JP2010284720A - ハイブリッド加圧成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コラム14,15に下向きに連結された型締めシリンダ32のラム36の下端部に可動上型把持体39を介して上型16を装着する。コラム14,15に固定支持基盤71を介して支持されたボールねじ軸74にボールナット75を螺合し、該ナット75にナット取付筒体76を連結する。ナット取付筒体76の下端部に設けられたフランジ部78と、可動上型把持体39との間に相対移動許容機構77を設ける。可動上型把持体39とフランジ部78とをボルト79により連結し、可動上型把持体39の上面とフランジ部78の下面との間に隙間gを設ける。型締めシリンダ32による上型16の加圧時に、相対移動許容機構77によってボールねじ機構70が損傷するのを防止する。
【選択図】図1
Description
(作用)
この発明は、サーボモータが作動されてボールねじ機構によって、第1成形型に第2成形型が型合わせ位置又はその直前に移動された後、該サーボモータが停止され、その後、型締めシリンダにより第1及び第2成形型が型締めされ、この型締め力によって第2成形型及び第1成形型が移動される。この際、相対移動許容機構によって、ボールねじ機構のボールナット又はボールねじ軸と、第2成形型を把持する可動把持体との間に所定のストローク範囲内で相対移動が許容される。このため、ボールねじ軸とボールナットに型締めシリンダの型締め力が作用することはなく、ボールねじ機構の損傷が防止される。
以下、本発明を具体化したハイブリッド加圧成形装置の第1の実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
固定部材としてのベッド11には、第1成形型としての下型12を備えた下型ユニット13が装着され、ベッド11の左右両側部に立設された固定部材としての左右一対のコラム14,15の間には、第2成形型としての上型16を備えた上型ユニット17が装着されている。前記左側のコラム14の左側方には、下型12から上型16を離型した後、上型16に付着された成形品Wを上型16から分離するための突出装置18が装着されている。そこで、前記下型ユニット13、上型ユニット17及び突出装置18等の構成を順次説明する。この明細書においては、成形装置の正面を表す図3において、成形装置の左右は、紙面の左右を表し、成形装置の前側は、図3の紙面直交方向の手前を表し、後側は紙面の裏側を表す。これに基づいて図1,2、図4〜図10にも「左−右」、「前−後」を表示した。又、図1及び図2においては、図4に示す各部の構成を簡略化して表している。
図3に示すように、前記ベッド11の上部に設けられた支持基盤21の下面には、浮上保持機構を構成する複数のシリンダ22が上向きに取り付けられ、各シリンダ22のピストンロッド23が前記支持基盤21に設けられた貫通孔に挿入されて上方に突出され、各ピストンロッド23の上端部が前記下型12の下部に当接されている。前記シリンダ22のピストン側シリンダ室24に図示しない油圧供給機構から圧油を供給することにより前記ピストンロッド23を上方向に移動させて、下型12を所定の高さに浮上保持できるようになっている。前記下型12の上面12aには、前記上型16の下面16aに形成された成形品の成形面16bとともに成形品を成形するキャビティK(図2参照)を形成するための成形面12bが形成されている。前記支持基盤21の下面には、押し出しシリンダとしての油圧シリンダ25が上向に取り付けられ、そのピストンロッド26が前記支持基盤21に設けられた貫通孔に挿入されて上方に突出されている。該ピストンロッド26の先端部にはスリーブチップ27が連結され、該スリーブチップ27は、前記下型12の中心部に上下方向に貫通形成された貫通孔12cに挿入されている。前記貫通孔12cの上部内周面と、前記スリーブチップ27の上端面とにより有底円筒状をなすアルミニウム等の溶湯Yの貯留室28が形成されている。そして、上型16と下型12が型合せされて下降されて、貯留室28内の溶湯YがキャビティK内に充填された状態で、前記シリンダ25のピストン側シリンダ室29に図示しない油圧供給機構から圧油を供給することにより、前記ピストンロッド26を上方に移動させて、溶湯Yを加圧するようになっている。
図4に示すように、前記コラム14,15の上端部寄りには、固定支持基盤31が溶接によって水平に連結されている。該固定支持基盤31には油圧方式の型締めシリンダ32のケース33の外周面に溶接されたフランジ体34がボルト35によって連結されている。前記型締めシリンダ32の内部に収容されたラム36の先端(下端)面には、取付板37がボルト38によって取り付けられ、該取付板37の下面には、可動把持体としての可動上型把持体39の上面が接触され、ボルト40によって取付板37と可動上型把持体39が連結されている。
(ボールねじ機構70)
ボールねじ機構70は、前記電磁開閉弁53を閉路ポートに保持するとともに、前記開閉弁58を開放位置に保持した状態、つまり型締めシリンダ32を不作動状態に保持した状態で、前記可動上型把持体39及び上型16を上限位置、即ち離型位置から下方へ移動して、下型12の上面に上型16の下面が接触する型合わせ位置へ高速で下降動作させるものである。
(突出装置18)
次に、図3〜図10に基づいて、前記突出装置18について説明する。
(ハイブリッド加圧成形装置の動作)
次に、前記のように構成されたハイブリッド加圧成形装置の動作について説明する。
(1)上記第1の実施形態では、前記可動上型把持体39とナット取付筒体76に設けたフランジ部78との間に、可動上型把持体39の下方への相対移動を許容する相対移動許容機構77を設けた。このため、前記型締めシリンダ32によって上型16に大きな型締め力を付与する際に、可動上型把持体39が下方へ若干移動されても、前記ボールナット75及びナット取付筒体76が下方へ移動されるのを防止することができる。従って、ボールねじ機構70のボールねじ軸74及びボールナット75の損傷を防止することができ、ボールねじ機構70の耐久性を向上することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図11〜図13を用いて説明する。なお、以下の各実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付して説明を簡略化する。
図13は、可動上型把持体39が型締め力を受けてはいるが、型閉め完了として制御された位置から下降してはいない状態を示している。この時、皿ばね82は、ボールねじ機構70の駆動力により弾性圧縮変形され、そのため、可動上型把持体39の上面とフランジ部78の下面との間に隙間g1が形成されている。又、フランジ部78の上面とダブルナット80との間に隙間g2が形成されている。本実施形態では、隙間g1が1mmとなるように、又、隙間g2が3mmとなるようにボールねじ機構70によるナット取付筒体76の送り量が調整されている。前記隙間g1が形成されることにより、ナット取付筒体76と可動上型把持体39との衝突が防止される。
図14に示すように、可動上型把持体39は型開き位置にある。この可動上型把持体39がボールねじ機構70の駆動により上昇する時、ラム36が上昇するので、型締めシリンダ32内の作動油は、プレフィル弁108を介してタンク107に容易に排出される。プレフィル弁108は、高圧油109をパイロット圧として受けることにより、多量の作動油の通過を許容する状態にある。パイロット圧の供給のため、方向制御弁106はソレノイド106aの作動により、左側のポートが回路に接続されている。なお、可動上型把持体39が下降して型閉め完了の制御位置にある時、方向制御弁106のソレノイド106bが作動して、右側のポートが回路に接続される。すると、高圧油109は、逆止弁105を介して型締めシリンダ32に供給され、下型12に対する上型16の型締めに供される。この時、プレフィル弁108にはパイロット圧が作用しないので、タンク107への回路はプレフィル弁108において遮断されている。
上記第2の実施形態では、複数の皿ばね82を、ボールねじ軸74の挿通を許容する内側リング88、係止リング81及び外側リング89の間に内装した。このため、複数の皿ばね82を集合体として取り扱うことができるので、皿ばね82をナット取付筒体76と可動上型把持体39との間に組み込む作業を容易に行うことができる。又、係止リング81と外側リング89とが間隙を有するように配置した。このため、皿ばね82が弾性圧縮変形しても、係止リング81と外側リング89との間隔が狭まることにより、その変形量を吸収して皿ばね82をより確実に保持することができる。
(第3の実施形態)
次に、この発明の第3の実施形態を図15及に基づいて順次説明する。
(第4の実施形態)
図16に示す第4の実施形態は、可動上型把持体39とボールナット75との間にシリンダタイプの相対移動許容機構77を設けたものである。この相対移動許容機構77は、前記ボールナット75にシリンダのケース115を連結し、ピストン116に連結されたロッド117を前記可動上型把持体39に連結している。そして、前記ケース115の内部に形成されたロッド側シリンダ室118に図示しない圧縮空気供給源から圧縮空気を供給して、ピストン116、ロッド117及び可動上型把持体39を上方向に移動する。そして、前記型締めシリンダ32が作動される際に、ロッド側シリンダ室118内の圧力が開放されて、ピストン116、ロッド117及び可動上型把持体39が下方に移動され、上型16に型締め力が付与される。
・図3に示すシリンダ22を省略し、下型ユニット13の下型12を前記支持基盤21の上面に固定するようにしてもよい。
・型締めシリンダ32の上部に設けた油タンク55及びアクチュエータ59等を省略するとともに、加圧室51の内部に油ポンプ54から強制的に油を大量に供給する別の給油配管(図示略)を設けてもよい。
・図1に示す係止リング81及び皿ばね82を省略してもよい。
・ボールねじ機構70を可動上型把持体39の左右2箇所に配置したが、前後左右の4箇所に配置してもよい。
・隙間g=4mm、隙間g1=1mm、隙間g2=3mmとしたが、隙間g=2〜10mm、隙間g1=1〜5mm、隙間g2=3〜15mm等のように、隙間g、隙間g1,g2をそれぞれの範囲で適宜選択してもよい。
Claims (9)
- 固定部材に装着された第1成形型及び第2成形型と、前記第2成形型を型合わせ位置に移動するサーボモータを備えたボールねじ機構と、第1成形型に型合わせされた第2成形型に型締め力を付与する型締めシリンダとを備えたハイブリッド加圧成形装置において、
前記型締めシリンダにより第1成形型に第2成形型が型締めされる際に、前記ボールねじ機構のボールナット又はボールねじ軸と、第2成形型を把持する可動把持体との間にボールねじ軸の軸線方向へ所定のストローク範囲内で相対移動するのを許容する相対移動許容機構を設けたことを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。 - 請求項1において、前記ボールねじ機構は、固定部材の所定位置において、軸方向の移動不能に、かつサーボモータにより往復回動可能に支持されたボールねじ軸と、該ボールねじ軸に螺合されたボールナットと、該ボールナットに連結され、かつ前記可動把持体に装着されたナット取付筒体とにより構成され、前記相対移動許容機構は、前記可動把持体と前記ナット取付筒体との間に設けられていることを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。
- 請求項2において、前記相対移動許容機構は、前記ナット取付筒体の前記可動把持体側の端部の外周面に設けられたフランジ部と、該フランジ部に形成された貫通孔に挿入され、かつ前記可動把持体に螺合されたボルトと、前記可動把持体と、前記ナット取付筒体との間に介在され、かつ前記可動把持体から前記取付筒体を離隔する方向に付勢する付勢部材とにより構成され、前記フランジ部と可動把持体との間には、該フランジ部をボルトに沿って所定のストローク範囲内で往復動するための隙間が設定されていることを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。
- 請求項1において、前記ボールねじ機構は、固定部材の所定位置において、軸方向の移動不能に、かつサーボモータにより往復回動可能に支持されたボールナットと、該ボールナットに軸方向の往復動可能に螺合され、かつ固定部材に対し回転不能に支持されたボールねじ軸とにより構成され、前記相対移動許容機構は、前記ボールねじ軸と可動把持体との間に設けられていることを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。
- 請求項4において、前記相対移動許容機構は、前記ボールねじ軸の先端部に軸方向に所定のストローク範囲内で往復動可能に前記可動把持体を支持し、付勢部材により前記可動把持体を常には前記ボールナット側に付勢するように構成されていることを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、固定部材としてのベッドに対し第1成形型としての下型を浮上保持機構により所定の高さに浮上保持可能に構成し、前記ベッドに連結された固定部材としてのコラムに対し可動把持体としての可動上型把持体をボールねじ機構により上下方向の往復動可能に装着するとともに、可動上型把持体に第2成形型としての上型を装着し、前記コラムに対し前記上型に型締力を付与する型締シリンダを装着し、前記下型の内部に溶湯の貯留室を設け、前記ベッドに対し前記貯留室に貯留された溶湯を上型と下型とによって形成されたキャビティに押し出す押出ロッドを備えた押し出しシリンダを配設したことを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。
- 請求項6において、前記可動上型把持体の下面には、案内機構及び位置切換機構によって、前記上型が離型位置と、該離型位置から水平方向に離隔した成形品の分離位置との間で位置切り換え可能に装着され、前記分離位置には、前記上型の成形面に付着された成形品を下方へ分離するためのノックピンを有する突出装置が配設されていることを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。
- 請求項3において、前記付勢部材は、前記可動把持体に接触され、かつ前記ねじ軸の挿通を許容し、該付勢部材を係止するフランジ部を有する内側リングと、ナット取付筒体の内周面に接触され、かつ付勢部材を係止するフランジ部を有する外側リングと、同じくナット取付筒体の内周面の所定位置に係止され、かつ付勢部材を係止する係止リングとの間に内装されていることを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。
- 請求項8において、前記付勢部材が皿バネであることを特徴とするハイブリッド加圧成形装置。
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