JP5434288B2 - 半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法、半導体発光素子を備えたランプ、照明装置および電子機器 - Google Patents

半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法、半導体発光素子を備えたランプ、照明装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、透光性電極を有する半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法、半導体発光素子を備えたランプ、ランプが組み込まれた照明装置および電子機器に関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料として、GaN系化合物半導体が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶を始めとして、種々の酸化物やIII−V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシャル法(MBE法)等によって形成される。
GaN系化合物半導体からなる薄膜は、薄膜の面内方向への電流拡散が小さいという特性がある。さらに、p型のGaN系化合物半導体(p型半導体)は、n型のGaN系化合物半導体(n型半導体)に比べて抵抗率が高いという特性がある。そのため、p型半導体層の表面に、金属からなるp型電極を積層しただけでは、p型半導体層の面内方向への電流の広がりがほとんど無い。
このようなGaN系化合物半導体を用いた半導体発光素子では、n型半導体層、発光層、p型半導体層からなる発光ダイオード(LED)構造を有する積層半導体層を形成し、最上部のp型半導体層に電極を形成した場合、発光層のうち電極の直下に位置する部分しか発光しない。そのため、電極の直下で発生した発光を半導体発光素子の外部に取り出すためには、電極に透光性を持たせることにより、電極を透過させて発光を取り出す必要がある。
電極に透光性を持たせる方法としては、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)やIZO(Indium Zinc Oxide:酸化インジウム亜鉛)等の光透過性を有する導電性の金属酸化物を透光性電極として用いる方法が知られている。
このような半導体発光素子から取り出される光の効率は、外部量子効率として表される。外部量子効率は、内部量子効率と光取り出し効率とを掛け合わせたものである。内部量子効率は、半導体発光素子に注入した電気的エネルギのうち、光に変換される割合である。一方、光取り出し効率は、半導体発光素子の内部で発生した光のうち、外部へ取り出すことができる割合である。
近年では、GaN系化合物半導体を用いた半導体発光素子の内部量子効率は、結晶状態の改善や構造の検討により、70〜80%程度に向上している。
しかしながら、GaN系化合物半導体を用いた半導体発光素子の光取り出し効率は低い。これは、半導体発光素子の内部で発生した光が半導体発光素子の内部で反射および吸収を繰り返すことにより、一部の光が外部に取り出されないためである。
特許文献1には、光取り出し効率を向上させるため、半導体発光素子の最上層の半導体層の表面を非鏡面として、内部で反射する光を乱反射させ、半導体内部の多重反射を抑制する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が記載されている。
さらに、特許文献2には、光取り出し効率に優れ、且つ波長ムラを少なくするために、基板上の窒化ガリウム系化合物半導体からなるn型半導体層、発光層およびp型半導体層がこの順で積層され、p型半導体層上に透光性正極(透光性電極)が積層されるとともに、透光性正極の表面の少なくとも一部に無秩序な凹凸面を形成した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が記載されている。
さらにまた、特許文献3には、光取り出し面積を増加させるために、透明電極(透光性電極)であるビックスバイト(Bixbyite)構造のInを含むIZO膜の表面に凹凸加工がされた化合物半導体素子が記載されている。
特開平6−291368号公報 特開2007−165613号公報 特開2008−147459号公報
ところで、これまで、透光性電極の表面に凹凸を形成すると、凹凸を形成する前に比べ、透光性電極のシート抵抗が増大してしまうということが生じていた。これに対して、シート抵抗の増大を抑制するために透光性電極を厚くすると、光の透過率が低下してしまうおそれがあった。
本発明は、透光性電極のシート抵抗の増大を抑制しつつ、透光性電極の表面に凹凸を形成し、半導体発光素子の光取り出し効率を向上させることを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は以下の発明を提供する。すなわち、
[1] 基板と、前記基板上にn型の導電性を有するIII族窒化物の第1の半導体層、発光層およびp型の導電性を有するIII族窒化物の第2の半導体層が順に積層される積層半導体層と、前記第2の半導体層上に形成される酸化インジウム亜鉛の透光性電極と、前記透光性電極上に形成されるボンディングパッド電極とを備える半導体発光素子であって、前記透光性電極が、前記積層半導体層と接する面の反対側の面に、複数の凹部が形成され、当該凹部の断面における重心間距離が100nm以上且つ1000nm以下であり、前記発光層が発光する波長に対して透光性を有し、前記積層半導体層の前記第1の半導体層のシート抵抗と前記透光性電極のシート抵抗とがそれぞれ30Ω/□以下で、それぞれのシート抵抗の差が15Ω/□以下であって、前記ボンディングパッド電極が、前記透光性電極上において、前記複数の凹部における一部の凹部を含む領域に形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
[2] 前記透光性電極に形成される複数の前記凹部の断面における形状が、深さ方向に異なっていることを特徴とする前項1に記載の半導体発光素子。
[3] 前記透光性電極は、前記凹部以外の部分における厚さが500nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
[] 基板上にn型の導電性を有するIII族窒化物の第1の半導体層、発光層およびp型の導電性を有するIII族窒化物の第2の半導体層からなる積層半導体層を形成する工程と、前記積層半導体層上に酸化インジウム亜鉛の透光性電極を形成する工程と、前記透光性電極の表面に断面の重心間距離が100nm以上且つ1000nm以下である複数の凹部を形成する工程と、前記透光性電極上の前記複数の凹部における一部の凹部を含む領域にボンディングパッド電極を形成する工程と、を含み、前記積層半導体層の前記第1の半導体層のシート抵抗と前記透光性電極のシート抵抗とがそれぞれ30Ω/□以下で、それぞれのシート抵抗の差が15Ω/□以下であることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
] 前記透光性電極に形成される複数の前記凹部の前記断面における形状が、深さ方向に異なっていることを特徴とする前項に記載の半導体発光素子の製造方法。
] 前記透光性電極の表面に形成される複数の前記凹部は、ナノインプリントリソグラフィにより形成されるエッチング阻止膜を用いて形成されることを特徴とする前項またはに記載の半導体発光素子の製造方法。
] 前項1ないしのいずれか1項に記載の半導体発光素子と、前記半導体発光素子が配置されるとともに当該半導体発光素子の正極とワイヤボンディングされる第1フレームと、前記半導体発光素子の負極とワイヤボンディングされる第2フレームと、前記半導体発光素子を取り囲んで形成されるモールドとを備えたことを特徴とするランプ。
] 前項に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする照明装置。
] 前項に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
本発明によれば、透光性電極のシート抵抗の増大を抑制しつつ、透光性電極の表面に凹凸を形成し、半導体発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。
本実施の形態が適用される半導体発光素子の断面模式図の一例を示す図である。 半導体発光素子の平面模式図の一例を示す図である。 積層半導体層の構成の一例を示す図である。 凹部の構造の一例を示す斜視図である。 凹部の配列の一例を示す図である。 凹部を設けることによる光取り出しの改善率(放射エネルギ改善率)を示す図である。 比較例2のIZO膜に設けた凸部を示す図である。 実施例1、比較例1および比較例2のIZO膜のシート抵抗を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される半導体発光素子(発光ダイオード:LED)1の断面模式図の一例を示す図である。図2は、図1に示す半導体発光素子1の平面模式図の一例を示す図である。
(半導体発光素子)
図1に示すように、半導体発光素子1は、基板110と、基板110上に積層される中間層120と、中間層120上に積層される下地層130とを備える。また、半導体発光素子1は、下地層130上に積層される第1の半導体層の一例としてのn型半導体層140と、n型半導体層140上に積層される発光層150と、発光層150上に積層される第2の半導体層の一例としてのp型半導体層160とを備える。なお、以下の説明においては、これらn型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160を、まとめて積層半導体層100と呼ぶ。さらに、半導体発光素子1は、p型半導体層160の上面160c上に積層され、発光層150が発生する光を透過する透光性電極170を備える。そして、半導体発光素子1は、透光性電極170のp型半導体層160に接する面とは反対側の上面170c上に積層される第1のボンディングパッド電極210を備える。さらにまた、半導体発光素子1は、p型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の一部を切り欠くことによって露出したn型半導体層140の半導体層露出面140c上の一部に積層される第2のボンディングパッド電極240を備える。
さらに、半導体発光素子1は、第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240の部分を除いて、積層半導体層100および透光性電極170を覆う保護層180を備える。
そして、透光性電極170の上面170cに、複数の凹部170aが形成されている。複数の凹部170aは、例えば、辺を共有するように相互に隣接して配置された複数の正三角形の頂点の位置に孔状に設けられている(後述する図4、5参照)。
この半導体発光素子1においては、第1のボンディングパッド電極210を正極、第2のボンディングパッド電極240を負極とし、両者を介して積層半導体層100(より具体的にはp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140)に電流を流すことで、発光層150が発光するようになっている。
では次に、半導体発光素子1の各構成要素について、より詳細に説明する。
<基板>
基板110としては、III族窒化物半導体結晶が表面にエピタキシャル成長される基板であれば、特に限定されず、各種の基板を選択して用いることができる。例えば、サファイア、SiC、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン等からなる基板を用いることができる。
また、上記基板の中でも、特に、c面を主面とするサファイア基板を用いることが好ましい。サファイア基板を用いる場合は、サファイアのc面上に中間層(バッファ層)を形成するとよい。
なお、中間層120をスパッタ法により形成した場合、基板110の温度を低く抑えることが可能なので、高温で分解してしまう性質を持つ材料からなる基板110を用いた場合でも、基板110にダメージを与えることなく基板上への各層の成膜が可能である。
<積層半導体層>
積層半導体層100は、例えば、III族窒化物半導体からなる層であって、図1に示すように、基板110上に、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層がこの順で積層されて構成されている。
また、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層は、それぞれ、複数の半導体層から構成してもよい。
ここで、n型半導体層140は、電子をキャリアとする第1の導電型にて電気伝導を行い、p型半導体層160は、正孔をキャリアとする第2の導電型にて電気伝導を行う。
なお、積層半導体層100は、MOCVD法で形成すると結晶性の良いものが得られるが、スパッタ法によっても条件を最適化することで、MOCVD法よりも優れた結晶性を有する半導体層を形成できる。以下、順次説明する。
<中間層>
中間層120は、多結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)からなるものが好ましく、単結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)のものがより好ましい。
中間層120は、上述のように、例えば、多結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)からなる厚さ0.01〜0.5μmのものとすることができる。中間層120の厚みが0.01μm未満であると、中間層120により基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、中間層120の厚みが0.5μmを超えると、中間層120としての機能には変化が無いのにも関わらず、中間層120の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下するという問題が発生する。
中間層120は、基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和し、基板110のサファイアの(0001)面(c面)上にC軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層120を形成することで、その上に積層する下地層130の結晶性をより良いものにすることができる。なお、本発明においては、中間層形成工程を行なうことが好ましいが、行なわなくても良い。
また、中間層120は、III族窒化物半導体からなる六方晶系の結晶構造を持つものであってもよい。また、中間層120をなすIII族窒化物半導体の結晶は、単結晶構造を有するものであってもよく、単結晶構造を有するものが好ましく用いられる。III族窒化物半導体の結晶は、成長条件を制御することにより、上方向だけでなく、面内方向にも成長して単結晶構造を形成する。このため、中間層120の成膜条件を制御することにより、単結晶構造のIII族窒化物半導体の結晶からなる中間層120を形成することができる。このような単結晶構造を有する中間層120を基板110上に成膜した場合、中間層120のバッファ機能が有効に作用するため、その上に成膜されたIII族窒化物半導体は良好な配向性および結晶性を有する結晶膜となる。
また、中間層120をなすIII族窒化物半導体の結晶は、成膜条件をコントロールすることにより、六角柱を基本とした集合組織からなる柱状結晶(多結晶)とすることも可能である。なお、ここでの集合組織からなる柱状結晶とは、隣接する結晶粒との間に結晶粒界を形成して隔てられており、それ自体は縦断面形状として柱状になっている結晶のことをいう。
<下地層>
下地層130としては、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いることができるが、AlxGa1-xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層130を形成できるため好ましい。
下地層130の膜厚は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlxGa1-xN層が得られやすい。
下地層130の結晶性を良くするためには、下地層130は不純物をドープしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合は、p型不純物あるいはn型不純物を添加することができる。
図3は、積層半導体層100の構成の一例を示す図である。
<n型半導体層>
図3に示すように、n型半導体層140は、nコンタクト層140aとnクラッド層140bとから構成されるのが好ましい。なお、nコンタクト層140aはnクラッド層140bを兼ねることも可能である。また、前述の下地層130をn型半導体層140に含めてもよい。
nコンタクト層140aは、第2のボンディングパッド電極240を設けるための層である。nコンタクト層140aとしては、AlxGa1-xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。
また、nコンタクト層140aにはn型不純物がドープされていることが好ましく、n型不純物を1×1017〜1×1020/cm3、好ましくは1×1018〜1×1019/cm3の濃度で含有すると、第2のボンディングパッド電極240との良好なオーミック接触を維持できる点で好ましい。n型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeが挙げられる。
nコンタクト層140aの膜厚は、0.5〜5μmとされることが好ましく、1〜3μmの範囲に設定することがより好ましい。nコンタクト層140aの膜厚が上記範囲にあると、半導体の結晶性が良好に維持される。
nコンタクト層140aと発光層150との間には、nクラッド層140bを設けることが好ましい。nクラッド層140bは、発光層150へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めとを行なう層である。nクラッド層140bはAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。nクラッド層140bをGaInNで形成する場合には、nクラッド層140bのバンドギャップを発光層150のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。
nクラッド層140bの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは0.005〜0.5μmであり、より好ましくは0.005〜0.1μmである。nクラッド層140bのn型不純物の濃度は1×1017〜1×1020/cm3が好ましく、より好ましくは1×1018〜1×1019/cm3である。不純物の濃度がこの範囲であると、良好な結晶性の維持および素子の動作電圧低減の点で好ましい。
なお、nクラッド層140bを、超格子構造を含む層とする場合には、詳細な図示を省略するが、10nm以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第1層と、n側第1層と組成が異なるとともに10nm以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第2層とが積層された構造を含むものであっても良い。
また、nクラッド層140bは、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよく、GaInNとGaNとの交互構造又は組成の異なるGaInN同士の交互構造であることが好ましい。
そして、nコンタクト層140aを含むn型半導体層140の全面に渡って均一に電流を拡散させ、透光性電極170の全面から発光を取り出すためには、n型半導体層140のシート抵抗は30Ω/□以下であることが好ましい。
<発光層>
n型半導体層140の上に積層される発光層150としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などを採用することができる。
図3に示すような、量子井戸構造の井戸層150bとしては、Ga1-yInyN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が通常用いられる。井戸層150bの膜厚としては、量子効果の得られる程度の膜厚、例えば1〜10nmとすることができ、好ましくは2〜6nmとすると発光出力の点で好ましい。
また、多重量子井戸構造の発光層150の場合は、上記Ga1-yInyNを井戸層150bとし、井戸層150bよりバンドギャップエネルギが大きいAlzGa1-zN(0≦z<0.3)を障壁層150aとする。井戸層150bおよび障壁層150aには、設計により不純物をドープしてもしなくてもよい。
<p型半導体層>
図3に示すように、p型半導体層160は、通常、pクラッド層160aおよびpコンタクト層160bから構成される。また、pコンタクト層160bがpクラッド層160aを兼ねることも可能である。
pクラッド層160aは、発光層150へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入とを行なう層である。pクラッド層160aとしては、発光層150のバンドギャップエネルギより大きくなる組成であり、発光層150へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、好ましくは、AlxGa1-xN(0<x≦0.4)のものが挙げられる。
pクラッド層160aが、このようなAlGaNからなると、発光層150へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。pクラッド層160aの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは5〜100nmである。
pクラッド層160aのp型不純物の濃度は、1×1018〜1×1021/cm3が好ましく、より好ましくは1×1019〜1×1020/cm3である。不純物濃度が上記範囲であると、結晶性を低下させることなく良好なp型結晶が得られる。
また、pクラッド層160aは、複数回積層した超格子構造としてもよく、AlGaNとAlGaNとの交互構造又はAlGaNとGaNとの交互構造であることが好ましい。
pコンタクト層160bは、透光性電極170を設けるための層である。pコンタクト層160bは、AlxGa1-xN(0≦x≦0.4)であることが好ましい。Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持および第1のボンディングパッド電極210との良好なオーミック接触の維持が可能となる点で好ましい。
p型不純物を1×1018〜1×1021/cm3の濃度、好ましくは5×1019〜5×1020/cm3の濃度で含有していると、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えば好ましくはMgが挙げられる。
pコンタクト層160bの膜厚は、特に限定されないが、0.01〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2μmである。pコンタクト層160bの膜厚がこの範囲であると、発光出力の点で好ましい。
<透光性電極>
図1に示すように、p型半導体層160の上面160cには透光性電極170が積層されている。
図2に示すように、平面視したときに、透光性電極170は、第2のボンディングパッド電極240を形成するために、エッチング等の手段によって一部が除去されたp型半導体層160の上面160cのほぼ全面を覆うように形成されている。しかし、このような形状に限定されるわけでなく、隙間を開けて格子状や樹形状に形成してもよい。
透光性電極170は、p型半導体層160との接触抵抗が小さいものが好ましい。また、この半導体発光素子1では、発光層150からの光を第1のボンディングパッド電極210が形成された側に取り出すことから、透光性電極170は光透過性に優れたものが好ましい。さらにまた、p型半導体層160の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、透光性電極170は優れた導電性を有していることが好ましい。
本実施の形態では、透光性電極170として、インジウム(In)またはチタン(Ti)を含む酸化物の導電性材料が用いられる。InまたはTiを含む酸化物の一部は、他の透明導電膜と比較して光透過性および導電性の両者がともに優れている点で好ましい。Inを含む導電性の酸化物としては、例えば、IZO(酸化インジウム亜鉛(In23−ZnO))、ITO(酸化インジウム錫(In23−SnO2))、IGO(酸化インジウムガリウム(In23−Ga23))、ICO(酸化インジウムセリウム(In23−CeO2))等が挙げられる。なお、これらの中に、例えばフッ素などのドーパントが添加されていてもかまわない。Tiを含む導電性の酸化物としては、例えば、酸化チタン系が挙げられ、ニオブ(Nb)が添加された酸化チタンが例示される。
これらの材料を、この技術分野でよく知られた公知の手段で設けることによって、透光性電極170を形成できる。また、透光性電極170を形成した後に、透光性電極170の透明化を目的とした熱アニールを施す場合もある。
本実施の形態において、透光性電極170は、結晶化された構造のものを使用してよく、特に六方晶構造又はビックスバイト構造を有するIn23結晶を含むIZO膜を好ましく使用することができる。
例えば、六方晶構造のIn23結晶を含むIZOを透光性電極170として使用する場合、エッチング性に優れたアモルファスのIZO膜を用いて特定形状に加工することができ、さらにその後、熱処理等によりアモルファス状態から結晶を含む構造に転移させることで、アモルファスのIZO膜よりも透光性の優れた電極に加工することができる。
また、IZO膜としては、比抵抗が最も低くなる組成を使用することが好ましい。
例えば、IZO中のZnO濃度は1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%の範囲であることが更に好ましい。10質量%であると特に好ましい。また、IZO膜の膜厚は、低比抵抗、高光透過率を得ることができる35nm〜10000nm(10μm)の範囲であることが好ましい。さらに、生産コストの観点から、IZO膜の膜厚は500nm以下であることが好ましい。
IZO膜の形成方法としては、アモルファス状態のIZO膜を形成することが可能な方法であれば、薄膜の成膜に使用される周知の方法を用いてもよい。例えば、スパッタ法や真空蒸着法等の方法を用いてよい。真空蒸着法に比べて、成膜時に発生するパーティクルやダストなどが少ないスパッタ法を用いることが好ましい。スパッタ法を用いる場合、RFマグネトロンスパッタ法により、InターゲットとZnOターゲットとを用いて、交互に繰り返し成膜することでIZO膜を成膜してもよい。より成膜速度を高くするために、IZOターゲットをDCマグネトロンスパッタ法にてIZO膜を成膜してもよい。
また、p型半導体層160へのプラズマによるダメージを軽減するために、スパッタ時の放電出力は1000W以下であることが好ましい。
IZO膜のパターニングは、後述の熱処理工程を行なう前に行なうことが望ましい。熱処理により、アモルファス状態のIZO膜は結晶化されたIZO膜となるため、アモルファス状態のIZO膜と比較してエッチングが難しくなる。これに対し、熱処理前のIZO膜は、アモルファス状態であるため、周知のエッチング液(ITO−07Nエッチング液(関東化学社製))を用いて容易に精度良くエッチングすることが可能である。
アモルファス状態のIZO膜のエッチングは、ドライエッチング装置を用いて行なっても良い。このとき、エッチングガスにはCl2、SiCl4、BCl3等を用いることができる。
さらに、透光性電極170の上面170cは、光取り出し効率を向上させるための複数の凹部170aを有している。
図4は、凹部170aの構造の一例を示す斜視図である。図5は、凹部170aの配列の一例を示す図である。凹部170aは、図4に示すような、成膜時の膜厚t0に深さt1(t1<t0)の孔状に形成されていてもよい。凹部170aの底の厚さ(残膜厚)t2は、成膜時の膜厚t0から凹部170aの深さt1を引いた値である。
そして、図5に示すように、孔状の径rの凹部170aは、辺をそれぞれ共有するように隣接して配置された一辺が長さd(凹部170aの断面の中心間距離d)の複数の正三角形の頂点の位置に設けられていてもよい(以下では、正三角形配列と呼ぶ)。
なお、凹部170aは、このような形状に限らず、矩形、三角形など、任意の形状を用いうる。これらの場合は、中心間距離dの代わりに、凹部170aの断面(形状)の重心間距離dとすればよい。さらに、凹部170aの断面の形状が深さ方向に異なっている場合には、凹部170aの深さt1の1/2の位置での断面の重心を求めればよい。
また、凹部170aの中心(重心)間距離dは、一定でなくてもよく、分布を持っていてもよい。
なお、本明細書においては、凹部170aの例として、孔状のものを扱うので、中心間距離dというが、凹部170aの断面の重心間距離dと同じ意味で使用する。
凹部170aは、公知なフォトリソグラフィ等によるエッチング阻止膜(マスク)としてのレジストパタン形成とそれに引き続くエッチングにより任意の設計形状に加工される。
また、フォトリソグラフィに代えて、ナノインプリントリソグラフィ(NIL:Nanoimprint Lithography)を用いて、エッチング阻止膜を形成してもよい。
ナノインプリントリソグラフィによるエッチング阻止膜の形成では、IZO膜表面に設けられた熱可塑性樹脂を加熱し、凹部170aに勘合する凸部を設けた型(モールド)を押し当てたまま、熱可塑性樹脂を冷却して、エッチング阻止膜を形成してもよい(熱ナノインプリント)。このとき、熱可塑性樹脂としては、例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル)が用いうる。
一方、IZO膜表面に設けた、例えば紫外光照射により硬化する光硬化型樹脂に、例えばガラスなどで構成された透光性の型を押し当てたまま、型を通して紫外光を照射することで、エッチング阻止膜を形成してもよい(光ナノインプリント)。
なお、熱ナノインプリントおよび光ナノインプリントでは、形成されたエッチング阻止膜の凹部に残った樹脂を、例えば酸素リアクティブイオンエッチングにより除去することが必要となることがある。
この後、IZO膜をエッチングして、IZO膜に凹部170aを形成する。なお、微細な凹部170aを形成するためには、ドライエッチングを用いることが好ましい。
ナノインプリントリソグラフィでは、電子ビーム直接描画により型が作成されるので、フォトリソグラフィに比べてより微細なパタンが形成しうる。また、型は繰り返し使用することができるので、微細なパタンが低コストで形成しうる。
この後、アモルファス状態のIZO膜は、例えば500〜1000℃の熱処理を行ない、条件を制御することで六方晶構造のIn23結晶を含むIZO膜や、ビックスバイト構造のIn23結晶を含むIZO膜にすることができる。六方晶構造のIn23結晶を含むIZO膜は前述したようにエッチングし難いので、上述のエッチング処理の後に熱処理することが好ましい。
また、透光性電極170を形成した後に、透光性電極170の透明化を目的とした熱アニールを施す場合もある。
IZO膜の熱処理は、O2を含まない雰囲気で行なうことが望ましく、O2を含まない雰囲気としては、N2雰囲気などの不活性ガス雰囲気や、またはN2などの不活性ガスとH2との混合ガス雰囲気などを挙げることができ、N2雰囲気、またはN2とH2との混合ガス雰囲気とすることが望ましい。なお、IZO膜の熱処理をN2雰囲気、またはN2とH2との混合ガス雰囲気中で行なうと、例えば、IZO膜を六方晶構造のIn23結晶を含む膜に結晶化させるとともに、IZO膜のシート抵抗を効果的に減少させることが可能である。
また、IZO膜の熱処理温度は、500〜1000℃が好ましい。500℃未満の温度で熱処理を行なった場合、IZO膜を十分に結晶化できない可能性があり、IZO膜の光透過率が十分に高いものとならない場合がある。1000℃を超える温度で熱処理を行なった場合には、IZO膜は結晶化されているが、IZO膜の光透過率が十分に高いものとならない場合がある。また、1000℃を超える温度で熱処理を行なった場合、IZO膜の下にある積層半導体層100を劣化させる可能性もある。
アモルファス状態のIZO膜を結晶化させる場合、成膜条件や熱処理条件などが異なるとIZO膜中の結晶構造が異なる。しかし、本発明の実施形態においては、第1のボンディングパッド電極210との接着性の点において、透光性電極170は結晶性の材料の方が好ましく、特にIZOの場合にはビックスバイト構造のIn23結晶を含むIZOであってもよく、六方晶構造のIn23結晶を含むIZOであってもよい。特に六方晶構造のIn23結晶を含むIZOがよい。
特に、前述のように、熱処理によって結晶化したIZO膜は、アモルファス状態のIZO膜に比べて、p型半導体層160や第1のボンディングパッド電極210との密着性が良いため、本発明の実施形態において有効である。
<第1のボンディングパッド電極>
次に、正極として働く第1のボンディングパッド電極210の構成の一例について詳細に説明する。
IZO膜からなる透光性電極170の上には、回路基板またはリードフレーム等との電気接続のための第1のボンディングパッド電極210が設けられている。第1のボンディングパッド電極210は、Au、Al、NiまたはCu等の材料を用いた各種構造が知られている。中でも、Au、Alまたはこれらの金属の少なくとも一種を含む合金からなることが好ましい。AuおよびAlはボンディングボールとして使用されることが多い金ボールとの密着性の良い金属なので、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金を用いることにより、ボンディングワイヤとの密着性に優れたものとすることができる。中でも、特に望ましいのはAuである。また、第1のボンディングパッド電極210の厚さは、50〜2000nmの範囲内であることが好ましい。さらに、500〜1500nmが好ましい。
第1のボンディングパッド電極210が薄すぎるとボンディングボールとの密着性が悪くなり、厚すぎても特に利点は生ぜず、コスト増大を招くのみである。また、ボンディングパッドの特性上、厚いほどボンダビリティが高くなって好ましい。このため、第1のボンディングパッド電極210の厚さは500nm以上とすることがより好ましい。さらに、製造コストの観点から1500nm以下とすることが好ましい。
また、第1のボンディングパッド電極210と透光性電極170との接合強度を高めるために、透光性電極170と第1のボンディングパッド電極210との間に、例えば、Al、Ti、V、Cr、Mn、Co、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Hf、Ta、W、Re、Rh、Ir、Niの少なくとも一種の元素を含む接合層を設けてもよい。好ましくはAl、Ti、Zn、Zr、Nb、Mg、Bi、Si、Hf、Taの少なくとも一種の元素を含む接合層を設けてもよい。
また、透光性電極170と第1のボンディングパッド電極210との間に、バリア層を設けてもよい。バリア層は、第1のボンディングパッド電極210を形成する元素のマイグレーションをバリアする作用を有している。バリア層としては、例えば、Ag、Al、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Ti、W、Mo、Ni、Co、Zr、Hf、Ta、Nbのうちのいずれかまたはこれら金属のいずれかを含む合金からなるものが選べる。
また、同じ働きをするバリア層は、前述した接合層と第1のボンディングパッド電極210との間に設けてもよい。
なお、発光層150から発生した光のうち、第1のボンディングパッド電極210に向かった光は、第1のボンディングパッド電極210の最下面(透光性電極170側の面)で反射され、一部は散乱されて横方向あるいは斜め方向に進み、一部は第1のボンディングパッド電極210の直下に進む。散乱されて横方向や斜め方向に進んだ光は、半導体発光素子1の側面から外部に取り出される。一方、第1のボンディングパッド電極210の直下の方向に進んだ光は、半導体発光素子1の下面でさらに散乱や反射されて、側面や透光性電極170(上に第1のボンディングパッド電極210が存在しない部分)を通じて外部へ取り出される。
第1のボンディングパッド電極210は、透光性電極170の上であれば、どこへでも形成することができる。このため、第1のボンディングパッド電極210は、例えば第2のボンディングパッド電極240から最も遠い位置に形成してもよいし、半導体発光素子1の中心などに形成してもよい。しかし、あまりにも第2のボンディングパッド電極240に近接した位置に形成すると、ボンディングした際にワイヤ間、ボール間のショートを生じてしまうため好ましくない。
また、第1のボンディングパッド電極210の電極面積としては、できるだけ大きいほうがボンディング作業はしやすいものの、発光の取り出しの妨げになる。例えば、チップ面の面積の半分を超えるような面積を覆っては、発光の取り出しの妨げとなり、出力が著しく低下する。逆に小さすぎるとボンディング作業がしにくくなり、製品の収率を低下させる。
具体的には、ボンディングボールの直径よりもわずかに大きい程度が好ましく、直径100μmの円形程度であることが一般的である。
<第2のボンディングパッド電極>
続いて、負極として働く第2のボンディングパッド電極240の構成の一例について詳細に説明する。
n型半導体層140の半導体層露出面140c上には、図1に示すように、回路基板またはリードフレーム等との電気接続のための第2のボンディングパッド電極240が設けられている。このように、第2のボンディングパッド電極240を形成する際には、エッチング等の手段によって発光層150およびp型半導体層160の一部を切り欠き除去してn型半導体層140のnコンタクト層140aを露出させ、得られた半導体層露出面140c上に第2のボンディングパッド電極240を形成する。
図2に示すように、平面視したときに、第2のボンディングパッド電極240は円形状とされているが、このような形状に限定されるわけでなく、多角形状など任意の形状とすることができる。また、第2のボンディングパッド電極240はボンディングパッドを兼ねており、ボンディングワイヤを接続することができる構成とされている。
第2のボンディングパッド電極240は、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金からなることが好ましい。AuおよびAlはボンディングボールとして使用されることが多い金ボールとの密着性の良い金属なので、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金を用いることにより、ボンディングワイヤとの密着性に優れたものとすることができる。中でも、特に望ましいのはAuである。
また、第2のボンディングパッド電極240の厚みは、50〜2000nmの範囲であることが好ましく、更に望ましくは500〜1500nmである。
第2のボンディングパッド電極240が薄すぎるとボンディングボールとの密着性が悪くなり、厚すぎても特に利点は生ぜず、コスト増大を招くのみである。
第2のボンディングパッド電極240は、nコンタクト層140aの半導体層露出面140cの上であれば、どこへでも形成することができる。ただし、ボンディング作業のしやすさという観点からは、ボンディングボールの直径よりもわずかに大きい程度が好ましく、直径100μmの円形程度であることが一般的である。
なお、接合強度を高めるために、n型半導体層140のnコンタクト層140aに形成される半導体層露出面140cと第2のボンディングパッド電極240との間に、例えば、Al、Ti、Zn、Zr、Nb、Mg、Bi、Si、Hf、Taなどの少なくとも一種の元素を含む接合層を設けてもよい。
また、n型半導体層140のnコンタクト層140aに形成される半導体層露出面140cと第2のボンディングパッド電極240との間に、バリア層を設けてもよい。バリア層は、第2のボンディングパッド電極240全体の強度を強化する役割を有している。このため、比較的強固な金属材料を使用することが好ましく、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の白金族金属、Al、Ag、Tiおよびこれらの金属の少なくも一種を含む合金で構成することがより好ましい。
なお、本実施の形態では、後述するように、第1のボンディングパッド電極210と第2のボンディングパッド電極240とは同一のプロセスにおいて形成され、同じ構成を有している。
<保護層>
本実施の形態においては、図1に示すように、SiOのようなシリコン酸化物からなる保護層180を、透光性電極170、p型半導体層160、n型半導体層140の半導体層露出面140cの上面(エッチングされた側壁も含む)、第1のボンディングパッド電極210の周辺部分、第2のボンディングパッド電極240の周辺部分等の表面に覆うように形成されていてもよい。
これにより、ボンディングパッド電極(210、240)の上面を除き、半導体発光素子1をシールドして、外部の空気や水分が半導体発光素子1に浸入するおそれを大幅に低減して、半導体発光素子1の透光性電極170やボンディングパッド電極(210、240)の剥がれの防止にも寄与することができる。
保護層180の厚みは、50〜1000nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましく、150〜450nmとすることが更に好ましい。
保護層180の厚みは、50〜1000nmとすることにより、外部の空気や水分が半導体発光素子1の発光層150まで浸入するおそれを大幅に低減して、半導体発光素子1の第1のボンディングパッド電極210や第2のボンディングパッド電極240の剥がれを防止することができる。
(半導体発光素子の製造方法)
次に、図1に示す半導体発光素子1の製造方法の一例について説明する。
本実施形態における半導体発光素子1の製造方法は、基板110上に、中間層120を形成する工程(中間層形成工程)と、下地層130を形成する工程(下地層形成工程)と、発光層150を含む積層半導体層100を形成する工程(積層半導体層形成工程)と、積層半導体層100上に透光性電極170を形成する工程(透光性電極形成工程)と、透光性電極170の表面に凹部170aを形成する工程(凹部形成工程)と、積層半導体層100の一部を切り欠いて半導体層露出面140cを形成する工程(半導体層露出面形成工程)と、透光性電極170の上面170cに第1のボンディングパッド電極210を形成し且つ半導体層露出面140cに第2のボンディングパッド電極240を形成する工程(電極形成工程)と、透光性電極170、p型半導体層160などの表面に保護層180を形成する工程(保護層形成工程)とを有している。
ここで、発光層150を含む積層半導体層100を形成する積層半導体層形成工程は、n型半導体層140を形成する工程(n型半導体層形成工程)と、発光層150を形成する工程(発光層形成工程)と、p型半導体層160を形成する工程(p型半導体層形成工程)とを有している。
本実施の形態が適用される半導体発光素子1の製造方法は、必要に応じて、電極形成工程の後、得られた半導体発光素子に熱処理を施す工程(アニール工程)をさらに有している場合がある。
以下、各工程について、順番に説明する。
<中間層形成工程>
先ず、サファイア基板等の基板110を用意し、前処理を施す。前処理としては、例えば、スパッタ装置のチャンバ内に基板110を配置し、中間層120を形成する前にスパッタするなどの方法によって行うことができる。具体的には、チャンバ内において、基板110をArやN2のプラズマ中に曝す事によって上面を洗浄する前処理を行なってもよい。ArガスやN2ガスなどのプラズマを基板110に作用させることで、基板110の上面に付着した有機物や酸化物を除去することができる。
次に、基板110の上面に、スパッタ法によって、中間層120を積層する。
スパッタ法によって、単結晶構造を有する中間層120を形成する場合、チャンバ内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が50〜100%、望ましくは75%となるようにすることが望ましい。
また、スパッタ法によって、柱状結晶(多結晶)を有する中間層120を形成する場合、チャンバ内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が1〜50%、望ましくは25%となるようにすることが望ましい。なお、中間層120は、上述したスパッタ法だけでなく、MOCVD法で形成することもできる。
<下地層形成工程>
次に、中間層120を形成した後、中間層120が形成された基板110の上面に、単結晶の下地層130を形成する。下地層130は、スパッタ法で形成してもよく、MOCVD法で形成してもよい。
<積層半導体層形成工程>
積層半導体層形成工程は、n型半導体層形成工程と、発光層形成工程と、p型半導体層形成工程とからなる。
<n型半導体層形成工程>
下地層130の形成後、nコンタクト層140aおよびnクラッド層140bを積層してn型半導体層140を形成する。nコンタクト層140aおよびnクラッド層140bは、スパッタ法で形成してもよく、MOCVD法で形成してもよい。
<発光層形成工程>
発光層150の形成は、スパッタ法、MOCVD法のいずれの方法でもよいが、特にMOCVD法が好ましい。具体的には、障壁層150aと井戸層150bとを交互に繰り返して積層し、且つ、n型半導体層140側およびp型半導体層160側に障壁層150aが配される順で積層すればよい。
<p型半導体層形成工程>
また、p型半導体層160の形成は、スパッタ法、MOCVD法のいずれの方法でもよい。具体的には、pクラッド層160aと、pコンタクト層160bとを順次積層すればよい。
<透光性電極形成工程>
p型半導体層160上に、スパッタ法などの公知の方法を用いて、透光性電極170を形成する。
<凹部形成工程>
次に、透光性電極170上に、凹部170aを形成する。凹部170aは、前述したように、慣用の手段であるフォトリソグラフィ等によるエッチング阻止膜としてのレジストパタン形成とそれに引き続くエッチングにより任意の設計形状に加工される。
また、フォトリソグラフィに代えて、ナノインプリントリソグラフィ(NIL:Nanoimprint Lithography)を用いて、エッチング阻止膜を形成してもよい。
引き続き、ドライエッチングなどにより、IZO膜をエッチングして、凹部170aを形成する。なお、凹部170aの深さt1は、エッチング時間により設定しうる。
<半導体層露出面形成工程>
次に、公知のフォトリソグラフィ等によるエッチング阻止膜としてのレジストパタン形成とそれに引き続くエッチングによる手法によって、積層半導体層100の一部をエッチングしてnコンタクト層140aの一部を露出させ、半導体層露出面140cを形成する。
<電極形成工程>
次に、フォトリソグラフィ及びスパッタ法により、透光性電極170上に第1のボンディングパッド電極210と、半導体層露出面140c上に第2のボンディングパッド電極240とを形成する。
<アニール工程>
そして、このようにして得られた半導体発光素子1を、例えば窒素などの還元雰囲気下において、100〜400℃、より好ましくは150〜300℃でアニール処理する。このアニール工程は、透光性電極170と第1のボンディングパッド電極210との密着性、および、半導体層露出面140cと第2のボンディングパッド電極240との密着性を高めるために行われる。なお、アニール処理は必ずしも行う必要はないが、密着性を高めるためには行う方がより好ましい。
<保護層形成工程>
そして、透光性電極170、p型半導体層160、n型半導体層140の半導体層露出面140cの上面(エッチングされた側壁も含む)、第1のボンディングパッド電極210の周辺部分、第2のボンディングパッド電極240の表面にSiO2からなる保護層180を形成する。
そして、公知のフォトリソグラフィ及びエッチング手法によって第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240の表面の一部を露出させる。
本発明においては、図面を省略するが、半導体発光素子1を用いたランプを提供することができる。
本実施の形態であるランプは、半導体発光素子1と蛍光体とを組み合わせてなるものであって、当業者周知の手段によって当業者周知の構成とすることができる。
また、半導体発光素子1と蛍光体と組み合わせることによって発光色を変えることができることが知られているが、このような技術を本実施の形態であるランプにおいても何ら制限されることなく採用することが可能である。
本実施の形態であるランプは、半導体発光素子1の正極として働く第1のボンディングパッド電極210がワイヤでフレーム(第1フレーム)に接合され、半導体発光素子1の負極として働く第2のボンディングパッド電極240がワイヤで他方のフレーム(第2フレーム)に接合されて、実装されている。また、半導体発光素子1の周辺は、透明な樹脂からなるモールドで封止されている。
これにより、素子寿命の長い半導体発光素子1を有するランプとすることができる。
なお、本発明のランプは、一般用途の砲弾型、携帯のバックライト用途のサイドビュー型、表示器に用いられるトップビュー型等いかなる用途にも用いることができる。
また、前述の半導体発光素子1およびランプは、例えば、照明装置に組み込んで使用することができる。この場合、図示しないが、配線やスルーホール等が形成された基板と、基板表面に取り付けられた複数の半導体発光素子1を用いたランプと、凹字状の断面形状を有し、凹部内側の底部に半導体発光素子1を用いたランプが取り付けられるように構成されたリフレクタ又はシェードとを備えるようにした照明装置に使用できる。本発明の実施形態として、実施例に記載の半導体発光素子1を用いたランプを、特開2008−16412号公報に記載の内容に準じて照明装置用リフレクタ内に固定することで、複数のリフレクタを備えた照明装置に製作できる。
さらに、本発明の実施形態であるランプは、ランプを組み込んだ携帯電話、ディスプレイ、パネル類などの電子機器や、電子機器を組み込んだ自動車、コンピュータ、ゲーム機などの機械装置類に使用できる。
次に、表面に複数の凹部が形成された透光性電極の特徴について、光取り出し効率およびシート抵抗について、後述する実施例1、比較例1および比較例2の結果を踏まえて本発明を説明する。
<光取り出し効率>
透光性電極170に凹部170aを設けない場合には、発光層150で発生し、透光性電極170に入射して全反射する光は、半導体発光素子1内での吸収や、反射の繰り返しにより、外部に取り出しにくかった。例えば、IZOの屈折率は2.1〜2.15であるので、空気との界面での全反射角は28°となる。IZOのように高い屈折率の材料と空気との界面での全反射角は小さいため、入射角が小さくても全反射されてしまう。
そこで、透光性電極170の表面(光が外部に出射する側の面)に凹凸を設けると、全反射条件になることが抑制され、光取り出し効率を改善することができる。
図6は、図4に示すような凹部170aを設けることによる光取り出しの改善率(放射エネルギ改善率)を示す図である。この図6は、積層半導体層100の最上層のp型半導体層160であるp型GaNに凹部170aを設けたとして、シミュレーションによって求めた。
p型GaNの屈折率は2.45である。一方、IZOの屈折率は2.1〜2.15である。これらの屈折率の差は小さいので、IZO膜に凹部170aを設けた場合においても、p型GaNにおいて得られると同様の効果が得られる。
図6の横軸は、凹部170aの深さt1(nm)、縦軸は放射エネルギ改善率(%)である。縦軸は、p型GaNの表面が平坦面である場合の放射エネルギを基準として、凹部170aを設けた場合により多く得られる放射エネルギを%で表している。
ここでは、後述する実施例1および比較例1と同様に、孔状の凹部170aを、図5に示す正三角形配列で設けている。凹部170aの径rおよび中心間距離dは表1に示す値とした。
Figure 0005434288
すなわち、凹部170aの径rが300nmで中心間距離dが600nm(Case1)、径rが150nmで中心間距離dが300nm(Case2)、径rが75nmで中心間距離dが150nm(Case3)である。Case1〜Case3のいずれにおいても、凹部170aの径rは、中心間距離dの1/2である。この関係は実施例1および比較例1と同様である。
また、Case1〜3のいずれにおいても、凹部170aの中心間距離dは、実施例1の中心間距離dの1μmより小さい。すなわち、Case1〜3は、後述する実施例1に示すように、残膜厚t2を小さくしても、IZO膜のシート抵抗の増加の割合が小さい領域にある。
放射エネルギ改善率、すなわち光取り出し効率は、図6に示すように、凹部170aを設けることにより、Case1〜3のいずれにおいても改善する。
特に、Case2(径r:150nm、中心間距離d:300nm)およびCase3(径r:75nm、中心間距離d:150nm)では、凹部170aの深さt1が100nmである場合に、放射エネルギ改善率が60%前後改善する。そして、深さt1が浅く(小さい)とも、深く(大きい)とも、放射エネルギ改善率が低下する傾向にある。
一方、Case1(径r:300nm、中心間距離d:600nm)では、凹部170aの深さt1が150〜200nmである場合に、放射エネルギ改善率が58%改善する。そして、深さt1が浅い(小さい)場合には、放射エネルギ改善率が低下する傾向にある。
しかし、現時点では、放射エネルギ改善率が、凹部170aの特定の深さt1において最大になる理由は定かでない。
なお、透光性電極170の表面に設けた凹部170aは、その中心間距離dが発光波長の1/4以下になると、光取り出し効率向上効果が小さくなる。本実施の形態における半導体発光素子1の発光波長は、後述するように455nmである。すると、透光性電極170内での発光波長λd′は、211nmとなる。
半導体発光素子1で得られる最短の発光波長を450nmとすると、透光性電極170内での発光波長は200nmとなる。すると、50nmより小さい径r(中心間距離dが100nm)の凹部170aを透光性電極170の表面に設けても、光取り出し効率向上の効果は得られにくいと考えられる。
<シート抵抗>
一般に、導電性薄膜のシート抵抗は、導電性薄膜の膜厚(厚さ)に反比例する。すなわち、導電性薄膜の膜厚(厚さ)が1/2になると、シート抵抗は2倍になる。
そこで、光取り出し効率を改善するため、透光性電極170に、図4に示した凹部170aの代わりに凸部を形成した場合(後述する比較例2)を考える。
図7は、高さt3の凸部170bを設けた透光性電極170を示す図である。このように凸部170bを設ける場合には、透光性電極170を流れる電流は、残膜厚t2の部分に集中することになり、凸部170bはシート抵抗を低減させる電流の通路として働かないと考えられる。
よって、凸部170bを設けた透光性電極170のシート抵抗は、残膜厚t2に反比例すると考えられる。このことから、予め定められたシート抵抗を得ようとすると、残膜厚t2によってシート抵抗を確保することが必要となる。すると、凸部170bにおいて光の透過率が低下することになる。
すなわち、光取出し効率を向上させるために、凸部170bを設けると、凸部170bの膜厚を増加させることが必要となり、光の透過率を低下させるので、光取り出し効率向上の効果を損なうことになってしまう。
次に、透光性電極170に凹部170aを設ける場合(後述する実施例1および比較例1)を考える。凹部170aを設ける場合では、図4に示すように、透光性電極170の凹部170aの底の部分に当たる残膜厚t2の部分に加え、凹部170aを取り囲む部分も導電性材料で構成されている。このため、電流は、凹部170aの底の部分(残膜厚t2の部分)だけでなく、凹部170aを取り囲む部分も流れることができる。すなわち、電流は、残膜厚t2の部分を流れる電流と凹部170aの周りを凹部170aを迂回しながら流れる電流とからなる。これにより、凹部170aを設けた透光性電極170のシート抵抗は、残膜厚t2に対する反比例の関係で決まる値より小さな値になると考えられる。
さらに、凹部170aの径rが小さいと、電流が迂回する距離が短くなるため、シート抵抗がより小さな値になると考えられる。
以上説明したように、光取り出し効率を改善するためには、透光性電極170の上に凹部170aを設ける方が、凸部170bを設けるより、透光性電極170のシート抵抗が小さくできるので有効である。さらに、凹部170aの径rは小さいほど、よりシート抵抗が小さくできるので有効である。
このことから、本発明においては、実施例において示すIZO以外の透光性電極材料(表2中、例えば、実施例5および6)も同様な特性と効果が得られる。
そして、後述する実施例1(凹部170aの中心間距離dが1μm、径rが0.5μm)の場合には、IZO膜の残膜厚t2を小さくしてもシート抵抗の増大を低く維持することができる。そして、IZO膜の残膜厚t2が25nmから210nmの範囲で、シート抵抗が20Ω/□を下回る。
これにより、透光性電極170上に設けた正極として働く第1のボンディングパッド電極210の周囲に電流が集中することがなく、透光性電極170の全面から発光させることができる効果が顕著に発現される。このとき、透光性電極170に対向するn型半導体層140(n型GaN)のシート抵抗を低くすると、電流集中を防止することができる。特に、n型半導体層140のシート抵抗は30Ω/□以下であって、透光性電極170のシート抵抗との差が15Ω/□以下であるとさらに好ましい。例えば、透光性電極170として、凹部170aや凸部170bを形成しない、平らな透光性電極170を備えた半導体発光素子1では、後述の表3に見られるように、n型半導体層140のシート抵抗が15Ω/□であって、透光性電極170のシート抵抗との差が15Ω/□以下(表3中参考例1および参考例2)の場合は発光出力の向上と順方向電圧Vfの低下が確認されている。
以上説明したように、凹部170aの中心間距離dを小さくすれば、シート抵抗の増大を抑制しつつ、光取り出し効率が改善する。しかし、凹部170aの中心間距離dが100nmより下回ると、前述したように光取り出し効率の向上効果が得られにくくなることから、凹部170aの中心間距離dは100nm以上且つ1000nm(1μm)以下が好ましい。
では次に、本発明の実施例について説明を行うが、本発明は実施例に限定されない。
<IZO膜のシート抵抗>
図8は、実施例1、比較例1および比較例2のIZO膜のシート抵抗を説明する図である。
IZO膜は、Inに10質量%のZnOを含むIZOターゲットを用いてRFマグネトロンスパッタ法によりp−GaN半導体層上に成膜した。成膜時のIZO膜の膜厚t0は、以下に述べる実施例1、比較例1および比較例2とも250nmとした。
なお、図8の縦軸に示すシート抵抗は、四探針法の測定装置(三菱化学製Loresta MP MCP-T360)を用いて測定した。
(実施例1)
実施例1のIZO膜は、図4および図5に示すように、孔状の凹部170aを正三角形配列で設けている。孔状の凹部170aの径rは0.5μm、凹部170aの中心間距離dは1μmである。すなわち、凹部170aの径rは、凹部170aの中心間距離dの1/2である。
そして、実施例1のIZO膜は、凹部170aを形成するエッチング時間を制御して得られた、凹部170aの深さt1が異なる複数のIZO膜である。図8の横軸の残膜厚t2は、成膜時のIZO膜の膜厚t0(250nm)から、凹部170aの深さt1を引いた値である。すなわち、図8の横軸の残膜厚t2は、実施例1においては、凹部170aの底の部分のIZO膜の厚さである。すなわち、残膜厚t2が小さいほど、凹部170aの深さt1が大きく、逆に、残膜厚t2が大きいほど、凹部170aの深さt1が小さい。
凹部170aの形成は、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)によりエッチング阻止膜を形成して行った。IZO膜のエッチングはドライエッチングで行った。
図8に示すように、実施例1においては、残膜厚t2が23nmと、成膜時の膜厚t0(250nm)のほぼ1/10になっても、IZO膜のシート抵抗は、成膜時(250nm)の値12Ω/□から18Ω/□へと、ほぼ1.5倍に増加しているに過ぎない。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と同様に、孔状の凹部170aを、図5に示す正三角形配列で設けている。孔状の凹部170aの径rは1.5μm、凹部170aの中心間距離dは3μmである。すなわち、実施例1と同様に、凹部170aの径rは、凹部170aの中心間距離dの1/2とした。
そして、比較例1のIZO膜は、実施例1と同様に、エッチング時間を制御して得られた、凹部170aの深さt1が異なる複数のIZO膜である。図8の横軸の残膜厚t2は、実施例1と同様に、成膜時の膜厚t0(250nm)から、凹部170aの深さt1を引いた値である。
なお、比較例1の凹部170aの形成は、ステッパを使用したフォトリソグラフィによりエッチング阻止膜となるレジストパタンを形成して行った。IZO膜のエッチングはドライエッチングで行った。
上述したように、実施例1および比較例1では、孔状の凹部170aの径rは凹部170aの中心間距離dの1/2である。すると、凹部170aの深さが同じであれば、凹部170aの形成により除去されるIZOの体積は、実施例1と比較例1とで同じである。言い換えれば、透光性電極170として働くIZOの体積も、実施例1と比較例1とで同じである。
図8に示すように、比較例1においては、残膜厚t2が45nmと、成膜時の膜厚t0(250nm)のほぼ1/5になると、IZO膜のシート抵抗は、成膜時(250nm)の値12Ω/□から35Ω/□へと、ほぼ3倍に増加している。
径rおよび中心間距離dを、前述した特許文献3に記載の径rが2μm、中心間距離dが3μmと変更した場合も比較例1と同じ挙動を示した。
(比較例2)
比較例2は、実施例1および比較例1と異なって、図7に示す円柱状の凸部170bを図5に示す正三角形配列で設けている。つまり、凸部170bの配列は、図5に示した実施例1および比較例1の場合と同様であり、凹部170aを凸部170bと読み替えたものに当たる。
そして、凸部170bの径rは1.5μm、凸部170bの中心間距離dは3μmである。これらの値(径rと中心間距離d)は、比較例1と同じである。そして、実施例1および比較例1と同様に、円柱状の凸部170bの径rは凸部170bの中心間距離dの1/2である。
比較例2のIZO膜は、凸部170bの周囲をエッチングする時間を制御して得られた、凸部170bの高さt3が異なる複数のIZO膜である。すなわち、凸部170bの厚さは成膜時と同じで、凸部170b以外の部分(残膜厚t2の部分)のIZO膜の膜厚が異なっている。そして、図8の横軸の残膜厚t2は、比較例2においては、凸部170bを除いたIZO膜の厚さである。すなわち、成膜時の膜厚t0(250nm)から、凸部170bの高さt3を引いた値である。
なお、凸部170bの加工は、ステッパを使用したフォトリソグラフィによりエッチング阻止膜となるレジストパタンを形成して行った。IZO膜のエッチングはドライエッチングで行った。
図8に示すように、比較例2においては、残膜厚t2が80nmと、成膜時の膜厚t0(260nm)のほぼ1/3になると、IZO膜のシート抵抗は、成膜時(260nm)の値16Ω/□から49Ω/□へと、ほぼ3倍に増加している。比較例2においては、シート抵抗と残膜厚t2とがほぼ反比例の関係になっている。
以上説明したように、比較例2では、形成された凸部170bがIZO膜の電気伝導に寄与せず、シート抵抗を低減させる電流の通路として働かない。
一方、凹部170aを設けた実施例1および比較例1では、凹部170aの底の部分に加え、凹部170aを取り囲む部分もIZOである。このため、電流は、凹部170aの底の部分だけでなく、凹部170aを取り囲む部分も流れることができ、シート抵抗が小さな値になっている。しかも、図8の実施例1で示したように、凹部170aの中心間距離dを1μm、径rを0.5μmとすれば、IZO膜の残膜厚t2が小さくてもシート抵抗の増大を低く維持することができる。そして、IZO膜の残膜厚t2が25nmから210nmの範囲で、シート抵抗が20Ω/□を下回る。
なお、実施例1では、透光性電極170であるIZO膜に、中心間距離dが1μm(1000nm)で径rが0.5μm(500nm)の凹部170aを設けた。これらの値は、光取り出し効率において説明したCase1の場合に近い値である。したがって、本実施の形態では、シート抵抗の増加を抑制するとともに、放射エネルギ改善率(光取り出し効率)を50%以上改善できる。
<半導体発光素子の作製と評価>
(実施例2〜6、比較例3、4)
窒化ガリウム系化合物半導体からなる半導体発光素子1を次のようにして製造した。
まず、サファイアからなる基板110上に、AlNからなる中間層120を介して、厚さ8μmのアンドープGaNからなる下地層130を形成した。中間層120は、スパッタ法で形成した。
次に、n型半導体層140として、厚さ2μmのSiドープのn型GaNのnコンタクト層140a、厚さ250nmのn型In0.1Ga0.9Nのnクラッド層140bを形成した。その後、厚さ16nmのSiドープGaNの障壁層150aおよび厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8Nの井戸層150bを5回積層し、最後に障壁層150aを設けた多重量子井戸構造の発光層150を形成した。
さらに、厚さ10nmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nのpクラッド層160a、厚さ150nmのMgドープp型GaNのpコンタクト層160bを順に形成した。
なお、窒化ガリウム系化合物半導体層の積層は、MOCVD法により、この技術分野においてよく知られた通常の条件で行なった。
次に、p型GaNのpコンタクト層160b上に透光性電極170を形成した後、透光性電極170を所定の形状に形成した。さらに、実施例2〜6および比較例3では、透光性電極170に凹部170aを形成した。一方、比較例4では、透光性電極170に凸部170bを形成した。
さらに前述の工程の説明のように、正極として働く第1のボンディングパッド電極210および負極として働く第2のボンディングパッド電極240を形成し、保護層180を形成して、発光波長が455nmの半導体発光素子1を製作した。
なお、実施例2〜6では、凹部170aの中心間距離dが1000nm(1μm)であるのに対し、比較例3、4では、凹部170aまたは凸部170bの中心間距離dが3000nm(3μm)である。実施例2〜6および比較例3、4の半導体発光素子1における構造的特徴と特性とを表2に示した。なお、凹部170a(凸部170b)の径rは、中心間距離dの1/2とした。そして、凹部170a(凸部170b)の配列は、図5に示した正三角形配列とした。
Figure 0005434288
例えば、実施例2において、透光性電極170のIZO膜の成膜時の膜厚t0は250nm、凹部170aの深さt1は200nm、凹部170aの残膜厚t2は50nmである。
この半導体発光素子1において、順方向電圧Vfが3.2V、発光出力Poが20.1mWが得られた。さらに、半導体発光素子1では、正極として働く第1のボンディングパッド電極210と負極として働く第2のボンディングパッド電極240の間の透光性電極170の全面から発光を取り出すことができることが確認できた。
このとき、透光性電極170(IZO膜)のシート抵抗が18Ω/□、n型半導体層140のシート抵抗が15Ω/□であって、透光性電極170とn型半導体層140とのシート抵抗との差が3Ω/□であった。
なお、実施例3〜6においても、実施例2と同様に、18.8mW以上と高い発光出力Poが得られ、第1のボンディングパッド電極210と第2のボンディングパッド電極240の間の透光性電極170の全面から発光を取り出すことができることが確認できた。また、透光性電極170(IZO膜)のシート抵抗は、実施例3〜6において、17Ω/□以下であり、n型半導体層140のシート抵抗は15Ω/□以下であって、透光性電極170のシート抵抗との差が3Ω/□以下であった。
一方、比較例3および4では、発光出力Poが18mW以下と低く、発光が正極として働く第1のボンディングパッド電極210の周囲に集中した。また、透光性電極170(IZO膜)のシート抵抗は30Ω/□以上であった。
表3には、透光性電極170として、凹部170aや凸部170bを形成しない、平らな透光性電極170を備えた半導体発光素子1の、n型半導体層140のシート抵抗と透光性電極170のシート抵抗、さらには発光出力Poの向上と順方向電圧Vfの特徴をまとめた。
Figure 0005434288
n型半導体層140のシート抵抗が15Ω/□であって、透光性電極170のシート抵抗との差が15Ω/□以下の場合(表3中、参考例1および参考例2)は、発光出力Poの向上と順方向電圧Vfの低下が確認された。
本実施の形態では、発光ピーク波長λdが455nm近傍の半導体発光素子1について説明したが、本発明の適用対象はこれに限られない。
例えば、Ga1−xAlAs(0<x<1)、GaAs1−x(0<x<1)、In1−xGaP(0<x<1)などの化合物半導体を発光層とする赤外から赤を発光する半導体発光素子1、AlP、AlAs、GaPなどを発光層に用いた橙から緑を発光する半導体発光素子1にも適用できることは明らかである。
1…半導体発光素子、100…積層半導体層、110…基板、120…中間層、130…下地層、140…n型半導体層、150…発光層、160…p型半導体層、170…透光性電極、170a…凹部、170b…凸部、180…保護層、210…第1のボンディングパッド電極、240…第2のボンディングパッド電極

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上にn型の導電性を有するIII族窒化物の第1の半導体層、発光層およびp型の導電性を有するIII族窒化物の第2の半導体層が順に積層される積層半導体層と、
    前記第2の半導体層上に形成される酸化インジウム亜鉛の透光性電極と、
    前記透光性電極上に形成されるボンディングパッド電極と
    を備える半導体発光素子であって、
    前記透光性電極が、前記積層半導体層と接する面の反対側の面に、複数の凹部が形成され、当該凹部の断面における重心間距離が100nm以上且つ1000nm以下であり、前記発光層が発光する波長に対して透光性を有し、
    前記積層半導体層の前記第1の半導体層のシート抵抗と前記透光性電極のシート抵抗とがそれぞれ30Ω/□以下で、それぞれのシート抵抗の差が15Ω/□以下であって、
    前記ボンディングパッド電極が、前記透光性電極上において、前記複数の凹部における一部の凹部を含む領域に形成されている
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記透光性電極に形成される複数の前記凹部の断面における形状が、深さ方向に異なっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記透光性電極は、前記凹部以外の部分における厚さが500nm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  4. 基板上にn型の導電性を有するIII族窒化物の第1の半導体層、発光層およびp型の導電性を有するIII族窒化物の第2の半導体層からなる積層半導体層を形成する工程と、
    前記積層半導体層上に酸化インジウム亜鉛の透光性電極を形成する工程と、
    前記透光性電極の表面に断面の重心間距離が100nm以上且つ1000nm以下である複数の凹部を形成する工程と、
    前記透光性電極上の前記複数の凹部における一部の凹部を含む領域にボンディングパッド電極を形成する工程と、を含み、
    前記積層半導体層の前記第1の半導体層のシート抵抗と前記透光性電極のシート抵抗とがそれぞれ30Ω/□以下で、それぞれのシート抵抗の差が15Ω/□以下であることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記透光性電極に形成される複数の前記凹部の断面における形状が、深さ方向に異なっている
    ことを特徴とする請求項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記透光性電極の表面に形成される複数の前記凹部は、ナノインプリントリソグラフィにより形成されるエッチング阻止膜を用いて形成される
    ことを特徴とする請求項またはに記載の半導体発光素子の製造方法。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子が配置されるとともに当該半導体発光素子の正極とワイヤボンディングされる第1フレームと、
    前記半導体発光素子の負極とワイヤボンディングされる第2フレームと、
    前記半導体発光素子を取り囲んで形成されるモールドと
    を備えたことを特徴とするランプ。
  8. 請求項に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
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