JP4336385B2 - 管球、反射鏡付き管球、および照明装置 - Google Patents
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Description
ハロゲン電球は、気密封止されたバルブ内にフィラメント体が収納されてなる構成を有している。ハロゲン電球を反射鏡と組み合わせて使用する場合には、フィラメント体をできるだけコンパクトにして、その発光領域を可能な限り反射鏡の焦点位置に集中させることによって、集光効率を向上させることができる。この場合に、発光領域を特に反射鏡の光軸方向に縮小することが、集光効率を向上させるためには効果的であることが知られている。
この問題を解決しつつ、フィラメント体のコンパクト化(光軸方向の短縮化)を図れるハロゲン電球として、特許文献2には、円筒状に巻回された一重コイルを複数個、全体的に反射鏡の光軸に対して対称となるように各々の一重コイルを反射鏡の光軸と平行に配したものが開示されている。これにより、当該複数個の一重コイルに相当するものを1個の一重コイルで作製した場合と比較して、光軸方向の長さが短縮されるので、集光効率が向上することとなる。また、各々のコイルは一重なので、上記振動に因る問題も軽減される。
しかしながら、コイル同士の間隔を縮小しすぎると、隣接するコイル(発光部)間でアーク放電が生じ、コイル線が断線してしまうといった事態が生じてしまう。
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明装置は、反射鏡を有する照明器具と、前記反射鏡内に組み込まれている、上記した管球とを有することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明装置は、照明器具と、前記照明器具に取り付けられている、上記した反射鏡付き管球とを有することを特徴とする。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る照明装置10の概略構成を示す一部切欠き図である。なお、図1を含む全ての図面において、各部材間の縮尺は統一していない。
照明装置10は、例えば、住宅、店舗、あるいはスタジオ等におけるスポットライトとして用いられる。照明装置10は、照明器具12と管球の一例として示すハロゲン電球14とを有する。
器具本体16の底部には、ハロゲン電球14の口金30(図2参照)を取り付けるための受け具(図示せず)が設けられている。なお、器具本体16は、円筒状に限らず、種々の公知形状とすることができる。
反射鏡18は、漏斗状をした硬質ガラス製基体20を有する。基体20において回転楕円面または回転放物面等に形成された凹面部分20Aには、反射面を構成する多層干渉膜22が形成されている。多層干渉膜22は、アルミニウムやクロム等の金属膜の他、二酸化ケイ素(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、フッ化マグネシウム(MgF)、硫化亜鉛(ZnS)等で形成することができる。反射鏡18の開口径(ミラー径)は100mmである。なお、反射面には必要に応じてファセットを形成してもよい。
ハロゲン電球14は、前記受け具(不図示)に取り付けられ、反射鏡18内に組み込まれて使用される。組み込まれた(取り付けられた)状態で、ハロゲン電球14の後述するバルブ26の中心軸Bと反射鏡18の光軸Rとが略同軸上に位置することとなる。ハロゲン電球14は、定格電圧が100[V]以上150[V]以下で、かつ定格電力が100[W]以下に設定された電球である。
ハロゲン電球14は、気密封止されたバルブ26と、バルブ26の後述する封止部38側に接着剤28によって固着された、例えばE型の口金30とを有している。
バルブ26は、封止切りの残痕であるチップオフ部32、後述するフィラメント体60等を収納するフィラメント体収納部34、略円筒状をした筒部36、および公知のピンチシール法によって形成された封止部38がこの順に連なった構造をしている。
なお、フィラメント体収納部34の外面には赤外線反射膜が形成されている。もっとも、この赤外線反射膜は必ずしも必要なものではなく、適宜形成されるものである。
ハロゲン物質は、点灯中、ハロゲンサイクルによって、フィラメント体60から蒸発したその構成物質であるタングステンを再びフィラメント体60に戻し、バルブ26の黒化を防止するためのものである。ハロゲン物質の濃度は10[ppm]〜300[ppm]の範囲内にあることが好ましい。また、ハロゲンサイクルを活性化させるためには、バルブ26内面における最冷点温度が200[℃]以上であることが好ましい。さらに、ハロゲンサイクルを適切に機能させるためには、バルブ26内の酸素濃度を100[ppm]以下にすることが好ましい。
特に、封入ガスは、クリプトンを主成分とした、窒素ガスおよびハロゲン物質を含むものとし、バルブ26内での常温時におけるガス圧を2[atm]〜10[atm]の範囲内に設定することが好ましい。当該ガス圧が10[atm]を超えると、万一バルブ26が破損した場合に、飛散する破片で照明器具が破損するおそれがあり、一方、2[atm]未満であると、フィラメント体60の構成物質であるタングステンが蒸発し易く、ランプ寿命が短くなるからである。換言すると、ガス圧の上記範囲は、当該ガス圧が適度に抑制されているため、万一バルブ26が破損したとしても、照明器具が破損するほどの勢いで破片が飛散せず、かつ、当該ガス圧が適度に高いため、フィラメント体60の構成物質であるタングステンが蒸発しにくく、長寿命化を実現でき、さらには、点灯時に隣接する発光部間の任意の場所で点灯時にアーク放電が発生して、断線するのを抑制することができる範囲である。
金属箔40の一端部には外部リード線44の一端部が、金属箔42の一端部には外部リード線46の一端部が、それぞれ接合されて電気的に接続されている。外部リード線44,46は、タングステン製である。外部リード線44,46の他端部は、バルブ26の外部に導出されていて、それぞれ、口金30の端子部48,50に電気的に接続されている。
図3に示すように、フィラメント体60の一部を直接に支持する支持部材としては他に、サポート線56,58がある。サポート線56,58は、タングステン製である。
内部リード線52,54、サポート線56,58は、一対の円柱状ステムガラス57,59で挟持されている。これによって、サポート線56,58が支持されると共に、内部リード線52,54、サポート線56,58相互間の相対的な位置が保持されることとなる。
内部リード線52,54、サポート線56,58は、フィラメントコイル62,64,66の端部部分に挿入されて、フィラメントコイル62,64,66を支持するための「コ」字状に屈曲した部分(以下、この部分を「コイル支持部」と称する。)を1箇所または2箇所有する。
第2フィラメントコイル64は、サポート線56のコイル支持部56B(図3参照)とサポート線58のコイル支持部58A(図3参照)とで支持されている。
第3フィラメントコイル66は、サポート線58のコイル支持部58B(図3参照)とリード線54のコイル支持部54A(図3参照)とで支持されている。
すなわち、図5に示すように、円柱状をした芯線(マンドレル)68を複数本(図示例では2本)、平行かつ一列に密着させて並べたものの外周に、タングステン線70を巻回した後、芯線68を抜いて作製する。あるいは、芯線68は、タングステン線70を巻回した後、溶解して除去することとしても構わない。
第1〜第3フィラメントコイル62,64,66はいずれも略同一形態なので、第1フィラメントコイル62を代表にして説明する。
また、上述したとおり、図6の下部に示すように、第1フィラメントコイル62は、コイル支持部52Aとコイル支持部56A(図4)で支持された両端部部分の非発光部62Bと両コイル支持部52A,56A間部分の発光部62Aとを有している。
以下に説明する実施の形態およびその変形例においては、図35に示す比較フィラメント体202における各フィラメントコイル(発光部)の配置形態(各フィラメントコイル(発光部)間の相対姿勢)を採った場合よりも、導体(サポート線)で接続されていない側の端部間の距離を長くし得るように、各フィラメントコイル(発光部)の配置形態を工夫し、もって、アーク放電の発生を防止することとしている。
図7に示した例では、真ん中のフィラメントコイル64(発光部64A)を、両側のフィラメントコイル62,66(発光部62A,66A)に対して、相対的に、反射鏡18(図1)の開口部から遠ざかる向きにずらしたが、これとは反対に、図8に示すフィラメント体72のように、近づく向きにずらすこととしても構わない。なお、図8に示すフィラメント体72は、フィラメントコイルの配置関係が異なる以外は、図7に示したフィラメント体60と基本的に同じなので、同様の構成部分については、同じ符号を付して、その説明については省略する。
図9に、狭角の反射鏡とフィラメント体60またはフィラメント体72とを組み合わせた場合と、同じ狭角の反射鏡と比較フィラメント体202とを組み合わせた場合の配光曲線を示す。
したがって、狭角の反射鏡があれば、比較フィラメント体202を用いたハロゲン電球とフィラメント体60(72)を用いたハロゲン電球とを使い分けることで、狭角の配光特性と中角の配光特性の両方が得られることとなる。
フィラメント体60(図7)、フィラメント体72(図8)では、真ん中のフィラメントコイル64(発光部64A)を、両側のフィラメントコイル62,66(発光部62A,66A)に対して、相対的に、反射鏡18(図1)の光軸Rに沿ってずらしたが、これに限らず、3個のフィラメントコイル62,64,66(発光部62A,64A,66A)全てを相互に、光軸Rに沿ってずらすこととしても構わない。図10は、そのようにして構成したフィラメント体73を示す図である。なお、図10に示すフィラメント体73は、フィラメントコイルの配置関係が異なる以外は、図7に示したフィラメント体60と基本的に同じなので、同様の構成部分については、同じ符号を付して、その説明については省略する。
<実施の形態2>
実施の形態2では、第1発光部と第3発光部とは、その軸心が略平行になるように配すると共に、第2発光部を、第1および第3発光部に対して、相対的に傾けて配することとした。
フィラメント体74を構成する第1〜第3フィラメントコイル62,64,66(第1〜第3発光部62A,64A,66A)は、その軸心が同一平面P3上にある。そして、フィラメント体74では、第1フィラメントコイル62(第1発光部62A)と第3フィラメントコイル66(第3発光部66A)を、その軸心CXが反射鏡18(図1)の光軸Rと略平行になるように配し、第2フィラメントコイル64(第2発光部64A)を、その軸心CXが光軸Rに対して傾くように配している。
図11に示した例では、真ん中のフィラメントコイル64(発光部64A)を光軸Rに対して傾け、両側のフィラメントコイル62,66(発光部62A,66A)を光軸Rに略平行としたが、これとは反対に、図12に示すように、真ん中のフィラメントコイル64(発光部64A)は光軸Rと略平行に配し、両側のフィラメントコイル62,66(発光部62A,66A)を光軸Rに対し、同じ向きに、同程度傾けるようにしても構わない。なお、図12に示すフィラメント体80は、フィラメントコイルの配置関係が異なる以外は、図11に示したフィラメント体74と基本的に同じなので、同様の構成部分については、同じ符号を付して、その説明については省略する。
<実施の形態3>
図13は、実施の形態3のフィラメント体82を示す模式図であり、図7に準じて描いたものである。
比較フィラメント体202を用いたハロゲン電球と狭角の反射ミラーとを組み合わせた場合の配光分布を図36に、配光曲線を図37に、実施の形態3のフィラメント体82を用いたハロゲン電球と狭角の反射ミラーとを組み合わせた場合の配光分布を図14に、配光曲線を図15にそれぞれ示す。
(変形例1)
上記フィラメント体82(図13)では、真ん中のフィラメントコイル64(発光部64A)を光軸Rと平行に配し、両側のフィラメントコイル62,66(発光部62A,66A)を光軸Rと直交させて配したが、フィラメントコイル62,64,66の光軸Rに対する関係をこの逆にしても構わない。
(変形例2)
上記フィラメント体82(図13)、フィラメント体84(図16)では、3個のフィラメントコイル62,64,66(発光部62A.64A,66A)を、光軸Rと直交する方向に間隔をおいて配したが、これに限らず、光軸Rの方向に間隔をおいて配することしても構わない。
<実施の形態4>
実施の形態3では、第2フィラメントコイル64(発光部64A)の軸心CXと第1、第3フィラメントコイル62,66(第1、第3発光部62A.66A)の軸心CXとを立体交差させることとしたが、実施の形態4のフィラメント体90では、平面交差させることとしている。
フィラメント体90では、第1〜第3フィラメントコイル62,64,66(第1〜第3発光部62A,64A,66A)の軸心CXは、同一平面P4上に存している。
そして、真ん中の第2フィラメントコイル64(第2発光部64A)は、その軸心CXが反射鏡18(図1)の光軸Rと略重なるように配されており、両側にある第1、第3フィラメントコイル62,66(第1、第3発光部62A,66A)は、その軸心CXが光軸Rと略直交するように配されている。
(変形例)
図18に示した例では、真ん中のフィラメントコイル64(発光部64A)を光軸Rに平行に(軸心CXを光軸Rに重ねて)配することとしたが、これに限らず、両側の第1、第3フィラメントコイル62,66(第1、第3発光部62A,66A)を、その軸心CXが光軸Rと略平行となるように配することとしても構わない。
比較フィラメント体202を用いたハロゲン電球と広角の反射ミラーとを組み合わせた場合、ビームスポットが略円形状になるのに対して、上記フィラメント体90またはフィラメント体96を用いたハロゲン電球と広角の反射ミラーとを組み合わせた場合には、ビームスポットが略楕円形状になることが分かった。
したがって、広角の反射鏡があれば、比較フィラメント体202を用いたハロゲン電球とフィラメント体90又は96を用いたハロゲン電球とを使い分けることで、略円形をしたビームスポットとすることもできるし、略楕円のビームスポットとすることもでき、経済的に、照射する対象に合わせて、ビーム形状を変えることが可能となる。
<実施の形態5>
実施の形態1〜4のハロゲン電球では、それぞれ、フィラメント体を3個のフィラメントコイルで構成したが、実施の形態5のハロゲン電球では、フィラメント体を2個のフィラメントコイルで構成することとした。
フィラメント体300は、第1フィラメントコイル302と第2フィラメントコイル304を有する。両フィラメントコイル302,304は、いずれも、実施の形態1と同様にして(図5)作製されるものである。ただし、フィラメント体を構成するフィラメントコイルの個数が減る分、1個当たりのフィラメントコイルのフィラメント線が長くなるので、扁平率を大きくして、1ターン当たりのフィラメント線を長くし、もって、光軸方向の短縮化を図っている。フィラメントコイル302,304の扁平率は、一例として「4」にしている。また、フィラメントコイル302,304の寸法の一例を示すと、短軸SX方向の幅は約0.35mmで、発光部302A,304Aの軸心CX方向の長さは約4.5mmである。
そして、実施の形態1(図7、図8、図10)と同様の考えに基づき、第1フィラメントコイル302(第1発光部302A)に対し、第2フィラメントコイル304(第2発光部304A)を相対的に光軸Rの方向にずらしている。このようにすることにより、集光効率の低下を最小限に抑制しつつ、アーク放電に起因する断線の防止が図られる。その理由(メカニズム)は、実施の形態1の場合と同様なので、その説明については省略する。
上記第1電球と第2電球をそれぞれ、ビームの開き(ビーム角)が狭角(約10°)の反射鏡と組み合わせて照明装置を構成し、照明装置から距離1m離れた照射面における配光特性(配光曲線)について調査した。
第1電球について見ると、配光曲線のピークが2箇所に現れる双峰性が認められる。すなわち、既述したように、中央部が暗くその周囲が明るいスポットライトになっている。
これに対し、第2電球では、双峰性が解消されて配光曲線のピークは単一になっている。すなわち、最も明るい部分を中心としたほぼ対称性のある良好な配光特性のスポットライトになっている。これは、光軸Rからの第1発光部302Aの距離D6と第2発光部304Aの距離D7を異ならせることにより、光軸Rに近い方の第1発光部302Aの配光曲線の形状に及ぼす影響が光軸Rから遠い方の第2発光部304Aの配光曲線の形状に及ぼす影響よりも支配的になるためであると考えられる。
上記した例では、両発光部302A,304Aのサポート線306で接続されていない側の端部302D,304D間の距離を当該端部間でアーク放電が生じない距離にすると共に、両発光部302A,304Aを光軸Rと交差する方向に近づける目的のために、両発光部302A,304Aを光軸Rと略平行に配置した状態のまま、両発光部302A,304Aを相対的に光軸R方向にずらすこととした。
あるいは、図25に示す変形例1−2に係るフィラメント体324のように、第1発光部302Aと第2発光部304Aとを、両軸心CX間の間隔(光軸Rと直交する方向の距離)が、反射鏡18(図1)の反射面20A(図1)から遠ざかるほど広くなる向きに傾けることができる。
また、第1フィラメントコイル302(第1発光部302A)と第2フィラメントコイル304(第2発光部304A)とを、両軸心CXが略同一平面内で略直交するように配することとしても構わない。
そのように構成したフィラメント体310を図26に示す。図26の上部に示すのは、フィラメント体310の正面図を模式的に表したものであり、下部に示すのは、同下面図を模式的に表したものである。
第2フィラメントコイル304(第2発光部304A)は、その軸心CXが光軸Rと略直交し、かつ、長軸LX(不図示)が光軸Rと略直交する姿勢で配されている。また、第2フィラメントコイル304は、軸心CX方向、第2発光部304Aの略真中の位置で、軸心CXが光軸Rと略直交している。
フィラメント体310を用いたハロゲン電球と狭角の反射ミラーとを組み合わせた場合の配光分布を図27に示す。
したがって、狭角の反射鏡があれば、フィラメント体310を用いたハロゲン電球とフィラメント体300を用いたハロゲン電球とを使い分けることで、略楕円形をしたビームスポットとすることもできるし、略円形のビームスポットとすることもでき、経済的に、照射する対象に合わせて、ビーム形状を変えることが可能となる。
<実施の形態6>
実施の形態5のハロゲン電球では、一端部同士がサポート線で電気的に接続されてなる2個のフィラメントコイルでフィラメント体を構成した。そして、ハロゲン電球への通電状態で、フィラメントコイル各々の一部が発光することとなる関係上、フィラメント体は、発光部を2個有することとなった。
図28は、実施の形態6のハロゲン電球における第1実施例に係るフィラメント体502およびその支持構造の概略構成を示す斜視図である。
フィラメント体502は、フィラメントコイル62,64,66(図4、図6)と同様にして作成された(図5)1個のフィラメントコイル504を、その中央部で屈曲させ、屈曲状態で保持したものである。すなわち、フィラメントコイル504もフィラメントコイル62,64,66と同様、フィラメント線が、短軸と長軸とを有する扁平な横断面の筒状に巻回されてなる一重のコイルである。フィラメントコイル504は、中央部を基点(屈曲中心)として短軸方向に屈曲されている。
そして、フィラメントコイル504の長手方向中央部(屈曲部)が、支持部材であるサポート線510で懸架支持されている。フィラメントコイル504は、コイル支持部506A,508Aで支持されている部分では発光しない(非発光部)のは、実施の形態1〜実施の形態5の場合と同様である。なお、内部リード線506,508、サポート線510は、タングステン製である。
また、フィラメントコイル504の屈曲部において、導電性を有するサポート線510に支持されて接触している数巻き(数ターン)部は、電気的に短絡状態となるため通電状態においても発光しない。発光しない範囲は、屈曲部の態様、屈曲の程度(屈曲角度)、サポート線の形状等に拠るが、少なくとも屈曲部の一部は非発光部となる。すなわち、フィラメント体504では、非発光部を含む屈曲部からフィラメントコイル504の一端部に至る間に第1発光部504A1が、他端部に至る間に第2発光部504A2が存することとなる。
上記第1実施例に係るフィラメント体502では、実施の形態5の変形例1−1に係るフィラメント体320(図24)と同様、第1発光部504A1と第2発光部504A2間の光軸R(中心軸B)と直交する方向の間隔が、反射鏡18の光照射開口部側に近づくほど狭くなる(言い換えれば、反射鏡18の光照射開口部からに遠ざかるほど広くなる)なるようにしていて、図29に示すように、第1発光部504A1と第2発光部504Aとが「ハ」状をなすようにしているが、これとは反対に、実施の形態5の変形例1−2に係るフィラメント体324(図25)と同様、逆「ハ」字状をなすようにしても構わない。
図31は、実施の形態6のハロゲン電球における第3実施例に係るフィラメント体400およびその支持構造の概略構成を示す斜視図である。
フィラメント体400は、フィラメントコイル62,64,66(図4)と同様の方法で作製された(図5)1個のフィラメントコイル402を、その中央部で屈曲させ、屈曲状態で保持したものである。すなわち、フィラメントコイル402も、フィラメントコイル62,64,66と同様、フィラメント線が、短軸SXと長軸LX(図6)を有する扁平な横断面の筒状に巻回されてなる一重巻きのコイルである。なお、図31では、便宜上、フィラメントコイル402の全体的な形状を大まかに扁平な横断面を有する筒状体として捉え、フィラメントコイル402を当該筒状体の外形で表すこととした。
図32は、実施の形態6のハロゲン電球における第4実施例に係るフィラメント体420およびその支持構造の概略構成を示す斜視図であり、図31と同様に描いたものである。
フィラメント体420は、フィラメントコイルの上記屈曲態様(a)、(b)の内の(a)が異なっている以外は、基本的に、第3実施例のフィラメント体400(図31)と同様の構成である。したがって、図32において、フィラメント体400およびその支持構造(図31)と実質的に同様の構成部材については、同じ符号を付して、その詳細な説明については省略することとし、以下、上記異なる部分について説明する。
<実施の形態7>
図33は、実施の形態7に係る反射鏡付きハロゲン電球100の概略構成を示す縦断面図である。
なお、基体106の口金114への取り付けに先立って、バルブ26が、口金114に取り付けられている。
(1)フィラメントコイルは、上記したトラック形状に限らず、他の扁平形状でも構わない。要は、互いに直交する長軸と短軸を有する扁平な横断面をした筒状に巻回されていれば構わない。また、扁平率も整数に限らず、任意の小数をとり得る。
ここで、本発明において「短軸と長軸とを有する扁平な横断面」とは、以下に記すような形状のものを含む。当該形状について図34を参照しながら説明する。なお、図34では、短軸に符号「SX」を、長軸に符号「LX」を、また、短軸および長軸の両軸と略直交する中心軸(すなわち、コイル軸心)に符号「CX」をそれぞれ付している。
(ii)同図(b)に示すように、コイル軸心CX方向から見て、円形を押し潰した形状のもの。
(iii)同図(c)に示すように、コイル軸心CX方向から見て、略楕円形状のもの
(iv)同図(d)に示すように、コイル軸心CX方向から見て、略長方形のもの。但し、四隅は、加工上、丸みを帯びる。
(2)また、本発明は、フィラメント体の発光部を扁平な筒状に巻回された一重のコイル状をしたものとしたが、これに限らず、円筒状に巻回された一重のコイル状をしたものとしても構わない。要は、コイル軸心が略直線状をしているものであれば、その横断面形状は問わないのである。
(3)上記実施の形態1では、反射鏡を備える照明器具とハロゲン電球とで照明装置を構成したが、これに限らず、反射鏡を有しない照明器具と反射鏡付きハロゲン電球とで照明装置を構成することとしても構わない。具体的には、例えば、図1に示す照明装置における反射鏡18とハロゲン電球14の代わりに、図33に示す反射鏡付きハロゲン電球100を取り付けて、照明装置を構成することとしても構わない。
(4)上記実施の形態では、管球の一例としてハロゲン電球を示したが、本発明は、ハロゲン電球以外の管球にも適用可能である。要は、フィラメント体に電流を流して白熱発光させる光源であれば構わないのである。
12 照明器具
14,102 ハロゲン電球
18,104 反射鏡
16 バルブ
56,58,306,412 サポート線
60,72,73,74,80,82,84,86,90,96,300,310,320,324,400,502,520 フィラメント体
62,64,66,302,304,402,504 フィラメントコイル
62A,64A,66A,302A,304A,402A1,402A2,504A1,504A2 発光部
100 反射鏡付きハロゲン電球
Claims (7)
- 凹面状をした反射面を有する反射鏡内に組み込まれて使用される管球であって、
気密封止されたバルブと、
前記バルブ内に設けられ、筒状に巻回されてなる一重のコイル状をした発光部が3個、導体を介して電気的に直列接続されてなる構成を有するフィラメント体と、
を備え、
前記直列接続において隣接する二つの発光部のいずれにおいても、仮に当該二つの発光部の軸心が平行で、かつ、当該二つの発光部の一端部同士と他端部同士とをそれぞれ揃えた仮想状態よりも、導体で接続されていない側の端部同士の距離が長くなる姿勢で当該二つの発光部が配されており、
前記フィラメント体は、第1、第2、および第3の発光部がこの順で電気的に直列接続されてなるものであり、
各発光部は、その軸心が前記反射鏡の光軸と略平行となり、かつ、略同一平面上に在って、第1の発光部と第3の発光部との間に第2の発光部が存するように配されており、
第1の発光部と第3の発光部との端部同士が前記光軸方向において略揃っていると共に、第2の発光部の端部が、第1および第3の発光部の端部に対し、前記光軸方向に相対的にずれていることを特徴とする管球。 - 凹面状をした反射面を有する反射鏡内に組み込まれて使用される管球であって、
気密封止されたバルブと、
前記バルブ内に設けられ、筒状に巻回されてなる一重のコイル状をした発光部が3個、導体を介して電気的に直列接続されてなる構成を有するフィラメント体と、
を備え、
前記直列接続において隣接する二つの発光部のいずれにおいても、仮に当該二つの発光部の軸心が平行で、かつ、当該二つの発光部の一端部同士と他端部同士とをそれぞれ揃えた仮想状態よりも、導体で接続されていない側の端部同士の距離が長くなる姿勢で当該二つの発光部が配されており、
前記フィラメント体は、第1、第2、および第3の発光部がこの順で電気的に直列接続されてなるものであり、
各発光部は、その軸心が略同一平面上に在ると共に、第1の発光部と第3の発光部との間に第2の発光部が存するように配されていて、
第1の発光部と第3の発光部とは略平行になると共に、第2の発光部は、第1及び第3の発光部に対して相対的に傾けて配されていることを特徴とする管球。 - 凹面状をした反射面を有する反射鏡内に組み込まれて使用される管球であって、
気密封止されたバルブと、
前記バルブ内に設けられ、筒状に巻回されてなる一重のコイル状をした発光部が3個、導体を介して電気的に直列接続されてなる構成を有するフィラメント体と、
を備え、
前記直列接続において隣接する二つの発光部のいずれにおいても、仮に当該二つの発光部の軸心が平行で、かつ、当該二つの発光部の一端部同士と他端部同士とをそれぞれ揃えた仮想状態よりも、導体で接続されていない側の端部同士の距離が長くなる姿勢で当該二つの発光部が配されており、
前記フィラメント体は、第1、第2、および第3の発光部がこの順で電気的に直列接続されてなるものであり、
第2の発光部は、その軸心が前記反射鏡の光軸と略重なるように配されており、
第1の発光部と第3の発光部とは、第2の発光部を挟むように前記光軸と直交する方向両側に分かれ、それぞれの軸心が第2の発光部の軸心と略直角に立体交差して配されていることを特徴とする管球。 - 凹面状をした反射面を有する反射鏡内に組み込まれて使用される管球であって、
気密封止されたバルブと、
前記バルブ内に設けられ、筒状に巻回されてなる一重のコイル状をした発光部が3個、導体を介して電気的に直列接続されてなる構成を有するフィラメント体と、
を備え、
前記直列接続において隣接する二つの発光部のいずれにおいても、仮に当該二つの発光部の軸心が平行で、かつ、当該二つの発光部の一端部同士と他端部同士とをそれぞれ揃えた仮想状態よりも、導体で接続されていない側の端部同士の距離が長くなる姿勢で当該二つの発光部が配されており、
前記フィラメント体は、第1、第2、および第3の発光部がこの順で電気的に直列接続されてなるものであり、
各発光部は、その軸心が略同一平面上に在ると共に、第1の発光部と第3の発光部との間に第2の発光部が存するように配されていて、
第2の発光部は、その軸心が、第1および第3の発光部の両軸心と略直交するように配されていることを特徴とする管球。 - 反射鏡と、
前記反射鏡内に組み込まれている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の管球と、
を有することを特徴とする反射鏡付き管球。 - 反射鏡を有する照明器具と、
前記反射鏡内に組み込まれている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の管球と、
を有することを特徴とする照明装置。 - 照明器具と、
前記照明器具に取り付けられている、請求項5記載の反射鏡付き管球と、
を有することを特徴とする照明装置。
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