JP2010260058A - スペーサーナットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の厚さ寸法を有する金属板材にプレス加工によって所定長を有する突起部を形成する第1の工程と、上記突起部を鍛造し、有底円筒形の軸部に成形すると共に上記軸部の基端部の周縁にプレス加工によって、フランジ部を形成する第2の工程と、上記軸部の先端部にプレス加工によって開口部を形成する第3の工程と、上記軸部の基端部を径方向内方に向かってプレスし、上記軸部の周方向に沿って溝部を形成する第4の工程と、上記フランジ部の外周に沿ってプレス加工によってセレーション部を形成しつつ、上記フランジ部をプレス加工によって上記金属板材から打ち抜く第5の工程と、上記軸部の内周面部にネジ溝を形成する第6の工程とを備えた構成とする。
【選択図】図1
Description
従って、図2に示すように、筐体10の内側面11に略円筒形に形成されたスペーサーナ ット12を圧入して立設固定し、上記基板13に予め設けたネジ貫装用の孔部14と上記スペーサーナット12の位置を合わせた上で、上記スペーサーナット12上に上記基板13を載置し、ネジ15によって上記基板13と上記スペーサーナット12とを固定することによって上記基板13と上記筐体10の内側面11とが上記スペーサーナット12の高さ寸法分離間する。
また、上記軸部16の基端部の外周には周方向に沿って溝部19が形成されると共に、内周面部21には上記ネジ15(図3には図示せず)に螺合しうるネジ溝22が形成されている。
上記セレーション部18と上記溝部19を有することによって、図2に示すように、筐体10に上記スペーサーナット12を圧入した場合に、上記セレーション部18の谷部20と上記溝部19内に筐体10の部材が入り込み、上記スペーサーナット12を上記筐体10に強固に固定することが可能となる。
(1)完成品となるスペーサーナットよりもやや大きな径寸法に形成した円筒形棒材の外周面部全域おいて、ローレット加工によってセレーション部を形成する。
(2)スペーサーナットの種類に応じて適宜所定の長さ寸法に切断する。
(3)切断後、円筒軸を中心に周方向に回転させ、フランジ部となる部分以外
のセレーション部を切削して軸部を形成すると共に、上記軸部の基端部に溝部を切削する。
上記の各切削作業はNC旋盤を用いて行われることから、精密な加工精度を確保することが可能である。
しかしながら、NC旋盤装置は一般に高価であり、新規に設備を導入する場合、導入コストが非常に大きくなるという不具合を有していた。
また、材料部材が円筒形の棒材であることから、金属板材の場合のようにロール状とすることができない。このため、取扱い上の制約から1〜2メートル程度の長さ寸法に予め裁断されたものが使用される。
従って、加工作業においては、適宜新たな棒材を補充する必要があり、製造効率が悪く、また材料部材を予め円筒形に加工する必要があることから、材料の調達コストが大きくなるという不具合をも有していた。
上記不具合を有しているにも関わらず、現在までにおいて、NC旋盤を用いた製造方法に代わる有効な製造方法は提案されていなかった。
また、材料部材となる金属板材は、予めロール状とすることによって、大量の材料部材を装置にセットすることが可能であるため、材料部材の交換頻度が少なく、大量の製品を一括して生産することができる。
従って、上記第2の工程によって径寸法の調整及び先端面部の形成を同時に行うことが可能となる。
ところで、上記第6の工程においてネジ溝を形成する加工を行う場合、上記先端面部が平滑な状態のままでネジ溝を形成させると、ネジ溝の形成時に上記開口部が拡開され、上記開口部の端縁部が上記軸部の先端部に向かって盛り上がり、完成品の先端面部が平滑な状態に保持できなくなる。
上記開口部を形成する第3の工程の前に、予め上記裁頭円錐形の凹部を先端面部に形成させることにより、上記第3の工程で形成された開口部の端縁部は、上記軸部の基端部に向かって次第に細径となるテーパー状に形成される。
従って、ネジ溝の形成時において、上記開口部の端縁部が上記軸部の先端部方向に盛り上がっても、上記先端面部から上記開口部の端縁部が突出することがない。
従って、第4の工程において形成される溝部の深さが均一となる。
また、従来の方法と比較し、材料部材が金属板材であるため、事前の加工費用が不要となり、材料部材の調達コストを低減することが可能となる。
更に、金属板材をロール状にすることができるため、材料部材の補充回数を削減し、一度に大量の製品を製造することが可能であることから、製造効率が高く、且つ製造コストが低いスペーサーナットの製造方法を提供することができる。
図1に示すように本発明に係るスペーサーナットの製造方法30は、所定の厚さ寸法を有する金属板材40にプレス加工によって所定長を有する突起部41を形成する第1の工程31と、上記突起部41を鍛造し、有底円筒形の軸部42に成形すると共に上記軸部42の基端部43の周縁にプレス加工によって、フランジ部44を形成する第2の工程32と、上記軸部42の先端部45にプレス加工によって開口部54を形成する第3の工程33と、上記軸部42の基端部43を径方向内方に向かってにプレスし、上記軸部42の周方向に沿ってプレス加工によって溝部46を形成する第4の工程34と、上記フランジ部44の外周に沿ってプレス加工によってセレーション部47を形成しつつ、上記フランジ部44をプレス加工によって上記金属板材40から打ち抜く第5の工程35と、上記軸部42の内周面部48にネジ溝49を形成する第6の工程36から構成されている。
また、上記第2の工程32は、突起部41の径寸法を縮小する絞り工程32aと、上記突起部41の先端部を潰して先端面部50を形成する潰し工程32bとを有している。
また、上記第2の工程32は、成型された上記軸部42の先端面部50おいて、内周面部52が上記軸部42の基端部43に向かって次第に細径となるテーパー状に形成された裁頭円錐形の凹部51を形成する工程32cを含んでいる。
また、上記第2工程32と第3の工程33の間には、上記軸部42の基端部43と上記金属板材40との間に形成されたアール部53を除去する潰し工程32dを備えている。
なお、上記各工程31、32、32a、32b、32c,32d,33、34、35におけるプレス加工は、予め加工後の形状に形成された金型枠(図1には図示せず)に加工対象部分を圧入することによって行われる。
図1は、本発実施例のスペーサーナットの製造方法30について、工程毎の形態を一連に示す概念図である。
図1に示すように、上記第1の工程31において、金属板材40が金型枠(図1に図示せず)に圧入され、突起部41が形成される。
上記金型枠の厚さ寸法は製造するスペーサーナットの高さ寸法、外形寸法、又は内径寸法に従って適宜変更することが可能である。
上記突起部41は、第2の工程32の32a及び32bにおいて夫々の工程に対応する金型枠に順次圧入され、上記突起部41の径寸法が絞り込まれると共に先端部45が押し潰されて先端面部50が形成され、円筒形の軸部42が形成される。
次いで、工程32cに対応する金型枠に圧入されることによって、上記軸部42の先端面部50が金型枠によって高さ方向にプレスされ、上記先端面部50に、内周面部52が上記軸部42の基端部43に向かって次第に細径となるテーパー状に形成された裁頭円錐形の凹部51が形成されると共に、上記軸部42の基端部43の金属板材40がプレスによって押し潰されフランジ部44が形成される。
ところで、上記突起部41は金属板材40の一部が金型枠に圧入されて形成されていることから、上記突起部41を上記金属板材40から突出させる際に、上記突起部41の基端部43と上記金属板材40との間には側面円弧状のアール部53が形成される。
上記アール部53が残った状態のままであると、後述する第4の工程34において、上記軸部42の基端部43に形成される溝部46の深さが一定とならない。従って、上記第二の工程32の後の工程32dにおいて、上記軸部43を上記工程32dに対応する形状に形成された金型枠に圧入させることよって、上記アール部53が潰され、上記軸部42と上記金属板材40とが直交する形態に成型される。
次に第3の工程33において、内部に開口部打ち抜き用の突起部(図示せずが設けられた金型枠に、上記軸部43を圧入することによって、上記軸部42の先端面部50に開口部54が形成される。
上記先端面部50には、工程32によって予め上記裁頭円錐形の凹部51が形成されていることから、形成された開口部54の端縁部52は、基端部43に向かって次第に細径となるテーパー状に形成される。
更に第4の工程34に対応する金型枠に圧入されることによって、上記軸部42の基端部43の外周面部に周方向に沿って溝部46が形成される。
上記の後、第5の工程35において、内周部にセレーションが刻設された金型枠に上記軸部42と上記フランジ部44を圧入し、プレス加工によって打ち抜くことによって、セレーション部47を有するフランジ部44が上記金属板材40から打ち抜かれる。
更に、第6の工程36において上記軸部42の内周面部48にタップを用いてにネジ溝49が切削され製品が完成する。
従って、複数のスペーサーナットを筐体等に取り付けた場合に、各スペーサーナットの高さが一定となり、基板等を載置した場合に、基板のぐらつきを防止し、上記基板の固定作業がより容易となるスペーサーナットを製造することが可能となる。
また、上記第1の工程31〜第5の工程35は、全て金型枠を用いたプレス加工によって行われ、また、第6の工程36は既存タップ装置を使用して行うことが可能であることから、従来の設備に大きな変更を加える必要がなく、設備投資コストが非常に小さくて済む。
また、材料部材である金属板材も事前に特殊な加工が不要であることから、材料の調達費用をも削減することが可能となる。
従ってNC旋盤装置の購入等、新たな設備投資コストが不要であると共に、材料部材の調達コストをも低減することが可能であり、従来のスペーサーナットの製造方法と比較して大幅に製造コストを削減することが可能となる。
また金型枠を作成することによって、製品の形状が画一化し、製品品質が向上すると共に、製造効率を更に向上することが可能となる。
また、第3の工程33において開口部54を形成させた後、上記軸部43、及び上記先端面部50に生じた歪み等を修正するため、別途絞り成型工程を設けても良い。
また、上記第1の工程31〜第5の工程35に至る各工程において、大きな変形を伴うプレス加工を行う場合は、歪みや変形を防止ために、上記の各工程を複数回に分割し、夫々対応する金型枠を用いて上記各工程31〜35の目的形状に段階的に成型していく方法としても良い。
また、先端部に開口部を有しない有底形のスペーサーナットであっても、本本実施例における第3の工程33を省略することによって、本実施例と同様にプレス加工によって製造することが可能である。
11 筐体内側面
12 スペーサーナット
13 基板
14 基板の孔部
15 ネジ
16 スペーサーナットの軸部
17 スペーサーナットのフランジ部
18 セレーション部
19 溝部
20 セレーション部の谷部
21 軸部の内周面部
22 ネジ溝
30 スペーサーナットの製造方法
31 第1の工程
32 第2の工程
32a径方向の絞り工程
32b先端部の潰し工程
32c裁頭円錐形の凹部の形成工程
32dアール部の潰し工程
33 第3の工程
34 第4の工程
35 第5の工程
36 第6の工程
40 金属板材
41 突起部
42 軸部
43 軸部(突起部)の基端部
44 フランジ部
45 先端部
46 溝部
47 セレーション部
48 軸部の内周面部
49 ネジ溝
50 軸部の先端面部
51 裁頭円錐形の凹部
52 裁頭円錐形の凹部の内周面部(開口部近傍の内周面部)
53 アール部
54 開口部
Claims (5)
- 筺体と上記筐体内に配置される基板との間に配置され、上記基板を上記筺体から所定間隔寸法離間して固定するためのスペーサーナットの製造方法であって、
所定の厚さ寸法を有する金属板材にプレス加工によって所定長を有する突起部を形成する第1の工程と、
上記突起部を鍛造し、有底円筒形の軸部に成形すると共に上記軸部の基端部の周縁にプレス加工によって、フランジ部を形成する第2の工程と、
上記軸部の先端部にプレス加工によって開口部を形成する第3の工程と、
上記軸部の基端部を径方向内方に向かってにプレスし、上記軸部の周方向に沿って溝部を形成する第4の工程と、
上記フランジ部の外周に沿ってプレス加工によって、セレーション部を形成しつつ、上記フランジ部をプレス加工によって上記金属板材から打ち抜く第5の工程と、
上記軸部の内周面部にネジ溝を形成する第6の工程とを備えることを特徴とするスペーサーナットの製造方法。 - 上記第2の工程は、突起部の径寸法を縮小する絞り工程と、
上記突起部の先端部を潰して先端面部を形成する潰し工程とを含むことを特徴とする請求項1記載のスペーサーナットの製造方法。 - 上記第2の工程は、成型された上記軸部の先端面部おいて、内周面部が上記軸部の基端部に向かって次第に細径となるテーパー状に形成された裁頭円錐形の凹部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項2記載のスペーサーナットの製造方法。
- 上記第2工程と第3の工程の間に、上記軸部の基端部と上記金属板材との間に形成されたアール部を除去する潰し工程を備えることを特徴とする請求項1に記載のスペーサーナットの製造方法。
- 上記第1〜第5の工程におけるプレス加工は、金型枠成型によって行われることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のスペーサーナットの製造方法。
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