JP2010256775A - 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、画像表示装置の隔壁の形成方法及び画像表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像表示装置の隔壁を形成するための感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物が、(A)(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸を単量体単位として有するバインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)黒色顔料を含み、前記(C)光重合開始剤が、アクリジン系化合物、及びベンジルアルキルケタール系化合物を含有する感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
画像表示装置の表示技術としては、電気泳動などにより粒子を移動させるタイプ、液晶タイプ、電気化学タイプなど様々なタイプが考案されている(例えば、非特許文献1参照)。
特に粒子を移動させるタイプとしては、マイクロカプセル型電気泳動方式、マイクロカップ型電気泳動方式、電子粉流体方式、トナーディスプレイ等の方式が検討されている。これらの方式では、透明電極間に表示媒体である白と黒の粒子を封入し電場をかけ、これらの粒子を電気的に移動させることにより白/黒画像を形成し表示させる。
また、最近では、白/黒画像表示にカラーフィルターを組み合わせることにより、フルカラー表示を実現させるという報告例もある(例えば、非特許文献2参照)。
かかるフルカラー表示を行う際、白/黒表示の画像表示装置にカラーフィルターを併用するため、各画素間のコントラストの向上が必須である。従って、各画素間の光を遮断するための遮光層が必要となる。
また、従来の感光性樹脂組成物を用いて遮光性の隔壁を形成した場合、活性光線が遮光性を有する感光性樹脂組成物に吸収されるため、底部まで活性光線が届かず解像度及び基板への密着性が不十分であった。
また、従来の感光性樹脂組成物を用いて隔壁を形成した場合、隔壁からアウトガスが発生し、表示特性を悪化するという問題があった。
本発明は、遮光性を有し、解像度及び基板への密着性が良好な画像表示装置用の隔壁を、簡便に作業性よく形成することができる感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、画像表示装置の隔壁の形成方法及び画像表示装置の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記一般式(I)で表わされる化合物の含有量が、前記(A)成分及び(B)成分との総量100質量部に対して0.05〜1質量部であり、前記一般式(II)で表わされる化合物の含有量が、前記(A)成分及び(B)成分との総量100質量部に対して1〜10質量部を含有する上記に記載の感光性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、前記(D)黒色顔料がチタンブラックを含む、上記に記載の感光性樹脂組成物を提供する。
本発明の感光性樹脂組成物は上記構成を有することにより、遮光性を有し、表示特性が良好で、解像度及び基板への密着性が良好な画像表示装置用の隔壁を、簡便に作業性よく形成することができる。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物層の膜厚が10〜60μmである、上記に記載の感光性エレメントを提供する。
本発明の感光性エレメントは、上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を備えることにより、遮光性を有し、表示特性が良好で、解像度及び基板への密着性が良好な画像表示装置用の隔壁を、簡便に作業性よく形成することができる。
また、本発明は、前記画像表示装置の隔壁の形成方法により形成された光硬化物パターンを、60〜250℃で加熱処理して熱硬化せしめる加熱工程をさらに有する、画像表示装置の隔壁の形成方法を提供する。
また、本発明は、表示媒体を、前記画像表示装置の隔壁の形成方法により形成された隔壁内に充填する工程と、一方の基板に対向するように隔壁の反対側に基板を貼り付ける工程と、を有する、画像表示装置の製造方法を提供する。
以下、各成分について詳細に説明する。
その他の構成成分の重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有していることが好ましく、(メタ)アクリル酸と他のカルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
(A)バインダーポリマーの酸価は、解像性の観点から30mgKOH/g以上であることが好ましく、耐現像液性及び密着性の観点から250mgKOH/g以下であることが好ましく、80〜240mgKOH/gであることがより好ましく、130〜230mgKOH/gであることがさらに好ましく、180〜220mgKOH/gであることが特に好ましい。現像工程として溶剤による現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体の使用量を抑えて調製することが好ましい。バインダーポリマー中、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸の含有量は、バインダーポリマーを構成する単量体の総量100質量部に対して、(メタ)アクリル酸を、20〜40質量部、(メタ)アクリル酸ブチル20〜50重量部、その他の重合性単量体を20〜50重量部の割合で配合することが好ましい。
これらのうち、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルを含有するアクリルコポリマーは、現像性、解像性などの点から好ましい結果を得ることができる。その他の成分として他の共重合可能な成分を用いることができる。
前記(C)成分として用いられる前記一般式(I)は、前記(A)成分と(B)成分の総量100質量部に対し0.05〜1質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部の範囲で用いられる。0.05質量部未満では充分な光感度が得られず、1質量部を超えて使用すると、それ以上感度は向上しない。
前記(D)成分は、感光性樹脂組成物の遮光性、密着性、解像性の観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部好ましくは、0.2〜5質量部の範囲で用いられる。10質量部を超えると活性光線の吸収が著しく解像しない。0.1質量部未満では充分な遮光性が得られなくなる。
支持体としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の重合体フィルムを好ましく用いることができる。重合体フィルムの厚みは、1〜100μm程度とすることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。
塗布は、たとえば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。乾燥は、70〜150℃、5〜30分間程度で行うことができる。また、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2質量%以下とすることが好ましい。
実施例1、2及び比較例1、2には、表1に示したように下記の樹脂Aを用い、比較例3には下記の樹脂Bを用いた。
樹脂A:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル共重合体(質量比30/35/35、重量平均分子量5万)の48質量%メチルセロソルブ/トルエン(質量比6/4)溶液93.75g(固形分45g)、
樹脂B:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(質量比30/5/40/25、重量平均分子量4.6万)の47質量%メチルセロソルブ/トルエン(質量比6/4)溶液95.74g(固形分45g)((A)成分)。
また、(B)成分の光重合性化合物として、HT−9082−95(末端にヒドロキシル基を有するポリカーボネート化合物、有機イソシアネート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得られた光重合性化合物:重量平均分子量4000、日立化成工業株式会社製、商品名)6g、UA−21EB(新中村化学工業株式会社、商品名)23g、FA−023M(日立化成工業株式会社製、商品名)10g、FA−024M(日立化成工業株式会社製、商品名)6g、FA−MECH(γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、日立化成工業株式会社製、商品名)10gを用い、
(C)成分の光重合開始剤として、EAB(N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、保土ヶ谷化学工業株式会社製、商品名)0.05g、TPS(トリブロモメチルフェニルスルホン、住友精化株式会社製、製品名)0.5gを用い、
(D)成分の黒色顔料として、BT−1HCA(チタンブラック分散液、株式会社ジェムコ製、商品名)1.2g((D)成分)を用い、更にシランカップリング剤、溶剤のSZ−6030(メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランシラン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名)5g、トルエン12g、メタノール4gを配合し、溶液を得た。
高圧水銀灯ランプを有する平行光露光機(株式会社オーク製作所製)EXM−1201を用いて、41段ステップタブレットを有するフォトツールを積層物のポリエチレンテレフタレートフィルム上に密着させ、露光を行った。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃で20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が29.0となるエネルギー量を感度(mJ/cm2)とした。このエネルギー量の数値が小さい程、感度が高いことを示す。表1に評価結果を示した。
高圧水銀灯ランプを有する平行光露光機(株式会社オーク製作所製)EXM−1201を用いて、密着性評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が10/300〜80/300(単位:μm、スペース幅一定)の配線パターンを有するフォトツールと、41段ステップタブレットを有するフォトツールを積層物のポリエチレンテレフタレートフィルム上に密着させ、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が29.0となるエネルギー量で露光を行った。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃で20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去して密着性を評価した。密着性は現像液により剥離されずに残ったラインの幅(μm)で表され、この数値が小さい程、細いラインでもガラス基板から剥離せずに密着していることから、密着性が高いことを示す。表1に評価結果を示した。
41段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを積層物のポリエチレンテレフタレートフィルム上に密着させ、高圧水銀灯ランプを有する平行光露光機(株式会社オーク製作所製)EXM−1201を用いて、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が29.0となるエネルギー量で露光を行った。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃で20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去して解像度を評価した。解像度は現像処理によって未露光部が良好に除去された最も小さいスペース幅(μm)で表され、この数値が小さいほど解像度は良好である。表1に評価結果を示した。
高圧水銀灯ランプを有する平行光露光機(株式会社オーク製作所製)EXM−1201を用いて、密着性評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が20/300(単位:μm、)の配線パターンを有するフォトツールと、41段ステップタブレットを有するフォトツールを積層物のポリエチレンテレフタレートフィルム上に密着させ、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が29.0となるエネルギー量で露光を行った。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃で20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去して隔壁を形成した。表示媒体を前記工程で得た隔壁内に充填し、一方の基板に対向するように隔壁の反対側にITO付PET基板を貼り付けることによりテストパターンを形成した。
上記テストパターンに電場をかけ、表示媒体を移動させ、一定時間放置し、また電場をかけ表示媒体を再度移動させる。これを何万回か繰り返し、コントラストが劣化しないか検討した。コントラストの劣化が見られないものを「○」、劣化が見られたものを「×」として評価した。表1に評価結果を示した。
(メタ)アクリル酸ブチルを単量体成分として含有しない樹脂Bを用いた比較例3は、表示特性に劣り、光重合開始剤の一般式(I)と一般式(II)で表される光重合開始剤の一方のみ用いた比較例1、2は、感度が低く、解像度にも劣る。
これに対し、本発明の(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸を必須の単量体成分として含有するバインダーと、2種類の光重合開始剤を用いた実施例1、2では、感度、解像度、密着性が良好で、表示特性にも優れる。
Claims (8)
- 画像表示装置の隔壁を形成するための感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物が、(A)(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸を単量体単位として有するバインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)黒色顔料を含み、
前記(C)光重合開始剤が、下記一般式(I)で表わされる化合物、及び下記一般式(II)で表わされる化合物を含有する感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(I)で表わされる化合物の含有量が、前記(A)成分及び(B)成分との総量100質量部に対して0.05〜1質量部であり、前記一般式(II)で表わされる化合物の含有量が、前記(A)成分及び(B)成分との総量100質量部に対して1〜10質量部を含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(D)黒色顔料がチタンブラックを含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層とを備える感光性エレメント。
- 前記感光性樹脂組成物層の膜厚が10〜60μmである、請求項4に記載の感光性エレメント。
- 画像表示装置の基板上に、請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又は感光性エレメントからなる感光性樹脂組成物層を積層する積層工程と、前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記露光部以外の部分を除去して光硬化物パターンを形成する現像工程と、を有する、画像表示装置の隔壁の形成方法。
- 請求項6記載の画像表示装置の隔壁の形成方法により形成された光硬化物パターンを、60〜250℃で加熱処理して熱硬化せしめる加熱工程をさらに有する、画像表示装置の隔壁の形成方法。
- 表示媒体を、請求項6又は7に記載の画像表示装置の隔壁の形成方法により形成された隔壁内に充填する工程と、一方の基板に対向するように隔壁の反対側に基板を貼り付ける工程と、を有する、画像表示装置の製造方法。
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