JP2009203324A - タイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物 - Google Patents

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Toshibumi Asukai
俊文 飛鳥井
Shuichi Fukutani
修一 福谷
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Abstract

【課題】高弾性率と低発熱性を両立させたタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対して、窒素吸着比表面積(NSA)20〜100m/gのカーボンブラックを40〜80重量部配合してなるタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物において、変性ジエン系重合体で主鎖を構成するゴムゲルを1〜30重量部配合したことを特徴とするタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物に関し、更に詳細には、特定のゴムゲルを配合することにより、高弾性率と低発熱性を両立させたタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物に関する。
近年、タイヤの耐久性、燃費に対する要求から、タイヤテキスタイルコード被覆ゴムについても、より高弾性化、低発熱化が求められている。通常用いられる手法の一つとして、カーボンブラック配合量の調整や、カーボンブラックグレードの変更などが検討されてきたが、この手法では、低燃費化と耐久性の両立が十分ではなかった。
従来、ジエン系ゴムに対して、所定量のゴムゲルと硫黄含有有機ケイ素化合物とを併用配合することにより、転がり抵抗性とウェットグリップ特性を向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物が以下の特許文献1により提供されているが、当該特許文献1には、かかるゴムゲルを単独で配合してタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物に適用することについては提案されていない。
特開2001−31798号公報
本発明では、タイヤテキスタイルコード被覆ゴムコンパウンドに、変性ジエン系重合体で主鎖を構成するゴムゲルを所定量配合することにより、タイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物の高弾性率と低発熱性の両立を図ることを目的とする。
本発明によれば、ジエン系ゴム100重量部に対して、窒素吸着比表面積(NSA)20〜100m/gのカーボンブラックを40〜80重量部配合してなるタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物において、変性ジエン系重合体で主鎖を構成するゴムゲルを1〜30重量部配合したことを特徴とするタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物が提供される。
本発明では、従来のタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物に、変性ジエン系重合体で主鎖を構成するゴムゲルを所定量配合すると、当該ゴム組成物の高弾性率と低発熱性との両立が達成できることを見出したものである。
即ち、本発明では、ジエン系ゴム100重量部に対して、窒素吸着比表面積(NSA)20〜100m/gのカーボンブラックを40〜80重量部配合してなるタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物において、変性ジエン系重合体で主鎖を構成するゴムゲルを1〜30重量部配合すると、その高弾性率と低発熱性の両立が可能となるものである。
本発明のタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物で用いられるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、各種ブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられ、これらのジエン系ゴムは単独で、あるいは二種以上のブレンドゴムとして使われる。特に、これらジエン系ゴムのうち、NR及び/又はIRを50重量部以上含むジエン系ゴムの使用が好ましい。
本発明のタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物で用いられる補強剤としては、窒素吸着比表面積(NSA)が20〜100m/g、より好ましくは25〜50m/gのカーボンブラックが使用される。このNSA値は、JIS K6271−2の試験法に準じて求められたものである。また、当該カーボンブラックの配合量としては、前記ジエン系ゴム100重量部に対して、40〜80重量部、より好ましくは50〜70重量部の量で配合される。この配合量が40重量部未満では剛性が低下して好ましくなく、逆に、80重量部を超えると発熱性が悪化するので好ましくない。
本発明のタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物で用いられる変性ジエン系重合体で主鎖を構成するゴムゲルとしては、その主鎖を構成するジエン系重合体が芳香族ビニル共重合体であり、その末端変性基に、OH基、COOH基、1〜3級アミン基等を有し、ガラス転移温度が−100〜100℃であるゴムゲルであって、粒子径(DIN53206によるDVN値)が5〜1000nm、好ましくは20〜600nm、より好ましくは30〜100nmであるゴムゲルが使用される。かかる変性ジエン系重合体で主鎖を構成するゴムゲルは、例えば、製品名「Nanoprene BM 15OH」や「Nanoprene BP 40OH」などとしてLANXESS社より市販されており、本願出願前に公知なものである。
また、本発明で使用する当該ゴムゲルの配合量としては、ジエン系ゴム100重量部に対して、ゴムゲル1〜30重量部、好ましくは10〜30重量部、より好ましくは15〜30重量部の配合量で用いられる。このゴムゲルの配合量が1重量部未満では、本発明の所期の効果を発揮することができず、逆に30重量部を超えると、ロール巻付け性の悪化が顕著となるので好ましくない。
本発明に係るタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物には、更に、通常の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑剤、その他タイヤゴム用に配合されている各種配合剤を配合することができ、かかる配合剤は、一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫または架橋することができる。これら配合剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。特に、本発明では、上記加硫剤としての硫黄には、不溶性硫黄を0.5〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の配合量で使用することが好ましい。
以下、標準例、実施例及び比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
サンプルの調製
表1に示す配合(重量部)に従って、硫黄及び加硫促進剤を除くゴム、カーボンブラックなどの各配合成分を、それぞれ1.7Lの密閉式B型バンバリーミキサーに装填して5分間混合し、得られたマスターバッチを混合機外に放出させて室温まで冷却させた後、同バンバリーミキサーに戻し、これに前記の硫黄と加硫促進剤を配合、混合してゴム組成物を得た。次いで、未加硫ゴム組成物を所定の金型中で、160℃、20分間プレス加硫して試験サンプルを作製し、以下の試験に供した。
試験方法
1)弾性率: JIS K6251に準拠して伸び100%時の引張応力を測定し、この値をもって弾性率を評価した。結果は、標準例を100として指数で示した。指数が大きい程、弾性が高いことを示す。
2)低発熱性: JIS K6394に準拠して、(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって低発熱性を評価した。結果は、標準例を100として指数で示した。指数が大きい程、低発熱性が良好であることを示す。
3)ロール巻付け性: ロールでの未加硫ゴムの加工性を次のように評価した。
可…ロールへの巻付きが良好で問題なく加工できる。
不可…全くロールへの巻付きがなく、加工困難なレベル。
標準例、実施例1〜5及び比較例1〜2
結果を、以下の表1に示す。
Figure 2009203324
表1の結果から、本発明のタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物では、所定のカーボンブラックと所定のゴムゲルを所定量配合することで、高弾性率と低発熱性の高度の両立が実現でき、また、ロール巻付け性にも優れていることが判る。

Claims (1)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対して、窒素吸着比表面積(NSA)20〜100m/gのカーボンブラックを40〜80重量部配合してなるタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物において、変性ジエン系重合体で主鎖を構成するゴムゲルを1〜30重量部配合したことを特徴とするタイヤテキスタイルコード被覆用ゴム組成物。
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