JP2010275556A - シート状窓部材および窓構造体 - Google Patents

シート状窓部材および窓構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】湿熱下における接着性に優れたシート状窓部材を提供する。
【解決手段】A:芳香族ポリカーボネート系樹脂よりなるシート状物(A)、
B:そのシート状物(A)の片面の周囲面に積層された枠部材(B)および
C:その枠部材(B)の表面に形成されたゴム質緩衝層(C)、
よりなるシート状窓部材において、
該枠部材(B)を下記(i)〜(iii)
(i)芳香族ポリカーボネート樹脂(B−1)50〜90重量部、
(ii)ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−2)10〜50重量部、および
(iii)前記(B−1)および(B−2)の合計100重量部当り繊維状充填剤(B−3)0〜50重量部、
からなる樹脂組成物より形成することにより、枠部材(B)とゴム質緩衝層(C)との湿熱条件下における接着性を向上させる方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂よりなるシート状物をゴム質緩衝層により該樹脂よりも線膨張係数の小さい部材、例えば金属フレームなど、に結合する際に、かかる結合をより強固にし、殊にその結合の耐湿熱性を向上させた窓部材に関する。かかる窓部材によって、芳香族ポリカーボネート樹脂よりなるシート状物(殊に透明な芳香族ポリカーボネート樹脂からなるシート状物)が、金属フレームに極めて強固に結合されかつその結合の劣化も少ない、一体化された部材が提供される。また本発明は、前記窓部材を使用した窓構造体にも関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂よりなるシート状物はその寸法安定性、衝撃強度、および透明性などの優れた特徴から、様々な工業的分野(例えば建材や自動車部材などの分野)に幅広く使用されている。従来の技術ではシート状物は、例えばボルト締めのようなシート状物の一部を拘束する方法で、他の部材に固定されることが多かった。この場合、一般にシート状物を固定する他の部材は、金属、コンクリート、および木材などの芳香族ポリカーボネート樹脂よりも熱膨張係数が小さい部材である。したがって、固定されたシート状物の拘束点付近には、周囲の温度変化に伴う寸法変化の差異によって、応力集中が発生する問題があった。かかる応力集中はひどい場合には拘束点付近の破損を招く。
かかる問題の解決方法の1つとして、従来より芳香族ポリカーボネート樹脂に充填材を添加し、温度による寸法変化を小さくする試みがなされている。しかしながらかかる方法により十分に低い熱膨張係数を得るためには、芳香族ポリカーボネート樹脂に期待される各種の特性を犠牲にすることが多く汎用的な方法とは言い難い。特に透明性が求められる用途において適切な対応方法ではなかった。 近年では大型のシート状物に対する要求が高く、上記の熱膨張係数の差異に伴う応力集中の問題は、より深刻化する傾向にある。
このような問題点を解決する方法として、ゴム質の接着剤を緩衝層として用いて熱可塑性樹脂組成物より形成された成形体を広い範囲で他の部材に拘束する方法が既に周知である。
一方で、従来ガラス製であったグレージング材などの大型透明部材(大型透明シート状物)を、軽量な透明プラスチックシ−トに転換する試みが近年盛んであり、殊に車輌用グレージング材においてかかる試みが盛んである。透明プラスチックとして芳香族ポリカーボネート樹脂が、透明性、強度、および耐熱性などの点から主たる試行対象とされている。かかる試みにおける問題点の1つとして、車輌用フレームへのプラスチックシートの固定方法がある。前記の如くボルト締めのような固定方法は応力集中の観点からあまり適切とはいえない。
ガラス製の車輌用グレージングの分野においては、ダイレクトグレージング法が既に周知である。かかるダイレクトグレージング法は応力集中の問題も生じ難い。かかるダイレクトグレージングにおいて特定の二液性ウレタン接着剤を使用する方法が公知である(特許文献1参照)。その接着剤としてBETAMATE(商標、Dow Automotive社製)は市販され公知である。該BETAMATEは、一液および二液性のウレタンおよびエポキシ系の接着システムであり、その適用対象として、LEXAN(商標、GE社製の芳香族ポリカーボネート系樹脂)およびXENOY(商標、GE社製の芳香族ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートとのポリマーアロイ系樹脂)の接着等があることも公知である。ガラスやシリコーンハードコートされた樹脂ガラス等の非孔質な基体に対するウレタン系シーラントの接着性を高めるための特定のプライマー組成物は公知である(特許文献2および特許文献3参照)。
しかしながら前記ダイレクトグレージング法の芳香族ポリカーボネート樹脂シートへの単なる転用では、芳香族ポリカーボネート樹脂のシートが金属などの部材に良好に接着した部材を得られない場合があり、殊にその接着力の耐湿熱性をさらに改良すべき余地があった。
米国特許第5853895号明細書 特開2001−064470号公報 特開2001−323214号公報
本発明は、芳香族ポリカーボート樹脂のシート状物を、該シート状物よりも熱膨張係数の小さい(例えば金属などの)部材に強固に接着するための部材であって、殊にその接着力の耐湿熱性に優れた部材を提供することを目的とする。
かかる目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討した結果、驚くべきことに芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂を特定割合からなる樹脂組成物より形成される部材が、ゴム質緩衝層との接着性において優れた耐湿熱性を有することを見出した。かかる知見は、かかる組成物自体より形成される部材の耐湿熱性が芳香族ポリカーボネート樹脂単独等と比較して同等またそれ以下であることを考慮すると全く予想外であった。さらに、本発明者らは鋭意検討を進めたところ、特にガラス繊維の如き繊維状充填材をさらに含有する樹脂組成物より形成された部材においては、その長期特性がより良好であることを見出した。これらの結果、上記目的を達成し得る本発明を完成したものである。
本発明によれば、前記本発明の目的は、
A:芳香族ポリカーボネート系樹脂よりなるシート状物(A)、
B:そのシート状物(A)の片面の周囲面に積層された枠部材(B)および
C:その枠部材(B)の表面に形成されたゴム質緩衝層(C)、
よりなるシート状窓部材において、
該枠部材(B)を下記(i)〜(iii)
(i)芳香族ポリカーボネート樹脂(B−1)50〜90重量部、
(ii)ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−2)10〜50重量部、および
(iii)前記(B−1)および(B−2)の合計100重量部当り繊維状充填剤(B−3)0〜50重量部、
からなる樹脂組成物より形成することにより、枠部材(B)とゴム質緩衝層(C)との湿熱条件下における接着性を向上させる方法によって達成される。
さらに本発明によれば、かかる枠部材(B)のための前記(i)〜(iii)よりなる枠部材形成用の樹脂組成物が提供され、また本発明によれば前記(i)〜(iii)よりなる樹脂組成物の前記A〜Cよりなるシート状窓部材における枠部材(B)としての使用(使用する方法)が提供される。
かかる本発明によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂よりなるシート状物が、そのシート状物より熱膨張の小さい金属フレームに強固に接着した窓構造体およびその構造体のための窓部材が得られる。本発明の窓構造体は、金属フレームとシート状物の結合が強固であるばかりでなく、該結合の耐湿熱性にも優れている。
以上、本発明は芳香族ポリカーボネートよりなるシート状物と線膨張係数の小さい金属フレームとの良好な接着が得られることが明らかであり、広く工業的用途に有用であり、特に自動車用途に幅広く応用される。本発明は、車輌用グレージング材、特にバックドアウインドウ、サンルーフ、およびルーフパネルに好適なポリカーボネート樹脂よりなるシート状物を含む窓構造体を提供するが、本発明の窓構造体は、その特有の特徴から車輌用グレージング材以外にも、建設機械の窓ガラス、ビル、家屋、および温室などの窓ガラス、ガレージおよびアーケードなどの屋根、照灯用レンズ、信号機レンズ、光学機器のレンズ、ミラー、眼鏡、ゴーグル、消音壁、バイクの風防、銘板、太陽電池カバーまたは太陽電池基材、ディスプレー装置用カバー、タッチパネル、並びに遊技機用部品(回路カバー、シャーシなど)などの幅広い用途に使用可能である。したがって本発明の窓構造体およびそのための窓部材は各種電子・電気機器、OA機器、車両部品、機械部品、その他農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器、遊戯具および雑貨などの各種用途に有用であり、その奏する産業上の効果は格別である。
実施例および比較例における実験2において成形した二色成形品を示すものであり、(a)は正面図(枠部材側からの図)、(b)はA−A線断面図、(c)はB−B線断面図である。
以下本発明の窓部材および窓構造体についてさらに詳細に説明する。前述したように本発明の窓部材は、A:シート状物、B:枠部材およびC:ゴム質緩衝層により構成される。これらの組み合わせによって最終的にA:シート状物と金属フレームとの接着が強固でかつ長期的にも安定した特性を維持できる窓構造体が得られる。まず窓部材における枠部材(B)を形成する樹脂組成物について説明する。
(1)枠部材(B)の樹脂組成物および枠部材の構造について
前述したように枠部材(B)を形成する樹脂組成物は、(i)芳香族ポリカーボネート樹脂(B−1)、(ii)ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−2)および(iii)必要により繊維状充填剤(B−3)の各成分よりなる。これら(B−1)、(B−2)および(B−3)の成分について以下説明し、次いで枠部材の構造について説明する。
(i)芳香族ポリカーボネート樹脂(B−1):
B−1成分である芳香族ポリカーボート樹脂(以下単に“ポリカーボネート樹脂”と称する場合がある)は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。かかるポリカーボネート樹脂はそれ自体公知であり、例えば特開2002−129027号公報に記載のポリカーボネート樹脂を使用できる。
本発明のポリカーボネート樹脂は二価フェノール(ハイドロキノンおよびレゾルシノールを含む)の単独重合体および二種以上の二価フェノールから構成される共重合体のいずれも選択できる。
B−1成分は各種ポリカーボネート樹脂の中でもビスフェノールAの如きビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの単独重合体、並びに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン(ビスフェノールAなど)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、およびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから選択される2種以上の二価フェノールから構成される共重合体が好ましく使用され、特にビスフェノールAの単独重合体が好ましい。
かかるビスフェノールAの単独重合体であるポリカーボネート樹脂は、優れた耐衝撃性を有しており、かつ汎用されている点で合理的である。一方、かかる共重合体は、高耐熱性または低吸水率の点で優れ、かかる共重合体樹脂の製法および特性については、例えば特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報、および特開2002−117580号公報などに詳しく記載されている。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、炭酸ジエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体から各種重合法によってポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。また本発明のポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂、芳香族または脂肪族(脂環族を含む)の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂、二官能性アルコール(脂環族を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート樹脂、並びにかかる二官能性カルボン酸および二官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネート樹脂を含む。これらのポリカーボネート樹脂も公知である。また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
各種反応形式の詳細についても、公知文献および特許公報などでよく知られている。
ポリカーボネート樹脂の分子量は特定されないが、分子量が10,000未満であると強度などが低下し、50,000を超えると成形加工性が低下するようになるので、粘度平均分子量で表して10,000〜50,000のものが好ましく、15,000〜40,000のものがより好ましく、さらに好ましくは18,000〜30,000である。また、ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。この場合粘度平均分子量が上記範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂とを混合することも当然に可能である。
分子量の異なる2種以上のポリカーボネート樹脂を混合する場合は、粘度平均分子量が50,000、好ましくは80,000を超えるポリカーボネート樹脂との混合物が好ましい。かかる混合物はエントロピー弾性が高く、ガスアシスト成形等を併用する場合に有利となるからである。その他高いエントロピー弾性に由来する特性(ドリップ防止特性、ドローダウン特性、およびジェッティング改良などの溶融特性を改良する特性)を発揮するものである。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液から20℃で求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
(ii)ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−2):
(B−2)成分であるポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、単に“PET樹脂”と称する場合がある)とは、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであって、そのジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分を85モル%以上、およびジオール成分としてエチレングリコールを85モル%以上含有してなるポリエステル樹脂である。PET樹脂は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分を90モル%以上含むことが好ましい。
PET樹脂における他のジカルボン酸成分の例としては、例えばイソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、およびエチレン−ビス−p−安息香酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
さらにPET樹脂には、上記の芳香族ジカルボン酸以外に、脂肪族ジカルボン酸成分を共重合することができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
PET樹脂における他のジオール成分としては、例えばジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールAなどを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して使用することができる。さらにジオール成分としてわずかにポリアルキレングリコールを共重合したPET樹脂も使用できる。ポリアルキレングリコールの分子量としては150〜6,000の範囲が好ましい。
B−2成分におけるPET樹脂は、それぞれ1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
B−2成分におけるPET樹脂は、上記の中でも特に他の共重合成分を含まず実質的にテレフタル酸成分とエチレングリコール成分のみから製造されたポリエステル樹脂が好ましい。しかしながら、かかるポリエステル樹脂は、通常重合時の副反応生成物としてジオール成分100モル%中、約0.5モル%以上のジエチレングリコール成分が含まれている。したがってB−2成分における好適なPET樹脂はジエチレングリコール成分を少量含むものであってよい。ジエチレングリコール成分は、ジオール成分100モル%中6モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましく、4モル%以下がさらに好ましい。
B−2成分におけるPET樹脂は、B−2成分100重量%中85重量%以上、より好ましくは90重量%以上含有される。B−2成分は、前記PET樹脂以外の芳香族ポリエステル樹脂を15重量%以下、より好ましくは5重量%以下含有することができる。特に好ましいB−2成分は、実質的にPET樹脂からなる芳香族ポリエステル樹脂である。
かかるPET樹脂以外の芳香族ポリエステル樹脂の芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸および前記のPET樹脂における他のジカルボン酸成分が例示され、該芳香族ポリエステル樹脂のジオール成分としてはエチレングリコールおよび前記のPET樹脂における他のジオール成分が例示される(ポリアルキレングリコールを含む)。かかる芳香族ポリエステル樹脂としては、具体的には例えば、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどの他、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレン/ネオペンチルテレフタレート、およびシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートなどのような共重合ポリエステルが挙げられる。
前記のPET樹脂並びにそれ以外の各種芳香族ポリエステル樹脂の分子量は、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定された極限粘度数が0.5〜1.5dl/gの範囲であることが好ましく、0.6〜1.2dl/gの範囲がより好ましい。またB−2成分の芳香族ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量は特に制限されない。
上記のB−2成分の芳香族各種ポリエステル樹脂は従来公知の製造方法によって製造することができる。すなわちジカルボン酸とジオールを直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、またはジカルボン酸ジメチルエステルとジオールを反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。さらに極限粘度数を増大させるために固相重合を行うことができる。
上記のエステル交換反応またはエステル化反応および重縮合反応時には、触媒および安定剤を使用することが好ましい。エステル交換触媒としてはMg化合物、Mn化合物、Ca化合物、Zn化合物などが使用され、例えばこれらの酢酸塩、モノカルボン酸塩、アルコラート、および酸化物などが挙げられる。またエステル化反応は触媒を添加せずに、ジカルボン酸およびジオールのみで実施することが可能であるが、後述の重縮合触媒の存在下に実施することもできる。
重縮合触媒としては、Ge化合物、Ti化合物またはSb化合物などが使用可能であり、例えば二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアルコラート、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、および蓚酸チタンなどが挙げられる。安定剤としてリン化合物を用いることが好ましい。好ましいリン化合物としては、リン酸およびそのエステル、亜リン酸およびそのエステル並びに次亜リン酸およびそのエステルなどが挙げられる。またエステル化反応時には、ジエチレングリコール副生を抑制するためにトリエチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウム、および炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物を添加することもできる。また得られたポリエステル樹脂には、各種の安定剤および改質剤を配合することができる。
(iii)繊維状充填剤(B−3)
B−3成分である繊維状充填材は、芳香族ポリカーボネート樹脂よりなるシート状物(A)をより強固に拘束し、このシート状物(A)の熱膨張に起因する変形を抑制する。一方で、ゴム質緩衝層(C)との接着における耐湿熱性は、繊維状充填材含有の枠部材において若干の低下が認められる。したがってこれらの特性のいずれを重視するかによって好ましい態様は異なるものの、総合的な特性のバランスにおいては、繊維状充填材を比較的少量含有することが好ましい。
枠部材(B)中に含有される繊維状充填材は、シート状物(A)と枠部材(B)との結合面、並びに枠部材(B)とゴム質緩衝層(C)との接着面に対して平行に配向しやすい。したがって本来繊維状充填材や板状充填材が補強効果を発揮する配向方向とは異なる方向に、これらの結合・接着面における剥離力は生ずる。耐湿熱性の若干の低下は、かかる配向も原因の1つとなっている可能性がある。しかしながら、B−3の繊維状充填材は板状充填材に比較すれば、かかる剥離力の生ずる方向(配向方向とは異なる方向)における強度において有利である。またかかる観点から、繊維状充填材(B−3)とマトリックス樹脂(B−1およびB−2)との強固な結合が重要であり、さらに該結合がより耐湿熱性に優れることが好ましい。
B−3成分の繊維状充填材は、そのL/D(繊維長/繊維径)が1を超え、好ましくは2以上である繊維状または針状の充填材であればよい。したがって人工的に製造されたもの、および天然鉱物の粉砕物などのいずれも含み、繊維径はほぼ均一であってもある分布を有するものであってもよい。またその断面形状などは特に限定されない。断面の形状は真円状の他に、楕円状、マユ型、三つ葉型などの真円以外の形状ものを使用してもよい。
B−3成分の繊維状充填材の具体例としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、これらのミルドファイバー、並びにスラグ繊維、ロックウール、ワラストナイト、ゾノトライト、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、ボロンウイスカー、塩基性硫酸マグネシウムウイスカーなどを挙げることができる。さらにかかる繊維は、金属コートガラス繊維や金属コート炭素繊維などのように異種材料が表面を被覆したものであってもよい。
これらの中でもガラス繊維、炭素繊維、およびこれらのミルドファイバーが強度の点で有利であり、特にガラス繊維およびそのミルドファイバーはB−1成分およびB−2成分からなる樹脂マトリックスとのより強固な密着性が達成される点で有利である。殊にガラス繊維が好ましい。
ガラス繊維は、当業者にとってそれ自体周知のものであり、且つ多数の業者から入手可能である。B−3成分としてのガラス繊維としては、Aガラス、Cガラス、Eガラス等のガラス組成を特に限定するものではなく、場合によりTiO、SO、P等の成分を含有するものであっても良い。但し、Eガラス(無アルカリガラス)がより好ましい。
また、ガラス繊維の平均繊維径としては特に限定されるものではないが、通常1〜25μmのものが使用され、好ましくは3〜17μmである。この範囲の平均繊維径を持つガラス繊維は、熱膨張係数と剥離力に対する耐性の両立において良好である。繊維径が細くなると樹脂マトリックスとの界面の面積が増加するため熱膨張係数の抑制の効率はよいが、かかる界面による剥離力への好ましくない影響は増加する。界面の密着性が優先される場合に、より太い径のガラス繊維の使用は1つの処方となり得る。
ガラス繊維の好ましい繊維長としては、樹脂組成物ペレットまたは枠部材(成形品)中で数平均繊維長として50〜1,000μm、好ましくは100〜500μm、特に好ましくは120〜300μmのものである。なお、かかる数平均繊維長は、枠部材(成形品)を溶剤に溶解したり、樹脂を塩基性化合物で分解した後に採取されるガラス繊維の残渣から光学顕微鏡観察などから画像解析装置により算出される値である。またかかる値の算出に際しては繊維径以下の長さのものはカウントしないものである。なお、他の繊維状充填材においてもかかる数平均繊維長は1,000μm以下が適切である。
B−3成分の繊維状充填材は、前記B−1成分およびB−2成分からなる樹脂マトリックスとのより強固な密着性を達成するために、シランカップリング剤などにより表面処理されていることが好ましい。かかるシランカップリング剤における反応基としては、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、およびメタクリロキシ基などが挙げられ、特にエポキシ基およびアミノ基が好ましい。さらにガラス繊維や炭素繊維においては、通常かかる繊維を集束処理するための表面被覆がなされる。樹脂マトリックスとの密着性はかかる表面被覆剤の影響を大きく受ける。本発明のB−3成分においては、樹脂マトリックスとの強固な結合、殊に耐湿熱性の良好な結合の点から、エポキシ基含有化合物からなる表面被覆剤が好ましい。エポキシ基含有化合物は、B−1成分およびB−2成分からなる樹脂マトリックスに対して反応性に富み密着性が良好であり、また該密着は耐湿熱性にも優れる。さらにエポキシ基含有化合物は、PET樹脂の結晶化促進にも効果を発揮し、その結果より安定した寸法変化を有しかつ良好な耐湿熱性の接着を可能とする枠部材Bが得られる。
B−3成分の表面処理剤として各種のエポキシ基含有化合物が使用可能であるが、エポキシ基含有化合物は、好ましくはその分子量が500以上の高分子構造を有するものであり、さらに好ましくは、加えて1分子中に複数のエポキシ基を含有するものである。また耐熱性の観点から芳香環から主として構成される構造が好ましい。
より具体的にはエポキシ基含有化合物として好適なものとしては、エポキシ樹脂、中でもフェノールノボラック型エポキシ樹脂、線状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。特にフェノールノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。すなわちフェノールノボラック型エポキシ樹脂および/または線状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を主体とするものがエポキシ基含有化合物として好ましい。すなわちエポキシ基含有化合物100重量%中70重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、フェノールノボラック型エポキシ樹脂および/または線状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含むものを好ましく挙げることができる。
さらにB−3成分の繊維状充填材は、好ましくはその表面被覆剤が繊維状充填材100重量%中0.1〜2重量%、より好ましくは0.5〜1.5重量%、さらに好ましくは0.6〜1.2重量%である。0.1重量%未満では繊維の集束が不十分となり、その結果風綿発生量が増加しやすくなる。一方2重量%を超えると密着性が飽和する一方で、集束剤が樹脂組成物の有する特性を低下させる場合が生ずる。
B−3成分の繊維状充填材は、その特性として1リットルのビーカーに200gの繊維強化材の3mm長チョップドストランドをいれ23℃にて攪拌機で2,000rpmで5分間攪拌した場合の風綿発生量が10g以下であることを満足することがより好ましい。ここで風綿とは集束されたチョップドストランドが攪拌によって開繊したものである。またここで攪拌機としては回転数が表示され、また設定値の回転数にフィードバック制御できるものが使用される。また攪拌機の羽根は直径50mmφである3枚羽根のマリーンタイプが使用される。かかる風綿発生量は好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下、最も好ましくは1g以下である。
風綿発生量が多いものの場合には、溶融混練機に供給した場合に風綿により安定した供給ができない問題が発生しやすい。さらには嵩密度が低いために溶融混練機にかみ込まず、さらにはバックフロー等の問題が発生しやすい。これらの問題は溶融混練機中において樹脂の不規則な滞留を招き、結果として樹脂を熱劣化させる。特に芳香族ポリカーボネート樹脂(B−1)と芳香族ポリエステル樹脂(B−2)のポリマーアロイにおけるエステル交換反応のように、溶融混練機中で反応する樹脂を使用する場合には熱劣化の抑制は重要である。
さらに、風綿発生量の抑制された繊維状充填材は、輸送中の風綿の発生による輸送配管中の詰まり、また多量の風綿発生による樹脂と繊維状充填材との溶融混練時の繊維状充填材の折れなどが抑制され、剛性や熱膨張係数等の望まれる諸特性が発現されやすく好ましい。
上記の風綿発生量の特性を満足するためには、その表面被覆剤としてエポキシ含有化合物とポリウレタン、ポリアクリレート、およびポリアミドなどの成分からなる表面被覆剤を併用することが好ましい。より好ましいのはポリウレタンとの併用である。したがって本発明において好適な表面被覆剤としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂および/または線状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を主成分とし、さらにポリウレタンを含んでなるものである。ここでフェノールノボラック型エポキシ樹脂および/または線状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は表面被覆剤100重量%中50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%含有するものが好ましい。特にフェノールノボラック型エポキシ樹脂をバインダー成分100重量%中50重量%以上、好ましくは60重量%以上含有するものが好ましい。
かかる表面被覆剤で被覆する場合には、予め繊維状充填材の表面をアミノシラン系カップリング剤やエポキシシラン系のカップリング剤で表面処理を行った後にフェノールノボラック型エポキシ樹脂および/または線状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびポリウレタンで処理することが好ましい。また繊維状充填材の集束剤として、通常実質的に繊維状充填材を束ねる成分(前記の表面被覆剤)の他、滑り性を付与する成分やその他乳化剤が含まれるが、かかる各種の成分は当然に集束剤中に含まれてよい。これら各種の成分を含んだエマルジョン溶液が塗布され、乾燥処理されて表面被覆剤を主とする成分が繊維状充填材上に残留する。乾燥処理や熱処理の工程で表面被覆剤の高分子量化が促進されて十分な表面被覆剤が形成される。またフェノールノボラック型エポキシ樹脂および/または線状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびポリウレタンは、両者のエマルジョンを混合した液を繊維状充填材に塗布する方法を基本とする。しかし両者を独立に塗布する方法であってもよい。
上記の如く風綿発生量が低減されることで強度、熱膨張係数、および耐湿熱性などの優れた効果が達成できる。
(iv)樹脂組成物の組成比
枠部材(B)を形成する樹脂組成物は、前記B−1成分、B−2成分および好適な成分たるB−3成分より実質的になる。
この樹脂組成物におけるB−1成分およびB−2成分の組成割合は、B−1成分およびB−2成分の合計100重量部当たり、B−1成分は50〜90重量部、好ましくは70〜88重量部、より好ましくは75〜85重量部であり、B−2成分は10〜50重量部、好ましくは12〜30重量部、より好ましくは15〜25重量部である。B−1成分およびB−2成分の合計100重量部当たり、B−2成分が10重量部未満であると接着の耐湿熱性において不十分となりやすく、B−2成分が50重量部を超えると接着の耐湿熱性や強度および成形品の寸法安定性の点で不十分となる。いずれも結果として良好な接着が得られない。
さらにB−3成分の組成割合は、B−1成分とB−2成分との合計100重量部当たり0〜50重量部であり、好ましくは1〜50重量部であり、より好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは1.5〜7重量部である。前記の如く比較的少量の繊維状充填材(B−3)を含有することにより耐湿熱性の向上と反り変形の抑制などとのより良好な両立が可能となる。
(v)樹脂組成物におけるその他の添加部分および組成物の調製
枠部材(B)を形成する樹脂組成物中には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えば、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリビニルクロライド樹脂、ポリビニリデンクロライド樹脂、塩素化エチレン樹脂、ポリビニリデンフルオライド樹脂、ポリフェニレンサルファイド等)、衝撃改質剤、難燃剤(例えば、臭素化エポキシ、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリアクリレート、トリフェニルホスフェート、ホスフェートオリゴマー、ホスホン酸アミド、シリコーン系難燃剤等)、難燃助剤(例えば、アンチモン酸ナトリウム、三酸化アンチモン等)、滴下防止剤(フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン等)、溶融弾性改良材(分子量200万以上のアクリル系樹脂、フッ素系樹脂等)、核剤(例えば、ステアリン酸ナトリウム、エチレン−アクリル酸ナトリウム等)、熱安定剤、酸化防止剤(例えば、ヒンダ−ドフェノ−ル系化合物、イオウ系化合物等)、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、着色剤(染料、顔料、カーボンブラックなど)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、流動改質剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤、赤外線吸収剤、およびフォトクロミック剤などを配合することができる。殊に熱安定剤としてホスファイト化合物を含有することが好ましく、また耐候性や隠蔽効果などの観点からカーボンブラックを含有することが好ましい。前記の添加剤の詳細については後述する。
樹脂組成物の調製には任意の方法が採用される。例えばB−1成分およびB−2成分、並びに任意に他の成分を予備混合し、その後溶融混練し、ペレット化する方法を挙げることができる。予備混合の手段としては、ナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などを挙げることができる。予備混合においては必要に応じて押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練、およびペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練機としては他にバンバリーミキサー、混練ロール、恒熱撹拌容器などを挙げることができるが、ベント式二軸押出機が好ましい。
他に、各成分を予備混合することなく、それぞれ独立に二軸ルーダーに代表される溶融混練機に供給する方法も取ることができる。また一部の成分を予備混合した後、残りの成分と独立に溶融混練機に供給する方法が挙げられる。特にB−3成分がB中に配合される場合には、B−3成分は押出機途中の供給口から溶融樹脂中にサイドフィーダーの如き供給装置を用いて供給されることが好ましい。予備混合の手段や造粒に関しては、前記と同様である。なお、配合する成分に液状のものがある場合には、溶融混練機への供給にいわゆる液注装置、または液添装置を使用することができる。
さらに樹脂組成物を調製する場合には、溶融混練前にB−1成分、およびB−2成分に含まれる水分が少ないことが好ましい。したがって各種熱風乾燥、電磁波乾燥、真空乾燥などの方法により、B−1成分またはB−2成分のいずれかまたは両者を乾燥した後に溶融混練することがより好ましい。一方溶融混練中にベント吸引は、あまり減圧度を高くしないで行うことが好ましい。より好ましくは大気圧に近い状態で行う方法である。また窒素ガスなどを循環させながら揮発分を系外に排出する方法などもとることができる。
(vi)枠部材(B)の構造について
本発明の枠部材(B)は、前記樹脂組成物より形成される。枠部材(B)はシート状物(A)の片面の周囲面の一部に結合していればよいが、シート状物(A)の周囲部(周縁部)の全てにおいて結合していることがさらに好適である。すなわち、枠部材(B)のより好ましい態様は、シート状物(A)の周縁部で結合可能とした一体の枠状成形体である。シート状物(A)が強い拘束力を受けるほど、樹脂組成物の特徴は有効に発揮される。またシート状物(A)の面積の10〜90%の範囲において枠部材(B)とシート状物(A)が結合していることが好ましい。かかる範囲はより好ましくは20〜80%、さらに好ましくは30〜70%である。
さらに枠部材(B)は、シート状物(A)の片面で、またはその両面もしくは複数の面で結合することができるが、より好ましくは片面での結合である。これは枠部材(B)の主たる目的が、シート状物(A)とゴム質緩衝層(C)との接着をより強固にする点にあり、したがってゴム質緩衝層(C)とシート状物(A)との間に枠部材(B)が積層された構成がかかる目的にかなうものであり、またかかる構成は美観上も有利なためである。一方でかかる結合様式では、本発明の好適な態様である枠部材(B)とシート状物(A)とを二色成形やインサート成形によって結合する場合に、結合された成形品全体に反りを生じやすい。しかしながら枠部材(B)の樹脂組成物ではその反りも生じにくいとの利点をも有する。
シート状物(A)と枠部材(B)との厚み比(A/B)は、好ましくは0.1〜10の範囲、より好ましくは0.5〜5の範囲、さらに好ましくは0.8〜4の範囲である。また枠部材(B)の厚みの絶対値としては、好ましくは0.1〜10mmの範囲であり、より好ましくは0.5〜5mmの範囲であり、さらに好ましくは1〜3mmの範囲である。かかる比および厚みは、シート状物(A)の熱膨張による反り変形に対しても十分な拘束力を与え、結果として枠部材の樹脂組成物により良好な長期特性を与える。
枠部材(B)は、その少なくとも一部がゴム質緩衝層(C)と接着していればよいが、枠部材(B)の接着面側の面積のうち5%以上、より好ましくは15%以上ゴム質緩衝層(C)により覆われていることが好ましい。かかる面積の上限は80%程度が適切である。これは枠部材(B)の主たる目的が、シート状物(A)と緩衝層(C)との接着をより強固にする点にあるためである。枠部材(B)の面は、少なくとも必要な接着面の面積とゴム質緩衝層(C)のはみ出し(美観が問題になる場合)を考慮した余裕代を勘案して面積が決定される必要がある。
枠部材(B)は、樹脂組成物を各種の方法により成形して製造することができる。かかる製造方法としては、具体的には、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形および回転成形などが例示されるが、特に射出成形が好ましい。またかかる成形体がさらに2次加工されたものであってもよい。
(2)シート状物(A)
本発明のシート状物(A)は、芳香族ポリカーボネート樹脂のシート状の成形体であって、1〜10mm、好ましくは2〜7mmの厚さを有しているのが好適である。かかるシート状物(A)の芳香族ポリカーボネート樹脂とは、前記枠部材(B)のB−1成分として記載された芳香族ポリカーボネート樹脂、並びにかかる樹脂に各種の他樹脂、衝撃改質剤、強化剤、および添加剤などを配合した樹脂組成物を指す。より具体的には、シート状物(A)を構成する樹脂組成物の有機成分として芳香族ポリカーボネート樹脂が50重量%以上含有されるものである。さらに好ましくは、シート状物(A)は、有機成分として芳香族ポリカーボネート樹脂を95重量%以上含有してなるものである。かかるシート状物(A)の芳香族ポリカーボネート樹脂は、前記B−1成分の樹脂と同一である必要はない。またその粘度平均分子量は、10,000〜50,000のものが好ましく、15,000〜40,000のものがより好ましく、さらに好ましくは20,000〜35,000である。
またシート状物(A)のポリカーボネート樹脂の態様として以下のものを挙げることができる。すなわち、粘度平均分子量70,000〜300,000の芳香族ポリカーボネート(PC−i)、および粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート(PC−ii)のプレンド物からなり、その粘度平均分子量が15,000〜40,000、好適には20,000〜30,000である芳香族ポリカーボネート(以下、“高分子量成分含有芳香族ポリカーボネート”と称することがある)も使用できる。
かかる高分子量成分含有芳香族ポリカーボネートは、PC−iの存在によりポリマーのエントロピー弾性を大きくし、大型成形品の場合に好適に使用される射出プレス成形時においてより有利となる。例えばヘジテーションマークなどの外観不良はより低減でき、その分射出プレス成形の条件幅を広げることが可能である。一方PC−ii成分の低い分子量成分は全体の溶融粘度を低下し、樹脂の緩和を促進して、より低歪の成形を可能とする。なお、同様の効果は分岐成分を含有するポリカーボネート樹脂においても認められる。
かかるシート状物(A)は、その表面に表面改質を施すことによりさらに他の機能を付与することが可能である。ここでいう表面改質とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着等)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキ等)、塗装、コーティング、印刷等の樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常の樹脂成形品に用いられる方法が適用できる。例えば、加飾塗装、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート並びにメタライジング(メッキ、蒸着、スパッタリング等)等の各種の表面処理を施すことができる。中でもハードコートは本発明において特に好適である。
シート状物(A)の芳香族ポリカーボネート樹脂は、各種の添加剤を含有することができ、特に紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、および離型剤は含有することが好ましく、さらに熱線吸収剤、着色剤、および光拡散剤などを含有することができる。種々の着色剤や光拡散剤は多様な意匠の車輌用グレージングを提供できる。
シート状物(A)は、芳香族ポリカーボネート樹脂を各種の方法により成形して製造することができる。かかる製造方法としては、具体的には、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形および回転成形などが例示されるが、特に射出成形が好ましい。またかかる成形体がさらに2次加工されたものであってもよい。即ち、シート状物(A)は、平面状だけでなく、湾曲したもの(例えば、枠部材のない側に凸状)の如き平面状シートから変形して得られる各種の形態を含むものである。さらにはかかるシート状物で構成される三次元形状物であってもよい。シート状物(A)の厚みは必ずしも均一である必要はないが、ほぼ同じ厚さであることが実用的であり好ましい。
シート状物(A)の表面におけるハードコートに使用するハードコート剤としては、シリコーン樹脂系ハードコート剤や有機樹脂系ハードコート剤などが例示される。シリコーン樹脂系ハードコート剤は、シロキサン結合をもった硬化樹脂層を形成するものであり、例えば、3官能シロキサン単位に相当する化合物(トリアルコキシシラン化合物など)を主成分とする化合物の部分加水分解縮合物、好ましくはさらに4官能シロキサン単位に相当する化合物(テトラアルコキシシラン化合物など)を含む部分加水分解縮合物、並びにさらにこれらにコロイダルシリカなどの金属酸化物微粒子を充填した部分加水分解縮合物などが挙げられる。シリコーン樹脂系ハードコート剤はさらに2官能性のシロキサン単位および1官能性のシロキサン単位を含んでよい。これらには縮合反応時に発生するアルコール(アルコキシシランの部分加水分解縮合物の場合)などが含まれるが、さらに必要に応じて任意の有機溶剤、水、あるいはこれらの混合物に溶解ないしは分散させてもよい。そのための有機溶剤としては、低級脂肪酸アルコール類、多価アルコールとそのエーテル、エステル類などが挙げられる。なお、ハードコート層には平滑な表面状態を得るため各種界面活性剤、例えば、シロキサン系、フッ化アルキル系界面活性剤などを添加してもよい。
有機樹脂系ハードコート剤としては、例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂または多官能アクリル樹脂などが挙げられる。ここで多官能アクリル樹脂としてはポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ホスファゼンアクリレートなどの樹脂が挙げられる。
これらハードコート剤のうち長期間の耐久性に優れ、かつ表面硬度が比較的高いシリコーン樹脂系ハードコート剤、または処理が比較的簡便でかつ良好なハードコート層が形成される紫外線硬化型のアクリル樹脂または多官能アクリル樹脂が好ましい。特に少なくとも製品(窓構造体)において太陽光を受ける側の面はシリコーン樹脂系ハードコートがなされていることが好ましい。シリコーン樹脂系ハードコート剤はプライマー層とトップ層から構成されるいわゆる2コートタイプ、並びに1層のみから形成されるいわゆる1コートタイプのいずれも選択できる。
かかるプライマー層(第1層)を形成する樹脂としては、各種ブロックイソシアネート成分およびポリオール成分からなるウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、およびポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ホスファゼンアクリレート、メラミンアクリレート、アミノアクリレートなどの各種多官能アクリル樹脂を挙げることができ、これらは単独でも2種以上を併用して使用することもできる。これらの中でも好ましくはアクリル樹脂、多官能アクリル樹脂が50重量%、より好ましくは60重量%以上含有するものを挙げることができ、特にアクリル樹脂およびウレタンアクリレートからなるものが好ましい。これらは未反応状態のものを塗布後所定の反応をさせて硬化樹脂とすること、並びに反応後の樹脂を直接塗布し硬化樹脂層を形成することのいずれも適用可能である。後者は通常樹脂を溶媒に溶解し溶液とした後、塗布されその後溶媒が除去される。また前者の場合も溶媒を使用することが一般的である。
さらに、ハードコート層を形成する樹脂には、光安定剤や紫外線吸収剤、並びに触媒、熱・光重合開始剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、沈殿防止剤、垂れ防止剤、難燃剤、有機・無機顔料・染料の各種添加剤および添加助剤を含むことができる。
コート方法としては、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法等の方法を、塗装される基材となる成形体の形状に応じて適宜選択することができる。シート状物(A)の表面にハードコートした後に枠部材(B)を結合する場合には、枠部材(B)との結合部分をハードコートされないようにすることが適切である。完全にハードコートされた場合に十分な結合力が得られずシート状物(A)を強固に結合することが困難となる。結合部分の一部にハードコートがされていてもよいが、十分な結合が可能となるように配慮する必要がある。枠部材(B)とシート状物(A)とが結合した部材を簡便に得るためには、両者の一体化を行なった後にハードコートを行なうことが好ましい。一体とされた後は、枠部材(B)のゴム質緩衝層(C)との接着面がハードコート剤が付着しないようにする必要があるが、そのためのマスキング処理やかかる部分を避けたハードコート処理は比較的簡便に行なうことができる。
(3)ゴム質緩衝層(C)について
本発明において使用されるゴム質緩衝層(C)は、その緩衝層たるゴム質接着剤架橋反応完了後(キュア完了後)においてそのヤング率が100MPa以下である樹脂組成物が好ましい。かかるヤング率は好ましくは0.5〜50MPa、さらに好ましくは1〜20MPaの範囲である。また本発明のゴム質緩衝層(C)は、その架橋反応完了後のゴム質接着剤において、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上の引張破断伸度を有する。かかる引張破断伸度の妥当な上限は800%以下であり、好ましくは500%以下である。さらに好適なゴム質緩衝層(C)は、その反応完了後のゴム質接着剤における破断強さが3〜70MPa、好適には5〜60MPaである。上記ヤング率はASTM D−797に基づいて算出できる。ゴム質接着剤の重ね合せせん断強度は好ましくは1〜7MPa、より好ましくは4〜6MPaである。かかる剪断強度は、ASTM D−1102に基づいて算出できる。さらに緩衝層たるゴム質接着剤のショア硬度は好ましくは45〜67、より好ましくは47〜65の範囲である。
本発明のゴム質緩衝層(C)のゴム質樹脂組成物は、ウレタン系接着剤で形成されるのが好適である。ウレタン系接着剤は、弾性体としての強度、疲労特性、および耐熱老化性などに優れるためである。ウレタン系ゴム質接着剤は、湿気硬化型一液性ウレタン接着剤、および二液性ウレタン接着剤のいずれも使用可能であるが、高強度、低コスト、および速い硬化速度(固化:セットの速度および硬化:キュアの速度いずれをも意味する)の点から、二液性ウレタン接着剤が好ましい。殊に速い硬化速度は、ガラス等に比較すれば軽量な枠部材(B)、または枠部材(B)および金属フレームからなる部材の接着において有利である。これらはガラス等のように自重による圧着が弱くなるため、圧力をかける工程が必要となる場合があるためである。
好適なゴム質接着剤である二液性ウレタン接着剤についてさらに説明する。かかる二液性ウレタン接着剤は、イソシアネート成分とポリオール成分とから構成され、両者は使用時の適切な割合での混合により硬化反応を生じ、ゴム質ポリウレタンを形成するものである。
前記イソシアネート成分としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI;4,4’−MDI、2,4’−MDI、2,2’−MDI、およびこれらの混合物のいずれも含む)、トリレンジイソシアネート(TDI;2,4−TDI、2,6−TDI、およびこれらの混合物のいずれも含む)、カルボジド変性ジフエニルメタンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、並びにこれらの混合物が例示される。さらに前記過剰のイソシアネート化合物と、ポリオール成分とを反応させることにより製造された末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが好適に例示される。またイソシアネート成分は、かかるウレタンプレポリマーと前記イソシアネート化合物との混合物であってもよい。前記イソシアネート化合物の中でも特に好適には、MDIおよびTDIが例示され、特にMDIが好ましく、よって過剰のMDIとポリオール成分とを反応させた末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、並びに該プレポリマーとMDIとの混合物が、イソシアネート成分として特に好適に例示される。イソシアネート成分のイソシアネート当量(イソシアネート基1つあたりの分子量)は好ましくは140〜600の範囲であり、さらに好ましくは140〜200の範囲である。またイソシアネート成分は、さらに二官能以上の多官能イソシアネート基含有化合物を含むものであってもよい。
二液性ウレタン接着剤におけるポリオール成分としては、各種のジオール、トリオール、テトラオール、ペンタオール、ヘキサオール、ヘプタオールおよびオクタオールなどのポリオール成分が例示され、より具体的には、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、ソルビトール、ショ糖などが例示される。さらにポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロピレンオキサイド)グリコール、およびポリ(ポリブチレンオキサイド)グリコールなどのポリ(アルキレンオキサイド)グリコール)、ポリエステルポリオール、並びにポリブタジエンポリオールなどのポリマーポリオールが例示される。これらの中でもポリオール成分としては、ポリエーテルポリオールが好適であり、かかる水酸基価(水酸基1つあたりの分子量)は好ましくは50〜2,000の範囲である。
速い硬化速度を達成するためイソシアネート成分またはポリオール成分のいずれかに硬化触媒を含有することが好ましい。特に好適なイソシアネート成分が末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであり、かかる成分が主剤となりポリオール成分が硬化剤となることから、ポリオール成分中に硬化触媒を含有することが好適である。かかる触媒としてはN−アルキルモルホリン、N−アルキルピペラジンなどの3級アミン化合物、並びにジブチルスズラウレート、スズオクトエートなどの重金属有機化合物が例示され、好適には3級アミン化合物と重金属有機化合物が併用される。3級アミン化合物としては、さらに例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、テトラメチルグアニジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル(C10〜C16アルキル)アミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,2,4−トリメチルピペラジン、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン、およびビス−(β−ジメチルアミノエチル)エーテルなどが例示される。かかる硬化触媒は、イソシアネート成分(主剤)とポリオール成分(硬化剤)との混合物に対して0.01〜5重量%の範囲が好ましく、0.03〜3重量%の範囲がさらに好ましい。
ポリオール成分中には、さらに良好な硬化速度および接着強度を得るために、前記触媒以外に有機多価アミン化合物を含有することができる。有機多価アミン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジプロピレンジアミンなどの(ポリ)アルキレンポリアミン、並びにフェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリレンジアミン類(2,4−/2,6−トリレンジアミンや2,3−/3,4−トリレンジアミンなど)、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタンなどのジアミノジフェニルメタン類、およびポリメチレンポリフェニルポリアミン類などの芳香族ポリアミンなどが例示される。その他ショ糖の水酸基をアミノ基に置換したアミン化合物、およびペンタエリスリトールの水酸基をアミノ基に置換したアミン化合物などが例示される。かかるアルコール性水酸基をアミノ基に置換したアミン化合物は、公知の方法(例えばハロゲン置換した後アンモニアと反応させるなどの方法)により製造される。有機多価アミン化合物は、芳香環を含有しない場合には、少なくとも3個以上のアミノ基を含有し、その炭素原子に対するアミノ基の比率が0.25〜1の範囲であるものがより好ましい。芳香環を含有する有機多価アミン化合物は、2個以上のアミノ基を含有すればよい。かかる有機多価アミン化合物は、ポリオール成分中に好ましくは20重量%以下含有され、より好ましくは2〜20重量%含有され、さらに好ましくは5〜10重量%含有される。
前記二液性ウレタン接着剤における水酸基およびアミノ基のモル数に対するイソシアネート基のモル数の比率は、好ましくは約0.9〜2.0の範囲であり、より好ましくは1.03〜1.4の範囲であり、さらに好ましくは1.1〜1.3の範囲である。
ゴム質緩衝層(C)は、無機充填剤を好適に含有することができる。かかる無機充填剤の添加によりさらに強靭で優れた緩衝層が形成される。無機充填剤の割合は緩衝層(C)全量100重量%中10〜50重量%の範囲が好ましい。より好適な二液性ウレタン接着剤におけるかかる無機充填剤の割合は、イソシアネート成分およびポリオール成分の合計100重量%中、好ましくは10〜50重量%の範囲であり、より好ましくは15〜30重量%の範囲であり、さらに好ましくは20〜30重量%の範囲である。かかる無機充填剤はイソシアネート成分もしくはポリオール成分のいずれか、またはいずれにも含有されていてよいが、好適な割合が比較的多いことからいずれの成分にも含まれることが好ましい。即ち、イソシアネート成分およびポリオール成分のいずれにおいても、無機充填剤をそれぞれ100重量%中、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜30重量%、さらに好ましくは20〜30重量%の範囲で含有することが好ましい。ゴム質緩衝層(C)に含有される無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、パーライト、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、ゼオライト、珪藻土、ガラス、およびシリカなどが例示され、タルクおよびマイカが好ましく、かかるマイカの中でもマスコバイトが好ましい。
さらに前記の二液性ウレタン接着剤によって代表して形成されるゴム質緩衝層(C)には、可塑剤を好適に含有することができる。可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート、トリメリット酸トリオクチル、およびトリメリット酸トリイソデシルなどの芳香族カルボン酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸オクチルデシル、アゼライン酸ジオクチル、およびセバシン酸ジオクチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、並びにトリクレジルホスフェートなどのリン酸エステルなどが例示される。可塑剤の割合は、接着剤全量100重量%中好ましくは20重量%以下、より好ましくは1〜15重量%の範囲であり、本発明においてより好適な二液性ウレタン接着剤においては、イソシアネート成分およびポリオール成分のいずれにおいても全量100重量%中好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは1〜15重量%の範囲であり、さらに好ましくは両者の合計100重量%中2〜13重量%となる範囲である。可塑剤はイソシアネート成分およびポリオール成分のいずれか、またはいずれにも含有することができる。
さらにゴム質緩衝層(C)は、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、および紫外線遮蔽剤などを好適に含むことができる。これらの剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、および、環状イミノエステル系紫外線吸収剤などの有機系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤などの有機系光安定剤(ラジカルトラップ剤)、酸化チタン、酸化セリウム、および酸化亜鉛などの光触媒系光安定剤(かかる成分が表面に修飾されたフィラーを含む)、並びにカーボンブラックなどの紫外線遮蔽剤などが例示される。殊にカーボンブラックは好適に含有され、かかる遮蔽成分自体の効果により、さらに他の安定化成分との相乗効果によりゴム質緩衝層(C)の耐久性を大幅に向上することが可能である。
前記紫外線吸収剤以外にも本発明のゴム質緩衝層(C)は、他の任意成分として、分子鎖延長剤、架橋剤、顔料、着色剤、希釈剤、吸湿剤、チキソトロピー付与剤、熱安定剤、レベリング剤、消泡剤、および触媒(二液性ウレタン接着剤以外の場合においても)などを含むことができる。
本発明においてより好適な二液性ウレタン接着剤においては、前記分子鎖延長剤としては、エチレングリコール、ブタンジオール、エチレンジアミン、およびジエチルトルエンジアミンなどが例示される。架橋剤としては、オキシプロピオン酸サッカロース、脂肪族アミン、ペンタエリスリトール、水酸基をアミノ基で置換された各種ポリオール、アミノ基を含有する各種ポリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,3−トリメチルプロパン、およびグリセリンなどが例示される。吸湿剤としては合成ゼオライトが例示される。
好適な二液性ウレタン接着剤の具体例としては、例えばDOW AUTOMOTIVE社製、BETAMATE2810(商品名、A剤とB/S剤との組合せ)が例示される。
ゴム質緩衝層(C)の厚みは、特に制限はされないもののより良好な接着性および緩衝性を達成するため、好ましくは2〜10mm、より好ましくは2.5〜9mm、さらに好ましくは3〜8mmの範囲であることが好ましい。なお、かかる厚みは、ゴム質緩衝層(C)の反応完了後における厚みである。前記厚みが厚すぎる場合には、かかる層の伸びの絶対量が大きくなり、部材の固定が不十分となったり、経時的な変位(クリープ)が大きくなったりする場合がある。一方前記厚みが薄すぎる場合にはかかる層の耐久性が不十分となりやすく、界面からの剥離を生ずる可能性がある。
ゴム質緩衝層(C)の厚みは、シート状物(A)の大きさ、すなわち最大長さによってその好適範囲は左右される。シート状物の最大長さが1mを超える場合にはシート状物(A)の最大長さ1m当り、ゴム質緩衝層(C)の厚さは2〜8mm、特に3〜7mmが有利である。
ゴム質緩衝層(C)を形成するために接着剤を塗工する場合には、接着対象の部材表面を十分に清浄にする必要がある。なお、後述するがゴム質緩衝層(C)たるゴム質接着剤の対象となる部材は、いずれか一方、より好適にはいずれもが、プライマーで処理された良好な密着層を有することが好ましい。接着剤の塗工においては、各接着剤の塗工方法に準じて行われる。二液性ウレタン接着剤においては、各種計量装置および混合装置を用いて正確な配合比で均一に混合された状態で塗工される。計量装置としてはギアポンプ型およびプランジャー型などの装置が例示され、混合装置としてはスタティックミキサーやミキシングヘッドによる機械式ミキサーなどの装置が例示される。これらはより安定した塗工のため温調機を有することができる。接着剤塗工後に固化および硬化を促進するため、接着剤で結合された部材は熱処理されることができる。かかる熱処理としては、誘導加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱、および熱風の如き熱媒体加熱などが例示される。
(4)金属フレームについて
本発明のシート状窓枠部材におけるゴム質緩衝層(C)上に、金属フレームを貼り付けることによって窓構造体が形成される。
窓構造体における金属フレームは、特に限定されるものではなく、各種鉄鋼材料および非鉄材料が使用でき、例えば鋼材(鋼板)、並びにアルミニウム合金、マグネシウム合金、およびチタン合金などが例示される。中でも鋼材およびアルミニウム合金が好適である。金属フレームの表面は、そのゴム質緩衝層(C)との接着面においても、他の材料の被膜を有することができる。通常、鋼材(特に鋼板)は何らかの表面処理がなされていることが多い。したがって金属フレームとして、例えば、溶融メッキされた鋼材、電気メッキされた鋼材、および塗装された鋼材などを使用することができる。
さらに金属フレームの好適な態様としては、車輌用グレージングのフレームが挙げられる。かかる車輌用グレージングとしては、リアウインド、リア(テイル)ゲイト、スライディングルーフ、スライディングドア、リフティング(ガルウイング)ドア、リフティングリアゲート、サイドウインド、ヒンジウインド、サンルーフ、およびルーフ(タルガトップ等の脱着可能なもの、コンバーチブル等の収納可能なものを含む)などにおけるグレージングが例示される。
(5)プライマーについて
本発明においては、前記ゴム質緩衝層(C)の性能が十分に発揮されるよう、枠部材(B)の表面に対して、プライマーが塗工されることが極めて好ましい。
シート状物(A)は、枠部材(B)とゴム質緩衝層(C)との間にプライマーを有することにより、金属フレームと強固に結合される。即ち、枠部材(B)とゴム質緩衝層(C)とはプライマー層を介して貼り付けられていることが好ましい。さらにかかるプライマーとしては、アクリル系プライマーが好適に例示される。かかるアクリル系プライマーは、(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含有する(メタ)アクリレートポリマーを主成分として構成されるものである。かかるポリマーに対して溶剤、および他の添加剤などがプライマー中に含有される。かかる(メタ)アクリレートモノマーは、一般的なアルキル(メタ)アクリレートモノマーの他、アリール(メタ)アクリレートモノマーや各種官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含む。かかる官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)グリシジルアクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、および2−(2’−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが例示される。
前記(メタ)アクリレートポリマーは、メチルメタクリレートを必須成分として含有することが好ましい。さらに、より好適にはメチルメタクリレートおよび炭素数2〜6のアルキル(メタ)アクリレートを共に必須成分とする、さらに好適にはメチルメタクリレートおよびブチル(メタ)アクリレートを共に必須成分とする、特に好適にはメチルメタクリレートおよびブチルアクリレートを共に必須成分とするメタクリレートコポリマーである。
前記(メタ)アクリレートポリマーの重量平均分子量は、好ましくは1,000〜10,000,000の範囲、より好ましくは2,000〜200,000の範囲、さらに好ましくは5,000〜100,000の範囲である。かかる重量平均分子量は、標準ポリスチレンから作成された較正曲線を使用したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によりポリスチレン換算の値として算出される。
また前記メタクリレートコポリマーにおいて、メチルメタクリレートと炭素数2〜6のアルキル(メタ)アクリレートとの重量比(メチルメタクリレート:炭素数2〜6のアルキル(メタ)アクリレート)は、好ましくは90:10〜30:70の範囲であり、より好ましくは65:35〜40:60の範囲である。
前記プライマーにおける(メタ)アクリレートポリマーは、(メタ)アクリレートモノマー以外にも、これらと共重合可能なモノマー類やオリゴマー類を共重合することが可能である。かかるモノマーとしては、スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、フッ化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル化合物、エチレンなどのオレフイン化合物、無水マレイン酸、イタコン酸などのα,β−エチレン性不飽和酸やそのエステルなどが例示される。
さらに前記の好適なメタクリレートコポリマーにおいても、他の(メタ)アクリレートモノマーを共重合することができる。例えばメチルメタクリレートおよびブチル(メタ)アクリレートを共に必須成分とするメタクリレートコポリマーにおいて、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどを共重合することが可能である。なお、前記において“(メタ)アクリレート”等の表記は、メタクリレートおよびアクリレートのいずれをも含むことを示す。
プライマーを構成する(メタ)アクリレートポリマーの重合方法は、塊状、溶液、および乳化などの各種ラジカル重合、リビングラジカル重合(グループトランスファー重合等)、およびアニオン重合等の方法の他、放射線重合や電子線重合など各種物理的刺激によって重合されたポリマーを使用することができる。またメタクリレートコポリマーにおいては、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、およびグラフトコポリマーのいずれの形態であってもよい。さらにプライマーは3官能以上の架橋剤を含有することもできる。
プライマーはウレタン系接着剤との接着性を強固にするため、ポリエステルポリウレタンおよび/もしくはイソシアネート化合物を含有することが好ましい。イソシアネート化合物としては、二液性ウレタン接着剤において前述した各種イソシアネート化合物が例示され、中でもMDI、特に4,4’−MDIが好ましい。
さらにプライマーはエポキシ樹脂を含有することができる。エポキシ樹脂は、エポキシ基を1分子中に2個以上持つポリエポキシ化合物であれば、特に制限はない。例えばビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびその誘導体、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフエノールFのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが例示される。これらのうち、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が特に好適である。エポキシ樹脂の配合量は、プライマーの有機成分中25重量%以下が適切である。
前記の好適なメタクリレートコポリマーは、ゴム質緩衝層(C)のウレタン系接着剤および枠部材(B)の樹脂組成物とのいずれに対しても良好な親和性を有し、その結果結合された部材は極めて良好な剥離強度を有する。中でもポリエステルポリウレタンおよび/もしくはイソシアネート化合物、特にイソシアネート化合物を含有するプライマーは強固な結合を達成する。一方かかる剥離強度に対する1つの要因として、枠部材(B)との界面におけるメタクリレートコポリマーの侵入の程度が挙げられる。かかる侵入の程度には、使用する溶剤の種類が関係する。塗工される枠部材(B)の組成が溶剤の化学的攻撃に対してあまりに敏感であると、わずかな成形条件の相違などによって、塗工時にクラックを生じたり、緩衝層(C)の長期特性を低下させる場合がある。かかる点において本発明の枠部材(B)の樹脂組成物は、溶剤の化学的攻撃に対する感度を低下させており、比較的浸透力が強い溶剤に対しても安定した接着を可能とする。
プライマーにおける溶剤としては、適度な揮発性および枠部材(B)の樹脂組成物に対する浸透力を備えるものが好ましく、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ミネラルスピリット、ガソリン、トルエン、キシレン、ジメチルアセトアミド、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、およびジオキサンなどが例示される。中でもメチルエチルケトンが好適である。溶剤の割合は、前記プライマーを構成する(メタ)アクリレートポリマー100重量部当り、100〜500重量部の範囲が好ましく、120〜400重量部の範囲がさらに好ましい。
さらに本発明のプライマーは、前記のゴム質接着剤において添加可能な各種の成分を含むことができる。
好適なアクリル系プライマーの具体例としては、例えばDOW AUTOMOTIVE社製、BETAPRIME5404(商品名)が例示される。
また枠部材(B)および金属フレームのいずれの表面においてもプライマー塗工前または緩衝層(C)形成のための接着剤塗工前に表面を洗浄することが好ましく、かかる洗浄にはイソプロパノール等が好適である。さらに適切な表面洗浄剤の具体例としては、例えばDOW AUTOMOTIVE社製、BETACLEAN3350(商品名)が例示される。
(6)窓構造体の特性について
本発明においては、シート状物(A)、枠部材(B)、ゴム質緩衝層(C)および金属フレームがこの順序で構成された窓構造体が提供される。
かかる窓構造体は殊にその接着力の耐湿熱性に優れるものである。かかる接着力の耐湿熱性とは、より具体的には、「枠部材(B)とゴム質緩衝層(C)との剥離強度は、ゴム質緩衝層(C)が結合した枠部材(B)を70℃、相対湿度98%において200時間処理した後において、該緩衝層(C)の凝集破壊強度よりも大きい」ことを満足し得るものである。さらにかかる凝集破壊強度は、10MPa以上であることが好ましく、15MPa以上がより好ましい。上限は70MPa、好ましくは60MPaである。
(7)窓構造体の製造方法について
本発明の窓構造体の製造方法について説明する。かかる製造においては、(a)シート状物(A)を準備する工程(a工程)、(b)枠部材(B)を準備する工程(b工程)、(c)枠部材(B)とシート状物(A)とを結合し一体化する工程(c工程)、(d)かくして一体化された部材の枠部材(B)の表面部分にゴム質緩衝層(C)を形成する工程(プライマーを使用する場合には予めプライマーを塗工する工程を含む)(d工程)、並びに(e)形成されたゴム質緩衝層(C)と金属フレームとを結合して窓構造体を得る工程(e工程)の5つの工程が基本工程として存在し、その順序、他の任意の工程との組合せ、並びに任意の工程も含めた順序の相違によって各種の方法が存在する。例えば、下記の製造法−1〜製造法−3が例示される。
製造法−1:上記a工程〜e工程をその順序に従って行う。但しa工程およびb工程は、並行して、または逆の順序であってもよい。
製造法−2:上記a工程の後、b工程およびc工程を同時に行い、その後d工程およびe工程をその順に行う。b工程およびc工程を同時に行う方法には、インサート成形法、および二色成形法が例示される。インサート成形法の場合には、例えば別途得られたシート状物(A)を金型内にインサートし枠部材(B)を成形して一体化させる方法が挙げられる。二色成形法の場合には、シート状物(A)を成形後に該成形品を金型内に保持したまま金型を反転または移動させ、枠部材(B)を成形して一体化させる方法が挙げられる。インサート成形法および二色成形法は、効率的かつ強固に枠部材(B)とシート状物(A)とを一体化することが可能であり好ましい製法であり、特に二色成形法が好ましい。
製造法−3:上記製造法−2の場合とは逆にb工程の後に、a工程とc工程とを同時に行い(インサート成形、二色成形が具体的方法として例示される)、その後d工程およびe工程をその順に行う。
その他、上記a工程〜e工程以外の任意の工程として、(f)ゴム質緩衝層のための接着剤またはプライマーを塗工する面に対してクリーナーで洗浄する工程(f工程)が挙げられ、かかるf工程はd工程もしくはe工程の少なくともいずれか一方の前に行うことが好適であり、殊にかかる工程の前にそれぞれ行うことが特に好適である。また接着剤の完全な硬化を目的とした各種の熱処理工程(g工程)を、e工程の後に加えることも好適である。
さらに上記a工程〜g工程以外にも、(h)シート状物(A)の表面にハードコート層を設ける工程(h工程)、および(i)シート状物(A)にハードコート層以外の各種機能層を設ける工程(i工程)が任意の工程として好適に例示される。かかるh工程およびi工程はa工程の後であればいずれの順序においても行うことができるが、d工程の後に行うことが好ましい。またh工程およびi工程をいずれも含む場合には、これらの順序は特に限定されない。またハードコート層および各種機能層が同一面の側に設けられる場合には、それらは積層されてもよく、もしくは積層部分のない両者が並列する状態にあってもよい。なお、かかる各種機能層としては、図柄層、導電層(発熱層、電磁波吸収層、帯電防止層)、撥水・撥油層、親水層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、割れ防止層、並びに金属層(メタライジング層)などが例示される。かかる機能層は印刷などの方法によって形成することもできる。
(8)シート状物(A)および枠部材(B)の樹脂中への任意添加成分
本発明の枠部材(B)を構成する樹脂組成物およびシート状物(A)を構成する芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、この項において単に“樹脂組成物”と称する場合がある)には、前記のとおり各種の任意の添加剤を配合することができる。かかる添加剤の詳細について以下に述べる。
樹脂組成物には、衝撃改質剤を含むことができる。かかる衝撃改質剤はゴム弾性体からなる。ゴム弾性体は、ガラス転移温度が10℃以下、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−30℃以下であるゴム成分と、該ゴム成分と共重合可能な単量体成分とを共重合した重合体をいう。ゴム成分としては、各種ジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、オレフインゴム、シリコーンゴムおよびこれらの成分が共重合またはIPN化した各種のゴムが例示される。ゴム成分に共重合される単量体成分としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物などが好適に挙げられる。その他エポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド系単量体、α,β−不飽和カルボン酸およびその無水物等を共重合成分として含有できる。
より具体的には、MB(メチルメタクリレート−ブタジエン)重合体、MA(メチルメタクリレート−アクリルゴム)重合体、メチルメタクリレート−アルキルアクリレート−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−アルキルアクリレート−アクリルゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)重合体などを挙げることができる。その他弾性重合体としては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなど各種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。ゴム弾性体は、単独での使用、および2種以上を組み合わせた使用のいずれも選択できる。ゴム弾性体の含有量はシート状物(A)を構成する芳香族ポリカーボネート樹脂においては、樹脂組成物100重量%中25重量%以下が適切であり、配合する場合には好ましくは1〜15重量%の範囲であり、より好ましくは1.5〜8重量%である。ゴム弾性体の含有量は、枠部材(B)を構成する樹脂組成物において配合する場合には、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは1.5〜8重量%である。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、高温の条件下で使用される製品に対して特に好適なものであるため、各種の熱安定剤や酸化防止剤などを含んでいることが好ましい。かかる熱安定剤または酸化防止剤としては、リン化合物からなる安定剤を挙げることができ、例えば各種ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物、およびホスフェート化合物などを好ましく挙げることができる。
ホスファイト化合物としては、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
さらに他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス (4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用が可能であり好ましい。
リン化合物からなる安定剤としては、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物と、ホスフェート化合物を併用して使用することが好ましい。またリン化合物からなる安定剤の組成割合としては樹脂組成物100重量%中、0.001〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
その他の酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤およびラクトン系安定剤などを挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えばオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、およびペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどを好ましく挙げることができ、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをより好ましく挙げることができる。
本発明のイオウ系酸化防止剤の具体例としては、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリルチオプロピオネート)エステル、およびチオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などを挙げることができる。
ラクトン系安定剤としては、例えば3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物が例示され、かかる安定剤の詳細は特開平7−233160号公報に記載されている。
また紫外線吸収剤などを含むこともできる。紫外線吸収剤としては、例えば2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどに代表されるベンゾフェノン系化合物を挙げることができる。
また紫外線吸収剤としては例えば2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、およびメチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物に代表されるベンゾトリアゾール系化合物を挙げることができる。
さらに紫外線吸収剤としては例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなどのヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を挙げることができる。
さらに紫外線吸収剤としては例えば、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、および2,2’−p,p’−ジフェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などの環状イミノエステル系化合物を挙げることができる。
また紫外線吸収剤としては例えば1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパン、および1,3−ビス−[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]ベンゼンなどのシアノアクリレート系化合物を挙げることができる。
またビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、ポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も含むことができ、かかる光安定剤は前記紫外線吸収剤や各種酸化防止剤との併用において、耐候性などの点においてより良好な性能を発揮する。
前記紫外線吸収剤および光安定剤は、ラジカル重合が可能な単量体化合物の構造をとることにより、かかる紫外線吸収性単量体および/または光安定性単量体と、アルキル(メタ)アクリレートなどの単量体とを共重合したポリマー型の紫外線吸収剤および/または光安定剤であってもよい。前記紫外線吸収性単量体および光安定性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル置換基中にベンゾトリアゾール骨格、ベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、環状イミノエステル骨格、シアノアクリレート骨格およびヒンダードアミン骨格を含有する化合物が好適に例示される。
フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤およびラクトン系安定剤の含有量はそれぞれ樹脂組成物100重量%中、0.001〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
また紫外線吸収剤、光安定剤の組成割合は、それぞれ樹脂組成物100重量%中、0.001〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
本発明の枠部材(B)の樹脂組成物およびシート状物(A)の芳香族ポリカーボネート樹脂は、離型剤を含有することができる。かかる離型剤としては公知のものが使用できる。例えば、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワツクス、1−アルケン重合体など。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などを挙げることができる。
殊にシート状物(A)が透明性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の場合には、離型剤としては飽和脂肪酸エステルが好適である。かかる飽和脂肪酸エステルとしては、例えばステアリン酸モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドなどグリセリン脂肪酸エステル類、デカグリセリンデカステアレートおよびデカグリセリンテトラステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、ステアリン酸ステアレートなどの低級脂肪酸エステル類、セバシン酸ベヘネートなどの高級脂肪酸エステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレートなどのエリスリトールエステル類が使用される。これらの中でもステアリン酸やパルミチンと多価アルコール(特にペンタエリスリトール)からなるフルエステルが好ましい。さらに該フルエステルの酸価は好ましくは20以下、より好ましくは4〜20、さらに好ましくは5〜15である。離型剤は樹脂組成物100重量%中、0.001〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
本発明の樹脂組成物および芳香族ポリカーボネート樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲において、帯電防止剤を含んでいてもよい。かかる帯電防止剤としては、例えばポリエーテルエステルアミド、グリセリンモノステアレート、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩、無水マレイン酸モノグリセライド、無水マレイン酸ジグリセライド等が挙げられる。かかる帯電防止剤の組成割合は樹脂組成物100重量%中0.5〜20重量%が好ましい。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜7、比較例1〜5
下記a成分、b成分を120℃で5時間循環型熱風乾燥機により乾燥し、表1に記載の各成分を表記載の配合割合で、c成分以外を櫛歯付きのタンブラーで均一に混合した。なお、ST−1およびST−2は両者の合計が10重量%となるようa成分とスーパーミキサーで均一に混合したマスター剤としてタンブラーに混合された。タンブラーによる混合物は径30mmφのベント式二軸押出機((株)日本製鋼所TEX30XSST)を使用しスクリュー根元の第1投入口から計量器((株)クボタ製CWF)上に設けられた攪拌羽根式の供給機から供給した。一方c成分は同じく計量器上に設けられた振動式の供給機を用いて所定の割合となるようサイドフィーダーに供給され、かかるフィーダーを通して押出機へ供給された。シリンダおよびダイス共に温度280℃にて押出を行い、スクリュー回転数180rpm、吐出量18kg/時、ベント吸引度10,000Paでストランドを製造し、次いでペレタイザーでペレット化して下記の実験を行い、本発明の効果を確認した。
(実験1)
得られたペレットを120℃で6時間循環型熱風乾燥機で乾燥した後、射出成形機[FANUC(株)製T−150D]により成形温度280℃、金型温度110℃で150×150×3mmtの角板を成形し、23℃、相対湿度50%で24時間状態調節をした。洗浄剤としてBETACLEAN3350(DOW AUTOMOTIVE社製、商品名)を使用し、成形品表面を洗浄した。次いでプライマーとしてBETAPRIME5404(DOW AUTOMOTIVE社製、商品名)を塗工し、5分後、マスコバイトを約25重量%含有し(A剤およびB剤共)、重ね合せせん断強度(ASTM D−1102に準拠)が約5MPa、およびヤング率(ASTM D−797に準拠)が約10MPaの二液性ウレタン接着剤であるBETAMATE2810A剤およびBETAMATE2810B/S剤(共にDOW AUTOMOTIVE社製、商品名)をBETAGUNタイプ995.164(DOW AUTOMOTIVE社製、商品名)に装着し、前記プライマーの上に塗工した。プライマーおよび接着剤の塗工幅はいずれも約10mm、長さは約130mmとし、また接着剤の反応完了後の厚みは約5mmとした。かかる接着剤の塗工された成形品を23℃、相対湿度50%で200時間保管し、接着剤の反応を完了させた。その後かかる成形品を70℃、相対湿度98%で200時間処理し、該処理後さらに23℃、相対湿度50%にて24時間状態調節を行い、接着剤剥離試験を実施した。かかる剥離試験は、接着剤の長さ方向の端部をニッパーで成形品より剥離させた後(約5〜10mmほど)、角板を動かないよう完全に固定した状態で該剥離部をペンチで垂直に持ち上げ、その破壊の状態を目視観察する方法であった。破壊が接着剤との界面でなく接着剤の凝集破壊である場合には、再度同様の手法でペンチで接着剤部を垂直に持ち上げる操作を接着剤が角板から無くなるまで繰り返した。かかる剥離試験は10枚の試験片で実施し、接着剤の塗布面積に対して、接着剤が試験片に残留した部分の面積の割合(%)を算出して評価した。すなわち、本評価では、“全ての剥離試験において、接着剤が凝集破壊した”場合には100%の評価となり、全ての界面において剥離が生じ接着剤が試験片に残留していない場合には0%の評価となる。
(実験2)
前記各実施例および比較例のペレット以外に、透明部材(構成体C)を成形するために下記に示すPCC−1を用意した。実施例および比較例のペレットおよびPCC−1のいずれのペレットも120℃で6時間循環型熱風乾燥機で乾燥した後、二色成形可能な成形機(日精樹脂工業(株)製FN8000−36ATN)にて図1に示すような透明部材とその枠材からなる二色成形品を得た(透明部材の面積の56%が枠材と結合)。その後該二色成形体に対し、枠材のない側の透明部材表面には下記に示す要領でフローコート法によるシリコーン系ハードコートを塗工し、一方枠材を有する側には、接着剤部分にハードコート剤が触れないようはけ塗りで同様のハードコート剤を塗工し、その結果透明部材の両面にハードコートがされた成形品を得た。かかる成形品に対して、枠材の接着面部分を前記と同様に洗浄し、その後プライマー塗工し、さらに緩衝層たる接着剤の塗工を行った。接着剤の塗工後すばやく枠材と同形状の塗装鋼板より作成されたフレームに接着した。かかる接着後23℃、相対湿度50%で200時間保管し接着剤の反応を完了させてポリカーボネート系樹脂の窓構造体を作成した。緩衝層たる接着剤の反応後の厚みは約5mmとした。その後該部材を、冷熱サイクル試験機に保管して、0℃:1時間および70℃:1時間の冷熱サイクル試験を100サイクル行う環境下に曝した。かかる試験後の部材の状態を目視観察し、下記基準により評価した。なお、比較例2および3の試験片については、実験1での評価結果が極めて悪かったため、評価しなかった。
◎:成形体に反り等は発生しない(剥離の発生なし)
○:成形体に若干そりが発生した(剥離の発生なし)
×:成形体に大きめのそりが発生した(剥離の発生なし)
(実験3)
前記実験2において、塗装鋼板より作成されたフレームに替えて、6061番のアルミニウム合金で作成されたフレームを用いて、同様の実験を行った。かかる実験3は実施例2、実施例4、および実施例5の枠材からなる窓構造体について実施した。結果は実験2と同様に実施例2は○の評価、実施例4および5は◎の評価であった。
(実験4)
前記実験3において、緩衝層たる接着剤の厚みを約5mmから、約0.5mmおよび15mmに変化させて同様の実験を行った。かかる実験4は、実施例2の枠材からなる窓構造体について実施した。厚み約0.5mmの緩衝層は、塗工直後の接着剤をスクレーパーにより塗り広げることで得た。厚み約15mmの緩衝層は、接着剤の塗工を繰り返すことにより得た。厚み約0.5mmの緩衝層を有する窓構造体は、上記の冷熱サイクル試験において剥離部分が認められた。一方、厚み約15mmの緩衝層を有する窓構造体は、窓部材が傾き、枠材と平行に固定することが困難であったと共に、接着剤のはみ出しがあり外観を損ねるものであった。
実施例および比較例の組成物に用いられた原材料、PCC−1の内容、およびハードコート剤の内容は次のとおりである。
(a成分)
PC:芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1225WX、粘度平均分子量19,700)
(b成分)
PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)製:TR−8580)
(b成分以外のポリエステル)
PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂(ウインテックポリマー(株)製:500FP)
(c成分)
GF−1:エポキシ樹脂を主成分とし、ポリウレタンを含有する集束剤により集束処理されたガラスチョップドストランド(日東紡績(株)製:CS 3PE 944、繊維径13μm)
GF−2:ポリウレタンからなる集束剤により集束処理されたガラスチョップドストランド(旭ファイバーグラス(株)製:CS03MA409C、繊維径13μm)
(その他)
ST−1:ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業(株)製:アデカスタブPEP−8)
ST−2:トリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製:TMP)
CBM:ジヒドロキシ成分がビスフェノールAであるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量15,000)および三菱化学(株)製 カーボンブラック970#を重量比で60:40にて溶融混合したマスターペレット
(PCC−1の内容)
粘度平均分子量22,500のポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)L−1225WP)100重量部に対し、ペンタエリスリトールテトラステアレート系離型剤(理研ビタミン(株)製:リケスターEW−400)0.2重量部、ホスホナイト系熱安定剤(Sandoz社製:サンドスタブP−EPQ)0.02重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:Irganox1076):0.08重量部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:Tinuvin1577):0.2重量部、ブルーイング剤(バイエル社製:マクロレックスバイオレットB):0.0002重量部、および前記CBM:0.0005重量部を配合し、ブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練しペレットを得た。ポリカーボネート樹脂パウダーに添加する添加剤はそれぞれ配合量の10〜100倍の濃度を目安に予め該パウダーとの予備混合物を作成した後、ブレンダーによる全体の混合を行った。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX30α(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を使用した。混練ゾーンはベント口手前に1箇所のタイプとした。押出条件は吐出量20kg/h、スクリュー回転数200rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで280℃とした。なお、上記の樹脂組成物の製造はHEPAフィルターを通した清浄な空気が循環する雰囲気において実施し、また作業時に異物の混入がないよう十分に注意して行った。
(ハードコート剤の調製)
(なお、以下“部”は特に断りのない限り“重量部”を示す)
(1)アクリル共重合体の製造(EMA−HEMAの製造)
還流冷却器および撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にエチルメタクリレート(以下EMAと略称する)97部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下HEMAと略称する)19.5部、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略称する)0.18部および1,2−ジメトキシエタン200部を添加混合し、溶解させた。次いで、窒素気流中70℃で6時間攪拌下に反応させた。得られた反応液をn−ヘキサンに添加して再沈精製し、EMA/HEMAの組成比85/15(モル比)のコポリマー100部を得た。該コポリマーの水酸基価は72.1mgKOH/g、重量平均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GPCA−804、溶離液;THF)から標準ポリスチレン換算で80,000であった。
以下、かかるアクリルコポリマーを“EMA−HEMA(I)”と称する。
(2)第1層用塗料組成物の調製(HC1の調製)
前記EMA−HEMA5.8部および2−(4,6ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール2.5部をメチルエチルケトン40部、メチルイソブチルケトン20部、および2−メチル−2−プロパノール25部からなる混合溶媒に溶解し、次いでこの溶液に前記EMA−HEMAのヒドロキシ基1当量に対してイソシアネート基が1.2当量となるようにタケネートXB−72−H6(三井武田ケミカル製ポリイソシアネート化合物前駆体)4.0部、APZ−6633(日本ユニカー製シランカップリング剤)0.1部を添加し、25℃で5分間攪拌して第1層用塗料組成物“HC1”を調製した。
(3)第2層用塗料組成物の調製(HC2の調製)
水分散型コロイダルシリカ分散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固形分濃度30重量%)100部に蒸留水12部、酢酸20部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン134部を加えた。この混合液を25℃で1時間攪拌して得られた反応液に、硬化触媒として酢酸ナトリウム1部を加えイソプロパノール200部で希釈してオルガノシロキサン樹脂組成物“HC2”を調製した。
(4)ハードコート剤の塗布
上記で製造された二色成形品を、120℃で2時間クリーンオーブン中でアニール処理を行った。その後上記で調整されたHC1を、枠材のない側の透明部材表面にはフローコート法によって、一方枠材のある側の透明部材表面にははけ塗りによって、厚み約4μmで両面塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で1時間熱風循環オーブン中で熱硬化させた。次いで該成形品の被膜表面上にHC−2をHC−1と同様の方法で厚み約6μmで両面塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で2時間熱風循環オーブン中で熱硬化させた。
Figure 2010275556
Figure 2010275556
さらに前記の実験2と同様の手法によって、幅約40cm、長さ約130cm、および厚み4mmのわずかに湾曲した(枠材のない側に凸状)前記PCC−1からなる板状成形品と、厚み2mmで周囲約7cmを覆う前記実施例2、4および5の組成物からなる枠材との一体化された成形品を大型の二色成形機により製造した。さらに前記と同様の手法よりハードコートした後、同様の接着方法によって塗装鋼板製および6061番アルミニウム合金製の枠材に固定した。かかる部材は湿熱処理試験後においても強靭に接着された状態を保った。
1 二色成形品本体(シート状物と枠部材の一体化成形品)
2 シート状物(1.5mm厚みのファンゲートにより成形、厚み4mm)
3 枠部材(厚み2mm)
4 枠部材のピンゲート(4箇所、直径1.4mm)
5 枠部材の縦方向の幅(40mm)
6 枠部材の横方向の幅(40mm)
7 前記成形品の幅(200mm)
8 前記成形品の長さ(300mm)

Claims (14)

  1. A:芳香族ポリカーボネート系樹脂よりなるシート状物(A)、
    B:そのシート状物(A)の片面の周囲面に積層された枠部材(B)および
    C:その枠部材(B)の表面に形成されたゴム質緩衝層(C)、
    よりなるシート状窓部材において、
    該枠部材(B)を下記(i)〜(iii)
    (i)芳香族ポリカーボネート樹脂(B−1)50〜90重量部、
    (ii)ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−2)10〜50重量部、および
    (iii)前記(B−1)および(B−2)の合計100重量部当り繊維状充填剤(B−3)0〜50重量部、
    からなる樹脂組成物より形成することにより、枠部材(B)とゴム質緩衝層(C)との湿熱条件下における接着性を向上させる方法。
  2. 該枠部材(B)は、下記組成の樹脂組成物より形成される請求項1記載の方法。
    (i)芳香族ポリカーボネート樹脂(B−1)70〜88重量部、
    (ii)ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−2)12〜30重量部、および
    (iii)前記(B−1)および(B−2)の合計100重量部当り繊維状充填剤0〜50重量部。
  3. 該繊維状充填剤(B−3)の含有量は、(B−1)および(B−2)の合計100重量部当り1〜50重量部である請求項1または2記載の方法。
  4. 該繊維状充填剤(B−3)は、エポキシ樹脂により集束処理された繊維状充填剤である請求項3記載の方法。
  5. 該繊維状充填剤(B−3)は、ガラス繊維である請求項3記載の方法。
  6. 該ゴム質緩衝層(C)は、0.5〜50MPaのヤング率を有するゴム質樹脂組成物より形成されかつ2〜10mmの厚さを有する、請求項1記載の方法。
  7. 該ゴム質緩衝層(C)は、無機充填剤を1〜50重量%含有するゴム質樹脂組成物より形成される請求項6記載の方法。
  8. 該ゴム質緩衝層(C)は、1〜7MPaの重ね合わせせん断強さを有するゴム質樹脂組成物より形成される請求項1記載の方法。
  9. 該ゴム質緩衝層(C)は、硬化ゴム質ポリウレタン樹脂よりなるゴム質樹脂組成物より形成される請求項1記載の方法。
  10. 該シート状物(A)は、1〜10mmの厚さを有する請求項1記載の方法。
  11. 該ゴム質緩衝層(C)は、シート状物(A)の最大長さ1m当り、2〜8mmの厚さを有する請求項1記載の方法。
  12. 該枠部材(B)と該ゴム質緩衝層(C)とはプライマー層を介して貼り付けられている請求項1記載の方法。
  13. 該シート状物(A)および該該枠部材(B)は、一体成形物である請求項1記載の方法。
  14. 該シート状物(A)および該枠部材(B)は、二色成形物である請求項1記載の方法。
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