JP2010273051A - 映像処理装置、映像表示装置及び映像処理方法 - Google Patents

映像処理装置、映像表示装置及び映像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】字幕に表示さるべき文字数の多少に関わらず、映像データに含まれる字幕の全ての文字を簡便に且つタイムリーに表示することが可能な映像処理装置、該映像処理装置を備える映像表示装置、及び映像処理方法を提供する。
【解決手段】映像及び字幕が多重化された映像データから抽出した字幕が横書きである場合、字幕の文字を表示すべき位置を、縮小変換した映像の下方(又は上方)の矩形領域内に変更する。字幕の文字数が前記矩形領域内に表示可能な文字数を超えるときは、字幕の文字の表示位置を前記矩形領域内で上方にスクロールさせて先に表示された行をスクロールアウトさせ、後から表示すべき文字の表示位置が前記矩形領域に含まれるようにする。
【選択図】図7

Description

本発明は、映像データに基づく映像を縮小変換した映像と、前記映像データから抽出した字幕とを含む映像信号を出力する映像処理装置、該映像処理装置を備える映像表示装置、及び映像処理方法に関する。
デジタルテレビジョン放送では、映像及び音声に字幕を含めたコンテンツが提供されている。字幕は、コンテンツの映像に文字を重ねて表示するサービスであり、映像及び音声と同期した文字(例えば、ドラマの台詞、訳字等の文字)を表示するものである。また、字幕を画面に表示するか否かは、使用者が受信機のリモートコントローラを操作することによって選択することが可能である。
デジタルテレビジョン放送における字幕の情報は、映像及び音声と同様に、映像データにおいて複数のパケットに分割して伝送される。字幕の情報には、画面上の表示座標、文字コード、及びフォントサイズ等の情報が含まれ、受信機側でこれらの情報をデコードして表示することにより、コンテンツの制作者が意図した態様で字幕が表示される。
さて、受信機側で字幕の表示位置を任意に変更する場合、新たな表示座標の指定、表示すべき文字の整列、及び改行等の処理が必要となる。この場合、一区切りの字幕の情報を全て解析した後に、表示すべき座標及び改行すべき位置等を決定することとなるため、処理が複雑になる上に本来あるべきタイムリーな字幕の表示が妨げられる。また、文字テロップ等の他の文字情報との重なりを完全に回避することは困難である。
これに対し、例えば、地上デジタルテレビジョン放送運用規定(ARIB規格TR−B14)では、字幕と映像及び文字テロップとの重なりを回避して視聴することを目的に、映像を縮小変換して映像の領域外への字幕の表示を可能とするオプション機能が規定されている。
また、特許文献1では、映像を表示すべき位置に基づいて字幕を含めた文字情報の表示領域のサイズ及び表示位置を変更することにより、映像が縮小表示された場合であっても、文字情報を見やすく表示する技術が開示されている。
特開2002−199354号公報
しかしながら、そもそも字幕は、映像を表示すべき領域全体に表示され得るものであるため、字幕アウトスクリーン表示機能による場合、字幕に表示すべき文字数が多いときは、映像の領域外へ文字を表示し切れなくなるという問題があった。また、特許文献1に開示された技術では、文字情報を表示すべき位置が表示領域の幅を越える場合に改行動作を行うだけであるため、上述した文字を表示し切れない問題が解消されるものではなかった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画面に表示すべき映像を縮小して映像の領域外へ字幕を表示させる場合、字幕に表示すべき文字数の多少に関わらず、映像データに含まれる字幕の全ての文字を簡便に且つタイムリーに表示することが可能な映像処理装置、該映像処理装置を備える映像表示装置、及び映像処理方法を提供することにある。
本発明に係る映像処理装置は、映像及び該映像に同期して画面表示される字幕が多重化された映像データを受け付け、受け付けた映像データに基づく映像を縮小変換し、縮小変換した映像及び前記映像データから抽出した字幕を含む映像信号を出力する映像処理装置において、画面上で前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像の表示領域外の一部の領域内に変更する位置変更手段と、前記字幕の文字数が前記領域内に表示可能な文字数を越えるか否かを判定する手段と、該手段が越えると判定した場合、前記字幕の文字を表示すべき位置を前記領域内でスクロールさせる手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る映像処理装置は、前記映像を表示すべき領域が画面の上部(又は下部)であるか否かを判定する上下判定手段と、前記字幕が横書きであるか否かを判定する横書判定手段とを備え、該横書判定手段が横書きであると判定した場合、前記上下判定手段が上部(又は下部)であると判定したときに、前記位置変更手段が、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の下方(又は上方)の領域内に変更するようにしてあり、前記横書判定手段が横書きでないと判定した場合、前記位置変更手段が、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の側方の領域内に変更するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る映像表示装置は、上述した発明に記載の映像処理装置と、該映像処理装置で字幕の文字を表示すべき位置が映像の表示領域外の一部の領域内に変更された映像信号に基づいて映像及び字幕を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る映像処理方法は、映像及び該映像に同期して画面表示される字幕が多重化された映像データを受け付け、受け付けた映像データに基づく映像を縮小変換し、縮小変換した映像及び前記映像データから抽出した字幕を含む映像信号を出力する映像処理方法において、画面上で前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像の表示領域外の一部の領域内に変更し、前記字幕の文字数が前記領域内に表示可能な文字数を越えるか否かを判定し、越えると判定した場合、前記字幕の文字を表示すべき位置を前記領域内でスクロールさせることを特徴とする。
本発明に係る映像処理方法は、前記映像を表示すべき領域が画面の上部(又は下部)であるか否かを判定し、前記字幕が横書きであるか否かを判定し、前記字幕が横書きであると判定した場合、前記映像を表示すべき領域が上部(又は下部)であると判定したときに、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の下方(又は上方)の領域内に変更し、前記字幕が横書きでないと判定した場合、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の側方の領域内に変更することを特徴とする。
本発明にあっては、映像及び字幕が多重化された映像データに基づく映像を縮小変換した映像と、前記映像データから抽出して文字が表示さるべき位置を前記映像の表示領域外の一部の領域内に変更した字幕とを含む映像信号を出力する。字幕の文字を表示すべき位置を変更する場合、字幕の文字数が前記領域内に表示可能な文字数を超えるときは、字幕の文字を表示すべき位置を前記領域内でスクロールさせる。
これにより、縮小変換された映像の表示領域を除く画面内の一部の領域内に変更した字幕の文字の表示位置を、文字の溢れが生じるときにスクロールさせ、新たに表示すべき文字の表示位置が前記領域内に含まれるようにする。
本発明にあっては、前記字幕が横書きである場合、縮小変換された映像を表示すべき領域が画面の上部(又は下部)であるときに、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の下方(又は上方)の領域内に変更し、前記字幕が横書きでない場合、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の側方の領域内に変更する。
これにより、字幕が横書きである場合、縮小変換された映像が画面の上部及び下部に表示されるときに、前記映像の表示領域の夫々下方及び上方の領域内に字幕の文字の表示位置を変更し、該領域から文字の溢れが生じるときに文字の表示位置を上方にスクロールさせる。また、字幕が縦書きである場合、前記映像の表示領域の側方の領域内に字幕の文字の表示位置を変更し、該領域から文字の溢れが生じるときに文字の表示位置を右側方にスクロールさせる。
本発明にあっては、上述した発明に記載の映像処理装置で、字幕の文字の表示位置を文字の溢れが生じるときにスクロールさせた映像信号に基づいて、映像及び文字を表示する。
これにより、字幕に表示すべき文字数の多少に関わらず、映像データに含まれる字幕の全ての文字を簡便に且つタイムリーに表示する映像処理装置が、映像表示装置に適用される。
本発明によれば、縮小変換された映像の表示領域を除く画面内の一部の領域内に変更した字幕の文字の表示位置を、文字の溢れが生じるときにスクロールさせ、新たに表示すべき文字の表示位置が前記領域内に含まれるようにする。
従って、画面に表示すべき映像を縮小して映像の領域外へ字幕を表示させる場合、字幕に表示すべき文字数の多少に関わらず、映像データに含まれる字幕の全ての文字を簡便に且つタイムリーに表示することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るテレビジョン受像機の構成例を示すブロック図である。 アウトスクリーン表示モードにおける映像の表示方法を説明するための図表である。 アウトスクリーン表示モードにおける動画プレーン上で縮小された映像が表示される領域を示す説明図である。 字幕プレーン上で字幕が表示される領域を示す説明図である。 アウトスクリーン表示モードにおける横書きの字幕の表示例を示す説明図である。 アウトスクリーン表示モードにおける縦書きの字幕の表示例を示す説明図である。 縮小した映像の下方の矩形領域に横書きの字幕を表示する例を示す説明図である。 字幕を表示すべき位置を変更するCPUの処理手順を示すフローチャートである。 字幕を表示すべき位置を変更するCPUの処理手順を示すフローチャートである。 アウトスクリーン表示モードの設定を受け付けるCPUの処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る映像処理装置及び映像表示装置を、デジタルテレビジョン放送を受信するテレビジョン受像機に適用した実施の形態について詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係るテレビジョン受像機の構成例を示すブロック図である。図中10はテレビジョン受像機であり、テレビジョン受像機10は、受像機全体を制御するCPU101aを有する制御部101と、受像機への各種操作を遠隔で行うためのリモートコントローラ(以下、リモコンという)103から送信された赤外線信号を受信するリモコン受信部104と、放送電波を外部のアンテナ12から取り込んで前記リモコン受信部104から与えられたチャンネルのデジタル放送を受信するデジタル放送チューナ部102とを備える。
制御部101のCPU101aは、図示しないROM、RAM、タイマ及び入出力インタフェースと互いにバス接続されており、ROMに予め格納されている制御プログラムに従って入出力、演算等の処理を実行することにより、各ブロックの動作を制御する。
リモコン103は、放送電波のチャンネルを設定するための選局ボタン、後述するアウトスクリーン表示モードを設定するためのキー等の操作キーを有する。
デジタル放送チューナ部102は、受信した信号を復調及び誤り訂正したTS(トランスポートストリーム)パケットを映像/音声/字幕分離部105に与える。
映像/音声/字幕分離部105は、デジタル放送チューナ部102より与えられたTSパケットから分離した映像・音声のパケット、字幕のパケット、及びEPG(Electric Program Guide)のパケットを音声/映像デコード部112、字幕デコード部106及びリモコン受信部104に夫々与える。音声/映像デコード部112は、映像/音声/字幕分離部105から与えられた映像・音声のパケットに含まれる符号化信号を復号した映像信号及び音声信号を映像/OSD(On Screen Display)/字幕信号合成部113及び音声信号増幅部114に夫々与える。
映像/OSD/字幕信号合成部113は、音声/映像デコード部112から与えられた映像信号と、後述するOSD表示部111及び字幕表示部109から夫々与えられたOSD信号及び字幕信号とを合成した信号を、LCDからなる映像出力部115に与える。これにより、動画プレーン(映像が表示される画面)、文字図形プレーン(OSD等の文字図形が表示される画面)及び字幕プレーン(字幕が表示される画面)の各画素が混合されてLCDの表示面に表示される。
音声信号増幅部114は、音声/映像デコード部112から与えられた音声信号を増幅して、スピーカからなる音声出力部116に与える。
尚、映像出力部115及び音声出力部116が、夫々外部のLCD表示器及びスピーカに映像信号及び音声信号を出力するようにしてもよい。
字幕デコード部106は、映像/音声/字幕分離部105から与えられた独立PES(Packetized Elementary Stream)と称される字幕のパケットをデコードし、デコードしたデータを、位置設定変更部108を介して字幕表示部109に与える。このデータには、文字コード、表示領域のサイズ・位置、書式等が含まれる。位置設定変更部108は、後述するアウトスクリーン設定保存部107からアウトスクリーン表示モードの設定を与えられた場合、字幕デコード部106から与えられたデータに含まれる字幕の表示位置を変更して字幕表示部109に与える。
字幕表示部109は、位置設定変更部108を介して字幕デコード部106から与えられた字幕の文字コード、表示領域のサイズ・位置、書式等のデータに基づき、字幕信号を生成して映像/OSD/字幕信号合成部113に与える。字幕表示部109は、また、領域オーバー判定部110に表示領域のサイズ・位置、字幕の文字の表示位置等のデータを与える。領域オーバー判定部110は、字幕の文字が表示領域から溢れるか否かを判定し、溢れると判定した場合に、字幕表示部109が字幕の文字を上方(横書きのとき)又は右側方(縦書きのとき)にスクロールさせるようにしてある。
リモコン受信部104は、映像/音声/字幕分離部105から与えられたEPGのパケットを解析した内容をOSD表示部111に与える。リモコン受信部104は、また、リモコン103の操作キーが操作された場合、受信した赤外線信号を解析して操作キーに対する操作を受け付けたときに、画面に表示すべき内容をOSD表示部111に与える。この場合、受け付けた操作が、ARIB規格TR−B14に規定される字幕アウトスクリーン表示機能を利用するモード(以下、アウトスクリーン表示モードという)の設定操作である場合、受け付けた設定をアウトスクリーン設定保存部107に与える。
アウトスクリーン設定保存部107は、リモコン受信部104から与えられたアウトスクリーン表示モードの設定を保存し、保存した設定を音声/映像デコード部112、位置設定変更部108及びOSD表示部111に与える。OSD表示部111は、リモコン受信部104から与えられた表示内容を、アウトスクリーン設定保存部107から与えられたアウトスクリーン表示モードの設定に応じて調整し(例えば、OSD表示と字幕とが重ならないようにし)、OSD信号を生成して映像/OSD/字幕信号合成部113に与える。
上述したアウトスクリーン表示モードの設定には、字幕アウトスクリーン表示機能によって縮小変換(以下、単に縮小という)した映像の表示位置(画面の上下何れかの位置)の設定が含まれるものとする。これにより、アウトスクリーン設定保存部107からアウトスクリーン表示モードの設定を与えられた音声/映像デコード部112は、与えられた設定に応じて映像信号に含まれる映像を縮小し、画面上の指定された位置に映像を表示すべく映像信号を生成するようにしてある。
次に、字幕と字幕アウトスクリーン表示機能とについて説明する。字幕アウトスクリーン表示機能とは、字幕とテレビジョン放送画面内の文字テロップが重ならないようにして視聴可能にすることを目的に、動画(映像)を縮小表示する機能である。
図2は、アウトスクリーン表示モードにおける映像の表示方法を説明するための図表であり、図3は、アウトスクリーン表示モードにおける動画プレーン上で縮小された映像が表示される領域を示す説明図である。図3では、動画プレーン上の左上角に原点を置き、横方向及び縦方向に夫々X軸及びY軸をとって説明する。図3の()内は、SD(Standard Definition)動画の場合の数値を示す。また、図2の図表に示す座標値の対(X1,Y1)-(X2,Y2)は、動画プレーン上で映像が表示される領域の対角の座標値を示す(図3参照)。
ARIB規格上で利用可能な字幕の表示書式は、HD(High Definition)動画及びSD動画夫々について、960×540及び720×480である。この場合の動画プレーンの解像度は、夫々1920×1080及び720×480とされている。HD動画及びSD動画で映像を縮小表示する場合は、映像を96/128にスケーリング(縮小)する。そして、図3(a)に示すように縮小した映像を画面の中央寄りの上部に表示するときは、対角の座標値(120×2,0×2)−(840×2,405×2)又は(90,0)−(630,360)によって夫々示される領域に表示する。これに対し、図3(b)に示すように縮小した映像を画面の中央寄りの下部に表示するときは、対角の座標値(120×2,135×2)−(840×2,540×2)又は(90,120)−(630,480)によって夫々示される領域に表示する。
図4は、字幕プレーン上で字幕が表示される領域を示す説明図である。ここでも字幕プレーンの左上角に原点を置き、横方向及び縦方向に夫々X軸及びY軸をとって説明する。字幕の表示領域は、字幕プレーン上の任意の領域に任意のサイズで夫々独立して表示されるような指定が可能である。この指定は、上述した独立PESパケットによって伝送される字幕管理データ及び字幕文データに夫々含まれる制御符号によって行われる。具体的には、表示領域の大きさを示す縦横の画素数が制御符号SDFで、表示領域の左上角の座標(最初の動作位置)が制御符号SDPで夫々指定される。
図5は、アウトスクリーン表示モードにおける横書きの字幕の表示例を示す説明図であり、図6は、アウトスクリーン表示モードにおける縦書きの字幕の表示例を示す説明図である。図5,6では、画面上の左上角に原点を置き、横方向及び縦方向に夫々X軸及びY軸をとって説明する。()内は、SD動画の場合の数値である。アウトスクリーン表示モードは、上述したようにリモコン103のキー操作によって設定される。この場合、縮小した映像を図5(a)及び図6(a)のように画面の中央寄りの上部に表示するか、又は図5(b)及び図6(b)のように画面の中央寄りの下部に表示するかの設定も行われる。
字幕の独立PESパケットで横書きの字幕を指定された場合、映像の表示領域が図5(a)のように画面の上部に設定されているときは、字幕を(0,405)−(960,540)又は(0,360)−(720,480)に表示する。また、映像の表示領域が図5(b)のように画面の下部に設定されているときは、字幕を(0,0)−(960,135)又は(0,0)−(720,120)に表示する。
一方、字幕の独立PESパケットで縦書きの字幕を指定された場合、字幕を(840,0)−(960,540)又は(630,0)−(720,480)で示される画面の右側部に表示する。
尚、縦書きの字幕を(0,0)−(120,540)又は(0,0)−(90,480)で示される画面の左側部に表示してもよい。また、縦書きの字幕を画面の左右どちらの側部に表示するかをリモコン103から設定するようにしてもよい。
図7は、縮小した映像の下方の矩形領域に横書きの字幕を表示する例を示す説明図である。ここでは、字幕が横書きの場合に、アウトクリーン表示モードによって映像を画面の上部に表示するときを例として説明する。本実施の形態では、アウトスクリーン表示モードで縮小された映像が画面の上部(又は下部)に表示されている場合、映像が表示される領域の下方(又は上方)の矩形領域に横書きの字幕の文字を順次表示する。映像の下方に表示可能な字幕の行数は、字幕の制御符号で指定される文字構成(ドット構成)によって変わるために一定ではないが、本実施の形態では、字幕に2行の文字を表示できるものとする。
動画プレーンの画素と字幕プレーンの画素とは重なって表示されるため、通常の字幕は、図7(a)に示すように映像の表示領域内に映像と重なって表示される。例えば、字幕の文字が「あああ・・・、いいい・・・、ううう・・・、えええ・・・」と4行で表示されている場合、字幕の文字の表示位置を図7(b)に示すように映像の下方に変更して「あああ・・・」、「いいい・・・」と順番に表示する。
次いで、図7(a)の字幕の3行目に表示された「う」の文字を画面の下方に表示する場合、本実施の形態では、図7(b)に示す字幕の表示領域から「う」の文字の表示位置が溢れるため、既に字幕に表示した「あああ・・・」、「いいい・・・」の2行を画面の上方にスクロールさせ、図7(c)に示すように「あああ・・・」の1行をスクロールアウトさせて「う」以下の1行を順次表示する。
同様に、図7(a)の字幕の4行目に表示された「え」の文字を画面の下方に表示する場合、図7(c)に示す字幕の表示領域から「え」の文字の表示位置が溢れるため、字幕に表示されている「いいい・・・」、「ううう・・・」の2行を画面の上方にスクロールさせ、図7(d)に示すように「いいい・・・」の1行をスクロールアウトさせて「え」以下の1行を順次表示する。
以下に、上述したテレビジョン受像機10の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。図8,図9は、字幕を表示すべき位置を変更するCPU101aの処理手順を示すフローチャートである。また、図10は、アウトスクリーン表示モードの設定を受け付けるCPU101aの処理手順を示すフローチャートである。図8の処理は、リモコン受信部104が選局の操作を受け付けた場合、又は映像/音声/字幕分離部105が、PMT(Program Map Table)の更新を検出した場合に起動され、図示しないROMに予め格納されている制御プログラムに従って実行される。
尚、図8の処理が起動される前に、図10の処理に従って予めリモコン103からアウトスクリーン表示モードの設定操作、及び映像の表示位置(画面の上下何れかの位置)の設定操作が行われ、これらの設定がリモコン受信部104で受け付けられてアウトスクリーン設定保存部107に保存されているものとする。
また、字幕管理データを受信したことを示す「FLG」、字幕の文字の表示位置を示す「表示位置」等のデータは、制御部101の図示しないRAM、又は図1に示す各部が有する図示しないレジスタに記憶するものとする。
図8の処理が起動された場合、CPU101aは、制御部101の図示しないタイマに3分の計時を開始させ(ステップS11)、「FLG」を0にクリアする(ステップS12)。これにより、字幕管理データを未受信の状態とする。その後、CPU101aは、タイマが計時を終了したか否かを判定し(ステップS13)、終了したと判定した場合(ステップS13:YES)、処理をステップS11に戻す。これにより、後述する字幕管理データの受信が、計時を開始してから3分以内に行われない場合は、字幕管理データの受信からやり直すようにする。
タイマが計時を終了していないと判定した場合(ステップS13:NO)、CPU101aは、独立PESパケットを受信したか否かを判定する(ステップS14)。受信していないと判定した場合(ステップS14:NO)、CPU101aは、処理をステップS13に戻す。受信したと判定した場合(ステップS14:YES)、CPU101aは、受信した独立PESパケットが字幕のパケットであるか否かを判定する(ステップS15)。字幕のパケットではないと判定した場合(ステップS15:NO)、CPU101aは、処理をステップS13に戻す。
字幕のパケットであると判定した場合(ステップS15:YES)、CPU101aは、字幕のパケットに字幕管理データが有るか否かを判定する(ステップS16)。字幕のパケットに字幕管理データが有ると判定した場合(ステップS16:YES)、CPU101aは、「FLG」に1をセットする(ステップS17)。そして、CPU101aは、字幕管理データから字幕の縦書き/横書きの区別、SDFで指定される表示領域の縦横の画素数、SDPで指定される最初の動作位置、文字構成(ドット構成)、文字間隔、行間隔等の書式を読み出して記憶する(ステップS18)。その後、CPU101aは、制御部101のタイマに3分の計時を再開させる(ステップS19)。
ステップS19の処理を終えた場合、又はステップS16で字幕のパケットに字幕管理データが無いと判定した場合(ステップS16:NO)、CPU101aは、受信した字幕のパケットに字幕のデータ(字幕文データ)が有るか否かを判定する(ステップS20)。字幕のデータが無いと判定した場合(ステップS20:NO)、CPU101aは、処理をステップS13に戻す。
字幕のデータが有ると判定した場合(ステップS20:YES)、CPU101aは、字幕管理データを受信したことを示す「FLG」が1にセットされているか否かを判定する(ステップS21)。1にセットされていないと判定した場合(ステップS21:NO)、即ち、字幕管理データを受信していない場合、CPU101aは、字幕の文字を表示することができないため、処理をステップS13に戻す。
「FLG」が1にセットされていると判定した場合(ステップS21:YES)、CPU101aは、ステップS18で記憶した書式に横書きが指定されているか否かを判定する(ステップS22)。横書きが指定されていないと判定した場合(ステップS22:NO)、即ち縦書きが指定されている場合、CPU101aは、字幕の表示領域を映像の表示領域の右側方に設定する(ステップS23)。この場合、縦書きの字幕の表示領域の右上角を、字幕の文字の最初の表示位置とする。
記憶した書式に横書きが指定されていると判定した場合(ステップS22:YES)、CPU101aは、映像の表示位置が画面の上部に設定されているか否かを判定する(ステップS24)。画面の上部に設定されていると判定した場合(ステップS24:YES)、CPU101aは、字幕の表示領域を映像の表示領域の下方に設定する(ステップS25)。映像の表示位置が画面の上部に設定されていないと判定した場合(ステップS24:NO)、即ち下部に設定されている場合、CPU101aは、字幕の表示領域を映像の表示領域の上方に設定する(ステップS26)。これらの字幕が横書きの場合、字幕の表示領域の左上角を字幕の文字の最初の表示位置とする。
ステップS23、ステップS25、又はステップS26の処理を終えた場合、CPU101aは、設定した字幕の表示領域について、図示しない表示メモリ等を初期化する(ステップS27)。
以下では、図9の処理を説明する。ステップS27で字幕の表示領域についての初期化を終えた場合、CPU101aは、ステップS23,S25,S26で設定した最初の表示位置を「表示位置」に初期値として記憶する(ステップS31)。これにより、最初の動作位置に表示すべき文字を、最初の表示位置に表示する準備が整う。
次いで、CPU101aは、字幕のデータから順次取り出せる文字コードが有るか否かを判定する(ステップS32)。取り出せる文字コードが無いと判定した場合(ステップS32:NO)、CPU101aは、処理を図8のステップS13に戻す。取り出せる文字コードが有ると判定した場合(ステップS32:YES)、CPU101aは、取り出した1つの文字コードが、SDF、SDP等の制御符号であるか否かを判定する(ステップS33)。
制御符号であると判定した場合(ステップS33:YES)、CPU101aは、判定した制御符号に対応する処理を実行し(ステップS34)、処理をステップS32に戻す。制御符号ではないと判定した場合(ステップS33:NO)、即ち文字符号である場合、CPU101aは、該文字符号で表される文字のサイズに両側の文字間隔及び上下の行間隔を加えた矩形の表示区画を算出する(ステップS35)。その後、CPU101aは、「表示位置」を表示区画のサイズ分だけ前進させる(ステップS36)。この場合、字幕が横書きの場合はX軸の方向へ、縦書きの場合はY軸の方向へ前進させるものとする。
次いで、CPU101aは、「表示位置」がSDFで指定された表示領域(横書きのときは横幅。縦書きのときは縦幅)を超えるか否かを判定する(ステップS37)。表示領域を超えると判定した場合(ステップS37:YES)、CPU101aは、次行(横書きのとき)又は次列(縦書きのとき)の先頭を「表示位置」とする(ステップS38)。表示領域を超えないと判定した場合(ステップS37:NO)、又はステップS38の処理を終えた場合、CPU101aは、表示位置が表示領域から溢れるか否かを判定する(ステップS39)。表示領域から溢れると判定した場合(ステップS39:YES)、CPU101aは、ステップS18で記憶した書式に横書きが指定されているか否かを判定する(ステップS40)。
横書きが指定されていると判定した場合(ステップS40:YES)、CPU101aは、字幕に表示している全ての行を1行だけ上方にスクロールさせる(ステップS41)。これにより、字幕の最上部に表示されていた行は表示されなくなり、字幕の最下行に空行が1行挿入される。横書きが指定されていないと判定した場合(ステップS40:NO)、即ち縦書きが指定されている場合、CPU101aは、字幕に表示している全ての列を1列だけ右側方にスクロールさせる(ステップS42)。これにより、字幕の左端部に表示されていた列は表示されなくなり、字幕の右端部に空きの列が1列挿入される。
ステップS39で表示領域から溢れないと判定した場合(ステップS39:NO)、又はステップS41,S42の処理を終えた場合、CPU101aは、字幕表示部109の図示しない表示メモリに、文字符号及び書式を書き込み(ステップS43)、処理をステップS32に戻す。
図10の処理は、リモコン103のキー操作によってアウトスクリーン表示モードの設定メニューの表示が要求され、該要求がリモコン受信部104で受け付けられた場合に起動される。
図10の処理が起動された場合、CPU101aは、映像出力部115にアウトスクリーン表示モードの設定メニューを表示させる(ステップS51)。その後、CPU101aは、リモコン受信部104がリモコン103のキー操作を受け付けた場合に、アウトスクリーン表示モードの設定操作が有ったか否かを判定する(ステップS52)。
アウトスクリーン表示モードの設定操作が有ったと判定した場合(ステップS52:YES)、CPU101aは、設定を受け付けてアウトスクリーン設定保存部107に保存させる(ステップS53)、処理をステップS52に戻す。設定操作がなかったと判定した場合(ステップS52:NO)、CPU101aは、アウトスクリーン表示モードの設定終了の操作が有ったか否かを判定する(ステップS54)。設定終了の操作がなかったと判定した場合(ステップS54:NO)CPU101aは、処理をステップS52に戻す。
アウトスクリーン表示モードの設定終了の操作が有ったと判定した場合(ステップS54:YES)、CPU101aは、映像出力部115にアウトスクリーン表示モードの設定メニューを消去させて(ステップS55)処理を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、映像及び字幕が多重化された映像データに基づく映像をARIB規格TR−B14で規定される字幕アウトスクリーン表示機能に基づいて縮小変換した映像と、前記映像データから抽出して文字を表示すべき位置を前記映像の表示領域外の一部の領域内に変更した字幕とを含む映像信号を映像出力部に出力し、表示させる。字幕の文字の表示位置を変更する場合、字幕の文字数が前記領域内に表示可能な文字数を超えるときは、字幕の文字の表示位置を前記領域内でスクロールさせる。
従って、画面に表示すべき映像を縮小して映像の領域外へ字幕を表示させる場合、字幕に表示すべき文字数の多少に関わらず、映像データに含まれる字幕の全ての文字を簡便に且つタイムリーに表示することが可能となる。
また、字幕が横書きである場合、縮小変換された映像が画面の上部及び下部に表示されるときに、前記映像の表示領域の下方及び上方夫々の矩形領域内に字幕の文字の表示位置を変更し、該矩形領域から文字の溢れが生じるときに文字の表示位置を上方にスクロールさせる。また、字幕が縦書きである場合、前記映像の表示領域の側方の矩形領域内に字幕の文字の表示位置を変更し、該矩形領域から文字の溢れが生じるときに文字の表示位置を右側方にスクロールさせる。
従って、時間的に先に表示すべき字幕の文字からスクロールアウトさせて、後から表示すべき文字の表示位置が前記矩形領域に含まれるようにすることが可能となる。
更にまた、字幕の文字の表示位置を文字の溢れが生じるときにスクロールさせた映像信号に基づいて、映像及び文字を表示する。
従って、字幕に表示すべき文字数の多少に関わらず、映像データに含まれる字幕の全ての文字を簡便に且つタイムリーに表示する映像処理装置が、テレビジョン受像機等の映像表示装置に適用することが可能となる。
尚、本実施の形態にあっては、映像処理装置をテレビジョン受像機に適用した例について説明したが、これに限定されるものではなく、デジタルテレビジョン放送を受信するデジタルテレビジョンチューナ、又はテレビジョン受像機若しくはデジタルテレビジョンチューナにおいて映像処理を行う映像処理基板に適用してもよい。
また、字幕が縦書きの場合、字幕を映像の表示領域の右側方に表示したが、左側方に表示するようにしてもよいし、左右何れの側方に表示するのかがリモコン103の操作によって設定される場合は、字幕を表示するときに前記設定に応じて左右の表示位置を切り替えるようにしてもよい。
更にまた、地上デジタルテレビジョン放送運用規定(ARIB規格TR−14)に規定される映像データを例に説明したが、これに限定されるものではなく、字幕及び文字スーパーを扱う他の信号方式による映像データであってもよい。
10 テレビジョン受像機
101 制御部
101a CPU
103 リモコン
105 映像/音声/字幕分離部
106 字幕デコード部
107 アウトスクリーン設定保存部
108 位置設定変更部(位置変更手段、上下判定手段、横書判定手段)
109 字幕表示部(スクロールさせる手段)
110 領域オーバー判定部(表示可能な文字数を超えるか否かを判定する手段)
113 映像/OSD/字幕信号合成部
115 映像出力部(表示部)
12 アンテナ

Claims (5)

  1. 映像及び該映像に同期して画面表示される字幕が多重化された映像データを受け付け、受け付けた映像データに基づく映像を縮小変換し、縮小変換した映像及び前記映像データから抽出した字幕を含む映像信号を出力する映像処理装置において、
    画面上で前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像の表示領域外の一部の領域内に変更する位置変更手段と、
    前記字幕の文字数が前記領域内に表示可能な文字数を越えるか否かを判定する手段と、
    該手段が越えると判定した場合、前記字幕の文字を表示すべき位置を前記領域内でスクロールさせる手段と
    を備えることを特徴とする映像処理装置。
  2. 前記映像を表示すべき領域が画面の上部(又は下部)であるか否かを判定する上下判定手段と、
    前記字幕が横書きであるか否かを判定する横書判定手段とを備え、
    該横書判定手段が横書きであると判定した場合、前記上下判定手段が上部(又は下部)であると判定したときに、前記位置変更手段が、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の下方(又は上方)の領域内に変更するようにしてあり、
    前記横書判定手段が横書きでないと判定した場合、前記位置変更手段が、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の側方の領域内に変更するようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の映像処理装置と、
    該映像処理装置で字幕の文字を表示すべき位置が映像の表示領域外の一部の領域内に変更された映像信号に基づいて映像及び字幕を表示する表示部と
    を備えることを特徴とする映像表示装置。
  4. 映像及び該映像に同期して画面表示される字幕が多重化された映像データを受け付け、受け付けた映像データに基づく映像を縮小変換し、縮小変換した映像及び前記映像データから抽出した字幕を含む映像信号を出力する映像処理方法において、
    画面上で前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像の表示領域外の一部の領域内に変更し、
    前記字幕の文字数が前記領域内に表示可能な文字数を越えるか否かを判定し、
    越えると判定した場合、前記字幕の文字を表示すべき位置を前記領域内でスクロールさせること
    を特徴とする映像処理方法。
  5. 前記映像を表示すべき領域が画面の上部(又は下部)であるか否かを判定し、
    前記字幕が横書きであるか否かを判定し、
    前記字幕が横書きであると判定した場合、前記映像を表示すべき領域が上部(又は下部)であると判定したときに、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の下方(又は上方)の領域内に変更し、
    前記字幕が横書きでないと判定した場合、前記字幕の文字を表示すべき位置を、前記映像を表示すべき領域の側方の領域内に変更すること
    を特徴とする請求項4に記載の映像処理方法。
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