JP2010260406A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】初期のウエットグリップ性能に優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤトレッド部11が、硫黄で加硫できるゴム組成物により構成され、ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ50〜300質量部を含み、かつ、タイヤトレッド部11の表面に、平均粗さRaが5μm〜50μmの凹凸部17を形成してなる空気入りタイヤ10である。ゴム組成物が、平均粒子径が0.01〜50μmである無機剤を含むことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、詳しくは、スポーツカー、競技者用などの高性能タイヤとして好適な、初期のウエットグリップ性能に優れた空気入りタイヤに関する。
近年、空気入りタイヤにおいて、タイヤ用ゴム組成物に広く一般に配合されているカーボンブラックに代えてシリカを配合することで、ウエット路面でのグリップ性能を向上することが知られている。また、混練設備の改良及び混練方法等の改良により、近年ではシリカが多く配合された空気入りタイヤの製造が可能となってきている。さらに、従来の競技用タイヤ等は、タイヤを使用してトレッド部が摩耗されることでウエットグリップ性能がよくなることが知られている。
例えば、競技用タイヤに関して、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカ20質量部以上を含む全量100〜250質量部の充填剤と5〜50質量部のファクチスとを配合してなるレース用タイヤトレッドゴム組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、競技用タイヤ等では、新しいタイヤの装着時から良好なウエットグリップ性能が求められ、特許文献1記載の方法は、タイヤ表面が平らであるため凹凸のある路面に対する接地面積が低く、十分な初期のウエットグリップ性能を得ることができないものである。
一方、ゴム組成物を変えずにウエット性能の一つである、ハイドロプレーニング性能を向上させる方法として、例えば、特許文献2には、略タイヤ周方向に延びる主溝と、略タイヤ幅方向に延びるラグ溝を備えた空気入りタイヤであって、前記主溝の溝壁に踏面に対して略平行に形成された第1の細溝と、前記ラグ溝の溝壁に略タイヤ径方向に沿って形成された第2の細溝とを備えた空気入りタイヤが、提案されている。
また、特許文献3には、トレッドに溝を有する空気入りタイヤにおいて、少なくともタイヤ周方向に延びる溝の内面に、任意の表面粗さを有する基準領域と、該基準領域よりも表面粗さが粗い粗面領域とを、溝長手方向に沿って延長しつつ該溝長手方向と交差する方向に交互に配置するように設け、前記粗面領域の幅を0.1mm〜3.0mmとし、前記粗面領域の間隔を0.1mm〜3.0mmとすると共に、前記粗面領域における最大高さRzが20μm〜600μmとして溝内の流体抵抗を低減した空気入りタイヤが、提案されている。
特開平10−152583号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−63213号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2005−343282号公報(特許請求の範囲、実施例等)
しかしながら、特許文献2記載の技術は、雪柱せん断力を確保するとともに、排水性も同時に向上させることができるものの、初期のウエットグリップ性能に関する技術ではない。また、特許文献3記載の技術は、溝内の排水性については検討されているものの、初期のウエットグリップ性能に関しては全く検討されていない。
そこで本発明の目的は、初期のウエットグリップ性能に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、タイヤトレッド部を特定のゴム組成物で構成し、該タイヤトレッド部の表面に特定の凹凸部を形成することで、初期のウエットグリップ性能を良好にできることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、タイヤトレッド部が、硫黄で加硫できるゴム組成物により構成され、
前記ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ50〜300質量部を含み、
かつ、前記タイヤトレッド部の表面に、平均粗さRaが5μm〜50μmの凹凸部を形成してなることを特徴とする。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記ゴム組成物が、平均粒子径が0.01〜50μmである無機剤を含むことが好ましく、前記ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、前記無機剤を150質量部以下含むことが好ましい。
さらに、本発明の空気入りタイヤは、前記タイヤトレッド部の表面の粗さの偏り度Rskが、Rsk<0の関係を満たすことが好ましい。
さらにまた、本発明の空気入りタイヤは、前記ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを150質量部以下含むことが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記凹凸部が、タイヤ周方向および横方向に係わらずランダムに形成されてなることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、初期のウエットグリップ性能に優れた空気入りタイヤを提供することが可能となった。また、あわせてウェット操縦安定性に優れた空気入りタイヤを提供することが可能となった。
本実施形態に係る空気入りタイヤの一部概略斜視図である。 タイヤトレッド部表面に形成される、粗さの偏り度RskがRsk<0となる凹凸部を示す断面図であり、(a)は荷重がかからない場合、(b)は荷重がかかった場合(タイヤが接地面に接した場合)の凹凸部の断面図である。 タイヤトレッド部表面に形成される、粗さの偏り度RskがRsk>0となる凹凸部を示す断面図であり、(a)は荷重がかからない場合、(b)は荷重がかかった場合(タイヤが接地面に接した場合)の凹凸部の断面図である。 本発明の空気入りタイヤを加硫成形する加硫金型の概略断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤの一部概略斜視図である。図1に示すように、空気入りタイヤ10のタイヤトレッド部11(以下、「トレッド部」とも称する)には、タイヤ赤道線CL側に、ブロック15a、ブロック15b、及びブロック15cなどから構成されるブロック列が設けられると共に、トレッド11のショルダー側(外側)には、ブロック16a、ブロック16b、及びブロック16cなどから構成されるブロック列が設けられ、トレッドパターンが形成されている。
また、ブロック15a、ブロック15b、及びブロック15cから構成されるブロック列の周方向の側面には、周方向に沿って延びる周方向溝12と周方向溝13とが、それぞれ設けられている。なお、空気入りタイヤ10に設けられているブロックの少なくとも一部は、踏面の端部の高さを踏面の中央部の高さから漸減させることによって、ブロックの踏面の端部が面取りされている。
また、図1においては、記載を省略しているが、タイヤ赤道線CLを中心とする反対側の領域にも、周方向溝12及び周方向溝13などの周方向溝や、ブロック15及びブロック16から構成されるブロック列が設けられている。この周方向溝12及び周方向溝13を細くすることにより、例えば、幅、1.0〜10mmとすることより、ブロック15及びブロック16の剛性を良好に保つことができる。
本発明の空気入りタイヤ10は、トレッド部11が、硫黄で加硫できるゴム組成物により構成され、ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ50〜300質量部、好ましくは100〜250質量部、さらに好ましくは150〜200質量部を含むことが肝要である。ゴム組成物中のシリカ配合量をかかる範囲内とすることでトレッド部11の表面にでるシリカのシラノール基が増加し、初期のウエットグリップ性能を向上することができる。
かかるシリカとしては、狭義の二酸化珪素のみを示すものではなく、ケイ酸系充填剤を意味し、具体的には、無水ケイ酸の他に、含水ケイ酸(湿式シリカ)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩を含むものであり、好ましくは、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカである。
また、本発明の空気入りタイヤ10は、トレッド部11の表面に、平均粗さRaが5μm〜50μm、好ましくは10〜30μmの凹凸部を形成してなるものである。ゴム組成物中のシリカの配合量を上記範囲に規定するとともに、タイヤ表面に微細な凹凸をつけることで、通常のトレッドゴムよりもシリカのシラノール基に水を吸着させることが可能となり、接地面内の排水効果を高めることができる。
さらに、本発明の空気入りタイヤ10は、ゴム組成物中に無機剤を含むことが好ましく、かかる無機剤の平均粒子径としては、好ましくは0.01〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmである。補強性の低い無機剤は脱離し易く、脱離した無機剤は新たな凹凸を形成する。そのため、無機剤を配合することでトレッド部11の表面の凹凸を維持することができ、初期のウエットグリップ性能を向上させるだけではなく、その効果を維持することができる。また、あわせてウェット操縦安定性に優れた空気入りタイヤとすることができる。さらに、無機剤の平均粒子径をかかる範囲とすることで、50μm以下の好適な表面の凹凸を維持することができる。一方、無機剤の平均粒子径が50μmを超えると表面の凹凸が大きくなりすぎるおそれがあり、無機剤の平均粒子径が0.01μm未満であると十分な表面の凹凸が形成できないおそれがあり、好ましくない。
なお、無機剤の平均粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒径と対応関係があることから、平均粒子径が測定できる。また、測定装置として、SpanMastersizer2000(Malvern instruments Ltd.)測定機等を使用できる。
また、本発明において、ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、無機剤を150質量部以下含むことが好ましく、30〜100質量部含むことがさらに好ましい。無機剤を150質量部以下とすることにより、トレッド部11の表面の凹凸をより良好に維持することができ、初期のウエットグリップ性能を向上させるだけではなく、その効果をより良好に維持することができる。
本発明において、無機剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ水和物(AlO・HO)、アルミナ類[Al・nHO(nは0〜3の数である)]、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)]、炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO・MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[(ZrO(OH)・nHO)、炭酸ジルコニウム[Zr(CO)]、各種ゼオライト、長石、マイカ、モンモリロナイト等の少なくとも1種を用いることができる。また、これらの中でも、グリップ性能の向上の大きさの点から、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、カオリンなどの使用が好ましく、さらに好ましくは、アルミナ水和物、水酸化アルミニウムである。
さらにまた、本発明において、ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを150質量部以下含むことが好ましく、30〜100質量部含むことがさらに好ましい。
本発明において、かかるカーボンブラックとしては、通常ゴム業界で用いられているものを使用することができる。例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを使用することができる。
また、本発明において、シリカ、無機剤、カーボンブラックの総質量に対し、シリカの占める割合が50〜90質量%であることが好ましい。総質量に対するシリカの占める割合が高くなることにより、トレッド部11の表面にでるシリカの持つシラノール基が増加し、ウエットグリップ性能が向上する。また、シリカの占める割合が90質量%より多くなると、補強性、耐久性能を維持することができなくなるおそれがあり、好ましくない。
さらに、本発明の空気入りタイヤは、タイヤトレッド部11の表面の粗さの偏り度Rskが、Rsk<0の関係を満たすことが好ましい。偏り度RskをRsk<0とすることで、ゴムの倒れこみを防ぎ、ゴムと水が接触する表面積を維持しウエットグリップ性能向上の効果を高めることができる。
図2は、タイヤトレッド部表面に形成される、粗さの偏り度RskがRsk<0となる凹凸部を示す断面図であり、(a)は荷重がかからない場合、(b)は荷重がかかった場合(タイヤが接地面に接した場合)の凹凸部の断面図である。本実施形態では、周方向溝12、13以外のブロック15、16の表面に形成される平均粗さRaが5〜50μmで、かつ、粗さの偏り度RskがRsk<0となる凹凸部17を示している。
このタイヤトレッド部11表面に平均粗さRaが5〜50μmで、かつ、粗さの偏り度RskがRsk<0となる凹凸部17を形成することにより、ウェットブレーキ性能に優れた空気入りタイヤが実現できるものとなる。具体的には、図2に示すように、タイヤトレッド部11表面に平均粗さRaが5〜50μmで、かつ、粗さの偏り度RskがRsk<0となる凹凸部17を形成すると、荷重がかかった場合(タイヤが接地面に接した場合)にも凹凸部17は潰れないので、ミクロ水路体積が大きく、これによりウェットブレーキ性能に優れたものとなる。また、さらなるウェットブレーキ性能の向上の点から、粗さの偏り度Rskは、−2<Rsk<0が好ましく、さらに好ましくは、−2<Rsk<−0.5が望ましい。
図3は、タイヤトレッド部表面に形成される、粗さの偏り度RskがRsk>0となる凹凸部を示す断面図であり、(a)は荷重がかからない場合、(b)は荷重がかかった場合(タイヤが接地面に接した場合)の凹凸部の断面図である。凹凸部Xの粗さの偏り度RskがRsk>0となる凹凸部Xの場合、図3に示すように、荷重がかかった場合(タイヤが接地面に接した場合)に凹凸部Xは潰れて、ミクロ水路体積が極めて小さくなり、これによりウェットブレーキ性能も低下するものとなる。
なお、本発明において、平均粗さRa、粗さの偏り度Rskは、JIS B0601:2001(ISO 1302:2002)に準拠するものであり、平均粗さRaは算術平均粗さ、粗さの偏り度Rskは粗さ曲線のスキューネスをいう。
また、本発明の空気入りタイヤは、凹凸部17が、タイヤ周方向および横方向に係わらずランダムに形成されてなることが好ましい。
本発明となる空気入りタイヤは、タイヤトレッド部11の表面に上記特性を有するものであり、タイヤトレッド部用のゴム組成物として、少なくともシリカを含む、硫黄で加硫できるゴム組成物を用いて、未加硫のタイヤを作製し、この未加硫のタイヤを空気入りタイヤ用加硫金型を用いて加硫することにより得ることができる。
図4は、本発明の空気入りタイヤを加硫成形する加硫金型の概略断面図を示し、具体的には、加硫金型20によって、図1及び2に示した凹凸部を含むトレッドパターンが成形される様子を示している。
図4に示すように、加熱された加硫成形前の空気入りタイヤ10aが、加硫金型20に向けて加圧(図中の矢印方向)されることによって、まだ凹凸部及びトレッドパターンが成形されていないトレッド部11aに、上述した凹凸部17を形成したブロック15、ブロック16、並びに、周方向溝12及び周方向溝13などが成形される。
具体的には、突部22によって、周方向溝12が成形され、突部23によって、周方向溝13が成形される。また、突部22及び突部23の間には、ブロック15を成形する凹状のブロック成形部24が設けられる。さらに、突部22のショルダー側には、ブロック16を成形する凹状のブロック成形部25が設けられる。
さらに、この加硫金型20のタイヤ接地面を形成する内表面(ブロック成形部の表面)26には、エッチング加工又はサンドプラスト加工により平均粗さRaが5〜50μmで、粗さの偏り度RskがRsk<0となる凹凸部が形成されている。
本発明において、上記エッチング加工又はサンドプラスト加工は、製造される空気入りタイヤのタイヤトレッド部11表面に平均粗さRaが5〜50μmの凹凸部17が形成できる形態であれば、その加工条件、加工方法は特に限定されるものではない。例えば、エッチング加工としては、フッ酸、四フッ化炭素を金型に吹きかけることにより行うことができ、また、サンドプラスト加工としては、砂や研磨材を吹きつけることにより行うことができる。
また、ブロック成形部24には、空気入りタイヤ10a(トレッド部11a)と加硫金型20との間に入り込んだ空気を排出するベントホール21aが設けられている。更に、ブロック成形部25には、ブロック成形部24と同様に、ベントホール21b及びベントホール21cが設けられている。例えば、トレッド部11aと、ブロック成形部24との間に入り込んだ空気は、ベントホール21aから排出され、加圧・加熱されたトレッド部11aを構成するゴムが、ベントホール21aに流れ込み、髭状のベントスピューが生じるものとなる。
本発明において、タイヤトレッド用のゴム組成物としては、少なくともシリカを含み、硫黄で加硫できる汎用のタイヤトレッド用ゴム組成物であればよく、例えば、天然ゴム及び/又はジエン合成系ゴムのゴム成分、他の成分として、加硫剤(硫黄)、加硫促進剤、シランカップリング剤の他、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、老化防止剤、加硫促進助剤など適宜配合したゴム組成物を用いることができる。
このタイヤトレッド用ゴム組成物は、上記各成分を、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等により混練りすることにより、乗用車、トラック、バス、二輪車用等の空気入りタイヤ用のトレッドとすることができる。
また、このゴム組成物を用いて空気入りタイヤを製造する場合は、例えば、押し出し機カレンダー等により混練して押し出すことによって、タイヤトレッド用ゴムを作製し、これらを成型ドラム上で他の部材と張り合わせること等でグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)を作製し、このグリーンタイヤを上記構成の加硫金型(タイヤモールド)に収め、内側から圧を加えながら加硫する方法などにより、目的のタイヤトレッド部11の表面に平均粗さRaが5〜50μmの凹凸部が形成された空気入りタイヤを製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の実施の形態に変更できものである。
次に、本発明を実施例及び比較例に基づいて更に詳述するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
下記作製方法により、タイヤトレッド部表面に各種の平均粗さRaの凹凸部を形成したトレッド部を有する空気入りタイヤ(タイヤサイズ:225/40R18)を作製し、下記評価方法により、初期のウェットグリップ性能および操縦安定性を評価した。これらの結果を下記表1〜3に示す。
(空気入りタイヤの作製方法)
下記表1〜3に記載の配合のタイヤトレッドゴム組成物を用いて成型ドラム上で他の部材と張り合わせること等でグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)を作製した。
(加硫金型の構成及び作製方法)
加硫金型の内表面を研磨材を用いたサンドブラスト処理を行い、内表面に凹凸を作製した。
(平均粗さRa、粗さの偏り度の測定方法)
顕微鏡反射電子型表面粗さ計を用いて、得られた信号を周波数解析して平均粗さRa、粗さの偏り度Rskを測定した。
(初期のウェットグリップ性能の評価方法)
上記で作製したタイヤを競技用車両に装備させて、サーキットのウエット路面で走行させ、走行初期時におけるテストドライバーのフィーリングを下記の基準にて評価した。なお、比較例1の結果を「0」として、下記の基準にて相対評価した。数値が正の値で大きくなる程、初期グリップ性に優れることを意味する。
+3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を認識できる程度
+2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識できる程度
+1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度
0・・・コントロール
−1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度
−2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識できる程度
−3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を認識できる程度
(ウェット操縦安定性の評価方法)
上記で作製したタイヤを競技用車両に装備させて、サーキットのウエット路面で走行させ、走行初期時におけるテストドライバーのフィーリング及び性能の持続性について下記の基準にて評価した。なお、比較例1の結果を「0」として、下記の基準にて相対評価した。数値が正の値で大きくなる程、偏磨耗性に優れることを意味する。
+3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を認識できる程度
+2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識できる程度
+1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度
0・・・コントロール
−1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度
−2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識できる程度
−3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を認識できる程度
Figure 2010260406
Figure 2010260406
Figure 2010260406
上記表1〜3の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜7は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に較べて、初期のウェットグリップ性能に優れていることが判った。また、実施例6は、さらにウェット操縦安定性に優れていることが判った。
10 空気入りタイヤ
10a 加熱された加硫成形前の空気入りタイヤ
11 タイヤトレッド部
11a 凹凸部及びトレッドパターンが成形されていないトレッド部
12 周方向溝
13 周方向溝
15a、15b、15c ブロック
16a、16b、16c ブロック
17 凹凸部
20 加硫金型
21a、21b、21c ベントホール
22 突部
23 突部
24 ブロックを成形する凹状のブロック成形部
25 ブロックを成形する凹状のブロック成形部
26 内表面(ブロック成形部の表面)
X 凹凸部
CL タイヤ赤道線

Claims (6)

  1. タイヤトレッド部が、硫黄で加硫できるゴム組成物により構成され、
    前記ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ50〜300質量部を含み、
    かつ、前記タイヤトレッド部の表面に、平均粗さRaが5μm〜50μmの凹凸部を形成してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム組成物が、平均粒子径が0.01〜50μmである無機剤を含む請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、前記無機剤を150質量部以下含む請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記タイヤトレッド部の表面の粗さの偏り度Rskが、Rsk<0の関係を満たす請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを150質量部以下含む請求項1〜4のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記凹凸部が、タイヤ周方向および横方向に係わらずランダムに形成されてなる請求項1〜5のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
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