JP2014026109A - 情報表示用パネルの製造方法 - Google Patents

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博貴 山崎
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Abstract

【課題】フォトリソグラフィー法を用いてフレキシブルな基板上に隔壁を形成した場合でも、形成後の隔壁が基板から剥がれることがなく、隔壁の撚れも発生せず、所定の隔壁を得ることができる情報表示用パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】隔壁を、ストライプ電極が形成された一方の基板上にドライレジスト材を配置後、感光、現像させて隔壁をフォトリソグラフィー法で形成するにあたり、前記ドライレジスト材を、第1のドライレジスト材層と第1のドライレジスト材層より流動性が大きい第2のドライレジスト材層で構成し、前記第2のドライレジスト材層を前記一方の基板側に配置するドライレジスト材配置工程を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、対向する2枚の基板と、各基板上に設けたストライプ電極と、2枚の基板間であってストライプ電極上に形成された隔壁と、隔壁によって区切られたセル内に封入された帯電性を有する粒子群とを備え、前記各基板上に設けたストライプ電極に印加した電圧で形成した電界により粒子群を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法に関し、特に、ストライプ電極が形成された基板に隔壁を形成する隔壁の形成工程に関するものである。
隔壁(リブ)の形成方法としては、基板上に感光性樹脂組成物層を積層する積層工程と、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、露光部以外の部分を除去して光硬化物パターンを形成する現像工程とを用いた、いわゆる、フォトリソグラフィー法が知られている(特許文献1参照)。また、支持体(フィルム)と、該支持体上に形成された感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層とを備える感光性エレメントとして、いわゆる、ドライレジストフィルムが開示されている(特許文献1参照)。
特開2010−256775号公報
ドライレジストフィルムをストライプ電極が形成された基板に積層した後、フォトリソグラフィー法を用いて隔壁を形成した場合、形成後の隔壁が基板から剥がれやすいことがあり、隔壁の撚れを引き起こし、所定の隔壁が得られないことがあった。特に、ガラス製基板のようにリジッドで曲げられることがない場合には問題がなかったが、樹脂製基板のようにフレキシブルであるために曲げられることがある場合には、形成した隔壁が基板から剥がれる問題が発生することがあった。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、形成後の隔壁が基板から剥がれることや、隔壁の撚の発生を抑制して、所定の隔壁を得ることができる情報表示用パネルの製造方法を提供しようとするものである。
本発明者らが、隔壁が撚れてしまう原因について検討したところ、基板のストライプ電極間スペース部分と隔壁とが剥がれやすくなっていることが分かった。このストライプ電極間スペース部分には、ストライプ電極の高さ分の段差があり、ドライレジストフィルムがその段差に追従しにくいことが大きな要因であることが分かった。
上記知見に基づき、本発明の情報表示用パネルの製造方法は、対向する2枚の基板と、各基板上に設けたストライプ電極と、2枚の基板間であってストライプ電極上に形成された隔壁と、隔壁によって区切られたセル内に封入された帯電性を有する粒子群とを備え、前記各基板上に設けたストライプ電極に印加した電圧で形成した電界により粒子群を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、前記隔壁を、ストライプ電極が形成された基板上にドライレジスト材を配置後、感光、現像させて隔壁をフォトリソグラフィー法で形成するにあたり、前記ドライレジスト材を、第1のドライレジスト材層と第1のドライレジスト材層より流動性が大きい第2のドライレジスト材層で構成し、前記第2のドライレジスト材層を前記一方の基板側に配置するドライレジスト材配置工程を含むことを特徴とするものである。
上記本発明の情報表示用パネルの製造方法によれば、第2のドライレジスト材がストライプ電極間スペース部分に好適に浸入して、形成後の隔壁が基板から剥がれることや、隔壁の撚れの発生を抑制して、所定の隔壁を得ることができる。
また、本発明の情報表示用パネルの製造方法の好適例としては、流動性が異なる第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層とを、レジスト材のポリマー成分の分子量を異ならせることで形成したこと、および、流動性が異なる第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層とを、レジスト材層を形成した後に行う乾燥工程を異ならせることで形成したこと、がある。
いずれの場合も、流動性が異なる第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層とを好適に得ることができる。
さらに、本発明の情報表示用パネルの製造方法の好適例としては、ドライレジストフィルムを一方の基板上であってストライプ電極上に配置後であって感光前に、ストライプ電極間のスペースに対応した凸部が設けられた押圧付与部材によって、ドライレジストフィルムを押圧することがある。
これにより、第2のドライレジスト材がストライプ電極間のスペース部分に好適に浸入して、形成後の隔壁が基板から剥がれることや、形成後の隔壁に撚れが発生することをより好適になくすことができる。
本発明の情報表示用パネルの製造方法によれば、隔壁材としてドライレジスト材を用いてフレキシブルな基板上にフォトリソグラフィー法で隔壁を形成した場合でも、形成後の隔壁が基板から剥がれることや、形成後の隔壁に撚れが発生することを抑制して、所定の隔壁を得ることができる。
具体的には、ストライプ電極間スペースである基板面とストライプ電極との段差部分には、流動性の大きい方の第2のドライレジスト材が追随して配置され、基板とドライレジスト材およびストライプ電極とドライレジスト材の密着がともに取れるようになる。したがって、ストライプ電極が形成された基板に対して、ドライレジスト材が確実に固定され、隔壁となってからも撚れることが抑制され、所定の隔壁が得られる。
(a)、(b)は、それぞれ、本発明を適用する情報表示用パネルの一例を説明するための図である。 (a)〜(d)は、それぞれ、本発明の情報表示用パネルの製造方法において隔壁形成のためのドライレジスト材の貼り合わせ工程の一例を説明するための図である。 本発明の情報表示用パネルの製造方法において、フォトリソグラフィー法による隔壁の形成方法の一例を説明するための図である。 (a)〜(d)は、それぞれ、本発明の情報表示用パネルの製造方法において隔壁形成のためのドライレジスト材の貼り合わせ工程の他の例を説明するための図である。 本発明の情報表示用パネルの製造方法において、フォトリソグラフィー法による隔壁の形成方法の他の例を説明するための図である。 本発明の情報表示用パネルの製造方法で用いる押圧付与部材の好適例の一例を説明するための図である。 実施例における情報表示用パネルの評価方法を説明するための図である。
本発明を実施形態を例示して説明する。
<本発明の適用対象となる情報表示用パネルについて>
図1(a)、(b)に示す、本発明を適用する情報表示用パネルの一例では、光学的反射率および帯電極性が異なる二種類の粒子群(ここでは、黒色表示媒体である正帯電性黒色粒子3Baを含んだ正帯電性黒色粒子群3Bと、白色表示媒体である負帯電性白色粒子3Waを含んだ負帯電性白色粒子群3Wとを示す)が、表示画面領域において隔壁4で区画形成された各セル7内に収められる。そして、基板1に設けられた導電性膜5(ここでは、ストライプ電極、即ち、複数の帯状に延在する電極が所定の幅方向間隔で配設されたもの)と観察側の表示画面領域が透明な基板2に設けられた透明導電性膜6(ここでは、透明ストライプ電極、即ち、複数の帯状に延在する透明な電極が所定の幅方向間隔で配設されたもの)とが対向して形成された電極対の間に形成された電界に応じて、二種類の粒子群(正帯電性黒色粒子群3Bおよび負帯電性白色粒子群3W)が、基板1、2が対向する向きに沿ってそれぞれが反対の方向に移動する。そして、図1(a)に示すように、負帯電性白色粒子群3Wを観察者に表示媒体として視認させて白色の表示を、あるいは、図1(b)に示すように正帯電性黒色粒子群3Bを観察者に表示媒体として視認させて黒色の表示を行う。ここでは、対向配置された導電性膜(電極)に電圧を印加して、電極対間に電界を形成する。電極対はマトリックス配置してあるので、1電極対を1画素(1ドット)とするドットマトリックス表示を白黒で行うことができる。なお、図1(a)、(b)において、図面手前にある隔壁は省略している。ここではセルと画素(ドット)とが一対一に対応する例を示しているが、セルと画素とは対応していなくてもよい。
<本発明の情報表示用パネルの製造方法における隔壁の形成方法について>
(1)第1の実施形態
(a)ドライレジスト材の貼り合わせ工程について
図2(a)〜(d)は、それぞれ、本発明の情報表示用パネルの製造方法において隔壁形成のためのドライレジスト材の貼り合わせ工程の一例を説明するための図である。まず、図2(a)に示すように、剥離用の支持体フィルム11および保護フィルム12で第1のドライレジスト材層21を覆って構成されたドライレジストフィルム13を準備する。次に、ドライレジストフィルム13の一方の保護フィルム12を剥がし、第1のドライレジスト材層21の上に第2のドライレジスト材層22を配置する。ここで、第2のドライレジスト材層22のレジスト材の流動性は、第1のドライレジスト材層21のレジスト材の流動性より、大きくなるよう構成する。この実施形態では、第2のドライレジスト材層22のレジスト材は液状とされ、第1のドライレジスト材層21上に塗布法で配置した後乾燥させて第2のドライレジスト材層22を形成している。
次に、図2(b)に示すように、第2のドライレジスト材層22は、液状のレジスト材を配置後すぐに、または、溶媒を除去する乾燥を実施後、ストライプ電極5が形成されている基板1に重ね合わされる。次に、図2(c)に示すように、重ね合わされた第1のドライレジスト材層21側の剥離用の支持体フィルム11の上から、平板状の押圧付与部材(図示せず)を押し付けて、基板1に第2のドライレジスト材層22およびその上の第1のドライレジスト材層21で構成された二層構造のドライレジスト材層を貼り合わせる。次に、図2(d)に示すように、貼り合わされた第1のドライレジスト材層21側の剥離用の支持体フィルム11を剥がして隔壁形成用前駆体14を得ることで、フォトリソグラフィー工程前の準備が完了する。
本例では、図2(c)に示すように、第2のドライレジスト材層22を構成する第2のレジスト材が第1のドライレジスト材層21を構成する第1のレジスト材よりも流動性が大きいため、第2のドライレジスト材層22を構成する第2のレジスト材がストライプ電極5間の空間に好適に配置される。
(b)フォトリソグラフィー法による隔壁の形成工程について
図3は、本発明の情報表示用パネルの製造方法において、フォトリソグラフィー法による隔壁の形成方法を説明するための図である。図3に従ってフォトリソグラフィー法による隔壁の形成方法を説明すると、まず、上述した図2(a)〜(d)で説明したように、ステップS1〜S5に従って、図2(d)に示す隔壁形成用前駆体14を作製する。なお、ステップS4において、第2のドライレジスト材をこの工程で十分に乾燥することが好ましく、加熱機構を備える押圧付与部材で、加熱しながら押し付けることが好ましい。また、ステップS5において、支持体フィルムが、次の露光工程にて照射する活性光線の透過に支障がない透明フィルムであれば、支持体フィルムを剥がさないで露光工程を実施することもできる。
次に、隔壁形成用前駆体14の第1のドライレジスト材層21および第2のドライレジスト材層22に対し、従来のフォトリソグラフィー法と同様の露光工程を行う(ステップS6)。次に、露光後の第1のドライレジスト材層21および第2ドライのレジスト材層22に対し、現像液で露光部以外の部分を除去して光硬化物パターンを形成して隔壁パターンを現像する現像工程を行う(ステップS7)。その後、現像液を洗浄する洗浄工程を行う(ステップS8)。そして、所定の形状(例えば格子状)となった隔壁(リブ)を加熱・加圧処理する(ステップS9)。この際、加熱型平板で加圧して、加熱・加圧処理したり、オートクレーブ内で加熱・加圧処理したりする。加熱処理だけを行ってもよい。加熱することで現像液を除去するために実行した洗浄工程後の水分を十分に除去できるとともにレジスト材の硬化がさらに進むので、隔壁と基板および隔壁と電極との接合力が高まる。
(2)第2の実施形態
(a)ドライレジスト材の貼り合わせ工程について
図4(a)〜(d)は、それぞれ、本発明の情報表示用パネルの製造方法において、隔壁形成のためのドライレジスト材の貼り合わせ工程の他の例を説明するための図である。まず、図4(a)に示すように、剥離用の支持体フィルム11および保護フィルム12で第1のドライレジスト材層21および第2のドライレジスト材層22を覆って構成されたドライレジストフィルム13を準備する。ここで、第2のドライレジスト材層22の第2のレジスト材の流動性は、第1のドライレジスト材層21の第1のレジスト材の流動性より、大きくなるよう構成する。次に、図4(b)に示すように、ドライレジストフィルム13の第2のドライレジスト材層22側の保護フィルム12を剥がし、ストライプ電極5が形成された基板1に重ね合わせる。
次に、図4(c)に示すように、重ね合わされた第1のドライレジスト材層21側の剥離用の支持体フィルム11の上から、平板状の押圧付与部材を押し付けて、基板1に、第2のドライレジスト材層22およびその上の第1のドライレジスト材層21で構成された二層構造のドライレジスト材層を貼り合わせる。次に、図4(d)に示すように、貼り合わされた第1のレジスト材層21側の剥離用の支持体フィルム11を剥がして隔壁形成用前駆体14を得ることで、フォトリソグラフィー工程前の準備が完了する。
本例では、図4(c)に示すように、第2のドライレジスト材層22を構成する第2のレジスト材が第1のドライレジスト材層21を構成する第1のレジスト材よりも流動性が大きいため、第2のドライレジスト材層22を構成する第2のレジスト材がストライプ電極5間の空間に好適に配置される。
(b)フォトリソグラフィー法による隔壁の形成工程について
図5は、本発明の情報表示用パネルの製造方法において、フォトリソグラフィー法による隔壁の形成方法の他の例を説明するための図である。図5に従ってフォトリソグラフィー法による隔壁の形成方法を説明すると、まず、上述した図4(a)〜(d)で説明したように、ステップS11〜S13に従って、図4(d)に示す隔壁形成用前駆体14を作製する。なお、ステップS12において、第2のドライレジスト材をこの工程で十分に乾燥することが好ましく、加熱機構を備える押圧付与部材で、加熱しながら押し付けることが好ましい。また、ステップS13において、ドライレジストフィルムの支持体フィルムが、次の露光工程にて照射する活性光線の透過に支障がない透明フィルムであれば、支持体フィルムを剥がさないで露光工程を実施することもできる。
次に、隔壁形成用前駆体14の第1のドライレジスト材層21および第2のドライレジスト材層22に対し、従来のフォトリソグラフィー法と同様の露光工程を行う(ステップS14)。次に、露光後の第1のドライレジスト材層21および第2のドライレジスト材層22に対し、現像液で隔壁パターンを現像する現像工程を行う(ステップS15)。その後、現像液を洗浄する洗浄工程を行う(ステップS16)。そして、所定の形状(例えば格子状)となった隔壁を加熱・加圧処理する(ステップS17)。この際、加熱型平板で加圧して、加熱・加圧処理したり、オートクレーブ内で加熱・加圧処理したりする。加熱処理だけを行ってもよい。加熱することで、現像液を除去するために実行した洗浄工程後の水分を十分に除去できるとともにレジスト材の硬化がさらに進むので、隔壁と基板および隔壁と電極との接合力が高まる。
(3)第1の実施形態および第2の実施形態における好適例について
以下、上述した第1の実施形態および第2の実施形態における好適例について、レジスト材の流動性、第1のレジスト材層および第2のレジスト材層の高さ、および、押圧付与部材、の順に説明する。
(a)ドライレジスト材の流動性について
本発明において、第2のドライレジスト材層22を構成する第2のレジスト材の流動性を、第1のドライレジスト材層21を構成する第1のレジスト材の流動性より大きくする必要がある。上述した第1の実施形態および第2の実施形態において、第1のドライレジスト材と第2のドライレジスト材との流動性を異ならせる方法として、レジスト材のポリマー成分の分子量を異ならせることで形成する方法、および、レジスト材層を形成した後に行う乾燥工程を異ならせることで形成する方法、をとることが好ましい。いずれも、簡単な方法で第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層との流動性を異ならせることができる。
具体的に第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層との流動性を異ならせる例について説明する。
一例では、二層ドライレジスト材層の第1のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーと、第2のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーとを同じポリマーとするとともに、第1のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーの分子量と、第2のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーの分子量とにおいて、10000程度の差を持たせている。ここでは二層に積層したレジスト材層の加熱乾燥により、固形分が85〜95%の第1のドライレジスト材層および第2のドライレジスト材層を得る。これにより、分子量が低いバインダーポリマーのレジスト材の流動性が高くなり、電極と基板との段差部分にあたる凹部に追随したレジスト材の配置ができるようになり、基板面とレジスト材との密着性が向上できる。
他の例では、第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層との流動性の差異は、二層ドライレジスト材層の第1のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーのメルトフローレイト(MFR)と、第2のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーのMFRの違いで管理することができる。具体的には、第2のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーのMFRおよび第1のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーのMFRを測定して、好適なMFRの範囲にあるかどうかを判断する。このMFRは、ドライレジスト材を基板に積層させる密着工程で用いる温度および圧力で測定されるものであり、JIS K 7210の熱可塑性プラスチックの流れ試験方法を参考にして設定された試験法で測定されるものである。
詳細には、バインダーポリマーにおいて、所定温度、所定圧力で測定して示されたMFRから基準範囲を設定して、この基準範囲より低いMFRとなったバインダーポリマーは第2のドライレジスト材像を構成するバインダーポリマーとして使わないようにする。
また、さらに他の例では、二層ドライレジスト材層の第1のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーと、第2のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーとは全く同じポリマーとしてもよいし、第1のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーの分子量と、第2のドライレジスト材層を構成するバインダーポリマーの分子量とが異なっていてもよいが、第1のドライレジスト材は加熱乾燥によって溶媒(上記実施例ではトルエン)を除去し、固形分が85〜95%の第1のドライレジスト材層とする。第2のドライレジスト材は室温での風乾によって溶媒(上記実施例ではトルエン)を不完全に除去した状態で、固形分が70〜80%の第2のドライレジスト材層としている。第1のドライレジスト材層の上に第2のドライレジスト材層が形成された二層ドライレジスト材層が形成される。
風乾は、レジスト材が加圧しなければ自然流動せず形状を保持できる程度の乾燥状態であり、固形分が70〜80%程度になるよう行う。このように形成された二層ドライレジスト材層の第2のドライレジスト材層は、加圧されることで電極と基板との段差部分にあたる凹部に追随して配置されるとともに、加熱されることで残存していた溶媒が除去されるので、基板面とドライレジスト材との密着性が向上できる。
上述した例では、第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層との流動性の差異は、乾燥後の固形分濃度によって管理される。
(b)第1のドライレジスト材層および第2のドライレジスト材層の厚さについて
第1のドライレジスト材層および第2のドライレジスト材層の好適例としては、第1のドライレジスト材層の厚さおよび第2のドライレジスト材層の厚さを、最終製品としての対向基板間ギャップとなるように形成すること、および、第2のドライレジスト材層の厚さを、基板に形成されているストライプ電極の高さより1μm〜2μm程度大きくすること、がある。最終製品としての対向基板間ギャップは、二層のドライレジスト材を用いて形成した隔壁の高さとなるので、所定の高さの隔壁を得るためには、第1のドライレジスト材層の厚さおよび第2のドライレジスト材層の厚さを、最終製品としての対向基板間ギャップとなるように形成することが肝要となる。また、第2のドライレジスト材層の厚さを、基板に形成されているストライプ電極の高さより1μm〜2μm程度大きくすると、流動性が高い第2のドライレジスト材は、ストライプ電極間のスペース部分にある第2のドライレジスト材だけでなく、ストライプ電極部分にある第2のドライレジスト材もストライプ電極間のスペース部分に移動してくるようになり、スペースを完全に埋めることができるため好ましい。
(c)押圧付与部材について
上述した第1の実施形態および第2の実施形態においては、平板で構成した押圧付与部材を使用した。平板で構成した押圧付与部材として加熱機能を備えたものを使用することで、ドライレジスト材層の貼り合せ工程で、流動性の大きい方の第2のドライレジスト材および流動性の小さい方の第1のドライレジスト材の加熱による硬化がともに進行して、基板とレジスト材およびストライプ電極とレジスト材との密着性が上がる。したがって、ストライプ電極が形成された基板に対して、レジスト材が確実に固定され、隔壁となってからも撚れることが抑制され、所定の隔壁が得られる。
図6は、本発明の情報表示用パネルの製造方法で用いる押圧付与部材の好適例の一例を説明するための図である。本発明では、図6に示すように、ストライプ電極間のスペースに対応した凸部32が設けられた押圧付与部材31によって、ドライレジストフィルムを押圧することが好ましい。具体的には、ストライプ電極間の段差部分の深さと略同じ高さの凸部32をストライプ電極間の段差(空間)部分に入るよう調整して押圧する。なお、図6に示す例において、押圧付与部材31は平板状の基材33の一方の表面に所定の凸部32を形成しているが、基材33はローラ状であってもよい。いずれにおいても、フレキシブルな樹脂製ウェブを基板とする情報表示用パネルの製造方法において、隔壁形成工程をロール・トゥ・ロール方式で実行することができる。
図6に示す押圧付与部材31によれば、ストライプ電極間スペースである基板面とストライプ電極との段差部分でも基板とレジスト材との密着が確実に取れるようになる。したがって、ストライプ電極が形成された基板に対して、レジスト材が確実に固定され、フレキシブルな基板であって、基板が曲げられたとしても形成後の隔壁が基板から剥がれることが抑制される。
<本発明の情報表示用パネルの製造方法における各構成部材の詳細について>
以下、本発明の情報表示用パネルの製造方法における各構成部材の詳細について、隔壁を構成するレジスト材、隔壁形成工程で用いるレジストフィルム、隔壁形成工程の詳細について、順に説明する。
(1)隔壁を構成するレジスト材の詳細について
隔壁を構成するレジスト材は、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物である。以下、各成分について詳細に説明する。
本発明に用いることのできる(A)成分としては、分子内にカルボキシル基を有し、フィルム性を付与できるバインダーポリマーであれば特に制限なく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂が、アルカリ現像性の観点からは好ましい。これらは単独で、又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。二種類以上のバインダーポリマーの組み合わせの例としては、異なる共重合成分からなる二種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の二種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の二種類以上のバインダーポリマー等が挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを用いることもできる。なお、必要に応じて、バインダーポリマーは感光性基を有していてもよい。
(A)成分は、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体とをラジカル重合させることにより製造することができる。重合性単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体;アクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸系単量体;マレイン酸;マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノイソプロピルエステル等のマレイン酸モノエステル;フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸が挙げられる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、現像性及び安定性の観点から(メタ)アクリル酸が好ましい。また、これらは単独でホモポリマーとして、又は二種類以上を組み合わせてコポリマーとして用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、及びこれらの構造異性体が挙げられる。(A)成分としては、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸ブチルを含有するアクリルコポリマーが、現像性、解像度に優れる点では好ましい。
(A)成分となるバインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有していることが好ましく、(メタ)アクリル酸と他のカルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。(A)成分となるバインダーポリマーの酸価は、解像性の観点から30mgKOH/g以上であることが好ましく、耐現像液性及び密着性の観点から250mgKOH/g以下であることが好ましく、80〜240mgKOH/gであることがより好ましく、130〜230mgKOH/gであることがさらに好ましく、180〜220mgKOH/gであることが特に好ましい。現像工程として溶剤による現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体の使用量を抑えて調製することが好ましい。バインダーポリマー中、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸の含有量は、バインダーポリマーを構成する単量体の総量100質量部に対して、(メタ)アクリル酸を、20〜40質量部、(メタ)アクリル酸ブチル20〜50重量部、その他の重合性単量体を20〜50重量部の割合で配合することが好ましい。
(A)成分となるバインダーポリマーの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)は、耐現像液性の観点から20,000以上であることが好ましく、現像時間を短くできる観点から300,000以下であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましい。これらのうち、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルを含有するアクリルコポリマーは、現像性、解像性などの点から好ましい結果を得ることができる。その他の成分として他の共重合可能な成分を用いることができる。
バインダーポリマーとしては、本発明の特性を損なわない範囲で、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等を用いても良い。アルカリ現像性の観点からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で、または2種類以上のバインダーポリマーを組み合わせて用いることができる。2種類以上のバインダーポリマーの組み合わせの例としては、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。なお、必要に応じて、バインダーポリマーは感光性基を有していてもよい。(A)成分のバインダーポリマーは、例えば、常法により重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる
(B)成分として用いられる光重合性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等のビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリルレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリレート等のグリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、無水フタル酸等の多価カルボン酸とβ−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質とのエステル化物、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等のウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(C)成分として用いられる光重合開始剤の一例としては、例えば、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等があげられる。(C)成分である光重合開始剤(アクリジン化合物)は、例えば、ジフェニルアミンと二価カルボン酸を金属酸化物の存在下に反応させることによって容易に製造することができる。前記(C)成分は、前記(A)成分と(B)成分の総量100質量部に対し0.05〜1質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部の範囲で用いられる。0.05質量部未満では充分な光感度が得られず、1質量部を超えて使用すると、それ以上感度は向上しない。
また、本発明に用いられる(C)成分として用いられる光重合開始剤の他の例としては、例えば、1−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメトキシ−2−フェニル−1−エタノン、1−(4−メトキシフェニル)−2−メトキシ−2−エトキシ−2−フェニル−1−エタノン、1−(4−メトキシフェニル)−2−メトキシ−2−プロポキシ−2−フェニル−1−エタノン、下記の式で示される2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−1−エタノン(通称ベンジルジメチルケタール)等があげられる。これらの中でもベンジルジメチルケタールが特に好ましい。前記(C)成分は、前記(A)成分と(B)成分の総量100質量部に対し1〜10質量部、好ましくは2〜5質量部の範囲で用いられる。10質量部を超えると加熱処理にてアウトガス成分として検出され、1質量部未満では充分な光感度が得られなくなるばかりか、密着性が落ちる。
以上のような(A)成分、(B)成分および(C)成分を含む感光性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有することができる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用される。以上のような成分を含む感光性樹脂組成物は、たとえば、含有成分をロールミル、ビーズミル等で均一に混練、混合することにより得ることができる。
本発明では、感光性樹脂組成物で構成したレジスト材を二層に積層して、流動性の大きい方の第2のドライレジスト材層および流動性の小さい方の第1のドライレジスト材層の二層で構成する。第1のドライレジスト材層および第2のドライレジスト材層は、それぞれ、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤またはこれらの混合溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の溶液として用いることができ、溶剤の除去および硬化の程度を調整して得ることができる。
(2)ドライレジストフィルムの詳細について
基材とする支持体フィルム上に感光性樹脂組成物を液状レジストとして塗布した後十分に乾燥して第1のドライレジスト材の層を形成する。この第1のドライレジスト材の層の上にもう一度感光性樹脂組成物を液状レジストとして塗布した後、溶剤を除去して、前記第1のドライレジスト材の層の上に第2のドライレジスト材の層を形成する。この流動性が異なる二層構造のドライレジスト材(感光性樹脂組成物層)の上に、ドライレジスト材の保護を目的に剥離用の保護フィルムを被覆して、ドライレジストフィルムを得る。リブ形成工程はドライレジストフィルムの形態で開始することが好ましい。
流動性の小さい方の第1のドライレジスト材層の厚さは、目的とする隔壁の高さに対応する。第1のドライレジスト材層の厚さは、乾燥後の厚さで10μm〜150μm、好ましくは10μm〜100μmである。流動性の大きい方の第2のドライレジスト材層の厚さは、基板上に形成されているストライプ電極の高さに対応させる。すなわち、基板面と電極表面との段差に対応させる。ストライプ電極の材質により電極厚は異なるが、酸化インジウム錫(ITO)電極であれば、10nm〜0.5μm、銅やアルミニウムなどの金属電極であれば、1μm〜5μm程度であるので、第2のドライレジスト材層の厚さもこれに合わせることが好ましい。具体的には、第2のドライレジスト材層の厚さをTyとし、電極の高さをTeとしたとき、0.7≦Ty/Te≦1とする。第2のドライレジスト材層の厚さをこのような範囲に調整することで、前記段差である凹部に対して好適に追随して、レジスト材と基板との密着性が増す。レジスト材を形成する支持体フィルムやレジスト材を保護する保護フィルムはいずれも剥離しやすい剥離用フィルムとし、フィルムの材質としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体が挙げられる。
基材とする支持体フィルムは、フォトリソ法によるリブ形成工程においてフォトリソ法を実行する前にドライレジスト材から剥離される。このフィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の重合体フィルムを好ましく用いることができる。重合体フィルムの厚さは、1μm〜100μm程度とすることが好ましく、5μm〜50μmであることがより好ましく、10μm〜30μmであることがさらに好ましい。液状レジストの塗布は、たとえば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の方法で行うことができる。第1のドライレジスト材層を得るための乾燥は、70〜150℃、15〜30分間程度で行うことができる。第2のドライレジスト材層を得るための乾燥は、70〜150℃、5〜15分間程度で行うことができる。いずれのドライレジスト材の場合も、ドライレジスト材中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2質量%以下とすることが好ましい。
製造されたドライレジストフィルムは、通常、円筒状の巻芯に巻きとって貯蔵される。なお、この際支持体が外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状のドライレジストフィルムロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。上記巻芯としては、たとえば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックが挙げられる。
(3)隔壁形成工程の詳細について
隔壁形成方法の詳細について説明する。すなわち、隔壁(リブ)を形成する基板上にドライレジストフィルムを用いてドライレジスト材(感光性樹脂組成物)の層を積層する積層工程と、前記ドライレジスト材層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記露光部以外の部分を除去してリブパターンを形成する現像工程と、を有する。
基板への積層方法は、剥離用の保護フィルムを剥離除去しながら基板上へ積層する。前記積層条件としては、例えば、ドライレジスト材層を70〜130℃程度に加熱しながら、押圧付与部材を用いて、基板上に0.1MPa〜1MPa程度(1kgf/cm〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することにより積層する方法を用いる。減圧下で積層することも可能である。基板表面にはストライプ電極が形成されており、基板面と電極面との段差がある。本発明では、この段差となっている凹部に対して、第2のドライレジスト材が追随するので基板との密着が図れる。
ドライレジスト材の積層後、ドライレジスト材層の所定の部分に対して活性光線を照射してその露光部分を光硬化させる。活性光線を照射させるときにドライレジスト材層上にマスクパターンを設置してドライレジスト材の露光部に対応する部分を光硬化させる。マスクパターンは、ネガ型でもポジ型でもよく、一般に用いられているものを使用できる。活性光線の光源としては、公知の光源、たとえば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、露光方法としては、マスクパターンを用いずにレーザーで直接パターンを描画する、直接描画露光法を用いることもできる。
露光後に未露光部のレジスト材層を現像により選択的に除去することにより、基板上にパターニングされた隔壁が形成される。現像は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウェット現像、ドライ現像等で未露光部を除去することにより行われる。本発明においては、アルカリ性水溶液を用いることが好ましい。アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。このアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、ドライレジスト材層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、たとえば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、形成された隔壁(リブ)を60℃〜250℃程度で加熱するとともに所定の圧力で加圧処理すると、基板と隔壁材との接着性が増すほか、隔壁の高さの制御も図れる。加熱する温度は、基板の種類によって異なり、ガラス基板であれば、100℃〜250℃程度で、樹脂製基板であれば、60℃〜150℃程度で、基板の耐熱性を考慮した処理温度で行う。加圧する圧力は、0.1MPa〜1MPa程度である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
本発明の情報表示用パネルの製造方法に従って、情報表示用パネルを作製して評価した。以下では、まず、情報表示用パネルの製造方法について説明した後、使用したドライレジストフィルムおよび表示媒体とした粒子群について説明する。そして、実施例1〜3の異なる製造方法を用いて、上述した情報表示用パネルを製造し、得られたフレキシブルな情報表示用パネルについて曲げに対する耐久性を実施例1〜3毎に評価した。
(情報表示用パネルの作製について)
表示画面の対角長さが4インチの情報表示用パネルが6パネル取れるマザー基板を使用しマザーパネルを作製した後、このマザーパネルを分断して情報表示用パネルを6枚得る方法で作製した。2枚のマザー基板には、一方の面にITOストライプ電極が厚さ1μmで形成された、厚さ125μmで可撓性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)シートを用いた。
一方のマザー基板には、その表示画面領域には、表示媒体とする粒子群を収納するセル(300μm×300μm)を形成するために、高さ50μmの隔壁を幅20μmで正方格子状に設けた。この隔壁は、厚さ50μmの流動性の小さい第1のドライレジスト材層および下記所定厚さで流動性の大きい第2のドライレジスト材層が積層されて準備されたドライレジストフィルムを用いてフォトリソグラフィー法を用いて形成した。
フォトリソグラフィー法を用いて形成したリブで囲まれたセルの中に表示媒体とする後述の2種類の粒子群を配置し、このリブの上に熱硬化型エポキシ系接着剤CML−61(協立化学産業(株)製)を塗布して2枚のマザー基板を貼り合せる工程を実施した。
隔壁の異なる形成方法を示す実施例1〜3において、厚さ1μmの第2のドライレジスト材層が積層されたドライレジストフィルム、厚さ0.9μmの第2のドライレジスト材層が積層されたドライレジストフィルム、厚さ0.8μmの第2のドライレジスト材層が積層されたドライレジストフィルム、厚さ0.7μmの第2のドライレジスト材層が積層されたドライレジストフィルム、厚さ0.6μmの第2のドライレジスト材層が積層されたドライレジストフィルム、厚さ1.1μmの第2のドライレジスト材層が積層されたドライレジストフィルムをそれぞれ用いた。
(使用したドライレジスト材について)
(A)成分:バインダーポリマー
≪第2のドライレジスト材層用または第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層に共通≫
樹脂B:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル共重合体(質量比30/35/35、重量平均分子量45000、酸価196)の48質量%メチルセロソルブ/トルエン(質量比6/4)溶液93.75g(固形分45g)
≪第1のドライレジスト材層用または第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層に共通≫
樹脂A:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル共重合体(質量比30/35/35、重量平均分子量56000、酸価196)の48質量%メチルセロソルブ/トルエン(質量比6/4)溶液93.75g(固形分45g)
(B)成分:光重合性化合物
≪第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層とに共通≫
・末端にヒドロキシル基を有するポリカーボネート化合物、有機イソシアネート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得られた光重合性化合物(重量平均分子量4000、日立化成工業株式会社製、商品名:HT−9082−95)
・UA−21EB(新中村化学工業株式会社製、商品名)
・FA−023M(日立化成工業株式会社製、商品名)
・FA−024M(日立化成工業株式会社製、商品名)
・γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート(日立化成工業株式会社製、商品名:FA−MECH)
(C)成分:光重合開始剤
≪第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層とに共通≫
・N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学工業株式会社製、商品名:EAB)
・トリブロモメチルフェニルスルホン(住友精化株式会社製、製品名:TPS)
・1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン(株式会社ADEKA社製、商品名:N−1717)
・ベンジルジメチルケタール(チバスペシャリティーケミカル株式会社製、商品名:I−651)
(D)成分:分子内にエポキシ基を有する化合物
≪第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層とに共通≫
・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:EPICLON N−670−EXP−S)
(使用した粒子群について)
(1)黒色粒子群
メチルメタクリレートモノマー(関東化学株式会社製)60質量部及びエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)40質量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物「ボントロンN07」(オリエント化学工業株式会社製)3質量部、及び黒色顔料としてカーボンブラック(スペシャルブラック、デグッサ社製)5質量部をサンドミルにより分散させ、(メタ)アクリル系樹脂−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー「モディパーF600」(日油株式会社製)5質量部を溶解させ、さらにラウリルパーオキサイド「パーロイルL」(日油株式会社製)2質量部を溶解させた。得られた溶液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム「ラテムルE−118B」(花王株式会社製)が0.5%添加された精製水に懸濁して重合させた。
得られた懸濁液をろ過した後、乾燥し、分級機「MDS−2」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて分級し、平均粒子径9.2μmの正帯電性黒色粒子を得た。
次に、シリカ微小粒子(Wacker社製 H3050VP)を黒色粒子表面に付着させて、正帯電性の黒色粒子群を得た。
(2)白色粒子群
ポリメチルペンテン「TPX−R18」(三井化学株式会社製)100質量部と、着色剤として二酸化チタン「タイペークCR−90」(石原産業株式会社製)100質量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物「ボントロンE89」(オリエント化学工業株式会社製)5質量部とを二軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS−LJ型、日本ニューマチック工業株式会社製)で細かく粉砕し、分級機「MDS−2」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて分級し、次いで溶融球状化装置「MR−10」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて溶融球状化し、平均粒子径9.5μmの負帯電性白色粒子を得た。
次に、シリカ微小粒子(Wacker社製 H3004)を白色粒子表面に付着させて、負帯電性の白色粒子群を得た。
<隔壁形成工程の実施例1〜3について>
次に、上記情報表示用パネルの製造方法における、隔壁形成工程の実施例1〜3について説明し、それぞれ得られた情報表示用パネルの評価を行った。ここでは、実施例1〜3を説明する前に、二層構造のレジスト材の組合せ例1〜2について説明する。
(レジスト材の組合せ例1、2について)
レジスト材の組合せ例として、以下の表1に示す成分(A)、(B)、(C)、(D)を含むレジスト材から、組合せ例1、2を得た。組合せ例1では、第1のレジスト材を積層後に110℃で加熱して乾燥後、第2のレジスト材を積層して110℃で加熱して乾燥して、二層構造のドライレジスト材とした。また、組合せ例2では、第1のレジスト材を積層後に110℃で加熱して乾燥後、第2のレジスト材を積層して風乾で乾燥して、二層構造のドライレジスト材とした。
Figure 2014026109
(1)隔壁形成工程の実施例について
隔壁形成工程の実施例11〜16では、上述したレジスト材の組合せ例1のドライレジスト材を隔壁材として用いた。
ドライレジストフィルムの第2のドライレジスト材層側の剥離用の保護フィルムを剥がしながら、ドライレジスト材をマザー基板のストライプ状のITO電極の上に積層した。この積層工程を終了したマザー基板に対して、残してある第1のドライレジスト材層側の剥離用の支持体フィルムの上から平板状の押圧付与部材を押し付けて加圧して、ドライレジスト材をマザー基板に密着させた。押圧付与部材は、0.2MPaの圧力で押し付けながら移動させて、ドライレジスト材とマザー基板とを密着させた。
この密着工程を実施した後、第1のドライレジスト材層側の剥離用の支持体フィルムを剥がして、公知のフォトリソ法の工程である露光工程および現像工程を実施した。次に、現像工程を終了したマザー基板上の隔壁(レジスト材硬化物)に対して110℃の加熱処理を、0.1MPaの加圧下で行った。
隔壁で囲まれたセル内に2種類の粒子群を配置して、もう一方のマザー基板と貼り合せてマザーパネルを得た。具体的には、隔壁の上に配置した熱硬化型接着剤を介して、隔壁ともう一方のマザー基板とを接着して貼り合せて、実施例11〜16のマザー基板を得た。一方、第1のドライレジスト材層のみを使用して隔壁を形成した比較例11のマザー基板も同様の工程で作製した。得られたマザー基板に対し、隔壁(リブ)外観を目視評価するとともに、得られた情報表示用パネルに対しては、後述する曲げ試験を実施した後の情報表示用パネルの外観を目視評価した。結果を以下の表2に示す。
なお、目視評価によるマザー基板の隔壁外観検査は、隔壁が形成されたマザー基板を30倍に拡大した目視観察で評価した。観察は、隔壁が形成されたマザー基板の全領域に対して実施した。また、目視評価による情報表示用パネルの外観検査は、図7に示すように、2枚のマザー基板を貼り合せて作製したマザーパネルを分断して得た6個の情報表示用パネルを、曲げ試験器の固定治具にセットして、曲げて戻す動作を1回と数えて10回まで行った後、隔壁と基板との接合面を30倍に拡大した目視観察で評価した。観察は、隔壁が形成された各情報表示用パネルの全領域に対して実施した。
Figure 2014026109
表2の結果から、実施例11〜16のいずれにおいても、マザー基板に作製した隔壁(リブ)に撚れが発生すること、基板からの剥がれが発生することもなく、また、2枚のマザー基板を貼り合わせたマザーパネルを分断して得た情報表示用パネルにおいて前述の曲げ試験を実施した後でも、基板と隔壁との剥がれが発生することもなかった。一方、比較例11では、マザー基板に作製した隔壁に撚れが発生していたばかりか、マザーパネルを分断して得た情報表示用パネルにおいて前述の曲げ試験を実施した後でも、基板と隔壁との剥がれが発生していた。
(2)隔壁形成工程の他の実施例について
隔壁形成工程の他の実施例である実施例21〜26では、上述したレジスト材の組合せ例2のドライレジスト材を隔壁材として用いた。
ドライレジストフィルムの第2のドライレジスト材層側の剥離用の保護フィルムを剥がしながら、ドライレジスト材をマザー基板のストライプ状のITO電極の上に積層した。この積層工程を終了したマザー基板に対して、残してある第1のドライレジスト材層側の剥離用の支持体フィルムの上から押圧付与部材を押し付けて加圧して、ドライレジスト材をマザー基板に密着させた。押圧付与部材は、加熱型ローラ方式で、ローラ表面を110℃に加熱し、0.1MPaの圧力で押し付けながら移動させて、ドライレジスト材とマザー基板とを密着させた。
この密着工程を実施した後、第1のレジスト材層側の剥離用の支持体フィルムを剥がして、公知のフォトリソ法の工程である露光工程および現像工程を実施した。次に、現像工程を終了したマザー基板上の隔壁(レジスト材硬化物)に対して120℃の加熱処理を、0.1MPaの加圧下で行った。
隔壁で囲まれたセル内に2種類の粒子群を配置して、もう一方のマザー基板と貼り合せてマザーパネルを得た。具体的には、隔壁の上に配置した熱硬化型接着剤を介して、隔壁ともう一方のマザー基板とを接着して貼り合せて、実施例21〜26のマザー基板を得た。一方、第1のドライレジスト材層のみを使用して隔壁を形成した比較例21のマザー基板も同様の工程で作製した。得られたマザー基板に対し、実施例1と同様にして、隔壁(リブ)外観を目視評価するとともに、得られた情報表示用パネルに対しては、前述した曲げ試験を実施した後の情報表示用パネルの外観を目視評価した。結果を以下の表3に示す。
Figure 2014026109
表3の結果から、実施例21〜26のいずれにおいても、マザー基板に作製した隔壁(リブ)に撚れが発生することもなく、また、2枚のマザー基板を貼り合わせたマザーパネルを分断して得た情報表示用パネルにおいて前述の曲げ試験を実施した後でも、基板と隔壁との剥がれが発生することもなかった。一方、比較例21では、マザー基板に作製した隔壁に撚れが発生していたばかりか、マザーパネルを分断して得た情報表示用パネルにおいて前述の曲げ試験を実施した後でも、基板と隔壁との剥がれが発生していた。
(3)隔壁形成工程のさらに他の実施例について
隔壁形成工程のさらに他の実施例である実施例31〜36では、上述したレジスト材の組合せ例2のドライレジスト材を隔壁材として用いた。
ドライレジストフィルムの第2のドライレジスト材層側の剥離用の保護フィルムを剥がしながら、ドライレジスト材をマザー基板のストライプ状のITO電極の上に積層した。この積層工程を終了したマザー基板に対して、残してある第1のドライレジスト材層側の剥離用の支持体フィルムの上から押圧付与部材を押し付けて加圧して、ドライレジスト材をマザー基板に密着させた。押し圧付与部材は、加熱型ローラ方式で、ストライプ電極間の空間に対応して凸部を有するローラ表面を120℃に加熱し、0.2MPaの圧力で押し付けながら移動させて、ドライレジスト材とマザー基板とを密着させた。
この密着工程を実施した後、第1のレジスト材層側の剥離用の支持体フィルムを剥がして、公知のフォトリソ法の工程である露光工程および現像工程を実施した。次に、現像工程を終了したマザー基板上の隔壁(レジスト材硬化物)に対して120℃の加熱処理を加圧しないで行った。
隔壁で囲まれたセル内に2種類の粒子群を配置して、もう一方のマザー基板と貼り合せてマザーパネルを得た。具体的には、隔壁の上に配置した熱硬化型接着剤を介して、隔壁ともう一方のマザー基板とを接着して貼り合せて、実施例31〜36のマザー基板を得た。一方、第1のドライレジスト材層のみを使用して隔壁を形成した比較例31のマザー基板も同様の工程で作製した。得られたマザー基板に対し、実施例1と同様にして、隔壁(リブ)外観を目視評価するとともに、得られた情報表示用パネルに対しては、前述した曲げ試験を実施した後の情報表示用パネルの外観を目視評価した。結果を以下の表4に示す。
Figure 2014026109
表4の結果から、実施例31〜36のいずれにおいても、マザー基板に作製した隔壁(リブ)に撚れが発生することもなく、また、2枚のマザー基板を貼り合わせたマザーパネルを分断して得た情報表示用パネルにおいて前述の曲げ試験を実施した後でも、基板と隔壁との剥がれが発生することもなかった。一方、比較例31では、マザー基板に作製した隔壁に撚れが発生していたばかりか、マザーパネルを分断して得た情報表示用パネルにおいて前述の曲げ試験を実施した後でも、基板と隔壁との剥がれが発生していた。
本発明の情報表示用パネルの製造方法によれば、ドライレジスト材を用いたフォトリソグラフィー法でフレキシブルな基板上に隔壁を形成した場合でも、形成後の隔壁が撚れたり基板から剥がれたりすることがなく、また、フレキシブルな基板が曲げられても隔壁が基板から剥がれることも発生せず、所定の隔壁を備えた情報表示用パネルを得ることができる。
このような情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板(ホワイトボード)等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence, Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。
1 背面側基板(基板)
2 観察側基板(基板)
3 粒子群
3B 正帯電性黒色粒子群
3W 負帯電性白色粒子群
3Ba 正帯電性黒色粒子(正帯電性粒子)
3Wa 負帯電性白色粒子(負帯電性粒子
4 隔壁
5、6 導電性膜(電極)
7 セル
11 支持体フィルム
12 保護フィルム
13 ドライレジストフィルム
14 隔壁形成用前駆体
21 第1のドライレジスト材層
22 第2のドライレジスト材層
31 押圧付与部材
32 凸部
33 基材

Claims (4)

  1. 対向する2枚の基板と、各基板上に設けたストライプ電極と、2枚の基板間であってストライプ電極上に形成された隔壁と、隔壁によって区切られたセル内に封入された帯電性を有する粒子群とを備え、前記各基板上に設けたストライプ電極間に印加した電圧で形成した電界により前記粒子群を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、
    前記隔壁を、ストライプ電極が形成された一方の基板上にドライレジスト材を配置後、感光、現像させて隔壁をフォトリソグラフィー法で形成するにあたり、
    前記ドライレジスト材を、第1のドライレジスト材層と第1のドライレジスト材層より流動性が大きい第2のドライレジスト材層で構成し、前記第2のドライレジスト材層を前記一方の基板側に配置するドライレジスト材配置工程を含むことを特徴とする、情報表示用パネルの製造方法。
  2. 流動性が異なる前記第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層とを、レジスト材のポリマー成分の分子量を異ならせることで形成したことを特徴とする、請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  3. 流動性が異なる前記第1のドライレジスト材層と第2のドライレジスト材層とを、各レジスト材層を形成した後に行う乾燥工程を異ならせることで形成したことを特徴とする、請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  4. 前記ドライレジスト材をドライレジストフィルムとして配置するドライレジストフィルム配置工程を経た後であってドライレジスト材の感光前に、前記ストライプ電極間のスペースに対応した凸部が設けられた押圧付与部材によって、前記ドライレジストフィルムを押圧することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
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