JP2010283262A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属から選ばれた一種の無機層の一面と、芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類との反応によって得られる100℃〜200℃の線膨張係数が(フィルムの長さ方向と幅方向でいずれも)−5ppm/℃〜+6ppm/℃であるポリイミドフィルムの一面とが、接着剤層を介することなく貼り合わされた積層体であって、ポリイミドフィルムの貼り合わされた面が表面粗さ、P-V値で15nm以下である積層体および積層体回路板。
【選択図】なし
Description
そのため、有機材料からなるフィルムを電子部品の基材として用いる検討がなされ、ポリイミドからなるフィルム、ポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムが提案されている。ポリイミドからなるフィルムは耐熱性に優れ、また、強靭であるのでフィルムを薄くできるという長所を備えている。
これらのポリイミドフィルムは、一般的に線膨張係数が大きく温度変化による寸法変化が著しくて微細な配線をもつ回路の製造に適さない点等が問題となり、使用できる分野が限定される。このように、耐熱性、高機械的物性、フレキシブル性を具備した基材用として十分な物性のフィルムは未だ得られていない。
引張弾性率を高くしたポリイミドフィルムとして、ベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドからなるポリイミドベンゾオキサゾールフィルムが提案されている(特許文献1参照)。このポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを誘電層とするプリント配線板も提案されている(特許文献2、特許文献3参照)。
これらのベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドからなるポリイミドベンゾオキサゾールフィルムは、引張破断強度、引張弾性率で改良され、線膨張係数において満足し得る範囲のものとなっているが、その優れた機械的物性の反面で、薄くすればするほど取り扱い上も困難となり、機械的、力学的に不十分であるなどの課題を有していた。
低温ポリシリコン薄膜トランジスタの作成においては、脱水素化工程において、450℃2時間といった処理も必要な場合がある。 また、水素化アモルファスシリコン薄膜作成には200℃から300℃程度の温度を基板に加える事がありえる。
回路配線作成時に、精密な位置決めをして、多層に薄膜作成、回路形成など行なう際、寸法安定性に劣る形状の変わるフィルムではデバイス作成のための位置決め困難の為、寸法安定性に優れた固い基板に固定し、デバイス作成後にこの固い基板を剥がす方法において、フィルムと基板との剥離がスムースに実施できかつプロセス通過において剥離することのない剥離強度を有する積層体が求められていた。これによって、従来の電子デバイス作成プロセスをそのまま使い、フィルム上のデバイス作成が安定的に精度よく実施することができる。
また、フィルムを剥がす事無くそのままで、金属放熱板付き基板として放熱機能を付け加えたもの、金属補強基板による耐久性、耐衝撃性向上した基板として、使用することも出来る。
また、薄型化が進む単結晶および多結晶Siによる太陽電池には薄くなる為、割れ易く、プロセス中のハンドリング、そして、出来上がった後の耐久性に問題があったが、ポリイミドフィルムを貼ることによる補強基板としての利用もできる。
また、ウエハ上にワニスを塗り、その後に剥がしてフィルム化した場合は、ウエハに同心円状の膜厚分布が出来ることや、フィルムの表と裏での構造の違いから、剥がしたときに反りのでるフィルムとなること、適度な剥離強度を維持し剥離を持ち、フィルムとして物性を保たせる事が難しく、別途作成したフィルムを貼る場合にはウエハ、ガラスなどの狭い面積での膜厚はきわめて同一性が高く、先に回路を作った後で貼り付けることも、貼り付けた後で、回路を作成することも可能となり、回路製作に適している。
すなわち本発明は以下の構成からなる。
1.無機層とポリイミドフィルムから少なくとも構成されてなる積層体の該ポリイミドフィルム上に半導体素子が形成され、該ポリイミドフィルムが芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造(骨格)を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドフィルムであり、該無機層と該ポリイミドフィルム層の間にシランカップリング層を有し、該シランカップリング層の厚さが100nm以下であり、該積層体は、ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属から選ばれた一種の無機層の一面と、該ポリイミドフィルムが、該シランカップリング層を介して貼り合わされた積層体であって、フィルムの長さ方向と幅方向でいずれもの線膨張係数が、−5ppm/℃〜+6ppm/℃であり、積層体のフィルムと無機層との180度剥離強度が1N/cm以上10N/cm以下であることを特徴とする半導体素子付加積層体。
2.該ポリイミドフィルムの厚さが1μm〜50μmであり、無機層と接している側のポリイミド層少なくとも3μmの部分には20nm以上長径を持つ粒子を含有しないことを特徴とする1.に記載の半導体素子付加積層体。
3.半導体素子が太陽電池であることを特徴とする1.又は2.いずれかに記載の半導体素子付加積層体。
4.半導体素子が薄膜トランジスターを含むことを特徴とする1.又は2.いずれかに記載の半導体素子付加積層体。
5.少なくとも無機層とポリイミドフィルムから構成されてなる積層体の該ポリイミドフィルム上に半導体素子が形成された半導体素子付加積層体の製造方法であって、該ポリイミドフィルムは芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類との反応によって得られ、線膨張係数が、フィルムの長さ方向と幅方向でいずれも−5ppm/℃〜+6ppm/℃であり、かつ少なくとも一面の表面粗さがP-V値で15nm以下であり、該無機層はガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属から選ばれた一種の無機層の少なくとも一面をシランカップリング処理してなり、該ポリイミドフィルムの表面粗さがP-V値で15nm以下である一面と、該無機層のシランカップリング処理された面とを重ね合わせ、両者を加圧によって積層することを特徴とする1.〜4.いずれかに記載の半導体素子付加積層体の製造方法。
本発明におけるポリイミドは、下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類、ベンゾオキサゾール構造(骨格)を有する芳香族ジアミン類との組み合わせ。
B.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
中でも特にA.のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基を有するポリイミドの組み合わせが好ましい。
ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類の分子構造は特に限定されるものではなく、具体的には以下のものが挙げられる。
本発明で用いられる芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルム(自己支持性の前駆体フィルム)を得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
これらの微粒子はフィルムに対して好ましくは、0.20〜2.0質量%の範囲で含有させることが必要である。微粒子の含有量が0.20質量%未満であるときは、接着性の向上がそれほどなく好ましくない。一方2.0質量%を超えると表面凹凸が大きくなり過ぎ接着性の向上が見られても平滑性の低下を招くなどによる課題を残し好ましくない。
後述する接着剤層を薄くするためには、滑材の粒子径は接着剤層厚に比べ同程度かそれ以下である事が望ましい。ただし、無機層と接している側のポリイミド層少なくとも3μmの部分には20nm以上長径を持つ粒子は入っていない。このことにより、無機層と接している側のポリイミド層は平滑となり、平滑な無機層との原子レベルで見た接触確率が上がり、接着に好適となる。また好ましくは、無機層と接している側のポリイミド層の5μm以上の部分が20nm以上長径を持つ粒子は入っていない事が好ましい。
本発明におけるポリイミドフィルムの30から300℃の間の平均の線膨張係数は、−5ppm/℃〜+10ppm/℃であり、好ましくは、−3ppm/℃〜+5ppm/℃である。この範囲から外れると、無機基板との線膨張係数の大きさの差が大きくなる為、熱を加えるプロセス中にフィルムと無機層が剥がれ易くなり、使用困難である。また、問題とする本発明におけるポリイミドフィルムの線膨張係数は30から300℃の間の平均の値を用いているが、用途によって、注目する温度範囲は変わり、高温でのプロセスを考慮して、30℃から400℃の範囲を調べる場合、100℃から400℃の範囲の場合もあり、リフロープロセスを念頭において、50℃から280℃の範囲を調べる場合、使用温度範囲として、−50℃から150℃の範囲を重視する場合もありえる。
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、
3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(3- トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン
などが挙げられる。
このうち好ましいものとしては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3―トリエトキシシリルーN−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン
などが挙げられる。
プロセスで耐熱性を要求する場合、Siとアミノ基の間を芳香族でつないだものが望ましい。
AL2O3、Mullite、AlN、SiC、結晶化ガラス、Cordierite、Spodumene、Pb-BSG+CaZrO3+Al2O3、 Crystallized glass+Al2O3、 Crystallized Ca-BSG, BSG+Quartz、 BSG+ Quartz, BSG+ Al2O3、 Pb-BSG+Al2O3、 Glass−ceramic、ゼロデュア材などの 基盤用セラミックスが含まれる。
シリコンウエハのほか、ゲルマニウム、シリコンーゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、アルミニウム−ガリウム−インジウム、窒素−リン−ヒ素−アンチモンがよく用いられている。InP(インジウム燐)、InGaAs、GaInNAs、LT、LN、ZnO(酸化亜鉛)やCdTe(カドミウムテルル)、ZnSe(セレン化亜鉛) などの汎用の半導体ウエハが含まれる。
圧力が高いと、基板を破損する恐れがあり、圧力が低いと、密着しない部分が出る場合がある。好ましい温度としては150℃から400℃、更に好ましくは250℃から350℃で温度が高いと、フィルムにダメージを与え、温度が低いと、密着力が弱い。
本発明におけるプラズマ処理は、特に限定されるものではないが、真空中でのRFプラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理などがあり、フッ素を含むガス処理、イオン源を使ったイオン打ち込み処理、PBII法を使った処理、フレーム処理、イトロ処理なども含める。これらの中でも真空中でのRFプラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、大気圧プラズマ処理が好ましい。
ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属の線膨張係数とポリイミドの線膨張係数がの差が−10ppm/℃〜+10ppm/℃であるポリイミドフィルムの張り合わされた面が表面粗さで、P-V値で15nm以下より好ましくは10nm以下である面と積層することで、張り合わされた面の表面粗さがP-V値で15nm以下であることでより強固に両者が密着し、さらに両者の線膨張係数の乖離が殆ど無く、そのため無機基板に積層された状態で電子デバイス作成時の高温に曝された際にも両者の剥離やフィルムの歪みが発生せず、精度よくデバイスを作成し得る。ポリイミドフィルムの張り合わされた面が表面粗さで、P-V値で2nm以下のものを、作成して、維持することは困難である為に、実質のポリイミドフィルムの張り合わされた面が表面粗さで、P-V値で2nm以上となる。
さらに無機基板とポリイミドフィルムとの両者間の180度剥離強度が1N/cm以上10N/cm以下であることが好ましい。180度剥離強度を1.5N/cm以上より好ましくは2N/cm以上更に好ましくは3N/cm以上とすることによって、デバイス作成時の熱や応力によって剥がれず、かつ180度剥離強度を10N/cm以下より好ましくは5N/cm以下とすることにより無機基板に、無理な応力をためる事無く、安定的なデバイス作成が実施できる。
ただし、シランカップリング剤に由来する層は、耐熱性がある酸化ケイ素成分が多く、400度程度の温度での耐熱性があり、このシランカップリング剤由来する層は0.4μm未満、通常作成すると、0.2μm以下程度となり、使用する範囲として100nm以下(0.1μm以下)望ましくは、50nm以下、更に望ましくは10nmである。極力シランカップリング剤が少ないことを望むプロセスでは、5nm以下でも使用可能である。1nm以下では、剥離強度が低下或は、部分的に付かない部分が出る恐れがあるため、1nm以上であることが望ましい。
以下、フィルム状太陽電池を構成するよう形成される上記積層体の典型例として、光電変換層を一対の電極層で挟んでなる積層構造を説明する。しかし光電変換層を何層か積み重ねた構成なども、PVD,CVDでの作製ならば、本発明の太陽電池といえる。本発明で形成される積層構造は以下に記載される態様に限定されず、従来技術の太陽電池が有する積層体の構成を適宜参照してよく、保護層や公知補助手段を付加してもよいものである。
上記一対の電極層における一方の電極層(以下、裏面電極層とも記載する)は、好ましくは、フィルム基材の一主面上に形成される。裏面電極層は自体公知の方法、例えばCVD(ケミカル・ベ−パ−・デポジション)法やスパッタ法によって、導電性無機材料を積層することによって得られる。導電性無機材料としては、Al、Au、Ag、Cu、Ni、ステンレス鋼などの金属薄膜や、In2O3、SnO2、ZnO、Cd2SnO4、ITO(In2O3 にSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の導電材料などが挙げられる。裏面電極層の厚さは特に限定はなく、通常、30〜1000nm程度である。好ましくは、裏面電極層は金属薄膜である。また、一部の電極引き出しで、Agペーストといった真空を利用しない膜形成を使用しても、本発明の太陽電池といえる。
薄膜シリコン層は、プラズマCVD法、熱CVD法、スパッタリング法、クラスタイオンビーム法、蒸着法などによって得られるシリコン層である。
無定形シリコン層は、実質的に結晶性をもたないシリコンからなる層である。実質的に結晶性をもたないことは、X線を照射しても回折ピークを与えないことによって確かめることができる。無定形シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、例えば、プラズマCVD法や熱CVD法などが含まれる。
多結晶シリコン層は、シリコンからなる微小結晶の集合体からなる層である。上述の無定形シリコン層とは、X線の照射により回折ピークを与えることによって区別される。多結晶シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、無定形シリコンを熱処理する手段などが含まれる。
本発明で用いる光電変換層は、シリコン系半導体層に限られず、例えば、厚膜半導体層であってもよい。厚膜半導体層とは酸化チタン、酸化亜鉛、ヨウ化銅などのペーストから形成される半導体層である。
半導体材料を光電変換層として構成する手段は公知の方法を適宜参照してよい。例えば、200〜500℃の温度下で、SiH4にフォスフィン(PH3)を添加したガス中で高周波プラズマ放電を行うことで約20nmのa−Si(n層)を形成し、続いてSiH4ガスのみで約500nmのa−Si(i層)を形成し、続いてSiH4にジボラン(B2H6)を添加して、約10nmのp−Si(p層)を形成することができる。
かくして、本発明の好適な態様例である、透明電極/p型a−Si/i型a−Si/n型a−Si/金属電極/ポリイミドフィルムの順で積層されてなるフィルム状太陽電池が得られる。また、p層をa−Si、n層を多結晶シリコンとして、両者の間に薄いアンド−プa−Si層を挿入した構造にしてもよい。特に、a−Si/多結晶シリコン系のハイブリッド型にすると、太陽光スペクトルに対する感度が改善される。
太陽電池の作成においては、上記構成に加えて、反射防止層、表面保護層などを付加せしめてもよい。
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(又は、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し、測定した。)
2.ポリイミドフィルムなどの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R) 機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
JIS C6471 の180度剥離法に従って、試料の剥離強度は下記条件で180度剥離試験を行うことで求めた。
装置名 ; 島津製作所社製 オートグラフAG−IS
測定温度 ; 室温
剥離速度 ; 50mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)において、下記条件にて伸縮率を測定し、30℃〜45℃、45℃〜60℃、…と15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。
機器名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
6.PV値測定
表面形態の計測は表面物性評価機能付走査型プローブ顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製SPA300/SPI3800N)を使用した。計測はDFMモードで行い、カンチレバーはエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製DF3又はDF20を使用した。スキャナーはFS−20Aを使用し、走査範囲は2μm四方、測定分解能は512×512ピクセルとした。計測像については二次傾き補正を行った後、装置付属のソフトウエアでPV値を算出した。
7.無機粒子の平均粒子径
測定対象の無機粒子を後述のように溶媒に分散し、堀場製作所社製のレーザー散乱式粒度分布計LB−500により粒子径分布を求め、重量(体積)平均粒子径とCV値を算出した。
(ポリアミド酸溶液A1〜A2の作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物217質量部、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業製)をシリカが表1記載量になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液A1〜A2が得られた。
(ポリアミド酸溶液B1〜B2の作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(BPDA)を入れ、N,N-ジメチルアセトアミドを導入し、均一になるようによく攪拌した後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)をBPDAに当量になるように入れ、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業製)をシリカが表2記載量になるよう加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液B1〜B2が得られた。
(ポリアミド酸溶液Cの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ピロメリット酸無水物(PMDA)、4,4'ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を当量で入れ、N、N−ジメチルアセトアミドに溶解し、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業製)をシリカが表2記載量になるよう加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。
製造例で得たポリアミド酸溶液を、ダイコーターを用いて鏡面仕上げしたステンレススチール製の無端連続ベルト上に塗布し(塗工幅1240mm)、90〜115℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、それぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるようにピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンにさしこむ事により把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なタルミ生じないようにピンシート間隔を調整し、最終ピンシート間隔が1140mm、となるように搬送し、第1段が170℃で2分、第2段として230℃で2分、第3段485℃で6分の条件で加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈するフィルム1〜フィルム6のそれぞれのポリイミドフィルムを得た。得られた各ポリイミドフィルムの特性などの測定結果を表3に記載する。
ポリアミド酸溶液A1を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムA1層と支持体との積層体をロール状に巻き取った。得られたポリアミド酸フィルムA1層の厚みはポリイミドフィルムになった後30μmであった。
得られたポリアミド酸フィルムA1層と支持体との積層体のロール状物を製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液A2をポリイミドフィルムになった後8μmとなるように、コンマコーターを用いてポリアミド酸フィルムA1層面にコーティングし、110℃にて20分間乾燥することで、2層構成のポリアミド酸フィルムを得た。この多層ポリアミド酸フィルムを支持体から剥離後、3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、500mm幅にスリットして、多層ポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムをフィルム7とした。
得られたポリイミドフィルムの特性などの測定結果を表3に記載する。
シランカップリング剤(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)は、イソプロピルアルコールによって1%に希釈後、洗浄、乾燥済みのガラスコーニング#(100mmX100mm)をスピンコーターにて500rpmにて回転させそこに滴下させることで、全面を濡らした。滴下後30秒後に回転を止めると、見た目乾燥していた。これを130℃のホットプレート上で1分おき、その後に真空プレスを行なった。
真空プレスは、ロータリーポンプにて真空に引き、10+2Pa以下の真空度にて、10MPaの圧力で、300℃、10分のプレスを行なった。真空プレスを行なう前に、ポリイミド層フィルム1を使用して、このフィルムを真空プラズマ処理を行った。真空プラズマ処理は平行平板型の電極を使ったRIEモードRFプラズマによる処理で、真空チャンバー内にArガスを導入して、13.54MHzの高周波電力を導入することで処理時間は3分行なった。
評価結果などを表4に示す。
無機層をシリコンウェハーにした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表4に示す。
ポリイミド層を5μmのフィルム3にした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表4に示す。
シランカップリング剤(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)は、イソプロピルアルコールによって1%に希釈後、ポリイミドフィルムをこの液に浸漬した。3分浸漬後に、フィルムを取り出し、概略乾かした後に130℃の熱風乾燥機にて5分更に加熱乾燥させた。その後に洗浄し、次に200℃に加熱したヒーター付きのウエハ用真空吸着盤にて、乾燥済みのSiウエハを真空吸着した後にシランカップリング剤液に浸漬後加熱乾燥させたポリイミドフィルム1を吸着盤上のウエハにローラーにて押さえつけ貼り付けを行い、ウエハ外周形状にポリイミドフィルムを切断した後、真空プレスを行なった。
真空プレスは、ロータリーポンプにて真空に引き、10+2Pa以下の真空度にて、10MPaの圧力で、300℃、10分のプレスを行なった。真空プレスを行なう前に、ポリイミド層は、真空プラズマ処理を行った。評価結果などを表5に示す。
シランカップリング剤(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)をN-2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランにした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表5に示す。
ポリイミド層をフィルム7にしてA1面を貼付け面とした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表5に示す。
SiウエハをSUS403の3mm厚板とした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表6に示す。
SiウエハをAl2O3基板鏡面磨き面とした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表6に示す。
実施例1で作成した積層体を作成に使うフィルムA4サイズに切断後にあらかじめ、CO2レーザーを電流値12A、周波数200Hz、ON時間24μsec、ショット回数4回にて、照射して、Φ80μmの穴を開けてから積層体の作成を行なった。貼付け時に特に問題なく、実施例1と同様のフィルム貼り付けが実施できた。
この後に、開口部を有するステンレス製の枠を被せてスパッタリング装置内の基板ホルダーに固定した。基板ホルダーと、フィルム面は密着するように固定する。このため、基板ホルダー内に冷媒を流すことによってフィルムの温度を設定できる。次いでフィルム表面のプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件はアルゴンガス中で、周波数13.56MHz、出力200W、ガス圧1×10−3Torrの条件であり、処理時の温度は2℃、処理時間は2分間であった。次いで、周波数13.56MHz、出力450W、ガス圧3×10−3Torrの条件、ニッケル−クロム(クロム10質量%)合金のターゲットを用い、アルゴン雰囲気下にてDCマグネトロンスパッタリング法により、1nm/秒のレートで厚さ7nmのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成し、次いで、基板の温度を2℃に設定するよう、基板のスパッタ面の裏面を2℃に温度コントロールした冷媒を中に流した、基板ホルダーのSUSプレートと接する状態でスパッタリングを行った。10nm/秒のレートで銅を蒸着し、厚さ0.25μmの銅薄膜を形成させた。各フィルムからの下地金属薄膜形成フィルムを得た。銅およびNiCr層の厚さは蛍光X線法によって確認した。各フィルムからの下地金属薄膜形成フィルムをプラスチック製の枠に固定し、硫酸銅めっき浴をもちいて、表記載厚さの厚付銅層を形成した。電解めっき条件は電解めっき液(硫酸銅80g/l、硫酸210g/l、HCl、光沢剤少量)に浸漬、電気を1.5Adm2流した。引き続き120℃で10分間熱処理乾燥し、各フィルムからの金属化ポリイミドフィルムを得た。
次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施した。得られた金属化フィルムをプラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅メッキ浴をもちいて、厚さ4μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成し、引き続き80℃で1分間乾燥し目的とする金属化ポリイミドフィルムを得た。
得られた金属化ポリイミドフィルムを使用し、フォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、ライン/スペース=100μm/100μmのライン列ををテストパターンとして形成後、0.5μm厚に無電解スズメッキを行った。その後、125℃、1時間のアニール処理を行った。光学顕微鏡で観察して、だれ、パターン残りの無い良好なパターンが得られた。
実施例1で作成した積層体に、CO2レーザーを電流値12A、周波数200Hz、ON時間24μsec、ショット回数4回にて、照射して、Φ80μmの穴を開けてから積層体の作成を行なった。フィルム部のみ穴が開いた、積層体が作成できた。
この後に貫通部、回路部作成例1と同様に、ライン/スペース=100μm/100μmのライン列ををテストパターンとして作成した。光学顕微鏡で観察して、だれ、パターン残りの無い良好なパターンが得られた。
実施例1で作成した積層体のポリイミド側に、CO2レーザーを電流値12A、周波数200Hz、ON時間24μsec、ショット回数4回にて、照射して、Φ80μmの穴を開けてから、スパッタリングとめっきにより片面にCuを2μm付けた。スパッタリングにより下地NiCr層を20nm堆積させ、真空を破る事無くその上にCu層を200nm堆積させ、その後に電解めっきによって膜厚を2μmとした。その後に、粘着剤付きPETフィルムにより、Cuの付いていない側の面に貼り付け、その後に無電解めっきによりレーザー穴部分に無電解めっき層を付けた後に更に電解めっきを行ない、レーザー穴をCuによって充填させた。
この後に貫通部、回路部作成例1と同様にして、ライン/スペース=50μm/50μmのライン列ををテストパターンとして作成した。光学顕微鏡で観察して、だれ、パターン残りの無い良好なパターンが得られた。
真空プラズマCVD装置中に、実施例1で作成した積層体100mmX100mmのものを導入し、基板温度170℃にして反応ガスをSiH4を42sccmに対して、H2を14sccm導入して、真空プラズマCVD装置中の圧力を0.15Torrとして、放電を行ない、イントリンシックSi薄膜を作成した。薄膜を、大気中に取り出しても、反り、剥がれのない薄膜を得られていた。
同様にして、実施例2から8についてもSi薄膜を作製した。薄膜を、大気中に取り出しても、反り、剥がれのない薄膜を得られていた。
これら、実施例1から8で作成した積層体を使ったSi薄膜付き積層体をN2雰囲気の加熱炉にいれ、400℃1時間後に除冷して取り出しても、反り、剥がれは生じていなかった。このことから、太陽電池薄膜、薄膜トランジスター薄膜を作成するために充分な積層体であると考えられる。
真空プレスを行なう前に、ポリイミド層は、真空プラズマ処理を行わない以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果などを表7に示す。
真空プレスを行なう前に、シランカップリング剤をSiウエハ層に使わない以外は実施例1と同じにした。評価結果などを表7に示す。
無機層をガラス板にした以外は比較例1と同様にして実施した。評価結果などを表7に示す。
使用するフィルムをフィルム2にした以外は比較例1と同様にして実施した。評価結果などを表7に示す。
使用するフィルムをフィルム4にした以外は比較例1と同様にして実施した。評価結果などを表8に示す。
使用するフィルムをフィルム5にした以外は比較例1と同様にして実施した。評価結果などを表8に示す。
無機層をガラス板にして、使用するフィルムをフィルム6にした以外は比較例1と同様にして実施した。評価結果などを表8に示す。
ポリイミド層をフィルム7にしてA2面を貼付け面とした以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果などを表8に示す。
これらの極小薄のセンサーなどのデバイス構造体の製造にとってきわめて有意義であり、産業界への寄与は大きい。
Claims (5)
- 無機層とポリイミドフィルムから少なくとも構成されてなる積層体の該ポリイミドフィルム上に半導体素子が形成され、該ポリイミドフィルムが芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造(骨格)を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドフィルムであり、該無機層と該ポリイミドフィルム層の間にシランカップリング層を有し、該シランカップリング層の厚さが100nm以下であり、該積層体は、ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属から選ばれた一種の無機層の一面と、該ポリイミドフィルムが、該シランカップリング層を介して貼り合わされた積層体であって、フィルムの長さ方向と幅方向でいずれもの線膨張係数が、−5ppm/℃〜+6ppm/℃であり、積層体のフィルムと無機層との180度剥離強度が1N/cm以上10N/cm以下であることを特徴とする半導体素子付加積層体。
- 該ポリイミドフィルムの厚さが1μm〜50μmであり、無機層と接している側のポリイミド層少なくとも3μmの部分には20nm以上長径を持つ粒子を含有しないことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子付加積層体。
- 半導体素子が太陽電池であることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の半導体素子付加積層体。
- 半導体素子が薄膜トランジスターを含むことを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の半導体素子付加積層体。
- 少なくとも無機層とポリイミドフィルムから構成されてなる積層体の該ポリイミドフィルム上に半導体素子が形成された半導体素子付加積層体の製造方法であって、該ポリイミドフィルムは芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類との反応によって得られ、線膨張係数が、フィルムの長さ方向と幅方向でいずれも−5ppm/℃〜+6ppm/℃であり、かつ少なくとも一面の表面粗さがP-V値で15nm以下であり、該無機層はガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属から選ばれた一種の無機層の少なくとも一面をシランカップリング処理してなり、該ポリイミドフィルムの表面粗さがP-V値で15nm以下である一面と、該無機層のシランカップリング処理された面とを重ね合わせ、両者を加圧によって積層することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の半導体素子付加積層体の製造方法。
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