JP5482389B2 - 加硫ゴム材 - Google Patents
加硫ゴム材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5482389B2 JP5482389B2 JP2010086499A JP2010086499A JP5482389B2 JP 5482389 B2 JP5482389 B2 JP 5482389B2 JP 2010086499 A JP2010086499 A JP 2010086499A JP 2010086499 A JP2010086499 A JP 2010086499A JP 5482389 B2 JP5482389 B2 JP 5482389B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- parts
- rubber material
- mass
- tensile stress
- elongation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
本明細書におけて常温とは、23±2℃の温度、すなわち、21℃〜25℃の範囲の温度である。
未加硫ゴム材は、80℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)80℃)が50〜140になることにより、良好な加工性(特に押出性)等を確保することができる。この値が50未満では、混練等がしにくくなる。一方、140を超えると、押出性が悪くなる。好ましくは、100〜140であり、より好ましくは、120〜140である。
ここで、80℃におけるムーニー粘度は、80℃の試験温度において、JIS K 6300−1「未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準拠して、L形のロータを用い、1分間予熱し、ロータを4分間回転させてムーニー粘度試験を行って測定した値である。
また、未加硫ゴム材は、145℃におけるムーニースコーチ時間(t5)が2分〜6分になることにより、良好に加硫加工することができる。ムーニースコーチ時間が2分未満では、加硫速度が速すぎて、加工中に加硫してしまう。一方、6分を超えると、加硫速度が遅すぎて、生産性が悪くなる。好ましくは、2分〜4分であり、より好ましくは、2分〜3分である。
ここで、ムーニースコーチ時間は、145℃の試験温度において、JIS K 6300−1「未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準拠して、ムーニースコーチ試験を行って測定した値である。
未加硫ゴム材中に100質量部のゴムを含むときの、未加硫ゴム全体の質量としては、特に限定はされないが、250質量部〜350質量部であることが好ましい。この値が250質量部未満では、混練加工がしにくくなる。一方、350質量部を超えると、剛性が低下する。
ゴムとしては、特に限定はされないが、NR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)等のジエン系ゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−共役ジエンゴム)、EPM(エチレン−プロピレンゴム)、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が例示できる。
EPDMとしては、特に限定はされないが、100℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)100℃)が10〜200であるものが良好な製品を得られて好ましい。また、ジエン量が2質量%〜11質量%であるものが良好な製品を得られて好ましい。また、エチレン量が20質量%〜90質量%であるものが良好な製品を得られて好ましい。
ゴム100質量部に対する共架橋剤の配合量を1質量部〜9質量部にすることにより、硬くなりすぎず、且つ125℃における剛性の低下が少ない又はない加硫ゴム材を得ることができる。過酸化物等の他のものの配合量等にもよるが、共架橋剤の配合量が1質量部未満では、熱老化性が悪くなる。一方、9質量部を超えると、成形時に金型からの離型性が悪くなる。好ましくは2質量部〜8質量部であり、より好ましくは2質量部〜5質量部である。
また、共架橋剤は、ジアクリル酸金属塩又はジメタクリル酸金属塩の一種のみでもよいし、二種以上でもよい。二種以上の場合には、ジアクリル酸金属塩が二種以上でもよいし、ジメタクリル酸金属塩が二種以上でもよいし、ジアクリル酸金属塩が一種又は二種以上とジメタクリル酸金属塩が一種又は二種以上との併用であってもよい。
また、ジアクリル酸金属塩としては、特に限定はされないが、アクリル酸亜鉛、アクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム等が例示できる。
また、ジメタクリル酸金属塩としては、特に限定はされないが、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸マグネシウム等が例示できる。
ゴム100質量部に対する加硫剤の配合量を3質量部〜10質量部にすることにより、硬くなりすぎず、且つ125℃における剛性の低下がない加硫ゴム材を得ることができる。共架橋剤等の他のものの配合量等にもよるが、この配合量が3質量部未満では、125℃における剛性が低下する。一方、10質量部を超えると、硬くなりすぎる。好ましくは、4質量部〜7質量部である。
また、加硫剤は、一種の過酸化物でもよいし、二種以上の過酸化物でもよい。
また、過酸化物としては、特に限定はされないが、ジベンゾイルペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4−ビス(tert-ブチルペルオキシ)ペンタン酸ブチル、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、1,4−ビス[1−(tert−ブチルペルオキシ)−1−メチルエチル]ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、tert−ブチル(1−メチル−1−フェニルエチル)ペルオキシド等の有機過酸化物が例示できる。
軟化剤としてのオイルの配合量は、前記のとおり、ゴム100質量部に対し、30質量部〜45質量部である。30質量部未満では、未加硫ゴム材の粘度が高くなりすぎ、加工性が低下する。一方、45質量部を超えると、剛性が低下する。より好ましくは、31質量部〜43質量部である。
未加硫ゴム材は、上記の配合物以外の他の配合物を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
他の配合物としては、特に限定はされないが、カーボンブラックやクレイや亜鉛華等の補強剤、加工助剤、老化防止剤、着色剤等が例示できる。
加硫ゴム材は、常温における10%伸び時の常温引張応力(M10)が1MPa〜2MPaとなることで、剛性が高くなり、ホース等の製品に用いたときに、その製品の薄肉化等を図ることができる。好ましくは、1MPa〜1.5MPaであり、より好ましくは、1MPa〜1.2MPaである。
ここで、常温引張応力は、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠して、常温で引張試験を行って測定した値である。
また、常温における硬さが、70〜85となることで、剛性を確保しつつ、且つ硬すぎることがなくて、ホース等の製品に用いたときに、その製品のハンドリング性が良好となる。好ましくは、75〜85であり、より好ましくは、80〜85である。
ここで、硬さは、常温の試験温度において、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―硬さの求め方」に準拠し、タイプAデュロメータを用いて、硬さ試験を行って測定した値である。
また、125℃の高温における10%伸び時の高温引張応力が、前記常温引張応力より0.1MPa低い値乃至0.3MPa高い値の範囲内にある、すなわち、125℃における10%伸び時の高温引張応力(Mh)の値から常温引張応力の値を引いた値が−0.1MPa〜0.3MPaであることが好ましい。この値が−0.1MPa未満では、高温時の剛性が低く、ホース等の製品に用いたときに、その製品の使用温度における剛性を発現することができない。一方、0.3MPaを超えると使用時と常温時との剛性の差が大きすぎて、用いた製品の保管等がしにくくなる。より好ましくは、0.05MPa低い値乃至0.3MPa高い値の範囲内であり、さらに好ましくは、0.04MPa低い値乃至0.26MPa高い値の範囲内である。
ここで、125℃における10%伸び時の高温引張応力は、125℃の試験温度(試料及び雰囲気を125℃にした)において、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を行って測定した値である。
また、常温における切断時伸び(EB)としては、特に限定はされないが、100%〜300%であることで、弾性材としての性質を確保することができ、且つ用いた製品も取扱いしやすくなって好ましい。より好ましくは、100%〜200%であり、さらに好ましくは、110%〜180%である。
ここで、切断時伸びは、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠して、常温で引張試験を行って測定した値である。
加硫ゴム材の用途としては、特に限定はされないが、ウォータホース、ブレーキホース等のように、使用時に高温となる自動車用のホース等のゴム材が例示できる。
EPDM1として、100℃におけるムーニー粘度が105、エチレン含有率が54質量%、ジエンとしてENB(エチリデンノルボルネン)の含有率が4.5質量%であるEPDM(エチレン−プロピレン−共役ジエンゴム)を使用した。
EPDM2として、100℃におけるムーニー粘度が45、エチレン含有率が54質量%、ジエンとしてENBの含有率が8.1質量%であるEPDMを使用した。
カーボンブラック1として、SRF−HSを使用した。
カーボンブラック2として、HAF−HSを使用した。
カーボンブラック3として、HAFを使用した。
軟化剤として、パラフィン系オイルを使用した。
加工助剤として、脂肪酸亜鉛を使用した。
白色フィラー1として、焼成クレーを使用した。
白色フィラー2として、炭酸カルシウムを使用した。
希釈過酸化物として、1,4−ビス[1−(tert−ブチルペルオキシ)−1−メチルエチル]ベンゼンを40質量%に希釈したものを使用した。従って、過酸化物の量は配合した希釈過酸化物の40質量%である。
加硫促進剤1として、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤を使用した。
加硫促進剤2として、チアゾール系加硫促進剤を使用した。
硫黄系加硫剤1として、粉末硫黄を使用した。
硫黄系加硫剤2として、4,4’−ジチオジモルホリンを使用した。
各実施例及び比較例は、それぞれ表1の配合比になるように秤量した各原料を均一になるよう1.3Lインターミックスと8インチロールとを用いて混練した後、170℃、15分間の条件で加硫を行い、加硫ゴム材を得た。
80℃の試験温度において、JIS K 6300−1に準拠し、L形のロータを用い、1分間予熱し、ロータを4分間回転させてムーニー粘度試験を行い、ムーニー粘度(ML(1+4)80℃)を測定した。
145℃の試験温度において、JIS K 6300−1に準拠してムーニースコーチ試験を行い、ムーニースコーチ時間(t5)を測定した。
JIS K 6251に準拠して常温での引張試験を行い、引張強さ(TB)、切断時伸び(EB)及び10%伸び時の常温引張応力(M10)を測定した。
常温の試験温度において、JIS K 6253に準拠し、タイプAデュロメータを用いて、硬さ試験を行い、硬さを測定した。
試料及び雰囲気の温度を60℃又は125℃にして、JIS K 6251に準じて引張試験を行い、中温引張応力(Mm)及び高温引張応力(Mh)を測定した。
従って、加硫系にメタクリル酸亜鉛と過酸化物とを併用した実施例1、2は、高温においても剛性が低下しない又は低下が少ない加硫ゴム材となった。
表4に示すように、EPDM100質量部に対し31質量部のオイルを配合するときは、メタクリル酸亜鉛が配合されていなくても、剛性等の物性を確保することはできるものの、熱老化性が悪くなり好ましくない。
Claims (2)
- ゴム100質量部と、ジアクリル酸金属塩又はジメタクリル酸金属塩の共架橋剤1質量部〜9質量部と、過酸化物の加硫剤2質量部〜10質量部と、オイルの軟化剤30質量部〜45質量部とを含み、80℃におけるムーニー粘度が50〜140であり、且つ145℃におけるムーニースコーチ時間が2分〜6分である未加硫ゴム材を加硫し、
常温における10%伸び時の常温引張応力が1MPa〜2MPaであり、常温における硬さが70〜85であり、125℃の高温における10%伸び時の高温引張応力が、前記常温引張応力より0.1MPa低い値乃至0.3MPa高い値の範囲内にあることを特徴とする加硫ゴム材。 - 前記加硫ゴム材は、常温における切断時伸びが100%〜300%である請求項1記載の加硫ゴム材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010086499A JP5482389B2 (ja) | 2010-04-02 | 2010-04-02 | 加硫ゴム材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010086499A JP5482389B2 (ja) | 2010-04-02 | 2010-04-02 | 加硫ゴム材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011219509A JP2011219509A (ja) | 2011-11-04 |
JP5482389B2 true JP5482389B2 (ja) | 2014-05-07 |
Family
ID=45036908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010086499A Active JP5482389B2 (ja) | 2010-04-02 | 2010-04-02 | 加硫ゴム材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5482389B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6516974B2 (ja) | 2013-06-14 | 2019-05-22 | 豊田合成株式会社 | ゴム組成物及びゴム製品 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2577648B2 (ja) * | 1990-04-30 | 1997-02-05 | 豊田合成株式会社 | エチレンプロピレン系ゴム組成物 |
JP2981575B2 (ja) * | 1991-01-30 | 1999-11-22 | バンドー化学株式会社 | ゴム組成物及びそれよりなる加硫ゴムを構成部材とする伝動ベルト |
JPH08306242A (ja) * | 1995-05-01 | 1996-11-22 | Fujikura Ltd | 難燃性絶縁電線 |
JP4059988B2 (ja) * | 1998-09-08 | 2008-03-12 | 三井化学株式会社 | 伝動ベルト用ゴム組成物 |
JP3829133B2 (ja) * | 2003-10-27 | 2006-10-04 | バンドー化学株式会社 | 伝動ベルト用ゴム組成物及び伝動ベルト |
JP5625227B2 (ja) * | 2007-04-09 | 2014-11-19 | 株式会社ブリヂストン | 液封入防振ゴム用ゴム組成物 |
-
2010
- 2010-04-02 JP JP2010086499A patent/JP5482389B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011219509A (ja) | 2011-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI516534B (zh) | 氯丁二烯橡膠組成物、其加硫物以及成形體 | |
JP5620510B2 (ja) | クロロプレンゴム組成物及びその加硫物並びに成形体 | |
EP2399953B1 (en) | Polychloroprene elastomer composition, process for producing same, and vulcanizate and molded object | |
JP6050138B2 (ja) | シール材用ゴム組成物及びこれを用いたシール材 | |
CN106164159B (zh) | 橡胶组合物、其制造方法及硫化物 | |
JP6351586B2 (ja) | ゴム組成物及びその加硫成形体 | |
JP5482389B2 (ja) | 加硫ゴム材 | |
US7517931B2 (en) | Method for manufacturing rubber product | |
JP2010095660A (ja) | ゴム組成物およびシール材 | |
JP5967898B2 (ja) | 高剛性ゴム材料 | |
JP6461614B2 (ja) | 被覆ゴム組成物 | |
JP2009007422A (ja) | ゴム組成物およびタイヤ | |
JP7395313B2 (ja) | ゴムクローラ用ゴム組成物、及びゴムクローラ | |
JP5230107B2 (ja) | タイヤ加硫用ブラダー | |
JP6870367B2 (ja) | ゴム組成物、コンパウンド、加硫物及びゴムロール | |
JP2005290356A (ja) | ゴム組成物及び空気入りタイヤ | |
JP2018123259A (ja) | ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト | |
JP3597955B2 (ja) | 有機過酸化物マスターバッチの製造方法 | |
JP2002037928A (ja) | ゴム組成物 | |
JP2010084093A (ja) | ゴム組成物及びその製造方法、並びにカーボンブラックマスターバッチ | |
JP2018193484A (ja) | ブラダー用ゴム組成物の製造方法 | |
JP2005325317A (ja) | ゴム組成物 | |
JP2010285414A (ja) | ゴムの耐リバージョン性,耐熱性および耐屈曲性を向上させる新規加硫剤 | |
JP2009007421A (ja) | ゴム組成物およびタイヤ | |
JP2009203324A (ja) | タイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120529 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130809 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130827 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131025 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140121 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140203 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5482389 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |