JP2008304710A - 感光性樹脂組成物及び感光性フィルム - Google Patents

感光性樹脂組成物及び感光性フィルム Download PDF

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恭子 小澤
Katsunori Tsuchiya
勝則 土屋
Takeshi Ohashi
武志 大橋
Satoshi Otomo
聡 大友
Shuichi Itagaki
秀一 板垣
Tetsuya Yoshida
哲也 吉田
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Abstract

【課題】黒色感光性樹脂として用いることができる程度の光硬化後の遮光性を有しながら、厚膜化したときであっても十分な密着性を得ることが可能な感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)バインダーポリマーと、(B)光重合性化合物と、(C)アセトフェノン誘導体及びアクリジン誘導体から選択される少なくとも一種の化合物を含む光重合開始剤と、(D)赤色顔料と、(E)黄色顔料と、(F)フタロシアニン顔料を含む青色顔料と、を含有する感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物に関する。
黒色感光性樹脂は、ブラックマトリックスの形成等に使用されている。ブラックマトリックスとは、赤、緑、青の三色のコントラストを向上させるために、液晶ディスプレイのカラーフィルターに使用される遮光層である。ブラックマトリックスの厚みは、1μm以下が一般的である。
特開平11−327137号公報 特開平11−52564号公報 特開平6−324211号公報 特開平9−302265号公報
しかしながら、従来の黒色感光性樹脂の場合、光硬化後に基板への十分な密着性を維持することが比較的困難であるという問題があった。特に、厚膜の硬化膜を形成する場合にこの問題が顕在化する傾向にある。これは、厚膜の感光層に対して光照射したときに、その遮光性のために底部における光硬化が十分に進行し難くなることが一因であると考えられる。
そこで、本発明の目的は、黒色感光性樹脂として用いることができる程度の遮光性を有しながら、厚膜化したときであっても十分な密着性を得ることが可能な感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマーと、(B)光重合性化合物と、(C)アセトフェノン誘導体及びアクリジン誘導体から選択される少なくとも一種の化合物を含む光重合開始剤と、(D)赤色顔料と、(E)黄色顔料と、(F)フタロシアニン顔料を含む青色顔料とを含有する。
上記特定の成分の組み合わせを採用した本発明に係る感光性樹脂組成物によれば、黒色感光性樹脂として用いることができる程度の遮光性を有しながら、厚膜化したときであっても十分な密着性を得ることが可能である。
当該感光性樹脂組成物からなる厚さ250μmの感光層が光硬化して形成される硬化膜は、波長450nm〜650nmにおいて5%以下の光透過率を有することが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物が、ブラックマトリックスの形成等に用いられる黒色感光性樹脂としてより好適なものとなる。本発明の感光性樹脂組成物によれば、このような高い遮光性を有しながらも、十分な密着性を維持することが可能である。
本発明の効果をより顕著なものとするため、上記赤色顔料はピグメントレッド254であり、上記黄色顔料はピグメントイエロー150であり、上記フタロシアニン顔料がピグメントブルー15:6であることが好ましい。
上記赤色顔料、上記黄色顔料及び上記青色顔料の合計の含有量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計質量に対して3〜10質量%であることが好ましい。この割合が3重量%未満であると、十分な遮光性が得られ難くなる傾向があり、10重量%を超えると光硬化が十分に進行せず、パターン形成が困難になる傾向がある。
本発明の効果をより顕著なものとするため、アセトフェノン誘導体は、α−アミノアセトフェノン又はその誘導体であることが好ましい。これにより、光硬化後の密着性が更に改善される。その効果は、イミダゾール系光重合開始剤等の他の光重合開始剤を使用した場合に比べてより顕著である。
本発明に係る感光性フィルムは、支持体と、該支持体上の形成された上記本発明に係る感光性樹脂組成物からなる感光層とを備える。
本発明の感光性フィルムによれば、黒色感光性樹脂として用いることができる程度の光硬化後の遮光性を有しながら、厚膜化したときであっても十分な密着性を得ることが可能である。また、感光性フィルムによれば、液状の感光性樹脂組成物を用いる場合と比較して樹脂層の厚膜化が容易になる。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、黒色感光性樹脂として用いることができる程度の光硬化後の遮光性を有しながら、厚膜化したときであっても十分な密着性を得ることが可能である。また、本発明の感光性樹脂組成物は、黒色顔料又はカーボンブラックを含有する場合であっても、光硬化後の高い密着性を維持することが可能である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸およびそれに対応するメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマーと、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)赤色顔料と、(E)黄色顔料と、(F)青色顔料とを含有する。
(A)成分であるバインダーポリマーとしては、感光性樹脂組成物のバインダーとして機能するポリマーであれば特に制限なく用いることができる。バインダーポリマーは、1種類のポリマーから構成されていてもよいし、2種類以上のポリマーの組み合わせから構成されていてもよい。2種類以上のポリマーを組み合わせる場合、例えば、共重合成分、重量平均分子量、又は分散度が互いに異なるポリマーの組み合わせを適用することができる。例えば、特開平11−327137号公報に記載のようなマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用してもよい。
バインダーポリマーの具体例としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、及びフェノール系樹脂が挙げられる。これらの中でも、アルカリ現像性の観点からアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、主として、アクリル基又はメタクリル基を有する重合性単量体(典型的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル)に由来するモノマー単位から構成された重合体である。
バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体のラジカル重合により得られる。重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びp−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル及びビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、並びにプロピオール酸が挙げられる。これらを単独で用いてホモポリマーとしてもよいし、2種類以上を組み合わせてコポリマーとしてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンリル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、及びこれらの構造異性体が挙げられる。これらは、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有するバインダーポリマーは、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させる方法により得られる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、安定性の観点からメタクリル酸が好ましい。現像性及びフィルム形成性の観点から、バインダーポリマーは、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体単位として含むアクリル系樹脂であることが好ましい。
バインダーポリマーの酸価は、現像時間の観点から30mgKOH/g以上であることが好ましい。また、光硬化により形成される硬化膜の耐現像液性の観点から、バインダーポリマーの酸価は250mgKOH/g以下であることが好ましく、45〜200mgKOH/gであることがより好ましい。溶剤を用いて現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体の比率が少さいことが好ましい。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、耐現像液性及びフィルム形成性の観点から20000以上であることが好ましい。また、現像時間を短くできる観点から、バインダーポリマーの重量平均分子量は300000以下であることが好ましく、25000〜150000であることがより好ましく、30000〜100000であることが更に好ましい。これら重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算される値である。
(B)成分の光重合性化合物は、分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物であることが好ましい。光重合性化合物としては、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物が好適に用いられる。ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2008304710
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、X及びXはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数を示す。
及びXの炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、及びへキシレン基が挙げられる。中でも、X及びXはエチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
p及びqは、好ましくはp+q=6〜34、より好ましくは8〜30、8〜28、8〜20、8〜16又は8〜12となるように選ばれる正の整数である。p+qが4未満であると、式(1)の化合物とバインダーポリマーとの相溶性が低下する傾向があり、p+qが40を超えると親水性が増加して硬化膜の吸水率が高くなる傾向がある。
式(1)中の芳香環(ベンゼン環)は置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基又は複素環を含む基、及びこれらの置換基で置換されたアリール基が挙げられる。これら置換基は、縮合環を形成していてもよい。また、これらの置換基が更に置換基を有していてもよい。2つのベンゼン環がそれぞれ2以上の置換基を有している場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(1)で表される化合物には、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンが含まれる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)が挙げられる。
2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)は、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物に類似した化合物である、ビスフェノールAのジグリリジルエーテルにアクリル酸を付加させた化合物を光重合性化合物として用いてもよい。この化合物は、ビスコート♯540(大阪有機化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物以外の光重合性化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びEO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(C)成分の光重合開始剤は、アセトフェノン誘導体及びアクリジン誘導体から選択される少なくとも一種の化合物を含む。
アセトフェノン誘導体の具体例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1が挙げられる。これらの中でも、厚膜における密着性の観点から、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1のようなα−アミノアセトフェノン誘導体が好ましい。
アクリリジン誘導体の具体例としては、9−フェニルアクリジン、及び1,7−ビス(9,9'−アクリジニル)ヘプタンが挙げられる。
厚膜における密着性の観点から、(C)成分の光重合開始剤は、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1、9−フェニルアクリジン、及び1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、その特性が著しく損なわれない範囲で、アセトフェノン誘導体及びアクリジン誘導体以外の光重合開始剤を更に含んでいてもよい。例えば、ヘキサアリールビイミダゾールベンゾフェノン、N,N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N'−テトラエチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン、及び4−メトキシ−4'−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、及び2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、及びベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、及びエチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、並びにクマリン系化合物が挙げられる。ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせて用いてもよい。 また、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、及び2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体のようなイミダゾール二量体を光重合開始剤として用いてもよい。これらイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリ−ル基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(D)成分の赤色顔料としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントレッド9、57、123、155、166、168、177、180、209,217、220、224が挙げられる。赤色顔料としてはピグメントレッド254のようなジケトピロロピロール型の有機顔料が好ましい。
(E)成分の黄色顔料としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントイエロー20、24、83、93、109、110、117、125、138、139、147、150、154が挙げられる。黄色顔料としては、ピグメントイエロー150のような金属錯体型の有機顔料が好ましい。
(F)成分の青色顔料は、フタロシアニン顔料を含む。フタロシアニン顔料(フタロシアニン青色顔料)としては、例えば、カラーインデックス名でピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、及びピグメントブルー15:6が挙げられる。これらの中でも、フタロシアニン青色顔料としては、ピグメントブルー15:6が好ましい。
(F)成分は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、フタロシアニン顔料以外の青色顔料を含んでいてもよい。具体的には、(F)成分のうち、フタロシアニン顔料以外の青色顔料の比率は5質量%以下であることが好ましい。他の青色顔料としては、例えば、コバルト系青色顔料、及びプルシアンブルー系青色顔料が挙げられる。
これらの顔料は、感光性樹脂組成物の調製の際、顔料単体で配合してもよいし、必要に応じて、溶剤や分散剤中に分散させた溶液状のものを用いてもよい。
(A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対して、40〜80質量%であることが好ましく、45〜70質量%であることがより好ましい。この含有量が40質量%未満では硬化膜が脆くなり易く塗膜性に劣る傾向があり、80質量%を超えると感度が低下する傾向がある。
(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対して、20〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。この含有量が20質量%未満では解像度が低下する傾向があり、60質量%を超えるとエッジフュージョンが発生しやすくなる傾向がある。
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがより好ましい。この配合量が0.1質量%未満では感度が低下する傾向があり、20質量%を超えると露光の際に感光層表面での吸収が増大して内部の光硬化が進行し難くなる傾向がある。
(D)赤色顔料、(E)黄色顔料及び(F)青色顔料の合計の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対して、3〜10質量%であることが好ましく、3〜6質量%であることがより好ましい。この含有量が3質量%未満であると遮蔽性が低下する傾向があり、10重量部以上では硬化膜底部における光硬化が進行し難くなる傾向がある。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、以上のような(A)〜(F)成分の他、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、ロイコ染料のような光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを含有していてもよい。特に、光硬化により形成される硬化膜の遮光性を高めるために、感光性樹脂組成物が黒色顔料又はカーボンブラックを含んでいてもよい。これら追加の成分の含有量は、(A)成分および(B)成分の合計質量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物は、例えば、配合成分をロールミル、ビーズミル等で均一に混練又は混合することにより得ることができる。また、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤またはこれらの混合溶剤に溶解した溶液の状態で用いることができる。感光性樹脂組成物の溶液において、固形分の濃度は30〜60質量%程度であることが好ましい。
感光性樹脂組成物は、液状レジストの状態でガラス、シリコンウエハ、銅、銅系合金、鉄、及び鉄系合金等の材料から形成された基材の表面に塗付して乾燥後、必要に応じて保護フィルムによって被覆して用いてもよいが、感光性フィルムの形で用いることがより好ましい。
図1は、感光性フィルムの一実施形態を示す端面図である。図1に示す感光性フィルム1は、支持体11と、支持体11上に設けられ感光性樹脂組成物からなる感光層12と、感光層12上に積層された保護フィルム13とを備える。
支持体11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが好適に用いられる。支持体11の厚みは、1〜300μmであることが好ましい。
感光層12は、上述の実施形態に係る感光性樹脂組成物から構成される。感光層12は、例えば、感光性樹脂組成物の溶液を支持体に塗布するステップと、塗布された感光性樹脂組成物を乾燥するステップとを含む方法により支持体11上に形成される。塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。乾燥は、70〜150℃、5〜30分間程度の加熱により行うことができる。感光層12の厚さは、用途により異なるが、乾燥後に1〜300μm程度であることが好ましい。感光層12が光硬化して形成される硬化膜をブラックマトリックスとして用いる場合、感光層12の厚さは5〜250μmであることが好ましい。また、本発明は厚膜用途に適しており、本発明によれば感光層12の厚さが50〜250μmであっても良好な特性が得られる。乾燥後の感光層12に残存する溶剤の量は、後の工程での溶剤の拡散を防止する点から、2重量%以下であることが好ましい。
保護フィルム13としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、テフロ
ン(登録商標)フィルム、表面処理した紙等が好適に用いられる。保護フィルム13は、
感光層12との間の接着力が、感光層12と支持体11との接着力よりも小さいものであ
ることが好ましい。保護フィルム13は、低フィッシュアイのフィルムであることが好ましい。
本発明に係る感光性フィルムは上記実施形態のような構成に限定されるものではない。例えば、保護フィルム13を用いることなく、感光性フィルムが感光層12及び支持体11のみから構成されていてもよい。また、感光性フィルムが、感光層、支持体および保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を更に有していてもよい。
感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻きとって貯蔵される。この際、支持体が外側になるように巻き取られることが好ましい。巻き取られたロール状の感光性フィルムの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、透湿性の小さいブラックシートに包んで感光性フィルムを包装することが好ましい。上記巻芯としては、たとえば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックが挙げられる。
レジストパターンは、例えば、本発明に係る感光性樹脂組成物からなる感光層を基板上に積層するステップと、基板上の感光層に対して活性光線を画像状に照射するステップと、活性光線が照射された感光層を現像するステップとを含む方法により形成される。
感光性フィルムを用いてレジストパターンを形成する際、例えば、保護フィルムが存在している場合には保護フィルムを除去後、感光層を70℃〜130℃に加熱しながら、0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着で積層する方法により各種基板に感光層が積層される。減圧下で積層することも可能である。また必要に応じて、積層を複数回行い、感光層の厚さを厚くすることも可能である。積層される基板の表面については特に制限は無い。
基板上に積層された感光層に対して、ネガまたはポジマスクパターンを通して活性光源が画像状に照射される。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ灯の紫外線、可視光などを有効に照射するものが用いられる。またレーザー直接描画露光法も用いられる。
露光後、感光層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンが形成される。
アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲であることが好ましい。アルカリ性水溶液の温度は、感光層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化してもよい。
光硬化後の感光層(硬化膜)の光透過率は、感光層の厚さが250μmであるときに、波長450nm〜650nmの範囲において5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。光透過率が5%を超えると、例えば硬化膜をブラックマトリックスとして用いたときに、硬化膜で被覆されていない画素間での光干渉がおき易くなる傾向がある。硬化膜を回路を被覆させるソルダーレジストやカバーレイとして用いたときには、下地回路の隠ぺい力が低下する傾向がある。光透過率は、入射光の強度に対する透過光の強度の比率であり、例えば分光光度計を用いて測定される。
現像後に金属面のエッチングが行われる場合には、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
本発明の感光性フィルムを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
感光性樹脂組成物の調製
表1に示す材料をそこに示す比率(重量部)で配合して、樹脂溶液を得た。
Figure 2008304710
表1中、(A)成分として用いた共重合体はメタクリル酸、メタクリル酸メチル及びアクリル酸エチルを17.5:52.8:29.7の質量比で共重合させて得られたポリマー(重量平均分子量:80000、分散度:2.0)であり、(B)成分として用いたEO変性ビスフェノールAジメタクリレートは日立化成工業(株)製「FA−321M」(製品名)、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートは大阪有機化学工業(株)製「FA−MECH」(製品名)であり、添加剤として用いたマラカイトグリーンは大阪有機化学工業(株)製「MKG」(製品名)である。
得られた樹脂溶液210.75gに、表2に示す材料をそこに示す量(g)加えて、感光性樹脂組成物を得た。
Figure 2008304710
表2中、(C)成分として用いた「N−1717」は1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン、「Irg−369」は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1であり、(F)成分として用いた「F119ブルー」はフタロシアニン青色顔料である。
感光性フィルムの作製
上記で得られた感光性樹脂組成物を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に感光層を形成させた。乾燥後の感光層の膜厚は50μmであった。その後、保護フィルム(ポリエチレンフィルム、フィルム長手方向の引張強さ:16Mpa、フィルム幅方向の引張強さ:12Mpa、商品名:NF−15、タマポリ(株)製)を感光層に貼り合わせて、感光性フィルムを得た。
密着性
得られた感光性フィルムを、保護フィルムを順次剥離しながら110℃に加熱したラミネートロールを通すことにより、80℃に加熱されたガラス基板上に感光層をラミネートした。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムをはく離し、ガラス基板上の感光層上に、上記で得た感光性フィルムを用いてさらに別の感光層を積層した。同様の操作を5回繰り返した。最終的な感光層の厚さは合計で250μmであった。このようにして、ガラス基板、感光層、及びポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層した積層体を得た。ガラス基板は、予め、イソプロピルアルコールで表面を洗浄し、空気流で乾燥したものを用いた。
得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム側に解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを密着させ、所定の露光量で露光した。露光は、高圧水銀灯ランプを有する散乱光露光機(オーク製作所(株)製)HMW-201GXを用いて行った。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃で255秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。その後、現像液によって除去されずに残ったラインの幅(μm)を測定し、これを密着性の指標とした。この数値が小さいことは、細いラインでもガラス基板から剥離せずにガラス基板に密着していること、すなわち、密着性が高いことを示す。評価結果は表2に示される。
光透過率
密着性の評価の場合と同様の積層体を準備し、感光層(厚さ250μm)に対して、ネガを介さずに露光した。露光後、積層体から2cm×3cmのサイズを有する試験片を切り出し、これを用いて波長450nm〜650nmの範囲の光透過率を測定した。光透過率の測定は、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製U−3310)を使用した。測定結果は表2に示される。表2中、「A」は波長450nm〜650nmの範囲全てにおいて光透過率の値が5%以下であったことを意味し、「B」は波長450nm〜650nmの範囲の一部又は全体において光透過率が5%を超えたことを意味する。
表に示されるように、赤色顔料、黄色顔料及びフタロシアニン青色顔料を含有し、且つ、光重合性開始剤としてアセトフェノン誘導体及びアクリジン誘導体のうち少なくとも一方を用いた実施例の感光性樹脂組成物によれば、光硬化後、光透過率が低く、十分な遮光性を有する硬化膜が形成された。また、これら実施例の密着性は十分に高かった。
感光性フィルムの一実施形態を示す端面図である。
符号の説明
1…感光性フィルム、11…支持体、12…感光層、13…保護フィルム。

Claims (6)

  1. (A)バインダーポリマーと、
    (B)光重合性化合物と、
    (C)アセトフェノン誘導体及びアクリジン誘導体から選択される少なくとも一種の化合物を含む光重合開始剤と、
    (D)赤色顔料と、
    (E)黄色顔料と、
    (F)フタロシアニン顔料を含む青色顔料と、
    を含有する感光性樹脂組成物。
  2. 当該感光性樹脂組成物からなる厚さ250μmの感光層が光硬化して形成される硬化膜が、波長450nm〜650nmにおいて5%以下の光透過率を有する、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記赤色顔料がピグメントレッド254であり、
    前記黄色顔料がピグメントイエロー150であり、
    前記フタロシアニン顔料がピグメントブルー15:6である、請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記赤色顔料、前記黄色顔料及び前記青色顔料の合計の含有量が、前記バインダーポリマー及び前記光重合性化合物の合計質量に対して3〜10質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記アセトフェノン誘導体が、α−アミノアセトフェノン又はその誘導体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 支持体と、該支持体上の形成された請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性フィルム。
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