JP6461614B2 - 被覆ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばゴムダンパ、建築用免震ゴム、ゴム支承、防舷材、ゴムホース等の各種ゴム部材の表面を被覆する被覆層のもとになる被覆ゴム組成物に関するものである。
上記各種ゴム部材の表面がオゾン劣化するのを防止するため、当該表面を被覆層で被覆して外気と直接に接触しないようにする場合がある。
かかる被覆層には、それ自体が高い耐オゾン性を有していることが求められる他、ゴム部材の変形に良好に追従して剥離したり裂けたりせずに当該ゴム部材の表面を被覆し続けることができるように、良好な引張特性(引張強さ、切断時伸び)や引裂特性(引裂強さ)等を有していることも求められる。
そこで引張特性や引裂特性に優れ、なおかつゴム部材を形成するゴム組成物との加硫接着性を有する天然ゴム等のジエン系ゴムとともに、耐オゾン性に優れたエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の非ジエン系ゴムを併用して被覆ゴム組成物を調製するのが一般的である。またこれらの特性をさらに向上するべく、上記被覆ゴム組成物にカーボンブラック等の補強材を配合することも知られている。
しかし被覆ゴム組成物を調製する際の作業性や当該被覆ゴム組成物の生産性等を考慮して、従来の他のゴム組成物と同様にまずジエン系ゴムと非ジエン系ゴムとを配合して混練したのちさらにカーボンブラックを配合して混練するプレブレンド法では、カーボンブラックの大部分が被覆ゴム組成物を構成するジエン系ゴム相中に集中的に分散する結果、上記の各特性に優れた被覆層を形成できないことが知られている(非特許文献1等)。
すなわちジエン系ゴムからなるジエン系ゴム相中にカーボンブラックが偏って分散し、非ジエン系ゴム相はカーボンブラックによって十分に補強されていないことになるため、当該非ジエン系ゴム相が破壊の起点となって被覆層の引張特性や引裂特性が大きく低下したり、耐オゾン性が大きく低下したりするおそれがある。
カーボンブラックの全体量を増加させると、たとえその分散に偏りがあっても補強効果を高めて上記の各特性を向上させることはできる。しかしその場合には被覆ゴム組成物を調製するために各成分を配合して混練する際や、調製した被覆ゴム組成物を用いて各種ゴム部材の表面に被覆層を形成する際等の加工性が低下したり、形成した被覆層の特に低温での引張特性や引裂特性が低下したりする上、被覆ゴム組成物のコストアップに繋がるといった問題もある。
カーボンブラックの全体量を増加させることなく非ジエン系ゴム相中に分散させるためには、あらかじめ非ジエン系ゴムにカーボンブラックを配合して混練したのちさらにジエン系ゴムを配合して混練する相混合法を採用すればよいことが知られている(非特許文献2等)。
ところが発明者の検討によると上記従来の相混合法では、非特許文献2の図2の結果からも明らかなように被覆層の耐オゾン性は大きく向上できるものの、当該被覆層の引張特性や引裂特性が大きく低下するという問題がある。
「エチレンプロピレン系ゴムのブレンド」小田康博、青嶋正志、日本ゴム協会誌第51巻第9号(1978)、第61頁〜第68頁、(一社)日本ゴム協会刊 「連載 ゴム材料・製品の耐熱,長寿命化 3.ゴム材料・製品の長寿命化(2)−劣化特性(耐熱性,耐候性,耐オゾン性)から見た−」西澤仁、Polyfile(ポリファイル)2014年3月号(第51巻第601号)、第80頁〜第85頁、(株)大成社刊
本発明の目的は、耐オゾン性、引張特性、および引裂特性の全てに優れた被覆層を形成しうる被覆ゴム組成物を提供することにある。
本発明は、ジエン系ゴムからなりカーボンブラックを分散させたジエン系ゴム相、および非ジエン系ゴムからなりカーボンブラックを分散させた非ジエン系ゴム相を含み、前記ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WDと前記非ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WNとの比WD/WN=40/60〜60/40で、かつ前記カーボンブラックの総量(WD+WN)は、前記ジエン系ゴムと前記非ジエン系ゴムの総量100質量部あたり20質量部以上、40質量部以下であるとともに、前記非ジエン系ゴムの配合割合は、前記ジエン系ゴムと前記非ジエン系ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下である被覆ゴム組成物である。
本発明によれば、耐オゾン性、引張特性、および引裂特性の全てに優れた被覆層を形成しうる被覆ゴム組成物を提供できる。
本発明の実施例4で調製した被覆ゴム組成物から作製した試験片を構成するジエン系ゴム相、非ジエン系ゴム相、およびカーボンブラックの分散状態を示す走査型プローブ顕微鏡写真である。
従来は、ジエン系ゴム相と非ジエン系ゴム相にそれぞれどの程度の割合でカーボンブラックを分散させるかは一切検討されていなかった。
そこで発明者は上記の割合について鋭意検討した結果、ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WDと非ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WNとを比WD/WN=40/60〜60/40の範囲に規定することにより、両ゴム相がともにカーボンブラックによって良好に補強されて耐オゾン性、引張特性、および引裂特性の全てに優れた被覆層を形成できることを見出した。
すなわち上記の範囲よりジエン系ゴム相中のカーボンブラックが少ない場合には、当該ジエン系ゴム相がカーボンブラックによって十分に補強されないことになるため、先述したプレブレンド法によって調製した場合と同様にジエン系ゴム相が破壊の起点となって被覆層の引張特性や引裂特性が大きく低下したり、耐オゾン性が大きく低下したりする。
一方、上記の範囲よりジエン系ゴム相中のカーボンブラックが多い場合には、相対的に非ジエン系ゴム相がカーボンブラックによって十分に補強されないことになるため、先述した従来の相混合法によって調製した場合と同様に非ジエン系ゴム相が破壊の起点となって被覆層の引張特性や引裂特性が大きく低下したり、耐オゾン性が大きく低下したりする。
これに対し比WD/WNを上記の範囲に規定した本発明の被覆ゴム組成物によれば、両ゴム相をともにカーボンブラックによって十分に補強して耐オゾン性、引張特性、および引裂特性の全てに優れた被覆層を形成することが可能となる。
また、特に非ジエン系ゴム相中により多くのカーボンブラックを分散させるのが上記各特性をさらに向上する上で好ましいことから、当該カーボンブラックの質量WD、WNはWD<WNであるのが好ましい。
ただし上記比WD/WNの範囲でもWNが上限側に近づくほど引裂特性については低下する傾向があるため、当該比WD/WN<45/55であるのが好ましい。
さらにカーボンブラックの総量(WD+WN)は、ジエン系ゴムと非ジエン系ゴムの総量100質量部あたり20質量部以上、40質量部以下である必要がある
この範囲よりカーボンブラックの総量が少ない場合には両相をカーボンブラックによって十分に補強できないため耐オゾン性、引張特性、および引裂特性が不十分にな
一方、上記の範囲よりカーボンブラックの総量が多い場合には、前述したように被覆ゴム組成物を調製する際や被覆層を形成する際の加工性が低下したり、形成した被覆層の特に低温での引張特性や引裂特性が低下したりする上、被覆ゴム組成物のコストアップに繋が
〈ジエン系ゴム〉
ジエン系ゴム相を形成するジエン系ゴムとしては、先述したようにゴム部材を形成するゴム組成物との加硫接着性を有する例えば天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、およびクロロプレンゴム(CR)からなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
特に引張特性や引裂特性に優れるとともに汎用性の高い天然ゴム、SBR、CRが好ましく、特に天然ゴムが好ましい。
またこれらジエン系ゴムとしてはそれぞれ伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
上記ジエン系ゴムの1種または2種以上を使用できる。
〈非ジエン系ゴム〉
非ジエン系ゴム相を形成する非ジエン系ゴムとしては、ジエン系ゴムよりも耐オゾン性に優れた、例えばイソブチレン−イソプレンゴム(ブチルゴム、IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)等のエチレン−α−オレフィン共重合ゴム、およびエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
特に汎用性の高いEPM、EPDMが好ましい。
このうちEPMとしては、エチレンとプロピレンを任意の割合で共重合させた種々のEPMがいずれも使用可能である。
またEPMとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
これらEPMの1種または2種以上を使用できる。
EPMは主鎖中に二重結合を有しないため、被覆層の耐オゾン性、耐老化性、耐熱性を向上する効果に特に優れている。
またEPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した種々のEPDMがいずれも使用可能である。
EPDMとしては、第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。
EPDMとしても、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
これらEPDMの1種または2種以上を使用できる。
EPDMはEPMに比べて耐オゾン性がごく僅かに低いものの、例えば硫黄架橋系の架橋成分を用いて架橋させることが可能で汎用性に優れているという利点がある。
〈配合割合〉
ジエン系ゴムの配合割合は、上記2種のゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下である必要があり、中でも30質量部以下であるのが好ましい。
非ジエン系ゴムの配合割合がこの範囲未満では被覆層の耐オゾン性が不十分にな。一方、非ジエン系ゴムの配合割合が上記の範囲を超える場合には、相対的にジエン系ゴムの割合が少なくなって被覆層の引張特性や引裂特性が低下したり、ゴム部材を形成するゴム組成物との加硫接着性が不十分になったりす
これに対し非ジエン系ゴムの配合割合を上記の範囲とすることで耐オゾン性、耐老化性、耐熱性にさらに優れた被覆層を形成できる。
すなわち非ジエン系ゴムの配合割合を上記の範囲とすることで、被覆ゴム組成物を、ジエン系ゴム相の連続相中に非ジエン系ゴム相が不連続に分散された分散構造とすることができ、上記連続相によって被覆層の一体性を高めて引張特性や引裂特性を向上できるとともに、当該被覆層のゴム組成物との加硫接着性を向上できる。
また、例えば連続相にアタックしたオゾンを上記連続相中に不連続に分散された非ジエン系ゴム相によって良好に停止できるため、被覆層の耐オゾン性を向上できる。
なお配合割合は、いずれかのゴムが油展タイプのものである場合、伸展油を除いた固形分としてのゴム自体の割合が上記の範囲となるように設定する。
〈カーボンブラック〉
カーボンブラックとしては、ゴムに対して補強剤として機能しうる種々のカーボンブラックが使用可能である。
特に両ゴムへの補強効果の点で、窒素吸着比表面積が40m/g以上であるカーボンブラックが好適に使用される。
窒素吸着比表面積が上記範囲未満のカーボンブラックでは両ゴム、特に非ジエン系ゴムに対する補強効果が十分に得られないおそれがある。
なお窒素吸着比表面積は、両ゴムへの良好な分散性を確保すること等を考慮すると150m/g以下、特に60m/g以下であるのが好ましい。
〈比WD/WN〉
ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WDと前記非ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WNとの比WD/WNを前述した範囲に調整するためには、例えば前述した相混合法を応用した下記の方法等が採用される。
すなわち、非ジエン系ゴムに所定量のカーボンブラックを配合し、混練して調製したマスターバッチと、ジエン系ゴムに所定量のカーボンブラックを配合し、混練して調製したマスターバッチとを用意し、両マスターバッチを所定の配合割合で配合して混練する。
この方法では、それぞれのマスターバッチ中に取り込まれたカーボンブラックが混練によって相間で大きく移行することはない。軟化剤を含む系では相間でのカーボンブラックの移行が多少増加する場合があるが、いずれにしろ組み合わせるジエン系ゴム、非ジエン系ゴム、およびカーボンブラックの種類と配合割合や軟化剤の量と、カーボンブラックの移行率との間の相関関係をあらかじめ把握しておけば、混練によって調製される被覆ゴム組成物における比WD/WNを、両ゴムに配合するカーボンブラックの量によって任意に制御できる。
〈架橋成分〉
本発明の被覆ゴム組成物には、ゴム分を架橋させるとともにゴム部材と加硫接着させるための架橋成分を配合する。
非ジエン系ゴムのうちEPDM等のエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムやIIRはジエン系ゴムとともに硫黄加硫が可能であるため、架橋成分としては硫黄や、例えば4,4′−ジチオジモルホリン(R)等の含硫黄系加硫剤(分子中に硫黄を有する有機化合物)などの硫黄加硫系の架橋剤が挙げられる。
また上記硫黄加硫系の架橋剤とともに種々の促進剤、促進助剤を配合することもできる。
このうち促進剤としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジ-2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)等の1種または2種以上が挙げられる。
また促進助剤としては、例えば酸化亜鉛(亜鉛華)等の金属酸化物や、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸などの1種または2種以上が挙げられる。
また非ジエン系ゴムがEPM等のエチレン−α−オレフィン共重合ゴムである場合、かかるエチレン−α−オレフィン共重合ゴムは硫黄加硫できないため、架橋成分としてはさらに過酸化物架橋剤を併用する。
過酸化物架橋剤としては、例えばジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキシン−3、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の1種または2種以上が挙げられる。
上記各種架橋成分の配合割合は、ゴム分や架橋成分の種類や組み合わせ等に応じて適宜設定できる。
〈その他の成分〉
本発明の被覆ゴム組成物には、必要に応じて可塑剤等の各種添加剤を配合してもよい。
可塑剤は、特に非油展のゴムを用いた被覆ゴム組成物の加工性を向上するとともに当該被覆ゴム層を架橋して形成される被覆層に柔軟性を付与するための成分であって、当該可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート(DOP)等のフタル酸エステル系可塑剤やビス(2−エチルへキシル)アゼレート(DOZ)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤等の1種または2種以上が挙げられる。
可塑剤の配合割合は、組み合わせるゴムの種類や配合割合等と、被覆ゴム組成物に求められる加工性や被覆層に求められる柔軟性等に応じて任意に設定できるものの、ジエン系ゴムと非ジエン系ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下であるのが好ましい。
本発明の被覆ゴム組成物には、さらに必要に応じて老化防止剤、オイル、液状ゴムその他の各種添加剤を任意の割合で配合してもよい。
〈実施例1〉
ジエン系ゴムとしての天然ゴム(TSR20品)70質量部にカーボンブラック〔FEF、窒素吸着比表面積:42m/g、東海カーボン(株)製のシーストSO〕17.5質量部を配合し、混練してジエン系ゴムのマスターバッチを調製するとともに、非ジエン系ゴムとしてのEPDM〔エチレン含量:50%、ジエン含量:9.5%、非油展、住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)505A〕30質量部に上記と同じカーボンブラック12.5質量部を配合し、混練して非ジエン系ゴムのマスターバッチを調製した。
そして相混合法を応用して、まず両マスターバッチを素練りしながら、可塑剤としてのDOZ〔大八化学工業(株)製〕5質量部を加えて混練し、ついで架橋剤としての粉末硫黄0.5質量部を加えてさらに混練して被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈実施例2〉
天然ゴム70質量部に対するカーボンブラックの配合割合を16.5質量部、EPDM30質量部に対するカーボンブラックの配合割合を13.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈実施例3〉
天然ゴム70質量部に対するカーボンブラックの配合割合を14.5質量部、EPDM30質量部に対するカーボンブラックの配合割合を15.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈実施例4〉
天然ゴム70質量部に対するカーボンブラックの配合割合を12.0質量部、EPDM30質量部に対するカーボンブラックの配合割合を18.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈実施例5〉
天然ゴムに代えてSBR〔E−SBR、結合スチレン量中心値23.5%、非油展、日本ゼオン(株)製のNipol(登録商標)1502〕を同量配合したこと以外は実施例3と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、SBRとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、SBRとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈実施例6〉
天然ゴムに代えてCR〔メルカプタン変性タイプ、昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕を同量配合したこと以外は実施例3と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、CRとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、CRとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈実施例7〉
EPDMに代えてIIR〔JSR(株)製のJSR(登録商標)BUTYL 268〕を同量配合したこと以外は実施例3と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、天然ゴムとIIRの総量100質量部あたり30質量部、IIRの配合割合は、天然ゴムとIIRの総量100質量部中の30質量部であった。
〈比較例1〉
プレブレンド法により、まず天然ゴム70質量部とEPDM30質量部とを配合して混練し、次いでカーボンブラック30質量部、およびDOZ5質量部を順に配合して混練したのち、粉末硫黄0.5質量部を加えてさらに混練して被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈比較例2〉
天然ゴム70質量部に対するカーボンブラックの配合割合を19.0質量部、EPDM30質量部に対するカーボンブラックの配合割合を11.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈比較例3〉
天然ゴム70質量部に対するカーボンブラックの配合割合を11.0質量部、EPDM30質量部に対するカーボンブラックの配合割合を19.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。
カーボンブラックの総量(WD+WN)は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部あたり30質量部、EPDMの配合割合は、天然ゴムとEPDMの総量100質量部中の30質量部であった。
〈比WD/WN〉
上記実施例1〜7、比較例1〜3で調製した被覆ゴム組成物を縦130mm×横130mm×厚み2mmのシート状に成形して150℃で30分間架橋させて架橋ゴムスラブシートを作製した。
次いで上記架橋ゴムスラブシートから測定用の試験片を切り出し、走査型プローブ顕微鏡写真を撮影して画像解析して、ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WDと前記非ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WNとの比WD/WNを求めた。
〈耐オゾン性〉
上記実施例1〜7、比較例1〜3で調製した被覆ゴム組成物を幅52mm×長さ45mm×厚み2mmのシート状に成形して150℃で30分間架橋させたのち、サンプルの中央部が長さ方向へ20%伸長されるように治具を用いて固定した状態で試験温度40℃、オゾン濃度100pphmの条件でオゾンに曝し続けた際に、その表面や側面にクラックが発生するまでの時間を計測した。
そしてクラック発生までに要した時間が1100時間を超えたものを耐オゾン性良好(○)、1100時間未満であったものを耐オゾン性不良(×)と評価した。
〈引張特性〉
上記実施例1〜7、比較例1〜3で調製した被覆ゴム組成物を厚み2mmのシート状に成形して150℃で30分間架橋させたのち打ち抜いて日本工業規格JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に規定されたダンベル状3号形試験片を作製し、上記規格に所載の試験方法に則って温度23±2℃の条件で引張試験をして引張強さTS(MPa)、および切断時伸びE(%)を求めた。
そして比較例1の引張強さTS、および切断時伸びEを100としたときの各実施例、比較例の引張強さTS、および切断時伸びEの比を求めた。引張強さTSの比は130以上を合格、切断時伸びEの比は130以上を合格とした。
〈引裂特性〉
上記実施例1〜7、比較例1〜3で調製した被覆ゴム組成物を厚み2mmのシート状に成形して150℃で30分間架橋させたのち打ち抜いて日本工業規格JIS K6252:2007「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方」に規定された切込みなしアングル形試験片を作製し、上記規格に所載の試験方法に則って温度23±2℃の条件で引裂試験をして引裂強さT(N/mm)を求めた。
そして比較例1の引裂強さTを100としたときの各実施例、比較例の引裂強さTの比を求めた。引裂強さTの比は130以上を合格とした。
以上の結果を表1、表2に示す。
表1の比較例1の結果から、従来のプレブレンド法ではジエン系ゴム相にカーボンブラックが集中し、非ジエン系ゴム相がカーボンブラックによって十分に補強されないため、耐オゾン性、引張特性、および引裂特性に優れた被覆層を形成できないことが判った。
これに対し表1、表2の実施例1〜7の結果から、相混合法を応用してジエン系ゴム相と非ジエン系ゴム相の両方にカーボンブラックを分散させることにより、当該両相を十分に補強して耐オゾン性、引張特性、および引裂特性の全てに優れた被覆層を形成できることが判った。
ただし実施例1〜7、比較例2、3の結果から、上記の効果を得るためには、ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WDと非ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WNとの比WD/WN=40/60〜60/40で、かつカーボンブラックの総量(WD+WN)が、ジエン系ゴムと非ジエン系ゴムの総量100質量部あたり20質量部以上、40質量部以下であるとともに、非ジエン系ゴムの配合割合が、ジエン系ゴムと非ジエン系ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下である必要があることが判った。
また特に実施例1〜3の結果から、非ジエン系ゴム相中により多くのカーボンブラックを分散させるのが、上記各特性をより一層向上する上で好ましく、そのためには質量WD、WNはWD<WNであるのが好ましいことが判った。
ただし実施例1〜3、実施例4の結果から、上記比WD/WNの範囲でもWNが上限側に近づくほど引裂特性が低下する傾向があるため、当該比WD/WN<45/55であるのが好ましいことが判った。
図1は、実施例4で調製した被覆ゴム組成物から作製した試験片を構成するジエン系ゴム相、非ジエン系ゴム相、およびカーボンブラックの分散状態を示す走査型プローブ顕微鏡写真である。
図1から、実施例4では濃いグレーの連続したジエン系ゴム(天然ゴム)相中に、淡いグレーの非ジエン系ゴム(EPDM)相が不連続に分散されているとともに、両相中にそれぞれ黒色のカーボンブラックが分散されていることが確認された。
他の実施例、比較例の画像も確認したところ、比較例1では非ジエン系ゴム相中に十分な量のカーボンブラックが分散されていないことが判ったが、その他の実施例、比較例は実施例4と同様の分散状態が形成されていることが確認された。

Claims (6)

  1. ジエン系ゴムからなりカーボンブラックを分散させたジエン系ゴム相、および非ジエン系ゴムからなりカーボンブラックを分散させた非ジエン系ゴム相を含み、前記ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WDと前記非ジエン系ゴム相中のカーボンブラックの質量WNとの比WD/WN=40/60〜60/40で、かつ前記カーボンブラックの総量(WD+WN)は、前記ジエン系ゴムと前記非ジエン系ゴムの総量100質量部あたり20質量部以上、40質量部以下であるとともに、前記非ジエン系ゴムの配合割合は、前記ジエン系ゴムと前記非ジエン系ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下である被覆ゴム組成物。
  2. 前記カーボンブラックの質量WD、WNはWD<WNである請求項1に記載の被覆ゴム組成物。
  3. 前記カーボンブラックは窒素吸着比表面積が40m/g以上のカーボンブラックである請求項1または2に記載の被覆ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴム相は天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、およびクロロプレンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種のジエン系ゴムからなる請求項1ないしのいずれか1項に記載の被覆ゴム組成物。
  5. 前記非ジエン系ゴム相はイソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、およびエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の非ジエン系ゴムからなる請求項1ないしのいずれか1項に記載の被覆ゴム組成物。
  6. 前記ジエン系ゴム相の連続相中に前記非ジエン系ゴム相が不連続に分散されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の被覆ゴム組成物。
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