JP6688456B2 - 被覆ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の基礎に組み込まれて当該建築物の免震を担うゴム支承の被覆層を形成するために用いる被覆ゴム組成物に関するものである。
近年、建築物の基礎にゴム支承を組み込んだ免震構造が普及しつつある。
かかる免震構造を構成するゴム支承は、例えばゴム組成物からなるゴム弾性層と鋼板等からなる硬質層とを複数層ずつ交互に積層した状態で互いに加硫接着して形成された積層体等からなる。
またゴム弾性層は通常、ゴム分として減衰性能に優れたジエン系ゴムを含むゴム組成物によって形成される。
しかし上記ゴム組成物からなるゴム弾性層は耐オゾン性が不十分であり、特に建築物の大きな荷重が加えられて常に圧縮変形された状態で長期に亘って空気にさらされ続けるとオゾン劣化しやすいという問題がある。
そこでゴム支承の外周を耐オゾン性に優れた被覆層で被覆して、ゴム弾性層が直接に空気と接触しないようにする場合がある。
上記被覆層は、例えばゴム弾性層との加硫接着性を確保するためのジエン系ゴムと、耐オゾン性に優れたゴムとをゴム分として含む被覆ゴム組成物によって形成し、上記ゴム弾性層と硬質層の加硫接着と同時に加硫接着して形成するのが一般的である(例えば特許文献1等参照)。
被覆層のもとになる耐オゾン性に優れたゴムとしては、例えばエチレンプロピレンゴム(EPM)等のエチレン−α−オレフィン二元共重合ゴムや、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン三元共重合ゴムなどのエチレン−α−オレフィン系ゴムが好適に用いられる。
しかしジエン系ゴムとエチレン−α−オレフィン系ゴムの併用系では両ゴム分の配合割合の設定が難しいという問題がある。
すなわち地震によるゴム支承の大変形に良好に追従できることや材料費を削減して低コスト化を図ることなどを考慮すると、被覆層はできるだけ薄い上、それでもなお耐オゾン性に優れていることが求められる。
かかる要求を満足するためにエチレン−α−オレフィン系ゴムの配合割合を多くすることが考えられるが、その場合には相対的にジエン系ゴムの割合が少なくなるためゴム弾性層に対する被覆層の加硫接着性が低下して、却って地震による大変形に追従できずにゴム支承から剥離しやすくなるおそれがある。そして被覆層が剥離すると地震後にゴム弾性層が空気に触れてオゾン劣化しやすくなってしまうという問題を生じる。
被覆層を、例えば接着剤を介してゴム支承の外周に接着すれば上記の問題を解決できる。
しかしゴム支承は建築物の大きさに合わせて大型になることが多く、特にこうした大型のゴム支承の外周に接着剤を均一に塗布するとともに被覆層をきれいに接着するのは難しく、上記塗布および接着に手間がかかる上、接着剤の乾燥等に時間がかかるためゴム支承の生産性が大きく低下するおそれがある。
また生産性が低下することと多量の接着剤を必要とすることとが相まってゴム支承の製造コストが嵩むといった問題も生じる。
一方、被覆層の加硫接着性を向上するべくジエン系ゴムの配合割合を多くすると相対的にエチレン−α−オレフィン系ゴムの割合が少なくなるため被覆層の耐オゾン性の低下が懸念される。
特開2013−35943号公報
本発明の目的は、加硫接着性および耐オゾン性の両方の特性に優れたゴム支承用の被覆層を形成しうる被覆ゴム組成物を提供することにある。
本発明は、ゴム分としてジエン系ゴムおよびエチレン−α−オレフィン系ゴムを含み、さらに3価以上のポリエステルポリオールを配合してなるゴム支承用の被覆ゴム組成物である。
本発明によれば、加硫接着性および耐オゾン性の両方の特性に優れたゴム支承用の被覆層を形成しうる被覆ゴム組成物を提供することが可能となる。
本発明は、ゴム分としてジエン系ゴムおよびエチレン−α−オレフィン系ゴムを含み、さらに3価以上のポリエステルポリオールを配合してなるゴム支承用の被覆ゴム組成物である。
上記ポリエステルポリオールはエチレン−α−オレフィン系ゴムと適度の相溶性を有する上、分子中に3つ以上の多数の水酸基を有しているため、当該ポリエステルポリオールを配合することで、エチレン−α−オレフィン系ゴムの表面を多数の水酸基で修飾した状態とすることができる。
しかも上記水酸基は一級の水酸基であってゴム支承を構成するゴム弾性層中の反応性基等との反応性に優れており、ジエン系ゴムによる加硫接着を補助するために機能する。
そのため本発明の被覆ゴム組成物によれば、耐オゾン性に優れた被覆層を形成するべくエチレン−α−オレフィン系ゴムの割合を従来に比べて増加させても上記水酸基の機能によって当該被覆層の加硫接着性の低下を抑制できる結果、加硫接着性および耐オゾン性の両方の特性に優れたゴム支承用の被覆層を形成することが可能となる。
(ジエン系ゴム)
ジエン系ゴムとしては、ゴム支承のゴム弾性層を形成するゴム組成物との加硫接着性を有する種々のジエン系ゴムがいずれも使用可能である。特に加硫接着性を向上することを考慮すると上記ジエン系ゴムとしては、ゴム弾性層を形成するジエン系ゴムと同系のものを選択して用いるのが好ましい。
かかるジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、およびクロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。中でも加硫接着性を向上する効果の点で天然ゴム、SBR、CRが好ましく、特に天然ゴムが好ましい。
またこれらジエン系ゴムとしてはそれぞれ伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
上記ジエン系ゴムの1種または2種以上を使用できる。
(エチレン−α−オレフィン系ゴム)
エチレン−α−オレフィン系ゴムとしては、前述したようにEPDM等のエチレン−α−オレフィン二元共重合ゴムやEPDM等のエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン三元共重合ゴムなどの、耐オゾン性に優れたエチレン−α−オレフィン系ゴムの1種または2種以上が挙げられる。
特に汎用性の高いEPM、EPDMが好適に使用される。
このうちEPMとしては、エチレンとプロピレンを任意の割合で共重合させた種々のEPMがいずれも使用可能である。
またEPMとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
これらEPMの1種または2種以上を使用できる。
EPMは主鎖中に二重結合を有しないため、被覆層の耐オゾン性、耐老化性、耐熱性等を向上する効果に特に優れている。
またEPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した種々のEPDMがいずれも使用可能である。
EPDMとしては、第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。
EPDMとしても、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
これらEPDMの1種または2種以上を使用できる。
EPDMはEPMに比べて耐オゾン性等が少し低いものの、例えば硫黄架橋系の架橋成分を用いて架橋させることが可能で汎用性に優れているという利点がある。
(配合割合)
ジエン系ゴムとエチレン−α−オレフィン系ゴムとは、先述した加硫接着性と耐オゾン性とを両立しうる任意の割合で配合できる。
ただし本発明によれば、上記2種のゴムにさらに3価以上のポリエステルポリオールを配合して被覆層の加硫接着性の低下を抑制できることから従来に比べてエチレン−α−オレフィン系ゴムの割合を多めに設定でき、それによって被覆層の耐オゾン性をさらに向上できる。
具体的にはエチレン−α−オレフィン系ゴムの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下とするのが好ましい。
エチレン−α−オレフィン系ゴムの配合割合がこの範囲未満では被覆層の耐オゾン性が不十分になるおそれがある。一方、エチレン−α−オレフィン系ゴムの配合割合が上記の範囲を超える場合には、相対的にジエン系ゴムの割合が少なくなって加硫接着性が不十分になるおそれがある。
なお配合割合は、いずれかのゴム分が油展タイプのものである場合、伸展油を除いた固形分としてのゴム分自体の割合が上記の範囲となるように設定する。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、例えばカルボン酸と多価アルコールを脱水縮合して合成される種々のポリエステルポリオールのうち、3つ以上の一級の水酸基を有する3価以上のポリエステルポリオールが用いられる。
かる3価以上のポリエステルポリオールは分岐構造を有し、かつそれぞれの分岐末端に上記一級の水酸基を有する構造を有するとともに1分子あたりの水酸基数を示す水酸基価が高く、しかも多くの場合、上記多数の水酸基が1つの分子中で偏在した分子構造を有する。
そのため上記分子構造中の、水酸基が偏在した側と反対側の部分でエチレン−α−オレフィン系ゴムに対する良好な相溶性を確保しながら、当該エチレン−α−オレフィン系ゴムの表面にできるだけ多数の水酸基を存在させることができ、より少量の配合で被覆ゴム組成物に良好な加硫接着性を付与することができる。
3価以上のポリエステルポリオールは、例えば多価カルボン酸および/または多価アルコールのうちの少なくとも1種として分岐構造を有する3官能以上のものを用いることによって合成できる。
かかる3価以上のポリエステルポリオールの具体例としては、例えば日本ゼオン(株)製のゼオファイン(登録商標)100M〔水酸基価:60mgKOH/g、1分子あたりの水酸基数:5以上、軟化点:103℃、重量平均分子量:45,000〕等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して3質量部以上、15質量部以下であるのが好ましい。
ポリエステルポリオールの配合割合がこの範囲未満ではエチレン−α−オレフィン系ゴムの表面を修飾する水酸基の数が不足して、当該水酸基による加硫接着を補助する効果が不十分になり、加硫接着性が低下して被覆層が剥離しやすくなるおそれがある。
一方、ポリエステルポリオールの配合割合が上記の範囲を超えてもエチレン−α−オレフィン系ゴムの表面を修飾する水酸基の数は飽和してそれ以上の効果が得られない。のみならず過剰のポリエステルポリオールが被覆層の柔軟性を低下させたり、被覆ゴム組成物のコストアップに繋がったりするおそれもある。
〈架橋成分〉
本発明の被覆ゴム組成物には、ゴム分を架橋させるとともにゴム弾性層と加硫接着させるための架橋成分を配合する。
エチレン−α−オレフィン系ゴムのうちEPDM等のエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン三元共重合ゴムはジエン系ゴムとともに硫黄加硫が可能であるため、架橋成分としては硫黄や、例えば4,4′−ジチオジモルホリン(R)等の含硫黄系加硫剤(分子中に硫黄を有する有機化合物)などの硫黄加硫系の架橋剤が挙げられる。
また上記硫黄加硫系の架橋剤とともに種々の促進剤、促進助剤を配合することもできる。
このうち促進剤としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジ-2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)等の1種または2種以上が挙げられる。
また促進助剤としては、例えば酸化亜鉛(亜鉛華)等の金属酸化物や、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸などの1種または2種以上が挙げられる。
またエチレン−α−オレフィン系ゴムがEPM等のエチレン−α−オレフィン二元共重合ゴムである場合、かかるエチレン−α−オレフィン二元共重合ゴムは硫黄加硫できないため、架橋成分としてはさらに過酸化物架橋剤を併用する。
過酸化物架橋剤としては、例えばジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキシン−3、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の1種または2種以上が挙げられる。
上記各種架橋成分の配合割合は、ゴム分や架橋成分の種類や組み合わせ等に応じて適宜設定できる。
〈その他の成分〉
本発明の被覆ゴム組成物には、必要に応じて充填剤、可塑剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち充填剤としては、例えばカーボンブラック、シリカ等が挙げられ、特にカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックとしては、その製造方法等によって分類される種々のカーボンブラックのうち充填剤として機能しうるカーボンブラックの1種または2種以上が使用可能である。
カーボンブラックの配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり20質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下であるのが好ましい。
またシリカとしては、その製法によって分類される湿式法シリカ、乾式法シリカのいずれを用いてもよい。
充填剤としてシリカを配合する場合は、ゴム分との相互作用を高めるためシラン化合物を併用するのが好ましい。
可塑剤は、特に非油展のゴム分を用いた被覆ゴム組成物の加工性を向上するとともに当該被覆ゴム層を架橋して形成される被覆層に柔軟性を付与するための成分であって、当該可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート(DOP)等のフタル酸エステル系可塑剤やビス(2−エチルへキシル)アゼレート(DOZ)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤等の1種または2種以上が挙げられる。
可塑剤の配合割合は、組み合わせるゴム分の種類や配合割合等と、被覆ゴム組成物に求められる加工性や被覆層に求められる柔軟性等に応じて任意に設定できるものの、ゴム分の総量100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下であるのが好ましい。
本発明の被覆ゴム組成物には、さらに必要に応じて老化防止剤、オイル、液状ゴムその他の各種添加剤を任意の割合で配合してもよい。
(ゴム支承)
本発明の被覆ゴム組成物によれば、以上で説明したように加硫接着性に優れる上、耐オゾン性にも優れたゴム支承用の被覆層を形成できる。
かかる被覆層を備えたゴム支承は、本発明の被覆ゴム組成物を用いること以外は従来同様にして製造できる。
例えばゴム弾性層と硬質層の積層体の外周を被覆層で被覆した構造のゴム支承を製造する場合は、まず加硫接着性を有するゴム組成物を所定の厚みに成形した、上記ゴム弾性層のもとになるシートと、鋼板等の硬質層とを交互に積層して積層体を形成する。
次いで本発明の被覆ゴム組成物を所定の厚みのシート状に成形したものを、上記積層体の外周に隙間を生じないように巻き付けた状態で全体を加熱すると、積層体を形成するシートが架橋されてゴム弾性層が形成され、また被覆ゴム組成物のシートが架橋されて被覆層が形成されるとともに、上記ゴム弾性層と硬質層、およびゴム弾性層と被覆層が互いに加硫接着されてゴム支承が完成する。
ゴム弾性層のもとになるゴム分としては、加硫接着性を有する任意のゴムが使用可能である。ただし先述したようにゴム弾性層と被覆層の加硫接着性を向上することを考慮すると、被覆層中に含まれるジエン系ゴムと同系のジエン系ゴムをゴム分として用いるのが好ましい。
ゴム弾性層用のゴム組成物は、上記ゴム分に当該ゴム分を架橋させるための、例えば硫黄加硫系等の架橋剤や、カーボンブラック等の充填剤、さらにはフタル酸エステル系可塑剤や脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤等の可塑剤を適宜の割合で配合して調製すればよい。
〈実施例1〉
〈被覆ゴム組成物〉
下記表1に示す各成分のうちゴム分を素練りしながらまず架橋剤以外の成分を加えて混練し、最後に架橋剤を加えてさらに混練して被覆ゴム組成物を調製した。
Figure 0006688456
表1中の各成分は下記のとおり。
天然ゴム:TSR20品
EPDM:エチレン含量50%、ジエン含量9.5%、非油展、住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)505A
ポリエステルポリオール:日本ゼオン(株)製のゼオファイン(登録商標)100M
架橋剤:粉末硫黄
カーボンブラック:FEF、東海カーボン(株)製のシーストSO
可塑剤:DOZ、大八化学工業(株)製
EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の30質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して10質量部であった。
〈ゴム支承のサンプル〉
(ゴム組成物)
下記表2に示す各成分のうちゴム分を素練りしながらまず架橋剤以外の成分を加えて混練し、最後に架橋剤を加えてさらに混練してゴム弾性層用のゴム組成物を調製した。
Figure 0006688456
表2中の各成分は表1と同じとした。
(ゴム支承のサンプル作製)
上記ゴム弾性層用のゴム組成物を縦310mm×横310mm×厚み7.5mmのシート状に成形したものを8枚用意し、縦300mm×横300mm×厚み2.3mmの圧延鋼板(SS400)7枚と交互に重ね合わせて積層体を形成した。
次いで、先に調製した被覆ゴム組成物を幅77mm×長さ1250mm×厚み7.5mmのシート状に形成したものを上記積層体の外周に巻き付けた状態で、温度155℃×時間120分間の条件で加熱することにより、積層体を形成するシートを架橋させてゴム弾性層を形成し、また被覆ゴム組成物のシートを架橋させて被覆層を形成するとともに、上記ゴム弾性層と硬質層、およびゴム弾性層と被覆層を互いに加硫接着させてゴム支承のサンプルを作製した。
〈実施例2〉
表1中のポリエステルポリオールを3質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の30質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して3質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈実施例3〉
表1中のポリエステルポリオールを15質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の30質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して15質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈実施例4〉
表1中の天然ゴムに代えてSBR〔E−SBR、結合スチレン量中心値23.5%、非油展、日本ゼオン(株)製のNipol(登録商標)1502〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の30質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して10質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成するとともに、表2中の天然ゴムに代えて上記SBRを同量配合して調製したゴム組成物を用いてゴム弾性層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈実施例5〉
表1中の天然ゴムに代えてCR〔メルカプタン変性タイプ、昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の30質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して10質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成するとともに、表2中の天然ゴムに代えて上記CRを同量配合して調製したゴム組成物を用いてゴム弾性層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈実施例6〉
表1中の天然ゴムを80質量部、EPDMを20質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の20質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して10質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈実施例7〉
表1中の天然ゴムを50質量部、EPDMを50質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の50質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して10質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈比較例1〉
表1中のポリエステルポリオールを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の30質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈比較例2〉
表1中のEPDMを配合せず、天然ゴムを100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の0質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して10質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈比較例3〉
表1中の天然ゴムを配合せず、EPDMを100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして被覆ゴム組成物を調製した。EPDMの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の100質量部、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して10質量部であった。
また、かかる被覆ゴム組成物を用いて被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてゴム支承のサンプルを作製した。
〈耐オゾン性試験〉
上記実施例1〜7、比較例1〜3で調製した被覆ゴム組成物を幅52mm×長さ45mm×厚み2mmのシート状に成形して150℃で架橋させたのち、サンプルの中央部が長さ方向へ20%伸長されるように治具を用いて固定した状態で試験温度40℃、オゾン濃度100pphmの条件でオゾンに曝し続けた際に、その表面や側面にクラックが発生するまでの時間を計測した。
そしてクラック発生までに要した時間が1100時間を超えたものを耐オゾン性良好(○)、1100時間未満であったものを耐オゾン性不良(×)と評価した。
〈加硫接着性試験〉
(被覆層のモデルの作製)
実施例1〜7、比較例1〜3で調製した被覆ゴム組成物を幅25mm×長さ150mm×厚み2mmのシート状に成形したものを被覆層のモデルとした。
(ゴム弾性層のモデルの作製)
各実施例、比較例でゴム支承のモデルを作製した際に調製したゴム弾性層用のゴム組成物を幅25mm×長さ150mm×厚み2mmのシート状に成形したものをゴム弾性層のモデルとした。
(剥離強度比)
上記被覆層のモデルとゴム弾性層のモデルとを、それぞれ端から50mmの領域が重複するように重ね合わせた状態で、加硫金型を用いて150℃で加硫接着させた後、引張験機を用いて引張速さ50mm/分の条件で180度剥離試験をして最大はく離強度を測定した。
そして比較例1の最大剥離強度を100とした時の各実施例、比較例の最大剥離強度の比(剥離強度比)を求めた。剥離強度比は130以上であるものを合格とした。
(剥離状態)
また剥離面を観察して、材料破壊していたものを合格、界面剥離であったものを不合格として評価した。試験はN=5で実施し、合格のサンプルが3つ以上あれば合格(○)、層でなければ不合格(×)と判定した。
以上の結果を表3、表4に示す。
Figure 0006688456
Figure 0006688456
表3、表4の実施例1〜7、比較例1〜3の結果より、ゴム分としてジエン系ゴムとEPDM等のエチレン−α−オレフィン系ゴムとを併用するとともに、さらにポリエステルポリオールを配合することにより、加硫接着性および耐オゾン性の両方の特性に優れたゴム支承用の被覆層を形成しうる被覆ゴム組成物が得られることが判った。
また実施例1〜3の結果より、ポリエステルポリオールの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して3質量部以上、15質量部以下であるのが好ましいことが判った。
実施例1、実施例6、7の結果より、EPDM等のエチレン−α−オレフィン系ゴムの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例1、実施例4、5の結果より、ジエン系ゴムとしては天然ゴム、SBR、CRが好ましく、特に天然ゴムが好ましいことが判った。

Claims (5)

  1. ゴム分としてジエン系ゴムおよびエチレン−α−オレフィン系ゴムを含み、さらに3価以上のポリエステルポリオールを配合してなるゴム支承用の被覆ゴム組成物。
  2. 前記ポリエステルポリオールの配合割合は、前記ゴム分の総量100質量部に対して3質量部以上、15質量部以下である請求項1に記載の被覆ゴム組成物。
  3. 前記エチレン−α−オレフィン系ゴムの配合割合は、前記ゴム分の総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下である請求項1または2に記載の被覆ゴム組成物。
  4. 前記エチレン−α−オレフィン系ゴムはエチレン−α−オレフィン二元共重合ゴムおよびエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン三元共重合ゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1ないしのいずれか1項に記載の被覆ゴム組成物。
  5. 前記ジエン系ゴムは天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、およびクロロプレンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1ないしのいずれか1項に記載の被覆ゴム組成物。
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