本発明は、2つの映像信号源の受信が可能であり、受信した2つの映像信号源の画像をモニタに同時に表示するピクチャーアウトピクチャー(PoutP)機能を有するテレビジョン放送信号受信装置に係り、より詳細には、このような2画面表示の表示サイズを制御するテレビジョン放送信号受信装置に関する。
従来から、一方の映像信号源の画像をメイン画面とし、他方の映像信号源の画像をサブ画面として個別に表示するピクチャーアウトピクチャー(PoutP)機能を有する映像信号処理装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
この映像信号処理装置は、16:9の画面アスペクトHDTVディスプレイに4:3画面アスペクトのHDTV信号の画面とVGA信号の画面とを左右に配置して表示するようになっている。このように配置することで、アスペクト比を保ったままでの2画面表示を可能としている。
特開2003−333454号公報
しかし、上記従来の映像信号処理装置では、このように2画面表示された各画面の表示サイズをユーザが自由に設定変更できる構成とはなっていない。そのため、例えば左側の画面をもう少し大きく表示したい場合には、2画面表示を解消して左側だけの画面を表示する通常表示に戻すか、若しくは多少見にくくても現状のまま我慢して視聴するしかなかった。
通常表示に戻した場合には、サブ画面の内容がチェックできなくなるため、サブ画面側での視聴タイミングを逃してしまう可能性がある。例えば、サブ画面で野球を見ている場合には得点シーンを見逃してしまうとか、サッカーを見ている場合にはゴールシーンを見逃していまうといった可能性がある。また、現状のまま我慢して視聴する場合、その時点では不要である右側のサブ画面が、左側のメイン画面を集中して視聴するときの妨げになる可能性もある。
従って、このような場合には、2画面の表示サイズをユーザが自由に変更できれば便利であるが、現在のところ、そのようなテレビジョン放送信号受信装置は提供されていないのが実情である。
本発明はかかる実情に鑑みて創案されたもので、その目的は、ユーザの意思によって、2画面表示の各画面の表示サイズを自由に、かつ簡単な操作で変更することのできるテレビジョン放送信号受信装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のテレビジョン放送信号受信装置は、複数の映像信号源の受信が可能であり、受信した複数の映像信号源の画像をモニタに同時に表示する複数画面表示モードを有するテレビジョン放送信号受信装置において、複数画面の表示形態を制御する表示制御手段と、各種操作信号を入力する入力手段とを備え、複数画面表示モード時、前記表示制御手段は、前記モニタの表示画面を横境界線と縦境界線とで十字状に分割して4分割画面を生成し、その4分割画面のうち少なくとも一つの対角方向に位置する2画面に前記各映像信号源の画像をそれぞれ表示する一方、前記入力手段は、前記横境界線と前記縦境界線との交点部分を指示する指示手段と、指示した交点部分を画面上でスライド移動させる移動手段とをさらに備えており、前記表示制御手段は、前記入力手段により前記交点部分が指示されてスライド移動されたときには、その交点部分のスライド移動に従って前記横境界線及び前記縦境界線を上下及び左右に移動させることによって、前記分割画面の表示サイズを変化させる構成としている。
すなわち、リモコン等の入力手段によって画面上の横境界線と縦境界線との交点部分をポインタ等で指示し、その状態で、ポインタを画面上でスライド移動させることにより、表示制御手段は、このスライド移動に従って横境界線を上下移動させるとともに、縦境界線を左右移動させて、各分割画面の表示サイズを変化させる。このとき、表示制御手段は、各画面に表示される画像を、その表示サイズに応じて拡大または縮小表示する。ここで、表示サイズの縮小は、そのサイズに応じて水平画素と垂直画素とを間引く処理を行うことによって実現することができる。このような間引き処理自体は従来周知の一般的な処理であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
このように、各画面の表示サイズをユーザ操作によって自由に変更できるように構成することで、例えば、4分割画面のうち左下側に表示されているメイン画面をもう少し大きく表示したい場合には、交点部分を指示して右上方向にスライド移動させればよい。これにより、左下側の画面がスライド移動に伴って拡大表示され、右上側に表示されていたサブ画面がスライド移動に伴って縮小表示されることになる。従って、ユーザは、サブ画面を消去することなく、メイン画面をより視聴しやすい表示サイズまで拡大表示することが可能となる。
本発明では、この4分割画面の全てに画像を表示してもよい。この場合、スライド移動によって一つの対角方向の2画面はアスペクト比を保ってサイズ変更できるが、他の対角方向の2画面はアスペクト比を保ってはサイズ変更できないことになる。そのため、アスペクト比を考慮すると、前記複数画面表示モードを、4分割画面のうち一つの対角方向の2画面のみを表示する2画面表示モードとし、交点部分のスライド移動方向を、この2画面の表示方向に沿った対角線上の方向にのみ可能となるように構成するのがよい。これにより、画面サイズをどのように変更しても、両画面のアスペクト比は常に保たれることになる。
ここで、前記入力手段をリモコンとし、前記指示手段はこのリモコンの上下左右キーと決定キーとによって構成し、前記移動手段をリモコンの上下キーまたは左右キーによって構成してもよい。この構成によれば、リモコンに従来から設けられている既存のキーのみを使用して、指示手段と移動手段とを構成することができる。そして、2画面表示モードにおいて、ユーザが2画面の表示サイズを変更したい場合には、画面上に例えば矢印のようなポインタが表示されるので、このポインタを上下左右キーによって4分割画面の交点部分まで移動し、その状態で決定キーを押すことによって、交点部分を指示する。そして、この状態において、例えば上キーまたは右キーを押すと、ポインタが交点部分を指示した状態で画面右上方向に対角線上を移動し、例えは下キーまたは左キーを押すと、ポインタが交点部分を指示した状態で画面左下方向に対角線上を移動する。これにより、対角方向に表示されている2画面が、このポインタの移動に伴って拡大及び縮小されることになる。
また、前記入力手段をリモコンとした場合、前記指示手段をリモコンに新たに設けられたサイズ変更キーによって構成し、前記移動手段がリモコンの上下キーまたは左右キーによって構成してもよい。そして、2画面表示モードにおいて、ユーザが2画面の表示サイズを変更したい場合には、リモコンのサイズ変更キーを押すことによって、交点部分にポインタが表示されるので、この状態において、例えば上キーまたは右キーを押すと、ポインタが交点部分を指示した状態で画面右上方向に対角線上を移動し、例えは下キーまたは左キーを押すと、ポインタが交点部分を指示した状態で画面左下方向に対角線上を移動する。これにより、対角方向に表示されている2画面が、このポインタの移動に伴って拡大及び縮小されることになる。この構成では、リモコンにサイズ変更キーを新たに設ける必要があるが、このサイズ変更キーを設けることによって、交点部分をポインタで指示する操作が、このサイズ変更キーのみの操作で可能となる。つまり、上下左右キーと決定キーとを使って交点部分をポインタで指示する場合の操作手順を省くことができるため、ユーザにとってはより使い勝手のよいものとなる。
また、本発明のテレビジョン放送信号受信装置によれば、前記表示制御手段は、前記入力手段により文字情報を表示する操作(例えば、リモコンに設けられているメニューキーが押された場合等)が行われたときには、その時点で4分割画面がどのような表示サイズになっていても、交点部分を画面中央部に移動して均等な4分割画面に変更するとともに、画像が表示されていない他の画面にメニュー画面を表示する構成としている。このメニュー画面から選択される各種設定画面としては、ボリュームの変更や色調の変更等の設定画面をはじめ、字幕の表示の有無や表示言語の変更等の各種設定画面が含まれる。このように、OSD表示された設定画面を余白画面に表示することで、視聴している画像に重ならずに各種の設定が行えることになり、ユーザにとって使い勝手のよいものとなる。
本発明のテレビジョン放送信号受信装置によれば、複数画面表示モードにおいて、各画面の表示サイズをユーザ操作によって自由に変更できるように構成したので、ユーザは、簡単な操作で、視聴したい画面を所望する表示サイズまで自由に拡大することができる。この場合、例えば4分割画面のうち左下側に表示されているメイン画面をもう少し大きく表示したい場合には、交点部分を指示して右上方向にスライド移動させるだけの簡単な操作で、サブ画面を消去することなく、メイン画面をより視聴しやすい表示サイズまで拡大表示することが可能となる。
また、本発明のテレビジョン放送信号受信装置によれば、交点部分のスライド移動方向を、2画面の表示方向に沿った対角線上の方向にのみ可能となるように構成したので、画面サイズをどのように変更しても、両画面のアスペクト比を常に一定に保つことができ、ユーザにとっては見易い画面構成のままでの拡大、縮小が可能となる。
さらに、本発明のテレビジョン放送信号受信装置によれば、入力手段により文字情報を表示する操作が行われたとき、この文字情報を余白画面に表示するように構成したので、視聴している画像に重ならずに各種の文字情報の表示が行えるため、ユーザにとって使い勝手のよいものとなる。
以下、本発明の実施の形態について図面1ないし図8を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るテレビジョン(TV)放送信号受信装置の機能ブロック図を示している。なお、本実施形態では、2つの映像信号源として、アナログTV放送信号を受信可能なアナログチューナと、デジタルTV放送信号を受信可能なデジタルチューナとを搭載した場合を例に挙げて説明するが、この2つのチューナが共にデジタルチューナであっても、またアナログチューナであってもよい。また、映像信号源も2つに限らず、3つまたは4つであってもよい。
図1に示すように、TV放送信号受信装置1は、放送局から配信されるデジタルTV放送信号やアナログTV放送信号をアンテナ10を介して受信し、TV放送信号に含まれる映像信号及び音声信号をモニタ21に出力する装置であり、複数のチューナ11,12と、ATSCフロントエンド13と、NTSCデコーダ14と、映像・音声処理部15と、オンスクリーンディスプレイ部(OSD)16と、メモリ17と、リモコン20からのキー操作信号を受信する受信部18と、装置全体の動作制御を司るCPU、ROM、RAM等からなる制御部19とを備えている。
TV放送信号受信装置1には、放送局から所定周波数の高周波電波で発信されるTV放送信号を受信するためのアンテナ10と、TV番組の映像を映し出すと共に音声を出力するモニタ21と、TV放送信号受信装置1との間で映像信号及び音声信号を入出力するためのハードディスクドライブ(HDD)装置やDVD(Digital Versatile Disc)装置等の外部機器3とが接続されている。
チューナ11,12は、その受信周波数を、ユーザにより選局されたチャンネルに対応する周波数に同調させることにより、選局されたチャンネルのTV放送信号をアンテナ10を介して受信する。
ATSCフロントエンド13は、チューナ12で受信したデジタルTV放送信号の復調、誤り訂正処理を行い、多重化された信号の中から必要なTS(Transport Stream)パケットを分離し、TV放送信号受信装置1内の各ブロックへ、それぞれ必要なTSパケットを供給する。
NTSCデコーダ14は、チューナ11で受信したアナログTV放送信号を復号化し、復号化した映像信号をデジタル信号に変換して映像・音声処理部15に出力する。
映像・音声処理部15は、ATSCフロントエンド13から入力される映像信号及び音声信号を含むTSパケットをデコードするMPEG映像デコーダ及びMPEG音声デコーダと、ATSCフロントエンド13及びNTSCデコーダ14から入力される文字情報を含む信号をデコードして文字情報を抽出する文字情報デコーダと、MPEG映像デコーダによりデコードされた映像信号及びNTSCデコーダ14から入力された映像信号を合成してメイン画面及びサブ画面を生成するとともに、MPEG映像デコーダによりデコードされた映像信号及びNTSCデコーダ14から入力された映像信号を合成して2画面の分割画面を生成し、合成された画面に文字情報デコーダによりデコードされた文字情報を合成するPoutP(ピクチャーアウトピクチャー)回路とを備えている。
映像・音声処理部15で処理された映像信号は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)部16を介してモニタ21に出力され、モニタ画面に映像が表示される。また、映像・音声処理部15で処理された音声信号はモニタ21に出力され、不図示のスピーカから音声出力される。このように、映像・音声処理部15は、映像出力手段、音声出力手段、及び文字情報出力手段として機能する。なお、映像・音声処理部15には、チューナ11,12を介して受信した映像信号及び音声信号が入力される他、外部機器3から外部入力端子23を介して映像信号及び音声信号が入力可能となっている。
オンスクリーンディスプレイ部16は、映像・音声処理部15から入力された映像信号に所定の表示画像を重畳させる。メモリ17は、MPEGデコードされた映像信号や、文字情報デコーダによりデコードされた文字情報を一時的に記憶する他、デコードされた映像信号に重畳させる表示画像を記憶する。制御部19は、不図示のROMに記憶されているプログラムに従って各種処理を実行し、ATSCフロントエンド13やNTSCデコーダ14等、TV放送信号受信装置1全体を制御する。
次に、複数チャンネルのTV放送信号を受信してPoutP表示する場合(すなわち、2画面表示モード時)のTV放送信号受信装置1の処理について、デジタルTV放送信号及びアナログTV放送信号を受信した場合を例に説明する。
チューナ11は所定チャンネルのアナログTV放送信号を受信し、受信したアナログTV放送信号をNTSCデコーダ14に出力する。NTSCデコーダ14に入力されたアナログTV放送信号は復号化され、デジタル信号に変換された映像信号が映像・音声処理部15に入力される。一方、チューナ12は所定チャンネルのデジタルTV放送信号を受信し、受信したデジタルTV放送信号をATSCフロントエンド13に出力する。ATSCフロントエンド13に入力されたデジタルTV放送信号は、TSパケットとして抽出され、映像・音声処理部15等に入力される。映像・音声処理部15に入力された映像信号及び音声信号を含むTSパケットは、MPEG映像デコーダ及びMPEG音声デコーダでMPEGデコードされる。また、アナログTV放送信号及びデジタルTV放送信号に含まれる文字情報は、文字情報デコーダによりデコードされ、文字情報が抽出される。
映像・音声処理部15は、NTSCデコーダ14でデジタル信号に変換された映像信号、MPEG映像デコーダでMPEGデコードされた映像信号、及び文字情報デコーダでデコードされた文字情報を合成してモニタ21に出力するための映像を生成する。
図2は、このようにして生成された各映像信号の画像を2画面表示する場合の表示画面例を示している。すなわち、本実施形態では、2画面表示モード時、モニタ21の表示画面を横境界線L1と縦境界線L2とで十字状に分割して4分割画面を生成し、その4分割画面のうち一つの対角方向に位置する2画面(この例では、左下の画面41と右上の画面42の2画面)に各映像信号の画像A,Bをそれぞれ表示している。なお、このときの各画面41,42の表示サイズはデフォルトで設定されている表示サイズとし、画面41がメイン画面(大画面)、画面42がサブ画面(小画面)となるように設定されているものとする。また、左上の画面43と右下の画面44は余白画面(例えば、黒画面や青画面等)となっている。
図3は、リモコン20のキー配置の構造の一例を示す説明図である。すなわち、リモコン20には、電源キー111、テンキー112、メニューキー113、サイズ変更キー114、上下左右キー115、決定キー116、及びその他の各種機能キー117が設けられている。
上記構成のTV放送信号受信装置1において、制御部19は、PoutPによる2画面表示モード時、リモコン20からの表示サイズの変更指示に従って各画面の表示サイズを変更する(変化させる)制御を行うようになっている。以下、この表示サイズの変更制御について、具体的に実施例を挙げて説明する。
本実施例1は、リモコン20のサイズ変更キー114を使用しないで表示サイズを変更制御する実施例である。すなわち、リモコン20に最初から設けられているキーのみで表示サイズの変更制御を実施するものである。従って、本実施例1ではサイズ変更キー114は不要であるが、本実施例1では、図3に示すリモコン20の構成を用いて説明を行うものとする。以下、図3に示すリモコン20の各キー、図4に示すフローチャート、及び図5に示すモニタ画面の表示例を参照して本実施例1の表示サイズ変更制御処理を説明する。
2画面表示モード時、図5(a)に示すように、メイン画面41に画像A、サブ画面42に画像Bが表示されており、不図示のスピーカからはメイン画面41に表示されている画像Aの音声が出力され、サブ画面42に表示されている画像Bの音声はミュートされている。またこのとき、モニタ画面の例えば余白部分にポインタP(この例では矢印の形状をしているが、どのような形状でもよい。)が予め表示されているものとする。
この状態から2画面の表示サイズを変更したい場合、ユーザは、リモコン20の上下左右キー115を操作して、ポインタPを4分割画面の交点C部分に移動する。すなわち、制御部19は、2画面表示モードにおいて、上下左右キー115が操作されたか否かを常に確認(すなわち、キー操作信号の受信の有無を確認)している(ステップS1)。そして、上下左右キー115の任意のキーが操作された場合(ステップS1でYesと判断された場合)には、そのキー操作に従って(すなわちキー操作信号に基づいて)、ポインタPを移動する(ステップS2)。
例えば、図5(a)に示す状態であった場合、上キー115aが押されると、ポインタPを上に移動し、左キー115dが押されると、ポインタPを左に移動する。この移動は、キーを押している間、ポインタPが一定距離だけ順次連続移動するように構成してもよいし、キーを1回押す度に一定の距離だけ移動するように構成してもよい。このような操作によって、図5(b)に示すように、ポインタPを交点C部分まで移動する。
そして、ポインタPを交点C部分まで移動すると、次にユーザは、リモコン20の決定キー116を操作する。すなわち、制御部19は、決定キー116が操作されたことを確認(キー操作信号を受信)すると(ステップS3でYesと判断されると)、そのときのポインタPの位置が交点C部分を指している位置であるか否かを判断し(ステップS4)、ポインタPの位置が交点C部分を指している場合(ステップS4でYesと判断された場合)には、その交点Cを移動の中点として指示する(ステップS5)。一方、決定キー116が操作されたときのポインタPの位置が交点C部分でなかった場合には、誤った操作であると判断してその操作を無視し、ステップS1に戻る。なお、交点C部分はある一定の範囲を有しており、ポインタPの先端がこの範囲に入ったとき、ポインタPが交点C部分を指していると判断する。
このようにしてポインタPにより交点Cが指示されると、次にユーザは、上キー115aまたは下キー115cの操作によって、ポインタPを移動させる。すなわち、制御部19は、上キー115aまたは下キー115cの操作を確認し(ステップS6)、上キー115aが押された場合(ステップS6でYesと判断された場合)には、交点C部分を指示した状態で、ポインタPを画面右上方向に対角線上を移動させる(ステップS7)。この移動も、キーを押している間、ポインタPが一定距離だけ順次連続移動するように構成してもよいし、キーを1回押す度に一定の距離だけ移動するように構成してもよい。これにより、ポインタPの移動(P→P′)に追随して交点Cが移動(C→C′)し、この交点Cの移動に追随して、横境界線L1が上方に移動し、縦境界線L2が右方に移動する。その結果、図5(c)に示すように、アスペクト比を保った状態で画面41の画像Aが拡大され、画面42の画像Bが縮小されることになる。
一方、下キー115cが押された場合(ステップS6でYesと判断された場合)には、交点C部分を指示した状態で、ポインタPを画面左下方向に対角線上を移動させる(ステップS7)。この移動は、キーを押している間、ポインタPが一定距離だけ順次連続移動するように構成してもよいし、キーを1回押す度に一定の距離だけ移動するように構成してもよい。これにより、ポインタPの移動(P→P″)に追随して交点Cが移動(C→C″)し、この交点Cの移動に追随して、横境界線L1が下方に移動し、縦境界線L2が左方に移動する。その結果、図5(d)に示すように、アスペクト比を保った状態で画面41の画像Aが縮小され、画面42の画像Bが拡大されることになる。なお、表示サイズの縮小は、そのサイズに応じて水平画素と垂直画素とを間引く処理を行うことによって実現することができる。このような間引き処理自体は従来周知の一般的な処理であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
この後、例えば図5(c)に示す状態で表示サイズを決定したい場合には、ユーザは、その状態で決定キー116を操作する。制御部19は、この決定キー116が操作されたことを確認すると(ステップS8でYesと判断されると)、画面表示サイズを確定し(ステップS9)、ポインタPを交点C部分から外して画面右下隅に移動(図5(a)に示す状態)させる。
なお、上記実施例1では、ポインタPを画面右上方向に対角線上を移動させるキーとして上キー115aを例示しているが、これは右キー115bであってもよい。ユーザにとっては、上キー115aであっても、右キー115bであっても、ポインタPの移動方向とキーの指す方向とがイメージ的に一致するので、どちらのキーを用いてもユーザが操作に迷うことはない。同様に、ポインタPを画面左下方向に対角線上を移動させるキーとして下キー115cを例示しているが、これは左キー115dであってもよい。ユーザにとっては、下キー115cであっても、左キー115dであっても、ポインタPの移動方向とキーの指す方向とがイメージ的に一致するので、どちらのキーを用いてもユーザが操作に迷うことはない。このことは、次の実施例2においても同様である。
このように、各画面の表示サイズをユーザ操作によって自由に変更できるように構成することで、ユーザは、サブ画面42を消去することなく、メイン画面41をより視聴しやすい表示サイズまで拡大表示することが可能となる。
本実施例2は、リモコン20のサイズ変更キー114を使用して表示サイズを変更制御する実施例である。以下、図3に示すリモコン20の各キー、図6に示すフローチャート、及び図5に示すモニタ画面の表示例を参照して本実施例2の表示サイズ変更制御処理を説明する。
2画面表示モード時、図5(a)に示すように、メイン画面41に画像A、サブ画面42に画像Bが表示されており、不図示のスピーカからはメイン画面41に表示されている画像Aの音声が出力され、サブ画面42に表示されている画像Bの音声はミュートされている。ただし、本実施例2では、このときにポインタPは画面に表示されていない。
この状態から2画面の表示サイズを変更したい場合、ユーザは、リモコン20のサイズ変更キー114を操作する。制御部19は、2画面表示モードにおいて、サイズ変更キー114が操作されたか否かを常に確認(すなわち、キー操作信号の受信の有無を確認)している(ステップS11)。そして、サイズ変更キー114が操作された場合(ステップS11でYesと判断された場合)には、制御部19は、ポインタPを交点C部分に表示し、交点Cを移動の中点として指示する(ステップS12)。
このようにしてポインタPにより交点Cが指示されると、次にユーザは、上キー115aまたは下キー115cの操作によって、ポインタPを移動させる。すなわち、制御部19は、上キー115aまたは下キー115cの操作を確認し(ステップS13)、上キー115aが押された場合(ステップS13でYesと判断された場合)には、交点C部分を指示した状態で、ポインタPを画面右上方向に対角線上を移動させる(ステップS14)。この移動も、キーを押している間、ポインタPが一定距離だけ順次連続移動するように構成してもよいし、キーを1回押す度に一定の距離だけ移動するように構成してもよい。これにより、ポインタPの移動に追随して交点Cが移動し、この交点Cの移動に追随して、横境界線L1が上方に移動し、縦境界線L2が右方に移動する。その結果、図5(c)に示すように、アスペクト比を保った状態で画面41の画像Aが拡大され、画面42の画像Bが縮小されることになる。
一方、下キー115cが押された場合(ステップS13でYesと判断された場合)には、交点C部分を指示した状態で、ポインタPを画面左下方向に対角線上を移動させる(ステップS14)。この移動も、キーを押している間、ポインタPが一定距離だけ順次連続移動するように構成してもよいし、キーを1回押す度に一定の距離だけ移動するように構成してもよい。これにより、ポインタPの移動に追随して交点Cが移動し、この交点Cの移動に追随して、横境界線L1が下方に移動し、縦境界線L2が左方に移動する。その結果、図5(d)に示すように、アスペクト比を保った状態で画面41の画像Aが縮小され、画面42の画像Bが拡大されることになる。
この後、例えば図5(c)に示す状態で表示サイズを決定したい場合には、ユーザは、その状態で決定キー116を操作する。制御部19は、この決定キー116が操作されたことを確認すると(ステップS15でYesと判断されると)、画面表示サイズを確定し(ステップS16)、ポインタPを画面上から消去する。
このように、各画面の表示サイズをユーザ操作によって自由に変更できるように構成することで、ユーザは、サブ画面42を消去することなく、メイン画面41をより視聴しやすい表示サイズまで拡大することが可能となる。
なお、上記実施例1,2では、2画面表示を例に挙げて説明しているが、例えば余白部分である画面43や画面44にもそれぞれ画像を表示して、3画面表示モードや4画面表示モードとしてもよい。この場合、図5からも分かるように、画面43や画面44は、画面41,42の表示サイズを変更することで、アスペクト比も変わることになるため、場合によっては非常に見づらい画面となる可能性はあるが、画像を表示すること自体は画素の間引き処理を行うことで可能である。
本実施例3は、余白画面に文字情報である各種設定画面を併せて表示する実施例である。以下、図7に示すフローチャート及び図8に示す表示画面例を参照して説明する。
2画面表示モード時、例えば図8(a)に示すように、拡大したメイン画面41に画像A、縮小したサブ画面42に画像Bが表示されており、不図示のスピーカからはメイン画面41に表示されている画像Aの音声が出力され、サブ画面42に表示されている画像Bの音声はミュートされているものとする。
この状態から各種設定画面を表示したい場合には、ユーザは、リモコン20のメニューキー113を操作する。制御部19は、2画面表示モードにおいて、メニューキー113が操作されたか否かを常に確認している(ステップS21)。そして、メニューキー113が操作された場合(ステップS21でYesと判断された場合)には、交点C部分を画面中央部に移動し、この交点Cの移動に追随させて、横境界線L1を画面中央部まで上または下方向に移動し、縦境界線L2を画面中央部まで左または右方向に移動させる(ステップS22)。この移動は、瞬時に行われる。すなわち、制御部19は、メニューキー113が押された時点で4分割画面がどのような表示サイズになっていても、交点C部分を画面中央部に強制的に移動するようになっている。その結果、図8(b)に示すように、モニタ画面が均等に4分割されることになる。
ここで、制御部19は、予め設定された一方の余白画面(例えば、画面44)にメニュー画面を表示する(ステップS23)。そして、以後のリモコン操作を、メニュー画面優先の操作として受け付ける(ステップS24)。メニュー画面に表示される各種設定項目としては、ボリュームの変更や色調の変更等の各種設定項目をはじめ、字幕の表示の有無や表示言語の変更等の設定項目などが含まれる。そして、これらの項目の中から設定したい項目を選択することで、画面44にはその設定画面がOSD表示されることになる。これにより、ユーザは、視聴している画像(例えば、メイン画面41の画像A)に重ならずに、各種の設定が行えることになる。
なお、上記実施例3では、メニューキー113を操作した時点で、交点C部分を画面中央部に強制的に移動させるように構成しているが、交点C部分はそのままの状態とし、その時点で形成されている表示サイズの余白画面(例えば、図8(a)に示す横長の画面43)にメニュー画面を表示するように構成してもよい。この場合、メニュー画面の表示形態は、通常の画面比とは異なるため、横長の画面43に合うように各項目の配置を演算処理する必要がある。
本発明のテレビジョン放送信号受信装置の電気的構成を示す機能ブロック図である。
2画面表示モード時の表示画面例を示す説明図である。
リモコンのキー配置の構成例を示す説明図である。
実施例1の表示サイズ変更制御処理を説明するためのフローチャートである。
実施例1の表示サイズ変更制御処理に対応した表示画面例を示す説明図である。
実施例2の表示サイズ変更制御処理を説明するためのフローチャートである。
実施例3の処理を説明するためのフローチャートである。
実施例3の処理に対応した表示画面例を示す説明図である。
符号の説明
1 テレビジョン放送信号受信装置(TV放送信号受信装置)
3 外部機器
11,12 チューナ
13 ATSCフロントエンド
14 NTSCレコーダ
15 映像・音声処理部
16 OSD部
17 メモリ
18 受信部
19 制御部
20 リモコン
21 モニタ
23 外部入力端子