JP2010267797A - 半導体発光素子、ランプ、照明装置、電子機器及び電極 - Google Patents

半導体発光素子、ランプ、照明装置、電子機器及び電極 Download PDF

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Abstract


【課題】密着性を高めた電極を備えた半導体発光素子を提供することを目的とする。
【解決手段】基板101と、前記基板101上にn型半導体層104と発光層105とp型半導体層106とがこの順序で積層されてなる積層半導体層20と、p型半導体層106に接合された一方の電極111と、n型半導体層104に接合された他方の電極108と、を具備する半導体発光素子であって、一方の電極111または他方の電極108の一方または両方が、オーミックコンタクト層51と金属反射層52と第1の拡散防止層53と第1の密着層54とがこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、第1の密着層54の外縁部が前記積層半導体層と接して張り出して形成され、第1の拡散防止層53を完全に覆っている半導体発光素子1を用いることにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体発光素子、ランプ、照明装置、電子機器及び電極に関するものであり、特に、密着性を高めた電極を備えた半導体発光素子に関するものである。
近年、GaN系化合物半導体は、短波長発光素子用の半導体材料として注目を集めている。GaN系化合物半導体は、一般に、サファイア単結晶、種々の酸化物及びIII−V族化合物などの基板上に、有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等の薄膜形成手段を用いて形成される。
そして、GaN系化合物半導体発光素子は、一般にn型のGaN系化合物半導体(以下、n型半導体層)、活性層(以下、発光層)及びp型のGaN系化合物半導体層(以下、p型半導体層)からなる積層半導体層と、前記p型半導体層上のp型電極と、前記n型半導体層上のn型電極とを備える。
このようなGaN系化合物半導体発光素子には、基板を上に、電極を下にして発光素子を配線基板に実装することで、発光層から発射される光を基板を介して外部に取り出す、所謂フリップチップ型半導体発光素子がある。
フリップチップ型半導体発光素子においては、電極によって光を反射させるために、AgやAlなどの反射層を有する電極が形成される。しかし、AgやAlは酸化されやすい金属であり、外部の水分や空気との接触により劣化するという問題がある。
そのため、p型電極やn型電極の表面および周囲には酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁保護膜が形成される。さらに、p型電極とn型電極間の絶縁性を高めるため、両電極間に絶縁保護膜が形成される。
電極の最表面は、配線のしやすさの観点から、Auが一般的に使われている。しかしながら、Auに対する酸化シリコン又は窒化シリコンの付着力が非常に弱いために、強固な保護膜が形成できないという問題があった。この問題を解決するために、Auと絶縁保護膜の間に接着強化層を形成して、接着強度を高める技術が開示されている(特許文献1及び特許文献2)。
しかしながら、Auと絶縁保護膜との接着強度を高めても、電極を構成する金属とGaN系化合物半導体との間の接着性が不十分な場合には、電極の剥れや発光素子の信頼性を大きく低下するなどの問題があった。
特開平11−150301号公報 特開平9−320984号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、正負電極部(n型電極及びp型電極)とGaN系化合物半導体の積層半導体層(n型半導体層又は/及びp型半導体層)との接着性を高めた電極構造を備えた半導体発光素子、ランプ、照明装置、電子機器及び電極を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
(1) 基板と、前記基板上にn型半導体層と発光層とp型半導体層とがこの順序で積層されてなる積層半導体層と、前記p型半導体層に接合された一方の電極と、前記n型半導体層に接合された他方の電極と、を具備する半導体発光素子であって、前記一方の電極または前記他方の電極の一方または両方が、オーミックコンタクト層と金属反射層と第1の拡散防止層と第1の密着層がこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、前記第1の密着層の外縁部が前記積層半導体層と接して張り出して形成され、前記第1の拡散防止層を完全に覆っていることを特徴とする半導体発光素子。
(2) 前記第1の密着層の外縁部に外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面が形成されていることを特徴とする(1)に記載の半導体発光素子。
(3) 前記オーミックコンタクト層がIn、Zn、Al、Ga、Ti、Bi、Mg、W、Ce、Sn、Niのいずれか一種を含む導電性の酸化物からなる群より選ばれる透光性の導電性材料から構成されることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体発光素子。
(4) 前記金属反射層がAg、Al、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Tiのうちの何れかまたはこれら金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
(5) 前記第1の拡散防止層がTa、Ti、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
(6) 前記第1の密着層がTa、Ti、Niもしくはこれらの金属の何れかを含む合金またはこれらの金属の何れかを含む窒素化合物からなることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
(7) 第2の拡散防止層が、前記第1の密着層を覆うように形成されていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
(8) 前記第2の拡散防止層がRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Wまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする(7)に記載の半導体発光素子。
(9) ボンディング層が前記第1の密着層または前記第2の拡散防止層を覆うように形成されていることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
(10) 前記ボンディング層がAu、Alまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする(9)に記載の半導体発光素子。
(11) 第2の密着層が、前記ボンディング層を覆うように形成されていることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
(12) 前記第2の密着層が、Ti、Ta、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする(11)に記載の半導体発光素子。
(13) 絶縁保護膜が、前記第2の密着層を覆うように形成されていることを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
(14) 前記積層半導体層が窒化ガリウム系半導体を主体として構成されていることを特徴とする(1)〜(13)のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
(15) 一の配線部と前記一の配線部と離間して配設された他の配線部とを一面に備えた実装基板と、前記実装基板の一面上に配置された(1)〜(14)のいずれか1項に記載の半導体発光素子と、を具備するランプであって、前記半導体発光素子の一方の電極が前記一の配線部と接続され、前記半導体発光素子の他方の電極が前記他の配線部と接続され、前記半導体発光素子の基板が前記実装基板と反対側になるように配置されていることを特徴とするランプ。
(16) (15)に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする照明装置。
(17) (15)に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
(18) 基板と、前記基板上にn型半導体層と発光層とp型半導体層とがこの順序で積層されてなる積層半導体層と、前記p型半導体層に接合された一方の電極と、前記積層半導体層の一部が切り欠けられて露出された前記n型半導体層に接合された他方の電極と、を具備する半導体発光素子用の電極であって、前記一方の電極または前記他方の電極の一方または両方が、オーミックコンタクト層と金属反射層と第1の拡散防止層と第1の密着層とがこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、前記第1の密着層の外縁部が前記積層半導体層と接して張り出して形成され、前記第1の拡散防止層を完全に覆っていることを特徴とする半導体発光素子用の電極。
(19) 前記第1の密着層の外縁部に外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面が形成されていることを特徴とする(18)に記載の半導体発光素子用の電極。
(20) ボンディング層が前記第1の密着層を覆うように形成されていることを特徴とする(18)または(19)に記載の半導体発光素子用の電極。
上記の構成によれば、正負電極部(n型電極又はp型電極)の一方または両方において、当該電極と当該電極が形成されるn型半導体層又はp型半導体層との接着性を高めた電極構造を備えた半導体発光素子、ランプ、照明装置、電子機器及び電極を提供することができる。
また、金属反射層を有する当該電極構造を備えたフリップチップ型半導体発光素子、その製造方法、ランプ及び照明装置を提供することができる。
さらに、本発明は、基板と、前記基板上にn型半導体層と発光層とp型半導体層とがこの順序で積層されてなる積層半導体層と、前記p型半導体層に接合された一方の電極と、前記n型半導体層に接合された他方の電極と、を具備する半導体発光素子であって、前記一方の電極または前記他方の電極の一方または両方が、オーミックコンタクト層と金属反射層と第1の拡散防止層とがこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、前記第1の密着層の外縁部が前記積層半導体層と接して張り出して形成され、前記第1の拡散防止層を完全に覆っていることにより、前記電極とGaN系化合物半導体層との接着性を高めることができる。
本発明の半導体発光素子は、基板と、前記基板上にn型半導体層と発光層とp型半導体層とがこの順序で積層されてなる積層半導体層と、前記p型半導体層に接合された一方の電極と、前記n型半導体層に接合された他方の電極と、を具備する半導体発光素子であって、前記一方の電極または前記他方の電極の一方または両方が、オーミックコンタクト層と金属反射層と第1の拡散防止層とがこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、前記第1の密着層の外縁部が前記積層半導体層と接して張り出して形成され、前記第1の拡散防止層を完全に覆っている構成なので、電極の積層半導体層への密着性を高めて、実装基板の配線部への接合時の引張応力によっても剥がれることのない電極とすることができる。さらに、半導体発光素子の製造効率を向上させるとともに、半導体発光素子の素子寿命を長くすることができる。
本発明によれば、n型電極又はp型電極の一方または両方が金属反射層を有する電極であり、当該電極と当該電極が形成されるn型半導体層又はp型半導体層との接着性を高めた電極構造を備えたフリップチップ型半導体発光素子、その製造方法、ランプ及び照明装置を提供することができる。
本発明の半導体発光素子は、前記第1の密着層の外縁部が積層半導体層のn型半導体層又はp型半導体層の一方又は両方の層と接して張り出して形成され、外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面が形成されている構成なので、電極の積層半導体層への密着性を高めて、外部からの水分や空気の浸入を抑制し、信頼性を高めることができる。
本発明の半導体発光素子は、ボンディング層が前記第1の密着層または前記第2の拡散防止層を覆うように形成され、前記第2の密着層が前記ボンディング層を完全に覆うように接し絶縁保護膜との密着性を高める構成なので、電極自体の積層半導体層への密着性を高めることができる。その結果、外部からの水分や空気の浸入を抑制し、信頼性を高めることができる。
本発明のランプは、一の配線部と前記一の配線部と離間して配設された他の配線部とを一面に備えた実装基板と、前記実装基板の一面上に配置された前項(1)〜前項(14)のいずれか1項に記載の半導体発光素子と、を具備するランプであって、前記半導体発光素子の一方の電極が前記一の配線部と接続され、前記半導体発光素子の他方の電極が前記他の配線部と接続され、前記半導体発光素子の基板が前記実装基板と反対側になるように配置されている構成なので、電極の積層半導体層への密着性を高めて、信頼性の高いランプとすることができる。
本発明の照明装置は、先に記載のランプが組み込まれている構成なので、積層半導体層への密着性が高められた電極を備えた構造とすることができる。
本発明の電子機器は、先に記載のランプが組み込まれている構成なので、積層半導体層への密着性が高められた電極を備えた構造とすることができる。
本発明の半導体発光素子用の電極は、基板と、前記基板上にn型半導体層と発光層とp型半導体層とがこの順序で積層されてなる積層半導体層と、前記p型半導体層に接合された一方の電極と、前記n型半導体層に接合された他方の電極と、を具備する半導体発光素子用の電極であって、前記一方の電極または前記他方の電極の一方または両方が、オーミックコンタクト層と金属反射層と第1の拡散防止層と第1の密着層とがこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、前記第1の密着層の外縁部が前記積層半導体層と接して張り出して形成され、前記第1の拡散防止層を完全に覆っている構成なので、電極の積層半導体層への密着性を高めて、外部からの水分や空気の浸入を抑制し、劣化の起きない電極とすることができる。
本発明の半導体発光素子の一例を示す平面模式図である。 図1のA−A’線における断面模式図である。 図1のB−B’線における断面模式図である。 本発明の半導体発光素子の積層半導体層の一例を示す断面模式図である。 本発明の半導体発光素子のp型電極の一例の拡大断面図である。 本発明の半導体発光素子のp型電極の工程断面図の一例である。 本発明の半導体発光素子のp型電極の工程断面図の一例である。 本発明の半導体発光素子のp型電極の工程断面図の一例である。 本発明の半導体発光素子のp型電極の工程断面図の一例である。 本発明のランプの一例を示す断面模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1〜図5は、本発明の実施形態である半導体発光素子の一例を示す図であって、図1は本発明の実施形態である半導体発光素子の平面模式図であり、図2は、図1のA−A’線における断面模式図であり、図3は、図1のB−B’線における断面模式図であり、図4は、図1に示す半導体発光素子を構成する積層半導体層の断面模式図であり、図5は、図1に示す半導体発光素子のp型電極の拡大断面図である。
(半導体発光素子)
図1に示すように、半導体発光素子1は平面視略矩形状であり、一辺側が平面視半円半矩形状に切り欠けられており、切欠部16と切欠残部17が形成されている。
切欠部16には、平面視円形状のn型電極108が設けられている。n型電極108の側面およびその周囲は保護膜10に覆われている。
半導体発光素子1の切欠残部17は保護膜10に覆われており、保護膜10に設けられた平面視円形状の凹部111cからボンディング層55が露出されている。なお、切欠残部17の保護膜10の下には、切欠残部17とほぼ同様な形状で、オーミックコンタクト層51と、金属反射層52と、第1の拡散防止層53と、第1の密着層54と、ボンディング層55と、第2の密着層56とが配置されており、p型電極111が構成されている。
図2及び図3に示すように、本発明の実施形態である半導体発光素子1は、基板101側の方向fに光を取り出す発光素子であり、基板101上に、バッファ層102、下地層103、積層半導体層20が順次積層されるとともに、積層半導体層20の基板101と反対側の面(以下、上面)106cにp型電極111が形成され、さらに、積層半導体層20の一部が切り欠けられて形成されたn型半導体層104の露出面104c上にn型電極108が形成されて概略構成されている。なお、積層半導体層20は、基板101側から、n型半導体層104、発光層105、p型半導体層106がこの順に積層されて構成されている。
また、p型電極111は、p型半導体層106の上面106cに、オーミックコンタクト層51と、金属反射層52と、第1の拡散防止層53と、第1の密着層54と、ボンディング層55と、第2の密着層56と、保護膜10とがこの順序で積層されて構成されている。
さらに、保護膜10は、p型半導体層106の上面及び側面を覆うとともに、半導体層露出面104cおよびn型電極108の側面を覆っている。
以下、各部材について説明する。
<基板>
基板101は、透明であり、III族窒化物半導体結晶が表面にエピタキシャル成長される基板であれば、特に限定されず、各種の基板を選択して用いることができる。例えば、サファイア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムアルミニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン等からなる基板を用いることができる。
また、上記基板の中でも、特に、c面を主面とするサファイア基板を用いることが好ましく、サファイアのc面上にバッファ層102を形成するとよい。
<積層半導体層>
積層半導体層20は、例えば、III族窒化物半導体からなる層であって、図2及び図3に示すように、基板101上に、n型半導体層104、発光層105及びp型半導体層106の各層がこの順で積層されてなる。なお、積層半導体層20は、さらに下地層103、バッファ層102を含めてもよい。
図4に示すように、n型半導体層104、発光層105及びp型半導体層106の各層はそれぞれ、複数の半導体層で構成することができる。
なお、積層半導体層20は、MOCVD法で形成すると結晶性の良いものが得られるが、スパッタ法によっても条件を最適化することで、MOCVD法よりも優れた結晶性を有する半導体層を形成できる。以下、順次説明する。
<バッファ層>
バッファ層102は、多結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)からなるものが好ましく、単結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)のものがより好ましい。
バッファ層102は、上述のように、例えば、多結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)からなる厚さ0.01〜0.5μmのものとすることができる。バッファ層102の厚みが0.01μm未満であると、バッファ層102により基板101と下地層103との格子定数の違い緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、バッファ層102の厚みが0.5μmを超えると、バッファ層102としての機能には変化が無いのにも関わらず、バッファ層102の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下するおそれがある。
バッファ層102は、基板101と下地層103との格子定数の違いを緩和し、基板101の(0001)C面上にC軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、バッファ層102の上に単結晶の下地層103を積層すると、より一層結晶性の良い下地層103が積層できる。なお、本発明においては、バッファ層形成工程を行なうことが好ましいが、行なわなくても良い。
バッファ層102は、III族窒化物半導体からなる六方晶系の結晶構造を持つものであってもよい。また、バッファ層102をなすIII族窒化物半導体の結晶は、単結晶構造を有するものであってもよく、単結晶構造を有するものが好ましく用いられる。III族窒化物半導体の結晶は、成長条件を制御することにより、上方向だけでなく、面内方向にも成長して単結晶構造を形成する。このため、バッファ層102の成膜条件を制御することにより、単結晶構造のIII族窒化物半導体の結晶からなるバッファ層102とすることができる。このような単結晶構造を有するバッファ層102を基板101上に成膜した場合、バッファ層102のバッファ機能が有効に作用するため、その上に成膜されたIII族窒化物半導体は良好な配向性及び結晶性を有する結晶膜となる。
また、バッファ層102をなすIII族窒化物半導体の結晶は、成膜条件をコントロールすることにより、六角柱を基本とした集合組織からなる柱状結晶(多結晶)とすることも可能である。なお、ここでの集合組織からなる柱状結晶とは、隣接する結晶粒との間に結晶粒界を形成して隔てられており、それ自体は縦断面形状として柱状になっている結晶のことをいう。
<下地層>
下地層103としては、AlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)が挙げられるが、AlGa1−xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層103を形成できるため好ましい。
下地層103の膜厚は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlGa1−xN層が得られやすい。
下地層103の結晶性を良くするためには、下地層103は不純物をドーピングしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合は、アクセプター不純物あるいはドナー不純物を添加することができる。
<n型半導体層>
図4に示すように、n型半導体層104は、通常nコンタクト層104aとnクラッド層104bとから構成されるのが好ましい。なお、nコンタクト層104aはnクラッド層104bを兼ねることも可能である。また、前述の下地層をn型半導体層104に含めてもよい。
nコンタクト層104aは、n型電極を設けるための層である。nコンタクト層104aとしては、AlGa1−xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。
また、nコンタクト層104aにはn型不純物がドープされていることが好ましく、n型不純物を1×1017〜1×1020/cm、好ましくは1×1018〜1×1019/cmの濃度で含有すると、n型電極との良好なオーミック接触の維持の点で好ましい。n型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeが挙げられる。
nコンタクト層104aの膜厚は、0.5〜5μmとされることが好ましく、1〜3μmの範囲に設定することがより好ましい。nコンタクト層104aの膜厚が上記範囲にあると、半導体の結晶性が良好に維持される。
nコンタクト層104aと発光層105との間には、nクラッド層104bを設けることが好ましい。nクラッド層104bは、発光層105へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めを行なう層である。nクラッド層104bはAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。nクラッド層104bをGaInNで形成する場合には、発光層105のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましいことは言うまでもない。
nクラッド層104bの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは0.005〜0.5μmであり、より好ましくは0.005〜0.1μmである。nクラッド層104bのn型ドープ濃度は1×1017〜1×1020/cmが好ましく、より好ましくは1×1018〜1×1019/cmである。ドープ濃度がこの範囲であると、良好な結晶性の維持および素子の動作電圧低減の点で好ましい。
なお、nクラッド層104bを、超格子構造を含む層とする場合には、詳細な図示を省略するが、100Å以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第1層と、該n側第1層と組成が異なるとともに100Å以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第2層とが積層された構造を含むものであっても良い。
また、nクラッド層104bは、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよい。また、好ましくは、前記n側第1層又はn側第2層の何れかが、活性層(発光層105)に接する構成とすれば良い。
<発光層>
n型半導体層104の上に積層される発光層105としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などの発光層105がある。
図4に示すような、量子井戸構造の井戸層105bとしては、Ga1−yInN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が通常用いられる。井戸層105bの膜厚としては、量子効果の得られる程度の膜厚、例えば1〜10nmとすることができ、好ましくは2〜6nmとすると発光出力の点で好ましい。
また、多重量子井戸構造の発光層105の場合は、上記Ga1−yInNを井戸層105bとし、井戸層105bよりバンドギャップエネルギーが大きいAlGa1−zN(0≦z<0.3)を障壁層105aとする。井戸層105bおよび障壁層105aには、設計により不純物をドープしてもしなくてもよい。
<p型半導体層>
図4に示すように、p型半導体層106は、通常、pクラッド層106aおよびpコンタクト層106bから構成される。また、pコンタクト層106bがpクラッド層106aを兼ねることも可能である。
pクラッド層106aは、発光層105へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入を行なう層である。pクラッド層106aとしては、発光層105のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層105へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、好ましくは、AlGa1−xN(0<x≦0.4)のものが挙げられる。
pクラッド層106aが、このようなAlGaNからなると、発光層へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。pクラッド層106aの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは5〜100nmである。
pクラッド層106aのp型ドープ濃度は、1×1018〜1×1021/cmが好ましく、より好ましくは1×1019〜1×1020/cmである。p型ドープ濃度が上記範囲であると、結晶性を低下させることなく良好なp型結晶が得られる。
また、pクラッド層106aは、複数回積層した超格子構造としてもよい。
なお、pクラッド層106aを、超格子構造を含む層とする場合には、詳細な図示を省略するが、100Å以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるp側第1層と、該p側第1層と組成が異なるとともに100Å以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるp側第2層とが積層された構造を含むものであっても良い。また、p側第1層とp側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであっても良い。
pコンタクト層106bは、正極を設けるための層である。pコンタクト層106bは、AlGa1−xN(0≦x≦0.4)が好ましい。Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持およびpオーミック電極との良好なオーミック接触の点で好ましい。
p型不純物(ドーパント)を1×1018〜1×1021/cmの濃度、好ましくは5×1019〜5×1020/cmの濃度で含有していると、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えば好ましくはMgが挙げられる。
pコンタクト層106bの膜厚は、特に限定されないが、0.01〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2μmである。pコンタクト層106bの膜厚がこの範囲であると、発光出力の点で好ましい。
<p型電極>
図5は、図2に示す本発明の実施形態である半導体発光素子1のp型電極111の一例の拡大断面図である。
図5に示すように、p型電極111は、オーミックコンタクト層51と、金属反射層52と、第1の拡散防止層53と、第1の密着層54と、ボンディング層55と、第2の密着層56と、絶縁保護膜10とが積層されて概略構成されている。
<オーミックコンタクト層>
図5に示すように、オーミックコンタクト層51は、p型半導体層106の上面106cに形成されている。また、その外縁側が外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面51eとされている。
オーミックコンタクト層51は、p型半導体層106との接触抵抗が小さいものが好ましい。また、発光層105からの光を金属反射層52側に取り出すことから、オーミックコンタクト層51は光透過性に優れたものが好ましい。さらにまた、p型半導体層106のほぼ全面に渡って均一に電流を拡散させるために、オーミックコンタクト層51は優れた導電性を有していることが好ましい。
オーミックコンタクト層51の構成材料としては、透明な導電性材料であればよく、例えば、In、Zn、Al、Ga、Ti、Bi、Mg、W、Ce、Sn、Niのいずれか一種を含む導電性の酸化物からなる群より選ばれる透光性(透明)の導電性材料が好ましい。中でも、インジウム酸化物又はチタン酸化物が、特に好ましい。後述する金属反射層にAgを用いた場合、これら導電性の酸化物はAgと反応せずにAgがオーミックコンタクト層に拡散するのを防止することからも好ましい。
ここで、導電性のインジウム酸化物としては、酸化物中にインジウム元素を含む透明な導電性であるものならどんな組成であってもよく、例えば、ITO(酸化インジウム錫(In−SnO))、IZO(酸化インジウム亜鉛(In−ZnO))、IGO(酸化ガリウムインジウム(In−Ga))が例示できる。また。導電性のチタン酸化物には、酸化チタンが挙げられる。さらにその他の透明な導電性材料には、AZO(酸化アルミニウム亜鉛(ZnO−Al))、GZO(酸化ガリウム亜鉛(ZnO−Ga))、フッ素ドープ酸化錫、ニオブドープ酸化チタン等を使用できる。
これらの材料を、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることによって、オーミックコンタクト層51を形成できる。また、オーミックコンタクト層51を形成した後に、合金化や透明化を目的とした熱アニールを施す場合もあるが、施さなくても構わない。
インジウム酸化物を含むオーミックコンタクト層51は、結晶化された構造のものを使用してよく、特に六方晶構造又はビックスバイト構造を有するIn結晶を含む透明電極(例えば、公知なITOやIZO等)を好ましく使用することができる。
オーミックコンタクト層51の最大厚さは、1nm〜500nmとすることが望ましく、2nm〜200nmとすることがより望ましく、3nm〜100nmとすることが更に望ましい。
<金属反射層>
図5に示すように、金属反射層52は、オーミックコンタクト層51を完全に覆うように形成されている。また、その外縁側が外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面52eとされている。
すなわち、金属反射層52は、オーミックコンタクト層51の最先端部、すなわちオーミックコンタクト層51を平面視したときの輪郭線を形成する境界部の上を完全に覆うように形成されている。つまり、平面視したときに、金属反射層52はオーミックコンタクト層51を覆って、更にオーミックコンタクト層51の外周側にまで張り出すように形成される構成なので、オーミックコンタクト層51のいかなる部分も金属反射層52の下から露出しないようにすることができる。
金属反射層52は、反射率の高い金属で構成することが好ましく、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の白金族金属、Al、Ag、Tiおよびこれらの金属の少なくも一種を含む合金で構成することがより好ましい。これにより、発光層105からの光を効果的に反射させることができる。
なかでも、Al、Ag、Ptおよびこれらの金属の少なくも一種を含む合金は、電極用の材料として一般的であり、入手のし易さ、取り扱いの容易さなどの点から優れている。
また、金属反射層52は、オーミックコンタクト層51に密着していることが、発光層105からの光を効率良く反射するとともに、p型電極111の接合強度を高められる点で好ましい。このため、p型電極111が充分な強度を得るためには、金属反射層52がオーミックコンタクト層51に強固に接合されていることが必要である。
また、p型電極111の反射率は、金属反射層52の構成材料によって変えることができ、60%以上とすることが好ましく、80%以上とすることがより好ましく、90%以上とすることが更に好ましい。
なお、反射率は、分光光度計等で比較的容易に測定することが可能である。しかし、p型電極111そのものは面積が小さいために反射率を測定することは難しい。そこで、例えば、p型電極111形成時に、面積の大きく透明なガラス製の「ダミー基板」上にp型電極111と同様のものを作成し、これをサンプルとして反射率を測定する。
金属反射層52の最大厚さは、20〜3000nmであることが望ましく、更に望ましくは50〜1000nmであり、最も望ましいのは100〜500nmである。金属反射層52が薄すぎると充分な反射の効果を得ることができない。逆に厚すぎると特に利点は生じず、工程時間の長時間化と材料の無駄を生じるのみである。
<第1の拡散防止層>
図5に示すように、金属反射層52を完全に覆うように、第1の拡散防止層53が形成されている。また、その外縁側が外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面53eとされている。
すなわち、第1の拡散防止層53は、金属反射層52の最先端部、すなわち金属反射層52を平面視したときの輪郭線を形成する境界部の上を完全に覆うように形成されている。つまり、平面視したときに、第1の拡散防止層53は金属反射層52を覆って、更に金属反射層52の外周側にまで張り出すように形成される構成なので、金属反射層52のいかなる部分も第1の拡散防止層53の下から露出しないようにすることができる。
第1の拡散防止層53は、Ta、Ti、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることが好ましくない。これにより金属反射層52を構成するAgなどの金属材料がボンディング層などへ拡散することを防止することができる。
第1の拡散防止層53の最大厚さは、50nm以上の範囲とすることが望ましく、100nm以上の範囲とすることがより望ましく、200nm以上の範囲とすることが更に望ましい。第1の拡散防止層53の最大厚さを50nm以上の範囲とすることにより、金属反射層52を構成するAgなどの金属材料のボンディング層などへ拡散を防止することができる。また、第1の拡散防止層53の最大厚さは5000nmよりも薄くすることが、材料のコストの点で好ましい。
<第1の密着層>
図5に示すように、第1の密着層54は、第1の拡散防止層53を完全に覆うように形成されている。また、その外縁部には、p型半導体層106の上面106cに接する外縁部54dが形成されている。さらに、外縁部54dには外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面54eが形成されている。
第1の密着層54は、平面視したときに、第1の拡散防止層53の外周側にまで張り出すように形成される構成なので、オーミックコンタクト層51、金属反射層52、第1の拡散防止層53のシールド性を高めることができる。
また、第1の密着層54は、第1の拡散防止層53の最先端部、すなわち第1の拡散防止層53を平面視したときの輪郭線を形成する境界部の上を完全に覆うと共に、GaN系化合物半導体の積層半導体層(n型半導体層又は/及びp型半導体層)に接して積層半導体層との密着性を高める働きがある。
第1の密着層54は、Ta、Ti、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることが好ましい。Ta、Ti、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなる第1の密着層54を用いることにより、第1の密着層54をp型半導体層106の上面106cに密着性高く接合することができる。
また、金属反射層52とボンディング層55の間に、比較的強固な金属材料であるTiからなる第1の密着層54を挿入することにより、p型電極111全体の強度を強化することができる。
第1の密着層54の最大厚みは、5nm〜400nmとすることが好ましく、20nm〜300nmとすることがより好ましく、40nm〜200nmとすることが更に好ましい。
第1の密着層54の最大厚みを5nm〜400nmとすることにより、第1の密着層54をp型半導体層106の上面106cに密着性高く接合することができる。なお、最大厚みが5nm未満になると、第1の密着層54の接合強度が低下するとともに、第1の密着層54の強度が低下するので好ましくない。
なお、図5に示すように、第1の密着層54の外縁側には、p型半導体層106の上面106cに接する外縁部54dが形成されることが好ましい。外縁部54dを設けることにより、第1の密着層54をp型半導体層106の上面106cに強く密着させることができ、p型電極111の密着性を高めることができる。
図5に示す電極断面において、外縁部54dがp型半導体層106の上面106cに接する部分の幅は2nm〜20nmの範囲が好ましく、3nm〜10nmの範囲が望ましい。上記のような構成により、外部からの水分や空気などの浸入を防ぎ、電極の耐候性、耐腐食性を高めることができる。
<第2の拡散防止層>
図5に明示を省略するが、本発明の実施形態において第1の密着層54とボンディング層55との間に、ボンディング層元素の拡散を防止する層(以下、第2の拡散防止層)を設けてもよい。
第2の拡散防止層は、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Wまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金で構成することが好ましい。また、第2の拡散防止層の最大厚みは、50nm〜300nmとすることが好ましく、70nm〜250nmとすることが更に好ましい。これにより、ボンディング層元素が第1の密着層54側へ拡散することを防止することができる。
<ボンディング層>
図5に示すように、ボンディング層55は、外縁部54dも含めて、第1の密着層54を完全に覆うように形成されている。さらに、その外縁側が外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面55eとされている。
すなわち、ボンディング層55は、第1の密着層54の最先端部、すなわち第1の密着層54を平面視したときの輪郭線を形成する境界部の上を完全に覆うように形成されている。つまり、平面視したときに、ボンディング層55は第1の密着層54の外周側にまで張り出すように形成される構成なので、第1の密着層54のいかなる部分もボンディング層55の下から露出しないようにすることができる。
ボンディング層55の上面側には、凹部111cが形成されている。なお、図1で示したように、凹部111cは平面視円形状とされている。
ランプ作製時には、Auなどのバンプを用いて、凹部111cにより露出されたボンディング層55と、実装基板の配線部とを接合する。
凹部111cの内底面111dの面積は、バンプの直径よりもわずかに大きい程度が好ましく、凹部111cの内底面111dの径は、たとえば、直径60μm〜100μmとすることが好ましい。凹部111cの内底面111dの径を100μmより大きくすると、実装作業は容易になるが、絶縁保護膜を形成する面積が小さくなり、絶縁保護膜の効果が損なわれる恐れが生じ、発光素子としての信頼性が低下する。逆に、凹部111cの内底面111dの径を直径60μmよりも小さくすると、実装作業が困難となり、製品の製造収率を低下させる。
ボンディング層55は、Au、Alまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることが好ましく、Auからなることがより好ましい。Au、Alまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなるボンディング層55を用いることにより、ボンディング層55を第1の密着層54及びp型半導体層106の上面106cに密着性高く接合することができる。また、AuおよびAlは、バンプとして使用されることが多い金(Au)との密着性が高い金属なので、ランプ作製時に、ボンディング層55にバンプを強く接合させることができる。
ボンディング層55の最大厚みは、50nm〜2000nmとすることが好ましく、100nm〜1500nmとすることがより好ましく、200nm〜1000nmとすることが更に好ましい。
ボンディング層55の最大厚みを50nmより薄くすると、バンプとの密着性が悪くなる。また、ボンディング層55の最大厚みを2000nmより厚くしても、特に利点は生ぜず、コスト増大を招くのみなので好ましくない。
<第2の密着層>
図5に示すように、第2の密着層56は、凹部111cを除き、ボンディング層55を完全に覆うように形成されている。さらに、その外縁側が外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面56eとされている。
すなわち、第2の密着層56は、ボンディング層55の最先端部、すなわちボンディング層55を平面視したときの輪郭線を形成する境界部の上を完全に覆うように形成されている。つまり、平面視したときに、第2の密着層56はボンディング層55の外周側にまで張り出すように形成される構成なので、凹部111cを除いて、ボンディング層55のいかなる部分も第2の密着層56の下から露出しないようにすることができる。
第2の密着層56は、Ti、Ta、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることが好ましい。Ti、Ta、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなる第2の密着層56を用いることにより、ボンディング層55と絶縁保護膜10とを密着性高く接合することができる。
第2の密着層56の最大厚みは、5nm〜400nmとすることが好ましく、5nm〜300nmとすることがより好ましく、7nm〜100nmとすることが更に好ましい。
なお、最大厚みが5nm未満になると、第2の密着層56の接合強度が低下するので好ましくない。
<絶縁保護膜>
図5に示すように、SiOのようなシリコン酸化物からなる絶縁保護膜10は、凹部111cを除き、第2の密着層56を完全に覆うように形成されている。さらに、絶縁保護膜10は、p型半導体層106の一部の上面106cや、n型電極108を形成するために積層半導体20を一部エッチングして露出された側面およびn型半導体層104の露出面104c、n型電極108の側面等を完全に覆うように形成されている。
これにより、p型電極111の凹部111c及びn型電極108の上面を除き、半導体発光素子1をシールドして、外部の空気や水分が半導体発光素子1に浸入するおそれを大幅に低減して、半導体発光素子1のp型電極111やn型電極108の腐食の防止に寄与することができる。
絶縁保護膜10の最大厚みは、50nm〜1000nmとすることが好ましく、100nm〜500nmとすることがより好ましく、150nm〜450nmとすることが更に好ましい。
絶縁保護膜10の最大厚みは、50nm〜1000nmとすることにより、外部の空気や水分が半導体発光素子1に浸入するおそれを大幅に低減して、半導体発光素子1のp型電極111やn型電極108の腐食を防止することができる。
なお、本実施形態では、p型電極111の位置を、平面視したときに略矩形状の基板でn型電極108と線対称となる位置としたが、p型電極111の位置はこれに限られるものではなく、p型半導体層106の上面106cであればどこに形成してもよい。
また、p型電極111の各層に用いる金属元素は、同一の金属元素を用いてもよく、また異なる金属元素を組み合わせてもよい。
<n型電極>
図2に示すように、n型半導体層104の露出面104cにn型電極108が形成されている。このように、n型電極108を形成する際には、エッチング等の手段によって発光層105およびp半導体層106の一部を切り欠き除去してn型半導体層104のnコンタクト層を露出させ、この露出面104c上にn型電極108を形成する。また、前述したように、n型電極108は、n型電極108の上面を除き、絶縁保護膜10によって覆われている。
図1に示すように、平面視したときに、n型電極108は円形状とされているが、このような形状に限定されるわけでなく、多角形状など任意の形状とすることができる。
また、n型電極108はボンディングパットを兼ねている。なお、n型電極108としては、周知の各種組成や構造を、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
また、本発明において図示を省略するものの、p型電極111と同様な構成において、本発明の実施形態である半導体発光素子1のn型電極108を用いることができる。
n型電極108も、p型電極111と同様に、外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面を備えた構造としてもよく、オーミックコンタクト層51、第1の密着層54、ボンディング層55、第2の密着層56からなる多層構造としても良い。これにより、外部の空気または水分が、n型電極108とn型半導体層104の界面へ侵入することを防止することができ、n型電極108の耐食性を向上して、半導体発光素子1のn型電極108の剥がれを防止することができる。
<発光機構>
図2に示すように、本発明の実施形態である半導体発光素子1は、p型電極111とn型電極108との間に電圧を印加して通電して、発光層105からの発光を得、基板101の方向fへ光が取り出される。なお、発光層105からp型電極111に向かった光も、金属反射層52で反射され、一部は散乱されて横方向あるいは斜め方向に進み、基板101の方向fへ光が取り出される。
(半導体発光素子の製造方法)
次に、本発明の実施形態である半導体発光素子の製造方法の一例について説明する。
本発明の実施形態である半導体発光素子の製造方法は、基板上に、n型半導体層と、発光層と、p型半導体層とをこの順序に積層して積層半導体層を形成する工程(以下、積層半導体層形成工程)と、前記p型半導体層上に一方の電極を形成するとともに、前記積層半導体層の一部を切り欠いてn型半導体層の一部を露出させた後、前記露出面に他方の電極を形成する工程(以下、電極形成工程)とを有する。
<積層半導体層形成工程>
まず、サファイア基板等の基板101を用意し、基板101の上面に、スパッタ法によって、バッファ層102を積層する。チャンバ内において、基板101をArやNのプラズマ中に曝す事によって上面を洗浄する前処理を行なってもよい。
スパッタ法によって、単結晶構造を有するバッファ層102を形成する場合、チャンバ内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が50%〜100%、望ましくは75%程度となるようにすることが望ましい。
なお、バッファ層102は、上述したスパッタ法だけでなく、公知なMOCVD法で形成してもよい。
次に、バッファ層102の上面に、単結晶の下地層103を形成する。
下地層103は、スパッタ法またはMOCVD法を用いて成膜することが望ましい。スパッタ法を用いる場合には、MOCVD法やMBE法等と比較して、装置を簡便な構成とすることが可能となる。
下地層103を成膜する際の基板101の温度、つまり、下地層103の成長温度は、800℃以上とすることが好ましく、より好ましくは900℃以上の温度であり、1000℃以上の温度とすることが最も好ましい。また、下地層103を成膜する際の基板101の温度は、結晶の分解する温度よりも低温である必要があるため、1200℃未満とすることが好ましい。下地層103を成膜する際の基板101の温度が上記温度範囲内であれば、結晶性の良い下地層103が得られる。
次に、下地層103上に、nコンタクト層104a及びnクラッド層104bを積層してn型半導体層104を形成する。たとえば、スパッタ法またはMOCVD法を用いる。
次に、n型半導体層104上に発光層105を形成する。スパッタ法またはMOCVD法を用いることが好ましく、MOCVD法を用いることがより好ましい。
具体的には、障壁層105aと井戸層105bとを交互に繰り返して積層し、且つ、n型半導体層104側及びp型半導体層106側に障壁層105aが配される順で積層すればよい。
次に、発光層105上にp型半導体層106を形成する。たとえば、スパッタ法またはMOCVD法を用いる。具体的には、pクラッド層106aと、pコンタクト層106bとを順次積層すればよい。
<電極形成工程>
電極形成工程は、積層半導体層20の一部を切り欠いてn型半導体層104の一部を露出させた後、露出面104cに他方の電極(n型電極)を形成(n型電極形成工程)するとともに、p型半導体層106上に一方の電極(p型電極)を形成(p型電極形成工程)する工程である。
なお、n型電極形成工程と、p型電極形成工程の順序はどちらを先としてもよい。
<n型電極形成工程>
まず、公知のフォトリソグラフィーの手法によってパターニングして、所定の領域の積層半導体層20の一部をエッチングしてnコンタクト層104aの一部を露出させる。
次に、nコンタクト層104aの露出面104cにスパッタ法などによりn型電極108を形成する。
<p型電極の形成工程>
p型電極の形成工程は、p型半導体層上に第1の開口部を有する第1のマスクを形成し、前記第1の開口部から露出する前記p型半導体層上にオーミックコンタクト層と金属反射層と第1の拡散防止層とをこの順序で積層する工程(以下、第1工程)と、前記第1のマスクを除去してから、前記p型半導体層上に前記第1の開口部よりも大きな開口部を有する第2のマスクを形成し、前記開口部から露出する前記第1の拡散防止層を覆うように第1の密着層を形成した後、ボンディング層と第2の密着層と保護膜とをこの順序で積層する工程(以下、第2工程)とからなる。
図6〜9に示す工程断面図を用いて、p型電極の形成工程について説明する。
<第1工程>
まず、図6(a)に示すように、p型半導体層106の上面106cにレジストを塗布して、これを乾燥して不溶性レジスト部21する。前記レジストとしては、たとえば、AZ5200NJ(製品名:AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)などを用いる。
次に、レジスト部21の前面にp型電極を形成する位置をカバーするように、1辺の長さl×他辺の長さlの略矩形状マスク(以下、第1のp型電極形成用マスク)を配置する。
次に、所定強さ及び波長の光を矢印に示すように照射して、レジスト部21のマスク25によりカバーされていない部分を露光する(一部露光)。露光されたレジスト部21は、光反応により、図6(b)に示すように、第1の可溶性レジスト部22とされる。なお、この光反応は光の強さに応じて進行するので、光照射面側では光反応の進行が早く、p型半導体層106側では光反応の進行が遅くなる。
そのため、第1の可溶性レジスト部22は、図6(b)に示すように、その側面が下方に向かうほど後退した逆傾斜形状(逆テーパー形状)となるように形成される。
逆に、マスクされた部分の不溶性レジスト部21は、側面が上方に向かうほど後退した傾斜形状(テーパー形状)となるように形成される。
次に、たとえば、ホットプレートまたはオーブンなどを用いて、第1の可溶性レジスト部22が形成された基板101を加熱する。この加熱に伴う熱反応により、第1の可溶性レジスト部22は架橋されて、図6(c)に示すように、架橋高分子からなる硬化レジスト部23とされる。
次に、マスクを用いず、所定強さ及び波長の光を矢印に示すように照射する(全面露光)。これにより、一部露光において露光されなかった不溶性レジスト部21が、第2の可溶性レジスト部24とされる。
次に、所定の有機溶媒を用いて、第2の可溶性レジスト部24を溶解除去する。これにより、図7(a)に示すように、架橋高分子からなる硬化レジスト部23が残される。硬化レジスト部23は、p型半導体層106の上面106cを露出させる幅lの第1の開口部27cを備えている。なお、第1の開口部27cは、1辺の長さl×他辺の長さlの略矩形状に形成されている。第1の開口部27cの側面(内壁面)27dは、下方に向かうほど後退する逆傾斜形状(逆テーパー形状)とされており、第1の開口部27cの面積がp型半導体層106に近づくほど大きくされている。また、第1の開口部27cの側面(内壁面)27dの傾斜角度はほぼ一定とされている。これを第1のマスク27と呼称する。
次に、スパッタ法により、第1のマスク27を介して、p型半導体層106の上面106cにオーミックコンタクト層51を形成する。
オーミックコンタクト層51の成膜では、オーミックコンタクト層51は、第1のマスク27の第1の開口部27cの各辺の長さl、lよりも少し広く、p型半導体層106の上面106c上にマスク27の内壁面27d近傍まで広がって形成される。すなわち、第1の開口部27cの内壁面27dが下方に向かうほど後退した第1のマスク27を用いる構成なので、図7(b)に示すように、スパッタ方向から影となる部分では、すなわち、オーミックコンタクト層51の外縁側には、外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面51eが形成される。なお、傾斜面51eの傾斜角度は、膜厚に応じて決まる。
次に、スパッタ法により、第1のマスク27を介して、オーミックコンタクト層51上に金属反射層52を形成する。
金属反射層52の成膜では、オーミックコンタクト層51の場合と同様にスパッタ法を用いる。そのため、金属反射層52は、第1のマスク27の第1の開口部27cの各辺の長さl、lよりも少し広く、p型半導体層106の上面106c上に第1のマスク27の内壁面27d近傍まで広がって形成される。また、第1の開口部27cの内壁面27dが下方に向かうほど後退した第1のマスク27を用いる構成なので、図7(b)に示すように、スパッタ方向から影となる部分では、すなわち、金属反射層52の外縁側には、外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面52eが形成される。なお、傾斜面52eの傾斜角度は、膜厚に応じて決まる。
さらに、金属反射層52は、オーミックコンタクト層51を完全に覆うように形成される。
次に、スパッタ法により、第1のマスク27を介して、金属反射層52上に第1の拡散防止層53を形成する。
第1の拡散防止層53の成膜では、オーミックコンタクト層51の場合と同様にスパッタ法を用いる。そのため、第1の拡散防止層53は、第1のマスク27の第1の開口部27cの各辺の長さl、lよりも少し広く、p型半導体層106の上面106c上に第1のマスク27の内壁面27d近傍まで広がって形成される。また、第1の開口部27cの内壁面27dが下方に向かうほど後退した第1のマスク27を用いる構成なので、図7(b)に示すように、スパッタ方向から影となる部分では、すなわち、第1の拡散防止層53の外縁側には、外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面53eが形成される。なお、傾斜面53eの傾斜角度は、膜厚に応じて決まる。
さらに、第1の拡散防止層53は、金属反射層52を完全に覆うように形成される。
次に、図7(c)に示すように、レジスト剥離材などを用いて第1のマスク27を除去することにより、p型半導体層106の上面106cにオーミックコンタクト層51、金属反射層52、第1の拡散防止層53からなる3層構造体のみが残される。
なお、金属反射層52を形成する前に、オーミックコンタクト層51の表面を洗浄する前処理を施しても良い。洗浄の方法としてはプラズマなどに曝すドライプロセスによるものと薬液に接触させるウェットプロセスによるものがあるが、工程の簡便さの観点より、ドライプロセスが望ましい。
<第2工程>
次に、図8(a)に示すように、オーミックコンタクト層51、金属反射層52、第1の拡散防止層53からなる3層構造体を覆うとともに、p型半導体層106の上面106cを覆うようにレジストを塗布して、これを乾燥して不溶性レジスト部21する。
次に、図8(b)に示すように、レジスト部21の前面に電極を形成する位置をカバーするように、第1工程で用いた第1のp型電極形成用マスクより各辺の長さが広い1辺の長さl×他辺の長さlの略矩形状マスク(以下、第2のp型電極形成用マスク)を配置する。
次に、矢印に示すように所定強さ及び波長の光を照射して、露光された部分のレジスト部21を光反応(一部露光)して、図8(b)に示すように、第1の可溶性レジスト部22とする。なお、この光反応は光の強さに応じて進行するので、光照射面側では光反応の進行が早く、p型半導体層106側では光反応の進行が遅くなる。
そのため、第1の可溶性レジスト部22は、図8(b)に示すように、その側面が下方に向かうほど後退した逆傾斜形状(逆テーパー形状)となるように形成される。
逆に、マスクされた部分の不溶性レジスト部21は、側面が上方に向かうほど後退した傾斜形状(テーパー形状)となるように形成される。
次に、たとえば、ホットプレートまたはオーブンなどを用いて、第1の可溶性レジスト部22が形成された基板101を加熱する。この加熱に伴う熱反応により、第1の可溶性レジスト部22は架橋されて、図8(c)に示すように、架橋高分子からなる硬化レジスト部23とされる。
次に、図8(d)に示すように、マスクを用いず、矢印に示すように所定強さ及び波長の光を照射する(全面露光)。これにより、一部露光で露光されなかった不溶性レジスト部21が、第2の可溶性レジスト部24とされる。
次に、所定の有機溶媒を用いて、第2の可溶性レジスト部24を溶解除去する。これにより、図9(a)に示すように、架橋高分子からなる硬化レジスト部23が残される。硬化レジスト部23は、p型半導体層106の上面106cを露出させる幅lの第2の開口部28cを備えている。なお、第2の開口部28cは、1辺の長さl×他辺の長さlの略矩形状に形成されている。第2の開口部28cの側面(内壁面)は、下方に向かうほど後退する逆傾斜形状(逆テーパー形状)とされており、第2の開口部28cの面積がp型半導体層106に近づくほど大きくされている。また、第2の開口部28cの側面(内壁面)28dの傾斜角度はほぼ一定とされている。これを第2のマスク28と呼称する。
次に、スパッタ法により、第2のマスク28を介して、第1の拡散防止層53上に第1の密着層54を形成する。
第1の密着層54の成膜では、第1の密着層54は、第2のマスク28の第2の開口部28cの各辺の長さl、lよりも少し広く、p型半導体層106の上面106c上に第2のマスク28の内壁面28d近傍まで広がって形成される。また、第2の開口部28cの内壁面28dが下方に向かうほど後退した第2のマスク28を用いる構成なので、図9(b)に示すように、スパッタ方向から影となる部分では、すなわち、第1の密着層54の外縁側には、外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面54eが形成される。なお、傾斜面54eの傾斜角度は、膜厚に応じて決まる。
また、第2のマスク28の第2の開口部28cの各辺の長さl、lは、第1のマスク27の第1の開口部27cの各辺の長さl、lより広い構成なので、第1の密着層54は、第1の拡散防止層53を完全に覆うとともに、その外縁部にp型半導体層106に接する外縁部54dが形成される。このような外縁部54dを設けることにより、第1の密着層54を密着性高くp型半導体層106に接合させることができる。
次に、スパッタ法により、第2のマスク28を介して、第1の密着層54上にボンディング層55を形成する。
ボンディング層55の成膜では、第1の密着層54上の場合と同様にスパッタ法を用いる。そのため、ボンディング層55は、第2のマスク28の第2の開口部28cの各辺の長さl、lよりも少し広く、p型半導体層106の上面106c上に第2のマスク28の内壁面28d近傍まで広がって形成される。また、第2の開口部28cの内壁面28dが下方に向かうほど後退した第2のマスク28を用いる構成なので、図9(b)に示すように、スパッタ方向から影となる部分では、すなわち、ボンディング層55の外縁側には、外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面55eが形成される。なお、傾斜面55eの傾斜角度は、膜厚に応じて決まる。
また、ボンディング層55は、第1の密着層54を完全に覆うように形成される。
次に、スパッタ法により、第2のマスク28を介して、ボンディング層55上に第2の密着層56を形成する。
第2の密着層56の成膜では、ボンディング層55と同様にスパッタ法を用いる。そのため、第2の密着層56は、第2のマスク28の第2の開口部28cの各辺の長さl、lよりも少し広く、p型半導体層106の上面106c上に第2のマスク28の内壁面28d近傍まで広がって形成される。また、第2の開口部28cの内壁面28dが下方に向かうほど後退した第2のマスク28を用いる構成なので、図9(b)に示すように、スパッタ方向から影となる部分では、すなわち、第2の密着層56の外縁側には、外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面56eが形成される。なお、傾斜面56eの傾斜角度は、膜厚に応じて決まる。
また、第2の密着層56は、ボンディング層55を完全に覆うように形成される。
次に、図9(c)に示すように、レジスト剥離材などを用いて第2のマスク28を除去することにより、p型半導体層106の上面106cに形成されたオーミックコンタクト層51、金属反射層52、第1の拡散防止層53、第1の密着層54、ボンディング層55、第2の密着層56からなる6層構造体を形成する。
さらに、n型電極108については、必要に応じて、p型電極111と同様に第1のマスク27及び第2のマスク28を使用するプロセスを適用することができる。
次に、図9(d)に示すように、スパッタ法により、第2の密着層56およびp型半導体層106の上面106cを覆うように絶縁保護膜10を形成する。なお、このとき、絶縁保護膜10は、p型半導体層106の側面およびn型半導体層104の露出面104cを覆うように形成する。
次に、公知のフォトリソグラフィーの手法によってパターニングして、p型電極111の所定の領域に凹部111cをエッチング形成して、ボンディング層55の一部を露出させる。これにより、オーミックコンタクト層51、金属反射層52、第1の拡散防止層53、第1の密着層54、ボンディング層55、第2の密着層56、絶縁保護膜10が積層され、凹部111cが設けられたp型電極111が、p型半導体層106の上面106cに形成される。
次に、公知のフォトリソグラフィーの手法によってパターニングして、n型電極108の上面を露出する。
以上のようにして、図1〜5に示す半導体発光素子1を製造する。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、基板101と、基板101上にn型半導体層104と発光層105とp型半導体層106とがこの順序で積層されてなる積層半導体層20と、p型半導体層106に接合された一方の電極111と、n型半導体層104に接合された他方の電極108と、を具備する半導体発光素子であって、一方の電極111または他方の電極108の一方または両方が、オーミックコンタクト層51と金属反射層52と第1の拡散防止層53と第1の密着層54とがこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、第1の密着層54の外縁部54dが積層半導体層20と接して張り出して形成され、第1の拡散防止層53を完全に覆っている構成なので、電極の積層半導体層20への密着性を高めて、実装基板の配線部への接合時の引張応力によっても剥がれることのない電極とすることができる。また、オーミックコンタクト層51への外部の空気または水分の侵入を防止して、半導体発光素子の素子寿命を長くすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、第1の密着層54の外縁部54dに外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面54eが形成されている構成なので、電極の積層半導体層への密着性を高めて、電極内への外部の空気または水分の浸入を防止して、半導体発光素子の寿命を長くすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、オーミックコンタクト層51は透明な導電性材料であり、例えば、In、Zn、Al、Ga、Ti、Bi、Mg、W、Ce、Sn、Niのいずれか一種を含む導電性の酸化物からなる構成なので、光を効率的に透過させて、半導体発光素子の発光特性を向上させることができる。また、金属反射層を構成する金属が、オーミックコンタクト層に拡散することを抑制することができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、金属反射層52がAg、Al、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Tiのうちの何れかまたはこれら金属の何れかを含む合金からなる構成なので、光を効率よく反射させて、半導体発光素子の発光特性を向上させることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、第1の拡散防止層53がTa、Ti、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなる構成なので、金属反射層52を構成する金属がボンディング層へ拡散することを抑制することができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、第1の密着層54がTa、Ti、Niもしくはこれらの金属の何れかを含む合金またはこれらの金属の何れかを含む窒素化合物からなる構成なので、第1の拡散防止層53とボンディング層55との間の密着性を向上させて、劣化の起きない電極とすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、第2の拡散防止層が、第1の密着層54を覆うように形成されている構成なので、ボンディング層元素が第1の密着層54側へ拡散することを防止することができ、劣化の起きない電極とすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、前記第2の拡散防止層がRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Wまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなる構成なので、ボンディング層元素が第1の密着層54側へ拡散することを防止することができ、劣化の起きない電極とすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、ボンディング層55が第1の密着層54たは前記第2の拡散防止層を覆うように形成されている構成なので、電極の積層半導体層20への密着性を高めて、半導体発光素子の製造効率を向上させるとともに、半導体発光素子の素子寿命を長くすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、前記ボンディング層がAu、Alまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなる構成なので、ボンディングの接合性を向上させて、実装基板の配線部への接合強度の高い電極とすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、第2の密着層56が、ボンディング層55を覆うように形成されている構成なので、ボンディング層55と保護膜10との間の密着性を向上させて、劣化の起きない電極とすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、第2の密着層56がTi、Ta、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなる構成なので、ボンディング層55と保護膜10との間の密着性を向上させて、劣化の起きない電極とすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、絶縁保護膜10が、第2の密着層56を覆うように形成されている構成なので、電極の耐食性を向上させ、半導体発光素子の素子寿命を向上させることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子1は、積層半導体層20が、窒化ガリウム系半導体を主体として構成されている構成なので、電極の接合性および耐食性を向上させ、半導体発光素子の発光特性を向上させることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子用の電極111は、基板101と、基板101上にn型半導体層104と発光層105とp型半導体層106とがこの順序で積層されてなる積層半導体層20と、p型半導体層106に接合された一方の電極111と、n型半導体層104に接合された他方の電極108と、を具備する半導体発光素子用の電極であって、一方の電極111または他方の電極108の一方または両方が、オーミックコンタクト層51と金属反射層52と第1の拡散防止層53と第1の密着層54とがこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、第1の密着層54の外縁部54dが積層半導体層20と接して張り出して形成され、第1の拡散防止層53を完全に覆っている構成なので、密着性を向上させた電極とすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子用の電極111は、第1の密着層54の外縁部54dに外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面54eが形成されている構成なので、密着性を向上させた電極とすることができる。
本発明の実施形態である半導体発光素子用の電極111は、ボンディング層55が記第1の密着層54を覆うように形成されている構成なので、密着性を向上させた電極とすることができる。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の実施形態であるランプの一例を示す断面概略図である。尚、以下の説明において参照する図面で、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体発光素子等の寸法関係とは異なっている。
図10に示すように、本発明の実施形態であるランプ4は、基板実装用チップ型であり、第1の実施形態で示した半導体発光素子1が用いられている。
なお、本発明の実施形態であるランプ4は、例えば、半導体発光素子1と蛍光体とを組み合わせてなるものであって、当業者周知の手段によって当業者周知の構成とすることができる。また、半導体発光素子1と蛍光体と組み合わせることによって発光色を変えることができることが知られているが、このような技術を本発明の実施形態であるランプにおいても何ら制限されることなく採用することが可能である。
本発明の実施形態であるランプ4は、可視光反射率の高い白色のアルミナセラミックスを用いた実装基板61の一面61aにリードワイヤなどからなる一の配線部63と他の配線部62とが配設されており、それらの一端62a、63aは実装基板61のほぼ中央部に位置し、他端62b、63bはそれぞれ外部に出ていて、電気基板への実装時にはんだ付けされる電極となっている。
半導体発光素子1は、その一方の電極(p型電極)111と他方の電極(n型電極)108が実装基板61の一面61aに向くように配置されている。つまり、半導体発光素子1は、基板101側が実装基板61と反対側となるように配置(フリップチップ配置)されている。そのため、半導体発光素子1からの光は主に、実装基板側から基板101側へ向けて放射される。
半導体発光素子1のp型電極111とn型電極108はそれぞれAuなどからなるバンプ74により他の配線部62の一端62aと、一の配線部63の一端63aに接合されている。これにより、半導体発光素子1のp型電極111は一の配線部63と電気的に接続され、n型電極108は他の配線部62と電気的に接続される。
基板61上には、直方体状の壁面部材70が固定されている。壁面部材70の中央部には、半導体発光素子1をおさめるための椀状の穴70aが形成されている。穴70aの斜面70bは、白色または金属光沢を持った可視光線反射率の高い面で形成されるとともに、その曲面形が光の反射方向を考慮して決定されて、光を前方に取り出すための反射面(リフレクタ面)とされる。
穴70aの内部に配置された半導体発光素子1を、透明な封止樹脂(モールド)76がドーム状に被覆している。更に、封止樹脂76を覆うように、透明な別の封止樹脂(モールド)78が穴70aに充填されている。
封止樹脂76、78は、耐熱性の高いシリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等の他の樹脂あるいはガラス等の透明材料などが用いられる。封止樹脂76、78は、同じ樹脂を用いても良いし、異なる樹脂を用いても良いが、製造の容易さや接着性の良さなどから、同じ樹脂を用いるほうが好ましい。また、封止樹脂76、78には、蛍光体を分散してもよい。これにより、様々な発光色を呈するようにしたり、白色発光の場合には演色性を高くすることができる。
実装基板61および/または壁面部材70は、樹脂製の部材またはセラミクス製部材などが用いられる。これにより、製造コストを低減したり、耐熱性に優れたものとすることができる。樹脂としては、たとえば、高耐熱性および高反射率のナイロン樹脂、白色のシリコーン樹脂などを用いる。なお、実装基板61としてプリント配線したガラス入りエポキシ基板(以下、配線基板)を用い、半導体発光素子1を前記配線基板上に直接実装したチップ・オン・ボード型デバイスとしてもよい。
なお、本発明の実施形態であるランプ4は、携帯のバックライト用途のサイドビュー型、表示器に用いられるトップビュー型等いかなる用途にも用いることができる。
本発明の実施形態であるランプ4は、一の配線部63と一の配線部63と離間して配設された他の配線部62とを一面に備えた実装基板61と、前記実装基板61の一面61a上に配置された請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体発光素子1と、を具備するランプ4であって、半導体発光素子1の一方の電極111が一の配線部63と接続され、半導体発光素子1の他方の電極108が他の配線部62と接続され、半導体発光素子1の基板101が実装基板61と反対側になるように配置されている構成なので、p型電極111は密着性高く積層半導体層20に接合され、配線部63と接合しても、p型電極111が剥がれることがない。これにより、素子寿命の長い半導体発光素子1を有するランプとすることができる。
また、本発明の実施形態である半導体発光素子1および本発明の実施形態であるランプ4は、例えば、照明装置に組み込んで使用することができる。この場合、図示しないが、配線やスルーホール等が形成された基板と、基板表面に取り付けられた複数の半導体発光素子を用いたランプと、凹字状の断面形状を有し、凹部内側の底部に導体発光素子を用いたランプが取り付けられるように構成されたリフレクター又はシェードとを備えるようにして照明装置に使用できる。本発明の実施形態として、実施例に記載の半導体発光素子を用いたランプを、特開2008−16412号公報に記載の内容に準じて照明装置用リフレクター内に固定し、複数の当該リフレクターを備えた照明装置に製作できる。
また、本発明の実施形態であるランプ4は、携帯電話、ディスプレイ、パネル類などの電子機器や、前記電子機器を組み込んだ自動車、コンピュータ、ゲーム機などの機械装置類に使用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
<半導体発光素子の作製>
第1の実施形態で示した窒化ガリウム系化合物半導体からなる半導体発光素子を次のようにして製造した。
まず、サファイアからなる基板上に、AlNからなるバッファ層を介して、厚さ8μmのアンドープGaNからなる下地層を形成した。
次に、厚さ2μmのSiドープn型GaNコンタクト層、厚さ250nmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層を形成した後、厚さ16nmのSiドープGaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層を形成した。
さらに、厚さ10nmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層、厚さ150nmのMgドープp型GaNコンタクト層を順に形成した。
なお、窒化ガリウム系化合物半導体層の積層は、MOCVD法により、当該技術分野においてよく知られた通常の条件で行なった。
次に、フォトリソグラフィーの手法を用いてエッチングを施し、所望の領域にn型GaNコンタクト層を露出させ、この露出面上にTi/Auの二層構造のn型電極を形成した。
次に、第1の実施形態で示したマスク形成工程にしたがって、350μm角の発光素子を作製するために、一辺の長さが320μmの略正方形状の開口部(図1の平面模式図では、p型オーミックコンタクト層を形成できる開口部形状)を備える第1のマスクを形成した。レジストとしては、AZ5200NJ(製品名:AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を用いた。
次に、前記第1のマスクを具備した状態で、スパッタ法により、厚さ20nmのITOからなるオーミックコンタクト層、厚さ100nmのAgからなる金属反射層、厚さ100nmのTiからなる第1の拡散防止層を形成した。
次に、レジスト剥離液を用いて、第1のマスクを除去した。
次に、第1の実施形態で示したマスク形成工程にしたがって、一辺の長さが330μmの略正方形状の開口部(図1の平面模式図では、p型オーミックコンタクト層を形成できる開口部形状を略広くした開口部形状)を備える第2のマスクを形成した。レジストとしては、AZ5200NJ(製品名:AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を用いた。
次に、前記第2のマスクを具備した状態で、スパッタ法により、厚さ40nmのTaからなる第1の密着層、厚さ300nmのAuからなるボンディング層、厚さ10nmのTiからなる第2の密着層を形成した。
次に、レジスト剥離液を用いて、第2のマスクを除去した。
次に、スパッタ法により、第2の密着層、p型半導体層の上面および側面およびn型半導体層の露出面を覆うように厚さ250nmのSiOからなる保護膜を形成した。
次に、公知のフォトリソグラフィーの手法によってパターニングして、p型電極の所定の領域に凹部をエッチング形成して、ボンディング層の一部を露出させるとともに、n型電極の上面を露出して、実施例1の半導体発光素子を製造した。
次に、表1及び表2に示す条件で、実施例1と同様にして、実施例2〜4、比較例1及び比較例2の半導体発光素子を製造した。
Figure 2010267797
Figure 2010267797
<半導体発光素子の評価>
各半導体発光素子について、電流電圧特性及び発光特性の評価を行った。
例えば、実施例1の半導体発光素子について、順方向電圧を測定したところ、プローブ針による通電で電流印加値20mAにおける順方向電圧が3.0Vであった。
その後、フリップチップ実装してテスターによって発光出力を計測したところ、印加電流20mAにおける発光出力は20mWを示した。また、その発光面の発光分布は正極下の全面で発光しているのが確認できた。
各半導体発光素子の電流電圧特性及び発光特性の結果を表1に示した。
<剥れ試験>
まず、表1に記載の実施例1〜4及び比較例1、2に示すp型電極構造を、直径80μmのパット形状にしてGaN基板上に形成して、実施例1〜4及び比較例1、2の剥がれ試験用サンプルをそれぞれ100個作製した。
次に、80μmのボール径のバンプを前記パット中心から30μmずらして形成し、剥れが起こるかどうかを試験した。100個の剥がれ試験用サンプルのうちの剥れが生じた個数を数えた。
表1の「剥れ試験」の欄に、実施例1〜4及び比較例1、2の剥れ試験用サンプルの剥れが生じた個数をまとめた。
<高温高湿度試験>
常法に従って、各半導体発光素子(チップ)の高温高湿度試験を実施した。試験方法としては、100個の各半導体発光素子(チップ)を高温高湿器(いすゞ製作所、μーSERIES)内に入れ、温度85℃、相対湿度85RH%の環境下で発光試験(チップへの通電量は5mA、2000時間)を行った後、発光しなくなったり、発光輝度が低下したサンプルの数(以下、不良数)を数えた。
表1の「高温高湿度試験」の欄に、実施例1〜4及び比較例1、2の各半導体発光素子(チップ)の不良数を示した。
<耐食性試験>
電流印加値20mA、順方向電圧が3.0V、発光出力は20mWの発光させた状態で、各半導体発光素子を水槽の水中に沈めた。その状態のまま、10分間保持した後、水中から引き上げて、再び発光特性を測定した。実施例1〜4及び比較例1、2の各半導体発光素子それぞれで、100個のサンプルのうち、水中に沈める前に比べ後で発光特性が低下したサンプル(以下、不良数)の数を数えた。
表1の「耐食性試験」の欄に、実施例1〜4及び比較例1、2の各半導体発光素子(チップ)の不良数を示した。
本発明は、半導体発光素子、ランプ、照明装置、電子機器及び電極に関するものであって、特に密着性を向上させた電極を備えた半導体発光素子を製造・利用する産業において利用可能性がある。
1…半導体発光素子、4…ランプ、10…絶縁保護膜、16…切欠部、17…切欠残部、20…積層半導体層、21…不溶性レジスト部、22…可溶性レジスト部、23…硬化レジスト部、27…第1のマスク、27c…開口部、27d…内壁面、28…第2のマスク、28c…開口部、28d…内壁面、51…オーミックコンタクト層、51e…傾斜面、52…金属反射層、52e…傾斜面、53…第1の拡散防止層、53e…傾斜面、54…第1の密着層、54d…外縁部、54e…傾斜面、55…ボンディング層、55e…傾斜面、56…第2の密着層、56e…傾斜面、61…実装基板、61a…一面、62…他の配線部(リードワイヤ)、62a…一端、62b…他端、63…一の配線部(リードワイヤ)、63a…一端、63b…他端、70…壁面部材、70a…穴、70b…斜面、74…バンプ、76、78…封止樹脂(モールド)、101…基板、102…バッファ層、103…下地層、104…n型半導体層、104a…nコンタクト層、104b…nクラッド層、104c…露出面、105…発光層、105a…障壁層、105b…井戸層、106…p型半導体層、106a…pクラッド層、106b…pコンタクト層、106c…基板と反対側の面(上面)、108…n型電極(他方の電極)、111…p型電極(一方の電極)、111c…凹部。

Claims (20)

  1. 基板と、前記基板上にn型半導体層と発光層とp型半導体層とがこの順序で積層されてなる積層半導体層と、前記p型半導体層に接合された一方の電極と、前記n型半導体層に接合された他方の電極と、を具備する半導体発光素子であって、
    前記一方の電極または前記他方の電極の一方または両方が、オーミックコンタクト層と金属反射層と第1の拡散防止層と第1の密着層がこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、前記第1の密着層の外縁部が前記積層半導体層と接して張り出して形成され、前記第1の拡散防止層を完全に覆っていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第1の密着層の外縁部に外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記オーミックコンタクト層がIn、Zn、Al、Ga、Ti、Bi、Mg、W、Ce、Sn、Niのいずれか一種を含む導電性の酸化物からなる群より選ばれる透光性の導電性材料から構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記金属反射層がAg、Al、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Tiのうちの何れかまたはこれら金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第1の拡散防止層がTa、Ti、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記第1の密着層がTa、Ti、Niもしくはこれらの金属の何れかを含む合金またはこれらの金属の何れかを含む窒素化合物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 第2の拡散防止層が、前記第1の密着層を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  8. 前記第2の拡散防止層がRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Wまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子。
  9. ボンディング層が前記第1の密着層または前記第2の拡散防止層を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  10. 前記ボンディング層がAu、Alまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光素子。
  11. 第2の密着層が、前記ボンディング層を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  12. 前記第2の密着層が、Ti、Ta、Niまたはこれらの金属の何れかを含む合金からなることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子。
  13. 絶縁保護膜が、前記第2の密着層を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  14. 前記積層半導体層が窒化ガリウム系半導体を主体として構成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  15. 一の配線部と前記一の配線部と離間して配設された他の配線部とを一面に備えた実装基板と、前記実装基板の一面上に配置された請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体発光素子と、を具備するランプであって、
    前記半導体発光素子の一方の電極が前記一の配線部と接続され、前記半導体発光素子の他方の電極が前記他の配線部と接続され、前記半導体発光素子の基板が前記実装基板と反対側になるように配置されていることを特徴とするランプ。
  16. 請求項15に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする照明装置。
  17. 請求項15に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
  18. 基板と、前記基板上にn型半導体層と発光層とp型半導体層とがこの順序で積層されてなる積層半導体層と、前記p型半導体層に接合された一方の電極と、前記積層半導体層の一部が切り欠けられて露出された前記n型半導体層に接合された他方の電極と、を具備する半導体発光素子用の電極であって、
    前記一方の電極または前記他方の電極の一方または両方が、オーミックコンタクト層と金属反射層と第1の拡散防止層と第1の密着層とがこの順序に積層されてなる構造を有しており、かつ、前記第1の密着層の外縁部が前記積層半導体層と接して張り出して形成され、前記第1の拡散防止層を完全に覆っていることを特徴とする半導体発光素子用の電極。
  19. 前記第1の密着層の外縁部に外周側に向けて膜厚が漸次薄くなるような傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項18に記載の半導体発光素子用の電極。
  20. ボンディング層が前記第1の密着層を覆うように形成されていることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の半導体発光素子用の電極。
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