた溶液を滴下し、所定
温度で反応させる方法が好ましい。
【0029】このようにして得られたキノリンカルバル
デヒド(II)は、通常の有機化合物の単離・精製に用
いられる方法により単離・精製することができる。例え
ば、反応混合液に塩酸、硫酸水溶液、酢酸水溶液などの
酸性水溶液を加え、またはこれらの酸性水溶液に反応混
合液を加えた後、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウ
ム、無水硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で乾燥後、濃縮
して得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、再結晶、昇
華、クロマトグラフィーなどにより精製する。また、反
応混合液に硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどの無機
塩の飽和水溶液を加えてアルミニウム塩を析出させ、こ
の塩を濾過により除去した後、濾液から有機層を分液
し、該有機層から粗生成物を得ることもできる。
【0030】なお、キノリンカルボン酸エステル
(I)、例えば4−(4’−フルオロフェニル)−2−
シクロプロピルキノリン−3−カルボン酸エステルは、
2−アミノ−4’−フルオロベンゾフェノンと3−シク
ロプロピル−3−オキソプロパン酸エステルを酸触媒存
在下で縮合させることにより容易に合成することができ
る(ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
(J.Org.Chem.)、31巻、2899頁(1
966年);ヘテロサイクルズ(Heterocycl
es)、50巻、479頁(1999年)参照)。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるも
のではない。
【0032】実施例1 温度計、マグネチックスターラおよび滴下漏斗を装備し
た内容積50mlの3口フラスコに水素化アルミニウム
リチウム0.569g(15mmol)を入れ、溶媒と
してテトラヒドロフラン10mlを加えて系内を窒素置
換した。この溶液に、モルホリン4.18g(48mm
ol)を室温でゆっくり滴下し、滴下終了後、さらに室
温で1時間攪拌した。次いで、この溶液を0℃に冷却し
た後、この溶液に、4−(4’−フルオロフェニル)−
2−シクロプロピルキノリン−3−カルボン酸メチル
3.21g(10mmol)をテトラヒドロフラン9.
63gに溶解させて得られた溶液を内温を0℃以下に保
ちながら滴下し、滴下終了後、10〜20℃でさらに2
時間攪拌した。この反応液を、15%硫酸水溶液50m
lに内温を10℃以下に保ちながら滴下し、続いて混合
物にトルエン50mlを加えた。混合物から有機層を分
液し、水層をトルエン10mlで抽出し、抽出液を先の
有機層と合わせて水30mlで洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、溶媒などの低沸成分を減圧下に留去し
た。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(展開
液:ヘキサン−酢酸エチル混合液)で精製し、淡黄色の
固体として、下記の物性を有する4−(4’−フルオロ
フェニル)−2−シクロプロピルキノリン−3−カルバ
ルデヒドを2.27g得た(収率77%)。
【0033】1H−NMR(300MHz,CDCl3
TMS,ppm) δ:1.08−1.14(2H,
m),1.37−1.40(2H,m),3.20−
3.26(1H,m),7.24−7.48(6H,
m),7.76(1H,ddd,J=1.8,6.5,
8.4Hz),7.97−8.00(1H,m),1
0.06(1H,s)
【0034】実施例2 実施例1において、4−(4’−フルオロフェニル)−
2−シクロプロピルキノリン−3−カルボン酸メチルの
代わりに4−(4’−フルオロフェニル)−2−シクロ
プロピルキノリン−3−カルボン酸ブチル3.63g
(10mmol)を用いた以外は実施例1と同様に反応
および後処理を行い、4−(4’−フルオロフェニル)
−2−シクロプロピルキノリン−3−カルバルデヒド
2.16gを得た(収率74%)。
【0035】実施例3 実施例1において、モルホリンの代わりにジエチルアミ
ン3.51g(48mmol)を用いた以外は実施例1
と同様に反応および後処理を行い、4−(4’−フルオ
ロフェニル)−2−シクロプロピルキノリン−3−カル
バルデヒド2.01gを得た(収率69%)。
【0036】実施例4 温度計、マグネチックスターラおよび滴下漏斗を装備し
た内容積200mlの3口フラスコに、水素化ビス(2
−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの70%
トルエン溶液57.8g(200mmol)を入れ、溶
媒としてトルエン100mlを加えて系内を窒素置換し
た。この溶液に、モルホリン13.9g(160mmo
l)を室温でゆっくり滴下し、滴下終了後、さらに室温
で1時間攪拌した。一方、別の内容積1000mlの3
口フラスコに、4−(4’−フルオロフェニル)−2−
シクロプロピルキノリン−3−カルボン酸メチル32.
1g(100mmol)とトルエン300mlを入れ、
系内を窒素置換した後、−5℃まで冷却した。この溶液
に、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム
ナトリウムおよびモルホリンとを混合して先に調製した
トルエン溶液の全量を、内温を0℃以下に保ちながら滴
下し、滴下終了後、室温まで昇温して3時間攪拌した。
この反応液を、15%硫酸水溶液200mlに内温を1
0℃以下に保ちながら滴下した。混合物から有機層を分
液し、水層をトルエン30mlで抽出し、抽出液を先の
有機層と合わせて水100mlで洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、濃縮した。得られた残留物をジイソプ
ロピルエーテルより再結晶し、4−(4’−フルオロフ
ェニル)−2−シクロプロピルキノリン−3−カルバル
デヒド22.4gを得た(収率76%)。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、より短い工程で、キノ
リンカルバルデヒドを効率よく工業的に有利に製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉井 洋進 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2−28 株式 会社クラレ内 Fターム(参考) 4C031 BA07 4H039 CA62 CB40 CD40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ
    独立に水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
    基、トリフルオロメトキシ基、保護されていてもよい水
    酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を
    有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してい
    てもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラル
    キル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基また
    は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
    7は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を
    有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してい
    てもよいアリール基または置換基を有していてもよいア
    ラルキル基を表す。)で示されるキノリンカルボン酸エ
    ステルを、2級アミンの存在下、水素化アルミニウム錯
    化合物で還元することを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は前記定義
    のとおりである。)で示されるキノリンカルバルデヒド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 R1、R2、R3およびR6が水素原子であ
    り、R4がハロゲン原子であり、R5が炭素数1〜6のア
    ルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であ
    り、R7が炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の
    シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基またはベン
    ジル基である請求項1記載のキノリンカルバルデヒドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 R4がフッ素原子であり、R7が炭素数1
    〜4のアルキル基である請求項2記載のキノリンカルバ
    ルデヒドの製造方法。
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