JP2020122862A - 支持フィルム付き感光性フィルム及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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昂平 平尾
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Abstract

【課題】高い透過率を維持したまま、誘電率が向上した支持フィルム付き感光性フィルムとそれを用いたパターン形成方法を提供する。【解決手段】支持フィルムとこの支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層を有し、感光性樹脂層は、バインダーポリマー、重合性化合物、光重合性開始剤、金属酸化物粒子を含有する感光性フィルムであって、10kHzにおける比誘電率が4以上である支持フィルム付き感光性フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性フィルム及びそれを用いたパターン形成方法に関する。
近年、パソコン、カーナビゲーション、携帯電話(スマートフォン)、電子辞書等の電子機器、OA機器、FA機器等の表示機器等へのタッチパネルの普及が進んでいる。これらタッチパネルには高い光透過率と、座標検出のための電極が必要であり、透明電極基板が用いられる。透明電極材料としては、高い光透過率を示すことから、ITO(Indium−Tin−Oxide:酸化インジウムスズ)、酸化インジウム、又は酸化スズが最適であり、タッチパネル用基板の電極として主流になっている。
タッチパネル用の電極は、X電極とY電極の2つの電極から構成され、各電極が1層ずつ配置されることが一般的である。X電極とY電極の間には層間絶縁材が用いられる。層間絶縁材はタッチパネルの一部材であるため、透明性が要求される。更に、層間絶縁材が感光性材料であると、任意の位置に絶縁パターンを形成することができるという利点がある。
一方で、当該タッチセンサは感度が低いことが課題とされている。
国際公開第2013/084873号 特開2017−37287号公報
特許文献1に記載の透明感光性材料では誘電率が4未満であり、市場の要求水準と乖離がある。また、特許文献2に記載の高誘電率化の手法は、酸化物粒子径が大きく、透過率の低下を招く課題があった。
本発明の目的は、高い透過率を維持したまま、誘電率が向上した支持フィルム付き感光性フィルムとそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、平均粒子径が50nm以下の金属酸化物粒子を用いることで、高い透過率を維持したまま感光性フィルムの誘電率が向上することを見出し本発明に達した。
即ち、本発明の第一の態様は、支持フィルムとこの支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層を有し、感光性樹脂層は、バインダーポリマー、重合性化合物、光重合性開始剤、金属酸化物粒子を含有する感光性フィルムであって、10kHzにおける比誘電率が4以上である支持フィルム付き感光性フィルム、に関する。
前記支持フィルム付き感光性フィルムを用いることで、高透過率かつ高誘電率の樹脂パターンが提供可能になる。
本発明の第二の態様は、前記金属酸化物粒子の平均粒子径が、50nm以下である支持フィルム付き感光性フィルムに関する。
本発明の第三の態様は、前記金属酸化物粒子が、チタン、バリウム、ジルコニウムからなる群のうちから選択され、少なくとも1種を含む金属酸化物である支持フィルム付き感光性フィルム、に関する。
本発明の第四の態様は、膜厚が30μmの際の全光線透過率が90%以上である支持フィルム付き感光性フィルムに関する。
本発明の第五の態様は、前記支持フィルム付き感光性フィルムの感光性樹脂層側を、基板側に位置する向きで配置する工程と、前記感光性樹脂層に、パターン状に活性光線を照射する露光工程と、前記支持フィルムを剥離し、前記感光性樹脂層の未露光部を除去することにより樹脂パターンを形成する現像工程と、を備えるパターンの形成方法に関する。
本発明によれば、平均粒子径が50nm以下の酸化物粒子を添加することで、高い透明性を維持したまま誘電率の高い感光性フィルムを得ることができる。
本実施形態で用いられる感光性フィルムの一実施形態を示す模式図である。 感光性フィルムを用いたパターンの形成方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。また、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは「アクリル酸アルキルエステル」及びそれに対応する「メタクリル酸アルキルエステル」を意味する。更に、「EO」はエチレンオキサイドを示し、「EO変性」された化合物とはエチレンオキサイド基を有する化合物を意味する。同様に、「PO」はプロピレンオキサイドを示し、「PO変性」された化合物はプロピレンオキサイド基を有する化合物を意味する。
本実施形態に係る方法によれば、透明性を維持したまま誘電率の高い感光性フィルムを提供することができる。以下、この実施形態について説明する。
図1は、本実施形態で用いられる感光性フィルムの一実施形態を示す模式図である。図1に示す支持フィルム付き感光性フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられた感光性樹脂層2と、感光性樹脂層2上に設けられた保護フィルム3、とを有する。
支持フィルム1としては、重合体フィルムを用いることができ、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが好ましい。このような重合体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルムが挙げられる。これらのうち、透明性や耐熱性の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
上記の重合体フィルムは、後に感光性樹脂層2からの剥離が容易となるよう、離型処理されたものであってもよい。
支持フィルム1の厚みは、機械的強度の観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることが更に好ましい。支持フィルム1の厚みを上記数値以上とすることによって、感光性樹脂層2を形成するために感光性樹脂組成物を塗工する工程で、支持フィルム1が破れることを防止できる。また、支持フィルム付き感光性フィルムを用いた露光あるいは現像工程に際し、感光性樹脂層2から支持フィルム1を剥離する工程においても、同様の効果が期待できる。また、支持フィルム1を介して感光性樹脂層2に活性光線を照射する場合にパターンの解像度を充分確保する観点から、支持フィルム1の厚みは、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが更に好ましい。
上記の観点から、支持フィルム1の厚みは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、15〜100μmであることが更に好ましい。
支持フィルム1のヘーズ値は、感度及び解像度を良好にできる観点から、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることが更に好ましく、0.01〜1.5%であることが特に好ましい。なお、ヘーズ値はJIS K 7136(プラスチック−透明材料のヘーズの求め方)に準拠して測定することができ、例えば、NDH5000(日本電色工業株式会社製、商品名)等の市販の濁度計などで測定が可能である。
感光性樹脂層2は、(a)バインダーポリマー、(b)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)金属酸化物粒子を含有する感光性樹脂組成物から形成することができる。感光性樹脂層2が上記の成分を含有することにより、樹脂パターンの誘電率が向上する。
<(a)バインダーポリマー>
(a)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の中でも、アルカリ現像性及びフィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましい。また。上記アクリル樹脂が(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を構成単位として有するとより好ましい。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体に由来するモノマー単位を主に有する重合体のことを意味する。
上記アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体をラジカル重合して製造される。このアクリル樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸が挙げられる。
また、上記アクリル樹脂は、上記のような(メタ)アクリル基を有する重合性単量体の他に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位又は芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸等の1種又は2種以上の重合性単量体が共重合されていてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステルが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(a)バインダーポリマーは、アルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。このようなバインダーポリマーを得るためのカルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸が挙げられる。
(a)バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、バインダーポリマーを得るために使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、10〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが更に好ましく、15〜25質量%であることが特に好ましい。アルカリ現像性に優れる点では10質量%以上であることが好ましく、非現像部のアルカリ耐性に優れる点では、50質量%以下であることが好ましい。
(a)バインダーポリマーの酸価は、現像工程において、公知の各種現像液に対する現像性を向上させる観点から、50mgKOH/g以上、150mgKOH/g以下であることが好ましい。
(a)バインダーポリマーの酸価は、次のようにして測定することができる。酸価を測定すべきバインダーポリマー1gを精秤する。上記バインダーポリマーにアセトン30gを加え、これを均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインを上記溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液で滴定することで測定できる。なお、酸価は次式により算出できる。
酸価=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、VfはKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の重量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
なお、バインダーポリマーに合成溶媒や希釈溶媒が含まれる場合は、精秤前に予め、上記溶媒の沸点よりも10℃程度高い温度で1〜4時間加熱し、揮発分を除去しておく。この際、低分子量の重合性化合物等の揮発性成分が除去されることもある。
(a)バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスを図る観点から、5,000〜300,000であることが好ましく、20,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜100,000であることが更に好ましい。非現像部の耐現像液性に優れる点では、重量平均分子量が、5,000以上であることが好ましい。また、現像時間の観点からは、300,000以下であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出することができる。
(a)バインダーポリマーは、上述した樹脂を単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。2種類以上の樹脂を組み合わせて使用する場合、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上の樹脂が含まれる混合物からなるバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上の樹脂が含まれる混合物からなるバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上の樹脂が含まれる混合物からなるバインダーポリマーが挙げられる。
<(b)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(重合性化合物)>
(b)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物としては、公知の化合物を用いることができる。例えば、多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート等のフタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、公知の化合物を用いることができる。例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス[(メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート]ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−11」(新中村化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。また、EO、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−13」(新中村化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。
(b)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の総量100質量部に対して、30〜80質量部であることが好ましく、40〜70質量部であることがより好ましい。光硬化性及び塗工性に優れる点では、30質量部以上であることが好ましく、フィルムとして巻き取った場合の保管安定性に優れる点では、80質量部以下であることが好ましい。
<(c)光重合開始剤>
(c)光重合開始剤としては、活性光線の照射によって感光性樹脂層2を硬化させることができるものであれば、特に制限されない。光硬化性に優れる観点からは、ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。
これらの中でも、透明性、及び感光性樹脂層2の膜厚10μm以下でのパターン形成能の観点から、オキシムエステル化合物が好ましく、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1又は1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)を含有することが好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(c)光重合開始剤の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることが更に好ましい。光感度に優れる点では、0.1質量部以上であることが好ましく、感光性樹脂層2の内部の光硬化性に優れる点では、10質量部以下であることが好ましい。
<(d)金属酸化物粒子>
(d)金属酸化物粒子は、公知の材料を用いることができる。これらの中でも、比誘電率が30以上の金属酸化物粒子、例えばジルコニウム、チタン、ルテニウム、バリウムなどの酸化物粒子が挙げられる。
更に、金属酸化物粒子は高透明性、低ヘーズなどの光学特性に優れる点では平均粒子径が50nm以下であることが好ましく、45nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることが更に好ましい。
(d)金属酸化物粒子の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の総量100質量部に対して、20〜80質量部であることが好ましく、30〜70質量部であることがより好ましく、40〜60質量部であることが更に好ましい。感光性樹脂層の高誘電率に優れる点では、20質量部以上であることが好ましく、光学特性の観点からは、80質量部以下であることが好ましい。
感光性樹脂層2には、必要に応じて、各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤、防錆剤等の添加剤を、単独で又は2種類以上を組み合わせて含有させることができる。これらの添加剤の添加量は、(a)バインダーポリマー及び(b)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部であることが好ましい。
<支持フィルム付き感光性フィルム>
感光性樹脂層2は、支持フィルム上に、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解した、固形分10〜60質量%程度の感光性樹脂組成物の溶液を塗工した後、乾燥することにより形成できる。但し、この場合、乾燥後の感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するため、2質量%以下であることが好ましい。
塗工は、公知の方法で行うことができる。例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法が挙げられる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
感光性樹脂層2の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜200μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが更に好ましい。この厚みが1μm以上であると、塗工による層形成が容易となる傾向にあり、200μm以下であると、光透過性が良好であり、充分な感度を得ることができ、感光性樹脂層2の光硬化性の観点から好ましい。感光性樹脂層2の厚みは、走査型電子顕微鏡やマイクロメータにより測定することができる。
本実施形態で用いる支持フィルム付き感光性フィルム10は、感光性樹脂層2の支持フィルム1側とは反対側の面に接するように、保護フィルム3が更に設けられていてもよい。
保護フィルムとしては、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムが挙げられる。また、保護フィルムとして上述の支持体フィルムと同様の重合体フィルムを用いてもよい。
保護フィルムの厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜40μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。保護フィルムの厚みは、機械的強度に優れる点で1μm以上であることが好ましく、比較的安価となる点で100μm以下であることが好ましい。
保護フィルムと感光性樹脂層2との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層2から剥離しやすくするために、支持フィルム1と感光性樹脂層2との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
また、保護フィルムは、保護フィルム中に含まれる直径80μm以上のフィッシュアイ数が5個/m以下であることが好ましい。なお、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものである。
支持フィルム付き感光性フィルム10は、保護フィルム上に、接着層、ガスバリア層等の層を更に有していてもよい。
支持フィルム付き感光性フィルム10は、例えば、そのままの平板状の形態で、又は、円筒状などの巻芯に巻きとりロール状の形態で貯蔵することができる。なお、この際、支持フィルム1が最も外側になるように巻き取られることが好ましい。
また、支持フィルム付き感光性フィルム10が保護フィルムを有してない場合、係る支持フィルム付き感光性フィルム10は、そのままの平板状の形態で貯蔵することができる。
巻芯としては、従来用いられているものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックが挙げられる。またロール状に巻き取られた支持フィルム付き感光性フィルムの端面には、端面保護の観点から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの観点から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、支持フィルム付き感光性フィルムを梱包する際には、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
<パターンの形成方法>
図2は、感光性フィルムを用いたパターンの形成方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。本実施形態の方法は、上述した支持フィルム付き感光性フィルム10を、基板20上に感光性樹脂層2が接するように配置するラミネート工程(図2(a))と、支持フィルム1を有する感光性樹脂層2の所定部分に活性光線を照射する露光工程(図2(b))と、その後、支持フィルム1を剥離してから、感光性樹脂層2を現像する現像工程(図2(c))とを備えることが好ましい。
基板20としては、特に制限なく使用することができるが、例えば、ガラス基板、ポリカーボネート等のプラスチック基板が挙げられる。基板20の厚みは、使用の目的に応じて適宜選択することができ、フィルム状の基板を用いてもよい。フィルム状の基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマフィルムが挙げられる。基板20は、450〜650nmの波長域での最小光透過率が80%以上であるものが好ましい。基板20が、このような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
ラミネート工程では、例えば、支持フィルム付き感光性フィルム10を、保護フィルムがある場合はそれを除去した後、加熱しながら感光性樹脂層2側を基板20に圧着することで積層できる。なお、この工程は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行われることが好ましい。支持フィルム付き感光性フィルム10の積層は、感光性樹脂層2及び/又は基板20を70〜130℃に加熱しながら行うことが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂層2を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め基板20を予熱処理することは必要ではないが、積層性を更に向上させるために基板20の予熱処理を行うこともできる。
露光工程での露光方法としては、図2(b)に示されるような、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターン5を通して活性光線Lを画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。
露光工程での活性光線の光源としては、公知の光源が挙げられる。例えば、紫外線、可視光などを有効に放射することができるカーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザも用いられる。更に、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。また、レーザ露光法などを用いた直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
露光工程での露光量は、使用する装置や感光性樹脂組成物の組成によって異なるが、好ましくは5〜1000mJ/cmであり、より好ましくは10〜200mJ/cmである。光硬化性に優れる点では、10mJ/cm以上であることが好ましく、解像性の点では200mJ/cm以下であることが好ましい。
露光工程は、空気中、真空中等で行うことができ、露光の雰囲気は特に制限されない。
本実施形態に係る現像工程では、感光性樹脂層2の、露光工程における未露光の領域が除去される。具体的には、ウェット現像によって、感光性樹脂層2の硬化していない部分(未露光部分)を除去する。これにより、露光工程により硬化された感光性樹脂層2からなるパターンを有するパターン基板が得られる。
ウェット現像は、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により行われる。
現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なため、アルカリ性水溶液が好ましく用いられる。アルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウム水溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウム水溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
また、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いることができる。ここで、アルカリ水溶液に含まれる塩基としては、上述の塩基以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2、モルホリンが挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
水系現像液は、有機溶剤の濃度を2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。更に、水系現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量添加することもできる。
有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトンが挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
上述した現像液は、必要に応じて、2種以上を併用してもよい。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピングが挙げられる。これらのうち、高圧スプレー方式を用いることが、解像度向上の観点から好ましい。
本実施形態のパターンの形成方法においては、現像後に必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより、パターンを更に硬化してもよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<感光性樹脂層用溶液の調製>
バインダーポリマーとして下記のポリマーA1(メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル=12/58/30(質量比))を固形分換算で60質量部、アクリルモノマーとして日本化薬株式会社製の商品名「KAYARAD TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート)」を40質量部、光開始剤として天津久日新材料社製の商品名「Jrcure BDK(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)」を10質量部、密着性付与剤として日本化薬株式会社製の商品名「KAYAMER PM−21(2−メタクリロイロキシエチルカプロエートアシッドホスフェート)」を0.5質量部、金属酸化物粒子として日産化学株式会社製の商品名「ナノユースOZ−S30K(ジルコニア分散液、平均粒子径15nm)」を20質量部添加し、溶液の固形分が30質量%となるよう、メチルエチルケトンを適量加え、感光性樹脂層用溶液を調整した。
<バインダーポリマーA1の作製>
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1に示す(1)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1に示す(2)を4時間かけて均一に滴下した。(2)の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、重量平均分子量が65,000、酸価が78mgKOH/g、水酸基価が2mgKOH/gのバインダーポリマーの溶液(固形分45質量%)(A1)を得た。
<感光性フィルムの作製>
上記で得た感光性樹脂層用溶液を50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡株式会社製、商品名「A4100」)に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層を離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(尾池ファインコーティング株式会社製、商品名「50M1」)で覆い、膜厚30μmの感光性樹脂層を有する支持フィルム付き感光性フィルムを得た。
<光学特性の測定>
得られた保護フィルムを有する支持フィルム付き感光性フィルムの保護フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルムをはく離しながら、感光性樹脂層側をガラス基板へラミネートした(温度:110℃、速度:0.6m/min、圧力:0.4MPa)。次いで、平行光線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM1201)を使用して、支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム側(A4100)から露光量1×10mJ/cm(i線における測定値)で、紫外線を照射した。最後に、支持フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルムをはく離し、光学特性評価用サンプル(厚み30μm)を得た。
得られた評価用サンプルを用いて光学特性を評価した。透過率・ヘーズは日本電色工業株式会社製の製品名「NDH−5000」を用いて、L*、a*、b*はコニカミノルタ株式会社製の製品名「CM−5」(分光測色計)を用いて測定した。
<誘電率の測定>
得られた保護フィルムを有する支持フィルム付き感光性フィルムの保護フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルムをはく離しながら、感光性樹脂層側をアルミニウム基板へラミネートした(温度:110℃、速度:0.6m/min、圧力:0.4MPa)。次いで、平行光線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM1201)を使用して、支持フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム側(A4100)から露光量1×10mJ/cm(i線における測定値)で、紫外線を照射した。最後に、支持フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルムをはく離、主電極の直径12mmをアルミ蒸着で形成し、誘電率評価用サンプルを得た。
得られた評価用サンプルを用いて誘電率を評価した。アジレント・テクノロジー株式会社製の「E4980A LCRメータ」を用いて、周波数10kHzの際の誘電率を測定した。
(実施例2)
金属酸化物粒子として日産化学株式会社製の商品名「OZ−S30K」を50質量部添加した以外は、実施例1と同様に支持フィルム付き感光性フィルムを作製し、光学特性及び誘電率を測定した。
(実施例3)
アクリルモノマーとして日本化薬株式会社製の商品名「KAYARAD PET−30(ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート)」を40質量部、金属酸化物粒子として日産化学株式会社製の商品名「OZ−S30K」を30質量部添加した以外は、実施例1と同様に支持フィルム付き感光性フィルムを作製し、光学特性及び誘電率を測定した。
(実施例4)
アクリルモノマーとして日本化薬株式会社製の商品名「KAYARAD PET−30」を40質量部、金属酸化物粒子として日産化学株式会社製の商品名「OZ−S30K」を40質量部添加した以外は、実施例1と同様に支持フィルム付き感光性フィルムを作製し、光学特性及び誘電率を測定した。
(実施例5)
アクリルモノマーとして日本化薬株式会社製の商品名「KAYARAD PET−30」を40質量部、金属酸化物粒子として日産化学株式会社製の商品名「OZ−S30K」を50質量部添加した以外は、実施例1と同様に支持フィルム付き感光性フィルムを作製し、光学特性及び誘電率を測定した。
(実施例6)
アクリルモノマーとして日本化薬株式会社製の商品名「KAYARAD PET−30」を40質量部、金属酸化物粒子として日産化学株式会社製の商品名「OZ−S30K」を60質量部添加した以外は、実施例1と同様に支持フィルム付き感光性フィルムを作製し、光学特性及び誘電率を測定した。
(実施例7)
アクリルモノマーとして日本化薬株式会社製の商品名「KAYARAD PET−30」を40質量部、金属酸化物粒子として日産化学株式会社製の商品名「OZ−S30K」を70質量部添加した以外は、実施例1と同様に支持フィルム付き感光性フィルムを作製し、光学特性及び誘電率を測定した。
(比較例1)
金属酸化物粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様に支持フィルム付き感光性フィルムを作製し、光学特性及び誘電率を測定した。
表2に実施例1〜7及び比較例1の配合と共に、光学特性、誘電率の測定結果をまとめて示した。
実施例1〜7では、比誘電率が4を上回り、市場の要求水準に到達した。金属酸化物粒子の寄与によるものと考える。また、透過率も90%を上回り、比較例と比較しても遜色ない値を得られている。添加した金属酸化物粒子の粒径が30nm未満であることに起因すると考える。
1…支持フィルム、2…感光性樹脂層、3…保護フィルム、5…マスクパターン、10…支持フィルム付き感光性フィルム、20…基板、30…パターン基板

Claims (5)

  1. 支持フィルムとこの支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層を有し、感光性樹脂層は、バインダーポリマー、重合性化合物、光重合性開始剤、金属酸化物粒子を含有する感光性フィルムであって、10kHzにおける比誘電率が4以上である支持フィルム付き感光性フィルム。
  2. 前記金属酸化物粒子の平均粒子径が、50nm以下である請求項1に記載の支持フィルム付き感光性フィルム。
  3. 前記金属酸化物粒子が、チタン、バリウム、ジルコニウムからなる群のうちから選択された、少なくとも1種を含む金属酸化物である請求項1又は請求項2に記載の支持フィルム付き感光性フィルム。
  4. 膜厚が30μmの際の全光線透過率が90%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の支持フィルム付き感光性フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の支持フィルム付き感光性フィルムの感光性樹脂層側を、基板側に位置する向きで配置する工程と、
    前記感光性樹脂層に、パターン状に活性光線を照射する露光工程と、
    前記支持フィルムを剥離し、前記感光性樹脂層の未露光部を除去することにより樹脂パターンを形成する現像工程と、を備えるパターンの形成方法。
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