JP2019156481A - 易剥離性蓋材 - Google Patents
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Abstract
Description
〈態様1〉第一の基材層、易剥離性層、及び第二の基材層を積層方向にこの順で有する、易剥離性蓋材であって、
本体部分、及び上記本体部分から突出している剥離用タブを面方向に具備しており、
上記本体部分と上記剥離用タブとの境界が、上記第二の基材層側から形成されている剥離きっかけ用ハーフカットラインにより画定されており、
上記剥離用タブを摘まんで上記剥離用タブから上記本体部分へと向かう剥離方向に引っ張ることにより、上記第一の基材層を上記第二の基材層から剥離可能であり、
上記第一の基材層を上記第二の基材層から剥離したときに開口が上記本体部分の一部に形成されるようにして、上記第二の基材層側から開口形成用ハーフカットラインが形成されており、
上記開口形成用ハーフカットラインが、
上記本体部分から上記剥離用タブに向かう方向に凸であり、少なくとも一部が不連続である、第一の部分、及び
上記剥離方向に凸であり、連続しており、かつ少なくとも一部が上記第一の部分よりも上記本体部分の中心側の領域を横断するように形成されている、第二の部分
で構成されている、
易剥離性蓋材。
〈態様2〉上記第二の部分が、上記第一の部分を上記第二の部分の側に反転させた位置に存在する仮想線に包囲されることとなる領域に少なくとも一部が含まれる形状である、態様1に記載の易剥離性蓋材。
〈態様3〉上記第二の部分が、曲線で構成されている、態様1又は2に記載の易剥離性蓋材。
〈態様4〉上記第一の部分が、上記易剥離性蓋材と容器とが接着することを予定している接着予定領域の内周に沿うようにして形成されている、態様1〜3のいずれか一項に記載の易剥離性蓋材。
〈態様5〉上記接着予定領域が円形であり、上記第一の部分の曲率半径が、上記接着予定領域の内周の曲率半径より小さく、かつ
上記第二の部分の少なくとも一部の曲率半径が、上記第一の部分の曲率半径よりも大きい、
態様4に記載の易剥離性蓋材。
〈態様6〉上記第一及び第二の基材層が、単層である樹脂層若しくは金属層であるか、又は樹脂層若しくは金属層を少なくとも有している積層体であり、上記樹脂層又は上記金属層が、上記易剥離性層に接しており、かつ
上記易剥離性層が、60℃以下のガラス転移温度を有する、非晶性ポリエステルの層である、
態様1〜5のいずれか一項に記載の易剥離性蓋材。
〈態様7〉フランジ部を有する容器、
態様1〜6のいずれか一項に記載の易剥離性蓋材であって、上記易剥離性蓋材の上記本体部分が、上記容器の上記フランジ部に接合されており、それによって上記容器を密封している、蓋材
を具備しており、かつ
上記フランジ部の外周が、上記蓋材の上記本体部分と対応する形状を有する、
蓋付容器。
〈態様8〉上記容器に収容されている内容物を更に具備している、態様7に記載の蓋付容器。
〈態様9〉上記容器が、紙容器である、態様7又は8に記載の蓋付容器。
図1に示すように、本発明の易剥離性蓋材100は、第一の基材層110、易剥離性層130、及び第二の基材層120を積層方向にこの順で有し、
本体部分102、及び本体部分102から突出している剥離用タブ104を面方向に具備しており、
本体部分102と剥離用タブ104との境界が、第二の基材層120側から形成されている剥離きっかけ用ハーフカットライン122により画定されており、
剥離用タブ104を摘まんで剥離用タブ104から本体部分102へと向かう剥離方向に引っ張ることにより、第一の基材層110を第二の基材層120から剥離可能であり、
第一の基材層110を第二の基材層120から剥離したときに開口が本体部分102の一部に形成されるようにして、第二の基材層120側から開口形成用ハーフカットライン124が形成されており、
開口形成用ハーフカットライン124が、
本体部分102から剥離用タブ104に向かう方向に凸であり、少なくとも一部が不連続である、第一の部分124a、及び
剥離方向に凸であり、連続しており、かつ少なくとも一部が第一の部分124aよりも本体部分102の中心側の領域を横断するように形成されている、第二の部分124b
で構成されている。
本体部分102から剥離用タブ104に向かう方向に凸であり、少なくとも一部が不連続である、第一の部分124a、及び
剥離方向に凸であり、連続しており、かつ少なくとも一部が第一の部分124aよりも本体部分102の中心側の領域を横断するように形成されている、第二の部分124b
で構成することにより、上記の課題を解決できることを見出した。
本体部分は、本発明の易剥離性蓋材における剥離用タブ及び開封用タブを除いた部分である。特に、本体部分は、容器に接合させたときに容器のフランジ部の外周以内を占める部分、すなわち密封すべき容器のフランジ部の外周の形状に対応する形状を有する部分であることができる。
剥離用タブは、本体部分から突出している。本体部分と剥離用タブとの境界は、第二の基材層側から形成されている剥離きっかけ用ハーフカットラインにより画定されている。この剥離用タブを摘まんで剥離用タブから本体部分へと向かう剥離方向に引っ張ることにより、易剥離性層と第二の基材層との間、又は、第一の基材層と易剥離性層との間を剥離することができる。
ハーフカットラインは、易剥離性蓋材の表面から易剥離性蓋材の厚さ未満の深さで形成された切り込みである。
開口形成用ハーフカットラインは、第一の基材層を第二の基材層から剥離したときに開口が本体部分の一部に形成されるようにして、第二の基材層側から形成されている。第二の基材層から第一の基材層を剥離したときには、この一部の領域が第一の基材層と共に第二の基材層の他の部分から分離されて、第二の基材層に開口が形成される。
第一の部分は、本体部分から剥離用タブに向かう方向に凸であり、少なくとも一部が不連続である。第一の部分は、図3(a)、(c)及び(d)に示すように、全体が不連続であるミシン目状であってもよく、又は図3(b)に示すように、一部が不連続であってもよい。
第二の部分は、剥離方向に凸であり、連続しており、かつ少なくとも一部が第一の部分よりも本体部分の中心側の領域を横断するように形成されている。
剥離きっかけ用ハーフカットラインは、一般に、一方の基材層から他方の基材層を剥離するための要素、特に内層から外層を剥離するための要素として、すなわち剥離きっかけとして用いられるハーフカットラインである。特に、本発明の蓋材においては、このハーフカットラインは、第二の基材層側から形成されているハーフカットラインである。
第一の基材層は、易剥離性層上に存在している層である。第一の基材層は、随意の層を単層で又は積層させて用いることができる。
樹脂層としては、市販のフィルムや押出し樹脂などを適宜用いることが可能である。
金属層としては、例えばアルミニウム箔、銅箔、チタン箔等の金属箔、アルミニウム合金箔、ステンレス箔等の合金箔を用いることができる。
シーラント層は、容器等の他の構成に易剥離性蓋材をヒートシールするための層である。特に、本発明の第一の基材層及び第二の基材層においては、最外層のうちの易剥離性層と接していない層である。
他の層としては、紙層、接着剤層、印刷層等が挙げられる。他の層の積層は、例えば、サンドラミネートやバックラミネートなどの押出しラミネート、ドライラミネートなどにより行うことができる。
易剥離性層は、易剥離性樹脂で形成されている易剥離性樹脂層であってもよく、又は非晶性ポリエステルの層であってもよく、又はこれらを組み合わせた層であってよい。特に、易剥離性層に良好な易剥離性及び再封性を付与する場合には、易剥離性層は、非晶性ポリエステルの層、特に60℃以下のガラス転移温度を有する非晶性ポリエステルの層であることが好ましい。このような易剥離性及び再封性を有する易剥離性層に関しては、特許文献2の記載を参照できる。
易剥離性樹脂としては、例えばポリオレフィン単体、又はポリオレフィンに環状オレフィンコポリマー(COC)を所定の比率で混合した樹脂であってよい。
非晶性ポリエステルは、60℃以下のガラス転移温度を有していてよい。このガラス転移温度は、60℃以下、55℃以下、又は50℃以下であることができ、また−50℃以上、−40℃以上、−30℃以上、又は−20℃以上であることができる。上記の範囲であれば、実用上問題のない易剥離性及びリシール性を確保することができるが、異音や引っ掛かりを伴う剥離(パルス剥離)を生じさせない観点、すなわち滑らかな剥離を生じさせる観点から、このガラス転移温度は、45℃以下であることが好ましい。また、このガラス転移温度は、常温における良好な易剥離性を得る観点から、−20℃以上、−10℃以上、0℃以上、10℃以上、20℃以上、又は25℃超であることが好ましい。
第二の基材層は、易剥離性層上の、第一の基材層が存在していない側に存在している層である。第二の基材層は、随意の層を単層で又は積層させて用いることができる。
本発明の蓋付容器は、フランジ部を有する容器、及び上記の易剥離性蓋材を具備している。易剥離性蓋材の本体部分は、容器のフランジ部に接合されており、それによって容器を密封している。
容器は、フランジ部を有する容器である。
内容物は、容器に収容されていてよい。
〈蓋付容器の作製〉
(実施例)
以下に示される材料を用意した:
紙(坪量:79.1g/m2):特菱アート、三菱製紙株式会社
PET(厚さ:12μm):PET、ユニチカ株式会社
易剥離性層:バイロン 55SS、東洋紡株式会社、Tg:−15℃
PET(厚さ:12μm):PETB、ユニチカ株式会社
アルミニウム箔(厚さ:6.5μm):1N30、東洋アルミ株式会社
ドライラミネート接着剤:タケラックA−620/タケネートA−65、三井化学株式会社
EMAA(厚さ:18μm):ニュクレル AN4225C、三井・デュポンポリケミカル株式会社
シーラント層(厚さ15μm):トヨメルト ER、東洋アドレ株式会社
図4(a)に示す開口形成用ハーフカットラインの形状を、図4(b)〜(d)に示す形状に変更したことを除き、実施例と同様にして、比較例1〜3の蓋付容器を得た。
作製した各蓋付容器の剥離用タブを摘まんで、剥離方向に引っ張ることにより、第一の基材層を第二の基材層から剥離し、蓋材の破断の有無を目視によって確認した。以下の表1においては、それぞれ5個のサンプルについて同様の評価を行い、破断がなかったものの個数を記載した。
作製した各蓋付容器を、常温環境下(温度25℃、相対湿度50%)と高温多湿環境下(温度40℃、相対湿度90%)とで交互に3時間ずつの保存を繰り返して、合計12時間保存させた。次いで、蓋材の外周側から、第二の基材層が露出しているか否かを、目視により評価した。評価は、第二の基材層のアルミニウム箔が露出していたか否かを確認することにより行った。表1においては、第二の基材層が露出していたものを×、露出していなかったものを〇としている。
開口形成用ハーフカットラインの形状の違いが押圧強度に与える影響を、簡易的に確認するために、上述の評価(開封試験、吸湿試験)の際に使用した積層構成を変更して試験を行った。
ただし、開口形成用ハーフカットラインの形状は実施例、比較例1、比較例2、比較例3と同様とした。
(蓋付容器A)
以下に示される材料を用意した:
紙(坪量:79.1g/m2):特菱アート、三菱製紙株式会社
LDPE(厚さ:15μm):ペトロセン205、東ソー株式会社
アルミニウム箔(厚さ:6.5μm):1N30、東洋アルミ株式会社
EMAA(厚さ:18μm):ニュクレル AN4225C、三井・デュポンポリケミカル株式会社
シーラント層(厚さ15μm):トヨメルト ER、東洋アドレ株式会社
底面がφ72mmのPP製の治具を用いて、作製した各蓋付容器の蓋材を1kg、2kg、3kg、4kg、5kgの負荷でそれぞれ5秒間押圧した。押圧後、開口形成用ハーフカットラインをきっかけとした蓋材の破断の有無を目視により観察した。以下の表2においては、破断があった際の最大荷重を記載した。
102 本体部分
104 剥離用タブ
106 開封用タブ
110 第一の基材層
120 第二の基材層
130 易剥離性層
122 剥離きっかけ用ハーフカットライン
124 開口形成用ハーフカットライン
124a 第一の部分
124a’ 第一の部分を反転させた位置に存在する仮想線
124b 第二の部分
126 接着予定領域
200 容器
202 フランジ部
204 収納部
300 蓋付容器
Claims (9)
- 第一の基材層、易剥離性層、及び第二の基材層を積層方向にこの順で有する、易剥離性蓋材であって、
本体部分、及び前記本体部分から突出している剥離用タブを面方向に具備しており、
前記本体部分と前記剥離用タブとの境界が、前記第二の基材層側から形成されている剥離きっかけ用ハーフカットラインにより画定されており、
前記剥離用タブを摘まんで前記剥離用タブから前記本体部分へと向かう剥離方向に引っ張ることにより、前記第一の基材層を前記第二の基材層から剥離可能であり、
前記第一の基材層を前記第二の基材層から剥離したときに開口が前記本体部分の一部に形成されるようにして、前記第二の基材層側から開口形成用ハーフカットラインが形成されており、
前記開口形成用ハーフカットラインが、
前記本体部分から前記剥離用タブに向かう方向に凸であり、少なくとも一部が不連続である、第一の部分、及び
前記剥離方向に凸であり、連続しており、かつ少なくとも一部が前記第一の部分よりも前記本体部分の中心側の領域を横断するように形成されている、第二の部分
で構成されている、
易剥離性蓋材。 - 前記第二の部分が、前記第一の部分を前記第二の部分の側に反転させた位置に存在する仮想線に包囲されることとなる領域に少なくとも一部が含まれる形状である、請求項1に記載の易剥離性蓋材。
- 前記第二の部分が、曲線で構成されている、請求項1又は2に記載の易剥離性蓋材。
- 前記第一の部分が、前記易剥離性蓋材と容器とが接着することを予定している接着予定領域の内周に沿うようにして形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の易剥離性蓋材。
- 前記接着予定領域が円形であり、前記第一の部分の曲率半径が、前記接着予定領域の内周の曲率半径より小さく、かつ
前記第二の部分の少なくとも一部の曲率半径が、前記第一の部分の曲率半径よりも大きい、
請求項4に記載の易剥離性蓋材。 - 前記第一及び第二の基材層が、単層である樹脂層若しくは金属層であるか、又は樹脂層若しくは金属層を少なくとも有している積層体であり、前記樹脂層又は前記金属層が、前記易剥離性層に接しており、かつ
前記易剥離性層が、60℃以下のガラス転移温度を有する、非晶性ポリエステルの層である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の易剥離性蓋材。 - フランジ部を有する容器、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の易剥離性蓋材であって、前記易剥離性蓋材の前記本体部分が、前記容器の前記フランジ部に接合されており、それによって前記容器を密封している、蓋材
を具備しており、かつ
前記フランジ部の外周が、前記蓋材の前記本体部分と対応する形状を有する、
蓋付容器。 - 前記容器に収容されている内容物を更に具備している、請求項7に記載の蓋付容器。
- 前記容器が、紙容器である、請求項7又は8に記載の蓋付容器。
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