JP2010275460A - 導電性ゴム - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性が高く、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性にも優れた導電性ゴムを提供する。
【解決手段】天然ゴム及び/又は合成ゴムに、ヨウ素吸着量が70g/kg以上、ジブチルフタレート吸収量が70×10-5m3/kg以上のファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維が配合されている導電性ゴムである。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴム及び/又は合成ゴムに、ヨウ素吸着量が70g/kg以上、ジブチルフタレート吸収量が70×10-5m3/kg以上のファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維が配合されている導電性ゴムである。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性カーボンを含有する導電性ゴムに関する。
従来、導電性ゴムは、その導電性を高めるために導電性カーボンの配合率を高める必要があったが、その配合率を高くするとゴムの硬度が高くなりゴム弾性を発揮しなくなるという問題があった。
そのため、導電性カーボンの配合率を高めてもゴム弾性を有するようにするために、ベースポリマーとしてポリマーがやわらかくハイローディングが可能なシリコン系ゴムを用いることが多かった。
そのため、導電性カーボンの配合率を高めてもゴム弾性を有するようにするために、ベースポリマーとしてポリマーがやわらかくハイローディングが可能なシリコン系ゴムを用いることが多かった。
例えば、特許文献1及び2には、天然ゴム、合成ゴムに気相成長法炭素繊維又はその黒鉛化物を配合することで、非加圧時から加圧時の電気抵抗を大きく低下させた感圧導電性ゴムが開示されている。具体的には、これらの実施例に記載されているように、シリコーンゴムに気相成長法炭素繊維又はその黒鉛化物を配合することで導電性、耐久性に優れた感圧導電性ゴムとするものである。
しかし、特許文献1及び2には、ベースポリマーとしてシリコーンゴム以外の天然ゴムや合成ゴムを用いた実施例はなく、実質的にシリコーンゴムをベースポリマーとしたゴムによってのみゴム弾性を保持した感圧導電性ゴムが得られるものと考えられる。
しかし、特許文献1及び2には、ベースポリマーとしてシリコーンゴム以外の天然ゴムや合成ゴムを用いた実施例はなく、実質的にシリコーンゴムをベースポリマーとしたゴムによってのみゴム弾性を保持した感圧導電性ゴムが得られるものと考えられる。
また、特許文献3には、水素化ニトリルゴム、天然ゴム等をベースポリマーとし、これに、カーボンブラック及びナノカーボンを配合した導電性ゴムが開示されており、ナノカーボンの分散性を高めることで、導電性、強度、耐摩耗性、耐熱性等に優れた導電性ゴムが得られる旨が記載されている。
元来、シリコン系のゴムは他の物質との接着に劣ると共に破断強度に劣り、機械的な力が加わると容易に破断してしまうという問題がある。また、シリコン系の導電性ゴムを導電性を有しない同じシリコン系の物質と接着しても、シリコン系の物質はシリコン系のゴムと同様に引き裂かれて破断しやすいものであるため、シリコン系の物質の破断に伴って導電性ゴムも容易に破断されてしまうという問題がある。
さらに、引用文献1及び2に記載の感圧導電性ゴムは、加圧することにより導電性が高くなるものであり、非加圧時の導電性は十分とはいえない。また、導電性を高めるために気相成長法炭素繊維又はその黒鉛化物の配合量を多くすると、シリコン系のゴムであってもゴムの硬度が高くなりゴム弾性を有しなくなるという問題もある。
そのため、シリコン系のゴムをベースポリマーとした導電性ゴムは、構造体等の工業用導電性材料としては、その信頼性が低く用い難かった。
そのため、シリコン系のゴムをベースポリマーとした導電性ゴムは、構造体等の工業用導電性材料としては、その信頼性が低く用い難かった。
また、特許文献3に記載の導電性ゴムは、ナノカーボンの分散性を高め、その配合量を増加させることにより導電性を高めるものであり、例えば、水素化ニトリルゴム100gにファーネスブラック130g及びカーボンナノチューブ20g等を配合して、体積固有抵抗値を7Ω・cm程度にまで高めることができる旨が記載されている。しかし、得られたゴムの強度、ゴム弾性等のゴム特性については何ら記載されていない。
さらに、カーボンナノチューブの含有量をさらに増加するとゴムの硬度が高くなりゴム弾性を発揮しなくなると考えられ、特許文献3に記載の方法によっても、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性を維持しつつさらに導電性を高くすることには限界があると考えられる。
さらに、カーボンナノチューブの含有量をさらに増加するとゴムの硬度が高くなりゴム弾性を発揮しなくなると考えられ、特許文献3に記載の方法によっても、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性を維持しつつさらに導電性を高くすることには限界があると考えられる。
本発明の目的は、上記課題を解決するために、導電性が高く、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性にも優れた導電性ゴムを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ベースポリマーとなるゴムに、ファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維の3種類の炭素成分を配合することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 天然ゴム及び/又は合成ゴムに、ヨウ素吸着量が70g/kg以上、ジブチルフタレート吸収量が70×10-5m3/kg以上のファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維が配合されている導電性ゴム、
(2) 天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、前記ファーネスブラックの配合量が5〜60質量部、前記ケッチェンブラックの配合量が1〜15質量部、前記気相成長法炭素繊維の配合量が1〜15質量部である上記(1)に記載の導電性ゴム、
(3) 前記気相成長法炭素繊維のアスペクト比が30〜150である上記(1)又は(2)に記載の導電性ゴム、
を提供するものである。
(1) 天然ゴム及び/又は合成ゴムに、ヨウ素吸着量が70g/kg以上、ジブチルフタレート吸収量が70×10-5m3/kg以上のファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維が配合されている導電性ゴム、
(2) 天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、前記ファーネスブラックの配合量が5〜60質量部、前記ケッチェンブラックの配合量が1〜15質量部、前記気相成長法炭素繊維の配合量が1〜15質量部である上記(1)に記載の導電性ゴム、
(3) 前記気相成長法炭素繊維のアスペクト比が30〜150である上記(1)又は(2)に記載の導電性ゴム、
を提供するものである。
本発明によれば、導電性が高く、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性にも優れた導電性ゴムが得られる。
本発明のベースポリマーとしては、天然ゴム(NR)や合成ゴムを用いることができる。合成ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、アクリルゴム(ACR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、ウレタンゴム等を例示することができる。これら天然ゴム及び合成ゴムは、単体で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのベースポリマーであれば、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性に優れ、信頼性の高い導電性ゴムとなり、他の物質との接着性にも優れるので、構造体等の工業用導電性材料にも好ましく用いることができるようになる。
これらのベースポリマーであれば、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性に優れ、信頼性の高い導電性ゴムとなり、他の物質との接着性にも優れるので、構造体等の工業用導電性材料にも好ましく用いることができるようになる。
また、本発明は、ベースポリマーにファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維を配合して充填するものであるが、これらの充填の際のポリマー粘度の上昇を少なくして流動性を確保するために可塑剤を配合するのが好ましい。
可塑剤としては、例えば、液状ニトリルブタジエンゴム(LNBR)、液状ブタジエンゴム(LBR)、液状クロロプレンゴム(LCR)、液状ブチルゴム(LIIR)、液状アクリルゴム(LACR)等の液状ゴム、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等のプロセス油を例示することができる。この可塑剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、5〜100質量部であるのが好ましい。
可塑剤としては、例えば、液状ニトリルブタジエンゴム(LNBR)、液状ブタジエンゴム(LBR)、液状クロロプレンゴム(LCR)、液状ブチルゴム(LIIR)、液状アクリルゴム(LACR)等の液状ゴム、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等のプロセス油を例示することができる。この可塑剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、5〜100質量部であるのが好ましい。
本発明では、ファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維という3種類の炭素成分を配合する。
これらのうち、ファーネスブラックは補強性充填材として配合するものであり、破断強度、ゴム弾性等のゴムの基礎的な物理的特性を決定する成分であり、ヨウ素吸着量が70g/kg以上、ジブチルフタレート(DBP)吸収量が70×10-5m3/kg以上のファーネスブラックを用いる。
これらのうち、ファーネスブラックは補強性充填材として配合するものであり、破断強度、ゴム弾性等のゴムの基礎的な物理的特性を決定する成分であり、ヨウ素吸着量が70g/kg以上、ジブチルフタレート(DBP)吸収量が70×10-5m3/kg以上のファーネスブラックを用いる。
ヨウ素吸着量及びジブチルフタレート(DBP)吸収量がこれらの値以上であれば、比表面積の大きなストラクチャーの高いファーネスブラックとなり、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性を維持することができる。
このファーネスブラックのヨウ素吸着量は、80g/kg以上が特に好ましく、100g/kg以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、実用的な観点から180g/kg以下が好ましく、160g/kg以下が特に好ましい。
また、ジブチルフタレート(DBP)吸収量は、80×10-5m3/kg以上が特に好ましく、100×10-5m3/kg以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、実用的な観点から180×10-5m3/kg以下が好ましく、160×10-5m3/kg以下が特に好ましい。
また、ジブチルフタレート(DBP)吸収量は、80×10-5m3/kg以上が特に好ましく、100×10-5m3/kg以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、実用的な観点から180×10-5m3/kg以下が好ましく、160×10-5m3/kg以下が特に好ましい。
ここで、ヨウ素吸着量は、JISK6221−1982法により測定される値であり、ジブチルフタレート(DBP)吸収量は、JISK6221法に準拠して測定される値である。
このようなファーネスブラックとしては、ISAF、SAF、HAF、ISAF−LS、SAF−LS、EFE、SRF等を例示することができるが、ISAF、SAF、HAFが特に好ましい。
このファーネスブラックの配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、5〜60質量部であるのが好ましい。この範囲であれば、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性を損なわずに、導電性を高めることができるからである。特に好ましくは30〜50質量部、さらに好ましくは40〜50質量部である。
このファーネスブラックの配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、5〜60質量部であるのが好ましい。この範囲であれば、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性を損なわずに、導電性を高めることができるからである。特に好ましくは30〜50質量部、さらに好ましくは40〜50質量部である。
また、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維はゴムの導電性を高める炭素成分として特に重要であり、これらを共に配合することにより、導電性に優れた導電性ゴムが得られるようになる。
このケッチェンブラックの配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、1〜15質量部であるのが好ましい。この範囲であれば、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性を損なわずに、ゴムの導電性を高めることができるからである。特に好ましくは5〜10質量部、さらに好ましくは7〜10質量部である。
このケッチェンブラックの配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、1〜15質量部であるのが好ましい。この範囲であれば、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性を損なわずに、ゴムの導電性を高めることができるからである。特に好ましくは5〜10質量部、さらに好ましくは7〜10質量部である。
この気相成長法炭素繊維としては、ミクロボンドを形成する気相成長法炭素繊維が好ましく、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、コクーン、カーボンナノナノコイル、フラーレン、カーボンナノファイバー等を用いることができ、その配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、1〜15質量部であるのが好ましい。この範囲であれば、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性を損なわずに、ゴムの導電性を高めることができるからである。特に好ましくは5〜10質量部、さらに好ましくは7〜10質量部である。
また、この気相成長法炭素繊維は、そのアスペクト比によっても導電特性が変化するので、アスペクト比としては30〜150が好ましい。この範囲のアスペクト比であれば、ミクロボンドを形成しやすく導電性に優れた気相成長法炭素繊維となるからである。アスペクト比の特に好ましい範囲は50〜130であり、さらに好ましい範囲は80〜120である。
そして、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維の配合量が多くなると、ゴムが硬化し、作業性も低下するので、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維の配合量の合計が25質量部以下であるのが好ましい。
そして、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維の配合量が多くなると、ゴムが硬化し、作業性も低下するので、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維の配合量の合計が25質量部以下であるのが好ましい。
さらに、添加剤として、硫黄系、パーオキサイド系、ウレタン系、アミン系、金属酸化物系の加硫剤を添加することができる。
加硫をおこなう装置、方法、条件等については、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、加硫温度としては100〜190℃、加硫時間としては10〜30分である。
また、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などの添加剤を含有させることもできる。
加硫をおこなう装置、方法、条件等については、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、加硫温度としては100〜190℃、加硫時間としては10〜30分である。
また、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などの添加剤を含有させることもできる。
本発明の導電性ゴムを製造する方法は、特に限定されず、ベースポリマーである天然ゴム及び/又は合成ゴムと、ファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維の3種類の炭素成分と、適宜選択した各種添加剤とを所定の配合比となるように配合して、バンバリミキサー、ロール、インテンシブルミキサー等を用いて混錬り後、熱入れ、押出し等することによりゴム組成物を調整し、このゴム組成物を加硫することにより、加硫ゴムである導電性ゴムを製造することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
ベースポリマーとして天然ゴム(製品名:RSS#4)を1kg用いた。
実施例1
ベースポリマーとして天然ゴム(製品名:RSS#4)を1kg用いた。
また、ファーネスブラックとして、ヨウ素吸着量が121g/kg、ジブチルフタレート吸収量が114×10-5m3/kgの東海カーボン社製のISAFを用い、ケッチェンブラックとして、ライオン社製のEC600JDを用い、気相成長法炭素繊維として、昭和電工社製のカーボンナノファイバーVGCF(アスペクト比:約40〜60)を用いた。これらISAF、ケッチェンブラック、VGCFの配合量は、天然ゴム100質量部に対し、それぞれ40質量部、10質量部、10質量部とした。
さらに、可塑剤として出光興産社製のダイアナプロセスオイルAH−58、加硫剤として軽井沢精錬社製の硫黄、加硫促進剤として大内新興化学社製のジオルトトリルグアニジン(DOTG)及び大内新興化学社製のN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド(CZ)を用いた。また、添加剤として東邦亜鉛社製の亜鉛華、花王社製のステアリン酸を用いた。
これら可塑剤(ダイアナプロセスオイルAH−58)、硫黄、DOTG、CZ、亜鉛華、ステアリン酸の配合量は、天然ゴム100質量部に対して、それぞれ10質量部、2.5質量部、0.3質量部、0.5質量部、5質量部、3質量とした。
これら可塑剤(ダイアナプロセスオイルAH−58)、硫黄、DOTG、CZ、亜鉛華、ステアリン酸の配合量は、天然ゴム100質量部に対して、それぞれ10質量部、2.5質量部、0.3質量部、0.5質量部、5質量部、3質量とした。
これらの天然ゴム、ISAF、ケッチェンブラック、VGCF、硫黄、DOTG及びCZを3Lバンバリミキサーで混錬してゴム組成物を得た。そして、このゴム組成物を145℃で20分で加硫し、加硫ゴムを作製した。
得られた加硫ゴムについて、以下のような特性を測定した。
(1)体積抵抗:ダイアインスツルメンツ社製の体積抵抗測定機により測定した。
(2)JIS−A硬度:高分子計器社製の硬度計アスカーA型(CL−150)により測定した。
(3)破断強度(Tb)及び破断伸び(Eb):JIS3ダンベル形状に打ち抜いたシートについて、ORIENTEC社製の引張試験機テンシロンRTC−1225Aにより、JIS K 6251に準拠して、試験温度22℃、引張速度500mm/minの条件で引張試験をおこない、破断強度(Tb)及び破断伸び(Eb)を測定した。
これらの測定結果を、ISAF、ケッチェンブラック及びVGCFの配合量と共に表1に示す。
(1)体積抵抗:ダイアインスツルメンツ社製の体積抵抗測定機により測定した。
(2)JIS−A硬度:高分子計器社製の硬度計アスカーA型(CL−150)により測定した。
(3)破断強度(Tb)及び破断伸び(Eb):JIS3ダンベル形状に打ち抜いたシートについて、ORIENTEC社製の引張試験機テンシロンRTC−1225Aにより、JIS K 6251に準拠して、試験温度22℃、引張速度500mm/minの条件で引張試験をおこない、破断強度(Tb)及び破断伸び(Eb)を測定した。
これらの測定結果を、ISAF、ケッチェンブラック及びVGCFの配合量と共に表1に示す。
実施例2〜7
実施例1のカーボンナノファイバーVGCFの代わりに、昭和電工社製のカーボンナノファイバーVGCF−S(アスペクト比:約100〜120)を用いて、ISAF、ケッチェンブラック、VGCF−Sを表1に示した配合量とした以外は、実施例1と同様にして加硫ゴムを作製した。
得られた加硫ゴムについて実施例1と同様にして、体積抵抗、JIS−A硬度、破断強度(Tb)、破断伸び(Eb)を測定した。これらの測定結果を、ISAF、ケッチェンブラック及びVGCF−Sの配合量と共に表1に示す。
実施例1のカーボンナノファイバーVGCFの代わりに、昭和電工社製のカーボンナノファイバーVGCF−S(アスペクト比:約100〜120)を用いて、ISAF、ケッチェンブラック、VGCF−Sを表1に示した配合量とした以外は、実施例1と同様にして加硫ゴムを作製した。
得られた加硫ゴムについて実施例1と同様にして、体積抵抗、JIS−A硬度、破断強度(Tb)、破断伸び(Eb)を測定した。これらの測定結果を、ISAF、ケッチェンブラック及びVGCF−Sの配合量と共に表1に示す。
比較例1〜4
比較例1:ケッチェンブラック及びカーボンナノファイバーVGCFを配合しなかったほかは実施例1と同様にして加硫ゴムを作製した。
比較例2:カーボンナノファイバーVGCFを配合しなかったほかは実施例1と同様にして加硫ゴムを作製した。
比較例3:ケッチェンブラックを配合しなかったほかは実施例1と同様にして加硫ゴムを作製した。
比較例4:ISAFの配合量を40質量部から70質量部、VGCFの配合量を10質量部から20質量部に代えたほかは比較例3と同様にして加硫ゴムを作製した。
比較例1:ケッチェンブラック及びカーボンナノファイバーVGCFを配合しなかったほかは実施例1と同様にして加硫ゴムを作製した。
比較例2:カーボンナノファイバーVGCFを配合しなかったほかは実施例1と同様にして加硫ゴムを作製した。
比較例3:ケッチェンブラックを配合しなかったほかは実施例1と同様にして加硫ゴムを作製した。
比較例4:ISAFの配合量を40質量部から70質量部、VGCFの配合量を10質量部から20質量部に代えたほかは比較例3と同様にして加硫ゴムを作製した。
これら比較例1〜4で得られた加硫ゴムについて実施例1と同様にして、体積抵抗、JIS−A硬度、破断強度(Tb)、破断伸び(Eb)を測定した。これらの測定結果を、ISAF、ケッチェンブラック、VGCF及びVGCF−Sの配合量と共に表1に示す。
実施例1〜7では、体積抵抗が0.8〜8.7Ω・cmであり、体積抵抗が16.0〜70.0Ω・cmの比較例1〜4に比べ優れた導電性を有していた。
また、実施例1〜7では、JIS−A硬度が75〜84度、破断強度(Tb)が22.7〜26.4MPa、破断伸び(Eb)が290〜470%と強度が高く、破断強度、ゴム弾性にも優れていた。
また、実施例1〜7では、JIS−A硬度が75〜84度、破断強度(Tb)が22.7〜26.4MPa、破断伸び(Eb)が290〜470%と強度が高く、破断強度、ゴム弾性にも優れていた。
特に、ケッチェンブラックが10質量部、VGCF−Sが10質量部配合された実施例7は、体積抵抗が0.8Ω・cmと導電性が高いにもかかわらず、JIS−A硬度が77度、破断強度(Tb)が25.0MPa、破断伸び(Eb)が470%と強度が高く、破断強度、ゴム弾性に優れているものであった。
本発明によれば、導電性が高く、破断強度、ゴム弾性等のゴム特性に優れた導電性ゴムが得られるので、導電性ゴムとしての信頼性が高く、構造体等の工業用導電性材料や各種の電極等の導電性材料として広く用いることが可能となる。
Claims (3)
- 天然ゴム及び/又は合成ゴムに、ヨウ素吸着量が70g/kg以上、ジブチルフタレート吸収量が70×10-5m3/kg以上のファーネスブラック、ケッチェンブラック及び気相成長法炭素繊維が配合されている導電性ゴム。
- 天然ゴム及び/又は合成ゴム100質量部に対して、前記ファーネスブラックの配合量が5〜60質量部、前記ケッチェンブラックの配合量が1〜15質量部、前記気相成長法炭素繊維の配合量が1〜15質量部である請求項1に記載の導電性ゴム。
- 前記気相成長法炭素繊維のアスペクト比が30〜150である請求項1又は2に記載の導電性ゴム。
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