JP2010272239A - 全固体リチウム二次電池の製造方法、及び当該製造方法により得られる全固体リチウム二次電池 - Google Patents

全固体リチウム二次電池の製造方法、及び当該製造方法により得られる全固体リチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】全固体リチウム二次電池の製造方法、及び当該製造方法により得られる全固体リチウム二次電池を提供する。
【解決手段】全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であって、電極集電体、又は、リチウムイオン伝導性固体電解質を準備する工程、並びに、電極集電体又はリチウムイオン伝導性固体電解質のいずれか一方を支持体とし、面方向の応力を付与しないで加熱した時よりも、支持体と電極体の電極活物質層の界面における残留応力が、加熱温度未満の温度領域において緩和するように、支持体と電極活物質層の少なくとも一方に面方向の応力を加えて、支持体と電極活物質層とを一体化させる加熱工程、を含むことを特徴とする、全固体リチウム二次電池の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、全固体リチウム二次電池の製造方法、及び当該製造方法により得られる全固体リチウム二次電池に関する。
二次電池は、化学反応に伴う化学エネルギーの減少分を電気エネルギーに変換し、放電を行うことができる他に、放電時と逆方向に電流を流すことにより、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄積(充電)することが可能な電池のことである。二次電池の中でも、リチウム二次電池は、エネルギー密度が高いため、ノート型のパーソナルコンピューターや、携帯電話機等の電源として幅広く応用されている。
リチウム二次電池においては、負極活物質としてグラファイト(Cと表現する)を用いた場合、放電時において、負極では(1)式の反応が進行する。
Li → C + Li + e (1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、(1)式で生じたリチウムイオン(Li)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
また、正極活物質としてコバルト酸リチウム(Li0.4CoO)を用いた場合、放電時において、正極では(2)式の反応が進行する。
Li0.4CoO + 0.6Li + 0.6e → LiCoO (2)
充電時においては、負極及び正極において、それぞれ上記式(1)及び式(2)の逆反応が進行し、負極においてはグラファイトインターカレーションによりリチウムが入り込んだグラファイト(CLi)が、正極においてはコバルト酸リチウム(Li0.4CoO)が再生するため、再放電が可能となる。
一般に、リチウム二次電池の電極においては、リチウムイオンの移動度を高めるために、電解質を混合して用いる。電極に固体電解質を混合して用いた、全固体リチウム二次電池の場合には、電極に液体や電解液を含んだ電解質を混合して用いたリチウム二次電池と比較して、電解質と活物質との界面において、イオン伝導経路の維持が困難であった。すなわち、固体電界質を用いた場合は、固体電解質と電極活物質との接合界面が初期は電気化学的に良好な接触であっても、活物質へのイオンの出入りに伴う膨張収縮などによってイオン伝達経路が寸断され、サイクル性能の維持が難しいという問題があった。
固体電解質を採用した際に伴うこのような課題を解決するための技術が、これまでにも開発されている。特許文献1には、正極と負極との間に無機酸化物からなる固体電解質を介在させて成る積層型固体二次電池において、前記電極のうちの少なくとも一方に充電終止状態に対する放電終止状態の体積変化率が1.5%以内の無機酸化物の焼結体から成る活物質を用いたことを特徴とする積層型固体二次電池の技術が開示されている。
特開2000−331684号公報
特許文献1に開示された技術は、使用できる活物質が、ある一定の範囲内の体積変化率を有する活物質のみに限定している。したがって、特許文献1に開示された技術を用いたとしても、要求される電池性能に最適な活物質を、必ずしも選択できるとは限らない。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、層間の剥離を抑制する全固体リチウム二次電池の製造方法、及び当該製造方法により得られる全固体リチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、電極集電体、及び、少なくとも電極活物質を含有する電極活物質層を有する電極体と、2つの前記電極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であって、前記電極集電体、又は、前記リチウムイオン伝導性固体電解質を準備する工程、並びに、前記電極集電体又は前記リチウムイオン伝導性固体電解質のいずれか一方を支持体とし、面方向の応力を付与しないで加熱した時よりも、前記支持体と前記電極体の電極活物質層の界面における残留応力が、加熱温度未満の温度領域において緩和するように、前記支持体と前記電極活物質層の少なくとも一方に面方向の応力を加えて、前記支持体と前記電極活物質層とを一体化させる加熱工程、を含むことを特徴とする。
このような構成の全固体リチウム二次電池の製造方法は、加熱温度未満の温度領域において、前記支持体と前記電極活物質層との界面における残留応力を一定の範囲以下にすることにより、前記支持体と前記電極活物質層との層間の剥離を抑制することができる。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法の一態様としては、正極集電体、及び、少なくとも正極活物質を含有する正極活物質層を有する正極体と、負極集電体、及び、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を有する負極体と、前記正極体及び前記負極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であって、前記正極体若しくは前記負極体のいずれか一方の電極体の電極集電体、又は、前記リチウムイオン伝導性固体電解質を準備する工程を含むという構成をとることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法の一態様としては、前記電極集電体、及び、少なくとも正極活物質を含有する正極活物質層を当該電極集電体の一方の面に、且つ、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を当該電極集電体の他の一方の面に、それぞれ有する前記電極体と、2つの前記電極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であるという構成をとることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、当該製造方法によって得られる全固体リチウム二次電池を充電した際に、充電深度Xが0<X<100の範囲の1又は2以上の値において、前記支持体と前記電極活物質層との界面における残留応力が0%となるように、前記加熱工程において、前記電極活物質層に面方向の応力を加えながら加熱により前記支持体と一体化させることが好ましい。
このような構成の全固体リチウム二次電池の製造方法は、実際の使用において、最も多く利用されることが予想される充電状態において前記支持体と前記電極活物質層との界面における残留応力が0%となるように設計することができ、充電時の活物質へのイオンの出入りに伴う膨張収縮による、前記支持体と前記電極活物質層との層間の剥離を抑制することができる。
本発明の全固体リチウム二次電池は、上記製造方法により得られることを特徴とする。
本発明によれば、加熱温度未満の温度領域において、前記支持体と前記電極活物質層との界面における残留応力を一定の範囲以下にすることにより、前記支持体と前記電極活物質層との層間の剥離を抑制することができる。
本発明の全固体リチウム二次電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。 実施例1及び2、並びに比較例1及び2の積層体を用いた全固体リチウム二次電池のシミュレーション結果を示したグラフである。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、電極集電体、及び、少なくとも電極活物質を含有する電極活物質層を有する電極体と、2つの前記電極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であって、前記電極集電体、又は、前記リチウムイオン伝導性固体電解質を準備する工程、並びに、前記電極集電体又は前記リチウムイオン伝導性固体電解質のいずれか一方を支持体とし、面方向の応力を付与しないで加熱した時よりも、前記支持体と前記電極体の電極活物質層の界面における残留応力が、加熱温度未満の温度領域において緩和するように、前記支持体と前記電極活物質層の少なくとも一方に面方向の応力を加えて、前記支持体と前記電極活物質層とを一体化させる加熱工程、を含むことを特徴とする。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法の一態様としては、正極集電体、及び、少なくとも正極活物質を含有する正極活物質層を有する正極体と、負極集電体、及び、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を有する負極体と、前記正極体及び前記負極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であって、前記正極体若しくは前記負極体のいずれか一方の電極体の電極集電体、又は、前記リチウムイオン伝導性固体電解質を準備する工程を含むという構成をとることができる。
また、本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法の一態様としては、前記電極集電体、及び、少なくとも正極活物質を含有する正極活物質層を当該電極集電体の一方の面に、且つ、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を当該電極集電体の他の一方の面に、それぞれ有する前記電極体と、2つの前記電極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であるという構成をとることができる。
すなわち、本発明に係る製造方法を実施することによって、正極集電体と負極集電体の2種類からなる電極集電体を有する全固体リチウム二次電池、及び、正極集電体と負極集電体とが一体となった電極集電体を含むバイポーラ電極を有する全固体リチウム二次電池のいずれの電池も製造することができる。
以下、明細書においては、特に断りのない限りにおいて、正極集電体と負極集電体の2種類からなる電極集電体を有する全固体リチウム二次電池の製造方法について主に説明する。
本発明でいう「全固体リチウム二次電池」とは、各要素がすべて固体であるリチウム二次電池のことを指す。したがって、例えば、電解質として液体電解質を用いたリチウム二次電池は、本発明には含まれない。
本発明でいう「固体電解質」とは、有機電解質のことを指す。この場合、有機電解質とは、ポリマー電解質のみではなく、ゲル状電解質をも含む。
上述したように、通常、全固体リチウム二次電池内に使用される活物質においては、電池の充放電反応、すなわち、活物質へのリチウムイオンの挿入または離脱反応に伴って、膨張収縮が生じる。一方、同電池内に使用される固体電解質については、リチウムイオンの挿入または離脱反応に伴う体積変化が生じない。したがって、充放電反応時に電極活物質層と固体電解質との界面において応力が集中し、歪みが発生する。このように歪みが生じた状態で充放電を繰り返すと、電極活物質層と固体電解質との界面において割れが生じてリチウムイオンの伝達経路が遮断され、電池全体の性能の低下につながるという問題が生じる。
本発明は、電池完成時における電極活物質層とその他の層との界面における残留応力を、加熱工程において予測して設計することにより、連続使用における層間の剥離を抑制する全固体リチウム二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、電極活物質層を形成することができる支持体を予め準備する工程と、電極活物質層と当該支持体とを一体化させる加熱工程を含む。
本発明でいう「支持体」とは、正極集電体、負極集電体、又はリチウムイオン伝導性固体電解質のいずれかを指す。すなわち、正極活物質層を形成することができる支持体としては、正極集電体又はリチウムイオン伝導性固体電解質のいずれかを選択することができ、負極活物質層を形成することができる支持体としては、負極集電体又はリチウムイオン伝導性固体電解質のいずれかを選択することができる。
正極集電体、負極集電体及びリチウムイオン伝導性固体電解質に用いることができる材料等の詳細については後述する。
本発明に係る製造方法における加熱工程は、具体的には、電極集電体又はリチウムイオン伝導性固体電解質のいずれか一方を支持体とし、面方向の応力を付与しないで加熱した時よりも、支持体と電極体の電極活物質層の界面における残留応力が、加熱温度未満の温度領域において緩和するように、支持体と電極活物質層の少なくとも一方に面方向の応力を加えて、支持体と電極活物質層とを一体化させる工程のことである。
特に支持体と電極活物質層とが互いに異なる熱膨張率を有する場合等には、加熱工程時において支持体と電極活物質層とを面方向の応力を付与せずに一体化させたとしても、冷却後においては、支持体と電極活物質層との界面に残留応力が生じる。このように面方向の応力を付与しないで加熱した時の残留応力よりも、支持体と電極活物質層の界面における残留応力が、加熱温度未満の温度領域において緩和するように、支持体と電極活物質層の少なくとも一方に面方向の応力を加えて、支持体と電極活物質層とを一体化させることが、本発明の主な特徴の内の1つである。
なお、本加熱工程においては、必要であれば、支持体及び電極活物質層との界面に略垂直な方向に応力をかけた状態で、支持体と電極活物質層とを一体化させてもよい。
残留応力の試験方法・測定方法としては、支持体及び電極活物質層との界面周辺の格子定数をXRD(X線回折法)により測定して、本来の格子定数と比較することにより求めることができる。
具体的には、支持体及び電極活物質層との界面周辺の格子定数と、接合前の支持体及び電極活物質層の各格子定数を求めて、接合後の格子定数から接合前の格子定数をそれぞれ除することによって、残留応力を求めることができる。
図1は、本発明の全固体リチウム二次電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。なお、本発明の全固体リチウム二次電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
全固体リチウム二次電池100は、正極活物質層12及び正極集電体14を含有する正極体16と、負極活物質層13及び負極集電体15を含有する負極体17と、前記正極体16及び前記負極体17に挟持されるリチウムイオン伝導性固体電解質11を有する。
以下、本発明の全固体リチウム二次電池の構成要素である、正極体及び負極体、リチウムイオン伝導性固体電解質並びにその他の構成要素(セパレータ等)について、項を分けて説明する。
1.正極体及び負極体
本発明に用いられる正極体は、正極集電体、及び、少なくとも正極活物質を含有する正極活物質層を有する。
本発明に用いられる負極体は、負極集電体、及び、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を有する。
本発明に用いられる正極活物質としては、具体的には、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNiPO、LiMnPO、LiNiO、LiMn、LiCoMnO、LiNiMn、LiFe(PO及びLi(PO等を挙げることができる。これらの中でも、本発明においては、LiCoOを正極活物質として用いることが好ましい。
本発明に用いられる正極活物質層の厚さは、目的とする全固体リチウム二次電池等の用途等により異なるものであるが、10μm〜250μmの範囲内であるのが好ましく、20μm〜200μmの範囲内であるのが特に好ましく、特に30μm〜150μmの範囲内であることが最も好ましい。
正極活物質の平均粒径としては、例えば1μm〜50μmの範囲内、中でも1μm〜20μmの範囲内、特に3μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。正極活物質の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、正極活物質の平均粒径が大きすぎると、平坦な正極活物質層を得るのが困難になる場合があるからである。なお、正極活物質の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される活物質担体の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
正極活物質層は、必要に応じて導電化材および結着材等を含有していても良い。
本発明において用いられる正極活物質層が有する導電化材としては、正極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、正極活物質層における導電化材の含有量は、導電化材の種類によって異なるものであるが、通常1質量%〜10質量%の範囲内である。
本発明において用いられる正極活物質層が有する結着材としては、例えばポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。また、正極活物質層における結着材の含有量は、正極活物質等を固定化できる程度の量であれば良く、より少ないことが好ましい。結着材の含有量は、通常1質量%〜10質量%の範囲内である。
本発明において用いられる正極集電体は、上記の正極活物質層の集電を行う機能を有するものである。上記正極集電体の材料としては、例えばアルミニウム、SUS、ニッケル、鉄およびチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウムおよびSUSが好ましい。また、正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
本発明に用いられる正極体が有する正極用電解質としては、固体電解質を用いることが好ましい。固体電解質としては、具体的には、固体酸化物電解質、固体硫化物電解質等を用いることができる。
固体酸化物電解質としては、具体的には、LiPON(リン酸リチウムオキシナイトライド)、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO、La0.51Li0.34TiO0.74、LiPO、LiSiO、LiSiO、Li0.5La0.5TiO、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO等を例示することができる。
固体硫化物電解質としては、具体的には、LiS−P、LiS−SiS、Li3.250.25Ge0.76等を例示することができる。
本発明に用いられる正極体が有する正極用電解質としては、後述するポリマー電解質、ゲル電解質等を用いることもできる。
本発明に用いられる正極体を製造する方法は、(a)正極集電体を支持体として、その上に正極活物質層を形成する方法と、(b)後述するリチウムイオン伝導性固体電解質を支持体として、その上に正極活物質層を形成し、さらに正極活物質層の上に正極集電体を接合する方法の、2つに大別される。
上記方法(a)を選択した場合について説明する。まず、支持体となる正極集電体を用意し、その上に正極活物質及び正極用電解質を含有した正極層を形成し、正極活物質層の面方向に応力を加えながら、加熱により正極集電体及び正極層とを一体化させる。応力を加える方法は特に限定されないが、例えば、z軸方向(積層方向)の一軸プレスによる加圧による方法等を挙げることができる。
次に、上記方法(b)を選択した場合について説明する。まず、支持体となるリチウムイオン伝導性固体電解質を用意し、その上に正極活物質及び正極用電解質を含有した正極層を形成し、正極活物質層の面方向に応力を加えながら、加熱により正極集電体及び正極層とを一体化させる。応力を加える方法は特に限定されず、上述した方法を用いることができる。その後、一体化した積層体の、正極活物質層側の面に正極集電体を接合させることによって、正極体が完成する。
正極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、正極活物質層をプレスしても良い。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、当該製造方法によって得られる全固体リチウム二次電池を充電した際に、充電深度Xが0<X<100の範囲の1又は2以上の値において、支持体と電極活物質層との界面における残留応力が0%となるように、加熱工程において、電極活物質層に面方向の応力を加えながら加熱により前記支持体と一体化させることが好ましい。このような構成をとることによって、実際の使用において、最も多く利用されることが予想される充電状態において支持体と電極活物質層との界面における残留応力が0%となるように設計することができ、充電時の活物質へのイオンの出入りに伴う膨張収縮による、支持体と電極活物質層との層間の剥離を抑制することができる。
例えば、支持体よりも熱膨張率が高い電極活物質層を用いた場合には、加熱工程時において応力を付与することなく一体化させた場合でも、冷却後には、面方向に電極活物質層が収縮する残留応力が働く。したがって、このような残留応力が働いた支持体‐電極活物質層の積層体は、電池に組み込まれて使用された際に、充放電に伴う活物質の膨張に伴って発生する応力を打ち消す効果を有する。
また例えば、支持体よりも熱膨張率が低い電極活物質層を用いた場合には、加熱工程時において応力を付与することなく一体化させた場合でも、冷却後には、面方向に電極活物質層が膨張する残留応力が働く。したがって、このような残留応力が働いた支持体‐電極活物質層の積層体は、電池に組み込まれて使用された際に、充放電に伴う活物質の収縮に伴って発生する応力を打ち消す効果を有する。
通常のハイブリッド車用電池は、中間域の充電深度で放電(すなわち走行)と充電(すなわち回生)が繰り返される。したがって、通常のハイブリッド車用電池は、好ましくは充電深度が40〜80%、最も好ましくは充電深度が60%で残留応力が最小となるように設計する。
一方、プラグインハイブリッド車用電池は、プラグイン充電時においては、充電深度が80〜100%という高い充電状態を維持できるが、通常のハイブリッド車用電池と比較して電池の容量が小さい。そのため、最初は放電が主であっても、実際には走行状態末期において放電と充電が繰り返されることになる。したがって、プラグインハイブリッド車用電池は、好ましくは充電深度が80%以下、最も好ましくは充電深度が20%以下で残留応力が最小となるように設計する。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法においては、Li(1+x)Mn(2−x)(スピネルマンガン)を正極活物質として用いることもできる。
リチウムイオン二次電池の正極材料として広く用いられているスピネルマンガンは、x≦0.25の組成比においては、一度高温状態に曝すと2相に分離してしまい、再び室温まで冷却したとしても単相に戻らなくなることが知られている。
しかし、スピネルマンガンの高温域における物性を改めて調査した結果、0.1≦x≦0.2の組成比においても、室温では単相であるが、高温域ではLi(1+y)Mn(2−y)とLiMnOの2相に分離するため、線膨張係数が一定ではなくなることが分かった。同様の検討結果は、例えば、2008年電池討論会1B18等においても指摘されている。
したがって、本発明において、正極活物質としてLi(1+x)Mn(2−x)(0≦x≦0.1)を用いる場合には、熱処理時の温度を特に限定せずに用いることができる。一方、本発明において、正極活物質としてLi(1+x)Mn(2−x)(0.1≦x≦0.2)を用いる場合には、450℃以下の温度で熱処理をすることによって、リチウムイオン伝導性固体電解質と正極活物質層との層間の剥離を抑制することができる。
負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、およびグラファイト等の炭素材料等を挙げることができる。また、負極活物質は、粉末状であっても良く、薄膜状であっても良い。
負極活物質層は、必要に応じて導電化材および結着材等を含有していても良い。
負極活物質層中に用いることができる結着材および上記導電化材は、上述したものを用いることができる。また、結着材および導電化材の使用量は、全固体リチウム二次電池の用途等に応じて、適宜選択することが好ましい。また、負極活物質層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、例えば10μm〜100μmの範囲内、中でも10μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる負極体が有する負極用電解質としては、固体電解質を用いることが好ましい。固体電解質としては、具体的には、上述したような固体酸化物電解質、固体硫化物電解質等を用いることができる。本発明に用いられる負極体が有する負極用電解質としては、後述するポリマー電解質、ゲル電解質等を用いることもできる。
負極集電体の材料及び形状としては、上述した正極集電体の材料及び形状と同様のものを採用することができる。
本発明に用いられる負極体の製造方法としては、上述したような正極体の製造方法と同様の方法を採用することができる。
2.リチウムイオン伝導性固体電解質
本発明に用いられるリチウムイオン伝導性固体電解質は、上述した正極活物質及び負極活物質の間でリチウムイオン交換をおこなう。固体電解質としては、具体的には、ポリマー電解質、ゲル電解質等、上述した固体酸化物電解質及び固体硫化物電解質等を挙げることができる。
上記ポリマー電解質は、リチウム塩およびポリマーを含有するものである。リチウム塩としては、一般的なリチウム二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、LiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSOおよびLiClO等を挙げることができる。ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
上記ゲル電解質は、リチウム塩とポリマーと非水溶媒とを含有するものである。
リチウム塩としては、上述したリチウム塩を用いることができる。
非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの非水溶媒は、一種のみ用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。また、非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
ポリマーとしては、ゲル化が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロプレンオキシド、ポリアクリルニトリル、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリウレタン、ポリアクリレート、セルロース等が挙げられる。
3.その他の構成要素
その他の構成要素として、セパレータを本発明の全固体リチウム二次電池に用いることができる。セパレータは、上述した正極集電体及び上記負極集電体の間に配置されるものであり、通常、正極活物質層と負極活物質層との接触を防止し、固体電解質を保持する機能を有する。さらに、上記セパレータは、上記セパレータの材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロースおよびポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリエチレンおよびポリプロピレンが好ましい。また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、PP/PE/PPの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。さらに、本発明においては、上記セパレータが、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。また、上記セパレータの膜厚は、特に限定されるものではなく、一般的な全固体リチウム二次電池に用いられるセパレータの膜厚と同様である。
また、その他の構成要素として、本発明の全固体リチウム二次電池を収納する電池ケースを用いることもできる。電池ケースの形状としては、上述した正極体、負極体、固体電解質等を収納できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等を挙げることができる。
本発明に係る全固体リチウム二次電池は、一般的なリチウム二次電池を製造する方法と同様の方法により製造することができる。具体的には、不活性雰囲気下において、まず正極体、負極体およびセパレータを電池ケースに収納し、次にその電池ケースに固体電解質を添加し、最後に電池ケースを密封する方法等を挙げることができる。
1.正極活物質としてLiCoOを用いた場合の検討
以下の実施例においては、リチウムイオン伝導性固体電解質の一種であるLi0.5La0.5TiOを支持体とし、正極活物質の一種であるLiCoOを、下記各条件下において前記支持体と一体化させた積層体を用いた全固体リチウム二次電池のシミュレーション方法及びその結果を示す。
なお、シミュレーションにあたり、LiCoOの熱膨張係数を40×10−6−1、Li0.5La0.5TiOの熱膨張係数を5×10−6−1、リチウムイオンの挿入離脱に伴うLiCoOの熱膨張率を2.6%(充電深度が0〜100%の場合)として、計算を行った。
なお、界面に応力を残存させるために加える応力は圧縮応力であるものとする。本シミュレーションは、既知の技術であるセラミックの加圧無収縮焼成技術(すなわち、面方向の収縮を防止するために加圧する技術)を用いることを想定したシミュレーションである。
[実施例1]
Li0.5La0.5TiO(支持体)とLiCoO(正極活物質層)とを、700℃の温度条件下で、加熱して一体化させ、支持体と正極活物質層との界面に2.5%の応力を残留させた実施例1の積層体を得た。
[実施例2]
Li0.5La0.5TiO(支持体)とLiCoO(正極活物質層)とを、一軸方向に加圧して、面方向の収縮量を制御しながら、加熱して一体化させ、支持体と正極活物質層との界面に1.3%の応力を残留させた実施例2の積層体を得た。
[比較例1]
Li0.5La0.5TiO(支持体)とLiCoO(正極活物質層)とを、800℃の温度条件下で、加熱して一体化させ、支持体と正極活物質層との界面に3.2%の応力を残留させた比較例1の積層体を得た。
[比較例2]
Li0.5La0.5TiO(支持体)とLiCoO(正極活物質層)とを、一軸方向に加圧して、面方向の収縮量を制御しながら、加熱して一体化させ、支持体と正極活物質層との界面に応力が残留しない比較例2の積層体を得た。
図2は、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の積層体を用いた全固体リチウム二次電池のシミュレーション結果を示したグラフである。縦軸はLi0.5La0.5TiO(支持体)とLiCoO(正極活物質層)との界面における残留応力(%)を示し、横軸は電池の充電深度(%)を示している。
比較例2の積層体は、充放電深度0%時の残留応力が0%の状態で組み立てられる。したがって、図2から分かるように、比較例2の積層体は、100%充放電時においては2.6%の残留応力を有し、20%〜100%充放電時においては0.5%〜2.6%という広い範囲の応力を有する。
また、比較例1の積層体は、充放電深度0%時の残留応力が3.2%の状態で組み立てられる。したがって、図2から分かるように、比較例1の積層体は、100%充放電時においては0.6%の残留応力を有し、20%〜100%充放電時においては0.6%〜2.7%という広い範囲の応力を有する。
これら比較例1及び2の積層体は共に、残留応力が0%になる充電深度Xが、0<X<100の範囲には存在しない。したがって、通常使用できる充電深度の範囲においては、支持体と正極活物質層との界面に常に歪みが生じており、その結果、連続使用により当該界面において剥離が生じる可能性がある。
一方、実施例1の積層体は、充放電深度0%時の残留応力が2.5%の状態で組み立てられる。したがって、図2から分かるように、実施例1の積層体は、100%充放電時においては0.1%の残留応力を有し、20%〜100%充放電時においては0%〜2.0%という、比較例1及び2の積層体よりも狭い範囲の応力を有する。
実施例2の積層体は、充放電深度0%時の残留応力が1.3%の状態で組み立てられる。したがって、図2から分かるように、実施例2の積層体は、100%充放電時においては1.3%の残留応力を有し、20%〜100%充放電時においては0%〜1.3%という、比較例1及び2の積層体よりも狭い範囲の応力を有する。
実施例2の積層体は、充電深度が50%の時に残留応力が0%になる。また、実施例1の積層体は、充電深度が96%の時に残留応力が0%になる。
このように、実施例1及び2の積層体を用いた全固体リチウム二次電池は、所定の温度下、すなわち充放電時の温度下において、支持体と電極活物質層との界面における残留応力が2.0%以内になることにより、支持体と電極活物質層との層間の剥離を抑制することができる。また、実施例1及び2の積層体を用いた全固体リチウム二次電池は、実際の使用において、最も多く利用されることが予想される充電状態、すなわち、実施例1の積層体の場合は96%の充電深度、実施例2の積層体の場合は50%の充電深度において、それぞれ支持体と電極活物質層との界面の残留応力が0%となるように設計することができ、充電時の活物質へのイオンの出入りに伴う膨張収縮による、支持体と電極活物質層との層間の剥離を抑制することができる。
上記実施例1に示した積層体は、以下の手順によって実際に作製することができる。支持体の原料となるLi0.5La0.5TiOの粉体は、LiCO、La、TiOを0.5:0.5:1の化学量論比で混合したものを、800℃で4時間、さらに1300℃の温度条件下において6時間大気中で焼成したものを準備する。また、正極活物質の原料となるLiCoOの粉体は、市販のものを使用できる。なお、Li0.5La0.5TiO及びLiCoOは、固相法やゾル‐ゲル法によっても作製できる。
まず、円筒状のダイスを用い、50kg/cmで一軸加圧を行うことにより、直径φ13mm、厚み1mmのLi0.5La0.5TiOの圧粉体を作製する。当該圧粉体に対して、1350℃の温度条件下において6時間熱処理を行うことにより、ペレット状態のLi0.5La0.5TiOの焼結体を作製する。
次に、ペレット状態のLi0.5La0.5TiOの焼結体上に、直径φ10mm、厚み1mmのLiCOの圧粉体を作製する。その後、当該焼結体と圧粉体との積層体に対して、700℃の温度条件下において10時間熱処理を行うことにより、Li0.5La0.5TiOとLiCOが積層した一体型焼結体が作製できる。
また、上記実施例2に示した積層体は、以下の手順によって実際に作製することができる。
ペレット状態のLi0.5La0.5TiOの焼結体上に、LiCOの圧粉体を作製する工程までは、実施例1の積層体と同様の工程である。その後、当該焼結体と圧粉体との積層体に対して、Li0.5La0.5TiOとLiCOとの界面に圧縮応力を加えながら、700℃の温度条件下において10時間熱処理を行うことにより、Li0.5La0.5TiOとLiCOが積層した一体型焼結体が作製できる。Li0.5La0.5TiOとLiCOとの界面に1.3%の残留応力を精確に付与するために必要な応力は、当該界面に加える圧縮応力と、昇温速度とを変数とするシミュレーションを予め行うことによって算出することができる。
比較例1に示した積層体は、実施例1の積層体の作製の説明において述べた、Li0.5La0.5TiOの焼結体とLiCOの圧粉体との積層体に対して、800℃の温度条件下において10時間熱処理を行うことにより、得ることができる。
比較例2に示した積層体は、実施例2の積層体の作製の説明において述べた、Li0.5La0.5TiOの焼結体とLiCOの圧粉体との積層体に対して、Li0.5La0.5TiOとLiCOとの界面に平行な方向に、実施例2の積層体の作製時と異なる応力を加えながら、700℃の温度条件下において10時間熱処理を行うことにより、得ることができる。
2.正極活物質としてLi(1+x)Mn(2−x)を用いた場合の検討
以下の実施例においては、リチウムイオン伝導性固体電解質の一種であるLi1.5Al0.5Ge1.5(POを支持体とし、正極活物質の一種であるLi(1+x)Mn(2−x)を、下記各条件下において前記支持体と一体化させた積層体を用いた全固体リチウム二次電池のシミュレーション方法及びその結果を示す。
なお、シミュレーションにあたり、Li1.5Al0.5Ge1.5(POの熱膨張係数を13×10−6−1として、計算を行った。
[実施例3]
Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(支持体)とLi(1+x)Mn(2−x)(0≦x<0.1)(正極活物質層)とを、400℃の温度条件下で、加熱して一体化させた。なお、シミュレーションにあたり、Li(1+x)Mn(2−x)(0≦x<0.1)の熱膨張係数を13×10−6−1として、計算を行った。
[実施例4]
Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(支持体)とLi(1+x)Mn(2−x)(0.1≦x<0.2)(正極活物質層)とを、400℃の温度条件下で、加熱して一体化させた。なお、シミュレーションにあたり、Li(1+x)Mn(2−x)(0.1≦x<0.2)の熱膨張係数を13×10−6−1として、計算を行った。
[比較例3]
Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(支持体)とLi(1+x)Mn(2−x)(0.1≦x<0.2)(正極活物質層)とを、600℃の温度条件下で、加熱して一体化させた。なお、シミュレーションにあたり、Li1.1Mn1.9の500℃以上の熱膨張係数を24×10−6−1、Li1.2Mn1.8の500℃以上の熱膨張係数を34×10−6−1として、計算を行った。
比較例3の積層体は、加熱時において、支持体であるLi1.5Al0.5Ge1.5(POの熱膨張率と、正極活物質であるLi(1+x)Mn(2−x)(0.1≦x<0.2)の熱膨張率との間に顕著な差があるため、加熱により一体化させる際に、支持体と電極活物質層との層間の剥離を防ぐことが困難である。支持体と正極活物質の熱膨張率の差は、正極活物質が600℃の温度条件下において、Li(1+y)Mn(2−y)とLiMnOの2相に分離するために生じるものである。
一方、実施例3及び4の積層体は、加熱時において、支持体であるLi1.5Al0.5Ge1.5(POと、正極活物質であるLi(1+x)Mn(2−x)とが等しい熱膨張率であるため、加熱により一体化させる際に、支持体と電極活物質層との層間の剥離を抑制することができる。
11…固体電解質
12…正極活物質層
13…負極活物質層
14…正極集電体
15…負極集電体
16…正極体
17…負極体
100…全固体リチウム二次電池

Claims (5)

  1. 電極集電体、及び、少なくとも電極活物質を含有する電極活物質層を有する電極体と、
    2つの前記電極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であって、
    前記電極集電体、又は、前記リチウムイオン伝導性固体電解質を準備する工程、並びに、
    前記電極集電体又は前記リチウムイオン伝導性固体電解質のいずれか一方を支持体とし、面方向の応力を付与しないで加熱した時よりも、前記支持体と前記電極体の電極活物質層の界面における残留応力が、加熱温度未満の温度領域において緩和するように、前記支持体と前記電極活物質層の少なくとも一方に面方向の応力を加えて、前記支持体と前記電極活物質層とを一体化させる加熱工程、
    を含むことを特徴とする、全固体リチウム二次電池の製造方法。
  2. 正極集電体、及び、少なくとも正極活物質を含有する正極活物質層を有する正極体と、
    負極集電体、及び、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を有する負極体と、
    前記正極体及び前記負極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法であって、
    前記正極体若しくは前記負極体のいずれか一方の電極体の電極集電体、又は、前記リチウムイオン伝導性固体電解質を準備する工程を含む、請求項1に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  3. 前記電極集電体、及び、少なくとも正極活物質を含有する正極活物質層を当該電極集電体の一方の面に、且つ、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を当該電極集電体の他の一方の面に、それぞれ有する前記電極体と、
    2つの前記電極体に挟持されたリチウムイオン伝導性固体電解質とを有する全固体リチウム二次電池の、加熱工程を伴う製造方法である、請求項1に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  4. 前記製造方法によって得られる全固体リチウム二次電池を充電した際に、充電深度Xが0<X<100の範囲の1又は2以上の値において、前記支持体と前記電極活物質層との界面における残留応力が0%となるように、前記加熱工程において、前記電極活物質層に面方向の応力を加えながら加熱により前記支持体と一体化させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法により得られることを特徴とする、全固体リチウム二次電池。
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