JP4335574B2 - 移動ダイの支持装置及び型締装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、射出成形用金型に溶融樹脂を射出して成形品を成形する射出成形機等において、移動金型を支持する支持ダイの支持装置及び型締装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形用金型に溶融樹脂を射出して成形品を成形する射出成形機は、図15に示すように、ベースフレームaと、このベースフレームaに設けられ固定金型bを取付けた固定ダイcと、この固定ダイcにタイバーdを介して移動ダイeを進退自在に取付け、この移動ダイeに固定金型bに対して進退自在な移動金型fとを備えている。ベースフレームaには移動ダイeを進退させるトグル機構gが設けられている。そして、型締の際には、トグル機構gによって移動ダイeを介して移動金型fを移動させ、固定金型bに対して型締力を発生させている。
【0003】
従って、移動ダイeをベースフレームaに対して直線移動自在に支持するために滑り板を設け、滑り板上を摺動するようにしているが、摩擦係数(μ=0.15〜0.20)が大きいという問題がある。そこで、滑り板より摩擦係数が1/10以下(μ=0.02前後)のリニアガイドを用い、移動ダイ5が円滑に直線移動するようにしている。
【0004】
しかしながら、型締時に、トグル機構gによって移動ダイeを強固な力によって押圧して移動金型fを固定金型bに型締すると、移動ダイeの外周縁が固定ダイc側に変形し、逆に、固定ダイcの外周縁が移動ダイe側に変形する。すなわち、固定ダイc及び移動ダイeは、側面視でも、平面視でも略円弧状に変形する。
【0005】
この場合、移動ダイeを滑り板を介してベースフレームaに支持したものは、滑り板は、上下方向・左右方向及び回転方向に自由度があるため、過荷重が掛かっても滑り板の面で受けるため問題はない。
【0006】
しかし、図16に示すように、移動ダイeをリニアガイドhによって直線移動自在に支持したものは、リニアガイドhは上下方向i及び左右方向(直線移動方向と直交する方向)jへの移動が拘束されている。従って、移動ダイeの変形時にリニアガイドhに大きな荷重が加わって変形したり、破損する虞があり、設計選定より大きなリニアガイドhを使用していた。
【0007】
そこで、移動ダイの変形時に、この移動ダイを支持する支持部材に作用する荷重を吸収するために弾性部材、例えばコイルスプリングまたは皿ばねを備え、移動ダイの変形を規制することなく、荷重を吸収するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−36322号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2003−71894号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び2は、移動ダイの上下方向の変形に伴う荷重は吸収できるが、移動ダイの左右方向の変形に伴う荷重を吸収することができない構造である。
【0011】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、移動ダイを上下方向及び左右方向に弾性的に付勢し、リニアレール、移動ダイ及び金型等に影響を及ぼすことがない移動ダイの支持装置及び型締装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、タイバーを案内として直線移動自在な移動ダイと、ベースフレームに設けられ前記移動ダイを直線移動自在に支持するリニアレールとからなる移動ダイの支持装置において、前記移動ダイとリニアレールとの間に、前記移動ダイを上下方向及び左右方向に弾性的に付勢する弾性付勢機構を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項2は、請求項1の前記弾性付勢機構は、緩衝部材であることを特徴とする。
【0014】
請求項3は、請求項2の前記緩衝部材は、皿ばね、コイルスプリングのいずれかであることを特徴とする。
【0015】
請求項4は、請求項2の前記緩衝部材は、油圧シリンダ、空圧シリンダのいずれかであることを特徴とする。
【0016】
請求項5は、固定金型を取付けた固定ダイと、この固定ダイにタイバーを介して移動金型を取付け、前記固定金型に対して進退自在な移動ダイと、前記固定金型と移動金型との型閉時に移動ダイを移動させて型締力を発生させる型締駆動機構とからなる型締装置において、ベースフレームに前記移動ダイを直線移動自在に支持するリニアレールを設けるとともに、前記移動ダイとリニアレールとの間に、前記移動ダイを上下方向及び左右方向に弾性的に付勢する弾性付勢機構を設けたことを特徴とする。
【0017】
前記構成によれば、移動ダイを左右方向及び上下方向に弾性付勢機構によって弾性的に付勢することができ、移動ダイ、固定及び移動金型及びリニアレールへの影響を緩和することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図4は第1の実施形態を示し、図1は射出成形機の型締装置の概略的構成図である。図1中、1は固定ダイであり、2は移動ダイである。固定ダイ1には固定金型3が取付けられ、移動ダイ2には固定金型3に対して対向する移動金型4が取付けられている。固定ダイ1には複数本のタイバー5が突出して設けられ、これらタイバー5によって移動ダイ2が進退自在に支持されている。
【0020】
さらに、図2及び図3に示すように、ベースフレーム6上にはリニアレール(以下、ガイドレール7という)と、このガイドレール7上をスライド自在なガイドブロック8とからなるリニアガイド9が設けられている。そして、このリニアガイド9には移動ダイ2が支持され、移動ダイ2はリニアガイド9によって直線移動自在に支持されている。
【0021】
図1に示すように、固定金型3には射出成形機(図示しない)の射出ノズル10と接合するノズルタッチ面3aが設けられ、このノズルタッチ面3aは樹脂通路3bを介して固定金型3と移動金型4との間に設けられたキャビティ3cと連通している。固定ダイ1のタイバー5との結合部には油圧型締シリンダ11が設けられている。この油圧型締シリンダ11にはタイバー5の基端部に一体に設けられたピストン部12が嵌挿され、油圧型締シリンダ11の内部はピストン部12を挟んで型締め側室13aと型開き側室13bとに区画されている。
【0022】
前記タイバー5は移動ダイ2を貫通して突出しており、このタイバー5の外周面にはねじ山または環状溝からなる係合溝5aが設けられている。さらに、移動ダイ2の背面側には開閉シリンダ14によって開閉し、タイバー5の係合溝5aと係脱する型締用ハーフナット15が設けられている。
【0023】
また、図2及び図3に示すように、リニアガイド9のガイドブロック8は、ガイドレール7に対して摺動する固定ブロック16と、移動ダイ2に固定された可動ブロック17とに2分割されている。そして、固定ブロック16と可動ブロック17との間には移動ダイ2が変形したとき、弾性的に付勢する第1と第2の弾性付勢機構18a,18bと19a,19bが左右一対ずつ設けられている。
【0024】
第1の弾性付勢機構18a,18bは、移動ダイ2を左右方向(リニアガイド9と直交する方向)に弾性的に付勢するために固定ブロック16の内側面と可動ブロック17の外側面との間に設けられている。第2の弾性付勢機構19a,19bは移動ダイ2を上下方向に付勢するために固定ブロック16の上面と可動ブロック17の下面との間に設けられている。
【0025】
第1と第2の弾性付勢機構18a,18bと19a,19bは、同一構造であるため、第1の弾性付勢機構18aについて説明すると、図4(a)(b)に示すように構成されている。すなわち、円筒状のケーシング20の内部には緩衝部材としての複数枚の皿ばね21が重ねた状態で収納されている。皿ばね21はケーシング20の底部を形成する固定部材22とケーシング20に対して進退自在なプランジャ23とから挟持されている。プランジャ23は皿ばね21の弾性力によってケーシング20から突出する方向に弾性的に付勢されており、可動ブロック17の側面に当接している。なお、皿ばね21に代ってコイルスプリングを設けてもよい。
【0026】
従って、移動ダイ2はリニアガイド9によって直線移動自在であるが、移動ダイ2のリニアガイド9の近傍において、第1と第2の弾性付勢機構18a,18bと19a,19bによって左右方向及び上下方向に弾性的に支持されている。そして、移動ダイ2に変形が加わったとき、弾性的に付勢し、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和するようになっている。
【0027】
次に、前述のように構成された射出成形機の型締装置の作用について説明する。固定ダイ1に取付けられた固定金型3と移動ダイ2に取付けられた移動金型4とを型締する場合、まず、開閉シリンダ14によって型締用ハーフナット15とタイバー5の係合溝5aとを噛み合わせる。次に、型開閉用シリンダ等によって移動ダイ2を移動させ、固定金型3と移動金型4とを型締する。
【0028】
そして、固定金型3と移動金型4とが図1に示すようにプレス量に相当する隙間gを残して型締された後、射出成形機の射出ノズル6から所定量の溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂は樹脂通路3bを介してキャビティ3cに充填される。
【0029】
溶融樹脂の充填が完了すると、射出プレス工程に入り、油圧型締シリンダ11の型締め側室13aに圧油を導入し、タイバー5を介して高圧型締力を発生させてキャビティ3c内の溶融樹脂を高圧でプレスし、プレス量に相当する隙間gをゼロにする。そして、保圧及び冷却工程を経て成形品が成形される。
【0030】
このとき、油圧型締シリンダ11によって高圧型締力を発生すると、移動ダイ2の外周縁が固定ダイ1側に変形し、移動ダイ2は、側面視でも、平面視でも略円弧状に変形する。
【0031】
従って、第1の弾性付勢機構18a,18bを構成する可動ブロック17は、移動ダイ2と一体に右側が内向き、左側が外向きに傾く。このため、可動ブロック17の左側の第1の弾性付勢機構18aのプランジャ23は可動ブロック17によって押圧され、皿ばね21の付勢力に抗してケーシング20に没入される(図4(b)参照)。これとは逆に、可動ブロック17の右側の第1の弾性付勢機構18bのプランジャ23は可動ブロック17の退避に伴って皿ばね21の付勢力によってケーシング20から突出する(図4(a)参照)。
【0032】
このように、移動ダイ2に左右方向の変形が加わったとき、第1の弾性付勢機構18a,18bのプランジャ23が進退することにより、弾性的に付勢することができ、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和することができる。
【0033】
また、同時に第2の弾性付勢機構19a,19bを構成する可動ブロック17は、移動ダイ2と一体に右側が上向き、左側が下向きに傾く。このため、可動ブロック17の左側の第2の弾性付勢機構19aのプランジャ23は可動ブロック17によって押圧され、皿ばね21の付勢力に抗してケーシング20に没入される。これとは逆に、可動ブロック17の右側の第2の弾性付勢機構19bのプランジャ23は可動ブロック17の退避に伴って皿ばね21の付勢力によってケーシング20から突出する。
【0034】
このように、移動ダイ2に上下方向の変形が加わったときも、第2の弾性付勢機構19a,19bのプランジャ23が進退することにより、弾性的に付勢することができ、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和することができる。
【0035】
図5は第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、第1の弾性付勢機構18aの変形例であり、複数枚の皿ばね21が重ねた状態で収納するケーシング24を有底円筒状に形成したものである。
【0036】
図6は第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、第1の弾性付勢機構18aの変形例であり、一対のプレート25a,25bとボルト26によって複数枚の皿ばね21を支持し、ケーシング20を廃止したものである。
【0037】
図7は第4の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、第1の弾性付勢機構の配置構造を示すものであり、同図(a)は、第1の弾性付勢機構18a,18bを可動ブロック17の内側面と固定ブロック16の外側面との間に設けたものである。
【0038】
同図(b)は、第1の弾性付勢機構18a,18bを可動ブロック17の内外両側面と固定ブロック16の内外両側面との間に2個ずつ設けたものである。同図(c)は、第1の弾性付勢機構18a,18bを可動ブロック17の内側面と固定ブロック16の外側面との間に2個、可動ブロック17の外側面と固定ブロック16の内側面との間に1個(18c)、合計3個設けたものである。同図(d)は、第1の弾性付勢機構18a,18bを可動ブロック17の内側面と固定ブロック16の外側面との間に1個(18c)、可動ブロック17の外側面と固定ブロック16の内側面との間に2個、合計3個設けたものである。
【0039】
なお、第1の弾性付勢機構18a,18bについて説明したが、第2の弾性付勢機構19a,19bにおいても同様に配置することができる。
【0040】
図8〜図10は第5の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
【0041】
図8及び図9に示すように、リニアガイド9のガイドブロック8は、ガイドレール7に対して摺動する固定ブロック16と、移動ダイ2に固定された可動ブロック17とに2分割されている。そして、固定ブロック16と可動ブロック17との間には移動ダイ2が変形したとき、弾性的に付勢する第1と第2の弾性付勢機構28a,28bと29a,29bが左右一対ずつ設けられている。
【0042】
第1の弾性付勢機構28a,28bは、移動ダイ2を左右方向(リニアガイド9と直交する方向)に弾性的に付勢するために固定ブロック16の内側面と可動ブロック17の外側面との間に設けられている。第2の弾性付勢機構29a,29bは移動ダイ2を上下方向に弾性的に付勢するために固定ブロック16の上面と可動ブロック17の下面との間に設けられている。
【0043】
第1と第2の弾性付勢機構28a,28bと29a,29bは、同一構造であるため、第1の弾性付勢機構28aについて説明すると、図10(a)(b)に示すように構成されている。すなわち、緩衝部材としての油圧シリンダ30の内部にはピストン31が進退自在に設けられ、油圧シリンダ30の内部はピストン31によって前室32aと後室32bとに区画されている。ピストン31のピストンロッド31aは可動ブロック17の側面に当接している。
【0044】
油圧シリンダ30の前室32aは配管33を介して第1のタンク34に接続されている。後室32bは配管35を介して切換え弁36に接続されている。この切換え弁36は第2のタンク37及び油圧ポンプ38に接続されている。そして、切換え弁36の切換えによって油圧を油圧シリンダ30の後室32bに供給すると、前室32aの油圧が第1のタンク34へ逃げてピストン31が突出し、ピストン31に設定圧力以上の圧力が加わると、ピストン31が没入して後室32b内の油圧が第2のタンク37へ逃げるようになっている。
【0045】
従って、移動ダイ2はリニアガイド9によって直線移動自在であるが、移動ダイ2のリニアガイド9の近傍において、第1と第2の弾性付勢機構28a,28bと29a,29bによって左右方向及び上下方向に弾性的に支持されている。そして、移動ダイ2に変形が加わったとき、弾性的に付勢し、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和するようになっている。
【0046】
従って、第1の実施形態と同様に、油圧型締シリンダ11によって高圧型締力を発生すると、移動ダイ2の外周縁が固定ダイ1側に変形し、移動ダイ2は、側面視でも、平面視でも略円弧状に変形する。
【0047】
従って、第1の弾性付勢機構28a,28bを構成する可動ブロック17は、移動ダイ2と一体に右側が内向き、左側が外向きに傾く。このため、可動ブロック17の左側の第1の弾性付勢機構28aのピストンロッド31aは可動ブロック17によって押圧され、油圧シリンダ30の付勢力に抗して油圧シリンダ30に没入される(図10(b)参照)。これとは逆に、可動ブロック17の右側の第1の弾性付勢機構28bのピストンロッド31aは可動ブロック17の退避に伴って油圧の付勢力によって油圧シリンダ30から突出する(図10(a)参照)。
【0048】
このように、移動ダイ2に左右方向の変形が加わったとき、第1の弾性付勢機構28a,28bのピストンロッド31aが進退することにより、弾性的に付勢することができ、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和することができる。
【0049】
また、同時に第2の弾性付勢機構29a,29bを構成する可動ブロック17は、移動ダイ2と一体に右側が上向き、左側が下向きに傾く。このため、可動ブロック17の左側の第2の弾性付勢機構29aのピストンロッド31aは可動ブロック17によって押圧され、油圧の付勢力に抗して油圧シリンダ30に没入される。これとは逆に、可動ブロック17の右側の第2の弾性付勢機構29bのピストンロッド31aは可動ブロック17の退避に伴って油圧の付勢力によって油圧シリンダ30から突出する。
【0050】
このように、移動ダイ2に上下方向の変形が加わったときも、第2の弾性付勢機構29a,29bのピストンロッド31aが進退することにより、弾性的に付勢することができ、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和することができる。なお、油圧シリンダに代って空圧シリンダでもよい。
【0051】
図11〜図14は第6の実施形態を示し、第5の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、第1の弾性付勢機構の配置構造を示すものである。図11(a)〜図11(c)は、第1の弾性付勢機構28a,28bを移動ダイ2の前後で、かつレール7の内側に各1個ずつ設けたものであり、油圧シリンダ30は固定ブロック16の内側面に、ピストンロッド31aは可動ブロック17の内側面にそれぞれ固定されている。
【0052】
最初の組付け固定位置においては、図11(a)(c)に示すように、移動ダイ2の前部の油圧シリンダ30は、後室32bに圧油し、後部の油圧シリンダ30は前室32aに圧油することにより、ピストン31を引張りと押しでストロークエンドに押し付けることにより固定している。従って、移動ダイ2に外力が加わっていないときには移動ダイ2の前後の油圧シリンダ30とピストン31によって移動ダイ2が真直ぐになるように調整している。つまり、ピストン31がストッパとしての役目をしている。
【0053】
この状態で、第1の実施形態と同様に、移動ダイ2に変形が加わったとき、図11(b)に示すように、第1の弾性付勢機構28a,28bのピストンロッド31aが進退することにより、弾性的に付勢することができ、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和することができる。なお、本実施形態においては、前部と後部の油圧シリンダ30のピストンロッド31aの長さを変えることにより、ピストン31のストロークエンドで固定しているが、油圧シリンダ30の取付け位置を前部と後部でずらしてもよい。
【0054】
図12(a)〜図12(c)は、変形例1を示し、第1の弾性付勢機構28aを移動ダイ2の前部で、かつレール7の内側に設け、第1の弾性付勢機構28bを移動ダイ2の後部で、かつレール7の外側に設けたものである。油圧シリンダ30は固定ブロック16の内外側面に、ピストンロッド31aは可動ブロック17の内外側面にそれぞれ固定されている。
【0055】
最初の組付け固定位置においては、図12(a)(c)に示すように、移動ダイ2の前部及び後部の油圧シリンダ30は、後室32bに圧油することにより、ピストン31を押してストロークエンドに固定している。従って、移動ダイ2に外力が加わっていないときには移動ダイ2の前後の油圧シリンダ30とピストン31によって移動ダイ2が真直ぐになるように調整している。つまり、ピストン31がストッパとしての役目をしている。
【0056】
この状態で、第1の実施形態と同様に、移動ダイ2に変形が加わったとき、図12(b)に示すように、第1の弾性付勢機構28a,28bのピストンロッド31aが進退することにより、弾性的に付勢することができ、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和することができる。
【0057】
図13(a)〜図13(c)は、変形例2を示し、第1の弾性付勢機構28aを移動ダイ2の前部で、かつレール7の外側に設け、第1の弾性付勢機構28bを移動ダイ2の後部で、かつレール7の内側に設けたものである。油圧シリンダ30は固定ブロック16の内外側面に、ピストンロッド31aは可動ブロック17の内外側面にそれぞれ固定されている。
【0058】
最初の組付け固定位置においては、図13(a)(c)に示すように、移動ダイ2の前部及び後部の油圧シリンダ30は、前室32aに圧油することにより、ピストン31を引張りストロークエンドに固定している。従って、移動ダイ2に外力が加わっていないときには移動ダイ2の前後の油圧シリンダ30とピストン31によって移動ダイ2が真直ぐになるように調整している。つまり、ピストン31がストッパとしての役目をしている。
【0059】
この状態で、第1の実施形態と同様に、移動ダイ2に変形が加わったとき、図13(b)に示すように、第1の弾性付勢機構28a,28bのピストンロッド31aが進退することにより、弾性的に付勢することができ、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和することができる。
【0060】
図14(a)〜図14(c)は、変形例3を示し、第1の弾性付勢機構28a,28bを移動ダイ2の前後で、かつレール7の外側に各1個ずつ設けたものであり、油圧シリンダ30は固定ブロック16の内側面に、ピストンロッド31aは可動ブロック17の外側面にそれぞれ固定されている。
【0061】
最初の組付け固定位置においては、図14(a)(c)に示すように、移動ダイ2の前部の油圧シリンダ30は、前室32aに圧油し、後部の油圧シリンダ30は後室32bに圧油することにより、ピストン31を引張りと押しでストロークエンドに押し付けることにより固定している。従って、移動ダイ2に外力が加わっていないときには移動ダイ2の前後の油圧シリンダ30とピストン31によって移動ダイ2が真直ぐになるように調整している。つまり、ピストン31がストッパとしての役目をしている。
【0062】
この状態で、第1の実施形態と同様に、移動ダイ2に変形が加わったとき、図14(b)に示すように、第1の弾性付勢機構28a,28bのピストンロッド31aが進退することにより、弾性的に付勢することができ、移動ダイ2、固定及び移動金型3,4及びリニアガイド9への影響を緩和することができる。なお、本実施形態においては、前部と後部の油圧シリンダ30のピストンロッド31aの長さを変えることにより、ピストン31のストロークエンドで固定しているが、油圧シリンダ30の取付け位置を前部と後部でずらしてもよい。
【0063】
なお、第1の弾性付勢機構28a,28bについて説明したが、第2の弾性付勢機構29a,29bにおいても同様に配置することができる。
【0064】
また、前記実施形態においては、移動ダイを移動して型締力を発生させる駆動機構として油圧型締シリンダを用いた場合について説明したが、移動ダイの背面側からトグル機構によって押圧する駆動機構を採用してもよい。
【0065】
なお、射出成形機の型締装置について説明したが、例えば、ダイカストマシーンやプレス機等においても同様に適用できる。
【0066】
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、移動ダイとリニアレールとの間に、移動ダイを上下方向及び左右方向に弾性的に付勢する弾性付勢機構を設けたことにより、移動ダイが上下方向及び左右方向に変形しても、弾性的に付勢し、リニアガイド、移動ダイ及び金型等に影響を及ぼすことがなく、耐久性を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す射出成形機の型締装置の概略的構成図。
【図2】同実施形態の弾性付勢機構を示す平面図。
【図3】同実施形態の弾性付勢機構を示す側面図。
【図4】同実施形態を示し、(a)(b)は図2のA部の弾性付勢機構を拡大した縦断面図。
【図5】この発明の第2の実施形態を示し、弾性付勢機構を拡大した縦断面図。
【図6】この発明の第3の実施形態を示し、弾性付勢機構を拡大した縦断面図。
【図7】この発明の第4の実施形態を示し、(a)〜(d)は弾性付勢機構の配置構造を示す平面図。
【図8】この発明の第5の実施形態の弾性付勢機構を示す平面図。
【図9】同実施形態の弾性付勢機構を示す側面図。
【図10】同実施形態を示し、(a)(b)は図8のB部の弾性付勢機構を拡大した縦断面図。
【図11】この発明の第6の実施形態を示し、(a)(c)は移動ダイの変形前(組付け固定)状態、(b)は移動ダイの変形後の平面図。
【図12】同実施形態の変形例1を示し、(a)(c)は移動ダイの変形前(組付け固定)状態、(b)は移動ダイの変形後の平面図。
【図13】同実施形態の変形例2を示し、(a)(c)は移動ダイの変形前(組付け固定)状態、(b)は移動ダイの変形後の平面図。
【図14】同実施形態の変形例3を示し、(a)(c)は移動ダイの変形前(組付け固定)状態、(b)は移動ダイの変形後の平面図。
【図15】従来の射出成形機の型締装置の概略的構成図。
【図16】リニアガイドの断面図。
【符号の説明】
1…固定ダイ、2…移動ダイ、3…固定金型、4…移動金型、5…タイバー、6…ベースフレーム、7…ガイドレール(リニアレール)、9…リニアガイド、11…油圧型締シリンダ、18a,18b…弾性付勢機構
Claims (5)
- タイバーを案内として直線移動自在な移動ダイと、ベースフレームに設けられ前記移動ダイを直線移動自在に支持するリニアレールとからなる移動ダイの支持装置において、
前記移動ダイとリニアレールとの間に、前記移動ダイを上下方向及び左右方向に弾性的に付勢する弾性付勢機構を設けたことを特徴とする移動ダイの支持装置。 - 前記弾性付勢機構は、緩衝部材であることを特徴とする請求項1記載の移動ダイの支持装置。
- 前記緩衝部材は、皿ばね、コイルスプリングのいずれかであることを特徴とする請求項2記載の移動ダイの支持装置。
- 前記緩衝部材は、油圧シリンダ、空圧シリンダのいずれかであることを特徴とする請求項2記載の移動ダイの支持装置。
- 固定金型を取付けた固定ダイと、この固定ダイにタイバーを介して移動金型を取付け、前記固定金型に対して進退自在な移動ダイと、前記固定金型と移動金型との型閉時に移動ダイを移動させて型締力を発生させる型締駆動機構とからなる型締装置において、
ベースフレームに前記移動ダイを直線移動自在に支持するリニアレールを設けるとともに、前記移動ダイとリニアレールとの間に、前記移動ダイを上下方向及び左右方向に弾性的に付勢する弾性付勢機構を設けたことを特徴とする型締装置。
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