JP2006078681A - 感光性エレメント - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像時のパターンの基板への密着性に優れるとともに、表示パネルを作製した場合に焼き付き等の表示不良の発生を十分に抑制することが可能な感光性エレメントを提供すること。
【解決手段】 (A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)着色剤を含有する着色感光性樹脂組成物からなる感光層を備え、前記感光層は、350〜370nmの波長域における最小光透過率が50%以上であり、且つ、400〜700nmの波長域における最大光透過率が20%以下であることを特徴とする感光性エレメント。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタのブラックマトリックス及びスペーサー等の形成に好適な感光性エレメントに関する。
従来、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタのブラックマトリックスやスペーサーは、感光性樹脂組成物を用いて形成する場合、例えば以下の手順で形成される。すなわち、黒色の着色剤が分散された黒色感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥した後、得られた塗膜にフォトマスクを介して紫外線等の活性光線を照射(以下、「露光」という)し、現像することにより所望のパターンのブラックマトリックス又はスペーサーを形成している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような黒色感光性樹脂組成物では、ブラックマトリックスやスペーサーの遮光性を十分高めるために、黒色の着色剤を相当量使用する必要がある。そのため、露光の際に照射した活性光線が着色剤により吸収されてしまい、塗膜中の活性光線の有効強度が、塗膜の表面から底部(基板表面近傍)に向かって次第に小さくなる現象が必然的に生じる。その結果、塗膜内部における硬化反応が、塗膜表面から底部に向かって次第に不十分となりやすく、形成されたパターンの基板への密着性が低下するという問題が生じることとなる。そのため、従来の黒色感光性樹脂組成物を用いてブラックマトリックスやスペーサーを形成した場合、現像後のパターンに剥がれ、欠落、欠損等が生じたり、現像後に加熱処理されたパターンの塗膜物性に劣ったりする問題があった。
なお、黒色感光性樹脂組成物における黒色の着色剤の量を減らした場合には、可視光の吸収も少なくなる傾向にあり、所望の黒色を得られず、ブラックマトリックスやスペーサー等としての機能が十分に得られないという問題があった。そのため、表示パネルを作製した場合に、焼き付き等の表示不良が発生するという問題があった。
特開平6−1938号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、現像時のパターンの基板への密着性に優れるとともに、カラーフィルタのブラックマトリックスやスペーサー等の形成に用いてカラー液晶表示装置等の表示パネルを作製した場合に、焼き付き等の表示不良の発生を十分に抑制することが可能な感光性エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)着色剤を含有する着色感光性樹脂組成物からなる感光層を備え、上記感光層は、350〜370nmの波長域における最小光透過率が50%以上であり、且つ、400〜700nmの波長域における最大光透過率が20%以下であることを特徴とする感光性エレメントを提供する。
かかる感光性エレメントは、ブラックレジスト用感光性エレメントとして、カラーフィルタのブラックマトリックス及びスペーサー等の形成に好適に用いることができる。この感光性エレメントによれば、上記組成を有する感光層において、350〜370nmの波長域における最小光透過率が50%以上であることにより、紫外線等の活性光線による感光層の硬化を十分に且つ均一に行うことができる。これにより、現像時のパターンの基板への密着性を十分なものとすることができる。また、400〜700nmの波長域における感光層の最大光透過率が20%以下であることにより、ブラックマトリックスやスペーサー等としての機能を十分に得ることができる。これにより、表示パネルを作製した場合に焼き付き等の表示不良の発生を十分に抑制することができる。
また、上記感光性エレメントにおいて、(A)成分が、カルボキシル基を有するモノマーとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体を含み、該共重合体において、これを構成するモノマー全量を基準とした上記カルボキシル基を有するモノマーの割合が5〜30質量%であることが好ましい。
かかる感光性エレメントによれば、紫外線等の活性光線による感光層の硬化をより十分に且つより均一に行うことができ、現像時のパターンの基板への密着性をより十分なものとすることができる。
更に、上記感光性エレメントにおいて、(C)成分が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことが好ましい。
かかる感光性エレメントによれば、紫外線等の活性光線による感光層の硬化をより十分に且つより均一に行うことができ、現像時のパターンの基板への密着性をより十分なものとすることができる。
また、上記感光性エレメントは、支持体を更に備え、該支持体上に上記感光層が形成されていることが好ましい。かかる構成を有することにより、上記感光性エレメントを用いたブラックマトリックス及びスペーサーの作製作業が容易となる。
また、上記感光性エレメントにおいて、(D)成分が有機顔料を含むことが好ましい。これにより、感光層の350〜370nmの波長域における最小光透過率を50%以上とし、且つ、400〜700nmの波長域における最大光透過率を20%以下とすることが容易に可能となる傾向がある。したがって、上記感光性エレメントによれば、現像時のパターンの基板への密着性をより十分なものとすることができるとともに、表示パネルを作製した場合に焼き付き等の表示不良の発生をより十分に抑制することができる傾向がある。
更に、上記感光性エレメントにおいて、(D)成分がカーボンブラックを含まないことが好ましい。これにより、感光層の350〜370nmの波長域における最小光透過率を50%以上とし、且つ、400〜700nmの波長域における最大光透過率を20%以下とすることが容易に可能となる傾向がある。特に、感光層の350〜370nmの波長域における最小光透過率を容易に50%以上とすることができ、現像時のパターンの基板への密着性をより十分なものとすることができる傾向がある。
本発明によれば、現像時のパターンの基板への密着性に優れるとともに、カラーフィルタのブラックマトリックスやスペーサー等の形成に用いて表示パネルを作製した場合に、焼き付き等の表示不良の発生を十分に抑制することが可能な感光性エレメントを提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
本発明の感光性エレメントは、(A)バインダーポリマー(以下、場合により「(A)成分」という)、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(以下、場合により「(B)成分」という)、(C)光重合開始剤(以下、場合により「(C)成分」という)、及び、(D)着色剤(以下、場合により「(D)成分」という)を含有する着色感光性樹脂組成物からなる感光層を備えるものであり、上記感光層は、350〜370nmの波長域における最小光透過率が50%以上、且つ、400〜700nmの波長域における最大光透過率が20%以下となっている。
まず、上記着色感光性樹脂組成物を構成する(A)〜(D)成分について説明する。
((A)成分)
(A)成分である(A)バインダーポリマーとしては、特に制限されず、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
CH=C(R)−COOR (I)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。]
上記一般式(I)中のRで示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記一般式(I)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地、及び、本発明の効果をより十分に得る観点から、カルボキシル基を含有するポリマーであることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体とをラジカル重合させることにより製造することができる。ここで、(A)バインダーポリマーを構成する重合性単量体全量を基準としたカルボキシル基を有する重合性単量体の割合は、5〜30質量%であることが好ましい。
(A)バインダーポリマーは、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.0〜6.0であることが好ましく、1.0〜3.0であることがより好ましい。分散度が6.0を超えると密着性及び解像度が低下する傾向がある。なお、本発明における重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、20,000〜300,000であることが好ましく、40,000〜150,000であることがより好ましい。重量平均分子量が20,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。
(A)バインダーポリマーの酸価は、100〜500mgKOH/gであることが好ましく、100〜300mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が100mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、500mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
これらの(A)バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。
((B)成分)
(B)成分である(B)少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーと、イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明において、着色感光性樹脂組成物中の(A)バインダーポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部として、40〜80質量部であることが好ましく、45〜70質量部であることがより好ましい。この配合量が40質量部未満では光硬化物が脆くなり易く、感光性エレメントとして用いた場合に、塗膜性が劣る傾向があり、80質量部を超えると光感度が不十分となる傾向がある。
また、(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部として、20〜60質量部であることが好ましく、30〜55質量部であることがより好ましい。この配合量が20質量部未満では光感度が不十分となる傾向があり、60質量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
((C)成分)
(C)成分である(C)光重合開始剤は、光(紫外線、電子線等の活性光線)の照射によりラジカル等の活性種を生じ、(A)成分と(B)成分との重合反応を開始する成分である。
このような(C)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、O−アシル−α−オキソオキシム類等のオキシム系化合物などが挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよく、あるいは相違して非対称な化合物を与えてもよい。これらの中でも、密着性及び光感度の観点からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、クマリン系化合物が好ましい。これらの(C)光重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜10質量部であることがより好ましい。この配合量が0.1質量部未満では光感度が不十分となる傾向があり、20質量部を超えると露光の際に感光性樹脂組成物の表面での光吸収が増大し、内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
((D)成分)
(D)成分である(D)着色剤は、感光性エレメントをブラックマトリックスやスペーサー等の形成に適用できる程度に上記感光性エレメントにおける感光層を着色することが可能な顔料であれば特に制限されず、必ずしも黒色の顔料である必要はない。このような(D)着色剤としては、感光性エレメントの用途に応じて適宜選定することができ、無機顔料でも有機顔料でもよく、また1種類の顔料でも2種類以上の顔料を混合したものでも良いが、本発明においては、発色性の高い顔料が好ましい。
上記無機顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、Cu−Fe−Mn系酸化物、合成鉄黒等の金属酸化物等の黒色の無機顔料を挙げることができる。
上記カーボンブラックとしては、例えば、SAF、SAF−HS、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、HAF、HAF−LS、HAF−HS、NAF、FEF、FEF−HS、SRF、SRF−LM、SRF−LS、GPF、ECF、N−339、N−351等のファーネスブラック;FT、MT等のサーマルブラック;アセチレンブラック等を挙げることができる。
これらの無機顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記有機顔料としては、例えば、MHIレッド#4828M(商品名、御国色素社製)、MHIイエロー♯4973M(商品名、御国色素社製)、MHIシアン♯4793M(商品名、御国色素社製)、フタロシアニンブルー、クロモフタルレッド、ピラゾロンオレンジ、ビリジアン等が挙げられる。これらの有機顔料は所望の色相が得られるように適宜選定して使用することができる。例えば、2種類以上の有機顔料を混合し、黒色又はそれに近い色相が得られるように調節して用いることができる。
また、本発明における(D)着色剤には、必要に応じて体質顔料を添加してもよい。このような体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ白、グロス白、サタン白、ハイドロタルサイト等が挙げられる。これらの体質顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの(D)着色剤は、必要に応じて表面をポリマーで改質して使用することができる。
また、(D)着色剤は、少なくとも上記有機顔料を含むことが好ましい。これにより、感光層の350〜370nmの波長域における最小光透過率を50%以上とし、且つ、400〜700nmの波長域における最大光透過率を20%以下とすることが容易に可能となる傾向がある。
更に、(D)着色剤は、上記カーボンブラックを含まないことが好ましく、上記無機顔料を含まないことがより好ましい。すなわち、(D)着色剤は、上記有機顔料及び必要に応じて用いられる体質顔料からなるものであることが好ましい。これにより、特に感光層の350〜370nmの波長域における最小光透過率を容易に50%以上とすることができる傾向がある。なお、カーボンブラック及び無機顔料を含まないとは、これらが実質的に含まれていなければよく、不可避成分として僅少量含まれていてもよい。
(D)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。この配合量が0.01質量部未満では所望の着色が得られない傾向があり、10質量部を超えると感光層と基板との密着性が低下する傾向がある。
また、(D)成分に上記体質顔料を用いる場合の配合量は、体質顔料以外の上記無機顔料及び上記有機顔料の総量100質量部に対して、通常、100質量部以下であり、好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは10〜40質量部である。
更に、(D)成分に上記無機顔料を用いる場合の配合量は、上記有機顔料100質量部に対して、通常、10質量部以下であり、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは1質量部以下である。
本発明の感光性エレメントにおいて、感光層を構成する着色感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて(A)〜(D)成分以外の添加剤を含有していてもよい。かかる添加剤としては、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等が挙げられる。これらの添加剤は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度配合することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
次に、本発明の感光性エレメントについて説明する。
図1は、本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント1は、支持体10上に感光層14が積層された構造を有するものである。ここで、感光層14は、上述した着色感光性樹脂組成物からなる層である。
支持体10としては、例えば、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金等(好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金)の金属プレートや、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム等を用いることができる。
支持体10は、厚みが5〜25μmであることが好ましく、8〜20μmであることがより好ましく、10〜16μmであることが特に好ましい。この厚みが5μm未満では現像前に支持体を剥離する際に破れやすくなる傾向があり、25μmを超えると解像度が低下する傾向がある。
支持体10が上記重合体フィルムからなるものである場合、該支持体10のヘーズは、0.001〜5.0であることが好ましく、0.001〜2.0であることがより好ましく、0.01〜1.8であることが特に好ましい。このヘーズが5.0を超えると、解像度が低下する傾向がある。なお、本発明におけるヘーズは、JIS K 7105に準拠して測定される値を意味し、例えば、NDH−1001DP(商品名、日本電色工業(株)製)等の市販の濁度計などで測定が可能である。
感光層14は、例えば、上述した着色感光性樹脂組成物を液状レジストとして支持体10上に塗布することで形成することができる。
着色感光性樹脂組成物を支持体10上に塗布する際には、必要に応じて、該着色感光性樹脂組成物を所定の溶剤に溶解して固形分30〜60質量%の溶液としたものを塗布液として用いることができる。上記溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶剤、又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
塗布の方法としては、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の方法が挙げられる。また、溶剤の除去は例えば加熱により行うことができ、その場合の加熱温度は約70〜150℃であると好ましく、加熱時間は約5〜30分間であると好ましい。
また、感光層14の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましい。この厚みが1μm未満では工業的に塗工困難な傾向があり、100μmを超えると、接着力、解像度が低下する傾向がある。
感光性エレメント1を構成する感光層14は、350〜370nmの波長域における最小光透過率が50%以上であり、且つ、400〜700nmの波長域における最大光透過率が20%以下であることが必要である。また、感光層14は、400〜700nmの波長域における最大光透過率が5%以下であることがより好ましい。
ここで、感光層14の光透過率は、例えば、(D)着色剤の種類や配合量、感光層14の膜厚等を調節することによって、上記範囲内とすることができる。
なお、本発明において感光層14の光透過率の測定は、例えば、UV分光計((株)日立製作所製、228A型Wビーム分光光度計等)を用いて、測定側に支持体10及び感光層14からなる感光性エレメント1を置き、リファレンス側に支持体10を置き、T%モードにより700〜300μmまでを連続測定することにより行うことができる。
かかる感光層14を備えた感光性エレメント1によれば、現像時のパターンの基板への密着性(接着力)を十分なものとすることができるとともに、表示パネルを作製した場合に焼き付き等の表示不良の発生を十分に抑制することができる。
感光性エレメント1は、必要に応じて、感光層14の支持体側と反対側の面F1上に保護フィルム(図示せず)を備えていてもよい。
保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。また、保護フィルムは低フィッシュアイのフィルムであることが好ましく、保護フィルムと感光層14との間の接着力は、保護フィルムを感光層14から剥離しやすくするために、感光層14と支持体10との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
また、保護フィルムは、厚みが5〜30μmであることが好ましく、10〜28μmであることがより好ましく、15〜25μmであることが特に好ましい。この厚みが5μm未満では、ラミネートの際に保護フィルムが破れやすくなる傾向があり、30μmを超えると廉価性に劣る傾向がある。
更に、保護フィルムは、フィルム長手方向の引張強さが13MPa以上であり、フィルム幅方向の引張強さが9MPa以上であることが好ましい。
上記フィルム長手方向の引張強さは、13〜100MPaであることがより好ましく、14〜100MPaであることが更に好ましく、15〜100MPaであることが特に好ましく、16〜100MPaであることが最も好ましい。この引張強さが13MPa未満では、ラミネートの際に保護フィルムが破れやすくなる傾向がある。
上記フィルム幅方向の引張強さは、9〜100MPaであることがより好ましく、10〜100MPaであることが更に好ましく、11〜100MPaであることが特に好ましく、12〜100MPaであることが最も好ましい。この引張強さが9MPa未満では、ラミネートの際に保護フィルムが破れやすくなる傾向がある。
なお、本発明における引張強さは、JIS C 2318−1997(5.3.3)に準拠して測定される値を意味し、例えば、東洋ボールドウィン(株)製、商品名:テンシロン等の市販の引張強さ試験機などで測定が可能である。
また、支持体10や保護フィルムは、後に感光層14から除去する必要があるため、除去が困難となるような表面処理は施されていない方が好ましが、必要に応じて処理が施されていてもよい。更に、支持体10や保護フィルムには、必要に応じて帯電防止処理が施されていてもよい。
感光性エレメント1は、支持体10と感光性樹脂組成物層14との間、及び/又は、感光性樹脂組成物層14と保護フィルムとの間に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層又は保護層を更に備えていてもよい。
感光性エレメント1は、例えば、そのままの平板状の形態で、又は感光層14の一方の面F1に保護フィルムを積層して、円筒状などの巻芯に巻きとり、ロール状の形態で貯蔵することができる。巻芯としては、従来用いられているものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。貯蔵時には、支持体が最も外側になるように巻き取られることが好ましい。また、ロール状に巻き取られた感光性エレメント(感光性エレメントロール)の端面には、端面保護の観点から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの観点から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、感光性エレメント1を梱包する際には、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
次に、本発明の感光性エレメント1を用いて、ブラックマトリックス及びスペーサーを製造する方法について説明する。
まず、感光性エレメント1に保護フィルムが存在している場合には当該保護フィルムを除去した後、感光層14を加熱しながら基板に圧着し、基板上に感光層14を積層する。ここで、密着性及び追従性の観点から、減圧下で積層することが好ましい。
上記基板の材質としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。また、これらの基板には、必要に応じて、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を施しておくこともできる。
次いで、基板上に積層された感光層14に対して、フォトマスクを通して活性光線を所定のパターン形状に照射して露光部を形成させる。この際、感光層14上に存在する支持体10が活性光線に対して透明である場合には、支持体10を通して活性光線を照射することができ、支持体10が活性光線に対して遮光性を示す場合には、支持体10を除去した後に感光層14に活性光線を照射する。
ブラックマトリックス及びスペーサーを作製する際に使用される活性光線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある活性光線が好ましい。また、照射する活性光線のエネルギー量は、10〜10,000J/mとすることが好ましい。
活性光線の光源としては、従来公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、レーザー直接描画露光法等も用いることができる。
次に、露光した感光層14に対して現像を行う。現像は、例えばアルカリ現像液を用いて感光層14の未露光部を溶解除去することによって行い、基板上に所定のパターン形状の黒色レジストパターンを形成して、ブラックマトリックス又はスペーサーの作製を完了する。
現像に用いるアルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
また、アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、黒色レジストパターンの水洗を行う。
現像処理は、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等の方法により行うことができる。また、現像処理は、常温で5〜300秒行うことが好ましい。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm程度の露光を行うことにより黒色レジストパターンをさらに硬化させてもよい(ポストベーク)。
このようにして作製されたブラックマトリックス及びスペーサーは、例えば、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子、カラーセンサー等に極めて有用である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3及び比較例1〜3]
先ず、下記表1の(A)成分を合成した後、得られた(A)成分に、表1に示す(B)成分、(C)成分、添加剤及び下記表2に示す(D)成分を混合して、実施例1〜3及び比較例1〜3に対応する着色感光性樹脂組成物の溶液を得た。
Figure 2006078681
なお、表1中のBPE−1300※1は、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製)を示す。
Figure 2006078681
得られた着色感光性樹脂組成物の溶液を、支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥させて感光層を形成し、実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントを得た。なお、感光層の乾燥後の膜厚はいずれも50μmであった。
また、UV分光計((株)日立製作所製、228A型Wビーム分光光度計)を用いて、実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントにおける感光層の波長300〜700μmの光に対する光透過率を測定した。光透過率の測定は、まず測定側に支持フィルム及び感光層からなる感光性エレメントを置き、リファレンス側に支持フィルムを置き、T%モードにより700〜300μmまでを連続測定することにより行った。このときの400〜700nmの波長域における最大光透過率、及び350〜370nmの波長域における最小光透過率を表3に示す。
Figure 2006078681
(密着性の評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントを用いて、密着性の評価を以下の手順で行った。まず、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO)膜が形成されたソーダガラス製基板を準備した。この基板の表面を80℃に加温し、その表面上に感光性エレメントを120℃のヒートロールを用いて3m/分の速度でラミネートした。
次に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと密着性評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が10/10〜100/100(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを感光性エレメントに密着させ、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。露光には、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製、HMW−201B)を用いた。
次に、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムを感光層から剥離し、感光層に対して30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーし、未露光部分を除去してブラックマトリックスを作製した。
ここで、密着性は現像液に剥離せずに残った最小ラインの幅(μm)で表され、この値が小さい程、細いラインでも剥離せずに基板に密着していることから、密着性(接着力)が高いことを意味する。この密着性の測定結果を表4に示す。
(表示特性の評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントを用いて、上記(密着性の評価)と同様の手順で、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO)膜が形成されたソーダガラス製基板上への感光性エレメントのラミネート、露光及び現像を行い、サイズ18μm角の黒いドットパターンが形成されたブラックスペーサーを作製した。このとき、露光の際に用いるフォトツールは、上記のドットパターンを形成可能なものを用いた。次いで、この基板を、表面にITO膜が形成された別のガラス基板と張り合わせ、基板間に液晶を注入して液晶セルを作製し、100℃で1時間アニールを行った。得られた基板を表示パネルに組み立てて、表示不良の有無を評価した。
ここで、表示不良の有無は、特定の文字や図柄による静止画面を長時間(3秒以上)表示した後、その静止画面の表示を消しても、その特定の文字や図柄が画面上に淡く残像するといった焼き付き、及び、表示パネルの不特定の位置に表示されるべき情報が画素レベルで欠ける等の表示不良を、目視及び光学顕微鏡(20倍)により観察して評価した。このときの評価基準は以下の通りである。
表示不良有り:焼き付き及び画素レベルの欠け等の表示不良が認められなかった。
表示不良無し:焼き付き及び/又は画素レベルの欠け等の表示不良が認められた。
その結果を表4に示す。
(レジスト形状の観察)
実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントを用いて、上記(密着性の評価)と同様の手順で、ソーダガラス製基板上への感光性エレメントのラミネート、露光及び現像を行った。得られたレジストパターン(ブラックマトリックス)のライン幅50μm部分のレジスト断面形状(ラインの長さ方向に垂直な面で切断した断面形状)を、走査型電子顕微鏡(5000倍)により観察した。その結果を表4に示す。
Figure 2006078681
表4に示した結果から明らかなように、本発明の感光性エレメント(実施例1〜3)によれば、比較例1〜3の感光性エレメントと比較して、良好なレジスト断面形状が得られ、現像時のパターンの基板への密着性に優れるとともに、表示パネルを作製した場合に焼き付き等の表示不良の発生を十分に抑制することができることが確認された。
本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1…感光性エレメント、10…支持体、14…感光層。

Claims (6)

  1. (A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)着色剤を含有する着色感光性樹脂組成物からなる感光層を備え、
    前記感光層は、350〜370nmの波長域における最小光透過率が50%以上であり、且つ、400〜700nmの波長域における最大光透過率が20%以下であることを特徴とする感光性エレメント。
  2. 前記(A)成分が、カルボキシル基を有するモノマーとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体を含み、該共重合体において、これを構成するモノマー全量を基準とした前記カルボキシル基を有するモノマーの割合が5〜30質量%であることを特徴とする請求項1記載の感光性エレメント。
  3. 前記(C)成分が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の感光性エレメント。
  4. 支持体を更に備え、該支持体上に前記感光層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の感光性エレメント。
  5. 前記(D)成分が有機顔料を含むことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の感光性エレメント。
  6. 前記(D)成分がカーボンブラックを含まないことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の感光性エレメント。

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