JP2004223616A - 自在継手用ヨークの製造方法 - Google Patents

自在継手用ヨークの製造方法 Download PDF

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Abstract

【目的】 十字軸9の端部を枢支すべく、腕部3、3の先端部に形成する円孔4、4の加工を容易にし、コスト低減を図る。
【構成】 ヨーク1は、金属板にプレス加工を施す事により造る。各腕部3、3の先端部に形成する円孔4、4も、プレスによる打ち抜き加工により形成する。
【選択図】 図1

Description

この発明に係る自在継手用ヨークの製造方法は、同一直線上に存在しない1対の回転軸の端部同士を連結して、これら両回転軸同士の間で回転力の伝達を可能とする自在継手を構成するヨークの製造方法に関する。
例えば自動車用操舵装置は、ステアリングシャフト及び中間軸等の複数本の回転軸を、自在継手を介して互いに直列に連結する事により構成している。この様な場合に使用する自在継手として従来から、十字軸により1対のヨーク同士を変位自在に連結して成る、カルダン継手と呼ばれる自在継手が、広く使用されている。又、この様な自在継手を構成するヨークを、鋼板等、十分な剛性を有する金属板に塑性加工を施す事により造る事も、従来から広く行なわれている。
図11は、この様にして造られた自在継手用ヨークの1例を示している。このヨーク1は、基部2と、この基部2の軸方向一端縁から延出した1対の腕部3、3とから成る。このうちの基部2は、上記ヨーク1を固定すべき回転軸の端部を挿入する為、円周方向1箇所を不連続とした欠円筒状に形成しており、不連続部には、互いに対向する1対のフランジ5、6を設けている。そして、一方のフランジ6に、ボルト(図示せず)の杆部を挿通する為の通孔18を、他方のフランジ5に、上記ボルトの杆部を螺合させる為、上記通孔18と同心のねじ孔8を、それぞれ形成している。
一方、上記各腕部3、3は、上記基部2の軸方向一端縁で直径方向反対側位置から上記基部2の軸方向に延出している。これら各腕部3、3は、互いに対向する面を円筒状の凹面としている。又、これら各腕部3、3の先端部には、互いに同心の円孔4、4を形成している。上記ヨーク1と十字軸9とを組み合わせて自在継手を構成する場合には、上記各円孔4、4内に軸受カップ10、10を圧入する。これら各軸受カップ10、10は、ラジアルニードル軸受の外輪として機能し、上記ヨーク1に対して十字軸9を、揺動変位自在に結合支持する。
上述の様なヨーク1の製造作業は、従来、図12に示す様に行なっていた。先ず、鋼板等、十分な剛性を有する金属板をプレス加工で打ち抜く事により、図12(a)に示す様な形状を有する、平坦な素板11を得る。この素板11は、略矩形の基板部12と、この基板部12の一端縁から兎の耳状に突出した、1対の舌状部13、13とを備える。この様な素板11は、1対のプレス型同士の間で押圧し、同図(b)に示す様な形状に塑性変形させて、第一中間素材14とする。この第一中間素材14は、1対の腕部3、3(図11参照)となるべき、上記各舌状部13、13部分が部分円筒状に湾曲し、基部2となるべき上記基板部12の一部でねじ孔8(図11参照)を形成すべき部分に、肉寄せによる突出部15を設けている。次いで、この様な第一中間素材14は、図12(c)(d)に示す様に、上記基板部12の中央部分を欠円筒状に湾曲させて、第二中間素材16とする。
この様にして図12(d)に示す様な形状に構成した第二中間素材16のうち、基部2に対応する部分の内周面にはセレーション17(図11参照)を、フランジ5、6に対応する部分にはそれぞれ通孔18及びねじ孔8(図11参照)を、それぞれ形成する。又、上記各舌状部13、13に対応する部分の先端部には円孔4、4(図11参照)を形成する。これら各円孔4、4を形成するのに従来は、先ずドリルにより小径の下孔を形成した後、エンドミルによりこの下孔の内径を大きくし、更にリーマによりこの下孔の内周縁を仕上げて、上記各円孔4、4としている。
尚、十字軸を備えた自在継手用のヨークとしては、前記図11に示した様な構造のものの他、図13〜14に示した様な構造のものも知られている。先ず、図13に示した第2例のヨーク1aは、基部2aを断面U字形に形成している。この様なヨーク1aにその端部を結合する回転軸は、少なくとも端部の断面形状を小判形として、結合時にヨーク1aと回転軸とが相対回転しない様にしている。尚、この図13に示した構造の場合には、フランジ5に形成した通孔7にナット19を圧入固定する事により、ボルトを螺合する為のねじ孔を構成している。又、図14に示した第3例のヨーク1bは、基部2bを円筒状に形成している。この様なヨーク1bと回転軸の端部とを結合するには、この回転軸の端部を上記基部2bに、締まりばめで圧入嵌合する。この様な第2〜3例のヨークを構成する腕部3、3の先端部にも、上述の図11に示した第1例のヨーク1と同様に、軸受カップ10(図11参照)を嵌合固定する為の円孔4、4を形成している。これら各円孔4、4も、上記図11に示したヨーク1の場合と同様に、ドリル、エンドミル、リーマを順番に使用する事により、所定の内径に仕上げている。
従来から知られているヨーク1、1a、1bの場合には、各腕部3、3の先端部に円孔4、4を、ドリル、エンドミル、リーマを順番に使用する事により形成している為、円孔4、4の加工が面倒で、ヨーク1、1a、1bの製作費が嵩む原因となっていた。
又、十字軸9を差し込む為の円孔4、4の加工をプレスで行なうという発想はあったが、
(1) 腕片3、3の断面形状が湾曲している為に、孔加工用パンチ及びダイスを腕片3、3の湾曲部にぴたりと合わせる事が困難である。
(2) 各腕片3、3の先端部の桟巾が狭い為に、プレス孔抜き時に桟部が加工荷重に耐え切れずに潰されてしまう。
等の理由で、プレスによる孔加工は精度が悪く、実用に至っていない。この為、せいぜいプレスでは下孔を加工する程度であり、最終的に切削加工を省略する事はできなかった。
本発明の自在継手用ヨークの製造方法は、上述の様な事情に鑑み、円孔の形成作業を簡略化して、自在継手用ヨークのコストの低廉化を図るべく発明したものである。
本発明の自在継手用ヨークの製造方法は、前述した従来の自在継手用ヨークの製造方法と同様に、回転軸の端部を結合固定する為の基部と、この基部の軸方向一端縁で直径方向反対側位置から上記基部の軸方向に延出した1対の腕部と、これら両腕部の先端部に形成された、互いに同心の円孔とを備えた自在継手用ヨークを平坦な金属板から造るものである。
特に、本発明の自在継手用ヨークの製造方法では、先ず、上記平坦な金属板の一部で上記各円孔となるべき部分にこれら各円孔の内径よりも十分に小さな内径を有する下孔を、プレス加工により打ち抜き形成する。その後、上記平坦な金属板を湾曲させる事により上記基部と1対の腕部とを形成し、次いで上記下孔部分をプレス加工によりほぼ円形に打ち抜く荒仕上げを行なう。その後、プレス加工により各孔の内周縁部を小さい削り代で削り取る事により上記各円孔とする。
上述の様に構成される本発明の自在継手用ヨークの製造方法によれば、1対の腕部に円孔を形成する作業容易に行なえて、自在継手用ヨークのコスト低減を図れる。
この為、品質の良い自在継手を安価に得られる。
図1〜10は、本発明を実施するための最良の形態の1例を示している。本例の自在継手用ヨーク1は、前述の図11に示した従来構造の第1例の場合と同様、図1に示す様に、基部2と、この基部2の軸方向一端縁から延出した1対の腕部3、3とから成る。このうちの基部2は、上記ヨーク1を固定すべき回転軸の端部を挿入する為、円周方向1箇所を不連続とした欠円筒状に形成しており、不連続部には、互いに対向する1対のフランジ5、6を設けている。そして、一方のフランジ6に、ボルト(図示せず)の杆部を挿通する為の通孔18を、他方のフランジ5に、上記ボルトの杆部を螺合させる為のナット19(図13参照)を圧入する為の、上記通孔18と同心の通孔7を、それぞれ形成している。
一方、上記各腕部3、3は、上記基部2の軸方向一端縁で直径方向反対側位置から、上記基部2の軸方向に延出している。これら各腕部3、3は、互いに対向する面を円筒状の凹面としている。又、これら各腕部3、3の先端部には、互いに同心の円孔4、4を形成している。上記ヨーク1と十字軸9とを組み合わせて自在継手を構成する場合には、上記各円孔4、4内に軸受カップ10、10(図11参照)を圧入する。これら各軸受カップ10、10は、ラジアルニードル軸受の外輪として機能し、上記ヨーク1に対して十字軸9を、揺動変位自在に結合支持する。特に、本発明の製造方法により得られるヨーク1の場合には、上記各円孔4、4を、プレス加工のみで形成している。
上述の様に構成されるヨーク1は、本発明の製造方法により図2〜10に示す様にして造る。先ず、鋼板等、十分な剛性を有する金属板をプレス加工により打ち抜く事、図2(a)に示す様な形状を有する、平坦な素板11aを得る。この素板11aは、略矩形の基板部12と、この基板部12の一端縁から兎の耳状に突出した、1対の舌状部13、13とを備える。又、これら各舌状部13、13の先端部で、上記ヨーク1の腕部3、3の先端部に形成する円孔4、4(図1参照)となるべき部分には、これら各円孔4、4の内径よりも十分に小さな内径を有する下孔20、20を、プレス加工により打ち抜き形成する。この下孔20、20の内径d1 は、完成後の円孔4、4の内径よりも十分に小さいので、続く工程で上記舌状部13、13を部分円筒形に湾曲させる際に、この舌状部13、13の先端部で下孔20、20の周囲部分の形状が歪む事はない。
この様な素板11aは、1対のプレス型同士の間で押圧し、図2(b)に示す様な形状に塑性変形させて、第一中間素材14aとする。この第一中間素材14aは、1対の腕部3、3(図1参照)となるべき、上記各舌状部13、13部分が、部分円筒状に湾曲している。図3は、この様に舌状部13、13を部分円筒状に湾曲させる為、この舌状部13を上型21と下型22との間で挟持した状態を示している。これら上型21の下面21aと下型22の上面22aとのうち、下面21aは部分円筒面状の凹面であり、上面22aは部分円筒面状の凸面である。
尚、上記下面21aの断面の曲率半径RP1は、上記上面22aの断面の曲率半径Ro1よりも小さく(RP1<Ro1)している。又、上記各舌状部13、13部分を部分円筒状に湾曲させるべく、上記上型21と下型22とを最も近づけ合った状態で、上記下面21aの幅方向中央部と上記上面22aの幅方向中央部との距離tは、上記素板11aの厚さt0 {図2(a)参照}と同じ(t=t0 )にしている。従って、上記上型21の下面21aと下型22の上面22aとの間で上記各舌状部13を押圧すると、この舌状部13は部分円筒面状に塑性変形すると同時に、幅方向両端縁部に向かう程厚さが小さくなる。各部の寸法関係をこの様に規制するのは、上記各舌状部13、13の板厚変化を考慮し、これら各舌状部13、13の下面と上記下型22の上面22aとの接触面積を大きくして、上記各舌状部13、13を塑性変形する事により得られる腕部3、3(図1参照)の寸法形状を安定させる為である。
上述の様にして、上記各舌状部13、13を湾曲させた第一中間素材14aは、次いで、図2(c)(d)に示す様に、上記基板部12の中央部分を欠円筒状に湾曲させて、第二中間素材16aとする。この様に、第一中間素材14aの一部を塑性変形させて第二中間素材16aとする作業は、前述した従来の自在継手用ヨークを製造する方法の場合と同様にして行なう。
上述の様にして得られた第二中間素材16aは、図4〜6に示す様な打ち抜きプレス装置24により、前記下孔20、20部分をほぼ円形に打ち抜く荒仕上げ加工を行ない、図7に示す様な第三中間素材23とする。上記打ち抜きプレス装置24は、左右1対ずつの荒打ち抜きポンチ25、25及び押圧ポンチ26、26と、上記第二中間素材16aを位置決め保持する為のVブロック27、28及び押圧腕29と、荒芯金30とを備える。
荒芯金30の左右両側面は、図4(c)及び図5に示す様に、上記第二中間素材16aに設けた1対の腕部3、3の内側面に合致させるべく、荒芯金30の中心に対してオフセットした、曲率半径R02(≒R01)の部分円筒面としている。又、この荒芯金30の一部で、上記各腕部3、3に形成した下孔20、20に整合する部分には、荒打ち抜き孔31を形成している。この荒打ち抜き孔31の内径Dd2は、上記下孔20、20の内径d1 {図2(a)参照}よりも大きく、上記各腕部3、3に形成すべき円孔4、4の内径d3 {図10(c)参照}よりも僅かに小さい(d1 <Dd2<d3 )。
又、上記各荒打ち抜きポンチ25、25の先端部に設けた加工部32の外径Dp2は、上記荒打ち抜き孔31の内径Dd2よりも僅かに小さく(Dp2<Dd2)して、この加工部32の外周縁と上記荒打ち抜き孔31の内周面との間に、クリアランスC2 を設定している。尚、このクリアランスC2 の大きさは、一般的な打ち抜き加工に於けるクリアランスの値よりも、少し小さくしている。又、上記加工部32の曲率半径Rp2(図6参照)は、この加工部32の端面を上記各腕部3、3の外側面に合致させるべく、前記上型21の下面21a(図3参照)の曲率半径Rp1とほぼ一致(Rp2≒Rp1)させている。更に、上記加工部32には、αなるすくい角を設けると共に、先端縁は、Rs2なる小さな曲率半径で湾曲させている。尚、上記すくい角αは、5〜40°の範囲で、設計的に定める。
この様に、加工部32のすくい角αを5〜40°の範囲に規制するのは、打ち抜き加工に伴って発生する抜きかす33を打ち抜き方向前方(図6の右方)に効率良く排出する為である。この様にすくい角αを設けると共に先端縁を湾曲させ、抜きかす33を打ち抜き方向前方に効率良く排出する事で、上記各荒打ち抜きポンチ25、25により上記各腕部3、3に荒仕上孔34、34(図7参照)を形成する際の変形抵抗を小さく抑え、上記各腕部3、3の変形を防止すると共に、得られる荒仕上孔34、34の寸法精度並びに形状精度を確保する。
又、上記先端縁を湾曲させるのは、上記荒仕上孔34、34の内径変化を低減させる為である。即ち、前記打ち抜きプレス装置24による上記各荒仕上孔34、34の打ち抜き加工時の抜き代δ2 は比較的大きい為、打ち抜き加工の途中で加工部に破断が発生し、得られる荒仕上孔34、34の内径が、打ち抜き方向(図6の左右方向)に変化し易い。そこで、図示の例では、上記加工部32の先端縁を湾曲させる事により、この先端縁で得られる荒仕上孔34、34の内周面を扱き、これら各荒仕上孔34、34の内径が打ち抜き方向に亙って変化する事を防止している。
又、上記打ち抜きプレス装置24による上記各荒仕上孔34、34の打ち抜き加工時には、前記第二中間素材16aを、前記押圧腕29により前記1対のVブロック27、28に押し付けるだけでなく、前記1対の押圧ポンチ26、26により、上記第二中間素材16aの一部で、フランジ5、6となるべき部分を左右から押圧する。そして、これら両押圧ポンチ26、26の端面と、前記荒芯金30の一部で上記フランジ5、6となるべき部分同士の間に挿入された部分との間で、これらフランジ5、6となるべき部分の面押し加工を施す。この面押し加工により、これらフランジ5、6となるべき部分の形状を所望のものに仕上げると共に、第二中間素材16aを形成する際の捩れ等を矯正する。従って、上記打ち抜きプレス装置24による加工を完了して得られる、図7に示した第三中間素材23の形状は、歪みのない、適正なものとなる。
上述の様に、上記打ち抜きプレス装置24による加工により得られた第三中間素材23には、続いてプレス加工による仕上加工を施す。即ち、上記第三中間素材23を構成する1対の腕部3、3同士の間に、前記第二中間素材16aをこの第三中間素材23にプレス加工する際に使用する荒芯金30(図5参照)とほぼ同様の形状を有する仕上芯金35を挿入する。この仕上芯金35の左右両側面は、図8に示す様に、上記第三中間素材23に設けた1対の腕部3、3の内側面に合致させるべく、仕上芯金35の中心に対してオフセットした、曲率半径R03(≒R01)の部分円筒面としている。又、この仕上芯金35の一部で、上記各腕部3、3に形成した荒仕上孔34、34に整合する部分には、仕上打ち抜き孔36を形成している。この仕上打ち抜き孔36の内径Dd3は、上記荒仕上孔34、34の内径よりも大きく、上記各腕部3、3に形成すべき円孔4、4の内径d3 {図10(c)参照}よりも僅かに大きい(Dd3>d3 )。
又、上記各荒仕上孔34、34の内径を所望寸法に仕上げる為の、各仕上打ち抜きポンチ37、37の先端部に設けた加工部38の外径Dp3(図9参照)は、上記仕上打ち抜き孔36の内径Dd3よりも僅かに小さく(Dp3<Dd3)して、この加工部38の外周縁と上記仕上打ち抜き孔36の内周面との間に、クリアランスC3 を設定している。このクリアランスC3 も、一般的な打ち抜き加工に於けるクリアランスよりも小さめに設定している。尚、上記加工部38の外径Dp3は、完成後のヨーク1の腕部3、3の先端部に設けられる円孔4、4の内径と、ほぼ同じとしている。又、上記加工部38の曲率半径Rp3は、前記荒打ち抜きポンチ25、25の加工部32(図4〜6参照)と同様に、この加工部38の端面を上記各腕部3、3の外側面に合致させるべく、前記上型21の下面21a(図3参照)の曲率半径Rp1とほぼ一致(Rp3≒Rp1)させている。更に、上記加工部38には、βなるすくい角を設けている。このすくい角βは、5〜40°の範囲で、設計的に定める。但し、上記荒打ち抜きポンチ25、25の加工部32と異なり、上記仕上打ち抜きポンチ37、37の加工部38の先端縁は、シャープエッヂとしている(先端縁の曲率半径を零としている)。
上述の様な1対の仕上打ち抜きポンチ37、37により、上記第三中間素材23にプレスによる打ち抜き加工を施し、上記各腕部3、3の先端部に円孔4、4を形成する際には、上記1対の仕上打ち抜きポンチ37、37を互いに近づける。そして、これら各仕上打ち抜きポンチ37、37の先端部に設けた加工部38、38を、上記仕上芯金35に設けた、上記仕上打ち抜き孔36の内側に押し込む。この結果、前記荒仕上孔34、34の内周縁部が、δ3 なる抜き代で削り取られ、所望の寸法(内径d3 )を有する円孔4、4となる。この仕上加工時に於ける抜き代δ3 は小さいので、この円孔4、4を形成する作業は、ヨーク1に歪みを発生させる事なく行なえる。尚、この仕上加工時にも、必要に応じ、前記荒仕上加工時と同様にして、上記第三中間素材23を保持固定する。又、この仕上加工を行なうのと同時に、フランジ5、6となる部分に、通孔7、18を、やはりプレスによる打ち抜き加工により形成し、図10に示す様な第四中間素材39とする。
この様にして得られた第四中間素材39には、最終工程でブローチ加工によりセレーション17を形成して、前記図1に示す様なヨーク1とする。この様に本発明の自在継手用ヨークとその製造方法によれば、手間のかかる切削加工は、基部2の内周面にセレーション17を形成する為のブローチ加工のみで済む為、加工の能率化と加工費の低減とを図れる。尚、本発明は、図1に示す様なヨーク1に限らず、図11、13、14に示す様なヨーク1、1a、1bにも適用できる事は明らかである。
図1に示す様なヨーク1を本発明の製造方法により造る場合の、具体的寸法の1例に就いて説明する。尚、各符号の意味は、上述した実施の形態で使用し、図2〜10に示した通りである。
(1) 第一工程(第一中間素材14aを得る工程)
1 =12mm
p1=20.5mm
o1=22.7mm
t=6mm
0 =6mm
(2) 第二工程(荒仕上孔34の打ち抜き工程)
d2=14.84mm
o2=22.7mm
p2=14.6mm
p2=20.75mm
α=30°
S2=0.4mm
δ2 =1.3mm
2 =2%
(3) 第三工程(円孔4の仕上打ち抜き工程)
d3=15.27mm
o3=22.7mm
p3=15.03mm
p3=20.75mm
3 =15.01mm
β=30°
S3=0mm
δ3 =0.2mm
3 =2%
上記した条件で、ヨーク1を構成する1対の腕部3、3の先端部に円孔4、4を形成したところ、これら両円孔4、4の同軸度が0.02mm以下、真円度が0.03mm以下、孔径のばらつきが0.02mm以下と、高い寸法精度を有し、安定した品質を有するヨーク1を得る事ができた。この様な寸法精度及び形状精度は、上記円孔4、4を切削加工により形成する場合に得られる寸法精度及び形状精度にほぼ匹敵する。又、円孔4、4を加工する際に於けるワーク(第一〜第四中間素材)の姿勢も安定して、十分に量産に適する事も確認できた。
本発明を実施する為の最良の形態の1例を示しており、(a)はヨークの平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は同じく下方から見た側面図。 金属板から第一中間素材を経て第二中間素材をプレス加工する状態を、工程順に示す図。 第一中間素材をプレス加工する際、舌状部を湾曲させる為に上下型同士の間でこの舌状部を押圧した状態を示す断面図。 荒仕上孔を形成すべく、第二中間素材を打ち抜きプレス装置にセットした状態を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)の下方から見た側面図、(c)は同じく一部を省略して右方から見た図。 図4(b)のB−B断面に相当する図。 荒打ち抜きポンチと第二中間素材との寸法関係を示す為、図5と同方向から見た図。 第三中間素材を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は(a)の下方から見た側面図。 仕上打ち抜き孔を形成する為の打ち抜き装置を示す、図5と同様の図。 仕上打ち抜きポンチと第三中間素材との寸法関係を示す為、図8と同方向から見た図。 第四中間素材を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は(a)の下方から見た側面図。 従来から知られているヨークの第1例を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E断面図、(c)は(a)の下方から見た側面図。 金属板から上記第1例のヨークをプレス加工により造る状態を、工程順に示す図。 従来から知られているヨークの第2例を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)の右方から見た図、(c)は同じく下方から見た側面図。 従来から知られているヨークの第3例を示しており、(a)は端面図、(b)は(a)の右方から見た側面図、(c)は(b)の上方から見た側面図。
符号の説明
1、1a、1b ヨーク
2、2a、2b 基部
3 腕部
4 円孔
5、6 フランジ
7 通孔
8 ねじ孔
9 十字軸
10 軸受カップ
11、11a 素板
12 基板部
13 舌状部
14、14a 第一中間素材
15、 突出部
16、16a 第二中間素材
17 セレーション
18 通孔
19 ナット
20 下孔
21 上型
21a 下面
22 下型
22a 上面
23 第三中間素材
24 打ち抜きプレス装置
25 荒打ち抜きポンチ
26 押圧ポンチ
27、28 Vブロック
29 押圧腕
30 荒芯金
31 荒打ち抜き孔
32 加工部
33 抜きかす
34 荒仕上孔
35 仕上芯金
36 仕上打ち抜き孔
37 仕上打ち抜きポンチ
38 加工部
39 第四中間素材

Claims (2)

  1. 回転軸の端部を結合固定する為の基部と、この基部の軸方向一端縁で直径方向反対側位置から上記基部の軸方向に延出し、互いに対向する面を円筒状の凹面とした1対の腕部と、これら両腕部の先端部に形成された、互いに同心の円孔とを備えた自在継手用ヨークに於いて、上記各円孔がプレス加工のみで形成されたものである事を特徴とする自在継手用ヨーク。
  2. 回転軸の端部を結合固定する為の基部と、この基部の軸方向一端縁で直径方向反対側位置から上記基部の軸方向に延出し、互いに対向する面を円筒状の凹面とした1対の腕部と、これら両腕部の先端部に形成された、互いに同心の円孔とを備えた自在継手用ヨークを平坦な金属板から造る、自在継手用ヨークの製造方法であって、上記平坦な金属板の一部で上記各円孔となるべき部分にこれら各円孔の内径よりも十分に小さな内径を有する下孔を、プレス加工により打ち抜き形成した後、上記平坦な金属板を湾曲させる事により上記基部と1対の腕部とを形成し、次いで上記下孔部分をプレス加工によりほぼ円形に打ち抜く荒仕上げを行なった後、プレス加工により各孔の内周縁部を小さい削り代で削り取る事により上記各円孔とする、自在継手用ヨークの製造方法。
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