JP2010280531A - シリコン単結晶の育成方法及びシリコン半導体基板の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の育成方法及びシリコン半導体基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】p+型で炭素を添加した結晶において、全面がCOP領域で、かつ結晶面内にリング状OSF領域が発生せず、高酸素濃度でIG能力の高い単結晶を効率的に育成することが可能な、シリコン単結晶の育成方法を提供する。
【解決手段】シリコン単結晶内の抵抗率が0.012〜0.1Ωcmになるようにホウ素を添加し、かつシリコン単結晶内の炭素濃度が5×1015〜10×1016atoms/cm3になるように炭素を添加して石英るつぼからp+型シリコン単結晶を引上げた後、シリコン単結晶を引上げた石英るつぼ内にシリコン原料を供給して溶融させ、石英るつぼから新たにシリコン単結晶を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶を育成することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、高性能撮像素子デバイスに適した白傷欠陥耐性のあるゲッタリング能力の高いシリコンウェーハを製造するための、シリコン単結晶の育成方法及びシリコン半導体基板の製造方法に関する。
携帯電話搭載用途及び一眼レフ対応デジタルカメラの高性能化及び多機能化に関する市場供給が極めて強く、撮像素子デバイス製造メーカーは、微細化によるピクセルサイズの縮小化による対応を実施してきている。超微細化による高性能撮像素子の技術課題としては、白傷欠陥の低減である。なお、この白傷欠陥は、エピタキシャル基板中の金属不純物等に起因する暗電流に相当する。この撮像素子デバイス製造メーカーからのシリコンウェーハ製造メーカーへの要望事項としては、白傷欠陥耐性のある高ゲッタリング能力を有する基板開発及び供給にある。
このような要望に対応できるシリコン単結晶として、チョクラルスキー法(以下、CZ法という。)により、結晶面内にリング状のOSFが現れる条件でホウ素及び炭素をそれぞれ添加してp+型のシリコン単結晶を育成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−145692号公報(請求項6)
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、CISやCCDといった撮像素子のデバイスには、リング状OSFの領域は悪影響を与える問題が発生する。
これはp+型結晶ではホウ素濃度の影響を受け、結晶の育成速度を遅くしなくても、リング状OSF領域が結晶径方向から中心方向へ閉じ始める現象が観察されるためである。
本発明の目的は、p+型で炭素を添加した結晶において、全面がCOP領域で、かつ結晶面内にリング状OSF領域が発生せず、高酸素濃度でIG能力の高い単結晶を効率的に育成することが可能な、シリコン単結晶の育成方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、チャンバに収容された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、種結晶からシリコン単結晶を引上げて育成するシリコン単結晶の育成方法において、シリコン単結晶内の抵抗率が0.012〜0.1Ωcmになるようにホウ素を添加し、かつシリコン単結晶内の炭素濃度が5×1015〜10×1016atoms/cm3になるように炭素を添加して石英るつぼからp+型シリコン単結晶を引上げた後、シリコン単結晶を引上げた石英るつぼ内にシリコン原料を供給して溶融させ、石英るつぼから 新たにシリコン単結晶を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶を育成することを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更にシリコン単結晶の引上げ速度を結晶面内全面がCOP欠陥領域であり、かつリング状OSF領域が排除可能な引上げ速度とすることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更にシリコン単結晶内の格子間酸素濃度が14〜17×1017atoms/cm3の範囲であることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1ないし第3の観点に基づく発明であって、更に石英るつぼ内のシリコン融液に0.2T以上の水平磁場を印加することを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1ないし第4の観点に基づく方法で育成されたシリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハをエピタキシャルウェーハのベース基板に用いることを特徴とするシリコン半導体基板の製造方法である。
本発明の第1の観点では、抵抗率及び炭素濃度をそれぞれ規定してマルチプリング法により複数本のp+型シリコン単結晶を育成することで、p+型で炭素を添加した結晶において、全面がCOP領域で、かつ結晶面内にリング状OSF領域が発生せず、高酸素濃度でIG能力の高い単結晶を効率的に育成することができる。
本発明実施形態のシリコン単結晶の育成装置の縦断面構成図である。 実施例1の引上げ条件から計算により求めた、結晶引上げ率と炭素濃度並びに抵抗率の関係を示す図である。 実施例2の炭素濃度と石英るつぼ内表面荒れ状態の関係を示す図である。 実施例3の引上げ条件から計算により求めた、結晶引上げ率と抵抗率並びに炭素濃度の関係を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明に使用される装置は、特に限定されないが、例えば、図1に示す育成装置を用いることができる。このシリコン単結晶11の育成装置は、内部を真空可能に構成されたメインチャンバ12と、このチャンバ12内の中央に設けられた石英るつぼ13とを備える。メインチャンバ12は円筒状の真空容器である。この石英るつぼ13は、黒鉛るつぼに載置され、この黒鉛るつぼの底部にはシャフト14の上端が接続され、このシャフト14の下端にはシャフト14を介して石英るつぼ13を回転させかつ昇降させる駆動手段16が設けられる。更に石英るつぼ13の外周面は円筒状のヒータ17により石英るつぼ13の外周面から所定の間隔をあけて包囲され、このヒータ17の外周面は円筒状の保温筒18によりヒータ17の外周面から所定の間隔をあけて包囲される。
一方、メインチャンバ12の上端には、内部が連通するようにメインチャンバ12より小径の円筒状のプルチャンバ19が接続される。このプルチャンバ19の上端には引上げ回転手段20が設けられる。この引上げ回転手段20は、下端にシードチャック21が取付けられた引上げ軸22を昇降させるとともに、この引上げ軸22をその軸線を中心に回転させるように構成される。また上記シードチャック21には種結晶23が着脱可能に装着される。この種結晶23の下端をシリコン融液15中に浸漬した後、種結晶23を引上げ回転手段20により回転させかつ引上げるとともに、石英るつぼ13をるつぼ駆動手段16により回転させかつ上昇させることにより、種結晶23の下端からシリコン単結晶11を引上げて育成するように構成される。
また、この育成装置には、減少したシリコン融液15を補給するため、石英るつぼ13に多結晶シリコン原料52を供給するための原料供給管51が設けられ、シリコン単結晶11を育成装置から取り出した後の石英るつぼ13内に残るシリコン融液15の液面上に供給するようになっている。原料供給管51は上端側が、図示しない支持手段により支持されて垂下される。これにより、マルチプリングによる引上げが可能となっている。なお、ここでは育成装置の外部から原料供給管51を挿入するようにした原料供給形態を示したが、これに限定されるものではなく、例えば育成装置内に底部が開閉可能な原料供給装置内部に多結晶シリコン原料52を充填するようにして原料供給を行う形態等であってもよい。
メインチャンバ12内にはアルゴンガス等の不活性ガスが流通される。プルチャンバ19の側壁にはガス供給パイプ24の一端が接続され、このガス供給パイプ24の他端は不活性ガスを貯留するタンク(図示せず)に接続される。またメインチャンバ12の下壁にはガス排出パイプ26の一端が接続され、このガス排出パイプ26の他端は真空ポンプ27の吸入口に接続される。タンク内の不活性ガスは、ガス供給パイプ24を通ってプルチャンバ19内に導入され、メインチャンバ12内を通った後、ガス排出パイプ26を通ってメインチャンバ12から排出されるように構成される。なお、ガス供給パイプ24及び排出パイプ26にはこれらのパイプを流れる不活性ガスの流量を調整する第1及び第2流量調整弁41,42がそれぞれ設けられる。
またメインチャンバ12内には、シリコン単結晶11外周面へのヒータ17の輻射熱の照射を遮るとともに、上記不活性ガスを整流するための熱遮蔽体28が設けられる。この熱遮蔽体28は、下方に向うに従って直径が次第に小さくなりかつシリコン融液15から引上げられるシリコン単結晶11の外周面をこの外周面から所定の間隔をあけて包囲する円錐台状の筒体28aと、この筒体28aの上縁に連設され外方に略水平方向に張り出すフランジ部28bとを有する。熱遮蔽体28は、フランジ部28bを保温筒18上にリング板28cを介して載置することにより、筒体28aの下縁がシリコン融液15表面から所定のギャップをあけて上方に位置するようにメインチャンバ12内に固定される。更にシリコン融液15には水平磁場29を印加しながらシリコン単結晶11を引上げるように構成される。この水平磁場29は、同一のコイル直径を有する第1及び第2コイル31,32を、石英るつぼ13の外周面から水平方向に所定の間隔をあけた外側方に、石英るつぼ13を中心として互いに対向するように配設し、これらのコイル31,32にそれぞれ同一向きの電流を流すことにより発生する。
このように構成された装置を用いてシリコン単結晶11を育成する方法を説明する。先ずシリコン原料の溶解前(溶解後であってもよい。)にホウ素を添加してシリコン融液15にドーパントを含有させる。引上げるシリコン単結晶内の抵抗率は0.012〜0.1Ωcmのp+型であり、この抵抗率を満足するようにドーパントの含有量が調整される。このうち、特に好ましい抵抗率は0.015Ωcm以上である。抵抗率を0.012〜0.1Ωcmの範囲内としたのは、この範囲内であればリング状OSF領域が結晶径方向に発生しないためである。抵抗率が0.012Ωcm未満、即ち高濃度のドープでは、リング状OSF領域が結晶中心部に向けて収縮し、結晶面内にリング状OSF領域が発生してしまう。また、抵抗率が0.1Ωcmを越える、即ち低濃度のドープでは、ドーパントによるゲッタリング作用が得られ難くなり、デバイスにおける不純物汚染を解消することが困難となる。
また、シリコン原料の溶解前(溶解後であってもよい。)に炭素を添加してシリコン融液15に炭素を含有させる。引上げるシリコン単結晶11内の炭素濃度は5×1015〜10×1016atoms/cm3であり、この濃度を満足するように炭素の含有量が調整される。このうち、特に好ましい炭素濃度は5×1015〜5×1016atoms/cm3である。炭素濃度を5×1015〜10×1016atoms/cm3の範囲内としたのは、この範囲内であれば、結晶内に十分な酸素析出核の形成・成長を行えるからである。炭素濃度が5×1015atoms/cm3未満では、酸素析出核の形成そのものが起こり難く、結晶内に十分な酸素析出物を確保できないという不具合を生じてしまう。また、炭素濃度が10×1016atoms/cm3を越えると、石英るつぼ13内表面が劣化し、この劣化に起因して単結晶11が有転位化(多結晶化)してしまう。なお、ここでいう石英るつぼ13内表面の劣化とは、高炭素濃度のシリコン融液15との長時間の接触によって、石英るつぼ13内表面が結晶化(クリストバライト化)し、結晶化している部分が剥離してしまうことを指す。
また、引上げるシリコン単結晶11内の格子間酸素濃度は14〜17×1017atoms/cm3の範囲である。
また、第1及び第2コイル31,32にそれぞれ同一向きの電流を流すことにより水平磁場29を発生させる。この水平磁場29の磁場強度はシリコン融液15表面と石英るつぼ13の中心軸との交点で測定され、その磁場強度が0.2T(テスラ)以上となるように、第1及び第2コイル31,32に流れる電流が制御される。それは、高濃度の炭素が添加されたシリコン融液15に長時間接する石英るつぼ13の劣化を抑制するには、0.2T以上の磁場強度が必要なためである。磁場強度が0.2T未満では短い結晶を複数本育成するのが困難である。但し、過度に磁場強度を高くすると、石英るつぼ13の内表面の劣化を促進し単結晶11の有転位化を招くおそれがあるため、磁場強度を0.5T以下とすることが望ましい。このうち、特に好ましい磁場強度は0.2〜0.4Tである。
単結晶の引上げ速度はその速度が遅いほど結晶面内にリング状OSF領域が発生してしまうため、0.7mm/min以上が望ましく、特に1.0mm/min以上の引上げ速度を確保することが望ましい。引上げ速度の上限としては単結晶の形状が変形しない程度の引上げ速度にする必要があり、2.0mm/minを越えない引上げ速度の範囲内に調整することが望ましい。この範囲であれば、結晶面内全面をCOP欠陥領域とすることができる。
そして、マルチプリング法によって、シリコン単結晶11の引上げを行う。このマルチプリング法による引上げでは、引上げる単結晶11の直径、目標とする抵抗率並びに炭素濃度の範囲及びシリコン融液15に添加するドーパント並びに炭素の偏析係数から、リング状OSF領域が結晶径方向から中心方向へ閉じ始める前のドーパント濃度範囲で、かつ、るつぼ13内表面の劣化を生じない炭素濃度範囲で結晶を切り離すように、単結晶11の引上げ率を予め設定しておく。そして、この予め設定した引上げ率まで単結晶11を引上げた後、単結晶11を切り離し、育成装置に設けられた原料供給管51から石英るつぼ13内にシリコン原料52を供給して溶融させ、再び種結晶23をシリコン融液15中に浸漬させて石英るつぼ13から新たにシリコン単結晶を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶を育成する。これにより、p+型で炭素を添加したシリコン単結晶11の直胴部全長において、全面COP領域で、リング状OSF領域が発生せず、高酸素濃度でIG能の高い単結晶11を効率的に育成することができる。なお、引上げたシリコン単結晶から切り出したウェーハの比抵抗は4深針法により測定し、炭素濃度は二次イオン質量分析装置(SIMS)で測定する。
+型結晶に炭素を添加するとホウ素などのドーパント濃度が上昇しかつ炭素濃度が上昇した領域では結晶が無転位で育成が困難になってくる現象が見られる。これは石英るつぼ13内表面が炭素濃度の上昇に伴い劣化の速度が速くなるためである。この対策としては炭素濃度の上昇を抑制する必要がある、このような高濃度の炭素領域に入る前に上記と同様に結晶を切り離す必要がある。
このようにドーパント濃度と炭素濃度の関係から結晶を切り離すタイミングを計算することで、高歩留まりで品質の高い結晶を供給することが可能となる。
上記育成されたシリコン単結晶11は、全面COP領域で、リング状OSF領域が発生せず、高酸素濃度でIG能の高い単結晶であるため、高性能撮像素子デバイス用途に適する。そして、高性能撮像素子デバイス用途のシリコン半導体基板を製造するには、このシリコン単結晶11からスライスして得られたシリコンウェーハをエピタキシャルウェーハのベース基板として用いることで達成される。
次に本発明の実施例を詳しく説明する。
<実施例1>
図1に示す育成装置を用いて、CZ法によりシリコン単結晶11を育成した。具体的には、先ず、引上げるシリコン単結晶11の直径を308mm、結晶直胴部トップにおける抵抗率を0.018Ωcmに設定し、引上げる単結晶11の引上げ率を55%に予め設定した。
次に、シリコン原料を初期チャージ量300kgで育成装置に設置された石英るつぼ13内に投入し、抵抗率を調整するためのドーパントとしてホウ素を添加し、また炭素を添加してそれぞれ溶融させた。
次に、シリコン融液15に種結晶23を浸漬させた後、種結晶23を回転させながら上方に引上げて、種結晶23の下端にシリコン単結晶11を育成し、結晶引上げ率55%の時点でシリコン単結晶11をシリコン融液15から切り離した。このシリコン単結晶11の結晶引上げ率35%の位置からサンプルウェーハを採取した。これをサンプル1−1とした。なお、単結晶の引上げ速度は1.0mm/minとした。
また、抵抗率の影響を確認するため、炭素濃度及び酸素濃度をほぼ同一濃度となるように設定し、結晶引上げ率35%における抵抗率を次の表1に示す数値となるように変動させた以外はサンプル1−1と同様にしてシリコン単結晶を育成した。これらをサンプル1−2〜サンプル1−4とした。
実施例1の引上げ条件から計算により求めた、結晶引上げ率に対する抵抗率並びに炭素濃度の関係を図2に示す。
<評価1>
育成されたサンプル1−1〜1−4のシリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハを各25枚ずつ用意し、これらのウェーハをエピタキシャルウェーハのベース基板として用い、気相成長によりその表面に単結晶シリコンを厚さが4μmとなるようにエピタキシャル成長させた。そしてエピタキシャル成長させた表面を表面欠陥検査装置(Tencor社製;SP−1)により観察し、エピタキシャル欠陥の個数を求めた。サンプル1−1〜1−4における、25枚あたりのエピタキシャル欠陥の累積個数を次の表1に示す。
Figure 2010280531
表1から明らかなように、サンプル1−1,1−2のように抵抗率が0.012Ωcm以上ではエピタキシャル欠陥は発生していないが、サンプル1−3,1−4のように抵抗率が0.012Ωcm未満になるとエピタキシャル欠陥が発生し、抵抗率値が低くなると欠陥数が増加する傾向が見られた。その理由としては、抵抗率が0.012Ωcm未満では、結晶面内にリング状OSF領域が発生し、抵抗率値が低くなるほどリング状OSF領域が結晶径方向から中心方向へ閉じ始めて、その領域が拡大し、結晶面内に占める割合が増加していることによるものと推察される。以上のことから、エピタキシャル欠陥の発生を抑制するためには、抵抗率を0.012Ωcm以上とすることが好適であることが確認された。
<実施例2>
図1に示す育成装置を用いて、CZ法によりシリコン単結晶11を育成した。具体的には、先ず、引上げるシリコン単結晶11の直径を308mm、結晶直胴部トップにおける抵抗率を0.018Ωcm、結晶直胴部ボトムでの炭素濃度を1×1016atoms/cm3に設定した。
次に、シリコン原料を初期チャージ量300kgで育成装置に設置された石英るつぼ13内に投入し、抵抗率を調整するためのドーパントとしてホウ素を添加し、また炭素を添加してそれぞれ溶融させた。
次に、シリコン融液15に種結晶23を浸漬させた後、種結晶23を回転させながら上方に引上げて、種結晶23の下端にシリコン単結晶11を育成し、結晶引上げ率95%の時点でシリコン単結晶をシリコン融液15から切り離した。同様にして同条件で計5本引上げ、これをサンプル2−1とした。なお、単結晶の引上げ速度は1.0mm/minとした。
また、炭素濃度による結晶引上げ歩留まりの影響を確認するため、結晶直胴部ボトムでの炭素濃度を次の表2に示す数値となるように変動させた以外はサンプル2−1と同様にしてシリコン単結晶を育成した。これらをサンプル2−2〜2−6とした。
<評価2>
育成されたサンプル2−1〜2−6のシリコン単結晶について、最後まで単結晶で終了した割合を求めた。その結果を次の表2に示す。
Figure 2010280531
表2から明らかなように、サンプル2−1〜2−3のように炭素濃度が10×1016atoms/cm3の範囲以下では最後まで単結晶の状態で引上げることができたが、サンプル2−4〜2−6のようにこの濃度を越えると、高濃度になるにつれて、最後まで単結晶の状態で引上げることができる割合が低下していく結果となった。その理由としては、炭素濃度が高くなると、石英るつぼ内表面の劣化が進行し、この劣化に起因して単結晶が有転位化したことによるものと考えられる。この結果から、適切な炭素濃度範囲が存在することが確認された。
次に、引上げ使用後における石英るつぼの内表面で結晶化している部分の剥がれの状態を観察した。石英るつぼ内表面荒れ状態は次の式(1)より求めた。サンプル2−1〜2−6における炭素濃度と石英るつぼ内表面荒れ状態の関係を図3に示す。
石英るつぼ内表面荒れ状態(%) = 剥がれの面積/結晶化の面積 ……(1)
図3から明らかなように、炭素濃度が10×1016atoms/cm3以下では石英るつぼの内表面に剥がれは殆ど見られなかったが、その濃度を越えると急激に剥がれが進行した。この結果から、炭素濃度は10×1016atoms/cm3以下とすることが石英るつぼ内表面の劣化の低減のために好ましいことが確認された。
<実施例3>
図1に示す育成装置を用いて、CZ法によりシリコン単結晶11を育成した。具体的には、先ず、引上げるシリコン単結晶11の直径を308mm、結晶直胴部トップにおける抵抗率を0.018Ωcm、結晶直胴部ボトムにおける炭素濃度を10×1016atoms/cm3に設定し、引上げる単結晶11の引上げ率を65%に予め設定した。
次に、シリコン原料を初期チャージ量300kgで育成装置に設置された石英るつぼ13内に投入し、抵抗率を調整するためのドーパントとしてホウ素を添加し、また炭素を添加してそれぞれ溶融させた。このシリコン融液15に対して、育成装置の第1及び第2コイル31,32をそれぞれ同一向きの電流を流すことにより、磁場強度0.25T(テスラ)の水平磁場を印加した。
次に、シリコン融液15に種結晶23を浸漬させた後、種結晶23を回転させながら上方に引上げて、種結晶23の下端にシリコン単結晶11を育成し、結晶引上げ率65%でシリコン単結晶11をシリコン融液15から切り離した。なお、単結晶の引上げ速度は1.0mm/minとした。
続いて、育成装置に設けられた原料供給管51から石英るつぼ13内に多結晶シリコン原料52を供給して溶融させた後、上記条件と同じ条件で、シリコン単結晶11を石英るつぼ13から引上げることにより、更に別のシリコン単結晶11を育成し、計3本のシリコン単結晶11を育成した。
実施例3の引上げ条件から計算により求めた、結晶引上げ率に対する抵抗率並びに炭素濃度の関係を図4に示す。
<評価3>
育成された3本のシリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハを用意し、結晶面内におけるリング状OSF領域の有無を確認した。その結果を次の表3に示す。
Figure 2010280531
表3から明らかなように、1〜3本目それぞれの単結晶から得られたシリコンウェーハの全てのウェーハ面内にはリング状OSF領域の発生が確認されなかった。このことから、結晶の直胴部ボトムの抵抗率が0.015Ωcm前後では、マルチプリング法により複数本シリコン単結晶を育成しても、リング状OSF領域が発生しないことが確認された。
11 シリコン単結晶
12 メインチャンバ
13 石英るつぼ
15 シリコン融液

Claims (5)

  1. チャンバに収容された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、前記種結晶からシリコン単結晶を引上げて育成するシリコン単結晶の育成方法において、
    シリコン単結晶内の抵抗率が0.012〜0.1Ωcmになるようにホウ素を添加し、かつシリコン単結晶内の炭素濃度が5×1015〜10×1016atoms/cm3になるように炭素を添加して前記石英るつぼからp+型シリコン単結晶を引上げた後、
    前記シリコン単結晶を引上げた石英るつぼ内にシリコン原料を供給して溶融させ、前記石英るつぼから新たにシリコン単結晶を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. シリコン単結晶の引上げ速度を結晶面内全面がCOP欠陥領域であり、かつリング状OSF領域が排除可能な引上げ速度とする請求項1記載の育成方法。
  3. シリコン単結晶内の格子間酸素濃度が14〜17×1017atoms/cm3の範囲である請求項1又は2記載の育成方法。
  4. 石英るつぼ内のシリコン融液に0.2T以上の水平磁場を印加する請求項1ないし3いずれか1項に記載の育成方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の方法で育成されたシリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハをエピタキシャルウェーハのベース基板に用いることを特徴とするシリコン半導体基板の製造方法。
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