JP2008235154A - ランプおよび照明装置 - Google Patents

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健司 小池
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美雪 尾崎
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Abstract

【課題】照度均一性と器具効率を共に向上させることができるランプおよび照明装置を提供する。
【解決手段】発光エリア20の中心に配設された中心フィラメントセグメント18oおよびこの中心フィラメントセグメントの両側にそれぞれ複数並設されて外側に向うに従ってその軸長を中心フィラメントセグメントの軸長よりも漸次縮小するように排泄された外側フィラメントセグメント18sを有するフィラメント18と;このフィラメントに電力を通電するリード棒17a,17bと;このリード棒の少なくとも一部およびフィラメントを収容するバルブ13と;を具備している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、白熱電球やハロゲン電球等のランプおよびこのランプを備えた照明装置に関する。
一般に、テレビスタジオ用や舞台用等のスポットライトは、光源として白熱電球やハロゲン電球等のランプを使用しており、このランプからの光を所要の投光方向に反射する反射板と、その投光を集光するレンズ等の光学系と、この光学系に対しランプと反射板とを投光方向に共に往復動させることにより、投光を拡大(フラッド)または縮小(スポット)する制光装置と、を具備しているものが知られている。
図9はこの種の従来のハロゲン電球の一例の正面図である。この従来のハロゲン電球1は、口金2の一端上に、いわゆるダルマ球状のガラスバルブ3を立設し、このガラスバルブ3の図8中上端部には、細管3aを一体に連成している。
ガラスバルブ3内には、上下一対として3対のサポート4a,4b、5a,5b、6a,6b、左右一対のリード棒7a,7b、これらリード棒7a,7bとサポート4a〜6bの図中上下両端部をそれぞれ固定させて支持する上下一対のガラスブリッジ8a,8bと、輪郭の正面形状が矩形のフィラメント9を収容している。
フィラメント9は、ガラスバルブ3のほぼ中央部の発光エリアHにおいて、垂直中心軸O上に配設された中心フィラメントセグメント9oと、その図中左右両側にそれぞれ並設された複数本の外側フィラメントセグメント9s,9s,9s,…とを具備している。
フィラメント9はこれら中心,外側フィラメントセグメント9o,9s,9s,9s,…の軸長をほぼ等しく形成し、これら上下端を揃えて図8中、横方向に所要の間隔を置いて並設させているので、被投光側(図8では図面の表裏方向一端側)から発光エリアHを見たときに、図中破線で示すようにフィラメント9の輪郭が矩形に見えるように構成されている。
また、フィラメント9は、これら中心,外側フィラメントセグメント9o,9s,9s,9s,…同士を接続線10,10,…により電気的に直列に順次接続することにより、フィラメント9として必要な長さを確保している。各接続線10は一対のリード棒7a,7bに電気的に接続され、通電される。
また、フィラメントセグメント9o,9s,9s,9s,…をV字状またはX字状に対向配置することにより、フィラメント9をほぼ縦長の長方形に形成したハロゲンランプも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−56817号公報
しかしながら、このような従来のハロゲン電球では、フィラメント9の被投光側から見たときのフィラメント9の形状、すなわち、発光エリアHの形状がほぼ矩形であるので、投光のスポット(縮小)時、配光分布に角が出易い。このために、被照面の照度均一性をとりにくい、という課題がある。
また、発光エリアHの形状が長方形である場合には、その長手方向と短手方向の照度均一性がとりにくい。このために、器具効率も低下し易いという課題がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、照度均一性と器具効率を共に向上させることができるランプおよび照明装置を提供することにある。
請求項1に係るランプは、発光エリアの中心に配設されたフィラメントセグメントおよびこの中心フィラメントセグメントの両側にそれぞれ複数並設されて外側に向うに従ってその軸長を中心フィラメントセグメントの軸長よりも漸次縮小するように配設された外側フィラメントセグメントを有するフィラメントと;このフィラメントに電力を通電する通電部材と;通電部材の少なくとも一部およびフィラメントを収容するバルブと;を具備していることを特徴とする。
請求項2に係るランプは、中心フィラメントセグメントと外側フィラメントセグメントは、その合計本数が奇数本であり、かつ投光方向前後に、千鳥状に配設されていることをと特徴とする。
請求項3に係るランプは、バルブは、発光エリアを同心状に囲む部分において、外方に凸出する球状に形成された部分を有することを特徴とする。
請求項4に係る照明装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載のランプと;このランプからの光を投光方向に反射する反射体と;これらランプと反射体からの投光方向側に配設される光学系と;この光学系に対しランプと反射体とを投光方向に共に移動させて、投光を拡大または縮小させる制光装置と;を具備していることを特徴とする。
請求項の用語は、主に次の意味を有する。
発光エリアとは、バルブ内に配設されて発光するフィラメントの発光領域をいい、バルブの軸方向に延在する垂直中心軸が通る発光エリアの中心軸上に、中心フィラメントセグメントを配設し、その両側に複数の外側フィラメントセグメントを並設している。
フィラメントは、各フィラメントセグメントを順次直列に接続することにより、フィラメントとして必要な所要長を確保している。フィラメントセグメントは、1重コイルや2重コイル、3重コイルでもよく、4重コイル以上でもよい。
通電部材は、フィラメントセグメントに電力を供給するリード棒やリード線等をいう。
請求項1に係る発明によれば、中心フィラメントセグメントの外側に並設される複数の外側フィラメントセグメントの軸長を、外側に向う(行く)に従って中心フィラメントの軸長よりも漸次縮小させているので、フィラメントの輪郭形状、すなわち、発光エリアの形状は円形や菱形等に近似した形状になる。
このために、従来には無かった円形や菱形等の新しい配光分布を得ることができる。その結果、このランプの新しい利用分野を拡大させることができる。また、フィラメントがほぼ円形であるので、角の目立たない配光分布を得ることができる。このために、被照面の照度均一性を向上させることができると共に、器具効率を向上させることができる。
請求項2に係る発明によれば、複数のフィラメントセグメントを、投光方向に沿う前後に亘って千鳥状に配設しているので、これらフィラメントセグメントを一平面上で横方向に並設する場合に比して発光エリアの幅方向寸法を短縮することができる。
このために、発光エリアの可及的小形化を図ることにより、一層、点光源に近付けることができる。
請求項3のランプによれば、発光エリアを同心状に囲むバルブの一部を、外方に凸の球状に形成することにより、バルブをいわゆるダルマ球に形成しているので、発光エリアからの発光がバルブの球状部をほぼ垂直に透過して外部に放射される全光束を増加させてランプ効率を向上することができる。
請求項4の照明装置によれば、請求項1ないし3のいずれか一記載のランプを具備しているので、これら請求項1ないし3のいずれか一記載の発明と同様の作用効果を奏する照明装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、複数の添付図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
図1は本発明の第1の実施形態に係るハロゲン電球11の正面図、図2は図1で示すフィラメントの拡大正面図、図3は図2で示すフィラメントの概略平面図である。
図1に示すようにハロゲン電球11は、口金12上に、ガラス製のいわゆるダルマ球状のバルブ13を立設している。口金12は、その一端部(図1では下端部)に、例えば差込み用の左右一対のピン12a,12bを突設している。
バルブ13は、その頂端部(図1では上端部)に、チップ13aを一体に連成している。
バルブ13は、その内部に、アルゴン等不活性ガスと共に、よう素等のハロゲンを微量封入している。さらに、バルブ13内には、上下一対のサポートを3対14a,14b、15a,15b、16a,16b、通電部材の一例である左右一対のリード棒17a,17b、フィラメント18、バルブ13の軸方向に所要の間隔を置いて対向配置された上下一対の支持用ガラスプレート19a,19bを収容している。
バルブ13は、その内部の中心部に、フィラメント18が配設されて発光する領域を形成する発光エリア20を同心状に形成している。この発光エリア20は、バルブ13の軸方向に延在する垂直中心軸Ovと、これに直交する水平方向中心軸Ohとの交点である中心Oに同心状に配設されている。
そして、発光エリア20は、その被投光側(図1では、その表裏方向一端側)から見たときに、ほぼ円形をなすように形成されている。
すなわち、図2にも示すように発光エリア20は、その中心Oを通る垂直中心軸Ov上に、タングステン製等の所要大の中心フィラメントセグメント18oを配設し、この中心フィラメントセグメント18oの両側に、タングステン製の複数の外側フィラメントセグメント18s,18s,18s,…を水平方向に所要の間隔を置いてほぼ左右対称に並設している。
複数の外側フィラメントセグメント18s,18s,…は、その軸長を、発光エリア20の外側に行くに従って漸次縮小させることにより、これら中心,外側フィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…からなるフィラメント18の輪郭線が円形をなすように形成されている。
フィラメント18は、これら中心,外側フィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…同士を複数本の接続線21,21,21,…により電気的に順次直列に接続することにより、フィラメント18として必要な長さを確保している。各接続線21はサポート14a,14b、15a,15b、16a,16bとリード棒17a,17bにより支持されると共に、電気的に接続されている。一対のリード棒17a,17bは、その上端部と下部を上下一対のガラスプレート19a,19bにそれぞれ固着することにより、サポート14〜16を介してフィラメント19をバルブ13内で吊持している。また、左右一対のリード棒17a,17bの図1中下端部は、図示しないリード箔等の導電体を介して口金12の左右一対のピン12a,12bの図示しない内端に電気的に接続されている。
これら中心,外側フィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…は、例えばタングステン製コイルからなり、1重コイルや2重コイル、3重コイル、または4重以上のコイルでもよい。
そして、図3の概略平面図に示すように、これらフィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…は、投光方向前後に所要の間隔を置いて前後2列に分けて配列され、中心フィラメントセグメント18oは投光方向前列の垂直中心軸Ov上に配置されている。
図3に示すようにこれらフィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…は、その直径方向(図3中水平方向)に所要の間隔を置いて並設され、合計、例えば7本(奇数本)が投光方向で相互に重なり合わないように配置されている。
すなわち、これらフィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…は、前後2列間で千鳥状に配列されるように各サポート14a〜16bにより支持され、かつ接続線21,21,21により接続されている。
したがって、このように構成されたハロゲン電球11の口金12を図示しない給電ソケットに嵌合させ、口金12の一対のピン12a,12bを図示しないソケット孔内にそれぞれ嵌入させて所要の電圧が印加されると、その電圧が一対のピン12a,12bから一対のリード棒17a,17bと接続線21,21,…を介して各フィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…に印加される。
これにより、各フィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…が発光する。この発光は、フィラメント18がほぼ円形であるので、ほぼ円形になる。
なお、フィラメント18の正面形状は菱形でもよい。すなわち、外側フィラメントセグメント18o,18s,18s,18s,…の軸長を、中心フィラメントセグメント18oから外側へ行くに従って漸次短くすることにより、菱形に形成してもよい。この菱形によっても発光エリア20はほぼ円形に発光するので、円形とほぼ同様の作用効果を奏することができる。また、本発明はハロゲン電球ではなく白熱電球でもよい。
図4は本発明の第2実施形態に係る照明装置の一例であるスポットライト31の構成を示す平面模式図である。
このスポットライト31は、所要形状のケーシング32内に、上記ハロゲン電球11と、このハロゲン電球11からの光を投光方向に反射する反射器33を配設し、投光側に制光装置の一例である光学系装置34を配設している。
光学系装置34は、凸レンズ等の光学系と、ハロゲン電球11と反射器32とを所定間隔を置いて支持し、その間隔を保持した状態で、このハロゲン電球11と反射器32とを共に投光方向へ往復動させる駆動機構を具備しており、この光学系駆動機構により光学系を投光方向上で適宜往復動させることにより、ハロゲン電球11と反射器32からの投光を、被照面35上で適宜縮小(スポット)させる一方、拡大(フラッド)させることができる。
このスポットライト31によれば、ハロゲン電球11のフィラメント18がほぼ円形であるので、被照面35上に投光された配光Rは、スポットとフラッドの両者でほぼ円形となる。
図5(A)はこのスポットライト31によるスポット時の配光特性の一例を示し、同図(B)は同フラッド時の配光特性の一例をそれぞれ示している。
すなわち、図5(A),(B)中、符号Xは上記スポットライト31のようにフィラメント18の正面形状が円形の配光特性を示し、符号Yはフィラメント18の形状が長方形、Zは同正方形の場合の配光特性をそれぞれ示している。また、これら図5中、縦軸は明るさ(Lx)を示し、横軸は配光中心Oからの距離(mm)を示している。
この図5(A)に示すようにフィラメント18が円形Xの場合は、長方形Yや正方形Zの場合に比して配光中心部の明るさが高く、そのピーク値が比較的平坦をなしている。
図6はこれらフィラメント形状X,Y,Zのスポット時とフラッド時の配光分布図を示している。この図6に示すようにフィラメント18の正面形状が長方形Yと正方形Zのスポットライトでは、その配光分布がほぼ長方形や正方形となり、スポットの場合には、角が顕著に表われる。
これに対し、フィラメント18の正面形状が円形である本実施形態の場合の配光は、ほぼ円形であり、スポットの場合に、顕著に配光がほぼ円形に表われる。
そして、図7に示すように器具効率については、フィラメント18の正面形状がほぼ長方形Yである場合、スポット時が9.8%、フラッド時が40.3%である。
これに対し、フィラメント18の正面形状が円形Xである本実施形態の場合、器具効率はスポット時が10.4%、フラッド時が4.03%であり、スポット時とフラッド時のいずれにおいても器具効率が長方形Yよりも高いことを示している。
図8は本発明の第3の実施形態に係るハロゲン電球11Aの正面図である。このハロゲン電球11Aは、図1等で示す第1の実施形態に係るハロゲン電球11またはフィラメント18の正面形状がほぼ菱形のハロゲン電球において、そのバルブ13の発光エリア20よりも上方の上部外面と、下方の下部外面、および口金12の外面を黒色36に形成した点に特徴があり、これ以外は上記ハロゲン電球11等と同一の構成である。
このハロゲン電球11Aによれば、主に発光エリア20以外の部分が黒色36であるので、この黒色36部分での光の反射を防止または低減することができる。このために、発光エリア20の輪郭のみを発光部として投光することができるので、フラッドの場合でも、投光の輪郭も鮮明にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係るハロゲン電球の正面図。 図1で示す発光エリア(フィラメント)の拡大図。 図2で示すフィラメントの平面図。 本発明の第2の実施形態に係るスポットライトの構成を示す平面的模式図。 (A)は図4で示すスポットライトのスポット時の配光特性図、(B)は同フラッド時の配光特性図 図4で示すスポットライトのフィラメント形状が円形X,長方形Y,正方形Zである場合におけるスポット時とフラッド時の配光分布をそれぞれ示す配光分布図。 フィラメント形状が円形Xである本発明の第1実施形態に係るハロゲン電球を光源として具備した第2実施形態に係るスポットライトのスポット時とフラッド時の器具効率を、フィラメント形状が長方形であるハロゲン電球を光源として具備したスポットライトの同器具効率とを比較して示す表。 本発明の第3の実施形態に係るハロゲン電球の正面図。 従来のハロゲン電球の正面図。
符号の説明
11,11A…ハロゲン電球、12…口金、13…バルブ、14a,14b、15a,15b、16a,16b…サポート、17a,17b…リード棒、18…フィラメント、18o…中心フィラメントセグメント、18s…外側はフィラメントセグメント、20…発光エリア、21…接続線、31…スポットライト(照明装置)、33…反射器、34…光学系、35…被照面、36…黒色。

Claims (4)

  1. 発光エリアの中心に配設されたフィラメントセグメントおよびこの中心フィラメントセグメントの両側にそれぞれ複数並設されて外側に向うに従ってその軸長を中心フィラメントセグメントの軸長よりも漸次縮小するように配設された外側フィラメントセグメントを有するフィラメントと;
    このフィラメントに電力を通電する通電部材と;
    通電部材の少なくとも一部およびフィラメントを収容するバルブと;
    を具備していることを特徴とするランプ。
  2. 中心フィラメントセグメントと外側フィラメントセグメントは、その合計本数が奇数本であり、かつ投光方向前後に、千鳥状に配設されていることをと特徴とする請求項1記載のランプ。
  3. バルブは、発光エリアを同心状に囲む部分において、外方に凸出する球状に形成された部分を有していることを特徴とする請求項1記載のランプ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一記載のランプと;
    このランプからの光を投光方向に反射する反射体と;
    これらランプと反射体からの投光方向側に配設される光学系と;
    この光学系に対しランプと反射体とを投光方向に共に移動させて、投光を拡大または縮小させる制光装置と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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