JP2010251606A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

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薫 杉江
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Abstract

【課題】無加熱のスパッタ成膜法で形成でき、かつ良好なアモルファス性を有する上、更に高い移動度を有する半導体膜を開発し、より高性能な薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
【解決手段】ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の3電極、チャネル層及びゲート絶縁膜の各要素を具備してなる薄膜トランジスタにおいて、前記チャネル層がタングステンと亜鉛及び/又は錫とをドープした酸化インジウム膜で形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、チャネル層、更にはソース電極、ドレイン電極、ゲート電極などの電極をインジウムを含む金属酸化物膜で形成した薄膜トランジスタの製造方法に関する。
従来、薄膜トランジスタには、アモルファスシリコン(a−Si)を使用することが多く、そのため高温のプロセスや高価な成膜装置が必要である。また、高温のプロセスが必要になることから高分子基材などへの素子作製が困難である。
このため、ポリエチレンテレフタレート(PET)上に電子デバイスを低コストで作製するには、複雑な装置を必要としない簡易な低温プロセス、もしくは簡易なプロセスで十分な特性が得られる材料やその材料の有効的な組み合わせ、更には簡易なデバイス構造などの開発が必要不可欠である。
ここで、酸化物半導体、特に透明酸化物半導体は新しい特性を持つ電子・光デバイスの実現には必要不可欠の材料である。最近、In−Ga−Zn−O(IGZO)の酸化物半導体をチャネル層として用いたフレキシブルTFT素子がa−Siを凌駕する特性を示すことが報告され(非特許文献1:Nature2004年432巻488ページ)、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの駆動用背面板としての利用が試されている。
このIGZOがTFT素子用の半導体材料として上記a−Siよりも優れる点として2点挙げることができ、一点はTFT素子として最も重要な特性である移動度が1cm2/Vsecを超え、a−Siの0.1〜1cm2/Vsecを上回ること、もう一点はa−Siの成形プロセス温度が300℃以上であるのに対し、無加熱のプロセスでも上記良好な移動度を有する膜が得られることである。更に、IGZOはアモルファス状態を保つ傾向が高く、安定な特性が容易に得られることや、膜の柔軟性に優れていることも大きな利点となる。
しかしながら、IGZOはこのように非常に高い性能を示すものの有害であるGaを含むことや、非常に精密な膜中酸素含有量制御が必要であり、その取り扱い性や成膜制御に不利がある。また、3種類の金属元素を含むために組成が複雑になり、更には従来取り扱われることのなかった材料であるために生産ラインへの新規導入が困難である、などの不利もある。
そこで、出願人は、無加熱のスパッタ成膜法で比較的容易に成形することができると共に、1cm2/Vsecを超える高い移動度とアモルファス性も兼備した半導体材料として、先にIn−W−Oを開発している(特許文献1:特開2008−192721号公報)。
このIn−W−O膜は、上記のように(1)1cm2/Vsecを超える高い移動度を有すること、(2)無加熱のスパッタ成膜法により形成することができること、(3)アモルファス性を有すること、の3つの大きな利点があり、薄膜トランジスタの半導体膜として非常に有用なものであるが、近年の半導体部品に対する要求特性は非常に高く、更に高い移動度を有する半導体膜の開発が望まれ、これによりTFT(薄膜トランジスタ)としての特性を更に向上させることができ、その結果、適用したデバイスの性能も更に向上させることができる。これは同時に材料としてのロバスト性が広がり、材料の使いやすさが向上することも意味する。
従って、より高性能な薄膜トランジスタを得るため、In−W−O膜が持つ・無加熱のスパッタ成膜法により形成することができること、・アモルファス性を有すること、などの特性を低下させることなく、更に高い移動度を有する半導体膜の開発が望まれる。
特開2008−192721号公報
Nature2004年432巻488ページ
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、無加熱のスパッタ成膜法で形成でき、かつ良好なアモルファス性を有する上、更に高い移動度を有する半導体膜を開発し、より高性能な薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、タングステンをドープした酸化インジウム(In−W−O)に更に亜鉛及び/又は錫をドーピングした酸化インジウム(In−W−Zn−O、In−W−Sn−O、In−W−Sn−Zn−O)の金属酸化物膜が従来のIn−W−Oを大幅に超える高い移動度を発現し、しかも良好な無加熱のプロセスで成膜し得る上、良好なアモルファス性も兼備し、この金属酸化物膜でチャネル層を含む素子を成膜して薄膜トランジスタを作製することにより、高性能な薄膜トランジスタを比較的簡易に作製することができることを見出した。
従って、本発明は、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の3電極、チャネル層及びゲート絶縁膜の各要素を具備してなる薄膜トランジスタにおいて、前記チャネル層がタングステンと亜鉛及び/又は錫とをドープした酸化インジウム膜で形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタを提供する。
本発明によれば、無加熱のスパッタ成膜法で形成でき、かつ高い移動度とアモルファス性を兼備するという特徴を維持したまま高い移動度を達成した半導体膜でチャネル層を形成したことにより、高性能な薄膜トランジスタを生産性よく得ることができるものである。
本発明にかかるTFT素子(薄膜トランジスタ)の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、上述のように、チャネル層をタングステンと亜鉛及び/又は錫とをドープした酸化インジウム膜で形成したものであり、例えば図1に示した構成のTFT素子を例示することができる。
この図1の薄膜トランジスタは、ゲート絶縁膜2として熱酸化膜(SiO2)が表面に形成されたSi基板1(ゲート電極)上に、チャネル層3を形成し、更にこのチャネル層3上にソース電極4及びドレイン電極5を形成したものであり、このような薄膜トランジスタにおいて、本発明では、少なくとも上記チャネル層3をインジウムを含む金属酸化物膜で形成したものである。なお、図1中の6は、Si基板(ゲート電極)と導通をとるための銀ペースト6である。
上記チャネル層3を形成する金属酸化物膜としては、上記のように、タングステンと亜鉛及び/又は錫とをドープした酸化インジウム膜であり、即ちIn−W−Zn−O、In−W−Sn−O又はIn−W−Sn−Zn−Oが用いられる。これらの酸化インジウム膜は、いずれも透明な導電膜が得られることから透明薄膜トランジスタを作製することができる。また、これらはアモルファス性を保持する傾向があり、熱安定性や膜平坦性に優れ、更にこれらの金属酸化物膜をスパッタにより成膜する際にターゲットのW含有量、Zn含有量、Sn含有量を調整することにより、TFT特性を容易に制御することも可能である。
このチャネル層3は、特に制限されるものではないが、通常は10-1〜106Ωcm、特に1〜105Ωcmの電気抵抗率に調整される。この場合、上記In−W−Zn−O、In−W−Sn−O、In−W−Sn−Zn−Oは、成膜時に酸素欠損の度合いを調節することにより、比較的容易に電気抵抗率を調整することができる。
このチャネル層3を上記In−W−Zn−O膜、In−W−Sn−O膜又はIn−W−Sn−Zn−O膜で形成する場合の成膜法は、DC反応性スパッタ法やRFスパッタ法、パルスレーザー蒸着法などの物理的気相成長法を用いることができるが、特に酸素ガスを含む雰囲気下で、インジウム含むターゲットを用いてスパッタする方法が好ましく採用される。この場合、酸素ガスの流量を調整変化させることにより、In−W−Zn−O膜、In−W−Sn−O膜又はIn−W−Sn−Zn−O膜の酸素欠損量を調整して、電気抵抗率をチャネル層3に適した上記抵抗率に調整することができる。
このようにスパッタ法による成膜を行う際に用いられるターゲットとしては、In−W−Zn−O膜を成膜する場合にはInWZn金属ターゲットやIn−W−Zn−Oセラミックターゲットを、またIn−W−Sn−O膜を成膜する場合にはInWSn金属ターゲットやIn−W−Sn−Oセラミックターゲットを、In−W−Sn−Zn−O膜を成膜する場合にはInWSnZn金属ターゲットやIn−W−Sn−Zn−Oセラミックターゲットをそれぞれ用いることができる。
ここで、DC反応性スパッタ法やRFスパッタ法で上記インジウムを含む金属酸化膜を成膜する際、本発明では基板の加熱を行う必要なく、常温でスパッタを行うことにより良好に上記金属酸化物膜を形成することができる。また、特に制限するものではないが、複数のカソードにパルス状の電圧を交互に印加して、高速で上記金属酸化物膜を成膜するデュアルカソードスパッタ法を適用して生産性を向上させることもでき、またプラズマ中のイオン濃度を測定することによって導入酸素量をリアルタイムで制御するPEM(Plasma Emission Monitor)コントロールによるフィードバックシステムを用いて、薄膜の安定な組成制御及び酸素含有量制御を行うようにすることもできる。
次に、上記ソース電極4及びドレイン電極5は、In23,ITO,FTO,In−Ti−O膜、In−W−O膜などの透明電極材料や、透明性を求めなければAu,Pt,Ti,Alなどの金属材料、各種導電性高分子材料などの公知の材料を用いることができる。また、場合によっては、これらソース電極又はドレイン電極の一方又は両方を上記チャネル層3と同様にIn−W−Zn−O膜、In−W−Sn−O膜又はIn−W−Sn−Zn−O膜で形成することもできる。この場合にはチャネル層3とソース電極4やドレイン電極5とを同じ成膜装置を用いて形成することができ、コストの削減を図ることができる。また、可視光領域での透明性が得られることから幅広いアプリケーションへの対応が可能となる。
このソース電極4やドレイン電極5には良好な導電性が求められ、通常は電気抵抗率10-5〜10-1Ωcm、特に10-5〜10-3Ωcmに調整される。この場合、上記チャネル層3と同様に上記スパッタ法によりIn23膜やITO膜、ITO膜、In−Ti−O膜、In−W−Zn−O膜、In−W−Sn−O膜、In−W−Sn−Zn−O膜を成膜してソース電極4やドレイン電極5を形成する場合には、酸素導入量を調整して酸素欠損を積極的に導入することによってこのような低抵抗率を達成することができる。また、水素や水を添加しながら成膜を行うことも低抵抗率化に有効である。更に、場合によっては、これら電極4,5の成膜時にも上記チャネル層3の場合と同様に、デュアルカソードスパッタ法やPEMコントロールを採用することもでき、この場合にはターゲットの状態に依存することなく、薄膜の安定な組成制御及び酸素含有量制御を行うことができ、信頼性の高い成膜操作を行うことができる。
また、このようにチャネル層3と共にソース電極4やドレイン電極5をスパッタ法により上記インジウムを含む金属酸化物膜で形成する場合、膜中の酸素含有量を徐々に変化させた組成傾斜膜(導電率傾斜膜)をソース電極4及びドレイン電極5とチャネル層3との界面に形成適用することもでき、これによりソース電極4及びドレイン電極5とチャネル層3との界面でのバリアが低減化してキャリアの注入が容易になり、特性の向上が期待できる。
上記図1の薄膜トランジスタ(TFT素子)では、基板1としてSiO2のゲート絶縁膜2を有するSi基板を用いたが、基板はこれに限定されるものではなく、従来からトランジスタ等の電子デバイスの基板として公知のものを用いることができる。例えば、上記Si基板の外に、白板ガラス,青板ガラス,石英ガラス等のガラス基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)を始めとする高分子フィルム基材などの透明基板や、デバイスに対して透明性が求められない場合であれば、各種金属基板やプラスチック基板、ポリイミド等の非透明高分子基板などを用いることもできる。
また、上記図1のTFT素子では、Si基板1をゲート電極とし銀ペースト6でこのゲート電極と導通をとるようになっているが、絶縁性の基板を用い別途にゲート電極及びゲート絶縁膜を基板上に形成してもよい。
この場合、ゲート電極を形成する材料としては、上記ソース電極4やドレイン電極5と同様の電極材料を例示することができ、勿論チャネル層3の形成時と同様の成膜装置を用いてIn23膜やITO膜、In−Ti−O膜、In−W−O膜、In−W−Zn−O膜、In−W−Sn−O膜、In−W−Sn−Zn−O膜で形成することもできる。なお、ゲート電極の電気抵抗率は、上記ソース電極4やドレイン電極5と同様に、10-5〜10-1Ωcm、特に10-5〜10-3Ωcmとすることができる。
また、上記ゲート絶縁膜は、SiO2,Y23,Ta25,Hf酸化物などの金属酸化物や、ポリイミドを初めとする絶縁性高分子材料などの公知の材料を用い、公知の方法で形成すればよい。このゲート絶縁膜の電気抵抗率は、通常は1×106〜1×1015Ωcm、特に1×1010〜1×1015Ωcmとすればよい。
なお、本発明の製造方法で製造される薄膜トランジスタは、図1に示したボトムゲート・トップコンタクト型のものに限定されるものではなく、ボトムゲート・ボトムコンタクト、トップゲート・ボトムコンタクト、トップゲート・トップコンタクトなど、その他の形態とすることもできる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[半導体膜の性能試験]
まず、本発明の薄膜トランジスタにチャネル層として用いられるIn−W−Zn−O膜、In−W−Sn−O膜、In−W−Sn−Zn−O膜の性能を下記の通り評価した。
・試験試料の作製
(試料1:In−W−Zn−O膜)
エタノールとアセトンで洗浄した厚さ1.1mmの石英ガラス基板上に、厚さ30nmのIn−W−Zn−O膜を基板無加熱の状態でDCマグネトロンスパッタ法により成膜した。スパッタ条件は下記の通りである。
(スパッタ条件)
ターゲット:In−W−Zn−O焼結体(W=5wt%,Zn=0.5wt%、サイズ75mmφ)
到達真空度:1.0×10-3Pa
成膜時圧力:0.5Pa
印加電力:150W
スパッタ時間:約5分
成膜時のガス流量:Ar/O2=94/6.0sccm
このようにしてIn−W−Zn−O膜が形成された石英ガラス基板から10mm×10mmの試験片を切り出し、この小片の中央部を隠すようにシャドーマスクを貼り付け、その四隅にDCマグネトロンスパッタ法により厚さ30nmのITO膜からなるオーミック電極を形成し、試料1とした。スパッタ条件は下記の通りである。
(スパッタ条件)
ターゲット:In−Sn−O焼結体(Sn=5wt%、サイズ75mmφ)
到達真空度:1.0×10-3Pa
成膜時圧力:0.5Pa
印加電力:150W
スパッタ時間:約3分
成膜時のガス流量:Ar/O2=99/1.0sccm
(試料2:In−W−Sn−O膜)
エタノールとアセトンで洗浄した厚さ1.1mmの石英ガラス基板上に、厚さ30nmのIn−W−Sn−O膜を基板無加熱の状態でDCマグネトロンスパッタ法により成膜した。スパッタ条件は下記の通りである。
(スパッタ条件)
ターゲット:In−W−Sn−O焼結体(W=5wt%,Sn=0.5wt%、サイズ75mmφ)
到達真空度:1.0×10-3Pa
成膜時圧力:0.5Pa
印加電力:150W
スパッタ時間:約5分
成膜時のガス流量:Ar/O2=94/6.0sccm
このようにしてIn−W−Sn−O膜が形成された石英ガラス基板から10mm×10mmの試験片を切り出し、その四隅に上記試料1と同様にしてITO膜からなるオーミック電極を形成し、試料2とした。
(試料3:In−W−Sn−Zn−O膜)
エタノールとアセトンで洗浄した厚さ1.1mmの石英ガラス基板上に、厚さ30nmのIn−W−Sn−Zn−O膜を基板無加熱の状態でDCマグネトロンスパッタ法により成膜した。スパッタ条件は下記の通りである。
(スパッタ条件)
ターゲット:
In−W−Sn−Zn−O焼結体(W=5wt%,Sn=0.25wt%,Zn=0.25wt%、サイズ75mmφ)
到達真空度:1.0×10-3Pa
成膜時圧力:0.5Pa
印加電力:150W
スパッタ時間:約5分
成膜時のガス流量:Ar/O2=94/6.0sccm
このようにしてIn−W−Sn−Zn−O膜が形成された石英ガラス基板から10mm×10mmの試験片を切り出し、その四隅に上記試料1と同様にしてITO膜からなるオーミック電極を形成し、試料3とした。
(試料4:In−W−O膜)
エタノールとアセトンで洗浄した厚さ1.1mmの石英ガラス基板上に、厚さ30nmのIn−W−O膜を基板無加熱の状態でDCマグネトロンスパッタ法により成膜した。スパッタ条件は下記の通りである。
(スパッタ条件)
ターゲット:In−W−O焼結体(W=5wt%、サイズ75mmφ)
到達真空度:1.0×10-3Pa
成膜時圧力:0.5Pa
印加電力:150W
スパッタ時間:約5分
成膜時のガス流量:Ar/O2=94/6.0sccm
このようにしてIn−W−O膜が形成された石英ガラス基板から10mm×10mmの試験片を切り出し、その四隅に上記試料1と同様にしてITO膜からなるオーミック電極を形成し、試料4とした。
上記試料1〜4についてVan der Pauw法によりホール測定を行った。ホール測定は、東陽テクニカ社製ホール測定装置「ResiTest8300」を用いて行った。結果を表1に示す。
Figure 2010251606
表1に示されているように、ホール測定の結果、In−W−O膜に更にZn,SnをドープしたIn−W−Zn−O膜、In−W−Sn−O膜、In−W−Sn−Zn−O膜は、ホール移動度が大幅に向上していることが認められる。
[実施例1]
表面にゲート絶縁膜として熱酸化膜(SiO2、厚さ300nm)が形成されたシリコンウエハー上に、DCマグネトロンスパッタ法によって厚さ30nmのIn−W−Zn−O膜をチャネル層として成膜した。この場合、スパッタ条件は上記試料1のIn−W−Zn−O膜形成時と同様の条件とし、基板無加熱でスパッタを行った。
得られた上記チャネル層上に、DCマグネトロンスパッタ法によって厚さ30nmのITO膜をソース電極及びドレイン電極として成膜し、図1に示した構成の薄膜トランジスタ(TFT素子)を作製した。この場合、スパッタ条件は上記試料1のオーミック電極形成時と同様の条件とし、ソース電極及びドレイン電極の成膜にはシャドーマスクを用いてパターニングを行い、チャネル長0.1mm、チャネル幅6.4mmとした。
[実施例2]
表面にゲート絶縁膜として熱酸化膜(SiO2、厚さ300nm)が形成されたシリコンウエハー上に、DCマグネトロンスパッタ法によって厚さ30nmのIn−W−Sn−O膜をチャネル層として成膜した。この場合、スパッタ条件は上記試料2のIn−W−Sn−O膜形成時と同様の条件とし、基板無加熱でスパッタを行った。
得られた上記チャネル層上に、DCマグネトロンスパッタ法によって厚さ30nmのITO膜をソース電極及びドレイン電極として成膜し、図1に示した構成の薄膜トランジスタ(TFT素子)を作製した。この場合、スパッタ条件は上記試料2のオーミック電極形成時と同様の条件とし、ソース電極及びドレイン電極の成膜には上記実施例1と同様にシャドーマスクを用いてパターニングを行い、チャネル長0.1mm、チャネル幅6.4mmとした。
[実施例3]
表面にゲート絶縁膜として熱酸化膜(SiO2、厚さ300nm)が形成されたシリコンウエハー上に、DCマグネトロンスパッタ法によって厚さ30nmのIn−W−Sn−−Zn−O膜をチャネル層として成膜した。この場合、スパッタ条件は上記試料3のIn−W−Sn−Zn−O膜形成時と同様の条件とし、基板無加熱でスパッタを行った。
得られた上記チャネル層上に、DCマグネトロンスパッタ法によって厚さ30nmのITO膜をソース電極及びドレイン電極として成膜し、図1に示した構成の薄膜トランジスタ(TFT素子)を作製した。この場合、スパッタ条件は上記試料3のオーミック電極形成時と同様の条件とし、ソース電極及びドレイン電極の成膜には上記実施例1と同様にシャドーマスクを用いてパターニングを行い、チャネル長0.1mm、チャネル幅6.4mmとした。
[比較例1]
表面にゲート絶縁膜として熱酸化膜(SiO2、厚さ300nm)が形成されたシリコンウエハー上に、DCマグネトロンスパッタ法によって厚さ30nmのIn−W−O膜をチャネル層として成膜した。この場合、スパッタ条件は上記試料4のIn−W−O膜形成時と同様の条件とし、基板無加熱でスパッタを行った。
得られた上記チャネル層上に、DCマグネトロンスパッタ法によって厚さ30nmのITO膜をソース電極及びドレイン電極として成膜し、図1に示した構成の薄膜トランジスタ(TFT素子)を作製した。この場合、スパッタ条件は上記試料4のオーミック電極形成時と同様の条件とし、ソース電極及びドレイン電極の成膜には上記実施例1と同様にシャドーマスクを用いてパターニングを行い、チャネル長0.1mm、チャネル幅6.4mmとした。
上記実施例1〜3及び比較例1で得られた4種類の薄膜トランジスタにつき、アジレント社製の半導体パラメータアナライザー「4155C」を用いてTFT特性を評価した。この際、ドレイン電圧は70V、ゲート電圧は−70〜+70Vまで掃印した。得られたTFT特性を元に電界効果移動度μFEを算出した。結果を表2に示す。
Figure 2010251606
表2に示されているように、In−W−O膜に更にZn,SnをドープしたIn−W−Zn−O膜、In−W−Sn−O膜、In−W−Sn−Zn−O膜でチャネル層を形成した薄膜トランジスタ(実施例1〜3)は、In−W−O膜をチャネル層とする薄膜トランジスタ(比較例1)に比して電界効果移動度が大幅に向上することが確認された。
1 基板(ゲート電極)
2 ゲート絶縁膜
3 チャネル層
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 銀ペースト

Claims (3)

  1. ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の3電極、チャネル層及びゲート絶縁膜の各要素を具備してなる薄膜トランジスタにおいて、前記チャネル層がタングステンと亜鉛及び/又は錫とをドープした酸化インジウム膜で形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 上記タングステンと亜鉛及び/又は錫とをドープした酸化インジウム膜が、酸素ガスを含む雰囲気下で、インジウム及びタングステンと亜鉛及び/又は錫とを含むターゲットをスパッタすることにより成膜されたものである請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 上記各要素を形成する基板の加熱を行わずにスパッタにより成膜すると共に、成膜後のアニール処理も行わずに得られたものである請求項1又は2記載の薄膜トランジスタ。
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