JP2010269848A - 突き刺し性に優れた蓋材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材層(1)、前記基材層の一方面側に設けられた易貫通性ポリエステル系フィルム層(2)及び前記基材層の他方面側に設けられた厚み15〜60μmのシーラント層(3)を含むストロー等の突き刺し可能な蓋材に係る。
【選択図】図5
Description
1. 1)基材層、2)前記基材層の一方面側に設けられた易貫通性ポリエステル系フィルム層及び3)前記基材層の他方面側に設けられた厚み15〜60μmのシーラント層を含む、突き刺し性に優れた蓋材。
2. 易貫通性のポリエステル系フィルム層の端裂抵抗が70N以下である、前記項1に記載の突き刺し性に優れた蓋材。
3. 易貫通性のポリエステル系フィルム層が多数のミシン目を施したポリエステル系フィルムからなる、前記項1又は2に記載の突き刺し性に優れた蓋材。
4. 易貫通性のポリエステル系フィルム層が多数のハーフカット線を施したポリエステル系フィルムからなる、前記項1〜3のいずれかに記載の突き刺し性に優れた蓋材。
5. シーラント層が、1)ポリオレフィン系樹脂又は2)ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とのブレンド樹脂からなる、前記項1〜4のいずれかに記載の突き刺し性に優れた蓋材。
6. 易貫通性ポリエステル系フィルム層の外面に、剥離可能な外面保護層をさらに有する、前記項1〜5のいずれかに記載の突き刺し性に優れた蓋材。
(1)本発明の蓋材は、ストロー等の突き刺し性に優れているので、蓋材の平面(上面)のどこからでも容易に突き刺すことが可能である。すなわち、比較的弱い力でもストロー等を突き刺すことができる。これにより、幼児、老人、病人等であっても、容易に突き刺し開封することが可能となる。
(2)本発明の蓋材は、容器本体とのシール性に優れていることから、不用意な内容物の流出をより確実に防ぐことができる。
(3)本発明の蓋材は、オーバーキャップ等を必ずしも必要としないので、トータルコストを下げることができる。
(4)本発明の蓋材は、易開封性にも優れるため、手指で容器から剥離開封可能である。
(5)剥離可能な外面保護層を設けた場合は、易貫通性のポリエステル系フィルム層を汚れ、破損等から守ることができ、より清潔な状態を維持することができる。
基材層は、ストロー等を突き刺せるものであれば、特に制限はない。例えば、紙、合成紙、樹脂フィルム、金属箔、金属蒸着フィルム、酸化物蒸着フィルム等から選ばれる単体又は2つ以上を積層してなる積層体から構成される。これらの材料は公知のものが採用できるが、突き刺し性及びバリアー性の観点から、アルミニウム箔単層からなる基材層又はアルミニウム箔を含む基材層を採用することが好ましい。アルミニウム箔としては、ストロー等の突き刺しが可能である限りは公知又は市販のアルミニウム箔を採用することができるが、例えばJIS 1N30、1070、1100、3003、8021、8079等の公知の成分(組成)のものを採用することができる。また、調質も、硬質、半硬質又は軟質のいずれでも採用することができる。アルミニウム箔の厚みは限定的ではないが、通常5〜25μm程度とすれば良い。
易貫通性のポリエステル系フィルム層の材質としては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(=PETフィルム)、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等が挙げられる。
本発明の蓋材に用いるシーラント層としては、特にポリオレフィン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とのブレンド樹脂からなることが好ましい。ポリスチレン系樹脂としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、p−tertブチルスチレン、α−メチルスチレン等の単量体の1種又は2種以上を重合して得られる樹脂のほか、前記単量体とジエンモノマーからなる共重合体等を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリブテン、プロピレンホモポリマー、エチレン・プロピレンランダムコポリマー、プロピレン・1−ブテンランダムコポリマー、エチレン・プロピレンブロックコポリマー、エチレン・プロピレン・1−ブテンランダムコポリマー等から選ばれる少なくとも1つを選択することができ、2つ以上のブレンド樹脂であっても良い。熱接着性と突き刺し性の観点からポリオレフィン系樹脂(Pと略記)とポリスチレン系樹脂(Sと略記)とのブレンド樹脂を採用する場合は、それらのブレンド比(重量比)は、P:S=60:40〜95:5とするのが好ましく、P:S=80:20〜95:5とすることがより好ましい。ポリスチレン系樹脂のブレンド比が大きすぎると熱接着性が低下し、シーラント層が脆くなり柔軟性も低下するおそれがある。逆に少なすぎるとシーラント層の腰(突き刺し強度)が強くなり過ぎ、ストロー等の突き刺し性が低下するおそれがある。シーラントの組成を3元系にする場合は、例えば、ポリプロピレン樹脂−高密度ポリエチレン樹脂−ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂−低密度ポリエチレン樹脂−ポリスチレン樹脂、ポリブテン−1樹脂−線状低密度ポリエチレン樹脂−ポリプロピレン樹脂等の3元系ブレンド樹脂からなるシーラントを採用することができる。
本発明蓋材では、前記のような層のほかにも、他の層を必要に応じて適宜設けることができる。例えば、易貫通性のポリエステル系フィルム層のさらに外面(シーラント層と反対側の面)には、剥離性の外面保護層等を設けることができる。この外面保護層を設けることにより蓋材の強度を向上できる上、易貫通性のポリエステル系フィルム層の表面を清潔に保つことができる。
本発明蓋材は、基材層、易貫通性のポリエステル系フィルム層、シーラント層の各層間は公知の方法にて接着(積層)することにより製造することができる。例えば、ポリエステル系又はポリウレタン系ドライラミネート接着剤を用いたドライラミネート、ポリエチレン等の押出し樹脂を用いた押出しラミネート、ヒートラミネート、ウェットラミネート等により接着することができる。
厚み14μmのポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製:ティアファインTF110:端裂抵抗タテ45N、ヨコ45N)(「14TF」と略記する。)の一方面と厚み20μmのアルミニウム箔(1N30、軟質箔)(「20AL」と略記する。)の一面とをポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量2g/m2)(「D」と略記する。以下同様。)を用いてドライラミネート法により貼り合せた。さらにアルミニウム箔の他面(未接着面)と厚み50μmのシーラントフィルム(東セロ株式会社製CMPS017C:ポリオレフィン系シーラントフィルム)(「50シーラント」と略記する。)を前記と同様のドライラミネート法により貼り合せることにより、「14TF/D/20AL/D/50シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
実施例1において厚み50μmのシーラントフィルムに代えて、厚み30μmのシーラントフィルム(東レフィルム加工株式会社製CF7601C:ポリオレフィン系シーラントフィルム)(「30シーラント」と略記する。)を採用した以外は、実施例1と同様にして、「14TF/D/20AL/D/30シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
厚み14μmのポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製:ティアファインTF110:端裂抵抗タテ45N、ヨコ45N)(「14TF」と略記する。)の一方面と厚み15μmのアルミニウム箔(1N30、軟質箔)(「15AL」と略記する。)の一面とをポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量2g/m2)を用いてドライラミネート法により貼り合せた。さらにアルミニウム箔の他面(未接着面)をアンカーコート(「AC」と略記する。)処理後、厚み30μmのシーラントフィルム(ジェイフィルム株式会社製「SMS1015L」:ポリプロピレン:低密度ポリエチレン:ポリスチレン=35:50:15重量比)(「30シーラント」と略記する。)をポリエチレン(乾燥後厚み20μm)(「20PE」と略記する。)を用いた押出しラミネート法により貼り合せることにより、「14TF/D/15AL/AC/20PE/30シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
厚み14μmのポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製:ティアファインTF110:端裂抵抗タテ45N、ヨコ45N)に表面突起を有するロールを用いて図2と同様のミシン目(0.2mm貫通スリット、ピッチ2mm、ミシン目線の間隔2mm)を施した。ミシン目加工を施したポリエステルフィルム(「14ミシン目加工TF」と略記する。)と厚み20μmのアルミニウム箔(1N30、軟質箔)(「20AL」と略記する。)の一面とをポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量2g/m2)を用いてドライラミネート法により貼り合せた。さらに、アルミニウム箔の他面(未接着面)と厚み30μmのシーラントフィルム(ジェイフィルム株式会社製SMS1015L:ポリプロピレン:低密度ポリエチレン:ポリスチレン=35:50:15重量比)(「30シーラント」と略記する。)を前記と同様のドライラミネート法により貼り合せることにより、「14ミシン目加工TF/D/20AL/D/30シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
厚み12μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製「E5100」)にカッターを用いて碁盤目状のハーフカット(タテヨコ5mmの正方形が連続する碁盤目状:ハーフカットの深さ約6μm)を施した。ハーフカットを施したPETフィルム(「12ハーフカットPET」と略記する。)と厚み15μmのアルミニウム箔(1N30、硬質箔)(「15AL」と略記する。)の一面とをポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量2g/m2)を用いてドライラミネート法により貼り合せた。さらに、アルミニウム箔の他面(未接着面)と厚み30μmのシーラントフィルム(ジェイフィルム株式会社製SMS1015L:ポリプロピレン:低密度ポリエチレン:ポリスチレン=35:50:15重量比)(「30シーラント」と略記する。)を前記と同様のドライラミネート法により貼り合せることにより、「12ハーフカットPET/D/15AL/D/30シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
実施例4で用いた厚み14μmのポリエステルフィルムに代えて厚み12μmのPETフィルム(「12ミシン目加工PET」と略記する。)を用いた以外は実施例4と同様にして、「12ミシン目加工PET/D/20AL/D/30シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
実施例1の蓋材のポリエステルフィルムの他方面(未接着面)にアクリル系剥離剤を図3(a)に示すようにドット状(ドット径1mm程度)にグラビア印刷機により塗布した(「剥離剤」と略記する。)。この塗布面と別途準備した厚み25μmのPETフィルム(「25PET」と略記する。)を前記同様のドライラミネート法により貼り合せることにより、「25PET/剥離剤/14TF/D/20AL/D/50シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
厚み12μmのPETフィルムに表面突起を有するロールを用いて図2と同様のミシン目(0.2mm貫通スリット、ピッチ2mm、ミシン目線の間隔2mm)を施した。ミシン目加工を施したPETフィルム(「12ミシン目加工PET」と略記する。)の一方面と厚み12μmのアルミニウム箔(1N30、軟質箔)(「12AL」と略記する。)の一面とをポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量2g/m2)を用いてドライラミネート法により貼り合せた。さらに、アルミニウム箔の他面(未接着面)と厚み25μmのシーラントフィルム(株式会社リーダー製PPE:ポリエチレンとポリプロピレンのブレンド樹脂からなるシーラントフィルム(「25シーラント」と略記する。)を前記と同様のドライラミネート法により貼り合せることにより、「12ミシン目加工PET/D/12AL/D/25シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
厚み9μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製「E5100」)(「9加工無しPET」と略記する。)の一方面と厚み15μmのアルミニウム箔(1N30、軟質箔)(「15AL」と略記する。)の一面とをポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量2g/m2)を用いてドライラミネート法により貼り合せた。さらに、アルミニウム箔の他面(未接着面)と厚み30μmのシーラントフィルム(東レフィルム加工株式会社製CFフィルム7603BG:EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)系シーラントフィルム(「30シーラント」と略記する。)を前記と同様のドライラミネート法により貼り合せることにより、「9加工無しPET/D/15AL/D/30シーラント」積層体からなる蓋材を作製した。
実施例及び比較例で作製された蓋材について、下記の諸物性を測定した。その結果を表1に示す。
昭和57年の厚生省告示20号に従い、蓋材試料を固定し、試料面に直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50mmの速度で突き刺し、針が貫通するまでの最大荷重を測定した。但し、実施例7の蓋材は外面保護層(厚み25μmのPETフィルム)を剥離した後、測定に供した。
上記により作成した蓋材サンプルを、水を充満したポリプロピレン容器(内容量約200cc)の開口フランジ部にヒートシール(180℃×0.2MPa×1秒)して包装体を作製し、15℃の雰囲気下において50cmの高さからコンクリート床面に10回まで落下(コンクリート床面と蓋材面とが衝突するように落下)させ、容器破壊に至るまでの落下回数及び破壊形態を記録した。なお、表1における回数とは、一つのサンプルが密封性を保持していた最大の落下回数(=容器破壊に至ったときの落下回数−1)である。
手指で蓋材が破れることなくスムーズに剥離開封できるかどうか確認した。手指で蓋材が破れることなくスムーズに剥離開封できる場合を「○」とし、そうでない場合は「×」とした。
手指で直径4mmのストローがスムーズに突き刺せるかどうか10回確認した。但し、実施例7の蓋材は外面保護層(厚み25μmのPETフィルム)を剥離した後、測定に供した。
〇:10回ともストローがスムーズに突き刺せた。
△:10回中1〜9回ストローが折れ曲がった。
×:10回ともストローが折れ曲がって突き刺せない。
Claims (6)
- 1)基材層、2)前記基材層の一方面側に設けられた易貫通性ポリエステル系フィルム層及び3)前記基材層の他方面側に設けられた厚み15〜60μmのシーラント層を含む、突き刺し性に優れた蓋材。
- 易貫通性のポリエステル系フィルム層の端裂抵抗が70N以下である、請求項1に記載の突き刺し性に優れた蓋材。
- 易貫通性のポリエステル系フィルム層が多数のミシン目を施したポリエステル系フィルムからなる、請求項1又は2に記載の突き刺し性に優れた蓋材。
- 易貫通性のポリエステル系フィルム層が多数のハーフカット線を施したポリエステル系フィルムからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の突き刺し性に優れた蓋材。
- シーラント層が、1)ポリオレフィン系樹脂又は2)ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とのブレンド樹脂からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の突き刺し性に優れた蓋材。
- 易貫通性ポリエステル系フィルム層の外面に、剥離可能な外面保護層をさらに有する、請求項1〜5のいずれかに記載の突き刺し性に優れた蓋材。
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