JP2010277883A - 白熱電球および光源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この白熱電球は、バルブ内に、1本の線材が巻回されてなるシングルコイルよりなるフィラメントセグメントの複数がバルブの軸方向に沿って並列に並ぶよう平面状に配設されて形成されたフィラメントを具えてなり、バルブの中心部に配置されるフィラメントセグメントのピッチ幅が、両側部に配置されるフィラメントセグメントのピッチ幅より小さい構成とされている。光源装置は、当該白熱電球と集光鏡とよりなり、白熱電球が、バルブの中心部に位置される2つのフィラメントセグメントが集光鏡の中心軸を挟んで位置されて集光鏡の中心軸に沿って伸びる姿勢で、配置されている。
【選択図】 図2
Description
このような面発光の白熱電球は、基本的には、シングルコイルフィラメントが線状に伸びるよう配設された構成のものに比べて入力を高くすることができるので、明るい光源となる。
このような要請に対して、例えば、フィラメントを、シングルコイルフィラメントを更にコイル状に巻回することによりダブルコイルとして構成し、フィラメントに対する入力を大きくすることにより、白熱電球自体の発光強度を向上させることができる。しかし、このような構成のフィラメントは、機械的振動などの衝撃に弱く、変形、断線しやすいという問題がある。
この光源装置40は、シングルコイルフィラメントよりなるフィラメントセグメント42Aの複数が平面状に並列配置されてなるフィラメント42を具えた白熱電球41と、照明方向(図4における左方向,白抜きの矢印で示す。)における白熱電球41の前方側位置に配置されたレンズ45と、照明方向における白熱電球41の後方側位置に配置された反射鏡48とを具えており、白熱電球41から放射された光が直接的にあるいは白熱電球41の後方側に配置された反射鏡48によって前方に反射され、レンズ45を介して照射されるよう構成されている。
白熱電球41は、複数のフィラメントセグメント42Aの各々がバルブの管軸(白熱電球の中心軸)C2に沿って伸びる姿勢、すなわち、照明方向に垂直な方向に伸びる姿勢で配置されており、レンズの中心軸(光軸)L2および反射鏡の中心軸(光軸)L3は、互いに一致した状態で、白熱電球41における各々のフィラメントセグメント42A(白熱電球の中心軸C2)に直交する状態とされている。図4における符号44は、バルブ43の一端に、例えば接着剤によって取り付けられた、例えばセラミックスよりなる口金碍子である。
また、本発明の他の目的は、上記白熱電球を具え、当該白熱電球から放射される光の利用効率の高い光源装置を提供することにある。
前記バルブの中心部に位置されるフィラメントセグメントのピッチ幅が、両側部に位置されるフィラメントセグメントのピッチ幅より小さいことを特徴とする。
当該白熱電球は、バルブの中心部に位置される2つのフィラメントセグメントが集光鏡の中心軸を挟んで位置されるよう集光鏡の中心軸に沿って伸びる姿勢で、配置されていることを特徴とする。
図1は、本発明の光源装置の一例における構成の概略を示す説明図、図2は、本発明の白熱電球の一例における要部構成の概略を示す説明図、図3は、図2に示す白熱電球におけるフィラメントの一部を拡大して示す説明図である。
この光源装置10は、全体が概略お椀状の楕円集光鏡または放物面集光鏡よりなる集光鏡11内に、白熱電球20が、バルブの管軸(白熱電球の中心軸)C1が集光鏡の中心軸(光軸)L1と一致する姿勢で、保持固定されて構成されている。
集光鏡11は、例えば、ホウケイ酸ガラスやアルミナシリケートガラス等の耐熱性ガラスよりなり、内表面に誘電多層膜が形成されて反射面12とされている。
バルブ21における封止部22には、例えばセラミックスまたは金属よりなる有底円筒状の口金碍子28が例えば接着剤によって固定されている。符号29は金属製の接続端子であって、口金碍子28の底部より軸方向外方に導出されている。
この実施例におけるフィラメント30は、8本のフィラメントセグメントを有しており、バルブ21の中心部に位置される2本のフィラメントセグメント(以下、「中央セグメント」という。)31の各々の一端が円弧状に湾曲するトビ部38を介して連続し、各々の中央セグメント31の他端が当該中央セグメント31に隣接するフィラメントセグメント(以下、「内側中間セグメント」という。)32の他端にトビ部38を介して連続し、各々の内側中間セグメント32の一端が当該内側中間セグメント32に隣接するフィラメントセグメント(以下、「外側中間セグメント」という。)33の一端にトビ部38を介して連続し、外側中間セグメント33の他端が当該外側中間セグメント33に隣接する、バルブ21の両側部に位置されるフィラメントセグメント(以下、「端部セグメント」という。)34の他端にトビ部38を介して連続しており、各々の端部セグメント34の一端には、コイル状の接続部35が連続して形成されている。
一対の内部リード23は、第1のガラス片24Aおよび第2のガラス片24Bのそれぞれに他端部および中間部が埋設固定されていると共に、一端部が口金碍子28の接続端子29に電気的に接続された状態で封止部22に埋設固定されている。
なお、図2における符号26で示される構成部材はサポータであって、両端側部分がそれぞれ第1のガラス片24Aおよび第2のガラス片24Bに埋設固定されている。
この実施例においては、バルブ21の中心部に位置される中央セグメント31のピッチ幅p1、内側中間セグメント32のピッチ幅p2、外側中間セグメント33のピッチ幅p3およびバルブ21の両端部に位置される端部セグメント34のピッチ幅p4が、p1<p2<p3<p4とされており、バルブ21の中心部に位置される2本の中央セグメント31のピッチ幅p1が最も小さく設定されると共に、バルブ21の中心部に対して径方向外方側に位置されるフィラメントセグメント程、ピッチ幅が大きくなるよう設定された構成とされている。
各フィラメントセグメントのピッチ幅は、隣接する素線間のクリアランス(隙間)の大きさが0であるもののピッチ幅を100%としたときの相対値が、例えば135〜180%の範囲内に設定されていることが好ましい。
また、内側中間セグメント32、外側中間セグメント33および端部セグメント34のピッチ幅は、いずれも、中央セグメント31のピッチ幅p1の、内側中間セグメント32、外側中間セグメント33および端部セグメント34のピッチ幅に対する(ピッチ幅比率;p1/p2,p1/p3,p1/p4)が70%以上となるよう設定されていることが好ましい。
このような構成であることにより、フィラメント30を、その形成領域FAが正方形に近い平面形状となるよう構成することができるので、これにより、被光照射面において、円形に近い形の配向分布を一層確実に得ることができて、点光源に近い照度特性を確実に得ることができる。一方、フィラメントの形成領域FAが、バルブ21の軸方向もしくはその垂直な方向のいずれか一方が他方に対して過大である場合には、被光照射面において円形に近い形の配向分布を得ることができなくなり、所望の照度特性を得ることが困難である。
すなわち、白熱電球20は、フィラメント30におけるバルブ21の中心部に位置される、ピッチ幅が他のフィラメントセグメントに比して小さい2つの中央セグメント31が、集光鏡の中心軸L1を挟んで位置されることとなり、従って、集光鏡11の集光点(中心軸L1上の位置)が、白熱電球20におけるフィラメント30の、最も高い照度の光が放射される部分に位置されるよう構成されている。
また、フィラメント形成領域FAとバルブ21との間に隙間が空くよう配置されることによって、バルブ21の軸方向に垂直な方向に対してフィラメントの形成領域FAより長いガラス片24a、24bを、バルブ21の内部に配置することができる。
<白熱電球の作製例1>
図1乃至図3に示す構成に従って、本発明に係る白熱電球(以下、「白熱電球1」という。)を作製した。
バルブ(21)の材質は石英ガラスであり、外径が18mm、内径が15mm、全長が55mmである。
フィラメント(30)は、フィラメントセグメントの数が8本(2本の中央セグメント(31)、2本の内側中間セグメント(32)、2本の外側中間セグメント(33)および2本の端部セグメント(34))であり、各々のフィラメントセグメントおよびフィラメント(30)全体の仕様は下記表1に示す通りである。
表1において、「ピッチ幅」は、隣接する素線間のクリアランス(隙間)の大きさが0であるもののピッチ幅を100%としたときの相対値で示されている。なお、中央セグメント(31)における隣接する素線間のクリアランスの大きさは0.09mm(=素線径0.19mm×0.47)、内側中間セグメント(32)における素線間のクリアランスの大きさは0.10mm、外側中間セグメント(33)における素線間のクリアランスの大きさは0.12mm、端部セグメント(34)における素線間のクリアランスの大きさは0.14mmである。
フィラメント(30)の形成領域(FA)における、バルブ(21)の管軸に垂直な方向の長さ(W)は、バルブ(21)の内径の60%の大きさであり、縦横比(H/W)は0.9である。
上記白熱電球の作製例1において、下記表1に示されるように、中央セグメント、内側中間セグメント、外側中間セグメントおよび端部セグメントの8本のフィラメントセグメントの各々におけるピッチ幅および設計電力をすべて同一の大きさとしたことの他は、上記白熱電球1と同一の構成を有する比較用の白熱電球(以下、「比較用白熱電球1」という。)を作製した。各フィラメントセグメントにおける素線間のクリアランスの大きさは、0.09mmである。
上記白熱電球の作製例1において、フィラメントを、フィラメントセグメントの数を6本(2本の中央セグメント、2本の中間セグメントおよび2本の端部セグメント)として構成し、各フィラメントセグメントにおけるピッチ幅および各フィラメントセグメントの設計電力を下記表1に従って変更したことの他は、上記白熱電球1と同一の構成を有する比較用の白熱電球(以下、「比較用白熱電球2」という。)を作製した。なお、中央セグメントにおける素線間のクリアランスの大きさは0.09mm、中間セグメントにおける素線間のクリアランスの大きさは0.12mm、端部セグメントにおける素線間のクリアランスの大きさは0.15mmである。
〔点灯試験〕
放物面集光鏡の開口縁からの、集光鏡の中心軸方向に対する離間距離が5mの位置における、縦1m×横1mの範囲を被光照射面として設定し、各々の白熱電球を入力電力575Wの条件で点灯させ、被光照射面上に形成される照射スポットにおける中心照度を測定すると共に、白熱電球から放射される光の利用効率を測定した。結果を下記表2に示す。 表2において、「中心照度」は、比較用白熱電球1に係る光源装置において得られる中心照度に対する相対値〔%〕で示されている。また、「光の利用効率」は、被光照射面における光束の、白熱電球単体の全光束に対する比率〔(被光照射面における光束)/(全光束)〕により示される値であって、比較用白熱電球1に係る光源装置において得られる光の利用効率に対する相対値〔%〕で示されている。
また、比較用白熱電球2に係る光源装置による結果との関係において、フィラメントの形成領域を正方形に近い平面形状となるよう構成することにより、本発明に係る白熱電球1によれば、上記効果を確実に得ることができることが確認された。
例えば、フィラメントの構成は、上記実施例において例示した、8本のフィラメントセグメントよりなるものに限定されるものではなく、少なくともバルブの中心部に位置されるフィラメントセグメントのピッチ幅がバルブの両側部に位置されるフィラメントセグメントのピッチ幅より相対的に小さい構成とされていれば、フィラメントセグメントの数、フィラメントセグメントのピッチ幅およびその他の構成は目的に応じて適宜に変更することができる。
具体的には例えば、上記実施例において例示したフィラメントの構成においては、バルブの中心部に位置される中央セグメントのピッチ幅を最も小さく設定すると共にバルブの中心部に対して径方向外方側に位置されるフィラメントセグメント程、ピッチ幅を大きく設定している、すなわち、ピッチ幅を4段階で変更しているが、中心部に近い領域内に位置される一または複数のフィラメントセグメントと、その他の領域内に位置される一または複数のフィラメントセグメントとの2段階でピッチ幅が変更された構成とされていても、あるいは、フィラメントセグメントの数を増やして5段階以上でピッチ幅が変更された構成とされていてもよい。
11 集光鏡
12 反射面
20 白熱電球
21 バルブ
21A 排気管残部
22 封止部
23 内部リード
24A 第1のガラス片
24B 第2のガラス片
25 アンカー
26 サポータ
28 口金碍子
29 接続端子
30 フィラメント
31 中央セグメント(フィラメントセグメント)
32 内側中間セグメント(フィラメントセグメント)
33 外側中間セグメント(フィラメントセグメント)
34 端部セグメント(フィラメントセグメント)
38 トビ部
35 接続部
40 光源装置
41 白熱電球
42 フィラメント
42A フィラメントセグメント
43 バルブ
44 口金碍子
45 レンズ
48 反射鏡
C1 バルブの管軸(白熱電球の中心軸)
C2 バルブの管軸(白熱電球の中心軸)
L1 集光鏡の中心軸(光軸)
L2 レンズの中心軸(光軸)
L3 反射鏡の中心軸(光軸)
p1 中央セグメントのピッチ幅
p2 内側中間セグメントのピッチ幅
p3 外側中間セグメントのピッチ幅
p4 端部セグメントのピッチ幅
d フィラメントセグメントの中心軸間距離
FA フィラメントの形成領域
Claims (3)
- バルブ内に、1本の線材が巻回されてなるシングルコイルよりなるフィラメントセグメントの複数がバルブの軸方向に沿って並列に並ぶよう平面状に配設されて形成されたフィラメントを具えた白熱電球において、
前記バルブの中心部に位置されるフィラメントセグメントのピッチ幅が、両側部に位置されるフィラメントセグメントのピッチ幅より小さいことを特徴とする白熱電球。 - 前記フィラメントの形成領域における、バルブの軸方向に垂直な方向の長さが、バルブの内径の90%以下の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の白熱電球。
- 請求項1または請求項2に記載の白熱電球と、集光鏡とよりなり、
当該白熱電球は、バルブの中心部に位置される2つのフィラメントセグメントが集光鏡の中心軸を挟んで位置されるよう集光鏡の中心軸に沿って伸びる姿勢で、配置されていることを特徴とする光源装置。
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