JP2010275481A - シリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 目地に充填されたシリコーン系シーリング材表面への密着性に優れながら、確実にシリコーン系シーリング材が充填された目地周辺及びシーリング材自体の撥水汚染を防止することができる被覆組成物を提供すること。
【解決手段】 架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、シランカップリング剤(C)、硬化触媒(D)、フッ素系界面活性剤(E)を含むことを特徴とする、シリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、シランカップリング剤(C)、硬化触媒(D)、フッ素系界面活性剤(E)を含むことを特徴とする、シリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物を用いる。
【選択図】 なし
Description
シリコーン系シーリング材が充填された目地周辺及びシーリング材自体の撥水汚染を防止することができる被覆組成物に関するものであり、より詳細には目地に充填されたシリコーン系シーリング材表面への密着性に優れながら確実に撥水汚染を防止することができる被覆組成物に関するものである。
建築物の内外装の目地部には、気密性や水密性を付与するためにシーリング材が適用される。これらシーリング材としては、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系、ポリサルファイド系及びポリイソブチレン系等のものがある。
上述のようにシーリング材の本来の目的は、各種部材間の接合部や間隙部の気密性や水密性を付与するものであるが、これらの目地部は人目に触れる箇所であるために近年は意匠性や美観の長期維持の必要性も高まっている。
上述のようにシーリング材の本来の目的は、各種部材間の接合部や間隙部の気密性や水密性を付与するものであるが、これらの目地部は人目に触れる箇所であるために近年は意匠性や美観の長期維持の必要性も高まっている。
これらシーリング材のうち、シリコーン系シーリング材については特に耐候性に優れることから、ガラス窓まわり、各種サッシまわり、屋根材、壁材だけにとどまらず、太陽電池パネルの接合部等に至るまで非常に広く使用されている。
しかし、シリコーン系シーリング材はその成分として比較的低分子量のシリコーンオイルが含まれており、このシリコーンオイルがシーリング材表面にブリードアウトする現象が見られる。このブリードアウトしたシリコーンオイルは、目地周辺及びシーリング材自体の表面への塵埃付着の原因となり、いわゆる「撥水汚染」を引き起こす。撥水汚染が発生すると、建築物においては意匠性や美観を損なう、太陽電池パネルにおいては発電効率が低下する、近年その使用が拡大しつつある超親水能や光触媒能を有するガラスや建築部材の性能を減殺してしまう等の様々な問題を引き起こす可能性があった。
しかし、シリコーン系シーリング材はその成分として比較的低分子量のシリコーンオイルが含まれており、このシリコーンオイルがシーリング材表面にブリードアウトする現象が見られる。このブリードアウトしたシリコーンオイルは、目地周辺及びシーリング材自体の表面への塵埃付着の原因となり、いわゆる「撥水汚染」を引き起こす。撥水汚染が発生すると、建築物においては意匠性や美観を損なう、太陽電池パネルにおいては発電効率が低下する、近年その使用が拡大しつつある超親水能や光触媒能を有するガラスや建築部材の性能を減殺してしまう等の様々な問題を引き起こす可能性があった。
そこで、シリコーン系シーリング材の施工後にシーリング材表面に上塗剤を施工することでシリコーンオイルのブリードアウトを抑制して撥水汚染を抑制するという手法が検討されている。例えば、特許文献1においては、ハジキ、密着性に問題があるシリコーンシーラント表面への密着性に優れ、シリコーンシーラント表面でのハジキがなく、シリコーンシーラント内部からのシリコーンオイルのマイグレーションを防止し、長期にわたって美観を保持することのできる被覆用組成物が開示されている。
上記特許文献1に開示される技術においては、加水分解性シリル基を有する含フッ素ポリマー、含フッ素シランカップリング剤、含フッ素界面活性剤を必須成分とする被覆用組成物が開示されているが、その性能は必ずしも十分とはいえなかった。
本発明が解決しようとする課題は、目地に充填されたシリコーン系シーリング材表面への密着性に優れながら、確実にシリコーン系シーリング材が充填された目地周辺及びシーリング材自体の撥水汚染を防止することができる被覆組成物を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、目地に充填されたシリコーン系シーリング材表面への密着性に優れながら、確実にシリコーン系シーリング材が充填された目地周辺及びシーリング材自体の撥水汚染を防止することができる被覆組成物を提供することである。
このような問題を解決するために、本発明者は、鋭意研究の結果、特定の架橋性シリル基含有重合体、ポリオレフィン樹脂、シランカップリング剤、硬化触媒、フッ素系界面活性剤を含む被覆組成物を採用した場合において、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は次の第1〜5の発明から構成される。
すなわち、第1の発明は、架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、シランカップリング剤(C)、硬化触媒(D)、フッ素系界面活性剤(E)を含むことを特徴とする、シリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物に関するものである。
この構成をとる被覆組成物は、シリコーン系シーリング材表面への密着性に優れながら、確実に撥水汚染を防止できるものとなる。なお、以下では架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を単に「(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)」又は「重合体(A)」と記載することがある。
この構成をとる被覆組成物は、シリコーン系シーリング材表面への密着性に優れながら、確実に撥水汚染を防止できるものとなる。なお、以下では架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を単に「(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)」又は「重合体(A)」と記載することがある。
また、第2の発明は、上記の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)が、リビングラジカル重合法で製造された(メタ)アクリル酸エステル系重合体であることを特徴とする、第1の発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物に関するものである。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)が、リビングラジカル重合法で製造されたものであるとより一層本発明の効果が得られやすい。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)が、リビングラジカル重合法で製造されたものであるとより一層本発明の効果が得られやすい。
第3の発明は、ポリオレフィン樹脂(B)が、塩素化されたポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、第1又は第2の発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物に関するものである。
また、第4の発明は、ポリオレフィン樹脂(B)が、無水マレイン酸−アクリル変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、第1又は第2の発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物に関するものである。
ポリオレフィン樹脂(B)がこれらの樹脂であると、有機溶剤に対してより相溶性が得られやすく好ましい。
また、第4の発明は、ポリオレフィン樹脂(B)が、無水マレイン酸−アクリル変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、第1又は第2の発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物に関するものである。
ポリオレフィン樹脂(B)がこれらの樹脂であると、有機溶剤に対してより相溶性が得られやすく好ましい。
第5の発明は、さらに、その分子内にグリシジル基を1つ以上有するエポキシ系化合物(F)を含有することを特徴とする、第1〜第3の発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物に関するものである。
上記エポキシ系化合物を含有すると、ポリオレフィン樹脂(B)として塩素化されたポリオレフィン樹脂を使用した場合、脱離した塩素から生じる塩酸をキャッチすることができるため、被覆組成物の長期間経過後の変色を抑制することができる。
上記エポキシ系化合物を含有すると、ポリオレフィン樹脂(B)として塩素化されたポリオレフィン樹脂を使用した場合、脱離した塩素から生じる塩酸をキャッチすることができるため、被覆組成物の長期間経過後の変色を抑制することができる。
第6の発明は、硬化触媒(D)が有機錫系化合物であることを特徴とする、第1〜第5のいずれかの発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物に関するものである。
硬化触媒(D)が有機錫系化合物であると、被覆組成物の皮膜の耐水摩耗性が良好であるため好ましい。
硬化触媒(D)が有機錫系化合物であると、被覆組成物の皮膜の耐水摩耗性が良好であるため好ましい。
第7の発明は、架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100重量部対して、ポリオレフィン樹脂(B)を1〜100質量部、シランカップリング剤(C)を1〜200質量部、硬化触媒(D)を1〜150質量部、フッ素系界面活性剤(E)を0.1〜10質量部の割合で含むことを特徴とする、第1〜第6のいずれかの発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物に関するものである。
各成分の配合量がこの範囲内にある場合に、特に良好に本発明の効果を得られるため好ましい。
各成分の配合量がこの範囲内にある場合に、特に良好に本発明の効果を得られるため好ましい。
本発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物は、目地に充填されたシリコーン系シーリング材表面への密着性に優れながら、確実にシリコーン系シーリング材が充填された目地周辺及びシーリング材自体の撥水汚染を防止することができるという効果を奏するものである。
以下、本発明を実施するための形態を、詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物は、以下に説明する各構成成分を含有し、基本的にはこれらを適宜溶剤に溶解又は分散した状態で提供される。本発明に係る被覆組成物が適用されるシリコーン系シーリング材が施工された目地は、新設のものは勿論、例えば施工後一定時間が経過したものを一度洗浄して表面を清浄にした後に本発明に係る被覆組成物を適用してもよい。また、シリコーン系シーリング材以外の他の系統のシーリング材への適用を妨げるものでもない。
使用方法としては、シーリング材表面に刷毛やスプレー等の適当な器具を用いて塗工すれば、一定時間経過後に溶剤の揮発及び硬化性成分の硬化により被覆膜が形成される。この被覆膜はシリコーン系シーリング材表面への密着性に優れるとともに、シリコーン系シーリング材からのシリコーンオイルのブリードアウトを抑制する。
使用方法としては、シーリング材表面に刷毛やスプレー等の適当な器具を用いて塗工すれば、一定時間経過後に溶剤の揮発及び硬化性成分の硬化により被覆膜が形成される。この被覆膜はシリコーン系シーリング材表面への密着性に優れるとともに、シリコーン系シーリング材からのシリコーンオイルのブリードアウトを抑制する。
[(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)について]
本発明における(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)は、その分子末端に架橋性シリル基を有するものである。(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)は、オレフィン樹脂(B)と相乗的にシリコーン系シーリング材への被覆皮膜の密着性を付与するとともに、被覆膜を形成する効果を付与するものである。
このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、特許第3806475号等の文献にその製造方法が開示されている。また、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)としては、SA100S(カネカ社製商品名)等の市販品を用いることもできる。
上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)は、リビングラジカル重合法で製造された(メタ)アクリル酸エステル系重合体であることが好ましい。
本発明における(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)は、その分子末端に架橋性シリル基を有するものである。(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)は、オレフィン樹脂(B)と相乗的にシリコーン系シーリング材への被覆皮膜の密着性を付与するとともに、被覆膜を形成する効果を付与するものである。
このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、特許第3806475号等の文献にその製造方法が開示されている。また、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)としては、SA100S(カネカ社製商品名)等の市販品を用いることもできる。
上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)は、リビングラジカル重合法で製造された(メタ)アクリル酸エステル系重合体であることが好ましい。
[ポリオレフィン樹脂(B)について]
本発明におけるポリオレフィン樹脂(B)は、特に限定されるものではないが、塩素化されたものや有機酸や(メタ)アクリル酸エステル等で変性されたものであると有機溶剤との相溶性が良く好ましい。ポリオレフィン樹脂(B)は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)と相乗的にシリコーン系シーリング材表面への被覆皮膜の密着性を付与するとともに、被覆皮膜に対して適度な可とう性を付与するものである。ポリオレフィン樹脂(B)の市販品としては、スーパークロン、アウローレン(いずれも日本製紙ケミカル社製商品名)等が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂(B)の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100質量部に対して1〜100質量部の範囲で配合される。好ましくは15〜80質量部であり、さらに好ましくは20〜65質量部である。1質量部未満であるとシリコーン系シーリング材表面への被覆皮膜の密着性不良となりやすく、100質量部を超えると貯蔵安定性や、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)との相溶性が悪化しやすい。
本発明におけるポリオレフィン樹脂(B)は、特に限定されるものではないが、塩素化されたものや有機酸や(メタ)アクリル酸エステル等で変性されたものであると有機溶剤との相溶性が良く好ましい。ポリオレフィン樹脂(B)は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)と相乗的にシリコーン系シーリング材表面への被覆皮膜の密着性を付与するとともに、被覆皮膜に対して適度な可とう性を付与するものである。ポリオレフィン樹脂(B)の市販品としては、スーパークロン、アウローレン(いずれも日本製紙ケミカル社製商品名)等が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂(B)の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100質量部に対して1〜100質量部の範囲で配合される。好ましくは15〜80質量部であり、さらに好ましくは20〜65質量部である。1質量部未満であるとシリコーン系シーリング材表面への被覆皮膜の密着性不良となりやすく、100質量部を超えると貯蔵安定性や、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)との相溶性が悪化しやすい。
[シランカップリング剤(C)について]
本発明におけるシランカップリング剤(C)は、特に限定されるものではなく、従来公知のもの(例えば、いわゆるアミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、メルカプトシラン化合物、(メタ)アクリルシラン化合物、イソシアネートシラン化合物、ビニルシラン化合物等)が単独で又は混合して用いられる。なかでもアミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノメチルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジエトキシシラン、[2−アミノエチル−(2′−アミノエチル)]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の第1級アミノ基含有アミノシラン化合物、MS3301(チッソ株式会社製商品名)、MS3302(チッソ株式会社製商品名)、X−40−2651(信越化学工業株式会社製商品名)等のアミノシランのシリル基を単独あるいはその他のアルコキシシラン化合物と一部縮合させた化合物、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等の第2級アミノ基含有アミノシラン化合物、分子内にイミダゾール基及び架橋性シリル基を有するイミダゾールシラン化合物等の第3級アミノ基を有するアミノシラン、水と反応して第1級アミノ基を生成する官能基を有するケチミンシラン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらは単独または2種以上併用してもかまわない。その効果は、シリコーン系シーリング材表面への密着性を付与するものである。
上記シランカップリング剤(C)の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100質量部に対して1〜200質量部の範囲で配合される。好ましくは50〜180質量部であり、さらに好ましくは70〜160質量部である。1質量部未満であるとシリコーン系シーリング材表面への被覆皮膜の密着性不良となりやすく、200質量部を超えると貯蔵安定性が悪化しやすい。
本発明におけるシランカップリング剤(C)は、特に限定されるものではなく、従来公知のもの(例えば、いわゆるアミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、メルカプトシラン化合物、(メタ)アクリルシラン化合物、イソシアネートシラン化合物、ビニルシラン化合物等)が単独で又は混合して用いられる。なかでもアミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノメチルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジエトキシシラン、[2−アミノエチル−(2′−アミノエチル)]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の第1級アミノ基含有アミノシラン化合物、MS3301(チッソ株式会社製商品名)、MS3302(チッソ株式会社製商品名)、X−40−2651(信越化学工業株式会社製商品名)等のアミノシランのシリル基を単独あるいはその他のアルコキシシラン化合物と一部縮合させた化合物、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等の第2級アミノ基含有アミノシラン化合物、分子内にイミダゾール基及び架橋性シリル基を有するイミダゾールシラン化合物等の第3級アミノ基を有するアミノシラン、水と反応して第1級アミノ基を生成する官能基を有するケチミンシラン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらは単独または2種以上併用してもかまわない。その効果は、シリコーン系シーリング材表面への密着性を付与するものである。
上記シランカップリング剤(C)の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100質量部に対して1〜200質量部の範囲で配合される。好ましくは50〜180質量部であり、さらに好ましくは70〜160質量部である。1質量部未満であるとシリコーン系シーリング材表面への被覆皮膜の密着性不良となりやすく、200質量部を超えると貯蔵安定性が悪化しやすい。
[硬化触媒(D)について]
本発明の硬化触媒(D)は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)及びシランカップリング剤(C)の硬化触媒として作用するものであれば、従来公知の化合物又は組成物を使用することができる。
一例を挙げれば、有機錫化合物、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機ビスマス化合物等の有機金属化合物、アミン化合物等の塩基性化合物、リン酸系化合物等の酸性化合物等が使用できる。これらは単独または2種以上併用してもかまわない。なかでも、有機錫系化合物であると被覆皮膜の耐水摩耗性に優れるため好ましい。硬化触媒(D)としては、MSCAT02(日本化学産業社製商品名)、ネオスタンU−100、ネオスタンU−220H(日東化成社製商品名)、オルガチックスZC−540(松本製薬工業社製商品名)等の市販品を用いることもできる。
上記硬化触媒(D)の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100質量部に対して1〜150質量部の範囲で配合される。好ましくは10〜130質量部であり、さらに好ましくは20〜120質量部である。1質量部未満であると皮膜の硬化不良が生じやすく、150質量部を超えると貯蔵安定性が悪化しやすい。
本発明の硬化触媒(D)は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)及びシランカップリング剤(C)の硬化触媒として作用するものであれば、従来公知の化合物又は組成物を使用することができる。
一例を挙げれば、有機錫化合物、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機ビスマス化合物等の有機金属化合物、アミン化合物等の塩基性化合物、リン酸系化合物等の酸性化合物等が使用できる。これらは単独または2種以上併用してもかまわない。なかでも、有機錫系化合物であると被覆皮膜の耐水摩耗性に優れるため好ましい。硬化触媒(D)としては、MSCAT02(日本化学産業社製商品名)、ネオスタンU−100、ネオスタンU−220H(日東化成社製商品名)、オルガチックスZC−540(松本製薬工業社製商品名)等の市販品を用いることもできる。
上記硬化触媒(D)の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100質量部に対して1〜150質量部の範囲で配合される。好ましくは10〜130質量部であり、さらに好ましくは20〜120質量部である。1質量部未満であると皮膜の硬化不良が生じやすく、150質量部を超えると貯蔵安定性が悪化しやすい。
[フッ素系界面活性剤(E)について]
本発明におけるフッ素系界面活性剤(E)は、特に限定されるものではないが、パーフルオロアルキル含有オリゴマーが好ましい。その効果は、フッ素系界面活性剤(E)を配合することによって、被覆組成物の表面張力が下がり、その結果、シリコーン系シーリング材表面に対する良好な濡れ性が得られる。フッ素系界面活性剤(E)としては、サーフロン(AGCセイミケミカル社商品名)等の市販品を用いることもできる。
上記フッ素系界面活性剤(E)の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲で配合される。好ましくは0.5〜25質量部であり、さらに好ましくは1〜10質量部である。0.1質量部未満であるとシリコーン系シーリング材表面への被覆組成物の濡れ性が不足しやすく、50質量部を超えると配合される樹脂や有機溶剤との相溶性という点で不具合が生じやすい。
本発明におけるフッ素系界面活性剤(E)は、特に限定されるものではないが、パーフルオロアルキル含有オリゴマーが好ましい。その効果は、フッ素系界面活性剤(E)を配合することによって、被覆組成物の表面張力が下がり、その結果、シリコーン系シーリング材表面に対する良好な濡れ性が得られる。フッ素系界面活性剤(E)としては、サーフロン(AGCセイミケミカル社商品名)等の市販品を用いることもできる。
上記フッ素系界面活性剤(E)の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲で配合される。好ましくは0.5〜25質量部であり、さらに好ましくは1〜10質量部である。0.1質量部未満であるとシリコーン系シーリング材表面への被覆組成物の濡れ性が不足しやすく、50質量部を超えると配合される樹脂や有機溶剤との相溶性という点で不具合が生じやすい。
[エポキシ系化合物(F)について]
本発明におけるエポキシ系化合物(F)は、その分子内にグリシジル基を1つ以上有する従来公知の化合物又は組成物を使用することができる。塩素化されたポリオレフィン樹脂を配合した場合、エポキシ系化合物(F)を配合することによって、脱離した塩素から生じる塩酸をキャッチし、被覆組成物(シーリング材に適用される前(貯蔵中)の溶液及び適用後の被覆皮膜)の長期間経過後の変色を抑制することができる。エポキシ系化合物(F)としては、JER828(ジャパンエポキシレジン社製商品名)、サンソサイザーE−PS(新日本理化社製商品名)等の市販品を用いることもできる。
上記エポキシ系化合物(F)の配合量は、ポリオレフィン樹脂(B)100質量部に対して1〜10質量部の範囲で配合される。好ましくは2〜9質量部であり、さらに好ましくは3〜8質量部である。1質量部未満であると変色抑制効果が発揮されにくく、10質量部を超えると被膜の硬化不良を引き起こす可能性がある。
本発明におけるエポキシ系化合物(F)は、その分子内にグリシジル基を1つ以上有する従来公知の化合物又は組成物を使用することができる。塩素化されたポリオレフィン樹脂を配合した場合、エポキシ系化合物(F)を配合することによって、脱離した塩素から生じる塩酸をキャッチし、被覆組成物(シーリング材に適用される前(貯蔵中)の溶液及び適用後の被覆皮膜)の長期間経過後の変色を抑制することができる。エポキシ系化合物(F)としては、JER828(ジャパンエポキシレジン社製商品名)、サンソサイザーE−PS(新日本理化社製商品名)等の市販品を用いることもできる。
上記エポキシ系化合物(F)の配合量は、ポリオレフィン樹脂(B)100質量部に対して1〜10質量部の範囲で配合される。好ましくは2〜9質量部であり、さらに好ましくは3〜8質量部である。1質量部未満であると変色抑制効果が発揮されにくく、10質量部を超えると被膜の硬化不良を引き起こす可能性がある。
[その他の成分について]
本発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物は、上記構成のものであるが、更に従来公知の任意成分が含有されていてもよい。例えば、重質炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、珪砂、シリカ等の充填剤、酸化チタン、カーボンブラック、その他の染料或いは顔料等の着色剤、フタル酸系エステルやアジピン酸系エステル等の可塑剤、ケトン類、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素等の希釈剤、粘接着付与剤、増粘剤、シランオリゴマー、光硬化性アクリル系オリゴマー、顔料分散剤、消泡剤、チタンカップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、有機溶媒等の任意成分が含有されていてもよい。
本発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物は、上記構成のものであるが、更に従来公知の任意成分が含有されていてもよい。例えば、重質炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、珪砂、シリカ等の充填剤、酸化チタン、カーボンブラック、その他の染料或いは顔料等の着色剤、フタル酸系エステルやアジピン酸系エステル等の可塑剤、ケトン類、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素等の希釈剤、粘接着付与剤、増粘剤、シランオリゴマー、光硬化性アクリル系オリゴマー、顔料分散剤、消泡剤、チタンカップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、有機溶媒等の任意成分が含有されていてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[被覆組成物の調製]
(実施例1)
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)として「SA100S(カネカ社製商品名/分子末端に加水分解性基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体)」60質量部を、メチルシクロヘキサン135質量部に溶解分散し「溶液(a)」を得た。
ポリオレフィン樹脂(B)として「スーパークロン1027S(日本製紙ケミカル社製商品名/塩素化されたポリプロピレン)」20質量部を、トルエン170質量部に溶解分散し「溶液(b)」を得た。
撹拌翼付きの容器に、溶液(a)を195質量部、溶液(b)を190質量部(合計385質量部)仕込み、さらにシランカップリング剤(C)として「KBM603(信越化学工業社製商品名/γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン)」50質量部、「X−41−1805(信越化学工業社製商品名/メルカプト基含有シランオリゴマー)」10質量部、「KC−89S(信越化学工業社製商品名/メチル基含有シランオリゴマー)」30質量部、「TSL−8124(モメンティブパフォーマンスジャパン社製商品名/エチルシリケート)」3質量部、硬化触媒(D)として「MSCAT02(日本化学産業社製商品名/ジブチル錫オキサイド)」50質量部、フッ素系界面活性剤(E)として「サーフロンS611(AGCセイミケミカル社製商品名/パーフルオロアルキル化合物)」3質量部を仕込み、撹拌混合し被覆組成物1を得た。
(実施例1)
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)として「SA100S(カネカ社製商品名/分子末端に加水分解性基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体)」60質量部を、メチルシクロヘキサン135質量部に溶解分散し「溶液(a)」を得た。
ポリオレフィン樹脂(B)として「スーパークロン1027S(日本製紙ケミカル社製商品名/塩素化されたポリプロピレン)」20質量部を、トルエン170質量部に溶解分散し「溶液(b)」を得た。
撹拌翼付きの容器に、溶液(a)を195質量部、溶液(b)を190質量部(合計385質量部)仕込み、さらにシランカップリング剤(C)として「KBM603(信越化学工業社製商品名/γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン)」50質量部、「X−41−1805(信越化学工業社製商品名/メルカプト基含有シランオリゴマー)」10質量部、「KC−89S(信越化学工業社製商品名/メチル基含有シランオリゴマー)」30質量部、「TSL−8124(モメンティブパフォーマンスジャパン社製商品名/エチルシリケート)」3質量部、硬化触媒(D)として「MSCAT02(日本化学産業社製商品名/ジブチル錫オキサイド)」50質量部、フッ素系界面活性剤(E)として「サーフロンS611(AGCセイミケミカル社製商品名/パーフルオロアルキル化合物)」3質量部を仕込み、撹拌混合し被覆組成物1を得た。
(実施例2)
ポリオレフィン樹脂(B)として「スーパークロン1027S」20質量部に代えて、「アウローレン350T(日本製紙ケミカル社製商品名/無水マレイン酸−アクリル変性ポリオレフィン樹脂)」20質量部を用いた他は実施例1と同様にして被覆組成物2を得た。
ポリオレフィン樹脂(B)として「スーパークロン1027S」20質量部に代えて、「アウローレン350T(日本製紙ケミカル社製商品名/無水マレイン酸−アクリル変性ポリオレフィン樹脂)」20質量部を用いた他は実施例1と同様にして被覆組成物2を得た。
(実施例3)
硬化触媒(D)として「MSCAT02」50質量部に代えて、「オルガチックスZC−540(松本製薬工業社製商品名/ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート)」65質量部を用いた他は実施例1と同様にして被覆組成物3を得た。
硬化触媒(D)として「MSCAT02」50質量部に代えて、「オルガチックスZC−540(松本製薬工業社製商品名/ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート)」65質量部を用いた他は実施例1と同様にして被覆組成物3を得た。
(実施例4)
シランカップリング剤(C)のうち「KC−89S」30質量部を用いなかった以外は実施例3と同様にして被覆組成物4を得た。
シランカップリング剤(C)のうち「KC−89S」30質量部を用いなかった以外は実施例3と同様にして被覆組成物4を得た。
(比較例1)
ポリオレフィン樹脂(B)である「スーパークロン1027S」20質量部を用いなかった以外は実施例3と同様にして被覆組成物5を得た。
ポリオレフィン樹脂(B)である「スーパークロン1027S」20質量部を用いなかった以外は実施例3と同様にして被覆組成物5を得た。
(比較例2)
シランカップリング剤(C)のうち「KC−89S」30質量部を用いなかった以外は比較例1と同様にして被覆組成物6を得た。
シランカップリング剤(C)のうち「KC−89S」30質量部を用いなかった以外は比較例1と同様にして被覆組成物6を得た。
(比較例3)
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)である「SA100S」60質量部を用いなかった以外は実施例3と同様にして被覆組成物7を得た。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)である「SA100S」60質量部を用いなかった以外は実施例3と同様にして被覆組成物7を得た。
上記で調製した被覆組成物を用いて以下の試験を行い、その結果を評価した。
[製膜性試験]
調製された各被覆組成物をポリプロピレン製のプリンカップに2ml入れ、23℃で24時間乾燥させ、その製膜性を以下の基準で評価した。評価が○であれば実用上問題ないものと判断できる。
(評価基準)
○ : 均一な皮膜が形成され、皮膜表面にタックがほとんどない
△ : 均一な皮膜が形成されるが、内部の硬化が悪く、皮膜表面にタックがある
× : 均一に製膜しない
[製膜性試験]
調製された各被覆組成物をポリプロピレン製のプリンカップに2ml入れ、23℃で24時間乾燥させ、その製膜性を以下の基準で評価した。評価が○であれば実用上問題ないものと判断できる。
(評価基準)
○ : 均一な皮膜が形成され、皮膜表面にタックがほとんどない
△ : 均一な皮膜が形成されるが、内部の硬化が悪く、皮膜表面にタックがある
× : 均一に製膜しない
[シリコーン系シーリング材硬化物表面への密着性試験]
予め十分養生し硬化させたシリコーン系シーリング材硬化物(コニシ社製「ボンド シリコンコーク」)を用意した。
シーリング材硬化物の表面に、刷毛を用いて調製された各被覆組成物を塗布した後、23℃で24時間養生し、試験体とした。その後、試験体の被覆皮膜にカッターナイフで×の字に切り込みを入れ、この切り込み部にセロハンテープを貼り付けた後はく離し、被覆皮膜のシーリング材硬化物表面への密着性を以下の基準で評価した。評価が○であれば実用上問題ないものと判断できる。
(評価基準)
○ : 切り込みの交差点からの被覆皮膜の剥がれが全くない
△ : 切り込みの交差点からの被覆皮膜の剥がれが若干見られる
× : 切り込みの交差点から被覆皮膜が剥がれる
又は、皮膜が形成されず評価不能である
予め十分養生し硬化させたシリコーン系シーリング材硬化物(コニシ社製「ボンド シリコンコーク」)を用意した。
シーリング材硬化物の表面に、刷毛を用いて調製された各被覆組成物を塗布した後、23℃で24時間養生し、試験体とした。その後、試験体の被覆皮膜にカッターナイフで×の字に切り込みを入れ、この切り込み部にセロハンテープを貼り付けた後はく離し、被覆皮膜のシーリング材硬化物表面への密着性を以下の基準で評価した。評価が○であれば実用上問題ないものと判断できる。
(評価基準)
○ : 切り込みの交差点からの被覆皮膜の剥がれが全くない
△ : 切り込みの交差点からの被覆皮膜の剥がれが若干見られる
× : 切り込みの交差点から被覆皮膜が剥がれる
又は、皮膜が形成されず評価不能である
[耐水摩耗性試験]
予め十分養生し硬化させたシリコーン系シーリング材硬化物(コニシ社製「ボンド シリコンコーク」)を用意した。
シーリング材硬化物の表面に、刷毛を用いて調製された各被覆組成物を塗布した後、23℃で24時間養生し、試験体とした。被覆皮膜の養生後、23℃の水中に得られた試験体を7日間浸漬した。その後、水中から取り出した試験体の被覆皮膜を指でこすり、耐水摩耗性を以下の基準で評価した。評価が○又は△であれば実用上問題ないものと判断できる。
(評価基準)
○ : 被覆皮膜の摩耗がない
△ : 被覆皮膜が若干摩耗する
× : 被覆皮膜が摩耗し、剥がれが生じる
予め十分養生し硬化させたシリコーン系シーリング材硬化物(コニシ社製「ボンド シリコンコーク」)を用意した。
シーリング材硬化物の表面に、刷毛を用いて調製された各被覆組成物を塗布した後、23℃で24時間養生し、試験体とした。被覆皮膜の養生後、23℃の水中に得られた試験体を7日間浸漬した。その後、水中から取り出した試験体の被覆皮膜を指でこすり、耐水摩耗性を以下の基準で評価した。評価が○又は△であれば実用上問題ないものと判断できる。
(評価基準)
○ : 被覆皮膜の摩耗がない
△ : 被覆皮膜が若干摩耗する
× : 被覆皮膜が摩耗し、剥がれが生じる
[汚染性試験]
予め十分養生し硬化させたシリコーン系シーリング材硬化物(コニシ社製「ボンド シリコンコーク」)を用意した。
シーリング材硬化物の表面に、刷毛を用いて調製された各被覆組成物を塗布した後、23℃で24時間養生し、試験体とした。試験体を屋外に暴露して、被覆皮膜表面へのシリコーンオイルの染み出し及びシーリング材硬化物周辺の汚染の度合いを、暴露開始から16日後及び30日後において以下の基準で評価した。
また、参考例として硬化物表面に被覆皮膜を形成しない試験体(シリコーン系シーリング材硬化物のみ)の汚染性も同様に評価した。
(評価基準)
○ : 汚染がほとんど見られない
△ : 汚染がやや確認される
× : 明らかな汚染が確認される
予め十分養生し硬化させたシリコーン系シーリング材硬化物(コニシ社製「ボンド シリコンコーク」)を用意した。
シーリング材硬化物の表面に、刷毛を用いて調製された各被覆組成物を塗布した後、23℃で24時間養生し、試験体とした。試験体を屋外に暴露して、被覆皮膜表面へのシリコーンオイルの染み出し及びシーリング材硬化物周辺の汚染の度合いを、暴露開始から16日後及び30日後において以下の基準で評価した。
また、参考例として硬化物表面に被覆皮膜を形成しない試験体(シリコーン系シーリング材硬化物のみ)の汚染性も同様に評価した。
(評価基準)
○ : 汚染がほとんど見られない
△ : 汚染がやや確認される
× : 明らかな汚染が確認される
実施例1〜4及び比較例1〜3の各被覆組成物の配合及びその評価結果を表1に示す。
表の結果から明らかなように、本発明に係る被覆組成物(実施例1〜4)は、シリコーン系シーリング材硬化物表面への密着性に優れるとともに、耐水摩耗性及び汚染性にも優れることがわかる。
一方で、本発明の構成要件を欠く比較例1〜3の被覆組成物においては、何れかの評価試験項目において実用上の問題点があることがわかる。
表の結果から明らかなように、本発明に係る被覆組成物(実施例1〜4)は、シリコーン系シーリング材硬化物表面への密着性に優れるとともに、耐水摩耗性及び汚染性にも優れることがわかる。
一方で、本発明の構成要件を欠く比較例1〜3の被覆組成物においては、何れかの評価試験項目において実用上の問題点があることがわかる。
(実験例1)
実施例3で調製した被覆組成物(546質量部)に、さらにエポキシ系化合物(F)としてJER828(ジャパンエポキシレジン社製商品名/ビスフェノールA型エポキシ樹脂)1質量部を追加した被覆組成物8を調製した。
実施例3で調製した被覆組成物(546質量部)に、さらにエポキシ系化合物(F)としてJER828(ジャパンエポキシレジン社製商品名/ビスフェノールA型エポキシ樹脂)1質量部を追加した被覆組成物8を調製した。
(実験例2)
実施例3で調製した被覆組成物(546質量部)に、さらにエポキシ系化合物(F)としてサンソサイザーE−PS(新日本理化社製商品名/エポキシ化大豆油)1質量部を追加した被覆組成物9を調製した。
実施例3で調製した被覆組成物(546質量部)に、さらにエポキシ系化合物(F)としてサンソサイザーE−PS(新日本理化社製商品名/エポキシ化大豆油)1質量部を追加した被覆組成物9を調製した。
予め十分養生し硬化させたシリコーン系シーリング材硬化物(コニシ社製「ボンド シリコンコーク」)を用意した。
シーリング材硬化物の表面に、刷毛を用いて調製された各被覆組成物(被覆組成物3、被覆組成物8、被覆組成物9)を塗布した後、23℃で24時間養生し、試験体とした。
各試験体を屋外(南面)に暴露し、経時での被覆皮膜の変色度合いを調べた。また、得られた被覆組成物を144mlのマヨネーズ瓶に入れて密栓したものを50℃オーブン中に3日入れ、被覆組成物(溶液)自体の変色度合いを調べた。その結果、エポキシ系化合物(F)を配合した被覆組成物8及び9は、被覆組成物3と比較して経時での被覆皮膜及び被覆組成物自体の変色度合いが少なかった。
シーリング材硬化物の表面に、刷毛を用いて調製された各被覆組成物(被覆組成物3、被覆組成物8、被覆組成物9)を塗布した後、23℃で24時間養生し、試験体とした。
各試験体を屋外(南面)に暴露し、経時での被覆皮膜の変色度合いを調べた。また、得られた被覆組成物を144mlのマヨネーズ瓶に入れて密栓したものを50℃オーブン中に3日入れ、被覆組成物(溶液)自体の変色度合いを調べた。その結果、エポキシ系化合物(F)を配合した被覆組成物8及び9は、被覆組成物3と比較して経時での被覆皮膜及び被覆組成物自体の変色度合いが少なかった。
本発明に係るシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物は、土木・建築分野、自動車分野、電気・電子分野で用いられるシリコーン系シーリング材の撥水汚染を防止する被覆組成物として好適に用いられる。
Claims (7)
- 架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、シランカップリング剤(C)、硬化触媒(D)、フッ素系界面活性剤(E)を含むことを特徴とする、シリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物。
- 架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)が、リビングラジカル重合法で製造された(メタ)アクリル酸エステル系重合体であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物。
- ポリオレフィン樹脂(B)が、塩素化されたポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物。
- ポリオレフィン樹脂(B)が、無水マレイン酸−アクリル変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物。
- さらに、その分子内にグリシジル基を1つ以上有するエポキシ系化合物(F)を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物。
- 硬化触媒(D)が有機錫系化合物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物。
- 架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)100重量部対して、ポリオレフィン樹脂(B)を1〜100質量部、シランカップリング剤(C)を1〜200質量部、硬化触媒(D)を1〜150質量部、フッ素系界面活性剤(E)を0.1〜50質量部の割合で含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物。
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JP2009131038A JP2010275481A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | シリコーン目地用撥水汚染防止被覆組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015183014A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | 株式会社ソフト99コーポレーション | コーティング剤 |
JP2016511774A (ja) * | 2013-01-03 | 2016-04-21 | ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングBASF Coatings GmbH | 一成分硬化性コーティング組成物、それらの製造方法及び使用方法及びそれらによって製造された被覆物及び物品 |
JP2016210844A (ja) * | 2015-04-30 | 2016-12-15 | 住鉱潤滑剤株式会社 | 汚れ付着防止剤組成物 |
CN113881318A (zh) * | 2021-11-09 | 2022-01-04 | 嘉兴学院 | 一种常温固化抗冰涂料及其制备方法 |
-
2009
- 2009-05-29 JP JP2009131038A patent/JP2010275481A/ja not_active Withdrawn
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